JP4377980B2 - カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーテレビ、パーソナルコンピュータのディスプレイ等に使用されるカラー表示の液晶表示パネルに用いられるカラーフィルタとその製造方法に関し、さらには該カラーフィルタを用いた液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶表示パネルの研究開発は拡大の一途をたどり、その市場は大きく拡大している。
【0003】
液晶表示パネルを構成する部品を大別すると、偏光板、ガラス基板、配向膜、液晶材料、スペーサー、カラーフィルタ等に分かれるが、これらが占める価格の割合を見ると、カラーフィルタは中でも比較的高価であり、その製造コストの削減は、妥当な価格の液晶表示パネルを提供するためのポイントであるといわれている。そのため、従来より、カラーフィルタとしての要求性能を満たしつつ、安価なカラーフィルタを製造するための種々の方法が試みられている。
【0004】
カラーフィルタは、透明基板上に形成された赤(R)、青(B)、緑(G)の三原色の着色画素を一絵素とする多数の絵素から構成されており、色の異なる画素間には、一般に、表示コントラストを高めるために一定の幅を持つ遮光領域が設けられている。通常、この領域は黒色であることから、ブラックマトリクスと呼ばれている。
【0005】
カラーフィルタの製造方法については、フォトリソグラフィ法を用いて形成した可染媒体を染色する染色法、顔料が分散されている感光性組成物を用いる顔料分散法、パターニングした電極を利用した電着法等の他、低コストの製造方法としてインクジェット方式を用いた方法がある。
【0006】
インクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法としては、例えば特開平6−347637号公報、特開平7−35915号公報、特開平7−35917号公報等に記載されている方法等が挙げられる。即ち、特開平6−347637号公報には、ガラス基板上の所望する着色領域外への色材の拡がりを防止するため、予めブラックマトリクスにフッ素系撥水・撥油剤を含有させてパターン形成することによって、着色領域内のみに色材を定着させることが記載されている。また、特開平7−35915号公報、特開平7−35917号公報には、特開平6−347637号公報と同様に、含フッ素化合物及び/または含ケイ素化合物を含有する黒色樹脂層を、着色工程におけるインキにじみ、混色の防止のための仕切り壁とすることが記載されている。
【0007】
一方、混色を防止するために撥水性物質を含有させて黒色樹脂層を形成する方法においては、ガラス基板上に一旦黒色樹脂を全面に塗布し、パターニングを行なうために、各画素内に撥水性物質が残留する恐れがあり、それにより着色材料がはじかれ、色の抜け(白抜け)及び色ムラ等が生じ易いという製造上及び特性上の不具合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した問題点に鑑み、ブラックマトリクス及び着色画素を簡易な方法で形成し、且つ、カラーフィルタとしての要求特性に優れ、特に混色のない色特性に優れた液晶素子用カラーフィルタの製造方法を実現し、該製造方法により優れたカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを用いた液晶素子を提供することにある。
【0009】
さらに本発明は、カラーフィルタの製造コストの低減を図り、安価なカラーフィルタを提供することにより、妥当な価格の液晶素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、透明基板上の全面に、酸化チタン微粒子と、バインダー成分として酸化シリコン或いは酸化アルミニウムと、を含有する組成物からなる親水性透明物質層を形成する工程と、該親水性透明物質層上に開口部を有する遮光層を形成する工程と、該透明基板全面に紫外線照射を行なって、該遮光層の開口部に露出した酸化チタンの親水性を発現させる工程と、該遮光層の開口部に着色材料を付与して硬化させ着色画素を形成する工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0011】
また本発明の第二は、上記製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタであり、第三は、一対の基板間に液晶を挟持してなり、一方の基板を上記本発明のカラーフィルタを用いて構成したことを特徴とする液晶素子である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のカラーフィルタの製造方法の工程を示す。以下、各工程を説明する。尚、図1の(a)〜(e)は下記工程(a)〜(e)に対応する断面模式図である。
【0013】
工程(a)
先ず、透明基板1上に親水性透明物質層2を形成する。透明基板1としては、通常ガラス基板が用いられるが、透明性や強度等が満たされればプラスチック基板なども用いることができる。親水性透明物質層2としては、酸化チタン微粒子とバインダー成分とからなる組成物、或いは、重合体により形成することができる。
【0014】
本発明において用いられる酸化チタン微粒子は、平均粒径が1〜500nmであることが好ましく、特に10〜100nmが望ましい。また、バインダー成分としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等の光重合性オリゴマー、或いはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの光硬化性樹脂が用いられる。また、その他に熱硬化性樹脂、シランカップリング剤等の有機系材料が用いられる。さらに、無機系材料として、酸化シリコンや酸化アルミニウム等の超微粒子或いはそれらの混合物を用いることができる。また、上記有機系材料と無機系材料を混合して用いても良い。
【0015】
上記酸化チタン微粒子とバインダー成分とを混合処理し、溶媒成分中で分散処理して塗布液とし、スプレー法、ディップ法、ロールコート法、印刷法、ミストデポジション法を用いて透明基板1上に塗布し、乾燥等必要な処理を施し、親水性透明物質層2を形成する。また、上記成分の場合には、蒸着法やスパッタ法なども利用することができる。尚、酸化チタン微粒子を用いた場合には、親水性を発現させるため、後述する紫外線照射工程が必要である。
【0016】
本発明において、親水性透明物質層2を重合体を用いて形成する場合には、特にビニル系単量体の単独重合体或いはビニル系単量体を含有する共重合体が好ましく用いられる。具体的には、通常レジスト材料として用いられている公知の重合体が使用でき、例えば、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシアクリレート類、ビニル基を有するポリオール化合物、アクリル酸、ポリビニルフェノール類の親水性単量体やメチルメタクリレート等アクリレート類等の単量体からなる共重合体の他、ノボラック樹脂、ポリカーボネート等の重合体が使用でき、さらにはこれらの混合物を用いることもできる。
【0017】
工程(b)
次いで、上記親水性透明物質層2上に、着色画素領域を開口部とする遮光層3を形成する。遮光層を形成する遮光材料としては、光硬化性樹脂組成物に黒色成分を分散せしめた組成物が用いられる。ここで、黒色成分は、カーボンブラック、各色顔料の混合物、鉄黒或いはそれらの混合物で構成される。尚、ここで、混色防止の効果を増すために撥水性材料を混合させても、本発明の構成によれば、着色画素の白抜け及び色ムラが発生しないことが確認されている。
【0018】
また本発明においては、遮光層2の表面エネルギーが後述する着色材料の表面エネルギーよりも5dyn/cm以上小さくなるように、遮光材料及び着色材料を選択することにより、遮光層2の開口部に向かって付与された着色材料がすみやかに該開口部内に収納され、遮光層2上に残留して隣接する開口部間で混色することが防止される。
【0019】
遮光層のパターニング方法としては、通常のフォトリソ工程と同様に行なえば良い。即ち、先ず、親水性透明物質層2上に上記遮光材料を均一塗布する。塗布の方法としては、スピンコート、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート等、均一な膜厚が得られるものであれば特に限定されるものではない。この塗膜にプリベークを施してある程度溶剤を乾燥させた後、所望の形状を有するマスクを介して遮光材料の塗膜を露光し、さらに現像、リンス処理することによりパターニングを行なう。その後、必要に応じて熱処理を施しても良い。
【0020】
工程(c)
親水性透明物質層2を酸化チタン微粒子を含む組成物で形成した場合には、基板全面に紫外線照射を行なって酸化チタンの親水性を発現させる。その結果、遮光層3の開口部に露出した領域のみ親水化できるため、親水性を必要としない遮光層3下は親水化されず、混色防止の役割を果すことになるため、本発明においては、親水性透明物質層2を酸化チタン微粒子を含有する組成物で形成することが望ましい。
【0021】
本発明においては、遮光層3の開口部には親水性透明物質層2の表面が露出しているため、当該開口部に付与された着色材料と親水性透明物質層2の表面が良好に密着して、白抜けや色ムラのない着色画素を形成することができる。
【0022】
工程(d)
遮光層3の開口部に赤(R)、緑(G)、青(B)の各着色材料4a〜4cを所定の着色パターンに沿って付与する。この時、インクジェット記録装置を用いて着色材料を付与すると、効率よく当該工程を行なうことができる。
【0023】
当該工程において好適に用いられるインクジェット記録装置のインクジェットヘッドとしては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ、或いは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプなどが挙げられる。即ち、このようなタイプのインクジェットヘッドを用いると、着色面積及び着色パターンを任意に設定することにより、所望の位置に所望の色のインク(着色材料)を付与することが簡単にできるため、カラーフィルタの着色画素パターンを簡易に形成することが可能となる。
【0024】
本発明で用いられる着色材料は、好ましくはエネルギー付与により硬化する樹脂組成物からなり、着色材を含有する。着色材としては一般の染料や顔料を用いることができ、例えば染料としては、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料、ポリメチン染料等などを用いることができる。
【0025】
また着色材料に用いる樹脂としては、熱処理や光照射等エネルギー付与によって硬化する樹脂を用いる。具体的には、熱硬化型樹脂として、公知の樹脂と架橋剤との組み合わせが使用できる。例えば、アクリル樹脂、メラミン樹脂、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーとメラミン、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーと多官能エポキシ化合物、水酸基或いはカルボキシル基含有ポリマーと繊維素反応型化合物、エポキシ樹脂とレゾール型樹脂、エポキシ樹脂とアミン類、エポキシ樹脂とカルボン酸又は酸無水物、エポキシ化合物などが挙げられる。また、光硬化型樹脂としては、公知のもの、例えば市販のネガ型レジストが好適に用いられる。
【0026】
上記着色材料には、種々の溶媒を加えることもできる。特に、インクジェット方式を用いる場合にはインクジェットヘッドからの吐出性の面から、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒が好ましく用いられる。
【0027】
さらに、上記成分の他に必要に応じて所望の特性を持たせるために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができ、さらに、市販の水溶性染料なども添加することができる。
【0028】
また、上記した光或いは熱硬化型樹脂のうち、水或いは水溶性有機溶剤に溶解しないものでも安定に吐出可能なものであれば、水や水溶性有機溶剤以外の溶媒を用いても構わない。また、特に光により重合するタイプのモノマーを用いる場合には、染料をモノマーに溶解した無溶剤タイプとすることもできる。
【0029】
工程(e)
着色材料4a〜4cに加熱或いは光照射等必要な処理を施して硬化させ、着色画素5a〜5cとする。次いで、必要に応じて保護膜6を形成する。保護膜6としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプ或いは光熱併用タイプの樹脂膜、蒸着スパッタ等によって形成された無機膜等を用いることができ、カラーフィルタとした時の透明性を有し、その後のITO形成プロセス、配向膜形成プロセス等に耐え得るものであれば使用可能である。
【0030】
次に、本発明のカラーフィルタを用いて構成した液晶素子について説明する。図2は図1の工程で得られたカラーフィルタを組み込んだ本発明の液晶素子の一実施形態であり、アクティブマトリクス型液晶素子の構成を示す断面模式図である。図2において、12は共通電極、13は配向膜、21は基板、22は画素電極、23は配向膜、14は液晶化合物、15はバックライト光、16は出射光であり、図1と同じ部材には同じ符号を付した。
【0031】
カラー表示の液晶素子は、一般的にカラーフィルタ側基板(1)とTFT基板(21)とを合わせ込み、その間(2〜5μm程度)液晶化合物14を封入することにより形成される。液晶素子の一方の基板の内側に、TFT(不図示)と透明な画素電極22がマトリクス状に形成される。また、もう一方の基板1の内側には、画素電極22に対向する位置にR、G、Bの各着色画素5a〜5cが配列するようにカラーフィルタが設置され、その上に透明な共通電極12が一面に形成される。さらに、両基板の面内には配向膜13、23が形成されており、これらをラビング処理することにより液晶分子を一定方向に配列させることができる。
【0032】
基板1、21の外側にはそれぞれ偏光板(不図示)が接着され、バックライトとして一般的に蛍光灯(不図示)と散乱板(不図示)の組み合わせを用い、液晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行なう。図2の構成では液晶素子を透過型としたが、基板21或いは電極22を金属等光反射性の高い素材で形成することにより、反射型の液晶素子を構成することもできる。
【0033】
本発明の液晶素子においては、本発明のカラーフィルタを用いて構成していれば良く、他の構成部材については、その素材や製法等、従来の液晶素子の技術を適用することが可能である。
【0034】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるわけではない。
【0035】
(実施例1)
pH=11.0の無機アルカリで洗浄したガラス基板上に、下記組成物をディップ法により、100mm/minの速度で両面塗布した。
【0036】
組成物の組成
酸化チタン微粒子(平均粒径10nm) 20重量部
酸化シリコン超微粒子(平均粒径3nm) 5重量部
シランカップリング剤 1重量部
(γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
溶剤(エタノール/酢酸ブチル=1/3) 74重量部
【0037】
上記組成物塗布後、焼成炉にて250℃で1時間焼成し、乾燥膜厚100nmの親水性透明物質層を得た。その後、ブラックレジスト(富士フィルムオーリン社製)をスピンコート法により、1000rpmで1分間の条件で塗布し、90℃で3分間乾燥させ、100mJ/cm2 の露光量で露光し、さらに無機アルカリ現像液で現像し、リンス処理した。続いて、200℃で30分間の熱処理を行なって遮光層を形成した。その後、上記露光量で基板全体を1分間露光し、上記親水性透明物質層に親水性を発現させた。
【0038】
次に、バブルジェットタイプのインクジェット記録装置を用いて、R、G、Bの各着色材料を上記遮光層の開口部に付与し、180℃で10分間の熱処理を施して硬化させた。着色材料としては、着色材としてシアン(C.I.ピグメントブルー9)、マゼンタ(C.I.ピグメントレッド35)、イエロー(C.I.ピグメントイエロー23)を、樹脂(アクリルシリコーングラフトポリマーを主成分とする自己架橋熱硬化型樹脂)に分散させ、溶剤(ジエチレングリコール、イソプロピルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、イオン交換水)で溶かしたものに表面張力調整剤(アセチレノール)を添加したものである。
【0039】
この時の着色材料は25℃で粘度9cps、表面エネルギーが42dyn/cmであり、遮光層の表面エネルギーは32dyn/cmで着色材料よりも10dyn/cm小さかった。また、遮光層の開口部に露出した親水性透明物質層の表面エネルギーは95dyn/cmであった。
【0040】
以上のようにして作製されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、白抜けや色ムラがなく、しかも混色も観察されなかった。
【0041】
また、本実施例で得られたカラーフィルタを用いて、TFT基板と組み合わせてカラー表示の液晶素子を作製した。この液晶素子に画像を表示させたところ、良好なカラー画像を表示することができた。
【0042】
(参考実施例)
実施例1と同じガラス基板上に、N−メチロールアクリルアミドとメタクリル酸メチルとヒドロキシエチルメタクリレートの3元共重合体(モノマー組成比=20:30:50)からなる組成物をスピンコータを用いて全面塗布した後、温風循環乾燥機中で90℃で10分間のベークを行なって、希釈溶剤を乾燥させ、膜厚0.3μmの親水性透明物質層を形成した。次いで、ブラックレジスト(新日鐵化学社製)をスピンコート法により、800rpmで30秒間で塗布し、90℃で3分間乾燥させ、100mJ/cm2の露光量で露光し、さらに、無機アルカリ現像液にて現像し、リンス処理した。その後、200℃で30分間の熱処理を行なって遮光層を形成した。この遮光層の表面エネルギーは25dyn/cmであった。
【0043】
次に、インクジェット装置を用い、R、G、Bの各着色材料を上記遮光層の開口部に付与した。着色材料は、染料(C.I.アシッドレッド118、C.I.アシッドグリーン25、C.I.アシッドブルー113)を樹脂(アクリル−シリコーングラフトポリマーを主成分とする自己架橋熱硬化型樹脂)に分散させ、溶剤(イソプロピルアルコール、エチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、ポリエチレンイミン、イオン交換水)で溶かしたものに表面張力調整剤(アセチレノール)を添加したものであり、表面エネルギーは30dyn/cmであり、遮光層の表面エネルギーよりも5dyn/cm大きかった。
【0044】
以上のようにして作製されたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、白抜け、色ムラはなく、しかも混色も観察されなかった。
【0045】
また、本実施例で得られたカラーフィルタを用いて、TFT基板と組み合わせてカラー表示の液晶素子を作製した。この液晶素子に画像を表示させたところ、良好なカラー画像を表示することができた。
【0046】
(実施例2)
実施例1と全く同様にして、ガラス基板上に親水性透明物質層を遮光層を形成した。この遮光層の開口部にインクジェット装置を用いて着色材料を付与し、着色画素を形成した。着色材料は、実施例1で用いた染料を樹脂(自己架橋型アクリル酸−アクリル酸エステルエマルジョン)に分散させ、溶剤(イソプロピルアルコール、エチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン)に溶かしたものに表面張力調整剤(アセチレノール)を添加したものであり、表面エネルギーは35dyn/cmであり、遮光層より3dyn/cm大きいだけであった。
【0047】
得られたカラーフィルタを光学顕微鏡により観察したところ、隣接画素間での混色が観察された。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カラーフィルタとしての要求特性に優れ、白抜けや色ムラのない優れた液晶素子用カラーフィルタを、簡易な工程で製造することができる。さらに、遮光層と着色材料の表面エネルギーの関係を特定の範囲に設定することにより、隣接画素間での混色が防止されてより品質の高いカラーフィルタを歩留良く提供することが可能となる。従って、カラーフィルタの製造コストが低減され、安価なカラーフィルタを提供してカラー表示特性に優れた液晶素子を妥当な価格で提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の工程を示す断面模式図である。
【図2】図1の工程で得られたカラーフィルタを用いた、本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 親水性透明物質層
3 遮光層
4a〜4c 着色材料
5a〜5c 着色画素
6 保護膜
12 共通電極
13 配向膜
14 液晶化合物
15 バックライト光
16 出射光
21 基板
22 画素電極
23 配向膜
Claims (5)
- 透明基板上の全面に、酸化チタン微粒子と、バインダー成分として酸化シリコン或いは酸化アルミニウムと、を含有する組成物からなる親水性透明物質層を形成する工程と、該親水性透明物質層上に開口部を有する遮光層を形成する工程と、該透明基板全面に紫外線照射を行なって、該遮光層の開口部に露出した酸化チタンの親水性を発現させる工程と、該遮光層の開口部に着色材料を付与して硬化させ着色画素を形成する工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
- 上記遮光層の表面エネルギーが上記着色材料の表面エネルギーよりも5dyn/cm以上小さい請求項1記載のカラーフィルタの製造方法。
- 上記遮光部の開口部への着色材料への付与を、インクジェット方式により行なう請求項1または2記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 一対の基板間に液晶を挟持してなり、一方の基板を請求項4記載のカラーフィルタを用いて構成したことを特徴とする液晶素子。
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