JP5149553B2 - カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、たとえばカラー液晶表示装置などのカラー表示装置に用いられるカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法に関する。特に本発明は、画素毎または所定の単位表示領域毎に透過領域と反射領域とを具備する半透過型液晶表示装置に好適なカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法に関する。
従来の技術の半透過型液晶表示用のカラーフィルタとして、当該フィルタの一方の主面側からの入射光が当該フィルタを1回だけ透過して着色されて当該他方の主面側に導かれるような単一方向性光路を形成する第1の光と、カラーフィルタの他方の主面側からの入射光が当該フィルタを透過して着色され、その透過した光が当該一方の主面側に配された光反射素子等により反射されて再度当該フィルタに入射し透過し着色されて当該他方の主面側に戻るような双方向性光路を形成する第2の光とを扱うカラーフィルタが知られている。このようなカラーフィルタは、正面側から入射する外光に表示すべき画像に応じた光変調を施しつつこれを反射させて当該正面側に導くとともに、裏面側からのバックライトシステムによる入射光に同様に表示すべき画像に応じた光変調を施しつつこれを透過させて同じ正面側へと導く、いわゆる半透過反射型液晶表示装置に用いられる。このタイプの液晶表示装置は、使用環境が明るいときには反射モードとして、主に外光(周囲光)によって画像を表示し、暗いときには透過モードとして、主にバックライトシステムの自発光によって効果的な画像表示をなすものである。
第1の従来の技術のカラーフィルタとして、画素毎に単一方向性の光路を呈する第1の光と双方向性の光路を呈する第2の光とを着色するカラーフィルタであって、前記第1の光を着色するための第1着色部と前記第2の光を着色するための第2着色部とを有するカラーフィルタが開示されている。このカラーフィルタでは、第1着色部と2着色部とは、厚さが異なるように構成される(たとえば特許文献1参照)。
また第2の従来の技術のカラーフィルタとして、画素毎に単一方向性の光路を呈する第1の光と双方向性の光路を呈する第2の光とを着色するカラーフィルタであって、基体層によって支持されることが可能であり、1つの画素において前記第1の光を透過させる領域に対応する1つの凹状部が形成されるようパターン化された光透過性材質の段差形成層と、前記段差形成層および前記凹状部に堆積された、前記第1および第2の光の着色をするための着色層とを有するカラーフィルタが開示されている(たとえば特許文献2参照)。
図8は、第2の従来の技術のカラーフィルタ1を示す平面図である。図9は、第2の従来の技術のカラーフィルタ1を、フォトリソグラフィ法を用いて製造する製造手順を示す断面図である。前述のような半透過型液晶表示装置のカラーフィルタ1を精度よく簡単に製造する方法として、高さの異なる遮光部5,5′をフォトリソグラフィ法で作製した後、インクジェット技術により透明層6を形成し、引き続き同じくインクジェット法により着色層7を形成することが提案されている。製造手順は、図9(1)〜図9(5)の順で進み、図9(1)に示すように、透明基板2に遮光性感光樹脂3を塗布した後、図9(2)に示すように3段階に透光率が異なるマスク4を用いて露光する。図9(2)では、理解を容易にするために、透光率が異なる部分を異なるハッチングを施して示す。次に、図9(3)に示すように現像処理して、寸法(高さや幅等)の異なる遮光部5,5′を形成する。図9(3)では、高さの大きい遮光部に符号5を、また高さの小さい遮光部に符号5′を付している。次に、図9(4)に示すように、インクジェット法で透明基板2上の高い遮光部5と低い遮光部5′とで画定される領域の一部に透明インクを付着させて、透明層6を形成する。次に、高い遮光部5で画定される領域に着色インクを付着させて、各着色層7をそれぞれ形成する。
他の従来の技術のカラーフィルタの製造方法では、カラーフィルタにおけるブラックマトリクスや基本色としての赤(R)、緑(G)および青(B)の各着色部のパターニングには、フォトリソグラフィ法に基づく工程が行われている。このようなフォトリソグラフィ法が用いられるのは、ブラックマトリクスおよび着色部は、非常に微細な形状を伴うものであり、特に携帯電話機などの持ち運び自在な機器に用いられる表示パネルに使われるカラーフィルタのこれらの形状は、極めて精度の高いものが要求されるからである。
特開2003−84122号公報 特開2006−30650号公報
前述のようにカラーフィルタをフォトリソグラフィ法によって製造すると、多数の工程およびフォトマスクを要するので、全体的な製造処理の簡素化が困難である。また半透過型表示装置に用いられるカラーフィルタでは、透過型表示装置に用いられるカラーフィルタに比べて、カラーバランスを可能とするために画素構造が複雑であり、これによって製造工程も複雑となる。さらに、前述のような透光率が部分的に異なるマスクを製造することは、所定の透光率を示す部分を所定のサイズで形成する必要があるため、技術的に難しい。そのため、段差のある遮光部を高精度に形成することは、工業的には必ずしも現実的とはいえない。
また、カラーフィルタを用いた液晶ディスプレイ装置では、カラーフィルタと他の部材との間隔を一定に保つためのスペーサが設けられる。このスペーサは、カラーフィルタに透光性感光樹脂を塗布した後、マスクを用いて露光し、現像処理して遮光部上に形成される。したがってスペーサを製造するためにフォトリソグラフィ法を用いるので、多数の工程およびフォトマスクを要し、製造処理が複雑になるとともに、スペーサ形成のための感光樹脂は、ほとんどが現像除去されることになるため、コスト的にも無視できないものがある。スペーサを形成する他の方法として、透光性を有するビーズを散布させて、ビーズをスペーサとする方法がある。このスペーサでは、着色層上にもビーズが配置されるおそれがあるので、ビーズによって光が屈折し、画質が低下するという問題がある。
そこで本発明の目的は、製造工程を簡素化することができ、スペーサを有するカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法を提供することである。
本発明は、透光性を有する複数の透明部が予め定める並列方向に間隔をあけて並んで形成され、予め定める色相でそれぞれ着色される複数の画素部が一部の透明部を覆って並列方向に間隔をあけて並んで形成され、遮光性を有する遮光部が残余の透明部を覆って各画素部間に形成されるカラーフィルタ層を透明基板上に形成するカラーフィルタの製造方法であって、
透明基板のうちで、各画素部が配置されるべき画素形成領域内の一部の第1領域と、隣接する2つの画素部の間となるべき間隙領域内の一部の第2領域とに、透明基板から厚み方向に突出し、透光性を有する透明部を形成する透明部形成工程と、
透明基板のうちで、間隙領域の全体にわたって遮光性を有する遮光部を形成する遮光部形成工程であって、第2領域については、該第2領域に形成される透明部を覆って、間隙領域に遮光性を有する遮光部を形成する遮光部形成工程と、
透明基板のうちで、第1領域に形成される透明部を覆って、各画素形成領域に着色インクをインクジェット法により付着させ、予め定める色相を有する画素部を形成する画素部形成工程とを含み、
画素形成領域内において、第1領域は、間隙領域に隣接し、
間隙領域内において、第2領域は、画素形成領域の縁部から離間し、
第1領域および第2領域に形成される透明部の厚みは、遮光部の厚みよりも小さく、
間隙領域に形成される遮光部のうち、第2領域に透明部が形成された間隙領域に形成される遮光部は、残余の遮光部よりも厚みが大きいことを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
また本発明は、前記透明部形成工程では、印刷法によって、前記透明部を形成し、
前記遮光部形成工程では、印刷法によって、前記遮光部を形成することを特徴とする。
さらに本発明は、前記印刷法は、反転印刷法であることを特徴とする。
さらに本発明は、予め定める色相でそれぞれ着色され、予め定める並列方向に間隔をあけて設けられる複数の画素部と、隣接する2つの画素部の間に設けられ、遮光性を有する遮光部とを含むカラーフィルタ層が透明基板上に設けられるカラーフィルタであって、
透明基板と、
透明基板上に設けられるカラーフィルタ層とを含み、
前記カラーフィルタ層は、
透明基板のうちで、各画素部が配置されるべき画素形成領域内の一部の第1領域と、隣接する2つの画素部の間となるべき間隙領域内の一部の第2領域とに形成され、透明基板から厚み方向に突出し、透光性を有する透明部と、
透明基板のうちで、間隙領域の全体にわたって設けられる遮光性を有する遮光部であって、第2領域については、該第2領域に形成される透明部を覆って、間隙領域に設けられる遮光性を有する遮光部と、
透明基板のうちで、第1領域に形成される透明部を覆って各画素形成領域に設けられ、予め定める色相を有する画素部とを含み、
画素形成領域内において、第1領域は、間隙領域に隣接し、
間隙領域内において、第2領域は、画素形成領域の縁部から離間し、
第1領域および第2領域に形成される透明部の厚みは、遮光部の厚みよりも小さく、
間隙領域に設けられる遮光部のうち、第2領域に透明部が形成された間隙領域に設けられる遮光部は、残余の遮光部よりも厚みが大きいことを特徴とするカラーフィルタである。
本発明によれば、透明部形成工程では、透明基板のうちで、各画素部が配置されるべき画素形成領域内の一部の第1領域と、隣接する2つの画素部の間となるべき間隙領域内の一部の第2領域とに、透明基板から厚み方向に突出した透明部が形成される。次に、遮光部形成工程では、透明基板のうちで、間隙領域の全体にわたって遮光性を有する遮光部が形成される。この遮光部形成工程では、第2領域については、該第2領域に形成される透明部を覆って、間隙領域に遮光部が形成される。次に、画素部形成工程では、透明基板のうちで、第1領域に形成される透明部を覆って、各画素形成領域に着色インクをインクジェット法により付着させ、予め定める色相を有する画素部が形成される。また、画素形成領域内において、第1領域は、間隙領域に隣接し、間隙領域内において、第2領域は、画素形成領域の縁部から離間している。さらにまた、第1領域および第2領域に形成される透明部の厚みは、遮光部の厚みよりも小さく、間隙領域に設けられる遮光部のうち、第2領域に透明部が形成された間隙領域に設けられる遮光部は、残余の遮光部よりも厚みが大きい。このように第2領域には透明部が形成され、第2領域に形成される透明部を覆って間隙領域に遮光部が形成される。したがって第2領域の透明部を覆って形成される遮光部は、残余の遮光部よりも厚み方向の寸法が大きくすることができる。これによって第2領域の透明部を覆って形成される遮光部は、スペーサとして用いることができる。したがってスペーサを作製するための工程が不要であるので、製造工程を単純化することができる。これによってフォトリソグラフィ法を用いることなく基板間のギャップを制御するスペーサを具備した遮光層を一括に形成することができる。またスペーサを作製するために他の部材が必要なく、カラーフィルタを製造するための透明部および遮光部を用いてスペーサを形成しているので、他の部材を新たに用いてスペーサを形成するよりも、製造コストを低減することができる。
また本発明によれば、透明部形成工程では、印刷法によって透明部が形成され、遮光部形成工程では、印刷法によって遮光部が形成される。このように透明部形成工程および遮光部形成工程にて、印刷法を用いることによって、透明部および遮光部の厚み方向の寸法を容易に制御することができる。これによって高精度にカラーフィルタを製造することができる。また透明部形成工程および遮光部形成工程に引き続く画素部形成工程では、第1領域に形成される透明部を覆って、各画素形成領域に着色インクをインクジェット法により付着させて画素部を形成するので、画素形成領域内であって画素部の膜厚を簡単に部分的に高精度に制御することができる。
さらに本発明によれば、印刷法は反転印刷法であるので、形成した透明部および遮光部の表面形状を平坦状に形成することができ、また高位置精度かつ均一な膜厚を形成することができる。
さらに本発明によれば、カラーフィルタ層は、画素形成領域内の一部の第1領域と、間隙領域内の一部の第2領域とに形成される透明部と、間隙領域の全体にわたって設けられる遮光性を有する遮光部であって、第2領域については、該第2領域に形成される透明部を覆って、間隙領域に設けられる遮光性を有する遮光部と、第1領域に形成される透明部を覆って各画素形成領域に設けられ、予め定める色相を有する画素部とを含む。また、画素形成領域内において、第1領域は、間隙領域に隣接し、間隙領域内において、第2領域は、画素形成領域の縁部から離間している。さらにまた、第1領域および第2領域に形成される透明部の厚みは、遮光部の厚みよりも小さく、間隙領域に設けられる遮光部のうち、第2領域に透明部が形成された間隙領域に設けられる遮光部は、残余の遮光部よりも厚みが大きい。透明部は、透明基板から厚み方向に突出し、透光性を有する。このような透明部が第2領域に形成され、透明部を覆って間隙領域に遮光部が形成される。したがって第2領域の透明部を覆って形成される遮光部は、残余の遮光部よりも厚み方向の寸法を大きくすることができる。これによって第2領域の透明部を覆って形成される遮光部は、スペーサとして用いることができる。したがってスペーサを作製するために他の部材が必要なく、カラーフィルタを製造するための透明部および遮光部を用いてスペーサを形成しているので、他の部材を新たに用いてスペーサを形成するよりも、製造コストを低減することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態に先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図1は、本発明の実施の一形態であるカラーフィルタ10の製造手順を示す断面図である。製造手順は、図1(1)〜図1(5)の順で進む。カラーフィルタ10は、半透過型カラーフィルタ10であって、透明基板11と、透明基板11の厚み方向Y一方の表面に形成されるカラーフィルタ層12(以下、「フィルタ層12」ということがある)とを含んで構成される。本実施の形態では、カラーフィルタ10は、液晶表示装置の一部を構成する。
図2は、カラーフィルタ10を示す平面図である。図1(5)を併せて参照して、フィルタ層12には、複数の透明部13,14と、複数の画素部15と、遮光部16,17とが形成される。透明基板11は、光透過性を有し、たとえばガラス基板によって実現される。透明基板11は、その厚み方向Y一方の表面の領域に、画素形成領域18と、間隙領域19とが設定される。画素形成領域18は、一部の透明部13と、フィルタ層12のうち各画素部15とが配置される領域となる。また間隙領域19は、フィルタ層12のうち異なる色相に着色される2つの画素部の間となるべき領域である。間隙領域19は、フィルタ層12のうち、残余の透明部14および遮光部16,17が配置される領域となる。
複数の透明部13,14は、透光性を有し、予め定める並列方向Xに間隔をあけて並んで形成される。複数の透明部13,14のうち、一部の透明部13は、画素形成領域18の一部に形成され、間隙領域19に隣接して設けられる。残余の透明部14は、間隙領域19の一部に形成され、画素形成領域18から予め定める距離だけ離間して設けられる。
複数の画素部15は、予め定める色相でそれぞれ着色され、一部の透明部13を覆って並列方向Xに間隔をあけて並んで形成される。複数の画素部15は、それぞれ画素形成領域18の全域にわたって設けられる。複数の画素部15は、複数の種類が設定される。種類毎の画素部15は、異なる色相で着色される。異なる色相の画素部15は、並列方向Xに間隔をあけて並んで形成される。また並列方向Xおよび基板厚み方向Yに直交する方向には、同じ色相の画素部15が並ぶ。たとえば画素部15は、色相の異なる3つグループに分けられる。第1のグループに属する画素部15は、赤色(レッド)に着色される。第2のグループに属する画素部15は、緑色(グリーン)に着色される。また第3のグループに属する画素部15は、青色(ブルー)に着色される。
遮光部16,17は、いわゆるブラックマトリクスであって、遮光性を有する。遮光部16,17は、各画素部15の間である間隙領域19の全域にわたって形成され、各画素部15の間に形成される残余の透明部14を覆って設けられ、本実施の形態では格子状に形成される。遮光部16,17の一部であって、残余の透明部14に対応する部分16は、スペーサとしての機能を有し、残余の遮光部17の基板厚み方向Yの寸法より、大きく形成される。
図3は、カラーフィルタ10の製造手順を示すフローチャートである。図4は、図1(2)の透明基板11を示す平面図である。前述のような透明基板11と、フィルタ層12とを含むカラーフィルタ10に関して、本実施の形態では、インクジェット法を用いて各画素部15を形成する。以下に、本実施形態のカラーフィルタ10の製造方法について図3のフローチャートを用いて説明する。
まずステップa1では、図1(1)に示すように透明基板11を準備し、図1(2)および図4に示すように、透明基板11のうちで、画素形成領域18内の一部の第1領域20と、間隙領域19内の一部の第2領域21とに、透明基板11から厚み方向Yに突出した透光性を有する透明部13,14を形成し、ステップa2に移る。第1領域20に形成される透明部13が、前述の一部の透明部13であり、第2領域21に形成される透明部14が残余の透明部14である。第1領域20は、画素形成領域18内であって、本実施の形態では間隙領域19に隣接して設定される。第2領域21は、間隙領域19内であって、画素形成領域18の縁部から離間して設定される。透明部13,14は、本実施の形態では、印刷法、好ましくは反転印刷法によって形成される。形成する透明部13,14の膜厚は、半透過型カラーフィルタとしての使用を考慮すれば、後に形成する遮光部16,17の膜厚より小さくされる。なお所望なら、第1領域に形成される透明部13と第2領域に形成される透明部14とを別々に形成することにより、両者の高さを変えることも可能である。
ステップa2では、図1(3)に示すように、第2領域21に形成される透明部14を覆うとともに、間隙領域19全体にわたって遮光性を有する遮光部16,17を形成し、ステップa3に移る。本実施の形態では、印刷法、好ましくは反転印刷法によって遮光性を有する遮光部16,17を形成する。ステップa3では、透明基板11のうちで、第1領域20に形成される透明部13を覆って、各画素形成領域18に着色インク22を付着させ、予め定める色相を有する画素部15を形成し、本フローを終了する。
ステップa3では、図1(4)に示すように、着色インク22をインクジェット法によって付着させる。具体的には、噴射ヘッドから噴射させた着色インク22を着弾すべき画素形成領域18の着弾位置に選択的に着弾させる。たとえば各着色インク22は、色相の異なる3つのグループに分けられ、各画素部15のグループのいずれかに対応する。各グループに属する着色インク22を、対応するグループの各画素部15を形成すべき、画素形成領域18の位置にそれぞれ着弾させる。次に、着色インク22の着弾後に熱処理を行うことによって、着色インク22中の溶剤を蒸発させて、図1(5)に示すように、着色インク22の種類に応じた画素部15をそれぞれ形成する。本実施の形態では、グループ毎の着色インク22を透明基板11に付着させるたびに、熱処理、いわゆるプリベークを繰返して、複数の画素部15をそれぞれ形成する。このようにステップa3にて、図1(5)に示すように透明基板11とフィルタ層12とを有する半透過型カラーフィルタ10を形成することができ、カラーフィルタ10の製造手順を終了する。
またステップa1において透明部13,14を形成するための反転印刷用の透光性樹脂(クリアー樹脂)としては、精密パターンを形成する目的に応じて、その必要な機能を有する材料であり、使用する溶剤に可溶であれば好適に用いることができる。透光性樹脂として、たとえばポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、およびベンゾグアナミン系樹脂などが、それぞれ単独で又は2種以上の混合物の形で用いられる。また透光性樹脂として、たとえばラジカル型紫外線硬化型樹脂、カチオン型紫外線硬化型樹脂、および電子線硬化型樹脂などを使用することも可能である。
透光性樹脂に使用する溶剤としては、速乾性溶剤と遅乾性溶剤の2種を用いるのが好ましい。速乾性溶剤は、印刷用のブランケット上にインキ塗膜が形成される時には、インキ組成物が良好な流動性を与えるために好適であり、その後、印刷用版である凸版にて画像化されるまでにその大部分が大気中に揮発またはブランケットに吸収されることで、インキ塗膜の粘度を上昇させ、転移に適切な粘着性を付与する。速乾性溶剤は、全インキ組成物中、5〜90質量%、好ましくは10〜60質量%で配合される。速乾性溶剤としては、樹脂の溶解性を考慮して選択されるが、たとえば次のものが挙げられる。すなわち、エステル系溶剤として、たとえば酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピルなどが、アルコール系溶剤として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどが、および炭化水素系溶剤として、たとえばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが、それぞれ挙げられる。またこれらは、それぞれの系内で、または複数の系に及ぶ混合物でもよい。なかでも、速乾性溶剤として、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エタノールおよび2−プロパノールが、その蒸発速度や表面張力から見て好ましい。
遅乾性溶剤は、凸版によりブランケット上に画像形成されたインキ塗膜が最終的に被印刷基材上に転写されるまでの間、ある程度インキ塗膜中に残留することで、インキの粘度が過度に上昇することを防ぎ、転写に必要な適度な粘着性および凝集力を保持するために用いられる。遅乾性溶剤は、全インキ組成物中、5〜90質量%、好ましくは30〜70質量%で配合される。遅乾性溶剤は、樹脂の溶解性を考慮して選択されるが、たとえば次のものが挙げられる。すなわち、エステル系溶剤として、たとえば酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、ソルフィットAC(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテートの商品名、株式会社クラレ製)などが、アルコール系溶剤として、たとえば1−ブタノール、ダイヤドール135(三菱レイヨン株式会社製)、1−ヘキサノールなどが、エーテル系溶剤として、たとえばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが、および炭化水素系溶剤として、たとえばアイソパー、ソルベッソ100、ソルベッソ150(いずれも商品名、エクソン化学株式会社製)などが、それぞれ挙げられる。またこれらは、それぞれの系内で、または複数の系に及ぶ混合物でもよい。なかでも、遅乾性溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートが、その蒸発速度および表面張力の観点から好ましい。
また、インキ塗膜の各プロセスにおける転移に必要な適度な粘着性および凝集力を保持し、正確なパターン形成を可能とするために、揮発性溶剤に可溶な樹脂と、揮発性溶剤に不溶な固形成分の質量比率が1:50〜2:1、好ましくは1:20〜1:1の範囲で用いることが好ましい。
反転印刷用の透光性樹脂として、精密パターンニングの観点から溶剤に可溶な樹脂以外に、透明フィラーを添加することが好ましい。透明フィラーとしては、非晶質合成シリカおよび透明樹脂ビーズが例示される。透明フィラーのサイズは、たとえば平均粒子径で1nm以上100nm以下であることが好ましい。
ステップa2において遮光部16,17を形成するための反転印刷用の遮光性樹脂としては、遮光性の黒色顔料を用いることを除けば、前述の透明部13,14を形成するための透光性樹脂と同様の樹脂および溶剤が用いられる。黒色顔料としては、たとえばC.I.ピグメントブラック7(カーボンブラック)、C.I.ピグメントブラック1(アニリンブラック)、およびC.I.ピグメントブラック11(鉄黒)が用いられる。なかでもカーボンブラックが好ましい。また調色用として、黒色以外の顔料を併用することもできる。調色のために併用される顔料としては、たとえば紫色顔料、青色顔料、および緑色顔料などが挙げられる。調色用顔料を用いる場合は、全顔料の量を基準に、40重量%以下の割合で使用される。また、顔料は全体として、インク組成物の全固形分量を基準に、10〜60重量%程度の割合で使用される。
ステップa3においては、ピエゾ駆動方式の噴射ヘッドを用いて、着色インク22を透明基板11に付着させる。この場合、噴射ヘッドは、噴射ヘッドのインクタンク内にピエゾ(圧電)素子が設けられる。ピエゾ素子に電流を流すことで、ピエゾ素子を膨張させて、噴射ノズルから着色インク22を噴射させることができる。着色インク22は、たとえば5重量部の顔料と、20重量部の溶剤と、5重量部の重合開始剤と、70重量部の紫外線(UV)硬化樹脂とで構成される。着色インク22は、赤(レッド)、緑(グリーン)または青(ブルー)に相当する。本実施形態では、各色毎に透明基板11に着色インク22を付着させ、各色毎にプリベークを繰返すことで、それぞれ2μmの厚み寸法を有する画素部15を形成する。各色毎に着色インク22の付着とプリベークを繰返すことで、着色インク22の混色を防ぐことができる。
画素部15を形成するための、着色インク22に使用される着色剤としては、透明基板11上に画素部15を形成した状態で可視光波長領域のうち、特定の波長領域の吸光度が2以上であり、その他の波長領域では可及的に0に近いことが好ましい。特に、耐熱性と耐光性とを有する顔料であることが好ましい。
各着色インク22に含まれる溶剤は、たとえばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propylene glycol monomethyl ether acetate、略称:PGMEA)を用いる。重合開始剤としては、たとえば商品名“イルガキュア369”(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)を用いる。またUV硬化樹脂としては、たとえばジぺンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名“カヤラッドDPHA”、日本化薬株式会社製)を用いる。
顔料としては有機および無機の顔料を用いることができ、カラーインデックス(The
Society of Dyers and Colourists から出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。具体的な顔料としては、次のようなものを挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、25、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、および214などがある。
オレンジ色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、および73などがある。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、264、および265などがある。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、および60などがある。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、および38などがある。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、および37などがある。
茶色顔料としては、C.I.ピグメントブラウン23、および25などがある。
これらのなかでも好ましい顔料として、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントバイオレット23、およびC.I.ピグメントグリーン36が挙げられる。
これらの有機顔料および無機顔料は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの有機顔料および無機顔料のうち、有機顔料は、ロジン処理、酸性基または塩基性基が導入された顔料誘導体などを用いた表面処理、高分子化合物などによる顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法などによる微粒化処理、あるいは不純物を除去するための有機溶剤および水などによる洗浄処理が施されていてもよい。
図5は、遮光部16の一部を拡大して示すカラーフィルタ10の断面図である。残余の遮光部17(以下、「平坦状遮光部17」ということがある)より、基板厚み方向Yの寸法が大きい遮光部16(以下、「突出遮光部16」ということがある)の基板厚み方向Yの内方には、残余の透明部14(以下、「スペーサ用透明部14」ということがある)が設けられる。本実施の形態では、図2に示すように、平坦状遮光部17と突出遮光部16とは一体に形成される。
スペーサ用透明部14のサイズは、突出遮光部16からスペーサ用透明部14によって光漏れが発生する可能性を考慮すれば、突出遮光部16より小さいことが好ましく、印刷法によりスペーサ用透明部14が完全に覆われるサイズであることが最も好ましい。図5に示すように、突出遮光部16の透明基板11から最も遠い部分の透明基板11からの寸法h1から、スペーサ用透明部14の高さ寸法h2を減じた値が、平坦状遮光部17の高さ寸法h3と略等しい。したがって突出遮光部16は、平坦状遮光部17よりスペーサ用透明部14の高さ寸法h2だけ、大きくなる。スペーサ用透明部14を完全に覆うために、スペーサ用透明部14の高さ寸法h2より、平坦状遮光部17の高さ寸法h3が大きく形成され、好ましくは2倍以上大きく形成される。スペーサ用透明部14の高さ寸法h2は、たとえば1μmに設定され、これによって突出遮光部16は平坦状遮光部17より1μmだけ高さを大きくすることができる。したがってスペーサの高さ寸法を高精度に設定することができる。また突出遮光部16の最も透明基板11に近い部分の並列方向Xの幅寸法w1は、スペーサ用透明部14の並列方向Xの幅寸法w2より大きくなるように選択され、これによってスペーサ用透明部14を完全に覆うことができる。
このような突出遮光部16に覆われるスペーサ用透明部14の形状は、例示した四角形には限定されるものではなく、スペーサとして十分な耐性を有するものであればよい。前述のようにスペーサ用透明部14と突出遮光部16との一部積層によりスペーサを一括作製するが、透明部13,14と所望するスペーサ高さが異なり一括作製が困難な場合は、所望するスペーサ高さまで、透明部13,14を重ね刷りすることによって形成することもできる。または別途所望するスペーサ高さとなる様に透明部13,14を反転印刷法によって形成することもできる。
次に、反転印刷法に関して説明する。図6は、反転印刷法による透明部13,14および遮光部16,17の製造方法を段階的に表す断面図である。図6(1)に示すように、インキ塗布装置24は、スリットコータ法によって、インキがブランケット23の表面で均一な層を形成するように、下方から表面張力でインキを塗布する。次に、図6(2)に示すように、表面に均一なインキ塗膜25が形成されたブランケット23の表面に向かって印刷用版である凸版26を変位させる。次に、図6(3)に示すように、凸版26を押圧して接触させ、凸版26の凸部26aの表面に、ブランケット23の表面上のインキ塗膜25の一部25aを付着、転移させる。これによりブランケット23の表面に残ったインキ塗膜25には印刷パターン(画像)が形成されることになる。次に、図6(4)に示すように、この状態のブランケット23を透明基板11の表面に押圧して、ブランケット23上に残ったインキ塗膜25を転写する。そして、透明部用のインキおよび遮光部用のインキをそれぞれ用い、対応する印刷用版26を用いることによって、透明基板11上に所望のパターンの透明部13,14および遮光部16,17を形成することができる。
ブランケット23はローラ状であり、その回転位置は、精度良く制御する。ブランケット23と、印刷用版16および透明基板11に対する相対的な位置合わせは、予め位置決めパターンを形成しておくなどの方法で、精密に行うことができる。シリコーンゴム製のブランケット23への有機着色剤の塗布は、コーターヘッド、CAPコータおよびロールコータなど、必要な膜厚を得るために、その他いずれのコータを利用してもよい。
このような反転印刷法によって、ブランケット23にインクを均一膜厚で形成し、印刷用版26を用いてパターン形成するため、不要のインク塗膜25aを除去し、反転パターンをブランケット23上に形成した後、透明基板11上に一括転写することができる。
ブランケット23の表面材料は通常シリコーンゴムで構成されており、透明部13,14および遮光部16,17を形成するためのインキ組成物が、このシリコーンゴムに対して良好に付着し、均一なインキ塗膜が形成されるために、このシリコーンゴム層は、インキ組成物に対する接触角を35°以下とすることが望ましい。この接触角は、簡易的にはインキ組成物を構成する溶媒に対する値として求めてもよい。接触角の測定は、市販の自動接触角計(例えば、協和界面化学株式会社製CA−W150など)を用いて行われる。
前述のように得られるカラーフィルタ10は、たとえば液晶ディスプレイに用いられる。液晶ディスプレイは、図示しない偏光板、ガラス板、透明電極、配向膜、およびカラーフィルタ10と、これらによって挟まれる液晶、液晶に厚みを持たせるためのスペーサによって構成されている。スペーサは2枚の基板の間隔を一定に保ち、そこに注入される液晶の厚みを一定にするために必要なギャップの役目をする構造物である。前述したように本実施の形態では、カラーフィルタ10を製造する工程で、スペーサが遮光部16に一体に設けられるので、従来の技術のようにスペーサを別体として設ける必要が無い。
以下に実施例を挙げ、本発明のカラーフィルタ10を具体的に説明するけれども、本発明は以下の記載内容に限定されるものではない。例中、使用量ないし含有量を表す部および%は、特記ない限り重量基準である。
透明基板11として、コーニング社製の無アルカリガラス基板(縦寸法370mm、横寸法470mm、厚さ0.7mm、型番1737)を用いる。この透明基板11に、透明部13,14を形成するための透明部印刷用インキを、前述した図6に示す反転印刷法によって印刷し、透明部13,14を形成する。なお反転印刷に際し、ブランケット23としては、表面にシリコーン樹脂を被覆した金属ロール(以下、「ブランケット胴」ということがある)を使用した。また、印刷版26として、表面を透明部13,14のパターンの反転パターンに応じた凹凸パターンに加工した平板状ガラスを使用した。具体的には、前述したように、透明部印刷用インキをロール状のブランケット23上にスリットコータ法により塗布し、一様なインク塗布層を形成した。次に、印刷版26によって不要な部分を除去し、ブランケット23上に透明部に相当するパターンを形成した。その後、このパターンが形成されたブランケット上に透明基板11の一方の主面を当接して、この主面上にパターンを転写し、透明部13,14を形成した。
次に、遮光部16,17を形成した。遮光部16,17を形成するための遮光部印刷用インキは、以下のようにして調製した。まず、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート225.0gに分散剤としてノニオン性界面活性剤18.1gを溶かした溶液を高速で攪拌しながら、そこへ、カーボンブラック(三菱化学株式会社製のMA−100)60.3gを徐々に添加し、30分間高速攪拌を継続してプレミックスした。次に、このプレミックスした液をビーズミルで処理して、カーボンブラックが均一に分散した顔料分散液を調製した。調製した顔料分散液を攪拌しながら、そこへ、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとのモル比35/65の共重合体であって、重量平均分子量約50,000の樹脂35.7g、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート15.4g、速乾性溶剤として酢酸エチル140.0g、および遅乾性溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート195.0gからなる樹脂溶液を徐々に仕込み、遮光部印刷用インキを調製した。
得られた遮光部印刷用インキを前述の図6に示す反転印刷法によって印刷して、遮光部16,17を形成した。反転印刷に際し、ブランケット23としては、表面にシリコーン樹脂を被覆した金属ロールを使用した。また、印刷用版26として、表面が遮光部16,17のパターンの反転パターンに応じた凹凸パターンに加工された平板状ガラスを使用した。まず、上記のようにして調製した遮光部印刷用インクをブランケット23上にスリットコータ法により塗布し、一様なインク塗布層を形成した。次に、印刷用版26によって不要な部分を除去し、ブランケット上に遮光部のパターンに相当するパターンを形成した。その後、このパターンが形成されたブランケット上に、先に透明部13,14を形成した透明基板11の一方の主面を当接して、この主面上にブランケット上のパターンを転写し、遮光部16,17を形成した。これによって意図的に透明部14と遮光部16が積層された第2領域21では、ギャップを制御するスペーサとして機能する突出遮光部16が形成された。このとき、平坦状遮光部17の高さ寸法は2μm、突出遮光部16の高さ寸法は、下の透明層を含めて3μmとした。したがって、スペーサとして機能する突起は1μmとなる。
着色インク22のうち緑色インキは、以下のようにして調製した。まず、C.I.ピグメントグリーン36を65部、分散剤アジスパーPB821(酸価17mg(KOH)/g;味の素ファインテクノ株式会社製)を30部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを130部混合し、回転数500rpmにて1時間ディスパーで混合した。次いでジルコニアビーズを1500部加え、高速攪拌ミルで5時間分散し、さらに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを390部加え、顔料分散液(A)を得た。こうして得られた顔料分散液(A)に、C.I.ピグメントイエロー138を35部加え、回転数500rpmにて1時間ディスパーで混合し、顔料分散液(B)を得た。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート39.5部に、酸価100mgKOH/gのバインダー樹脂(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、重量平均分子量25,000、固形分40%)10.6部、光重合性化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)3.5部、前記の顔料分散液(B)45.2部を順次加えていき、着色インク22(緑色)を得た。
顔料を変更し、それに伴って顔料の使用量(濃度)を適宜変更し、その他は上の方法に準じて、赤色インキ及び緑色インキを得ることができる。
画素形成領域18に対して、赤色、緑色、および青色着色インク22を使用し、インクジェット印刷装置により、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各々の着色層を形成し、カラーフィルタ10を得た。
以上説明したように、本実施の形態のカラーフィルタ10の製造方法では、ステップa1に対応する透明部形成工程で、透明基板11のうち、各画素部15が配置されるべき画素形成領域18内の一部の第1領域20と、隣接する2つの画素部15の間となるべき間隙領域19内の一部の第2領域21とに、透明基板11から厚み方向Yに突出する透明部13,14が形成される。次に、ステップa2に対応する遮光部形成工程で、透明基板11のうち、第2領域21に形成される透明部14を覆って突出遮光部16が形成されるとともに、間隙領域19に平坦状遮光部17が形成される。次に、ステップa3に対応する画素部形成工程で、透明基板11のうち、第1領域20に形成される透明部13を覆って、各画素形成領域18に着色インク22をインクジェット法により付着させ、予め定める色相を有する画素部15が形成される。このように第2領域21には透明部14が形成され、第2領域21に形成される透明部14を覆って間隙領域19に遮光部16,17が形成される。したがって第2領域21の透明部14を覆って形成される遮光部16は、残余の遮光部17よりも基板厚み方向Yの寸法を大きくすることができる。これによって第2領域21の透明部14を覆って形成される遮光部16は、スペーサとして用いることができる。したがってスペーサを作製するための工程が不要であるので、製造工程を単純化することができる。これによってフォトリソグラフィ法を用いることなく、基板間のギャップを制御するスペーサを具備した遮光部16を残余の遮光部17とともに一括して形成することができる。またスペーサを作製するために他の部材が必要なく、カラーフィルタ10を製造するための透明部14および遮光部16を用いてスペーサを形成しているので、他の部材を新たに用いてスペーサを形成するよりも、製造コストを低減することができる。
また本実施の形態では、印刷法によって透明部13,14および遮光部16,17が形成される。このように印刷法を用いることによって、透明部13,14および遮光部16,17の厚み方向Yの寸法を容易に制御することができる。これによって高精度にカラーフィルタ10を製造することができる。
また画素部15は、インクジェット法によって形成されるので、インクジェット法だけで画素部15の厚み方向Yの寸法を部分的に変更することは困難であるが、画素形成領域18内の第1領域20に透明部13が形成されるので、画素形成領域18内であって画素部15の膜厚を簡単に部分的に高精度に制御することができる。したがって半透過型カラーフィルタ10を、インクジェット法と印刷法を用いることによって、簡便に製造することができる。
さらに本実施の形態では、印刷法は反転印刷法であるので、形成した透明部13,14および遮光部16,17の表面形状を平坦状に形成することができ、また高位置精度かつ均一な膜厚を形成することができる。反転印刷法において、遮光部印刷用インクに撥インク剤を添加することで、遮光部16,17に撥インク処理が必要な場合は、別工程で撥インク層を形成または撥インク処理を施す必要がない。
前述した本実施の形態は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえばカラーフィルタ10は、液晶表示装置に用いられるとしたが、これに限定せず、他の表示装置に用いられてもよい。たとえば電解放射型表示装置、蛍光表示装置およびプラズマディスプレイの一部を構成するカラーフィルタに用いられてもよい。またカラーフィルタ10は、表示装置以外に用いられてもよく、たとえばプロジェクタなどの投影装置に用いられてもよい。
本実施の形態では、各色毎に透明基板11の画素形成領域に着色インク22を付着させ、各色毎にプリベークを繰返した。他の形態として、複数の色相の着色インク22を同時に、透明基板11に付着させてもよい。これによって生産効率をさらに向上させることができる。また噴射ヘッドにおける噴射ノズルが乾燥することを防いで、液滴噴射量および液滴噴射方向のバラツキを小さくすることができる。
また本実施の形態では、突出遮光部16は、画素部15の対角線上に部分的に位置するように形成されるが、このような位置に限ることはなく、スペーサとして間隔を確実に確保することができる位置、および負荷を効果的に分散できる位置に適宜形成すればよい。
図7は、本発明の他の実施の形態に係るカラーフィルタ10Aを示す平面図である。本実施の形態のカラーフィルタ10Aは、図7に示すように、画素部15に設けられる透明部13が画素部15の中央付近に設けられる。換言すると、画素部15に設けられる透明部13が、遮光部16,17から離間して設けられる。このような構成であっても、前述の図1〜図6に関連して説明したカラーフィルタ10と同様の作用および効果を達成することができる。
本発明の実施の一形態であるカラーフィルタ10の製造手順を示す断面図である。 カラーフィルタ10を示す平面図である。 カラーフィルタ10の製造手順を示すフローチャートである。 図1(2)の透明基板11を示す平面図である。 遮光部16の一部を拡大して示すカラーフィルタ10の断面図である。 反転印刷法による透明部13,14および遮光部16,17の製造方法を段階的に表す断面図である。 本発明の他の実施の形態のカラーフィルタ10Aを示す平面図である。 第2の従来の技術のカラーフィルタ1を示す平面図である。 第2の従来の技術のカラーフィルタ1を、フォトリソグラフィ法を用いて製造する製造手順を示す断面図である。
符号の説明
10 カラーフィルタ
11 透明基板
12 カラーフィルタ層
13,14 透明部
15 画素部
16,17 遮光部
18 画素形成領域
19 間隙領域
20 第1領域
21 第2領域
22 着色インク

Claims (4)

  1. 透光性を有する複数の透明部が予め定める並列方向に間隔をあけて並んで形成され、予め定める色相でそれぞれ着色される複数の画素部が一部の透明部を覆って並列方向に間隔をあけて並んで形成され、遮光性を有する遮光部が残余の透明部を覆って各画素部間に形成されるカラーフィルタ層を透明基板上に形成するカラーフィルタの製造方法であって、
    透明基板のうちで、各画素部が配置されるべき画素形成領域内の一部の第1領域と、隣接する2つの画素部の間となるべき間隙領域内の一部の第2領域とに、透明基板から厚み方向に突出し、透光性を有する透明部を形成する透明部形成工程と、
    透明基板のうちで、間隙領域の全体にわたって遮光性を有する遮光部を形成する遮光部形成工程であって、第2領域については、該第2領域に形成される透明部を覆って、間隙領域に遮光性を有する遮光部を形成する遮光部形成工程と、
    透明基板のうちで、第1領域に形成される透明部を覆って、各画素形成領域に着色インクをインクジェット法により付着させ、予め定める色相を有する画素部を形成する画素部形成工程とを含み、
    画素形成領域内において、第1領域は、間隙領域に隣接し、
    間隙領域内において、第2領域は、画素形成領域の縁部から離間し、
    第1領域および第2領域に形成される透明部の厚みは、遮光部の厚みよりも小さく、
    間隙領域に形成される遮光部のうち、第2領域に透明部が形成された間隙領域に形成される遮光部は、残余の遮光部よりも厚みが大きいことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記透明部形成工程では、印刷法によって、前記透明部を形成し、
    前記遮光部形成工程では、印刷法によって、前記遮光部を形成することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記印刷法は、反転印刷法であることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 予め定める色相でそれぞれ着色され、予め定める並列方向に間隔をあけて設けられる複数の画素部と、隣接する2つの画素部の間に設けられ、遮光性を有する遮光部とを含むカラーフィルタ層が透明基板上に設けられるカラーフィルタであって、
    透明基板と、
    透明基板上に設けられるカラーフィルタ層とを含み、
    前記カラーフィルタ層は、
    透明基板のうちで、各画素部が配置されるべき画素形成領域内の一部の第1領域と、隣接する2つの画素部の間となるべき間隙領域内の一部の第2領域とに形成され、透明基板から厚み方向に突出し、透光性を有する透明部と、
    透明基板のうちで、間隙領域の全体にわたって設けられる遮光性を有する遮光部であって、第2領域については、該第2領域に形成される透明部を覆って、間隙領域に設けられる遮光性を有する遮光部と、
    透明基板のうちで、第1領域に形成される透明部を覆って各画素形成領域に設けられ、予め定める色相を有する画素部とを含み、
    画素形成領域内において、第1領域は、間隙領域に隣接し、
    間隙領域内において、第2領域は、画素形成領域の縁部から離間し、
    第1領域および第2領域に形成される透明部の厚みは、遮光部の厚みよりも小さく、
    間隙領域に設けられる遮光部のうち、第2領域に透明部が形成された間隙領域に設けられる遮光部は、残余の遮光部よりも厚みが大きいことを特徴とするカラーフィルタ。
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