JP4465947B2 - 液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置、および電子機器 - Google Patents
液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置、および電子機器 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置用基板を含む液晶装置、および、液晶装置を含む電子機器に関する。特に、反射半透過型の液晶装置に用いた場合に好適な液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置用基板を含む液晶装置、および、液晶装置を含む電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自然光や室内照明光等の外光を表面側から入射させ、この光を反射させて表示を行う反射型表示と、光源からの光を裏面側から入射させて表示を行う透過型表示とを必要に応じて切換えることのできる、いわゆる反射半透過型液晶装置が知られている。
このような従来の液晶表示パネルの典型例を図28に示すが、反射半透過型としての液晶表示パネル100の構造を模式的に示している。この液晶表示パネル100は、対向する第1の基板101と、第2の基板102とを、接着剤等のシール材103によって貼り合せ、かかる第1の基板101と、第2の基板102との間に形成された空間に、液晶材料104を封入した構成のセル構造を備えている。
【0003】
そして、第1の基板101の内面上には、画素毎に開口部111aを備えた反射層111が形成され、この反射層111の上に、着色層112r,112g,112bおよび表面保護層112pを備えたカラーフィルタ基板112がさらに形成されている。また、表面保護層112pのカラーフィルタ基板112が設けられた反対側には、液晶材料104を駆動させるべく電圧を印加するための透明電極113が形成されている。
【0004】
一方、第2の基板102の内面上には、対極としての透明電極121が形成されており、対向する基板101上の透明電極113に対して交差するように配置されている。そして、基板101上に形成された透明電極113、および、基板102上に形成された透明電極121のそれぞれの表面に、配向膜や硬質透明膜(保護膜)などが、必要に応じて適宜形成されている。
また、基板102の外面上には、位相差板(1/4波長板)105および偏光板106が順次配置され、基板101の外面上には位相差板(1/4波長板)107および偏光板108がそれぞれ順次配置されている。
【0005】
以上のように構成された液晶表示パネル100は、携帯電話、携帯型情報端末などの電子機器に使用された場合、その背後にバックライト109が取付けられることになる。この液晶表示パネル100は、昼間や屋内などの明るい場所では反射経路Rに沿って外光が液晶材料104を透過した後、反射層111によって反射され、再び液晶104を透過した後、外部に放出される。したがって、液晶表示パネル100における外光による反射型表示が視認されることになる。
一方、夜間や野外などの暗い場所では、バックライト109を点灯させることにより、バックライト109の照明光のうち開口部111aを通過した光が、透過経路Tに沿って液晶表示パネル100を通過して放出される。したがって、液晶表示パネル100におけるバックライト109による透過型表示が視認されることになる。
【0006】
また、特開2000−298271号公報には、図29に示すように、基板上に液晶層を介して対向基板が設けられた液晶表示素子において、対向基板側から入射した光を反射する反射膜が基板上に形成された反射領域と、基板側から入射した光を対向基板側に透過させる透過領域とを有し、反射領域の反射膜上および透過領域の基板上にカラーフィルタ層が設けられ、反射領域のカラーフィルタ層の厚みが、カラーフィルタ層と同系色の透過領域のカラーフィルタ層の厚みより小さく構成した液晶光学装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図28に示すような従来の反射半透過型の液晶表示パネル100において、反射型表示を明るくするためには、反射層の開口部の面積を小さくする必要があるが、反射層の開口部の面積が減少するために、透過型表示の明るさが低下してしまうという新たな問題が見られた。
特に、反射型表示で視認される反射光は、液晶層を2度通過した光であるのに対して、透過型表示において透過光は液晶層を1度だけ通過するので、光透過状態において反射光と透過光の双方を共に有効に表示に利用し、明るく視認できるように光学的に構成することができなかった。例えば、通常は暗くなりやすい反射型表示において反射光を有効に液晶パネルから出射できるように光学的に構成されることが多いことから、透過型表示を実現する透過光の利用効率が低くなっていた。すなわち、液晶パネルに入射する光量に対して、液晶パネルを透過して出射する光量の比が低いため、反射層の開口部の面積を低減しすぎると透過型表示が暗くなるという問題が見られた。
したがって、反射型表示と透過型表示とを共に明るく構成することはきわめて困難であり、反射層の開口部の面積を低減させて反射型表示を明るくすると、透過型表示の明るさを確保するためにバックライトの照明光量を大きくする必要が生じ、その結果、電気光学装置の小型化、薄型化、軽量化、あるいは、消費電力の低減といった、携帯型電子機器において重要な目標の達成を妨げるという問題が見られた。
【0008】
また、従来の反射型表示では、一般的に表示の明るさが不足しがちであるので、カラーフィルタの光透過率を高く設定して、表示の明るさを確保しなければならないという問題が見られた。しかしながら、カラーフィルタの光透過率を高く設定すると、今度は、カラーフィルタを1回だけ透過する光に基づく透過型表示において十分な彩度を得ることができなくなるという問題が見られた。
さらにまた、反射型表示と、透過型表示とは、それぞれ光がカラーフィルタを通過する回数が異なるので、反射型表示において認識される画像の色彩と、透過型表示において認識される画像の色彩とが大きく異なり、違和感を与えるという問題が見られた。
そこで、反射層の開口部に位置する着色層と、反射層の反射部に位置する着色層とにおいて、フォトリソグラフィ技術等を用いて、それぞれを構成する着色剤の種類を異ならせるという試みもなされている。しかしながら、多色の着色層を形成する場合、工程数が著しく増えるという製造上の問題が見られた。
【0009】
したがって、反射型表示と透過型表示とを共に明るく構成することはきわめて困難であり、反射層の開口部の面積を低減させて反射型表示を明るくすると、透過型表示の明るさを確保するためにバックライトの照明光量を大きくする必要が生じ、その結果、液晶装置の小型化、薄型化、軽量化、あるいは、消費電力の低減といった、携帯型電子機器において重要な目標の達成を妨げるという問題が見られた。
【0010】
また、図29に示される特開2000−298271号公報に開示された液晶表示装置の場合には、反射層の開口部に位置する着色層と、反射層の反射部に位置する着色層とにおいて、同系色の異なる着色剤を用いなければならず、上述したように、多色の着色層を形成する場合、工程数が著しく増えるという製造上の問題が見られた。
また、開示された液晶表示装置において、カラーフィルタ層の厚さを変えた場合であっても、色素濃度がばらつきやすく、反射型表示と透過型表示との間で、明るさや色再現性が異なるという問題が見られた。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、使用する着色剤の種類を少なくしたままで、反射型表示および透過型表示の明るさおよび色再現性をより高い次元で両立させることのできる液晶装置の構成部品や構造等を効率的に提供することにある。
すなわち、本発明は、反射型表示および透過型表示の場合のいずれであっても、同程度に明るく、認識される色彩の差異を極めて少なくすることができる液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置用基板を含む液晶装置、および液晶装置を含む電子機器を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液晶装置用基板は、透過部と反射部を備えた画素を有し、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶装置用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、前記一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、前記反射部に備えられた反射層と、複数の着色層と、を含み、前記複数の着色層が、前記透過部に対応する領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、前記複数の着色層に対応させて異ならせることを特徴とするとする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板によれば、基板と、反射部および開口部を有する反射層と、複数の着色層と、を含む液晶装置用基板において、複数の着色層が、反射層の開口部に対応する領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、複数の着色層において異ならせた液晶装置用基板が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、複数の着色層が、所定位置に厚肉部を備えるとともに、当該厚肉部の厚さを、複数の着色層において異ならせることによって、着色の程度を均一化および効率化することができる。しかも、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設けたことにより厚肉部の厚さを複数の着色層において容易に異ならせることができ、着色の程度を更に均一化することができる。したがって、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。また、着色するための透過光の利用効率が高まることにより、結果として、透過型表示を得るための照明光量を低減することができるとともに、反射層の開口部の面積を低減して反射型表示をより明るくすることができる。
【0013】
また、本発明に係る液晶装置は、前記着色層の厚肉部の厚さをt1とし、前記着色層の非厚肉部の厚さをt2としたときに、t1/t2で表される比率を1.2〜2.0の範囲内の値とすることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、着色層の厚肉部の厚さをt1とし、着色層の非厚肉部の厚さをt2としたときに、t1/t2で表される比率を1.2〜2.0の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、反射型表示であっても、透過型表示であっても、それぞれ色再現性と、明るさのバランスをより良好なものとすることができる。
【0015】
また、本発明に係る液晶装置は、前記厚さ調整層の可視光透過率を90%以上の値とすることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、厚さ調整層の可視光透過率を90%以上の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、厚さ調整層を設けたことによる透過型表示における光量の低下を有効に防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る液晶装置は、前記着色層上に保護膜を備えるとともに、当該保護膜の前記透過部に対応する領域に、開口部または実質的に光が通過できる薄肉部を設けることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、着色層上に保護膜を備えるとともに、当該保護膜の反射層の開口部に対応する領域に、開口部または実質的に光が通過できる薄肉部を設けることが好ましい。
このように特定の保護膜を備えた構成とすることにより、光の透過を妨げることなく、液晶装置用基板の機械的強度や耐熱性を高めることができる。
【0017】
また、本発明に係る液晶装置は、前記着色層または保護膜上に配向膜を備えるとともに、当該配向膜の表面を平坦化することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、着色層または保護膜上に配向膜を備えるとともに、当該配向膜の表面を平坦化または凹部を設けることが好ましい。
このように構成することにより、液晶装置に使用した場合に、優れた表示特性を示すことができる。
【0018】
また、本発明に係る液晶装置は、前記基板の表面に凹部を設けるとともに、当該凹部に対応する領域に、前記透過部を設けることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、基板の表面に凹部を設けるとともに、当該凹部に対応する領域に、反射層の開口部を設けることが好ましい。
このように構成することにより、厚肉部の厚さの調整をさらに容易に実施することができる。
【0019】
また、本発明に係る液晶装置は、前記反射層が、表面に独立して形成された複数の凸部を有する反射基部と、反射膜とを含むことを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、反射層が、表面に独立して形成された複数の凸部を有する反射基部と、反射膜とを含むことが好ましい。
このように構成することにより、外部から入射した光が、反射層において過度に反射することを有効に防止することができる。
【0020】
また、本発明に係る液晶装置は、前記透過部を実質的に覆う着色層と、前記反射部を部分的に覆う着色層とを、同種または同一の着色剤から構成することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る液晶装置用基板を構成するにあたり、反射層の開口部を実質的に覆う着色層と、反射層の反射部を部分的に覆う着色層とを、同種または同一の着色剤から構成することが好ましい。
このように構成することにより、比較的種類の少ない着色剤を使用した場合であっても、反射型表示あるいは透過型表示、それぞれにおける色再現性と、明るさのバランスを良好なものとすることができる。
【0021】
また、本発明に係る液晶装置用基板の製造方法は、透過部と反射部を備えた画素を有し、基板と、前記反射部に備えられた反射層と、着色層と、を含む液晶装置用基板の製造方法において、前記基板上に、前記反射層を形成する工程と、前記透過部に対応する領域に、厚さを異ならせた厚肉部と、前記厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層とを有する複数の着色層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の別の実施の形態に係る態様は、基板と、反射部および開口部を有する反射層と、着色層と、を含む液晶装置用基板の製造方法において、基板上に、反射部および開口部を有する反射層を形成する工程と、反射層の開口部に対応する領域に、厚さを異ならせた厚肉部と、前記厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層とを有する複数の着色層を形成する工程と、を含む液晶装置用基板の製造方法である。
すなわち、得られた液晶装置用基板によれば、複数の着色層が、所定位置に厚肉部を備えるとともに、当該厚肉部の厚さが、複数の着色層において異なっているため、着色の程度を均一化および効率化することができる。加えて、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を形成しているので、厚肉部の厚さを複数の着色層において容易に異ならせることができ、着色の程度を更に均一化することができる。
したがって、このように実施することにより、反射型表示であっても、透過型表示であっても、それぞれ明るい上に色再現性に優れた着色表示が得られる液晶装置用基板を効率的に得ることができる。
【0022】
また、本発明の液晶装置用基板の製造方法を実施するにあたり、着色層を形成する工程において、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、厚さを異ならせた厚肉部および厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層とを形成することが好ましい。
このように実施することにより、同一の露光条件でもって、厚さを異ならせた厚肉部を形成することができる。
【0024】
また、本発明に係る液晶装置は、透過部と反射部を備えた画素を有し、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、前記一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、前記反射部に備えられた反射層と、複数の着色層と、を含み、前記複数の着色層が、前記透過部に対応する領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、前記複数の着色層に対応させて異ならせることを特徴とする。
本発明の別の実施の形態に係る態様は、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶装置用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、反射部および開口部を有する反射層と、複数の着色層と、を含み、複数の着色層が、反射層の開口部に対応する領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、複数の着色層に対応させて異ならせる電気光学装置である。
このように構成することにより、複数の着色層において、着色の程度を均一化および効率化することができる。加えて、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を形成しているので、厚肉部の厚さを複数の着色層において容易に異ならせることができ、着色の程度を更に均一化することができる。したがって、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0026】
また、本発明に係る液晶装置は、透過部と反射部を備えた画素を有し、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶装置用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、前記一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、前記反射部に備えられた反射層と、を含み、もう一つの液晶装置用基板が、第2の基板と、複数の着色層と、を含み、前記複数の着色層が、前記透過部に対応する領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、前記複数の着色層に対応させて異ならせることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る別の態様は、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶装置用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、反射部および開口部を有する反射層と、を含み、もう一つの液晶装置用基板が、第2の基板と、複数の着色層と、を含み、複数の着色層が、反射層の開口部に対応する領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、複数の着色層に対応させて異ならせる電気光学装置である。
このように構成することにより、複数の着色層において、着色の程度を均一化および効率化することができる。加えて、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を形成しているので、厚肉部の厚さを複数の着色層において容易に異ならせることができ、着色の程度を更に均一化することができる。したがって、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0028】
また、本発明の別の態様は、上述したいずれかの液晶装置と、当該液晶装置を制御するための制御手段と、を備えることを特徴とする電子機器である。
このように構成することにより、反射型表示であっても、透過型表示であっても、それぞれ明るい上に、色再現性に優れた画像表示が得られる液晶装置を利用した電子機器を効率的に提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置用基板を含む液晶装置、および、液晶装置を含む電子機器に関する実施形態について具体的に説明する。
ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
【0030】
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態の液晶装置用基板およびそれを用いた液晶装置について、カラーフィルタ基板およびそれを用いた液晶パネルを例に採って説明する。
図1は、本発明に係る第1実施形態の液晶装置を構成する液晶パネル200の外観を示す概略斜視図であり、図2(a)は、液晶パネル200の模式的な概略断面図、図2(b)は、液晶パネル200を構成するカラーフィルタ基板210の部分拡大平面図である。
【0031】
1.液晶パネルの基本構造
図1に示す液晶装置を構成する液晶パネルは、いわゆる反射半透過方式のパッシブマトリクス型構造を有する液晶パネル200であって、図示しないもののバックライトやフロントライト等の照明装置やケース体などを、必要に応じて、適宜取付けることが好ましい。
また、当該液晶パネル200は、用途に応じて、パッシブマトリクス型構造のかわりに、反射半透過方式のアクティブマトリクス型構造、例えば、TFD(Thin Film Diode)やTFT(Thin Film Transistor)等のアクティブ素子(能動素子)を用いた液晶パネルであっても良い。
【0032】
(1)セル構造
図1に示すように、液晶パネル200は、ガラス板や合成樹脂板等からなる透明な第1の基板211を基体とする液晶装置用基板、すなわち、カラーフィルタ基板210と、これに対向して、実質的に同様の構成を有する第2の基板221を基体とする対向基板220とが、接着剤等のシール材230を介して貼り合わせられていることが好ましい。
そして、図2に示すように、カラーフィルタ基板210と、対向基板220とが形成する空間であって、シール材230の内側部分に対して、開口部230aを介して液晶材料232を注入した後、封止材231にて封止されてなるセル構造を備えていることが好ましい。
【0033】
(2)配線
図1に示すように、第1の基板211の内面であって第2の基板221に対向する表面上に、並列した複数のストライプ状の透明電極216を形成し、第2の基板221の内面上には、当該透明電極216に直交する方向に並列した、複数のストライプ状の透明電極222を形成することが好ましい。また、透明電極216を、配線218Aに対して接続するとともに、もう一方の透明電極222を、配線228に対して接続することが好ましい。
そして、透明電極216と透明電極222とは相互に直交するため、その交差領域がマトリクス状に配列された多数の画素を構成し、これら多数の画素の配列が、全体として液晶表示領域(A)を構成することになる。
【0034】
また、図1に示すように、第1の基板211は、第2の基板221の外形よりも外側に張り出してなる基板張出部210Tを有し、この基板張出部210T上には、配線218Aと、配線228に対して、シール材230の一部で構成される上下導通部を介して接続された配線218Bと、独立して形成された複数の配線パターンからなる入力端子部219と、が形成されていることが好ましい。
また、基板張出部210T上には、これら配線218A、218Bおよび入力端子部219に対して接続されるように、液晶駆動回路等を内蔵した半導体素子(IC)261が実装されていることが好ましい。
さらに、基板張出部210Tの端部には、入力端子部219に接続されるように、フレキシブル配線基板263が実装されていることが好ましい。
【0035】
(3)位相差板および偏光板
図1に示される液晶パネル200において、図2に示すように、第1の基板211の外面の所定位置に、位相差板(1/4波長板)240および偏光板241が配置されていることが好ましい。
そして、第2の基板221の外面においても、鮮明な画像表示が認識できるように、位相差板(1/4波長板)250および偏光板251が配置されていることが好ましい。
【0036】
2.カラーフィルタ基板
次いで、図1および図2、あるいは図3〜図15を適宜参照しながら、本発明の電気光学装置用基板としての構造的特徴や動作を、カラーフィルタ基板210を例に採って詳細に説明する。
【0037】
(1)着色層
▲1▼構成
図1および図2に示される複数の着色層214は、通常、透明樹脂中に顔料や染料等の着色材を分散させて所定の色調を呈するものとされている。複数の着色層の色調の一例としては、原色系フィルタとしてR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の組合せからなるものがあるが、これに限定されるものではなく、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)等の補色系や、その他の種々の色調で形成することができる。
また、基板表面上に顔料や染料等の着色材を含む感光性樹脂からなる着色レジストを塗布し、フォトリソグラフィ法によって不要部分を除去することによって、所定のカラーパターンを有する着色層を形成することも好ましい。なお、RGB等の複数の画素(色調)を有する着色層を形成する場合には、着色レジストの塗布およびフォトリソグラフィ法の操作を、複数回繰り返すことになる。
【0038】
▲2▼厚肉部
図2等に示されるように、複数の着色層214が、反射層212の開口部212aに対応する領域に、厚肉部233を備えることを特徴とする。
かかる厚肉部の形態は、反射層の開口部に対応する領域において、反射部よりも層の厚さが厚い箇所を有する限り特に制限されるものではないが、例えば、図3および図4に示すような形態が挙げられる。
すなわち、図3(a)に示すように、断面が垂直状面からなる矩形の厚肉部233であっても良く、図3(b)に示すように、側面に斜面を有するテーパー状断面を有する厚肉部233であっても良く、図3(c)に示すように、逆台形のテーパー状断面を有する厚肉部233であっても良い。
また、図4(a)に示すように、断面が階段状の斜面を有する厚肉部233であっても良く、図4(b)に示すように、半円形の断面を有する厚肉部233であっても良く、図4(c)に示すように、こぶ状の断面を有する厚肉部233であっても良い。
【0039】
▲3▼厚肉部の厚さ
また、図5に示すように、厚肉部233R、233G、233Bの厚さを、複数の着色層214R、214G、214Bにおいて異ならせることを特徴とする。
この理由は、着色層に含まれる着色剤の種類によって、光を吸収して着色させる度合いが異なるために、複数の着色層の厚さがいずれも同じであると、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスの調整が困難になる場合があるためである。
例えば、G(緑)の画素を構成する着色層は、光を吸収して着色させる度合いが一般に強いという特徴がある。したがって、G(緑)の画素を構成する着色層の場合、厚肉部の厚さを薄くしたり、極端な場合には、厚肉部を形成せずに、さらに薄肉部としたりすることが好ましい。一方、R(赤)やB(青)の画素を構成する着色層は、光を吸収して着色させる度合いが比較的弱いという特徴がある。したがって、R(赤)やB(青)の画素を構成する着色層の場合、G(緑)と比較した場合に、厚肉部の厚さをより厚くすることが好ましい。
よって、G(緑)の画素を構成する着色層の厚肉部の厚さをtg(μm)とし、R(赤)やB(青)の画素を構成する着色層の厚肉部の厚さをそれぞれtr(μm)およびtb(μm)とした場合に、下記関係式を満足することが好ましい。
tg<tr
tg<tb
【0040】
また、複数の着色層における厚肉部の厚さに関して、それぞれ着色層の厚肉部の厚さをt1(μm)とし、反射層上に形成された複数の着色層の厚さ、すなわち着色層における非厚肉部の厚さをt2(μm)としたときに、t1/t2で表される比率を1.2〜2.0の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるt1/t2で表される比率が1.2未満の値になると、透過型表示において外部に取り出せる光量が過度に多くなり、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスが低下する場合があるためである。
一方、かかるt1/t2で表される比率が2.0を超えると、透過型表示において外部に取り出せる光量が過度に少なくなり、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスが低下する場合があるためである。
したがって、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスがより良好となることから、t1/t2で表される比率を1.3〜1.9の範囲内の値とすることがより好ましく、t1/t2で表される比率を1.4〜1.8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述したように、G(緑)の画素を構成する着色層の場合、光を吸収して着色させる度合いが一般に強いために、t1/t2で表される比率を1.2〜1.5未満の範囲内の値とすることが好ましい。一方、R(赤)やB(青)の画素を構成する着色層に関しては、光を吸収して着色させる度合いが比較的弱いために、t1/t2で表される比率を1.5〜2.0の範囲内の値とすることが好ましい。
【0041】
さらに、複数の着色層における厚肉部の厚さに関して、それぞれ反射層上に形成された複数の着色層の厚さと、反射層の厚さとを考慮して定めることが好ましい。すなわち、複数の着色層における厚肉部の厚さをt1(μm)とし、反射層上に形成された複数の着色層の厚さをt2(μm)とし、反射層の厚さをt5(μm)としたときに、下記関係式を満足することが好ましい。
t1>t2+t5
この理由は、開口部周辺の反射層上に形成された複数の着色層の厚さと、反射層の厚さとの和よりも大きい厚さの厚肉部を反射層の開口部上に設けることによって、反射層の開口部を透過する光の彩度を、効果的に高めることができるためである。
【0042】
▲4▼面積
また、図6(a)〜図6(d)および図7(a)〜図7(d)に示すように、着色層の面積を、反射層における反射部と、透過部との合計面積よりも小さくすることが好ましい。
この理由は、光反射部において、光吸収されずに高輝度の無着色光のまま、外光を反射させる領域を設けることができるためである。すなわち、通常、反射層における反射光は光量が少なく、認識される画像が暗くなりがちであるが、このように面積を制限することにより、無着色光と、着色光と、からなる十分な光量を有する反射光を外部に取り出すことができるためである。
したがって、着色層の面積を、反射層における反射部と、透過部との合計面積よりも小さくすることにより、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
なお、図6(a)〜図6(d)および図7(a)〜図7(d)は、反射層212における開口部212a、すなわち、透過部については全面的に着色層214R、214G、214Bによって覆うとともに、反射層における反射部については、着色層214R、214G、214Bが部分的に覆う態様の好適例である。
【0043】
▲5▼黒色遮光膜
図1および図2に示すように、画素毎に形成された着色層214の間の画素間領域に、黒色遮光膜(ブラックマトリクスあるいはブラックマスク)214BMが形成してあることが好ましい。
また、かかる黒色遮光膜214BMの構成材料としては、例えば黒色の顔料や染料等の着色材を樹脂その他の基材中に分散させたものや、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の着色材を共に樹脂その他の基材中に分散させたものなどを用いることが好ましい。
【0044】
▲6▼配列パターン
また、着色層の配列パターンとして、図2(b)に示す着色層では、ストライプ配列を採用しているが、このストライプ配列の他に、図8(b)に示すような斜めモザイク配列や、図8(c)に示すようなデルタ配列等の種々の配列パターンを採用することができる。
【0045】
▲7▼分光透過率
また、反射層の開口部および反射部にそれぞれ位置する着色層(赤色着色層、青色着色層、緑色着色層)の分光透過率を所定範囲の値に制限することが好ましい。
例えば、図9に示すように、反射層の開口部に位置する赤色着色層の波長600〜780nmの最大透過率を80%以上の値とし、同様に緑色着色層の波長500〜600nm未満の最大透過率を80%以上の値とし、さらに、同様に青色着色層の波長400〜500nm未満の最大透過率を80%以上の値とするとともに、波長400〜780nmにおける白色光の平均透過率を30〜50%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、所定範囲の波長における赤色着色層、青色着色層、および緑色着色層の各最大透過率をこのような範囲内の値とするとともに、白色光の平均透過率をこのような範囲内の値とすることにより、一定の色再現性が得られるとともに、彩度に優れた着色した透過光が得られるためである。
【0046】
また、図10に示すように、反射層の反射部に位置する赤色着色層の波長600〜780nmの最大透過率を80%以上の値とし、緑色着色層の波長500〜600nm未満の最大透過率を80%以上の値とし、さらに、青色着色層の波長400〜500nm未満の最大透過率を80%以上の値とするとともに、波長400〜780nmにおける白色光の平均透過率を58〜70%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、所定範囲の波長における赤色着色層、青色着色層、および緑色着色層の各最大透過率をこのような範囲内の値とするとともに、白色光の平均透過率をこのような範囲内の値とすることにより、一定の色再現性が得られるとともに、比較的明るい着色した反射光が得られるためである。
【0047】
▲8▼色域面積
また、反射層の開口部および反射部にそれぞれ位置する着色層(赤色着色層、青色着色層、緑色着色層)の色域面積を所定範囲の値に制限することが好ましい。
例えば、図11に示すように、反射層の反射部に位置する着色層のCIE色度座標における色域面積を0.6×10-2〜2.0×10-2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる色域面積が0.6×10-2未満の値になると、着色光の彩度が過度に低下する場合があるためであり、一方、かかる色域面積が2.0×10-2を超えると、着色した反射光の明るさが著しく低下する場合があるためである。
したがって、反射層の開口部に位置する着色層のCIE色度座標における色域面積を1×10-2〜1.8×10-2の範囲内の値とすることがより好ましく、1.2×10-2〜1.6×10-2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0048】
また、図12に示すように、反射層の反射部に位置する着色層のCIE色度座標における色域面積を0.4×10-2〜1.8×10-2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる色域面積が0.4×10-2未満の値になると、着色光の彩度が過度に低下する場合があるためであり、一方、かかる色域面積が1.8×10-2を超えると、着色した反射光の明るさが著しく低下する場合があるためである。
したがって、反射層の開口部に位置する着色層のCIE色度座標における色域面積を0.6×10-2〜1.7×10-2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.8×10-2〜1.5×10-2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0049】
(2)反射層
図1および図2に示すように、第1の基板211の表面には、反射層212が形成されている。この反射層212は、アルミニウム、アルミニウム合金、クロム、クロム合金、銀、銀合金などの金属薄膜で構成することができる。また、反射層212には、画素毎に、反射面を有する反射部212rと、開口部212aとが設けられていることが好ましい。
そして、反射層212の上には、画素毎に着色層214が形成され、その上をアクリル樹脂やエポキシ樹脂などの透明樹脂からなる表面保護層(オーバーコート層)215が被覆していることが好ましい。この着色層214と表面保護層215とによってカラーフィルタが形成されることになる。
【0050】
なお、図13に、反射層の構成の好適例を示す。この反射層70の例では、基材74の表面に独立して形成された複数の凸部を有する第1の反射基部76(例えば、厚さ1.6μm)と、その上に形成された比較的なだらかな表面状態を有する連続層からなる第2の反射基部79(例えば、厚さ1.3μm)と、さらにその上に形成された反射膜(例えば、厚さ0.2μm)72とを含んでいる。
また、反射層70が優れた反射効果と、適度の光散乱効果とを併せ持つように、第1の反射基部76は、ランダムパターンに配置されていることが好ましい。
【0051】
(3)厚さ調整層
▲1▼位置
図14(a)に示すように、複数の着色層214の少なくとも一つにおいて、反射層212の開口部212aに対応する領域に複数の着色層214における厚肉部233の厚さを調整するための厚さ調整層234を設けることが好ましい。
この理由は、このように厚さ調整層234を備えることにより、複数の着色層214における厚肉部233の厚さの調整がそれぞれ容易となるためである。例えば、複数の着色層214のいずれかにおいて、厚肉部233の厚さを比較的薄くする場合には、かかる厚さ調整層234の厚さを比較的厚くすれば良い。一方、複数の着色層214のいずれかにおいて、例えば、厚肉部233の厚さを比較的厚くする場合には、かかる厚さ調整層234の厚さを比較的薄くすれば良い。したがって、複数の着色層214における厚肉部233の厚さを容易かつ精度良く調整することができるため、反射型表示であっても、透過型表示であっても、さらに十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
また、図14(b)に示すように、基材211の一部に凹部236を設けるとともに、その一部または全部に厚さ調整層234を設けることも好ましい。
【0052】
▲2▼厚さ
また、厚さ調整層の厚さをt3とし、着色層の厚肉部の厚さをt4としたときに、t3/t4で表される比率を0.01〜10の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるt3/t4で表される比率が0.01未満の値になると、透過型表示において外部に取り出せる光量が過度に多くなり、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスが低下する場合があるためである。
一方、かかるt3/t4で表される比率が10を超えると、透過型表示において外部に取り出せる光量が過度に少なくなり、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスが低下する場合があるためである。
したがって、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスがより良好となることから、t3/t4で表される比率を0.05〜5の範囲内の値とすることがより好ましく、t3/t4で表される比率を0.1〜2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0053】
また、厚さ調整層の厚さを具体的に、0.1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる厚さ調整層の厚さが0.1μm未満の値になると、透過型表示において外部に取り出せる光量が過度に多くなり、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスが低下する場合があるためである。
一方、かかる厚さ調整層の厚さが100μmを超えると、透過型表示において外部に取り出せる光量が過度に少なくなり、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスが低下する場合があるためである。
したがって、反射型表示および透過型表示における色再現性のバランスがより良好となることから、厚さ調整層の厚さを1〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜30μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0054】
▲3▼光透過率
また、厚さ調整層の可視光透過率を90%以上の値とすることが好ましい。この理由は、かかる可視光透過率が90%未満の値になると、厚さ調整層における光吸収量が多くなって、明るい反射画像が認識できない場合があるためである。すなわち、厚さ調整層の可視光透過率を90%以上の値とすることにより、厚さ調整層における光吸収を効果的に抑制し、反射層に到達する光量および反射層から外部に取り出される光量の低下を有効に防止することができる。
ただし、かかる厚さ調整層における可視光透過率の値が過度に大きいと、使用可能な材料や添加剤の種類が過度に制限される場合がある。
したがって、厚さ調整層の可視光透過率を92〜99.9%の範囲内の値とすることがより好ましく、95〜99.5%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0055】
(4)表面保護層
図1、図2および図15に示すように、カラーフィルタ基板210の着色層214上に、表面保護層215が設けてあることが好ましい。
このように表面保護層215を設けることにより、着色層214自体、ひいては着色層214を含むカラーフィルタ基板210の耐久性や耐熱性等を著しく向上させることができる。
【0056】
(5)透明電極および配向膜
図1、図2および図15に示すように、表面保護層215の上には、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる透明電極216を形成することが好ましい。かかる透明電極216は、図2(b)において、上下方向に伸びる帯状に形成されており、複数の透明電極216が並列したストライプ状に構成されていることが好ましい。
また、透明電極216の上には、ポリイミド樹脂等からなる配向膜217が形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、カラーフィルタ基板210を液晶表示装置等に使用した場合に、液晶材料の電圧駆動を容易に実施することができる。
【0057】
(6)対向基板
また、図2および図15に示すカラーフィルタ基板210と対向する対向基板220は、ガラス等からなる第2の基板221上に、第1の基板と同様の透明電極222と、SiO2やTiO2などからなる硬質保護膜223と、配向膜224と、を順次に積層させたものであることが好ましい。
なお、このカラーフィルタ基板210の例では、着色層214が第1の基板に設けてあるが、かかる着色層214を、対向基板220の第2の基板221上に設けることも好ましい。
【0058】
(7)液晶層
図2および図15に示すように、カラーフィルタ基板210と、対向基板220との間に形成された空間に、液晶材料232が充填されて、液晶層を形成していることが好ましい。
なお、充填されている液晶材料の種類や厚さ等は特に制限されるものではないが、反射型表示および透過型表示における明るさや色再現性のバランスを考慮して定めることが好ましい。
【0059】
(8)動作
以上のように構成された本実施形態において、対向基板221側から入射した外光は、液晶材料232等を透過し、さらにカラーフィルタ基板210の着色層214を透過して、反射部212rに到達する。外光はこの反射部212rにおいて反射され、反射光として、再び液晶材料232および対向基板221を透過して、外部に出射される。このとき、かかる反射光は、透過する方向は異なるものの、カラーフィルタ基板210における着色層214を2回通過することになる。
【0060】
一方、着色層214は、反射層212の開口部212aを完全に覆っているので、例えば、カラーフィルタ基板210の背後にバックライト等を配置して、背後から照明光を照射した場合には、当該照明光の一部が反射層212の開口部212aを通過して着色層214を透過し、液晶材料232および対向基板220における第2の基材221等を通過して出射する。このとき、透過光は着色層214を1回だけ透過する。その場合、反射層212の開口部212aには、複数の着色層214において、それぞれ厚肉部233を有するために、複数の着色層214における着色剤に対応して、十分に光吸収をして、色再現性に優れた着色光をそれぞれ外部に取り出すことができる。
また、複数の着色層214において、厚肉部233の厚さが異なっているために、複数の着色層214における着色剤に対応して、複数の着色層214における着色の程度を均一化および効率化することができる。したがって、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができるようになる。また、着色するための透過光の利用効率が高まることにより、結果として、透過型表示を得るための照明光量を低減することができるとともに、反射層212の開口部212aの面積を低減して反射型表示をより明るくすることができる。
【0061】
なお、一般的に液晶パネルにおいて上記表面保護層215の厚さは3〜5μm程度であり、1500〜3000Å程度の厚さの透明電極216に較べてかなり厚く形成される。したがって、保護層に開口部や薄肉部を設けて液晶厚を厚くする方法はきわめて有効である。また、上記実施形態では記載していないが、表面保護層215(すなわち保護層)と透明電極216との間に、透明電極216の密着性を高め、パターニング性を向上させるために、SiO2やTiO2等からなる絶縁膜を形成してもよい。
【0062】
[第2実施形態]
次に、図16を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、カラーフィルタ基板210が、特定構造の表面保護層315を備えているほかは、第1実施形態において説明したカラーフィルタ基板および電気光学装置の構成と同様である。したがって、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成についての説明は適宜省略する場合があるものとする。
【0063】
1.構成
図16に示すように、カラーフィルタ基板210における第1の基板211上に、第1実施形態と同様に反射部212rおよび開口部212aを備えた反射層212が形成され、この反射層212上に、複数の着色層214が形成されている。また、複数の着色層214は、それぞれ反射層212の開口部212aに対応する領域において、他の領域よりも厚く形成した厚肉部233を備えているとともに、それぞれの厚肉部233の厚さが、複数の着色層214を構成する着色剤に対応して、異なっている。
この例では、G(緑)の画素を構成する着色層は、光を吸収して着色させる度合いが一般に強いために、G(緑)の画素を構成する着色層の場合、厚肉部の厚さを比較的薄くしてある。その一方、R(赤)やB(青)の画素を構成する着色層は、光を吸収して着色させる度合いが比較的弱いという特徴がある。したがって、R(赤)やB(青)の画素を構成する着色層の場合、G(緑)と比較した場合に、厚肉部の厚さをより厚くすることが好ましい。
また、図16に示すように、複数の着色層214上に、それぞれ表面保護層315と、透明電極316と、配向膜317と、が形成されている。第2実施形態では、かかる表面保護層315等において、反射層312の開口部312aに対応する領域に、凹部315bが形成されていることを特徴としている。そして、表面保護層315の例では、凹部315bにおける下方部分が、薄肉部315cとなっている。
【0064】
2.動作
第2実施形態においては、カラーフィルタ基板210における反射層212の開口部212aには、複数の着色層214が、それぞれ厚肉部233を備えているとともに、複数の着色層214を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部233の厚さを異ならせているため、光透過させた場合に、厚肉部を備えていない場合と比較して、複数の着色層214が均一に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができる。
したがって、第2実施形態においては、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0065】
また、第2実施形態においては、カラーフィルタ基板210上に、凹部315bを有する表面保護層315等が設けてあることから、反射層212の開口部212a上の液晶層の厚さがその他の部分よりも厚くなる。
したがって、透過型表示における液晶材料232のリタデーション値(液晶層透過時の光学的作用値)が、反射型表示における液晶材料232のリタデーション値(液晶層往復時の合計の光学的作用値)に近くなるため、透過型表示における透過光の利用効率を従来よりも高めることができる。
よって、透過光の利用効率が高まることによって、透過型表示を得るための照明光量を低減することが可能になり、また、反射層212の開口部212aの面積を低減して反射型表示をより明るくすることも可能になる。
【0066】
ここで、図24を参照して、液晶層の厚さを変えた場合の効果をモデル的に説明する。上述したように、開口部Raを備えた反射層Rの上に着色層Cを形成し、その上に透光層Tを形成し、この透光層Tに、反射層Rの開口部Ra上に開口部を設けることにより、開口部Raと平面的に重なる領域の液晶層の厚さ(記号b)を、それ以外の領域における液晶層の厚さ(記号a)の2倍にしたとする。また、説明の都合上、ホモジニアス方式の液晶セルが構成されているとする。そして、この液晶セルのリタデーションがΔn・a=λ/4、Δn・b=λ/2(Δnは液晶の光学異方性、λは光の波長)であるとする。
【0067】
そして、液晶セルが光透過状態にある場合、透過型表示では、図24中に記号(A)で示すように、バックライト等からの照明光が偏光板P2を通過して直線偏光となる。次いで、位相差板(1/4波長板)D2を通過することにより、例えば右回りの円偏光となった後に、セル厚D2の液晶層を通過することから位相差がさらに1/2波長進んで左回りの円偏光となる。次いで、さらに位相差板D1を通過して、元の直線偏光になり、偏光板P1を通過する。
一方、液晶セルが光透過状態にあるとき、反射型表示では、図24中に記号(B)で示すように、外光が偏光板P1を通過することにより直線偏光となる。次いで、位相差板(1/4波長板)D1を通過することにより、例えば右回りの円偏光になった後、セル厚D1の液晶層を往復2度通過することから、位相差がさらに1/2波長進んで左回りの円偏光となる。次いで、再び位相差板D1を通過することにより、元の直線偏光に戻って偏光板P1を通過する。
【0068】
このような透過型表示においては、仮に通過する液晶層の厚さが、図24中に示す液晶層の厚さ(記号b)の半分であるとすると、そのリタデーションはλ/4となる。そのため、図24中に記号(C)で示すように、照明光が偏光板P2、位相差板D2を経て液晶を通過した後の偏光状態は、当初とは直交する方向の直線偏光となる。次いで、位相差板D1を通過して左回りの円偏光となり、さらに偏光板P1を通過する。このとき、偏光板P1を通過できる偏光成分は、液晶層の厚さ(記号b)のときに通過できる光量のほぼ半分となる。
したがって、本実施形態のような反射半透過型の液晶表示パネルの場合には、反射層の開口部と平面的に重なる領域の液晶厚(記号b)がそれ以外の領域の液晶厚(記号a)より厚くなると、光透過状態における光透過率が高くなり、特に、開口部と平面的に重なる領域の液晶層の厚さ(記号b)が、それ以外の領域における液晶層の厚さ(記号a)のほぼ2倍になると、光透過量もまたほぼ2倍になる。
【0069】
なお、液晶セルがホモジニアス方式ではなく、液晶層にツイストが存在する場合には、透過率が向上しない場合もあるが、例えば40度ツイストの液晶では、開口部と平面的に重なる領域の液晶層の厚さを、それ以外の領域における液晶層の厚さの2倍にすれば40%程度の透過率の向上が得られることが判明している。
また、一般的に、反射層の開口部と平面的に重なる領域の液晶層の厚さ(記号b)は、反射面上の液晶層の厚さ(記号a)よりも大きい一方、2a以下の値であることが好ましい。
このようにすることによって、透過型表示に対する透過光の利用効率が向上し、透過型表示を明るくすることができるので、例えば、バックライトの照明光量を低減することができるため、バックライトの小型化、薄型化、軽量化や消費電力の低減を図ることが可能になる。また、反射層の開口部の面積を従来よりも低減することができるので、反射型表示の明るさを向上させることも可能になる。
【0070】
さらにまた、第2実施形態においては、反射層212の開口部212aに対応する領域において薄肉部315cが存在するが、基本的に表面保護層315は透明であるため、光学的には第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、第2実施形態においては、着色層214が開口部212aに対応する領域においても表面保護層315によって覆われているため、着色層214をより確実に保護することが可能になる。
【0071】
[第3実施形態]
次に、図17を参照して本発明に係る第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、カラーフィルタ基板210に対向する対向基板320の構造が異なることを除いて第1実施形態と実質的に同様の構成である。したがって、第1実施形態等と同様の構成部分についての説明は適宜省略する場合があるものとする。
【0072】
1.構成
第3実施形態においては、カラーフィルタ基板210に対向する対向基板320において、第2の基板321の内面(第1の基板211に対向する表面)上に、凹部321aが形成されている。この凹部321aは、一例として、フォトリソグラフィ技術および弗酸系のエッチング液を用いたエッチング処理によって容易に形成できる。そして、第2の基板321には、凹部321aも含めた表面上に透明電極322、硬質保護層323、および配向膜324が積層されている。一方、カラーフィルタ基板210における複数の着色層214は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、反射層212の開口部212aに対応する領域に、厚肉部233を有しているとともに、複数の着色層214を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部233の厚さを異ならせていることを特徴としている。
【0073】
2.動作
第3実施形態においては、カラーフィルタ基板210における反射層212の開口部212aには、複数の着色層214が、それぞれ異なる厚さの厚肉部233を備えているため、光透過させた場合に、均一かつ十分に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができる。
したがって、第3実施形態において、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0074】
また、第3実施形態では、カラーフィルタ基板210と対向する対向基板320において、表面に凹部320aが形成されており、この凹部320aに液晶材料232が入り込んでいる。したがって、反射層212の開口部212aに対応する領域において液晶層を厚く形成することが可能になる。よって、透過型表示における液晶材料のリタデーション値を、反射型表示における液晶材料のリタデーション値に近似させることができるため、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0075】
[第4実施形態]
次に、図18を参照して本発明に係る第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、基本的に第2実施形態の構造上の特徴と、第3実施形態の構造上の特徴とを組み合わせた構造である。したがって、第2実施形態や第3実施形態と同様の構成部分についての説明は適宜省略する場合があるものとする。
【0076】
1.構成
第4実施形態における対向基板420において、第3実施形態と同様に、第2の基板421の内面であって、第1の基板211に対向する表面上に、凹部425aが形成されている。また、第2の基板421には、凹部425aも含めた表面上に透明電極422、硬質保護層423、および配向膜424がそれぞれ形成されている。そして、第2の基板421上において、第1の基板211上に形成されている反射層212の開口部212aに対応した位置であって、平面的に重なる領域に凹部420aが設けられている。
【0077】
また、図18に示すように、カラーフィルタ基板210における着色層214上に、表面保護層315が形成されている。第4実施形態では、第2実施形態と同様に、この表面保護層315において、反射層312の開口部312aに対応する領域に凹部315bが形成されていることを特徴としている。そして、この表面保護層315の例では、凹部210aにおける下方部分が、薄肉部315cとなっている。また、表面保護層315上には、第1実施形態と同様の透明電極316および配向膜317が、それぞれ形成されている。
一方、カラーフィルタ基板210における複数の着色層214は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、反射層212の開口部212aに対応する領域に、厚肉部233を有しているとともに、複数の着色層214を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部233の厚さを異ならせていることを特徴としている。
【0078】
2.動作
第4実施形態において、第2の基板421の内面上に、透明電極422および配向膜424が積層されているが、開口部425aを反映した凹部420aが形成されている。そして、この凹部420aに液晶材料232が入り込むように構成されている。また、表面保護層315において、反射層312の開口部312aに対応する領域に凹部310aが形成されており、この凹部310aに液晶材料232が入り込むように構成されている。
したがって、カラーフィルタ基板210と対向基板420の双方の内面に凹部210a、420aが設けられているので、反射層212の開口部212aと平面的に重なる領域の液晶層の厚さ(記号b)を、反射面上の領域における液晶層の厚さ(記号a)よりも容易に大きく構成することが可能である。よって、透過型表示における液晶材料のリタデーション値を、反射型表示における液晶材料のリタデーション値に近似させることができるため、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0079】
また、第4実施形態においては、カラーフィルタ基板210における反射層212の開口部212aには、複数の着色層214が、それぞれ異なる厚さの厚肉部233を備えているため、光透過させた場合に、均一かつ十分に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができる。
したがって、第4実施形態において、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0080】
[第5実施形態]
次に、図19を参照して本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態においては、カラーフィルタ基板510における一部構造のみが第1実施形態と異なっている。したがって、第1実施形態と同様の構成部分についての説明は適宜省略する場合があるものとする。
【0081】
1.構成
第5実施形態では、カラーフィルタ基板510における第1の基板511上に下地層513が形成され、この下地層513には開口部513a(512aと一致)が設けられている。この下地層513は、実質的に光透過に関与しないために、透光性を有しない素材から構成することも可能である。
また、下地層513上には、反射層512が形成され、この反射層512には、反射面を備えた反射部512rと、下地層513の開口部513a上に位置する開口部512aとが設けられている。また、反射層512上には、着色層514が形成され、この着色層514上にはさらに表面保護層515が形成されている。さらに、この表面保護層515の上には、透明電極516および配向膜517が形成されている。
そして、着色層514は、第1実施形態および第2実施形態等と同様に、反射層512の開口部512aに対応する領域に、厚肉部533を備えており、かつ、複数の着色層214を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部233の厚さを異ならせていることを特徴としている。
なお、第5実施形態の例では、第1の基板511に凹部534が形成してあり、厚肉部533の一部を収容できる構成としてある。
【0082】
2.動作
第5実施形態においては、カラーフィルタ基板510における反射層512の開口部512aには、複数の着色層514が、それぞれ異なる厚さの厚肉部533を備えているため、光透過させた場合に、均一かつ十分に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができる。
また、下地層513および凹部534を設けることによって、厚肉部533の厚さの調整がさらに容易となる。
したがって、第5実施形態においては、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0083】
[第6実施形態]
次に、図20を参照して本発明に係る第6実施形態について説明する。この実施形態においては、カラーフィルタ基板610の構造のみが第1実施形態と異なっている。したがって、第1実施形態等と同様の構成部分についての説明は適宜省略する場合があるものとする。
【0084】
1.構成
第6実施形態では、カラーフィルタ基板610の第1の基板611上に反射層612が形成され、この反射層612には反射面を備えた反射部612rと、開口部612aとが形成されている。
また、反射層612上には透光層613が形成されている。この透光層613には開口部613aが形成されており、この開口部613aは、反射層612の開口部612aと重なるように構成されている。
また、透光層613上には、着色層614が形成され、この着色層614上にはさらに表面保護層615が形成されている。また、表面保護層615上には、透明電極616および配向膜617が順次積層されている。
そして、複数の着色層614は、それぞれ反射層612の開口部612aに対応する領域に、厚肉部633を備えており、かつ、複数の着色層614を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部633の厚さを異ならせていることを特徴としている。
【0085】
2.動作
第6実施形態においては、反射層612の開口部612aに、複数の着色層614がそれぞれ厚肉部633を備えているため、光透過させた場合に、十分かつ均一に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができる。また、透光層613を設けることによって、厚肉部633の厚さの調整がさらに容易となる。
したがって、第6実施形態において、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0086】
[第7実施形態]
次に、図21を参照して本発明に係る第7実施形態について説明する。なお、この実施形態においては、第2の基板にカラーフィルタが設けられて、カラーフィルタ基板を構成していることを特徴とする。したがって、他の構成については、適宜説明を省略する場合がある。
【0087】
1.構成
第7実施形態においては、第1の基板711上に反射層712が形成され、この反射層712には反射面を備えた反射部712rと、開口部712aとが設けられている。また、反射層712上にはSiO2,TiO2などの材料からなる絶縁膜713が形成されており、この絶縁膜713上に、透明電極716および配向膜717が順次形成されている。
ただし、反射層712が、画素毎に分離して形成されている場合には、反射層712上に絶縁膜713を介することなく直接透明電極716を形成することも好ましい。
【0088】
また、第2の基板721上には、複数の着色層723が形成され、画素間領域には黒色遮光層714BMが形成されている。そして、着色層723上に、表面保護層715と、透明電極722と、配向膜724と、が形成されている。この表面保護層715には、開口部715aが設けられており、この開口部715aは、第1の基板711上の反射層712の開口部712aと平面的に重なるような位置に配置されている。
そして、複数の着色層723は、それぞれ反射層712の開口部712aに対応する領域に、厚肉部733を備えており、かつ、複数の着色層723を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部733の厚さを異ならせていることを特徴としている。
【0089】
2.動作
第7実施形態においては、反射層712の開口部712aには、複数の着色層723が、それぞれ厚肉部733を備えているため、光透過させた場合に、十分かつ均一に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができる。
したがって、第7実施形態において、反射型表示であっても、透過型表示であっても、十分な光量が得られるとともに、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0090】
また、第7実施形態では、反射層712の形成された第1の基板711とは反対側の第2の基板721上に、カラーフィルタの着色層723が形成され、この上に表面保護層715が形成されて、その開口部715aによって凹部720aが構成されるようになっている。
したがって、反射層712の開口部712aに対応する領域における液晶層の厚さが、他の部分よりも厚く構成されているので、透過型表示における液晶材料のリタデーション値を、反射型表示における液晶材料のリタデーション値に近似させることができるため、それぞれ色再現性に優れた着色表示を得ることができる。
【0091】
[第8実施形態]
次に、図22(a)〜図22(d)および図23を参照して、本発明に係る液晶装置あるいは液晶装置用基板の製造方法の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態において製造する液晶装置は、図1に示す第1実施形態の液晶パネル200を構成部品として備えたものである
【0092】
1.構成
まず、図23を参照して、図1に示す液晶パネル200の概略構造について説明する。図23は、図1に示す液晶パネル200における半導体素子(IC)およびフレキシブル配線基板の実装前の状態を模式的に図示するものであり、図面上、寸法は図示の都合上適宜に調整し、構成要素も適宜に省略してある。
また、液晶パネル200は、第1の基板211上に、反射層212と、着色層214と、表面保護層215とからなる積層構造体の上に、透明電極216が形成されたカラーフィルタ基板210を含み、これに対向する対向基板220とがシール材230にて貼り合わされ、内部に液晶材料232が配置されたものである。
そして、複数の着色層214は、それぞれ反射層212の開口部212aに対応する領域に、厚肉部233を備えており、かつ、複数の着色層214を構成する着色剤に対応して、当該厚肉部233の厚さを異ならせていることを特徴としている。
【0093】
2.製造工程
図22(a)〜図22(d)は、図23に示す液晶パネルを構成するカラーフィルタ基板210を形成するための製造工程を示すものである。
【0094】
(1)着色層の形成
図22(a)に示すように、第1の基板211上には、図1に示す液晶表示領域Aに相当する領域に、反射層212、黒色遮光層214BM、着色層214を順次形成する。そして、着色層214は、反射層212の開口部212aおよび反射部212rにそれぞれ配置されており、かつ、反射層212の開口部212aに対応する領域に、厚さが異なる厚肉部233を備えていることを特徴としている。
また、図1に示す黒色遮光層214BMおよび複数の着色層214は、それぞれ顔料や染料等の着色材を分散させた透明樹脂等からなる感光性樹脂を、スクリーン印刷等により、所定箇所に塗布し、これに露光、現像処理を順次施すことによって形成することができる。
例えば、反射層212の開口部212aに対応する領域に、厚肉部233を形成するためには、二段階工程を採ることが好ましく、予め厚肉部233のみを形成することが好ましい。また、複数の着色層における厚肉部233を形成する際に、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、厚さを異ならせた厚肉部を形成することが好ましい。この理由は、このように実施することにより、同一の露光条件でもって、厚さを異ならせた厚肉部を形成することができるためである。
なお、複数の色の着色層214を、所定パターンに配列して形成するためには、色ごとに上記工程を繰り返せば良い。
【0095】
ここで、図1に示す開口部212aを備えた反射層212は、蒸着法やスパッタリング法にて金属材料等を基板上に被着させた後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いてパターニングすることにより形成することができる。
例えば、図13に示すような表面になだらかな凹凸を有する反射層70を形成する場合、以下の工程▲1▼〜▲3▼を含むことが好ましい。
▲1▼透過部または光不透過部を独立した円および多角形、あるいはいずれか一方の平面形状とし、かつ、平面方向にランダムに配列した光反射膜用マスクパターンを介して、光硬化プロセスによって、基材74上に、基板表面からの高さが実質的に等しく、平面方向にランダムに配列され、かつ、独立した複数の凸部を有する第1の基材76を形成する工程
▲2▼第1の基材76の表面に光硬化性樹脂を塗布して、光硬化プロセスによって、連続した複数の凸部を有する第2の基材79を形成する工程
▲3▼第2の基材79の表面に、アルミニウム等の金属からなる反射層72を蒸着法により形成する工程
【0096】
(2)透光保護層の形成
次に、図22(b)に示すように、第1の基板211上に全面的に透光保護層215を形成する。この透光保護層215は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹脂などで構成することができる。
これらの樹脂は流動性を有する未硬化状態で基板上に塗布され、乾燥、光硬化、熱硬化などの適宜の手段で硬化される。塗布方法としては、スピンコート法や印刷法などを用いることができる。
【0097】
(3)透明電極および配向膜の形成
次いで、図22(c)に示すように、基板上に全面的にITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる透明電極216および配向膜217を形成する。
例えば、透明電極216はスパッタリング法により成膜できる。すなわち、透明導電層を全面的に形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いてパターニングを施し、透明電極216を形成することができる。
また、配向膜217については、例えば、スピンコート法を用いて形成することができる。
【0098】
(4)対向基板の形成
次いで、図22(d)に示すように、第2の基板221上に、ITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる透明導電層を、スパッタリング法等を用いて全面的に形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング法を用いてパターニングを施し、透明電極222を形成することが好ましい。
次いで、透明電極222上に、SiO2やTiO2などからなる硬質保護膜223や配向膜224を順次積層し、対向基板220とすることが好ましい。
そして、カラーフィルタ基板210と、これに対向する対向基板220とをシール材(図示せず)にて貼り合わせるとともに、内部に液晶材料232を配置することにより、液晶パネルを構成することができる。
【0099】
[第9実施形態]
本発明の液晶装置を、電子機器における表示装置として用いた場合の実施形態について具体的に説明する。
【0100】
(1)電子機器の概要
図25は、本実施形態の電子機器の全体構成を示す概略構成図である。この電子機器は、液晶パネル180と、これを制御するための制御手段190とを有している。また、図25中では、液晶パネル180を、パネル構造体180Aと、半導体素子(IC)等で構成される駆動回路180Bと、に概念的に分けて描いてある。また、制御手段190は、表示情報出力源191と、表示処理回路192と、電源回路193と、タイミングジェネレータ194とを有することが好ましい。
また、表示情報出力源191は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスク等からなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ194によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等の形で表示情報を表示情報処理回路192に供給するように構成されていることが好ましい。
【0101】
また、表示情報処理回路192は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路180Bへ供給することが好ましい。そして、駆動回路180Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路および検査回路を含むことが好ましい。また、電源回路193は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する機能を有している。
【0102】
(2)モバイル型コンピュータ
また、本発明に係る液晶装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆる携帯型パーソナルコンピュータ)の表示部に適用した電子機器例について説明する。
図26は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。図26に示すように、パーソナルコンピュータ160は、キーボード162を備えた本体部163と、本発明に係る液晶表示装置(図示略)を用いた表示部164とを備えている。表示部164は、窓部164bに対応してプラスチックの保護板165が配設された筐体166に、本発明に係る液晶表示装置が収容された構成となっている。より詳細には、液晶表示装置は、その観察側の基板面が保護板165と近接するように、筐体166に収容されている。なお、かかるパーソナルコンピュータ161においては、外光が十分に存在しない状況下であっても表示の視認性を確保すべく、上記第6実施形態に示したように、背面側にバックライトユニットを備えた半透過反射型液晶表示装置を用いることが望ましい。
【0103】
(3)携帯電話機
次に、本発明に係る液晶装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。
図27は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。図27に示すように、携帯電話機170は、複数の操作ボタン171のほか、受話口172、送話口173とともに、本発明に係る液晶表示装置(図示略)を用いた表示部174を備えている。この携帯電話機170においては、窓部174bに対応してプラスチックの保護板175が配設された筐体176に、本発明に係る液晶表示装置が収容された構成となっている。なお、携帯電話機170においても、上記パーソナルコンピュータと同様、液晶表示装置は、その観察側の基板面が保護板175に近接するように、筐体176に収容されている。
【0104】
(4)他の電子機器
本発明に係る液晶装置を適用することが可能な電子機器としては、図26に示したパーソナルコンピュータや、図27に示した携帯電話機のほかにも、液晶テレビや、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器などが挙げられる。
【0105】
さらに、本発明の液晶装置および電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態に示す液晶パネルは単純マトリクス型の構造を備えているが、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶装置にも適用することができる。
また、上記実施形態の液晶パネルは所謂COGタイプの構造を有しているが、ICチップを直接実装する構造ではない液晶パネル、例えば液晶パネルにフレキシブル配線基板やTAB基板を接続するように構成されたものであっても構わない。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶装置用基板によれば、複数の着色層が、それぞれ反射層の開口部に対応する領域に、厚さが異なる厚肉部を備えていることにより、光透過させた場合に、十分かつ均一に光吸収をして、色再現性に優れた着色光を外部に取り出すことができるようになった。したがって、反射型表示および透過型表示の場合のいずれであっても、同程度に明るく認識されるとともに、色彩の差異を極めて少なくすることができるようになった。
さらに、本発明の液晶装置用基板によれば、着色層の面積を、反射層全体の面積よりも小さくすることができるため、着色層を形成する際のマージンを大きくすることができるようになった。よって、製造時における着色層のマージンを厳格に制御する必要が少なくなった。
【0107】
また、本発明の液晶装置用基板の製造方法によれば、反射型表示および透過型表示の場合のいずれであっても、同程度に明るく認識されるとともに、色彩の差異を極めて少なくすることができる液晶装置用基板を効率的に製造することができるようになった。
【0108】
また、本発明の液晶装置によれば、反射型表示および透過型表示の場合のいずれであっても、同程度に明るく認識されるとともに、色彩の差異を極めて少なくすることができるようになった。
【0109】
さらに、本発明の電子機器によれば、反射型表示および透過型表示の場合のいずれであっても、同程度に明るく認識されるとともに、色彩の差異を極めて少なくすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の第1実施形態における液晶パネル200の外観を示す液晶パネルの概略斜視図である。
【図2】第1実施形態の断面構造を模式的に示す概略断面図(a)およびカラーフィルタ基板の概略拡大平面図(b)である。
【図3】着色層における厚肉部を説明するために供する図である(その1)。
【図4】着色層における厚肉部を説明するために供する図である(その2)。
【図5】複数の着色層における構造関係を説明するために供する図である。
【図6】着色層と、反射層との重なり状態を説明するために供する図である(その1)。
【図7】着色層と、反射層との重なり状態を説明するために供する図である(その2)。
【図8】着色層におけるパターン配列を説明するために供する図である(その2)。
【図9】反射層の開口部に位置する着色層における分光透過率曲線を示す図である。
【図10】反射層の反射部に位置する着色層における分光透過率曲線を示す図である。
【図11】反射層の開口部に位置する着色層におけるCIE色度座標を示す図である。
【図12】反射層の反射部に位置する着色層におけるCIE色度座標を示す図である。
【図13】反射層を説明するために供する図である。
【図14】厚さ調整層を説明するために供する図である。
【図15】本発明の第1実施形態における液晶パネルの断面構造の部分拡大図である。
【図16】本発明の第2実施形態における液晶パネルの断面構造の部分拡大図である。
【図17】本発明の第3実施形態における液晶パネルの断面構造の部分拡大図である。
【図18】本発明の第4実施形態における液晶パネルの部分断面構造の拡大図である。
【図19】本発明の第5実施形態における液晶パネルの部分断面構造の拡大図である。
【図20】本発明の第6実施形態における液晶パネルの部分断面構造の拡大図である。
【図21】本発明の第7実施形態における液晶パネルの部分断面構造の拡大図である。
【図22】本発明の第8実施形態における液晶パネルの製造工程を説明するために供する図である。
【図23】本発明の第9実施形態における液晶パネルの部分断面構造の拡大図である。
【図24】液晶分子の動作を説明するために供する図である。
【図25】本発明に係る電子機器の実施形態のブロック構成を示す概略構成図である。
【図26】本発明に係るパーソナルコンピュータの外観を示す概略斜視図である。
【図27】本発明に係る携帯電話の外観を示す概略斜視図である。
【図28】従来の反射半透過型液晶パネルの構造を模式的に示す概略断面図である。
【図29】従来の反射型液晶パネルの構造を模式的に示す概略断面図である(その1。
【符号の説明】
200 液晶パネル
211 第1の基板
212 反射層
212a 開口部
212b 反射部
214 着色層
215 表面保護層
216 透明電極
221 第2の基板
222 透明電極
230 シール材
240,250 偏光板
Claims (11)
- 透過部と反射部を備えた画素を有し、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶装置用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、
前記一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、前記反射部に備えられた反射層と、複数の着色層と、を含み、
前記複数の着色層が、前記透過部と重なる領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、前記複数の着色層に対応させて異ならせるとともに、
前記着色層上に保護膜を備え、当該保護膜の前記透過部と重なる領域に、実質的に光が通過できる薄肉部を設け、
前記薄肉部は、前記反射部の液晶の厚みよりも前記透過部の液晶の厚みを大きくするための凹部により形成されることを
ことを特徴とする液晶装置。 - 透過部と反射部を備えた画素を有し、対向する第1の基板と第2の基板とを含む一対の液晶装置用基板、およびその間に液晶物質を含む液晶装置において、
前記一つの液晶装置用基板が、第1の基板と、前記反射部に備えられた反射層と、を含み、もう一つの液晶装置用基板が、第2の基板と、複数の着色層と、を含み、
前記複数の着色層が、前記透過部と重なる領域に、厚肉部を備えるとともに、厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、前記複数の着色層に対応させて異ならせるとともに、
前記着色層上に保護膜を備え、当該保護膜の前記透過部と重なる領域に、実質的に光が通過できる薄肉部を設け、
前記薄肉部は、前記反射部の液晶の厚みよりも前記透過部の液晶の厚みを大きくするための凹部により形成されることを
ことを特徴とする液晶装置。 - 前記着色層の厚肉部の厚さをt1とし、前記着色層の非厚肉部の厚さをt2としたときに、t1/t2で表される比率を1.2〜2.0の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
- 前記厚さ調整層の可視光透過率を90%以上の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
- 前記着色層または保護膜上に配向膜を備えるとともに、当該配向膜の表面を平坦化することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記基板の表面に凹部を設けるとともに、当該凹部と重なる領域に、前記透過部を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記反射層が、表面に独立して形成された複数の凸部を有する反射基部と、反射膜とを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 前記透過部を実質的に覆う着色層と、前記反射部を部分的に覆う着色層とを、同種または同一の着色剤から構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶装置。
- 透過部と反射部を備えた画素を有し、基板と、前記反射部に備えられた反射層と、複数の着色層と、を含む液晶装置用基板において、
前記複数の着色層が、前記透過部と重なる領域に、厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層を設け、当該厚肉部の厚さを、前記複数の着色層において異ならせるとともに、
前記着色層上に保護膜を備え、当該保護膜の前記透過部と重なる領域に、実質的に光が通過できる薄肉部を設け、
前記薄肉部は、前記反射部の液晶の厚みよりも前記透過部の液晶の厚みを大きくするための凹部により形成されることを特徴とする液晶装置用基板。 - 透過部と反射部を備えた画素を有し、基板と、前記反射部に備えられた反射層と、着色層と、を含む液晶装置用基板の製造方法において、
前記基板上に、前記反射層を形成する工程と、
前記透過部と重なる領域に、厚さを異ならせた厚肉部と、前記厚肉部の厚さを調整するための厚さ調整層とを有する複数の着色層を形成する工程と、
前記着色層上に保護膜を備え、当該保護膜の前記透過部と重なる領域に、実質的に光が通過できる薄肉部を設け、
前記薄肉部は、前記反射部の液晶の厚みよりも前記透過部の液晶の厚みを大きくするための凹部により形成される
を含むことを特徴とする液晶装置用基板の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載された液晶装置と、当該液晶装置を制御するための制御手段と、を備えることを特徴とする電子機器。
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JP2002190248A JP4465947B2 (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 液晶装置用基板、液晶装置用基板の製造方法、液晶装置、および電子機器 |
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