JP3700364B2 - カラーフィルタ、液晶パネル、液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルタ、並びにそれを用いた液晶パネル、液晶装置及び電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶パネル用のカラーフィルタとしては、顔料分散法、染色法、印刷法、電着法等により製造されるものがある。これらのうち顔料分散法が分光特性、パターン精度、製造コスト、耐熱性、耐光性等の面で総合的に優れており、現在主流となっている。
【0003】
この顔料分散法により製造されるカラーフィルタは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色別に選択的に光を吸収したり透過したりする顔料が分散された材料からなる。そして、例えば、Rに係るカラーフィルタ部分は、G及びBの光を顔料により吸収することにより、Rの光のみを透過するように構成されている。従って、このように構成されたカラーフィルタを介して光を液晶パネルに入射しつつ、各RGBに割り当てられた各画素部をRGB信号に応じて夫々液晶駆動すれば、視覚上はこれらのRGBが混じるため、一枚の液晶パネルにより任意の色のカラー画像を表示できる。この顔料分散法により製造されるカラーフィルタによれば、顔料により確実な分光性能が得られると共に、その製造も比較的容易である。
【0004】
他方、特にプロジェクタ用のライトバルブなどに用いられる強い光源光が透過する液晶パネル用のカラーフィルタにおいては、高い耐光性や耐熱性が要求される。このため、一つの色(例えば、R)に係るカラーフィルタ部分が、他の色(例えば、G及びB)の光を反射すると共に当該一つの色(例えば、R)の光のみを透過するように構成された干渉フィルタ型(ダイクロイックミラー型)のカラーフィルタも開発されている。
【0005】
また、干渉フィルタ型のカラーフィルタは光の吸収が無く、透過しなかった光を反射するので、例えば平板型の蛍光灯を光源とすると、反射した光を光源に戻すことが出きる。戻った光は再発光に寄与するため、光源の輝度が高まり、同じ輝度であれば低消費電力にすることが出来る。この為、電子ビューファインダやヘッドマウントディスプレイ等の外光が入らない直視型の液晶パネルに使用すると、バックライトの消費電力を低減させることも可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の顔料分散法等により製造された着色型のカラーフィルタにおいては、各色を顔料や染料等の着色材料で吸収することにより分光するので、例えば、単板型のカラー液晶パネルをプロジェクタのライトバルブ用に用いる場合、カラーフィルタは、約1/3の光を透過すると共に約2/3の光を透過せずに吸収することになる。このため、特にプロジェクタ用などの強力な光源光(例えば、100万ルクス程度の光)が入射され続けると、光吸収により顔料や染料等が褪色や変色してしまう。このように顔料や染料等の褪色や変色が進むと、カラーフィルタが持つ本来の分光特性に支障をきたして表示画像の画質劣化につながる。特に各色の顔料や染料等の間で褪色や変色の進行の度合いには一般に差があるので、例えば経時的にB(青色)の光を吸収する顔料等の破壊がR(赤色)やG(緑色)の光を吸収する顔料等の破壊よりも進行すると、画面全体が、青っぽくなってしまう。更に、光を吸収する分だけ、光の利用効率も低くなってしまう。より具体的には、着色フィルタを用いると、液晶パネルは、着色フィルタで透過される約1/3の光のみを利用し、吸収される約2/3の光を利用しない。このように、顔料分散法等により製造された着色型のカラーフィルタには、光源光等の光に対する耐光性や耐熱性に劣ると共に光源光の利用効率も低いという問題点がある。
【0007】
他方、前述した干渉フィルタ型のカラーフィルタの場合には、反射により分光を行うので、光吸収に起因した温度上昇などによる悪影響を低減することは可能であり、更に、反射した光を光源等付近で反射して再利用することにより光の利用効率を高めることも出来る。しかしながら、この干渉フィルタ型のカラーフィルタの場合には、例えばリフトオフ方法を用いて、RGB別の微細な領域毎に、性質の異なる積層体を夫々形成せねばならないので、特に画素の微細化が進む近時の液晶パネルに対しては、製造が困難であり、歩留まりも悪い。このように、干渉フィルタ型のカラーフィルタの場合、低コスト化という基本的要請を満たすのが困難である。更に、干渉フィルタ型のカラーフィルタには、例えば直視型の液晶パネルに利用した場合などに、光が通過する誘電体層中の距離が増す(光路に対する層厚が増す)ので、当該光の周波数に依存した反射や透過の特性がずれてしまう。即ち、干渉フィルタ型のカラーフィルタにも、視角特性が悪いという問題点がある。
【0008】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、光吸収による顔料、染料等の着色材料の褪色や変色が低減されており、しかも比較的容易に製造し得るカラーフィルタ、該カラーフィルタを備えた液晶パネル、該液晶パネルを備えた液晶装置及び該液晶装置を備えた電子機器を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために、基板上に形成されたカラーフィルタであって、該基板上に複数の干渉層が積層されてなり、前記基板を介して入射する光を色別に選択的に反射及び透過する干渉フィルタ層と、該干渉フィルタ層上において前記干渉フィルタ層に重ねられており、光を色別に選択的に吸収及び透過する着色材料を含む着色フィルタ層とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載のカラーフィルタによれば、当該カラーフィルタは、R(赤色)、G(緑色)及びB(青色)や、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)などの複数色の色別に、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列などの所定パターンで、基板に配置されている。
【0011】
カラーフィルタが設けられた基板の側から光が入射すると、干渉フィルタ層により、光は色別に選択的に反射及び透過される。例えば、R又はGに割り当てられた位置では、干渉フィルタ層のYの部分によりBの光は反射されると共に、R及びGの光は透過される。このように干渉フィルタ層を透過する光は、干渉フィルタ層に重ねられている着色フィルタ層に入射される。この時、着色フィルタ層は、顔料や染料等の着色材料により光を色別に選択的に吸収及び透過する。例えば、Gに割り当てられた画素部分に対応する位置においては、干渉フィルタ層を透過したR及びGの光が入射されると、Rの光を吸収すると共にGの光を透過したり、Rに割り当てられた画素部分に対応する位置においては、干渉フィルタ層を透過したR及びGの光が入射されると、Gの光を吸収すると共にRの光を透過したりする。
【0012】
ここで、前述のように一般には、顔料や染料等は光により或いは光に起因した熱により破壊される傾向があり、特にプロジェクタのライトバルブ用の液晶パネルなどの場合に強い光源光を用いると、この傾向は著しい。しかしながら、本発明によれば、着色フィルタ層に入射される前に、干渉フィルタ層により少なくとも一色の光は透過されない(即ち、例えば、RかGに割り当てられた画素部に対応する位置では、Bの光がYの干渉フィルタ層により反射されて、透過されない)ので、このような強力な光源光による顔料や染料等の着色材料の破壊が低減される。
【0013】
この結果、入射光に対する耐光性及び耐熱性に優れたカラーフィルタを実現できる。
【0014】
請求項2に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために請求項1に記載のカラーフィルタにおいて、前記干渉フィルタ層は、複数色のうち予め設定された一の色とは異なる他の色に割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、該一の色の光を夫々選択的に反射するように設けられており、前記着色フィルタ層は、前記複数色に夫々割り当てられた前記複数の画素部に夫々対応する位置に、前記複数色の光を夫々選択的に透過するように設けられたことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載されたカラーフィルタによれば、予め設定された一の色(例えば、B)とは異なる他の色(例えば、R及びG)に割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、該一の色(例えば、B)の光を夫々選択的に反射するように設けられた干渉フィルタ層により、入射光は、選択的に反射及び透過される。例えば、R及びGに割り当てられた画素部に対応する位置において、干渉フィルタ層のYの部分によりBの光は、反射され、R及びGの光は、透過される。他方、Bに割り当てられた画素部に対応する位置においては、RGBの光は、夫々透過される。そして、干渉フィルタ層を透過する光は、着色フィルタ層に入射されると、顔料や染料等の着色材料により、色別に選択的に吸収及び透過される。
【0016】
ここで、本願発明者の研究によれば、例えば、Bの光を吸収するYの顔料や染料等の着色材料は、入射する光により或いは入射する光に起因した熱により破壊される傾向が、他のRやGの光を吸収する顔料等よりも強い。これは、Bの光の方がRやGよりも周波数が高くエネルギが高いことによると考察される。本発明によれば、着色フィルタ層に入射される前に、干渉フィルタ層により、このような予め設定された一つの色(例えば、B)の光は透過されないので、光による顔料等の破壊は、特定の一色について低減される。ここで特に、特定の一色についてのみ反射する干渉フィルタ層は、リフトオフ方法等を利用して3色別の干渉フィルタ層を製造する場合と比べて、遥かに容易に製造できる。従って、画素ピッチを微細化する程に、本発明は有利となる。
【0017】
この結果、更に低コストで長寿命化が図られたカラーフィルタを実現できる。
【0018】
請求項3に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために請求項2に記載のカラーフィルタにおいて、前記複数色のうち前記着色材料を破壊する能力が最も高い光の色が前記一の色として設定されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載されたカラーフィルタによれば、干渉フィルタ層により、着色フィルタの着色材料(即ち、顔料や染料等)を破壊する能力が最も高い光の色が選択的に反射される。例えば、R及びGに割り当てられた画素部に対応する位置において、着色材料(例えば、Bを吸収するYの顔料等)を破壊する能力が最も高いBの光は反射され、Bに割り当てられた画素部に対応する位置において、RGBの光は夫々透過される。そして、Bに割り当てられた画素部に対応する位置においては、この着色材料を破壊する能力が最も高いBの光は透過される(即ち、吸収されない)。このように、顔料や染料等を破壊する能力が最も高い光は、着色フィルタ層に入射されないか、或いは、着色フィルタ層で吸収されない。従って、異なる色の着色材料間の寿命が平均化され、着色材料全体の寿命は効率的に延ばされる。
【0020】
この結果、更に極めて効率良く長寿命化が図られたカラーフィルタを実現できる。
【0021】
請求項4に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために請求項1に記載のカラーフィルタにおいて、前記干渉フィルタ層は、複数色に夫々割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、該複数色の光を選択的に夫々透過するように設けられており、前記着色フィルタ層は、前記複数色に夫々割り当てられた前記複数の画素部に夫々対応する位置に、前記複数色の光を選択的に夫々透過するように設けられたことを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載されたカラーフィルタによれば、干渉フィルタ層により、入射光は、色別に選択的に反射及び透過される。例えば、Rに割り当てられた画素部に対応する位置においては、Rの光のみが透過され、Gに割り当てられた画素部に対応する位置においては、Gの光のみが透過され、Bに割り当てられた画素部に対応する位置においては、Bの光のみが透過される。更に、干渉フィルタ層を透過する光は、着色フィルタ層に入射されると、顔料や染料等により、色別に選択的に吸収及び透過される。例えば、Rに割り当てられた画素部に対応する位置においては、Rの光のみが透過され、Gに割り当てられた画素部に対応する位置においては、Gの光のみが透過され、Bに割り当てられた画素部に対応する位置においては、Bの光のみが透過される。
【0023】
このように冗長的に両方のフィルタ層が備えられているので、干渉フィルタ層は粗く色を分離する程度のものであってもカラーフィルタとしての分光特性を得ることが出来、しかも、着色フィルタ層の耐光性や耐熱性は、当該干渉フィルタ層により補われる。また、干渉フィルタ層は、光が斜めに入射すると、光路に対する層厚が厚くなる結果、波長特性が変化して液晶パネルを通過した光の色は視覚上では色が薄くなる傾向がある。これに対して、着色フィルタ層は、光が斜めに入射すると、光路に対する層厚が厚くなる結果、より多くの顔料等に吸収されることになり、視覚上では色が濃くなる傾向がある。これらの結果、本発明の如き干渉フィルタ層と着色フィルタ層とを冗長的に重ねる構成を採ると、干渉フィルタ層の視角に対する光反射(透過)特性の狂いと着色フィルタ層の視角に対する光吸収(透過)特性の狂いとが少なくとも部分的に相殺される。
【0024】
この結果、更に視角特性に優れたカラーフィルタを実現できる。
【0025】
請求項5に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために請求項1に記載のカラーフィルタにおいて、前記干渉フィルタ層は、前記基板の面に平行な所定方向に沿って画素部のピッチの2倍のピッチで色別に配列されており、前記着色フィルタ層は、前記所定方向に沿って前記画素部のピッチの2倍のピッチで且つ前記干渉フィルタ層のピッチとは前記画素部のピッチだけシフトして色別に配列されており、前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層は、相重なる部分を透過する光が前記複数の画素部に割り当てられた色に夫々対応するように色別に配列されていることを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載のカラーフィルタによれば、干渉フィルタ層及び着色フィルタ層は、画素部のピッチの2倍のピッチで色別に配列されているが、両者は、画素部のピッチだけシフトして配列されており、相重なる部分が複数の画素部に割り当てられた色に夫々対応するように配列されている。このため、これら二つのフィルタ層からなるカラーフィルタの色別のピッチは、干渉フィルタ層及び着色フィルタ層のピッチの1/2のピッチとされる。即ち、特に微細化が困難である干渉フィルタ層のピッチを狭めることなく、当該カラーフィルタのピッチを狭めることが可能となり、製造上大変有利である。
【0027】
この結果、更に微細画素ピッチに適したカラーフィルタを実現できる。
【0028】
請求項6に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために請求項5に記載のカラーフィルタにおいて、前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)別に夫々配列されており、前記干渉フィルタ層のYの部分と前記着色フィルタ層のMの部分とが重なった部分がR(赤色)の画素部に対応し、前記干渉フィルタ層のMの部分と前記着色フィルタ層のCの部分とが重なった部分がB(青色)の画素部に対応し、前記干渉フィルタ層のCの部分と前記着色フィルタ層のYの部分とが重なった部分がG(緑色)の画素部に対応することを特徴とする。
【0029】
請求項6に記載されたカラーフィルタによれば、干渉フィルタ層のYMCの部分と、着色フィルタ層のYMCの部分との重なり方の組み合わせにより、これら両方のフィルタ層における色別のピッチの1/2のピッチでRGBの光用のカラーフィルタが形成される。
【0030】
この結果、更に実用的なカラーフィルタを実現できる。
【0031】
請求項7に記載のカラーフィルタは上記課題を解決するために請求項1から6のいずれか一項に記載のカラーフィルタにおいて、相隣接する複数の画素部の境界に夫々対応する位置に形成された遮光層を更に備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項7に記載された液晶パネルのカラーフィルタによれば、相隣接する複数の画素部の境界に夫々対応する位置には、例えば、基板と干渉フィルタ層との間、干渉フィルタ層と着色フィルタ層との間、着色フィルタ層と液晶層との間等に、遮光層が形成されている。従って、液晶パネルを用いた場合には、この遮光層により、液晶パネルにおける混色の防止、コントラストの向上等が図される。
【0033】
この結果、更に高品位の画像表示を可能ならしめるカラーフィルタを実現できる。
【0034】
請求項8に記載の液晶パネルは、上記課題を解決するために請求項1から7のいずれか一項に記載のカラーフィルタを備えた前記基板と他方の基板とを液晶を挟持して対向させて構成されることを特徴とする。
【0035】
請求項8に記載された液晶パネルによれば、長寿命のカラーフィルタにより全体としても長寿命とされ、製造が容易なカラーフィルタにより全体としても製造が容易とされると共に低コスト化が図られ、更に、少なくとも一色については干渉フィルタ層と着色フィルタ層とで視角に対するフィルタ特性の狂いが相殺されているため、視角特性が向上される。
【0036】
この結果、低コスト且つ長寿命であり、視角特性に優れた液晶パネルを実現できる。
【0037】
請求項9に記載の液晶装置は、上記課題を解決するために請求項8に記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする。
【0038】
請求項9に記載された液晶装置によれば、上述した本発明の液晶パネルを備えているので、長寿命且つ低コストであり、視角特性に優れる。
【0039】
請求項10に記載の電子機器は、請求項9に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする。
【0040】
請求項10に記載の電子機器によれば、上述した本願発明の液晶装置を備えているので、長寿命且つ低コストであり、視角特性に優れた画像表示が可能な電子機器を実現できる。
【0041】
請求項11に記載の電子機器は、上記課題を解決するために請求項10に記載の電子機器において、前記液晶パネルを構成する一対の前記基板のうち前記カラーフィルタが設けられた一方の基板の側から該光を入射させる光源手段と、前記干渉フィルタ層により反射されて前記一方の基板から出射される光を再度反射して前記一方の基板の側から前記光の一部として再度入射させる反射手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0042】
請求項11に記載の電子機器によれば、照明光は、液晶パネルの一対の基板のうちカラーフィルタが設けられた一方の基板の側から入射されると、干渉フィルタ層により選択的に反射及び透過される。ここで、干渉フィルタ層により反射されて、該一方の基板から光源に向けて出射される光は、例えば、光源の後ろに設けられた反射板やレフレクタ(凹状の反射ミラー)などの反射手段により、再度反射され、該一方の基板の側から照明光の一部として再度入射される。従って、着色フィルタ層の光に対する耐光性及び耐熱性は干渉フィルタ層により補われると同時に、干渉フィルタ層及び反射手段による反射により光の利用効率が向上される。
【0043】
この結果、更に光源光の利用効率が高く、容易に表示画面を明るくできる投射型の液晶プロジェクタなどの電子機器を実現できる。
また、請求項12記載の液晶パネルは、液晶を一対の基板で挟持し、一方の基板側にカラーフィルタを設けた液晶パネルであって、前記カラーフィルタは、前記液晶側より着色フィルタ層と干渉フィルタ層を重ねて形成され、前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層を透過した光が選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分が透過するよう所定のパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層を透過した光が選択的にRの光成分とGの光成分が透過される領域はBの光成分を反射するパターンを有することを特徴とする。
請求項13記載の液晶パネルは、請求項12に記載の液晶パネルにおいて、前記着色フィルタ層は、選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分を透過するパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記着色フィルタ層の選択的にRの光成分とGの光成分を透過する領域にBの光成分を反射するパターンを有することを特徴とする。
請求項14記載の液晶パネルは、請求項12に記載の液晶パネルにおいて、前記着色フィルタ層は、選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分を透過するパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記着色フィルタ層のパターンに冗長して選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分を透過するパターンを有することを特徴とする。
請求項15記載の液晶パネルは、請求項12に記載の液晶パネルにおいて、前記着色フィルタ層は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の光成分を透過するパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記着色フィルタ層のパターンに対して所定ピッチずらしたY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の光成分を透過するパターンを有することを特徴とする。
【0044】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の第1の実施の形態におけるカラーフィルタを示す。本実施の形態の説明については、液晶パネル用のカラーフィルタを前提として行う。尚、図1は、液晶パネルを構成する一対の基板のうちカラーフィルタが形成される側の対向基板と共に該カラーフィルタを断面図で模式的に示したものである。尚、図1においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0047】
図1において、カラーフィルタ100は、対向基板2の上に積層された干渉フィルタ層110、着色フィルタ層120、遮光層(ブラックマスク)130及びオーバーコート(OC)膜140を備えている。
【0048】
カラーフィルタ100は、図示しない液晶パネルの複数の画素部に夫々対応する位置において、RGBの色別に所定パターンで対向基板2上に配置されている。図中矢印で示したように液晶パネルには、その動作時に対向基板2の下側から光源からの照明光が入射される。
【0049】
干渉フィルタ層110は、複数の干渉層が積層された所謂ダイクロイックミラーとして構成されている。本実施の形態では、特に干渉フィルタ層110は、R及びGに割り当てられた画素部分に対応する位置には、Y(イエロー)の干渉フィルタ層部分110Yが配置されている。このYの干渉フィルタ層部分110Yは、Bの光を反射すると共に、R及びGの光を透過する。Bに割り当てられた画素部分に対応する位置には、何等の干渉フィルタ層部分も配置されておらず、この部分で光は、RGB共に着色フィルタ層120へ素通りする。
【0050】
このようなYの干渉フィルタ層部分110Yは、Bを反射し、R及びGを透過するように、予め定められた大小の所定屈折率及び層厚を有する2種類の干渉用の誘電体層(例えば、SiO2層)を交互に多数積層(例えば、26層を積層)することにより形成される。干渉フィルタ層100の層厚は、この積層数及び反射すべき色に応じて広い範囲の値を取る。即ち、積層する誘電体層の各層の屈折率nを等しくし、互いに隣り合う2つの誘電体層の層厚tx、tx+1を、 tx・n+ tx+1・n=λ/2(但し、λは波長)とすると、波長λの光を反射できる。従って、層厚tを徐々に異ならせることにより、反射できる波長帯域の設定が出来る。このように、積層体における光の干渉による透過や反射が各RGB光の波長に依存する性質を利用して、R及びGに割り当てられた画素部に対応する位置において、Bの光を反射すると共に、当該R及びGの光のみを透過する干渉フィルタ層110が得られる。
【0051】
着色フィルタ層120は、干渉フィルタ層110よりも液晶に近い側において干渉フィルタ層110に重ねられており、層厚は夫々0.5〜5μm程度である。本実施の形態では、特に着色フィルタ層120は、Rに割り当てられた画素部分に対応する位置には、Rの着色フィルタ層部分120Rが配置されている。Rの着色フィルタ層部分120Rは、Gの光を吸収すると共に、Rの光を透過する。ここで、Bの光については、干渉フィルタ層110により反射されるので吸収する必要が殆ど又は全く無い。Gの着色フィルタ層部分120Gは、Rの光を吸収すると共に、Gの光を透過する。ここで、Bの光については、干渉フィルタ層110により反射されるので吸収する必要が殆ど又は全く無い。また、Bの着色フィルタ層部分120Bは、R及びGの光を吸収すると共に、Bの光を透過する。即ち、Bの光については、吸収する必要が元より無い。また、Bの着色フィルタ層部分120Bの層厚は、R及びGの着色フィルタ層部分120R及び120Gよりも、干渉フィルタ110の層厚だけ厚くし着色フィルタ層120の上面の平坦化をしてもよい。但し、着色フィルタ層120上には、オーバーコート層140が形成されるので、このように平坦化する必要性は低い。
【0052】
オーバーコート膜140は、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から、厚さ0.5〜2μm程度の保護膜及び平坦化膜として着色フィルタ層120の全面に形成される。
【0053】
遮光層130は、相隣接する複数の画素部の境界に夫々対応する位置に、例えば、金属クロム、ニッケルやアルミニウム等から形成される。尚、カーボンやチタンをフォトレジストに分散した樹脂ブラックでも同様に遮光層を作成可能であるが、光の吸収が少ない、即ち、反射率の高い金属を用いて作成した方が、熱上昇防止等の観点から適している。
【0054】
尚、図1の例では、遮光層130を対向基板2上に形成して、遮光層130の上に干渉フィルタ層110を形成するようにしたが、干渉フィルタ層110を形成した後に、例えば、平坦化膜を形成して、その上に遮光層を形成してもよいし、着色フィルタ層120上やオーバーコート膜140上に形成してもよい。以上のように構成された遮光層130により、RGB間での混色の防止及びコントラストの向上が図られる。更に、当該液晶パネルをTFT(薄膜トランジスタ)駆動型とする場合には、TFTのチャネル領域を覆う位置にも遮光層を設けることにより、TFTのチャネル領域に対する遮光の機能を持たせてもよい。
【0055】
着色フィルタ層120は、例えば、感光性顔料分散法、非感光性顔料分散法等の顔料分散法、或いは染色法、印刷法、電着法、ミセル電解法、インクジェット法などにより形成される。
【0056】
感光性顔料分散法の場合には、顔料を分散した感光性レジスト材料を対向基板2上に塗布した後、現像及び露光して所定パターンの着色フィルタ層120を形成する。非感光性顔料分散法の場合には、顔料を分散した非感光性ポリマー材料を対向基板2上に塗布した後、別途感光性レジスト層を用いて現像及び露光して所定パターンのカラーフィルタを形成する。前者は、製造工程数が少ない点で有利であり、後者は、パターン精度においてより優れている。
【0057】
また、この顔料分散型の着色フィルタ層において用いられる顔料としては、例えばR用にはジアンスラキノン系の顔料、G用にはハロゲン化銅フタロシアニン系の顔料、B用には銅フタロシアニン系の顔料が夫々用いられる。そして、これらの顔料は、上述の感光性顔料分散法の場合には、例えばアクリル・エポキシ系の紫外線硬化樹脂などに分散され、上述の非感光性顔料分散法の場合には、例えばポリイミド系の着色樹脂に分散される。
【0058】
ここで、着色フィルタに含まれるBの光を吸収するYの着色材料(即ち、顔料や染料等)は、入射する光により或いは入射する光に起因した熱により破壊される傾向が、他のRやGの光を吸収する着色材料よりも強い。図2に主にこのような着色材料の一例として、顔料の破壊に起因するカラーフィルタの褪色の様子を示す。
【0059】
図2の色度図は、CIE色度座標上で、RGBの各色のフィルタ部分における透過光の色が褪色によりどれだけ他の色に相対的に近付くかを示したものであり、RGBの各色について白丸は、カラーフィルタの製造初期の透過光の色を示しており、黒丸は、カラーフィルタを3000時間に亘り300万ルクス(温度約70度)で使用した後の透過光の色を示している。図2から分かるように、Gのカラーフィルタ部分は、Rの光及びBの光を吸収する顔料を含むが、光により特にBの光を吸収するYの顔料が破壊されることにより、透過する光の色はBに近付いている。同様に、Rのカラーフィルタ部分は、Gの光及びBの光を吸収する顔料を含むが、光により特にBの光を吸収するYの顔料が破壊されることにより透過する光の色はBに近付いている。他方、Bのカラーフィルタ部分は、Rの光及びGの光を吸収する顔料を含むが、Bの光を吸収するYの顔料は含まれておらず、これらのRの光及びGの光を吸収する顔料は殆ど破壊されていないことが分かる。
【0060】
これは、Bの光の方がRやGよりも周波数が高くエネルギが高いことによると考察される。即ち、Bの光がRGBの中では、顔料を破壊する能力が最も高い。そこで、本実施の形態では、着色フィルタ層120に入射される前に、干渉フィルタ層110により、このような最も顔料を破壊する能力が高いBの光が透過されないようにする。この結果、本実施の形態では、光による顔料の破壊は、Bについて低減される。従って、RGBの着色材料の間で寿命が平均化され、顔料全体の寿命は効率的に延ばされる。
【0061】
ここで特に、特定の一色たるBについてのみ反射する干渉フィルタ層110を形成する製造工程においては、例えば、単純に一種類のダイクロイックミラーとなる多数の干渉層を対向基板2の全面に堆積してから、Bに割り当てられた画素に対応する位置だけ除去するように、ドライエッチングによりパターンニングすればよい。このため、リフトオフ方法等によりRGB(3色)について色別の所定パターンで干渉フィルタ層を形成する場合と比べて、遥かに容易に製造できる。特に画素ピッチを微細化する程に、本実施の形態は有利となる。
【0062】
尚、着色フィルタ層120を、公知の染色法、印刷法、電着法等により製造してもよい。この場合にも、顔料や染料等の様々な着色材料の褪色や変色を、干渉フィルタ層110により効果的に防ぐことが出来る。
【0063】
以上のように、本実施の形態によれば、光により破壊されやすい着色材料を干渉フィルタにより保護しつつ、且つ光により破壊されにくい着色材料については干渉フィルタにより保護しない構成をとることにより、製造が困難な干渉フィルタの種類を一種類とすると共に形成する箇所も一部に止めることにより、着色フィルタ層120の保護と製造工程の容易さと適切にバランスさせており、現在のカラーフィルタ製造技術水準に鑑みれば実用上極めて有利である。
【0064】
このように形成されるカラーフィルタ100の対向基板2上の面的な配列パターンを図3に示す。尚、図3において、斜線領域は、遮光層130が形成された領域を示している。画素の境界に沿ってRGBの各着色フィルタ層部分の形成領域は、図1に示したように相互に接してもよいし、或いは、僅かな隙間があってもよい。また、破線で、着色フィルタ層の下に形成される干渉フィルタ層の形成領域が示されている。
【0065】
図3において、高い精細度が要求される情報機器用の場合には、ストライプ配列(図3(a)参照)が好適に用いられる。この場合、図1に示したR及びG用の着色フィルタ層部分120R及び120Gの一例としてのストライプ状のR及びG用の着色フィルタ層部分120Ra及び120Gaの下には、Yの干渉フィルタ層部分110Yaが設けられる。他方、B用の着色フィルタ層部分120Bの一例としてのストライプ状のB用の着色フィルタ層部分120Baの下には、Yの干渉フィルタ層部分110Yaが設けられていない。
【0066】
また、図3において、精細度が余り要求されない動画像のカラー表示に本発明のカラーフィルタを用いる場合には、モザイク(ダイアゴナル)配列(図3(b)参照)やデルタ(トライアングル)配列(図3(c)参照)が好適に用いられる。
【0067】
図3(b)に示すモザイク配列の場合、図1に示したR及びG用の着色フィルタ層部分120R及び120Gの他の例としてのモザイク状のR及びG用の着色フィルタ層部分120Rb及び120Gbの下には、Yの干渉フィルタ層部分110Ybが設けられり、B用の着色フィルタ層部分120Bの一例としてのモザイク状のB用の着色フィルタ層部分120Bbの下には、Yの干渉フィルタ層部分110Ybが設けられていない。
【0068】
図3(c)に示すデルタ配列の場合、図1に示したR及びG用の着色フィルタ層部分120R及び120Gの他の例としてのデルタ状のR及びG用の着色フィルタ層部分120Rc及び120Gcの下には、Yの干渉フィルタ層部分110Ycが設けられており、B用の着色フィルタ層部分120Bの一例としてのデルタ状のB用の着色フィルタ層部分120Bcの下には、Yの干渉フィルタ層部分110Ycが設けられていない。
【0069】
次に、以上のように構成されたカラーフィルタ100を液晶パネルの対向基板(光入射側の基板)に用いた場合における作用について説明する。
【0070】
カラーフィルタ100が設けられた対向基板2の側から液晶パネルに光が入射すると、干渉フィルタ層110により、R又はGに割り当てられた画素部に対応する位置では、干渉フィルタ層110のYの部分によりBの光は反射されると共に、R及びGの光は透過される。そして、干渉フィルタ層110を透過する光は、着色フィルタ層120に入射される。この時、着色フィルタ層120は、Gに割り当てられた画素部分に対応する位置においては、干渉フィルタ層110を透過したR及びGの光が入射されると、Rの光を吸収すると共にGの光を透過し、Rに割り当てられた画素部分に対応する位置においては、干渉フィルタ層110を透過したR及びGの光が入射されると、Gの光を吸収すると共にRの光を透過する。他方、Bに割り当てられた画素部分に対応する位置においては、干渉フィルタ層110を透過したR、G及びBの光が入射されると、R及びGの光を吸収すると共にBの光を透過する。
【0071】
ここで、前述のように、特にプロジェクタのライトバルブ用の液晶パネルなどの場合に強い光源光を用いると、着色材料は光により或いは光に起因した熱により破壊される傾向が著しいが、着色フィルタ層120に入射される前に、干渉フィルタ層110によりBの光は透過されないので、このような光による着色材料の破壊が低減されるのである。
【0072】
(第2の実施の形態)
図4に、本発明の第2の実施の形態におけるカラーフィルタを示す。本実施の形態の説明については、液晶パネル用のカラーフィルタを前提として行う。尚、図4は、液晶パネルを構成する一対の基板のうちカラーフィルタが形成される側の対向基板と共に該カラーフィルタを断面図で模式的に示したものである。図4においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、図4において、図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0073】
図4において、カラーフィルタ200は、対向基板2の上に積層された干渉フィルタ層210と着色フィルタ層220とを備えている。
【0074】
干渉フィルタ層210は、RGBに夫々割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、RGBの光を選択的に夫々透過するように設けられている。
【0075】
着色フィルタ層220は、RGBに夫々割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、RGBの光を選択的に夫々透過するように設けられている。そして、遮光層230が、干渉フィルタ層210と着色フィルタ層220との間において、各画素の境界に設けられている。
【0076】
即ち、本実施の形態では、冗長的に両方のフィルタ層210及び220が備えられている。このため、干渉フィルタ層210は、粗く色を分離する程度のものであっても、着色フィルタ層220によりカラーフィルタ200として十分な分光特性を得ることが出来る。しかも、着色フィルタ層220の耐光性や耐熱性は、当該干渉フィルタ層210により補われる。従って、製造が比較的困難な干渉フィルタ層210を構成する干渉層の数を第1の実施の形態の場合と比較して少なくすることも可能である。
【0077】
また、干渉フィルタ層210は、光が斜めに入射すると、光路に対する層厚が厚くなる結果、波長特性が変化して液晶パネルを通過した光の色は視覚上では色が薄くなる傾向がある。これに対して、着色フィルタ層220は、光が斜めに入射すると、光路に対する層厚が厚くなる結果、より多くの着色材料に吸収されることになり、視覚上では色が濃くなる傾向がある。これらの結果、本実施の形態の如く、干渉フィルタ層210と着色フィルタ層220とをRGBの全てについて冗長的に重ねる構成を採ると、干渉フィルタ層210の視角に対する光反射(透過)特性の狂いと着色フィルタ層220の視角に対する光吸収(透過)特性の狂いとが少なくとも部分的に相殺される。この結果、本実施の形態のカラーフィルタ200を使用すれば、視角特性が良くなる。即ち、直視型の液晶装置に当該液晶パネルを使用した場合に斜めから見たり、斜めの照明光を液晶パネルに入射させた場合にも、正面から見たり入射させたりした場合と比較して色の変化が少なくて済む。
【0078】
尚、本実施の形態では、遮光層230は、干渉フィルタ層210上に形成されているが、第1の実施の形態のように、遮光層を対向基板2上に先ず形成してもよいし、着色フィルタ層220上やオーバーコート膜140上に形成してもよい。
【0079】
また、カラーフィルタ200の面的な配列パターンについては、第1の実施の形態の場合と同様に、図3に示したような各種のパターンを採ることができる。
【0080】
(第3の実施の形態)
図5及び図6に、本発明の第3の実施の形態におけるカラーフィルタを示す。
本実施の形態の説明については、液晶パネル用のカラーフィルタを前提として行う。尚、図5は、液晶パネルを構成する一対の基板のうちカラーフィルタが形成される側の対向基板と共に該カラーフィルタを断面図で模式的に示したものであり、図6は、そのフィルタ層の面的な重なりを示した図式的な平面図であり、図5は、図6のA−A’断面に対応している。図5においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、図5において、図1と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0081】
図5において、カラーフィルタ300は、対向基板2の上に積層された干渉フィルタ層310と着色フィルタ層320とを備えている。
【0082】
図5の断面図及び図6の平面図に示すように、干渉フィルタ層310は、対向基板2の面に平行なX方向に沿って、(G)、(B)、(R)で示した画素部のピッチの2倍のピッチで、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)別に配列されている。他方、着色フィルタ層320は、X方向に沿って画素部のピッチの2倍のピッチで且つ干渉フィルタ層310のピッチとは画素部のピッチだけ(即ち、干渉フィルタ層310及び着色フィルタ層320のピッチの半分のピッチだけ)シフトして、Y、M及びC別に配列されている。そして、干渉フィルタ層310及び着色フィルタ層320は、相重なる部分を透過する光が複数の画素部に割り当てられたRGBに夫々対応するように色別に配列されている。より具体的には、Yの干渉フィルタ層部分310YとMの着色フィルタ層部分320Mとが重なった部分がR(赤色)の画素部に対応し、Mの干渉フィルタ層部分310MとCの着色フィルタ層部分320Cとが重なった部分がB(青色)の画素部に対応し、Cの干渉フィルタ層部分310CとYの着色フィルタ層部分320Yとが重なった部分がG(緑色)の画素部に対応する。そして、遮光層330が、干渉フィルタ層310と着色フィルタ層320との間において、各画素の境界に設けられている。
【0083】
以上のように、干渉フィルタ層310及び着色フィルタ層320は、相重なる部分が複数の画素部に割り当てられたRGBに夫々対応するように配列されているので、カラーフィルタ300のX方向の色別のピッチは、干渉フィルタ層310及び着色フィルタ層320のX方向のピッチの1/2のピッチとされる。即ち、特に微細化が困難である干渉フィルタ層310のピッチ(及び着色フィルタ層320のピッチ)を狭めることなく、当該カラーフィルタ300のピッチを狭めることが可能となる。従って、上述した第1及び第2の実施の形態と比較して、本実施の形態は、画素ピッチの微細化を図るためには製造上、大変有利である。
【0084】
尚、本実施の形態では、遮光層330は、干渉フィルタ層310上に形成されているが、第1の実施の形態のように、遮光層を対向基板2上に先ず形成してもよいし、着色フィルタ層320上やオーバーコート膜140上に形成してもよい。
【0085】
また、カラーフィルタ300の面的な配列パターンについては、図6では、X方向に相重なる部分を設けたが、Y方向に展開してもよい。そうすることにより、第1の実施の形態の場合と同様に、図3に示したような各種のパターンを採ることができる。
【0086】
(第4の実施の形態)
図7に、本発明の第4の実施の形態における液晶パネルを、画素部における断面図で示す。また、図8及び図9に、本実施の形態における液晶パネルの全体構成を平面図及び断面図で夫々示す。尚、図7においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0087】
図7において、液晶パネル10は、以上説明した第1から第3の実施の形態のカラーフィルタ100、200又は300のいずれかに等しいカラーフィルタ400を備えて構成されている。
【0088】
液晶パネル10は更に、TFTアレイ基板1と、カラーフィルタ400が形成された対向基板2と、これらの基板間に挟持された液晶50と、TFTアレイ基板1にX方向に配列された複数の信号線(ソース電極線)35と、TFTアレイ基板1にY方向に配列された複数の走査線(ゲート電極線)31とを備えている。
【0089】
TFTアレイ基板1上には、液晶50に対面する側にマトリクス状に設けられており、信号線35及び走査線31により夫々マトリクス駆動されると共に所定種類の複数色のうちいずれか一色に夫々割り当てられた複数の画素部を構成するTFT30、ITO(Indium Tin Oxide)膜等からなる画素電極11及び蓄積容量70が設けられている。更に、TFT30及び蓄積容量70の上には、2つの層間絶縁層42及び43が設けられており、TFT30、蓄積容量70を構成する各層や信号線35及び走査線31を構成する各層の層間絶縁がなされている。
【0090】
TFT30は、低抵抗のポリシリコン等からなる走査線(ゲート電極線)31にゲート酸化膜33を介して対向する位置にチャネルが形成されると共に、信号線35とコンタクトホール37を介して接続されたソース領域34及び画素電極11とコンタクトホール38を介して接続されたドレイン領域36とを含むポリシリコン等の半導体層32を備えている。このようなTFT30としては、LDD(Lightly Drain Doped)構造、セルフアライン構造、オフセット構造等の各種の構造を有するものでよい。
【0091】
また、蓄積容量70は、半導体層32’と低抵抗のポリシリコン等からなる容量線31’とが、絶縁膜33’を介して対向配置される構成を有する。
【0092】
他方、対向基板2上には、画素境界に形成された遮光層を含んで構成されるカラーフィルタ400が形成されており、その液晶50に面する側には、対向基板2の全面に渡ってITO膜等から共通電極21が形成されている。
【0093】
また、画素電極11上及び共通電極21上には、液晶50を所定の配向状態とするための、ラビング処理が施された配向膜12及び22が夫々形成されている。
【0094】
以上のように構成された液晶パネル10を含む液晶装置の全体構成を図8及び図9を参照して説明する。尚、図8は、TFTアレイ基板1をその上に形成された各構成要素と共に対向基板2の側から見た平面図であり、図9は、対向基板2を含めて示す図8のH−H’断面図である。
【0095】
図8において、TFTアレイ基板1の上には、シール剤52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して対向基板2の周辺見切り53が規定されている。シール剤52の外側の領域には、信号線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板1の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更にTFTアレイ基板1の残る一辺には、複数の配線105が設けられている。また、シール剤52の四隅には、TFTアレイ基板1と対向基板2との間で電気的導通をとるための導通剤からなる銀点106が設けられている。そして、図9に示すように、図8に示したシール剤52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2が当該シール剤52によりTFTアレイ基板1に固着されている。本実施の形態では特に、カラーフィルタ400が対向基板2に形成されている。
【0096】
信号線駆動回路101及び走査線駆動回路104は、配線により図7に示した信号線(ソース電極線)35及び走査線31(ゲート電極線)に夫々電気的接続されている。信号線駆動回路101には、図示しない制御回路から即時表示可能な形式に変換された画像信号が入力され、走査線駆動回路104がパルス的に走査線31に順番にゲート電圧を送るのに合わせて、画像信号に応じた信号電圧を信号線35に送る。本実施の形態では特に、画素部におけるTFT30の形成時に同一工程で、信号線駆動回路101及び走査線駆動回路104を構成するTFTを形成することも可能であり、製造上有利である。
【0097】
尚、信号線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板1の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
【0098】
以上のように構成されているため、本実施の形態によれば、着色フィルタ層の褪色が低減されており長寿命とされたカラーフィルタ400により、液晶パネルや液晶装置として高品位のカラー画像を長期に亘り表示できる。更に、製造が容易なカラーフィルタ400により装置全体としても製造が容易とされると共に低コスト化が図られる。
【0099】
尚、本実施の形態では、液晶パネル10は、TFTを用いたアクティブマトリクス駆動型の液晶パネルとして構成されているが、MIM(Metal Insulator Metal)素子等の他の素子を用いたアクティブマトリクス駆動型の液晶パネルとして構成してもよい。この場合、データ線及び走査線のうち一方の線を対向基板に配置して対向電極として機能させ、他方の基板に設けられた他方の線と画素電極との間にMIM素子等を夫々配置して液晶駆動する。このように構成しても、前述した第1から第3の実施の形態によるカラーフィルタを用いて構成すれば、同様の効果が得られる。更に、パッシブマトリクス駆動型の液晶パネルとして構成してもよい。この場合、データ線及び走査線のうち一方の線を対向基板に配置し、他方の基板に設けられた他方の線との間で液晶駆動する。このように構成しても、前述した第1から第3の実施の形態によるカラーフィルタを用いて構成すれば、同様の効果が得られる。
【0100】
図7から図9には示されていないが、液晶パネル10においては、対向基板2の光が入射する側及びTFTアレイ基板1の光が出射する側には夫々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モード、 STN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−STN)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0101】
以上の実施の形態において、対向基板2上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、光源から画素への光の集光効率を向上することで、明るい液晶パネルが実現できる。
【0102】
また、以上の実施の形態において、特開平9−127497号公報、特公平3−52611号公報、特開平3−125123号公報、特開平8−171101号公報等に開示されているように、TFTアレイ基板1上においてTFT30に対向する位置(即ち、TFT30の下側)にも、例えば高融点金属からなる遮光層を設けてもよい。このようにTFT30の下側にも遮光層を設ければ、TFTアレイ基板1の側からの戻り光等がTFT30に入射するのを未然に防ぐことができる。従って、当該液晶パネルを液晶プロジェクタ用のライトバルブとして好適に用いることが出来る。
【0103】
(第5の実施の形態)
以下、本発明の第5の実施の形態として、第4の実施の形態の液晶装置を備えた電子機器について図10から図14を参照して説明する。
【0104】
先ず図10に、本実施の形態における液晶装置を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0105】
図10において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶パネル10、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、テレビ信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶パネル10を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶パネル10を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0106】
次に図11から図14に、このように構成された電子機器の具体例を夫々示す。
【0107】
図11において、電子機器の一例たる液晶プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶パネル10を含む液晶モジュール1110を1個用いた所謂単板型のプロジェクタとして構成されている。液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から光が発せられると、液晶ライトバルブ1110の液晶パネル10に入射される。この際特に少なくともBの光は、液晶パネル10に備えられたカラーフィルタの干渉フィルタ層(図1、図4及び図5参照)により、反射される。この反射光は、反射手段の一例を構成するランプユニット1102のレフレクタ(凹状の反射ミラー)1102aにより、再度反射され、照明光の一部として液晶パネル10に再度入射される。従って、液晶パネル10の干渉フィルタ層及びリフレクタ1102aによる反射により、光の利用効率が向上される。
【0108】
例えば、第3の実施の形態におけるカラーフィルタ300が液晶パネル10に用いられている場合には、干渉フィルタ層210により反射された光は再利用されるので、YMCの各色の干渉フィルタ層部分210Y、210M及び210Cに約1/3ずつ照明光が入射され、干渉フィルタ層110が夫々約1/3の光を反射すると仮定すれば、光の利用効率は、1/3+{1/3}2+{1/3}3+…+{1/3}n+…であり(但し、第N項は、干渉フィルタ層210及びリフレクタ1102aに夫々(n−1)回反射された後に、干渉フィルタ層210を透過して着色フィルタ層320に入射される光による寄与分)、着色フィルタ層単独でカラーフィルタを構成した場合の光の利用効率である約1/3と比べて約30%以上も利用効率が高められている。また、第2の実施の形態におけるカラーフィルタ200が液晶パネル10に用いられている場合には、各色の光は夫々干渉フィルタ層210を透過するまで、干渉フィルタ層210とリフレクタ1102aとの間で反射が繰り返されるため、光の利用効率が非常に高いことは言うまでもない。更に、第1実施の形態におけるカラーフィルタ100が液晶パネル10に用いられている場合には、Yの干渉フィルタ層部分110Yにより反射されたBの光は再利用されるので、光の利用効率は特にBについて高められる。
【0109】
そして、カラーフィルタ及び液晶を介して、ライトバルブ1110から出射される光は、投射光学系の一例を構成する投射レンズ1104を介して、スクリーン1120等にカラー画像投射される。
【0110】
図12において、電子機器の他の例たる、ラップトップ型のパーソナルコンピュータのディスプレイ、モニタ等に用いられる直視型の液晶表示装置1200は、遮光性のカバーケース1202内に、上述した液晶パネル10を含む液晶装置1110が、蛍光管1204、反射板1206及び光拡散フィルム1208と共に備えられている。蛍光管1204及び反射板1206からの光は、光拡散フィルム1208の光散乱作用により均一な光とされ、液晶パネル10に入射されるように構成されている。この場合、図示されていないが、液晶パネル10の両側の面には、一対の偏光板が配置され、液晶パネル10の視認側には、視野角を広げるための光散乱フィルムが配置されている。従って、蛍光管1204から光拡散フィルム1208を介して液晶パネル10に入射される照明光は、液晶パネル10に備えられたカラーフィルタで一旦反射されても、反射板1206や光散乱フィルム等で再反射され再利用されるので、光源光の利用効率は高まる。
【0111】
尚、この例では、外光の反射を低減する観点及び光源光の有効利用の観点から、カラーフィルタを液晶パネル10の光源側に設けること、即ち液晶パネル10の対向基板が光源側に位置するように液晶パネル10を取り付けることが好ましい。尚、この場合には、TFTアレイ基板上においてTFTの下側に遮光層を設けることにより、TFTへの外光の入射を防ぐ構成を採用することが好ましく、この構成により、外光によるTFTの光リークを防止できる。また、液晶表示装置1200を、液晶パネル10の背面に導光板を配置し且つ該導光板の側面に蛍光管を配置することにより、所謂サイドライト方式の液晶表示装置として構成してもよい。この場合にも、光散乱フィルム、導光板の背面に配置される反射フィルム、蛍光管の周囲に配置される反射フィルム等により、光が再反射されるので、光源光の利用効率が高まる。
【0112】
図13において、電子機器の他の例たるビューファインダやヘッドマウントディスプレイの表示部1400は、遮光性のフレーム1402内に、上述した液晶パネル10を含む液晶装置1110が、平板型蛍光管1404と共に収容されており、対眼レンズ1406が液晶パネル10の前面に開けられた開口部に取り付けられている。従って、平板型蛍光管1404から液晶パネル10に入射される照明光は、液晶パネル10に備えられたカラーフィルタを透過し、更に対眼レンズ1406を介してユーザの目1408に入射して結像する。そして、照明光は、液晶パネル10に備えられたカラーフィルタで一旦反射されても、平板型蛍光管1404で再反射され再利用されるので、光源光の利用効率は高まる。この用途の場合、外光が液晶パネル10に入らないので、外光の入射や反射を考慮する必要が無い。このため、TFTの下側に光リーク防止用の遮光層を設ける必要なく、カラーフィルタを液晶パネル10の光源側に配置できるので有利である。
【0113】
また図14に示すように、駆動回路1004や表示情報処理回路1002を搭載しない液晶パネル10の場合には、駆動回路1004や表示情報処理回路1002を含むIC1324がポリイミドテープ1322上に実装されたTCP(Tape Carrier Package)1320に、TFTアレイ基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して物理的且つ電気的に接続して、液晶装置として、生産、販売、使用等することも可能である。
【0114】
以上図11から図14を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが図10に示した電子機器の例として挙げられる。
【0115】
尚、以上説明した各実施の形態では液晶パネル用のカラーフィルタを前提としているが、本発明のカラーフィルタはこれに限られるものではなく、透過光や反射光により画素表示を行う表示装置であれば、本発明のカラーフィルタを適用可能である。
【0116】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルタによれば、耐光性や耐熱性に劣る着色フィルタ層への照明光等の入射光を、干渉フィルタ層により抑制するので、光等による着色フィルタ層の褪色や変色を低減して当該着色フィルタ層の寿命を延ばすことが出来、従って、カラーフィルタ全体としても高品質を保ちつつ、その寿命を延ばすことが出来る。同時に、製造がより困難な干渉フィルタ層の製造における負担を、当該干渉フィルタ層と着色フィルタ層とを種々の形態で重ねてカラーフィルタとすることにより効率良く軽減出来、従って比較的容易にカラーフィルタを製造できると共に製造コストを下げることも可能となる。また、干渉フィルタ層と着色フィルタ層を組み合わせることにより、光が斜めに入出射した際の色変化を抑制でき、視角特性が向上される。更に、干渉フィルタ層と着色フィルタ層の組み合わせ方に応じて、光の利用効率を高めることも可能となる。
【0117】
更にまた、本発明の液晶パネル及び電子機器は、本発明のカラーフィルタを備えているので、高品位のカラー画像を長期に亘って表示でき、低コスト化を図ることも可能であり、光の利用効率を高めることによりカラー画像を明るく表示出来ると共に省エネ化にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態におけるカラーフィルタの部分断面図である。
【図2】 着色フィルタ層に含まれるRGB別の着色材料の破壊に起因するカラーフィルタの褪色の様子を示す色度図である。
【図3】 図1のカラーフィルタの対向基板の上における面的な配列パターンを示す部分平面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態におけるカラーフィルタの部分断面図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態におけるカラーフィルタの部分断面図である。
【図6】 図5のカラーフィルタの対向基板の上における面的な配列パターンを示す部分平面図である。
【図7】 本発明の第4の実施の形態における液晶装置の備えた液晶パネルの部分断面図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態における液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図9】 本発明の第4の実施の形態における液晶装置の全体構成を示す断面図である。
【図10】 本発明の第5の実施の形態における電子機器の概略構成を示すブロック図である。
【図11】 電子機器の一例としての液晶プロジェクタを示す断面図である。
【図12】 電子機器の他の例としての直視型の液晶表示装置を示す断面図である。
【図13】 電子機器の一例としてのビューファインダやヘッドマウントディスプレイの表示部を示す断面図である。
【図14】 電子機器の一例としてのTCPを用いた液晶装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…TFTアレイ基板
2…対向基板
10…液晶パネル
11…画素電極
12…配向膜
21…共通電極
22…配向膜
30…TFT
70…蓄積容量
100、200、300…カラーフィルタ
110、210、310…干渉フィルタ層
120、220、320…着色フィルタ層
130、230、330…遮光層
140…オーバーコート膜
101…信号線駆動回路
102…外部入力端子(実装端子)
104…走査線駆動回路
1100…液晶プロジェクタ
1200…液晶表示装置
1204…蛍光管
1206…反射板
1208…光拡散フィルム
1400…ビューファインダやヘッドマウントディスプレイの表示部
1402…遮光性のフレーム
1404…平板型蛍光管
Claims (14)
- 基板上に形成されたカラーフィルタであって、
該基板上に複数層が積層されてなり、前記基板を介して入射する光を色別に選択的に反射及び透過し、複数色のうち予め設定された一の色とは異なる他の色に割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、該一の色の光を夫々選択的に反射するように設けられた干渉フィルタ層と、
該干渉フィルタ層上において前記干渉フィルタ層に重ねられており、光を色別に選択的に吸収及び透過する着色材料を含み、前記複数色に夫々割り当てられた前記複数の画素部に夫々対応する位置に、前記複数色の光を夫々選択的に透過するように設けられた着色フィルタ層と、
を備えたことを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記複数色のうち前記着色材料を破壊する能力が最も高い光の色が前記一の色として設定されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 基板上に形成されたカラーフィルタであって、
該基板上に複数層が積層されてなり、前記基板を介して入射する光を色別に選択的に反射及び透過し、複数色に夫々割り当てられた複数の画素部に夫々対応する位置に、該複数色の光を選択的に夫々透過するように設けられた干渉フィルタ層と、
該干渉フィルタ層上において前記干渉フィルタ層に重ねられており、光を色別に選択的に吸収及び透過する着色材料を含み、前記複数色に夫々割り当てられた前記複数の画素部に夫々対応する位置に、前記複数色の光を選択的に夫々透過するように設けられた着色フィルタ層と、
を備えたことを特徴とするカラーフィルタ。 - 基板上に形成されたカラーフィルタであって、
該基板上に複数層が積層されてなり、前記基板を介して入射する光を色別に選択的に反射及び透過する干渉フィルタ層と、
該干渉フィルタ層上において前記干渉フィルタ層に重ねられており、光を色別に選択的に吸収及び透過する着色材料を含む着色フィルタ層と
を備え、
前記干渉フィルタ層は、前記基板の面に平行な所定方向に沿って画素部のピッチの2倍のピッチで色別に配列されており、
前記着色フィルタ層は、前記所定方向に沿って前記画素部のピッチの2倍のピッチで且つ前記干渉フィルタ層のピッチとは前記画素部のピッチだけシフトして色別に配列されており、
前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層は、相重なる部分を透過する光が前記複数の画素部に割り当てられた色に夫々対応するように色別に配列されていることを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)別に夫々配列されており、
前記干渉フィルタ層のYの部分と前記着色フィルタ層のMの部分とが重なった部分がR(赤色)の画素部に対応し、前記干渉フィルタ層のMの部分と前記着色フィルタ層のCの部分とが重なった部分がB(青色)の画素部に対応し、前記干渉フィルタ層のCの部分と前記着色フィルタ層のYの部分とが重なった部分がG(緑色)の画素部に対応することを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタ。 - 相隣接する複数の画素部の境界に夫々対応する位置に形成された遮光層を更に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載のカラーフィルタを備えた前記基板と他方の基板とを液晶を挟持して対向させて構成されることを特徴とする液晶パネル。
- 請求項7に記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶装置。
- 請求項8に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
- 前記液晶パネルを構成する一対の前記基板うち前記カラーフィルタが設けられた一方の基板の側から光を入射させる光源手段と、
前記干渉フィルタ層により反射されて前記一方の基板側から出射される光を再度反射して前記一方の基板の側から光の一部として再度入射させる反射手段と
を備えたことを特徴とする請求項9に記載の電子機器。 - 液晶を一対の基板で挟持し、一方の基板側にカラーフィルタを設けた液晶パネルであって、
前記カラーフィルタは、前記液晶側より着色フィルタ層と干渉フィルタ層を重ねて形成され、前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層を透過した光が選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分が透過するよう所定のパターンを有し、
前記干渉フィルタ層は、前記干渉フィルタ層及び前記着色フィルタ層を透過した光が選択的にRの光成分とGの光成分が透過される領域はBの光成分を反射するパターンを有することを特徴とする液晶パネル。 - 前記着色フィルタ層は、選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分を透過するパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記着色フィルタ層の選択的にRの光成分とGの光成分を透過する領域にBの光成分を反射するパターンを有することを特徴とする請求項11に記載の液晶パネル。
- 前記着色フィルタ層は、選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分を透過するパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記着色フィルタ層のパターンに冗長して選択的にRの光成分とGの光成分とBの光成分を透過するパターンを有することを特徴とする請求項11に記載の液晶パネル。
- 前記着色フィルタ層は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の光成分を透過するパターンを有し、前記干渉フィルタ層は、前記着色フィルタ層のパターンに対して所定ピッチずらしたY(イエロー)、M(マゼンタ)及びC(シアン)の光成分を透過するパターンを有することを特徴とする請求項11に記載の液晶パネル。
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