JP2002229009A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

液晶表示装置および電子機器

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JP2002229009A
JP2002229009A JP2001029744A JP2001029744A JP2002229009A JP 2002229009 A JP2002229009 A JP 2002229009A JP 2001029744 A JP2001029744 A JP 2001029744A JP 2001029744 A JP2001029744 A JP 2001029744A JP 2002229009 A JP2002229009 A JP 2002229009A
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Shoji Hiuga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射モード時の明るさと透過モード時のカラ
ーの各色の鮮やかさを兼ね備えた半透過反射型カラー液
晶表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の液晶表示装置は、下基板2上に
APC膜18とITO膜19との積層構造を有するセグ
メント電極10が設けられるとともに、上基板3上には
R、G、Bの各色素層が配列されたカラーフィルター1
3とITO膜からなるコモン電極11とが設けられてい
る。前記セグメント電極10はITOパターンのみが部
分的に存在する光透過用の窓部12を各画素内に有して
おり、上基板3のカラーフィルター13の隣接するセグ
メント電極10間に対応する領域にはブラックストライ
プ25が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置およ
び電子機器に関し、特に半透過反射型カラー液晶表示装
置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置はバックライト等の
光源を持たないために消費電力が小さく、従来から種々
の携帯電子機器や装置の付属的な表示部等に多用されて
いる。ところが、自然光や照明光などの外光を利用して
表示するため、暗い場所では表示を視認することが難し
いという問題があった。そこで、明るい場所では通常の
反射型液晶表示装置と同様に外光を利用するが、暗い場
所では内部の光源により表示を視認可能にした形態の液
晶表示装置が提案されている。つまり、この液晶表示装
置は反射型と透過型を兼ね備えた表示方式を採用してお
り、周囲の明るさに応じて反射モード、透過モードのい
ずれかの表示方式に切り替えることにより消費電力を低
減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示が行えるように
したものである。以下、本明細書ではこの種の液晶表示
装置のことを「半透過反射型液晶表示装置」という。
【0003】半透過反射型液晶表示装置の形態として
は、半透過反射膜、いわゆるハーフミラーを備えたもの
が知られている。半透過反射膜は通常、反射膜として用
いられるアルミニウム等の金属膜の膜厚を最適化するこ
とによって光をある程度透過すると同時にある程度反射
するようにしたものである。しかしながら、半透過反射
膜を形成するにはマスクスパッタ等の成膜技術が必要で
あり、工程が複雑化することに加えて、膜厚ばらつきが
大きいために透過率、反射率のばらつきが大きくなる、
といった欠点がある。
【0004】そこで、上記半透過反射膜の欠点を克服す
るために、光透過用のスリットを形成した反射膜を備え
た液晶表示装置が提案された。図10はパッシブマトリ
クス方式の半透過反射型カラー液晶表示装置の一例を示
している。この液晶表示装置100では、一対の透明基
板101,102間に液晶103が挟持されており、下
基板101上に反射膜104、赤(R)、緑(G)、青
(B)の異なる色の色素層105r,105g,105
bからなるカラーフィルター105、オーバーコート膜
106、シリコン酸化膜107が積層され、その上にイ
ンジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと
略記する)等の透明導電膜からなるストライプ状のセグ
メント電極108が形成されている。一方、上基板10
2上にはITO等の透明導電膜からなるコモン電極10
9がセグメント電極108と直交する方向にストライプ
状に形成されている。反射膜104はアルミニウムなど
の反射率の高い金属膜で形成されており、各画素毎に光
透過用のスリット110が形成されている。また、上下
基板の外側には偏光板(図示略)が配置され、バックラ
イト(図示略)が下基板101の下面側に配置されてい
る。
【0005】上記構成の液晶表示装置100を明るい場
所で反射モードで使用する際には上基板102の上方か
ら入射した外光が液晶103を透過して反射膜104の
表面で反射した後、再度液晶103を透過し、上基板1
02側に出射される。暗い場所で透過モードで使用する
際には下基板101の下方に設置したバックライトから
出射される光がスリット110の部分で反射膜104を
透過し、その後、液晶103を透過して上基板102側
に出射される。これらの光が各モードでの表示に寄与す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半透過反射
型液晶装置における反射膜には、アルミニウムなどの金
属膜が従来から用いられてきたが、より明るい画面が求
められており、近年、アルミニウムよりも反射率が高い
銀・パラジウム・銅合金(Ag−Pd−Cu、以下、本
明細書ではAPCと略記する)も用いられるようになっ
ている。ところが、APCは製造プロセス中において耐
水性が弱いという性質を持っており、単独では使いにく
いため、APCの上層または下層にITOを積層した積
層膜として用いている。
【0007】図9はAPCとITOの積層膜からなる反
射電極に光透過用のスリットを設けた半透過反射型カラ
ー液晶表示装置の例を示している。この液晶表示装置9
0の例では、一対の透明基板91,92間に液晶93が
挟持されており、下基板91上に、スリット94を有す
るAPC膜95とITO膜96からなる積層構造のセグ
メント電極97がストライプ状に形成され、その上に配
向膜98が形成されている。一方、上基板92には、
R、G、Bの色素層89r,89g,89bからなるカ
ラーフィルター89、オーバーコート膜88、ITO膜
からなるストライプ状のコモン電極87、配向膜86が
順次形成されている。また、上下基板の外側には偏光板
(図示略)が配置され、バックライト(図示略)が下基
板91の下面側に配置されている。この構成では、下基
板91上のAPC膜95とITO膜96の積層膜が半透
過反射層として機能すると同時に液晶駆動用の電極とし
ても機能するので、下基板91上にカラーフィルターを
形成することができず、カラーフィルター89は上基板
92の上に形成されている。
【0008】また、APCは反射率が高いばかりでな
く、ITO等と比べて比抵抗が低いという特性も持って
いるため、電極・配線材料としても適している。特にI
TOと比べた場合、ITOの比抵抗が2×10-4Ω・m
であるのに対し、APCの比抵抗は3.9×10-6Ω・
mであり、1/50程度の値しかない。つまり、膜厚が
同じとすると同じ抵抗値を得るのにAPC配線はITO
配線の1/50の配線幅で済む。そのため、電極−駆動
用半導体素子間の引き回し配線にAPCを用いる図9の
液晶表示装置では、引き回し配線にITOを用いる図1
0の液晶表示装置に比べて引き回し配線の微細化が図
れ、有効表示領域周辺の非表示領域(本明細書では以
下、額縁領域とも言う)の面積を小さくする(狭額縁化
する)ことができる。特に、狭額縁の液晶表示装置は、
筐体内の限られた空間に収容することができ、かつ占有
面積に対して表示し得る情報量が多くなることから、携
帯電話等の携帯用小型電子機器に好適なものとなる。
【0009】しかしながら、図9に示した従来の液晶表
示装置には以下のような問題点があった。この液晶表示
装置ではAPC膜95とITO膜96の積層膜を半透過
反射層として用いると同時にストライプ状のセグメント
電極97として用いるため、隣接する積層膜のパターン
間には必然的に隙間(符号Gで示す領域/上基板92の
異なる色素層の境界、あるいは異なる色素層を跨ぐ下基
板91上に対応した領域)が存在することになる。この
部分は電極が存在しないために液晶分子が駆動されない
領域であり、かつ、APC膜95が存在しないために光
が抜ける領域である。したがって、この領域は透過モー
ドで使用した際にオン、オフにかかわらず常にバックラ
イトからの光が漏れることになるが、ここはカラーフィ
ルターの色素層の境界部分にあたるため、色の混ざり
(混色)が発生してしまう。そのため、この液晶表示装
置は、反射率に優れたAPCを用いたことで反射モード
での表示の明るさが向上する一方、透過モードでの色の
彩度が低下してカラーの各色が鮮やかに視認されないと
いう問題点を抱えていた。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、引き回し配線抵抗が小さいことで
狭額縁化が図れる等の利点を損なうことなく、反射モー
ド時に明るい表示が得られるとともに透過モード時には
カラーの各色を鮮やかに視認し得る半透過反射型カラー
液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の液晶表示装置は、互いに対向配置された
一対の基板間に液晶が挟持された液晶表示装置であっ
て、一対の基板のうち、一方の基板上に銀合金膜と透明
導電膜との積層構造を有する複数の第1の電極が設けら
れるとともに、他方の基板上には異なる色の複数の色素
層が配列されたカラーフィルターと透明導電膜からなる
複数の第2の電極とが設けられ、前記第1の電極は、前
記銀合金膜と前記透明導電膜のうち、少なくとも銀合金
膜が部分的に欠落した領域からなる光透過領域を各画素
内に有し、前記一対の基板の少なくともいずれか一方の
隣接する前記第1の電極の間の領域、もしくは隣接する
前記第2の電極の間の領域に遮光層が設けられたことを
特徴とする。ここで言う「画素」とは、平面的に見て第
1の電極と第2の電極が重なり合った各領域のことであ
る。
【0012】本発明の液晶表示装置の基本構成は、一方
の基板上に、各画素内に光透過領域を有する銀合金膜と
透明導電膜の積層膜からなる第1の電極が設けられ、他
方の基板上には、カラーフィルターと透明導電膜からな
る第2の電極が設けられた半透過反射型カラー液晶表示
装置である。そして、本発明の最大の特徴点は、一対の
基板の少なくともいずれか一方の基板上で、隣接する第
1の電極の間の領域、もしくは隣接する第2の電極の間
の領域に遮光層を設けたことである。すなわち、本発明
の基本構成においては、第1の電極が半透過反射膜を兼
ねているので、[従来の技術]の項で述べたように、こ
れら第1、第2の電極の隣接する電極間の間隙の領域で
は常にバックライトからの光が漏れ、混色の原因とな
る。したがって、この領域に遮光層を設けたことで光漏
れがなくなり、混色が防止されるので、反射率に優れた
銀合金膜の使用で反射モードでの表示の明るさが向上す
るのと同時に、透過モードでの色の彩度が従来より向上
し、カラーの各色を鮮やかに視認することができる。
【0013】前記光透過領域の具体的な形態としては、
例えば各画素内において銀合金膜のパターンを窓状に開
口させたものでもよいし、各画素内において銀合金膜の
パターンの幅よりも透明導電膜のパターンの幅の方を大
きく形成し、銀合金膜が存在しない透明導電膜の縁部を
光透過領域としたものでもよい。さらに、これら2つの
形態を兼ね備えたものでもよい。
【0014】前記遮光層を形成するのは一対の基板のい
ずれでもよいが、特に、他方の基板側、すなわち半透過
反射膜(第1の電極)を持たない、カラーフィルター側
の基板に設けることが望ましい。この構成によれば、遮
光層(ブラックストライプ)を備えた通常のカラーフィ
ルターの形成方法を用いて他方の基板上に容易に遮光膜
を形成することができる。また、半透過反射膜を有する
一方の基板の製造工程がより複雑化して負担が増すこと
がなく、製造プロセス上の負担を2枚の基板で分け合っ
た構成とすることができる。
【0015】この場合、遮光層のパターンの幅に関して
は、光漏れの領域を完全に覆うという観点から少なくと
も隣接する第1の電極間の間隔以上であることが望まし
い。ただし、液晶表示装置の組み立ての際に2枚の基板
の貼り合わせズレが生じることは避けられない。したが
って、他方の基板側に遮光層を設けると、場合によって
は2枚の基板の貼り合わせズレがあったときに遮光層が
半透過反射膜(第1の電極)の上方にかかってしまい、
実効的に反射率を落としてしまう懸念がある。このよう
なことを防ぐために、上述の銀合金膜パターン幅よりも
透明導電膜パターン幅を大きくし、透明導電膜の縁部を
光透過領域とする構成を採用した上で、銀合金膜パター
ンの縁部と遮光層の縁部との間の寸法を、一対の基板の
貼り合わせ時のズレ量よりも大きく設定することが望ま
しい。
【0016】本発明が適用できる液晶表示装置の形態と
しては、パッシブマトリクス方式の液晶表示装置が挙げ
られる。その場合、前記複数の第1の電極がストライプ
状に形成されたセグメント電極となり、前記複数の第2
の電極が第1の電極と交差する方向にストライプ状に形
成されたコモン電極となる。その他、薄膜ダイオード
(Thin Film Diode,以下、TFDと略記する)等をスイ
ッチング素子に用いたアクティブマトリクス方式の液晶
表示装置にも適用が可能である。
【0017】本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表
示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、
反射モードでの明るさと透過モードでの鮮やかな表示色
を兼ね備えた表示部を有する電子機器を実現することが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1〜図3を参照して説明す
る。図1は本実施の形態の液晶表示装置の全体構成を示
す平面図、図2は同、液晶表示装置の表示領域の拡大
図、図3は図2のA−A’線に沿う断面図である。本実
施の形態は、パッシブマトリクス方式の半透過反射型カ
ラー液晶表示装置の例である。なお、以下の全ての図面
においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜
厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0019】本実施の形態の液晶表示装置1は、図1に
示すように、平面視矩形状の下基板2(一方の基板)と
上基板3(他方の基板)とがシール材4を介して対向配
置されている。シール材4の一部は各基板2,3の一辺
(図1における上辺)側で開口して液晶注入口5となっ
ており、双方の基板2,3とシール材4とに囲まれた空
間内に液晶が封入され、液晶注入口5が封止材6によっ
て封止されている。本実施の形態では、上基板3よりも
下基板2の外形寸法の方が大きく、上基板3と下基板2
の1辺(図1における上辺)では縁が揃っているが、上
基板3の残りの3辺(図1における下辺、右辺、左辺)
からは下基板2の周縁部がはみ出すように配置されてい
る。そして、下基板2の下辺側の端部に上基板3、下基
板2双方の電極を駆動するための駆動用半導体素子7が
実装されている。なお、符号8は有効表示領域の周囲を
遮光するための遮光層(周辺見切り)である。
【0020】本実施の形態の場合、図1および図2に示
すように、下基板2上に、図中縦方向に延在する複数の
セグメント電極10(第1の電極)がストライプ状に形
成されている。一方、上基板3上には、セグメント電極
10と直交するように図中横方向に延在する複数のコモ
ン電極11(第2の電極)がストライプ状に形成されて
いる。カラーフィルター13のR、G、Bの各色素層1
3r,13g,13bは各セグメント電極10の方向に
対応して配置(縦ストライプ/R、G、Bのそれぞれが
ストライプ状に縦に同色で形成配置)されており、図2
に示す横方向に並んだR、G、Bの3個の画素で画面上
の1個のドットが構成されている。断面構造の詳細につ
いては後述するが、セグメント電極10はW2の幅で形
成されたAPC膜とこれを覆うW1の幅で形成されたI
TO膜の積層構造を有しており、APC膜が半透過反射
膜として機能するように、本実施の形態ではAPCパタ
ーンが各画素毎に2個ずつの光透過用の窓部12(光透
過領域)を有している。窓部12は、カラーフィルター
13の各色素層13r,13g,13bを複数の画素に
わたって縦方向に見たときに千鳥状に配置されている。
なお、ここで言う「画素」とは、図2に示すように、セ
グメント電極10とコモン電極11とが平面的に見て重
なり合った各領域のことである。
【0021】図1に示すように、複数のコモン電極11
のうち、図1の上側半分のコモン電極11については、
引き回し配線14がコモン電極11の右端からシール材
4に向けて引き出され、シール材4中に混入させた異方
性導電粒子等の上下導通材を介して上基板3から下基板
2上に電気的な接続がなされ、下基板2上の周縁部に引
き回され、駆動用半導体素子7の出力端子に接続されて
いる。同様に、図1の下側半分のコモン電極11はその
左端からシール材4に向けて引き回し配線14が引き出
され、シール材4中に混入させた異方性導電粒子等の上
下導通材を介して下基板2上に電気的な接続がなされ、
下基板2上の周縁部に引き回され、駆動用半導体素子7
の出力端子に接続されている。一方、セグメント電極1
0については、引き回し配線15がセグメント電極10
の下端からシール材4に向けて引き出され、そのまま駆
動用半導体素子7の出力端子に接続されている。本実施
の形態の場合、これら引き回し配線14,15もAPC
膜とITO膜との積層膜で構成されている。また、駆動
用半導体素子7に各種信号を供給するための入力用配線
16が下基板2の下辺から駆動用半導体素子7の入力端
子に向けて設けられている。
【0022】断面構造を見ると、図3に示すように、ガ
ラス、プラスチック等の透明基板からなる下基板2上
に、APC膜18上にITO膜19が積層された2層構
造のセグメント電極10が紙面を貫通する方向にストラ
イプ状に形成されており、その上に例えば表面にラビン
グ処理が施されたポリイミド等からなる配向膜20が形
成されている。本実施の形態の場合、セグメント電極1
0の構成はAPC膜18の上面のみにITO膜19が積
層されただけではなく、ITO膜19がAPC膜の側面
も覆うようにAPCパターンの幅(W2)よりもITO
パターンの幅(W1)の方が大きく設定されている。
【0023】一方、ガラス、プラスチック等の透明基板
からなる上基板3上に、R、G、Bの各色素層13r,
13g,13bからなるカラーフィルター13が形成さ
れ、カラーフィルター13上には各色素層間の段差を平
坦化すると同時に各色素層の表面を保護するためのオー
バーコート膜21が形成されている。このオーバーコー
ト膜21はアクリル、ポリイミド等の樹脂膜でもよい
し、シリコン酸化膜等の無機膜でもよい。さらに、オー
バーコート膜21上にITOの単層膜からなるコモン電
極11が紙面に平行な方向にストライプ状に形成されて
おり、その上に例えば表面にラビング処理が施されたポ
リイミド等からなる配向膜22が形成されている。上基
板3と下基板2との間にはSTN(Super Twisted Nema
tic)液晶等からなる液晶23が挟持されている。ま
た、バックライト(図示略)が下基板2の下面側に配置
されている。
【0024】そして、本発明の特徴であるブラックスト
ライプ25(遮光層)が上基板3上に形成されている。
ブラックストライプ25は例えば樹脂ブラックや比較的
反射率の低いクロム等の金属などからなり、R、G、B
の各色素層13r,13g,13bの間(境界)を区画
するように設けられている。本実施の形態の場合、ブラ
ックストライプ25の幅Wが隣接する画素のITOパタ
ーン19の間隔P1(セグメント電極間の間隔)より大
きく、APCパターン18の間隔P2に一致している。
これを図2で見ると、セグメント電極10の輪郭を示す
外側の線がITOパターン19の縁、その内側の線がA
PCパターン18の縁を示しているが、ブラックストラ
イプ25の輪郭を示す線はAPCパターン18の縁を示
す線に重なっている。つまり、半透過反射型カラー液晶
表示装置の構成として、色素層の境界に設けられたブラ
ックストライプ25の幅Wが、セグメント電極10のI
TOパターン19の間隔P1より広く、APCパターン
18の間隔P2とほぼ同じになるように形成されて配置
されている。
【0025】上記基本構成を有する液晶表示装置におい
ては、セグメント電極を構成するAPCパターンが半透
過反射膜を兼ねているので、従来の構造では隣接するセ
グメント電極間の領域では常にバックライトからの光が
漏れ、混色の原因となっていた。これに対して、本実施
の形態の液晶表示装置1の場合、隣接するセグメント電
極10のAPCパターン18間の間隙を完全に覆うよう
に対向して配置された上基板3上にブラックストライプ
25を設けたことによって光漏れがなくなり、混色を防
止することができる。その結果、反射率に優れたAPC
膜を用いたことで反射モードでの表示の明るさが向上す
るのと同時に、透過モードでの色の彩度が従来より向上
し、カラーの各色を鮮やかに視認し得る液晶表示装置を
実現することができる。
【0026】また本実施の形態は、上基板3上のカラー
フィルター13中にブラックストライプ25を形成する
構成のため、製造プロセス、特に下基板2側の製造プロ
セスを複雑化することなく、容易に混色対策を実施する
ことができる。さらに、APC膜自体、使用時にエレク
トロマイグレーションが起こりやすいという性質を持っ
ている。その点、本実施の形態では、セグメント電極1
0を構成するITOパターン19がAPCパターン18
の側面(断面)も覆っているため、製造工程中の水分の
付着による腐食の問題や膜表面の汚染に起因するエレク
トロマイグレーションの問題を回避することができる。
【0027】装置の全体構成としては、APCを含む引
き回し配線14,15の抵抗が低くなることで配線幅の
微細化が図れ、その結果、狭額縁化を実現することがで
きる。さらに本実施の形態の場合、上下導通材を用いて
セグメント電極10の駆動とコモン電極11の駆動を下
基板2上の1個の駆動用半導体素子7で担うようにした
ことによって額縁領域を全体として狭くでき、これによ
っても狭額縁化が図れるので、小型の携帯用電子機器な
どに好適な液晶表示装置を提供することができる。
【0028】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図4、図5を参照して説明する。本実施
の形態において、液晶表示装置の全体構成は図1に示し
た第1の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省
略する。第1の実施の形態と異なる点はセグメント電極
の構成のみであり、この部分のみについて図4、図5を
用いて説明する。図4は本実施形態の液晶表示装置の表
示領域の拡大図、図5は図4のB−B’線に沿う断面図
である。なお、図4、図5において図2、図3と共通の
構成要素には同一の符号を付す。
【0029】表示領域について見ると、図4に示すよう
に、下基板2上に、図中縦方向に延在する複数のセグメ
ント電極30がストライプ状に形成されている。一方、
上基板3上には、セグメント電極30と直交するように
図中横方向に延在する複数のコモン電極11がストライ
プ状に形成されている。カラーフィルター13のR、
G、Bの各色素層13r,13g,13bは各セグメン
ト電極30の方向に対応して配置されており、図2に示
す横方向に並んだR、G、Bの3個の画素で画面上の1
個のドットを構成している。以上の基本構成は第1の実
施の形態と同様である。
【0030】本実施の形態の場合も、図5に示すよう
に、セグメント電極30はW2の幅で形成されたAPC
膜31とこれを覆うW1の幅で形成されたITO膜32
の積層構造を有しているが、第1の実施の形態のように
APCパターンに光透過用の窓部は形成されていない。
一方、上基板3側は、第1の実施の形態と同様、樹脂ブ
ラックやクロム等の金属などからなるブラックストライ
プ33(遮光層)が、R、G、Bの各色素層13r,1
3g,13bの間を区画するように設けられている。本
実施の形態の場合、第1の実施の形態と異なるのは、ブ
ラックストライプ33の幅Wが隣接する画素のITOパ
ターン32のピッチP1(セグメント電極30のピッ
チ)に一致しており、APCパターン31のピッチP2
より小さく設定されていることである。さらに、本構成
の液晶表示装置の組立工程において上基板3、下基板2
の貼り合わせ時に生じるズレ量(例えば起こり得る最大
のズレ量)をEとすると、ブラックストライプ33の縁
からAPCパターンの縁までの寸法D(本実施の形態で
は、1つのセグメント電極30のITOパターン32の
縁からAPCパターン31の縁までの寸法と一致する)
が上記のズレ量E以上となる(D≧E)ように設定され
ている。
【0031】これを図4で見ると、セグメント電極30
の輪郭を示す外側の線がITOパターン32の縁、その
内側の線がAPCパターン31の縁を示しているが、ブ
ラックストライプ33の輪郭を示す線はITOパターン
32の縁を示す線に重なっている。つまり、平面的に見
ると、セグメント電極30の左右の縁の細長い部分はA
PCパターン31が存在せず、ITOパターン32のみ
が存在する領域であって、かつブラックストライプ33
に覆われない領域である。したがって、この領域は透過
モード時にバックライトからの光が透過する光透過領域
となる。以下の説明では、この領域のことを、便宜上サ
イドスリット34と呼ぶことにする。
【0032】本実施の形態におけるサイドスリット34
は、第1の実施の形態における光透過用窓部をなくした
分、APCパターン31の幅W2を狭くすることによっ
てセグメント電極30の縁にITOパターン32のみが
存在する光透過領域を設けたものということができる。
つまり、平面視した際に上基板3に形成されたブラック
ストライプ33と下基板2に形成されたAPCパターン
31との間隔(隙間)にITOパターン32が配置され
ているため、背面からの光の透過が可能な上、コモン電
極11との間で液晶23に電界を加えることができるの
で、透過表示を行うことができる。さらに、サイドスリ
ット34は単に光透過領域として機能するだけでなく、
貼り合わせズレによる反射モードでの輝度の低下を防止
する構造としても機能する。すなわち、図3に示した第
1の実施の形態のように、ブラックストライプ25の幅
WがAPCパターン18の間隔P2に一致し、平面的に
ブラックストライプ25の縁がAPCパターン18の縁
に重なっている場合、貼り合わせズレがなければ問題な
いが、少しでも貼り合わせズレがあるとブラックストラ
イプ25がAPCパターン18上にかかってしまうた
め、APCパターン18の反射膜としての有効面積が減
り、反射モードでの表示が暗くなるという欠点を持って
いる。
【0033】これに対して、本実施の形態ではサイドス
リット34を設け、しかもサイドスリット34の幅(上
で述べたブラックストライプ33の縁からAPCパター
ン31の縁までの寸法Dに相当する)を貼り合わせズレ
量よりも大きくとっているので、貼り合わせズレが生じ
たとしてもブラックストライプ33がAPCパターン3
1上にかかることはない。なお、貼り合わせズレが生じ
ると1つの画素において片側のサイドスリット34の幅
が細くなるが、その分反対側のサイドスリット34の幅
が太くなるため、画素全体として光の透過量が変わるこ
ともない。このように、貼り合わせズレがあっても反射
モードでの表示が暗くなることがなく、ブラックストラ
イプでカラーフィルターの混色を防止しつつ、貼り合わ
せズレに強い構造を提供することができる。これが本実
施の形態特有の効果である。
【0034】その他、APC膜を用いたことで反射モー
ドでの表示の明るさが向上するのと同時に透過モードで
のカラーの色の彩度が向上する、下基板側の製造プロセ
スが複雑化することがない、ITO膜がAPC膜の側面
を覆う構造としたことで電極、配線の腐食やエレクトロ
マイグレーションを防止できる、装置の狭額縁化が図れ
る、等の効果が得られるのは第1の実施の形態と同様で
ある。
【0035】[電子機器]上記実施の形態の液晶表示装
置を備えた電子機器の例について説明する。図6は、携
帯電話の一例を示した斜視図である。図6において、符
号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記
の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0036】図7は、腕時計型電子機器の一例を示した
斜視図である。図7において、符号1100は時計本体
を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液
晶表示部を示している。
【0037】図8は、ワープロ、パソコンなどの携帯型
情報処理装置の一例を示した斜視図である。図8におい
て、符号1200は情報処理装置、符号1202はキー
ボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本
体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表
示部を示している。
【0038】図6〜図8に示す電子機器は、上記実施の
形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているの
で、反射モードでの明るさと透過モードでの鮮やかな表
示色を兼ね備えた表示部を有する電子機器を実現するこ
とができる。
【0039】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記2つの実施の形態では上基板上のカラーフィル
ターの色素層間にブラックストライプを設けた例を示し
たが、ブラックストライプを設ける層の位置は他の層の
間であってもよい。もしくは、下基板側の製造プロセス
が多少複雑化することに支障がなければ、下基板側にブ
ラックストライプを設けてもよい。その場合は貼り合わ
せによるブラックストライプとAPCパターンのアライ
メントの問題は発生しない。
【0040】また、隣接するセグメント電極の間隙に沿
った領域にブラックストライプを設けることに代えて、
隣接するコモン電極の間隙に沿った領域にブラックスト
ライプを設けてもある程度混色を防止することが可能で
ある。しかしながら、セグメント電極の間隙に沿う方向
がカラーフィルターの異なる色を区画する方向であるこ
と、通常セグメント電極の幅はコモン電極の幅の1/3
程度であり、第2の実施の形態の構成を採用した場合、
貼り合わせズレによる反射率低下の影響はセグメント電
極に沿う方向にブラックストライプを設けた方が顕著で
あること、などを考え合わせると、上記実施の形態のよ
うに、隣接するセグメント電極の間隙に沿う領域にブラ
ックストライプを設ける方が効果的である。
【0041】また、第1の実施の形態では光透過用の窓
部のみを設けた例、第2の実施の形態ではサイドスリッ
トのみを設けた例を示したが、窓部とサイドスリットの
双方を兼ね備える構成としてもよい。これら窓部やサイ
ドスリットの形状、寸法、数、形成位置等に関しては、
例えば反射モードと透過モードの輝度のバランス、表示
の見栄えなどに応じて適宜設定すればよい。また、セグ
メント電極の構成としてAPC膜上にITO膜を積層し
た例を示したが、その他、ITO膜上にAPC膜を積層
してもよいし、APC膜の上下をITO膜で挟んだ3層
構造としてもよい。さらに、反射膜材料としてはAPC
膜の他、銀・パラジウム合金(AP)膜などの銀合金膜
を用いてもよい。上記実施の形態では、本発明をパッシ
ブマトリクス方式の液晶表示装置に適用したが、TFD
等をスイッチング素子に用いたアクティブマトリクス方
式の液晶表示装置にも適用可能である。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、反射率に優れた銀合金膜を半透過反射膜に用い
たことで反射モードでの表示の明るさが向上するのと同
時に、遮光層の使用によりカラーフィルターの混色が防
止できるので、透過モードでの色の彩度が従来より向上
し、カラーの各色を鮮やかに視認し得る液晶表示装置を
実現することができる。さらに、比抵抗の低い銀合金膜
を電極および配線に用いたことで配線幅の微細化が可能
なため、狭額縁化が図れ、小型の携帯用電子機器などに
好適な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1、第2の実施の形態に共通の液
晶表示装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】 第1の実施形態の液晶表示装置の表示領域の
拡大平面図である。
【図3】 図2のA−A’線に沿う断面図である。
【図4】 第2の実施形態の液晶表示装置の表示領域の
拡大平面図である。
【図5】 図4のB−B’線に沿う断面図である。
【図6】 本発明の電子機器の一例を示す斜視図であ
る。
【図7】 同、電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図8】 同、電子機器のさらに他の例を示す斜視図で
ある。
【図9】 APCとITOの積層膜を半透過反射膜とし
た液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【図10】 Al膜を半透過反射膜とした液晶表示装置
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置 2 下基板(一方の基板) 3 上基板(他方の基板) 10,30 セグメント電極(第1の電極) 11 コモン電極(第2の電極) 12 窓部(光透過領域) 13 カラーフィルター 13r,13g,13b 色素層 18,31 APC膜(APCパターン、銀合金膜) 19,32 ITO膜(ITOパターン、透明導電膜) 23 液晶 25,33 ブラックストライプ(遮光層) 34 サイドスリット(光透過領域)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BB01 BB02 BB44 2H091 FA02Y FA34Y FA41Z GA01 GA02 GA06 2H092 GA05 HA05 HA06 JB51 PA01 PA02 PA08 PA13 5C094 AA15 BA03 BA43 CA19 CA24 DA14 EA04 EA05 EA07 EB02 ED03 ED11 ED15 FB12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向配置された一対の基板間に液
    晶が挟持された液晶表示装置であって、 前記一対の基板のうち、一方の基板上に銀合金膜と透明
    導電膜との積層構造を有する複数の第1の電極が設けら
    れるとともに、他方の基板上には異なる色の複数の色素
    層が配列されたカラーフィルターと透明導電膜からなる
    複数の第2の電極とが設けられ、前記第1の電極は、前
    記銀合金膜と前記透明導電膜のうち、少なくとも銀合金
    膜が部分的に欠落した領域からなる光透過領域を各画素
    内に有し、前記一対の基板の少なくともいずれか一方の
    隣接する前記第1の電極の間の領域、もしくは隣接する
    前記第2の電極の間の領域に遮光層が設けられたことを
    特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 各画素内において前記第1の電極を構成
    する銀合金膜のパターンが窓状に開口し、該窓状に開口
    した部分が前記光透過領域となることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 各画素内において前記第1の電極を構成
    する銀合金膜のパターンの幅よりも透明導電膜のパター
    ンの幅の方が大きく、前記透明導電膜の縁部が前記光透
    過領域となることを特徴とする請求項1または2に記載
    の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記遮光層が前記他方の基板上に設けら
    れたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項
    に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記遮光層のパターンの幅が、隣接する
    前記第1の電極間の間隔以上であることを特徴とする請
    求項4に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記銀合金膜パターンの縁部と前記遮光
    層の縁部との間の寸法が、前記一対の基板の貼り合わせ
    時のズレ量よりも大きいことを特徴とする請求項5に記
    載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の第1の電極がストライプ状に
    形成されたセグメント電極であり、前記複数の第2の電
    極が前記第1の電極と交差する方向にストライプ状に形
    成されたコモン電極であることを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか一項に記載
    の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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