JP2003270431A - インクジェット法を用いたカラーフィルタ、そのブラックマトリクス作製方法 - Google Patents

インクジェット法を用いたカラーフィルタ、そのブラックマトリクス作製方法

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JP2003270431A
JP2003270431A JP2002075755A JP2002075755A JP2003270431A JP 2003270431 A JP2003270431 A JP 2003270431A JP 2002075755 A JP2002075755 A JP 2002075755A JP 2002075755 A JP2002075755 A JP 2002075755A JP 2003270431 A JP2003270431 A JP 2003270431A
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Tadao Matsuzaki
直生 松崎
Junichi Hori
淳一 堀
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明基板上にブラックマトリクスを形成する
際に、現像処理回数を重ねても、現像後のブラックマト
リクス形状のバラツキを少なくすること。 【解決手段】 前記ブラックマトリクスを形成する現像
工程において、現像処理回数を重ねるごとに現像時間を
長くすることで、前記ブラックマトリクスの形状のバラ
ツキを抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット法
を用いた樹脂ブラックマトリクスを有するカラーフィル
タの製造方法に関するものであり、特に樹脂ブラックマ
トリクスの形状再現性にすぐれた製造方法に関するもの
である。
【0002】本発明で製造されるカラーフィルタはカラ
ー液晶ディスプレイ装置等の分野で使用される。
【0003】
【従来の技術】液晶等の表示装置用カラーフィルタは、
透明基板上にブラックマトリクスを形成し、前記ブラッ
クマトリクスの間隙にR(レッド)、G(グリーン)、
B(ブルー)の3原色の着色部を形成することにより得
られる。
【0004】カラーフィルタの主な製造方法としては、
印刷法、電着法、染色法または顔料分散法があるが、こ
れらの方法に共通している問題はR、G、Bを形成する
ために同一工程を3回行う必要があり、必然的にコスト
的に高くなると共に工程が多ければ多いほど歩留りが低
下することである。
【0005】この問題を改良するために特開昭59−7
5205号公報、特開昭63−235901号公報、特
開平1−217302号公報、特開平4−123005
号公報、特開平7−146406号公報等には、インク
ジェット方式を用いてカラーフィルタを製造する方法が
開示されている。
【0006】これらは前記従来方法と異なり、R、G、
Bの各色素を含有する着色液(以下着色インクという)
をガラス基板にノズルより塗布し、前記着色インクをガ
ラス基板上で乾燥させて着色部を形成させる。この方法
によればR、G、Bの各着色部の形成を一度に行うこと
ができ、更に着色インクの使用量にも無駄が生じないた
め大幅な生産性の向上、コストダウン等の効果が期待で
きる。
【0007】従来のカラーフィルタに用いられてきたブ
ラックマトリクスは、金属クロム膜を酸化クロム膜など
の酸化物層でサンドイッチ構造とすることにより可視光
に対する吸収係数が大きく、また光学濃度が高い材料
を、スパッタ法や、イオンプレーティング法などの真空
成膜法により薄膜で形成していた。
【0008】しかしながらインクジェット法では、ブラ
ックマトリクスをインク保持枠体として使用するため、
カラーフィルタの色特性を満足する着色部の厚みを得る
ためには、少なくとも1μm以上の厚みが必要となるた
め、真空成膜による金属薄膜を材料とするブラックマト
リクスの形成は現実的に不可能であり、樹脂ブラックマ
トリクスが用いられている。
【0009】また、この樹脂ブラックマトリクスは、遮
光特性としての光学濃度を、成分中に含有させる黒色顔
料で得るためにも、少なくとも1μm以上の厚みが必要
とされる。
【0010】一般的な樹脂ブラックマトリクスの形成方
法は、カーボン顔料及びまたは樹脂顔料等を含有する感
光性樹脂をフォトリソグラフ法によりパターニングを行
い、前記感光性樹脂自体をブラックマトリクスとして使
用するものである。
【0011】しかしながら樹脂ブラックマトリクスは黒
色顔料を含有するため、露光時の光エネルギーがレジス
ト材料の下部まで到達しづらく、従って露光による光硬
化部分はレジスト層の表層部にとどまっており、炭酸ナ
トリウムなどのアルカリ現像液を用いて未露光部を選択
的に溶解除去する現像工程において、光硬化が不十分な
透明基板側がサイドエッチングされる。
【0012】また現像・リンス後の熱硬化工程であるポ
ストベークでは230℃前後の熱に数分から数十分曝さ
れるため、サイドエッチング上部のオーバーハング部分
が熱ダレにより脱落したテーパー形状となる場合が一般
的である。また、高耐熱性材料を使用した場合やポスト
ベーク条件の緩やかな場合には現像後の逆テーパー状態
が維持される場合もあるが、どちらの場合も、表層面側
肩形状は、現像液に曝されている間は僅かにではあるが
等方的にエッチングされるため、完全なる矩形とはなら
ず曲面的形状となる。また、その後の熱硬化工程ではこ
の傾向は少なくとも増長される。特にこれらの傾向は膜
が厚く、また光学濃度が高いほど顕著となる。
【0013】感光性樹脂の現像法としては、スピン現像
法、パドル現像法、ディップ現像法、シャワー(スプレ
ー)現像法などがあるが、カラーフィルタ用量産ライン
においては量産性及び生産タクトの観点からシャワー現
像法が一般的によく用いられている。
【0014】またシャワー現像法にも、現像液の使用方
法の違いから、循環型と使い捨て型があるが、これはそ
れぞれ使用する現像液の特性の違いに起因しており、用
途によって使い分けられる。
【0015】循環型の場合、使用する現像液の材料コス
トを抑えることが可能な反面、現像液を循環使用するた
め、繰り返して使用していくことにより現像液の劣化が
進行し、現像液の処理枚数の違いにより、ブラックマト
リクス形状に初期現像時との違いが発生する問題があっ
た。
【0016】また使い捨て型の場合、現像液は全ての基
板で同じ条件で使用されるため、現像後のブラックマト
リクスの形状のバラツキが少ないという特徴を有する
が、現像液を使い捨てで使用するため、循環型に比べて
現像液の材料コストが数倍になるという問題があった。
【0017】通常、再現性のよいブラックマトリクス形
状を得るためには使い捨て型の現像方法を選択するか、
もしくは循環型の場合では、ブラックマトリクス形状の
バラツキが発生する前に現像液を交換する方法が取られ
ている。どちらの場合でも、使用する現像液の量が増加
するため、材料コストが増加することになる。
【0018】従来のカラーフィルタの主な製造方法であ
る印刷法、電着法、染色法または顔料分散法などにおい
ては、金属薄膜を用いたブラックマトリクスが主流であ
ったため、その形状再現性やガラス基板全面での均一性
は良好であり問題はなかった。この時の断面形状を図3
(a)に示す。また最近では前記従来の製造方法でも樹
脂ブラックマトリクスを使用したものがあるが、前記従
来の製造方法においては、ブラックマトリクスの幅や遮
光性に関してはカラーフィルタの特性を左右するため厳
しい要求特性があるが、ブラックマトリクスの断面形状
に関してはカラーフィルタの特性に与える影響がほとん
どないため、問題にはならなかった。この時の断面形状
を図3(b)、(c)に示す。(b)は現像オーバーの
ブラックマトリクスの場合であり、(c)は現像不足の
ブラックマトリクスの場合である。図からわかる通り、
ブラックマトリクスの上には着色部2が被っており、
(b)、(c)に示すようにブラックマトリクスの断面
形状が異なっても、着色部2の表面状態に与える影響は
ほとんどなく、(b)、(c)共に平坦な着色部2が得
られている。
【0019】しかしながら、インクジェット法によりブ
ラックマトリクスの間隙に着色インクを塗布する製造方
法においては、ブラックマトリクスの形状が着色インク
の乾燥後の形状へ与える影響が大きく、ブラックマトリ
クスの形状の違いにより着色部の形状がガラス基板面内
やガラス基板毎に異なってしまう。このようなカラーフ
ィルタを用いて作製した液晶表示素子は、コントラスト
低下や色ムラ等の表示欠陥が発生してしまう。
【0020】インクジェット法において使用されるR、
G、Bの各着色インクは、ヘッドの吐出安定性を考慮し
て一般的には5cp以下程度の低粘度インクが用いられ
ている。そのため着色インク中の固形分量は色材が染料
及び顔料に関わらず数重量%〜十数重量%程度しか含有
させられず、乾燥後の着色インクの厚み即ち着色部の厚
みは乾燥前の数分から数十分の一程度となる。
【0021】このためカラーフィルタの色特性を満足す
る着色部の厚みを得るためには、着色部の体積に対して
数倍から数十倍以上の容量の着色インクを充填する必要
がある。
【0022】この方法としては、枠体となるブラックマ
トリクスを撥インク性とし凸状のインクメニスカスを保
持させることにより高さの低いブラックマトリクスで必
要量の着色インクを充填する方法が例えば特開平7−3
5915号公報、特開平7−84122号公報などで提
案されている。その後、充填された着色インクは、乾燥
及び硬化され着色部となる。
【0023】図1及び2にブラックマトリクスの断面形
状と、充填されたインクが乾燥により平坦となる着色部
膜厚の関係を示す。インク乾燥メカニズムは、ブラック
マトリクスの断面形状に影響され、より矩形に近いほど
表層面に近い面で平坦な着色部となる。しかし、樹脂ブ
ラックマトリクスでは曲面を持たない理想的な矩形とは
なりえないため、平坦な着色部を形成するためには必ず
ブラックマトリクスより着色部が薄くなり、ブラックマ
トリクスと着色部の間で段差が生ずる。ブラックマトリ
クスの断面形状が異なる場合、それぞれにおいて着色部
が平坦になる膜厚が異なることになり、現像オーバーな
どの理由により、通常よりも平坦部が低くなっているブ
ラックマトリクスに適量の着色インクを塗布した場合に
は凸型の着色部となり、現像不足などの理由により、通
常よりも平坦部が高くなっているブラックマトリクスに
適量の着色インクを塗布した場合には凹型の着色部とな
る。現像オーバーのブラックマトリクス及び現像不足の
ブラックマトリクスにおいて着色部が平坦となる時の着
色部膜厚線6を図2中に示す。また現像オーバーのブラ
ックマトリクス4及び現像不足のブラックマトリクス5
の間隙に、適正な現像処理により形成されたブラックマ
トリクス1の間隙に塗布する着色インクと同量を塗布し
た場合の、硬化後の着色部の断面形状もあわせて図2に
示す。着色インクの塗布量は同じでも、それぞれのブラ
ックマトリクスの形状の影響を受けて、着色部の平坦性
が損なわれている。
【0024】このため、このカラーフィルタを用いて作
製した液晶表示素子は、コントラスト低下や色ムラ等の
表示欠陥が発生してしまう。
【0025】以上のように、インクジェット法による
R、G、Bの各着色インク塗布時におけるブラックマト
リクスの役割としては、ブラックマトリクスの間隙に着
色インクを保持することであるが、この時のブラックマ
トリクスの高さ及び形状は、乾燥・硬化後の着色部の形
状及び平坦性にも影響を与えるため、全てのガラス基板
上に全面均一な形状のブラックマトリクスを形成するこ
とが非常に重要である。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明基板上
にブラックマトリクスを形成する工程と、前記ブラック
マトリクスの間隙にインクジェット法を用いて着色イン
クを塗布する工程とを有するカラーフィルタの製造方法
において、前記ブラックマトリクスを形成する現像工程
において現像液は循環して使用し、かつ現像処理枚数を
重ねても、現像後のブラックマトリクス形状のバラツキ
が少ないカラーフィルタを、容易に制御可能な方法で製
造する方法及びこの方法によって製造されたカラーフィ
ルタを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
の製造方法は、透明基板上にブラックマトリクスを形成
する工程と、前記ブラックマトリクスの間隙にインクジ
ェット法を用いて着色インクを塗布する工程とを有する
カラーフィルタの製造方法において、前記ブラックマト
リクスを形成する現像工程において現像液は循環して使
用し、かつ現像処理枚数を重ねるごとに現像時間を長く
していくことを特徴とする。
【0028】また、前記ブラックマトリクスの1枚毎の
現像時間の延長幅は、現像初期における延長幅よりも、
現像処理枚数を重ねるごとに長くしていき、前記現像時
間の延長が、前記透明基板の搬送速度を遅くしていくこ
とで実現することを特徴とする。さらに、現像処理1枚
ごとに、前記透明基板の搬送速度を一定速度で遅くして
いくことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタの製造方
法によれば、現像後の形状バラツキの少ないブラックマ
トリクスを得ることができ、これによりブラックマトリ
クスの間隙にR(レッド)、G(グリーン)、B(ブル
ー)の各着色インクを塗布、乾燥及び硬化する際にも着
色部への悪影響がなく、形状及び平坦性が良好で、全て
のガラス基板上に全面均一なR、G、Bの各着色部を形
成可能であり、この方法によって製造されたこれらの優
れた性能を有するカラーフィルタを提供することができ
る。
【0030】次に、本発明の液晶表示素子では、一対の
基板間に液晶を挟持してなる液晶表示素子において、請
求項5に記載のカラーフィルタを用いて構成されたこと
を特徴としたものであり、R、G、Bの各着色部を全面
均一に形成されており、表示ムラのない高品位な液晶表
示素子が実現できる。さらに、本発明の液晶表示素子を
搭載することにより、R、G、Bの各着色部が全面均一
に形成されているので、表示ムラのない高品位な液晶表
示装置が実現できる。
【0031】本発明で用いるブラックマトリクスを形成
する材料は、樹脂材料とカーボンブラックなどの黒色顔
料及びまたは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブ
ルー)、Y(イエロー)、V(バイオレット)などの顔
料を混ぜてなる混色黒色顔料としての有機顔料と、これ
らの成分を分散溶解させるための溶媒を含む感光性樹脂
である。
【0032】樹脂材料としては、一般的な黒色感光性樹
脂用として用いられているアクリル樹脂のような感光性
樹脂であればネガ型でもポジ型でもよい。
【0033】感光性樹脂を用いて透明基板上にブラック
マトリクスを形成するには、例えばスピンコート等によ
って1〜3μm程度の厚みを持った薄膜を全面に形成し
た後、露光・現像することで形成することができる。
【0034】前記黒色感光性樹脂を用いて、フォトリソ
グラフ法によりパターニングされた前記ブラックマトリ
クスの耐溶剤性等を向上するために、現像後にはポスト
ベークを行う。
【0035】本発明で用いられる現像液は、一般的な無
機アルカリ現像液であり、これを純水で希釈したアルカ
リ水溶液である。
【0036】本発明で用いられる透明基板は、例えばガ
ラスが多く用いられるが、プラスチックフィルムやプラ
スチックシートでもかまわない。
【0037】また必要に応じて、透明基板とブラックマ
トリクス及び着色インクとの密着性を向上させるため
に、透明基板上にあらかじめ密着性を向上させるような
薄膜を形成しておくこともできる。着色部の形成方法
は、インクジェット印刷機を用いるインクジェット法で
ある。
【0038】インクジェット法においては、ガラス基板
面内及びガラス基板毎のブラックマトリクスの形状再現
性及び均一性が非常に重要であり、本発明の製造方法に
よれば、現像液は循環して使用し、かつ現像処理枚数を
重ねるごとに現像時間を長くしていくことで、現像後の
形状バラツキの少ないブラックマトリクスを得ることが
可能である。
【0039】ここで重要なことは、現像処理枚数を重ね
るごとに現像時間を徐々に長くすることであり、単純に
現像枚数に比例する形で現像時間を延長してもブラック
マトリクスの形状はバラツキがある。すなわち、現像処
理枚数が増えるほどに現像液の劣化の進行が早くなるた
め、現像時間の延長幅も大きくしていかなければならな
い。
【0040】そこで本発明においては、ガラス基板の搬
送速度の変化量を一定とすることで、現像初期での現像
の延長時間と現像終盤での現像の延長時間に差をつけて
いる。以上の方法により、本発明では現像液を循環して
使用しながら、現像時間を調整することで、現像後の形
状バラツキの少ないブラックマトリクスを得ることがで
きた。またこのカラーフィルタを用いて作製した液晶表
示素子は、画素の隅々までコントラスト低下や色ムラ等
の表示欠陥のない美しいカラー表示が可能であった。
【0041】(実施の形態1)以下に、本発明のカラー
フィルタの製造方法を図面を用いて詳細に説明する。感
光性樹脂として東京応化工業社製「CFPR Bk−6
20S」を用い、透明基板としては、320mm×40
0mm×0.7mmのコーニング1737ガラス基板を
用いた。
【0042】先ず、前記ガラス基板3に水洗を施し、乾
燥後、東京応化工業社製のスピンコーターによって前記
感光性樹脂を前記ガラス基板3上に塗布した。この時の
スピン条件は700rpmで5秒間回転させた。感光性
樹脂を塗布された前記ガラス基板3は必要に応じて減圧
乾燥・バックリンスなどの処理を施された後、90℃の
ホットプレート上で130秒間、乾燥のためのプリベー
クを行った。乾燥処理された前記ガラス基板3は24℃
までクーリングプレートによって冷却・温調される。温
調されたガラス基板はその後、日立電子エンジニアリン
グ社製露光機でネガ型マスクを介して、積算露光量を1
00mJ/cm2、プロキシギャップを100μmで露
光を行い、フォトマスク上のブラックマトリクスパター
ンが転写される。
【0043】以上の条件で得られた露光済みのガラス基
板3を搬送ローラ等により搬送しながらシャワー現像・
リンス処理を行うことで、ブラックマトリクス1を得
る。この時新しい現像液に対して、現像1枚目の基板の
現像時間が60secとなるように現像液の液温及び濃
度で調整する。使用した現像液は東京応化工業製のCF
PR現像液N−A3K(炭酸ナトリウム3wt%液)
で、これを24℃で20倍に純水で希釈して使用した
が、これに限定されるものではない。現像液は循環タン
ク内に170リットル投入し、前記現像液を循環して使
用する循環型現像法によりシャワー現像を行った。
【0044】2枚目以降のガラス基板を現像する際に
は、前記搬送ローラの搬送速度を一定速度で低下させて
いくことで現像時間の延長化を図る。この方法によれば
コスト増加をまねくことなく、かつ容易に現像初期での
1枚ごとの延長時間は小さく、現像処理枚数を重ねるご
とに徐々に延長時間が長くなるように、現像時間を調整
・管理することが可能となる。
【0045】本実施の形態においては、1枚目の現像を
2230mm/minの搬送速度で行い、この時の現像
時間は60secであった。これを現像処理1枚毎に、
搬送速度を9mm/minずつ減少させることで、10
0枚目の現像時の搬送速度は1339mm/minで、
現像時間は約100secとなった。
【0046】現像処理枚数毎の現像時間及び搬送速度と
の関係を表1に示す。またこの時の現像処理枚数毎の現
像後のブラックマトリクス断面形状を図4に示す。
【0047】表1からわかる通り本発明の製造方法にお
いては、現像初期においては10枚現像処理の間の現像
時間の延長時間が2〜3secであるが、現像の終盤に
は5〜6secである。
【0048】このように現像の初期と終盤とで現像時間
の延長幅を変更することにより、図4に示すように現像
処理枚数によらず全てのガラス基板において、現像後の
形状バラツキの少ないブラックマトリクスを得ることが
できた。
【0049】前記ブラックマトリクスを形成されたガラ
ス基板3は、現像後、直ちに純水高圧スプレー洗浄を行
い現像液のリンスを行った。次に、タバイエスペック社
製乾燥ベーク炉を用いて230℃の温度で25分間ポス
トベークを行った。
【0050】次に、インクジェット印刷機を用いて、
R、G、Bの各着色インクをブラックマトリクス1の間
隙に塗布後、タバイエスペック社製乾燥ベーク炉で着色
部2が平坦になるように着色インクの溶媒を蒸発させ
た。ついでアイグラフィック社製のメタルハライドラン
プを用いた紫外線硬化装置により各着色部の着色インク
を硬化させた。最後に230℃の熱ベークを中央システ
ムエンジニアリング社製ホットプレートで5分間行うこ
とで、R、G、Bの各着色部2を得た。
【0051】前記着色部2は、100枚全てのガラス基
板の全面において形状のバラツキが少ないブラックマト
リクス1の間隙に塗布したため、着色部の形状及び平坦
性が良好で、全てのガラス基板上に全面均一なR、G、
Bの各着色部2を形成できた。
【0052】このカラーフィルタ基板上にITO膜を
0.14μmの膜厚でスパッタリング法により全面に形
成し、さらにポリイミドの配向膜を0.1μmの膜厚で
オフセット印刷法により全面に形成し、ラビングして第
1の基板を形成した。次いで、TFTを画素毎に形成し
たアクティブマトリクス基板を用いて、ポリイミドの配
向膜を0.10μmの膜厚でオフセット印刷法により全
面形成し、ラビングして第2の基板を形成した。前記第
1基板と前記第2基板とを電極面が対向するように配置
して、基板周辺をシールして空セルを形成した。前記空
セル内にネマチック液晶を注入し、注入口を封止して液
晶セルを作製した。前記液晶セルの両側に偏光板を配置
してアクティブマトリクス型の液晶表示素子を作製し
た。
【0053】前記液晶表示素子を用いて、ネマチック液
晶に電圧を印可したところ、画素の隅々までコントラス
ト低下や色ムラ等の表示欠陥のない美しいカラー表示が
可能であった。
【0054】
【表1】
【0055】(実施の形態2)実施の形態1と同様にし
て露光されたガラス基板を、1枚目の現像を60sec
の現像時間で行った。これを現像処理1枚毎に現像時間
を0.4secずつ増加させることで、100枚目の現
像時の現像時間は99.60secとなった。
【0056】現像処理枚数毎の現像時間及び搬送速度と
の関係を表2に示す。またこの時の現像処理枚数毎の現
像後のブラックマトリクス断面形状を図4に示す。
【0057】
【表2】
【0058】実施の形態1とは、現像処理が60枚目ご
ろに最も現像処理時間がずれる事になり、この時で5s
ec程度のずれであった。本実施の形態1に比べると、
実施の形態2ではガラス基板100枚におけるブラック
マトリクス形状のバラツキが大きくなった。全体的にや
や現像オーバー気味であり、特に60枚目頃が最も現像
オーバーとなった。また形状のバラツキが大きいブラッ
クマトリクスの間隙に着色部を塗布したため、凸型の表
面を持った着色部となり、着色部の形状及び平坦性が損
なわれ、ガラス基板毎の着色部の均一性が損なわれた。
【0059】このカラーフィルタを用いて作製した液晶
表示素子は、コントラスト低下や色ムラ等の表示欠陥が
発生した。
【0060】(実施の形態3)実施の形態1と同様にし
て露光されたガラス基板を最初から最後まで60sec
で100枚現像処理を行ったところ、初期の10枚程度
は良好な再現性を示したが、10枚目以降では初期に作
製したブラックマトリクスの形状と異なりはじめ、60
枚目以降ではブラックマトリクスの幅も太くなりはじ
め、100枚目では完全な現像不足であったため、あき
らかに1枚目とは異なった形状及び大きさのブラックマ
トリクスになった。
【0061】この時の現像処理枚数毎の現像後のブラッ
クマトリクス断面形状を図4に示す。この現像不足なブ
ラックマトリクスに着色インクを塗布したところ図2
(b)に示すように凹型の表面を持った着色部となっ
た。
【0062】本実施の形態1に比べると、実施の形態3
ではガラス基板100枚における現像後のブラックマト
リクス形状のバラツキが大きくなった。また形状のバラ
ツキが大きいブラックマトリクスの間隙に着色部を塗布
したため、着色部の形状及び平坦性が損なわれ、ガラス
基板毎の着色部の均一性が損なわれた。
【0063】このカラーフィルタを用いて作製した液晶
表示素子は、コントラスト低下や色ムラ等の表示欠陥が
発生した。
【0064】(実施の形態4)実施の形態1と同様にし
て露光されたガラス基板を最初から最後まで80sec
で100枚現像処理を行ったところ、初期の20枚は現
像オーバーのブラックマトリクス形状を示し、かつ最後
の20枚は完全な現像不足であった。このため、初期の
20枚と最後の20枚は本実施の形態1のブラックマト
リクスと異なった形状となった。この時の現像処理枚数
毎の現像後のブラックマトリクス断面形状を図4に示
す。
【0065】この現像オーバーなブラックマトリクスに
着色インクを塗布したところ、図2(a)に示すように
凸型の表面を持った着色部となった。また現像不足なブ
ラックマトリクスに着色インクを塗布したところ、図2
(b)に示すように凹型の表面を持った着色部となっ
た。
【0066】実施の形態1に比べると、実施の形態4で
はガラス基板100枚における現像後のブラックマトリ
クス形状のバラツキが大きくなった。また形状のバラツ
キが大きいブラックマトリクスの間隙に着色部を塗布し
たため、着色部の形状及び平坦性が損なわれ、ガラス基
板毎の着色部の均一性が損なわれた。
【0067】このカラーフィルタを用いて作製した液晶
表示素子は、コントラスト低下や色ムラ等の表示欠陥が
発生した。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透明基板
上にブラックマトリクスを形成する工程と、前記ブラッ
クマトリクスの間隙にインクジェット法を用いて着色イ
ンクを塗布する工程とを有するカラーフィルタの製造方
法において、前記ブラックマトリクスを形成する現像工
程において、現像液は循環して使用し、かつ現像処理枚
数を重ねても、現像後のブラックマトリクス形状のバラ
ツキが少ないカラーフィルタを、容易に制御可能な方法
で製造することが可能であり、この方法によって製造さ
れたこれらの優れた性能を有するカラーフィルタを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の製造方法によって形成
されたカラーフィルタの断面図
【図2】(a)現像オーバーのブラックマトリクスの間
隙に着色インクを塗布したカラーフィルタの断面図 (b)現像不足のブラックマトリクスの間隙に着色イン
クを塗布したカラーフィルタの断面図
【図3】(a)金属薄膜のブラックマトリクスを用いた
カラーフィルタの断面図 (b)現像オーバーのブラックマトリクスを用いたカラ
ーフィルタの断面図 (c)現像不足のブラックマトリクスを用いたカラーフ
ィルタの断面図
【図4】各条件により現像された、現像処理枚数毎の現
像後のブラックマトリクス断面図
【符号の説明】
1 ブラックマトリクス 2 R、G、Bの各着色部 3 ガラス基板 4 現像オーバーのブラックマトリクス 5 現像不足のブラックマトリクス 6 着色インクが乾燥により平坦となる時の着色部膜厚
線 7 金属薄膜のブラックマトリクス 8 現像後のブラックマトリクス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/30 B41J 3/04 101Z Fターム(参考) 2C056 FB01 2H042 AA09 AA26 2H048 BA02 BA64 BB02 BB24 2H091 FA02Y FA35Y FB02 FC01 FC10 LA12 LA15 LA17 LA18 2H096 AA28 BA20 GA01 GA08 GA60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上にブラックマトリクスを形成
    する工程と、前記ブラックマトリクスの間隙にインクジ
    ェット法を用いて着色インクを塗布する工程とを有する
    カラーフィルタの製造方法において、前記ブラックマト
    リクスを形成する工程で行う現像処理において、現像処
    理回数を重ねるごとに現像時間を長くしていくことを特
    徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ブラックマトリクスの1枚毎の現像
    時間の延長幅は、現像初期における延長幅よりも、現像
    処理枚数を重ねるごとに長くしていき、前記現像時間の
    延長が、前記透明基板の搬送速度を遅くしていくことで
    実現することを特徴とする請求項1記載のカラーフィル
    タの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記現像処理で用いる現像液は再利用す
    ることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 現像処理1枚ごとに、前記透明基板の搬
    送速度を一定速度で遅くしていくことを特徴とする請求
    項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の製造方法により作製さ
    れたことを特徴とするカラーフィルタ。
JP2002075755A 2002-03-19 2002-03-19 インクジェット法を用いたカラーフィルタ、そのブラックマトリクス作製方法 Pending JP2003270431A (ja)

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