JP4876578B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルタにおいては、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルタの一般的な製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
また、他の方法としては顔料分散法が挙げられる。この方法においては、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラーフィルタ層を形成する。
しかしながら、上記いずれの方法も、R、G、およびBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、露光や現像等、多数の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。またさらに、現像の際に用いられる薬品等によって、他の部材が劣化してしまう場合がある等の問題もあった。
そこで、例えば基材上に、光触媒と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する材料とを含有する光触媒含有層形成用塗工液を用いて光触媒含有層を形成し、この光触媒含有層をパターン状に露光することにより、特性が変化したパターンを形成し、着色層をインクジェット法により形成するカラーフィルタの製造方法が提案されている(特許文献1)。また例えば、基材上に着色層を形成する着色層形成用塗工液を留めるためのバンクを形成し、このバンクにフッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射することによりバンクを撥液性として、インクジェット法等により着色層等の機能性部を形成する方法も提案されている(特許文献2)。
これらの方法によれば、インクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布し、着色層を形成することが可能であることから、複雑な工程を繰り返す必要がなく、製造効率がよいという利点を有している。また現像液等を用いる必要がないことから、部材の劣化等が生じるおそれもないものとすることができる。しかしながら、インクジェット法により、着色層を形成する着色層形成用塗工液を吐出して着色層を形成する場合、各インクジェットノズルから吐出される着色層形成用塗工液の吐出量にはバラつきがある。そのため、各着色層形成用領域に吐出される着色層形成用塗工液の量が均一なものとならず、各着色層の色相等にバラつきが生じ、形成されたカラーフィルタに色ムラが発生する等の問題があった。
特開2001−074928号公報 特開2000−187111号公報
そこで、形成される各着色層の色相等にバラつきが少なく、色ムラの少ない高品質な表示が可能なカラーフィルタを、インクジェット法を用いて製造する方法の提供が望まれている。
本発明は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の色度を分光光度法により測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する色度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、色度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する色度調整工程とを有する検査調整工程が行われることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明においては、上記色度検査工程により特定された不良着色層形成領域に用いられたインクジェットノズルの中から、着色層形成用塗工液の吐出量にブレのある不良インクジェットノズルを特定し、この不良インクジェットノズルの設定を調整する。これにより、各着色層形成用領域の分光光度にムラの少ないものとすることができ、本発明によれば、色ムラのない、高品質なカラーフィルタを製造することができる。また上記不良インクジェットノズルの設定の調整は、色度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用いて行われることから、効率よく上記調整が行われるものとすることができる。
上記発明においては、上記検査調整工程が、上記着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の輝度を測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する輝度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布した上記インクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する輝度調整工程とをさらに有していてもよい。これにより、形成される各着色層の色度および輝度が均一なものとすることができ、より高品質なカラーフィルタを製造することが可能となるからである。
また上記発明においては、上記検査調整工程が、上記色度検査工程および上記色度調整工程からなる色度検査調整工程と、上記輝度検査工程および上記輝度調整工程からなる輝度検査調整工程とを交互に繰り返し行う工程であることが好ましい。これにより、より効率よく、色度や輝度にムラのない、高品質なカラーフィルタを製造することが可能となるからである。
また、本発明は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の輝度を測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する輝度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布した上記インクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する輝度調整工程とを有する検査調整工程が行われることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明においては、上記輝度検査工程により特定された不良着色層形成領域に用いられたインクジェットノズルの中から、着色層形成用塗工液の吐出量にブレのある不良インクジェットノズルを特定し、この不良インクジェットノズルの設定を調整する。これにより、各着色層形成用領域の輝度にムラの少ないものとすることができ、本発明によれば、輝度ムラの少ない、高品質なカラーフィルタを製造することができる。また上記不良インクジェットノズルの設定の調整は、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用いて行われることから、効率よく上記調整が行われるものとすることができる。
上記発明においては、上記着色層形成用領域を有する検査用基板を形成する検査用基板形成工程と、上記検査用基板の上記着色層形成用領域上に、上記インクジェットノズルを用いて上記着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、上記検査調整工程とを行うことによりカラーフィルタの製造条件を決定する製造条件決定工程を有し、上記製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいてカラーフィルタを製造するものとすることができる。上記検査調整工程を、上記製造条件決定工程中で行うことによって、上記製造条件決定工程により決定された製造条件を用いて形成されるカラーフィルタを、各着色層間での色ムラ等が少なく、高品質な色表示が可能なものとすることが可能となる。
また上記発明においては、上記着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の上記着色層形成用領域上に、上記インクジェットノズルを用いて上記着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、上記着色層形成用塗工液をプリベイクするプリベイク工程と、上記着色層形成用塗工液をポストベイクするポストベイク工程とを行うことによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程を有し、上記検査調整工程が、上記カラーフィルタ製造工程の上記着色層形成用塗工液塗布工程後に行われるものとすることもできる。この場合、カラーフィルタ製造中に、着色層に色ムラ等が発生していないか、上記色度検査工程や輝度検査工程により適宜検査することが可能となり、不具合が生じた場合には、直ちに上記色度調整工程や輝度調整工程により調整することができる。したがって色ムラの少ない、高品質なカラーフィルタを製造することが可能となる。
本発明によれば、各着色層間での色相や輝度にムラの少ない、高品質な色表示が可能なカラーフィルタを製造することができる。またさらに、不良インクジェットノズルの設定の調整が、色度または輝度と着色層形成用塗工液量との関係を直線近似した検量線を用いて行われることから、効率よく上記調整が行われるものとすることができ、効率よくカラーフィルタを製造することができるという効果を奏する。
本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタの製造方法に関するものであり、本発明のカラーフィルタの製造方法は、3つの実施態様がある。以下、それぞれについて説明する。
A.第1実施態様
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法の第1実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の色度を分光光度法により測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する色度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、色度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する色度調整工程とを有する検査調整工程が行われることを特徴とするものである。
本実施態様においては、上記検査調整工程における色度検査工程によって、着色層形成用領域に色ムラの生じている不良着色層形成領域が特定される。その後、上記色度調整工程において、この不良着色層形成領域に対して着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から、吐出量等に問題のある不良インクジェットノズルが特定され、この不良インクジェットノズルの設定が調整されることとなる。この調整結果が着色層形成用塗工液を塗布する際の設定条件にフィードバックされることによって、本実施態様によれば、色ムラの少ない、高品質なカラーフィルタを製造することが可能となるのである。また本実施態様においては、色度と、着色層形成用塗工液の量との関係を直線近似した検量線を用いて、上記不良インクジェットノズルの設定の調整が行われることから、上記色度検査工程により得られたデータと、上記検量線とを照らし合わせて、上記不良インクジェットノズルから着色層形成用領域に塗布される着色層形成用塗工液の量を、どれくらい増減させればよいのか、容易に判断することが可能となる。したがって、本実施態様によれば、効率よく色度調整工程を行うことが可能であり、製造効率等の面からも好ましいカラーフィルタの製造方法とすることができる。以下、本実施態様における検査調整工程、およびその他の工程について説明する。
1.検査調整工程
本実施態様における検査調整工程は、少なくとも後述する色度検査工程および上記色度調整工程を有するものであればよく、必要に応じて適宜他の工程を有していてもよい。なお、上記色度検査工程および色度調整工程は、この順で行われることとなる。以下、検査調整工程における色度調整工程および色度検査工程について説明する。
(色度検査工程)
まず、本実施態様における色度検査工程について説明する。本実施態様における色度検査工程は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の色度を分光光度法により測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する工程である。例えば図1に示すように、上記着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液3の色度を、顕微鏡形分光光度計を用いて計測し、ムラの生じている不良着色層形成領域(例えば図中3’、3’’、および3’’’で示される領域)を特定する工程である。ここで、本実施態様でいう着色層を形成するための着色層形成用領域とは、着色層形成用塗工液を塗布することにより、着色層を形成可能な領域であればよい。なお計測した色度より、赤色着色層形成用塗工液(R)に対してはRxを、緑色着色層形成用塗工液(G)に対してはGyを、青色着色層形成用塗工液(B)に対してはByを抽出し、これらをそれぞれの色度データとすることが有効である。なお、上記着色層形成用領域や、着色層形成用塗工液の塗布方法等については、後述する第1の態様および第2の態様の中で詳しく説明する。
本工程において得られた色度のデータから上記不良着色層形成領域を特定する方法としては、各着色層形成用領域について測定した色度のデータから平均値を求める。その後、各着色層形成用領域の色度データと上記平均値とを比較し、上記平均値から所定の値以上、値がずれているものを抽出することによって、不良着色層形成領域を特定する方法とすることができる。なお、上記不良着色層形成領域を特定するための平均値からのズレ幅は、製造するカラーフィルタの種類によって適宜選択される。
また上記検査調整工程が、後述するカラーフィルタ製造工程中で行われる場合等には、カラーフィルタを製造する前の製造条件決定工程等により得られた、色ムラや輝度ムラ等の少ないサンプルのデータと比較し、上記サンプルデータから所定の値以上、色度がずれている着色層形成用領域を抽出し、抽出された着色層形成用領域を不良着色層形成領域とする方法としてもよい。
(色度調整工程)
次に、本実施態様における色度調整工程について説明する。本実施態様における色度調整工程は、上記色度検査工程により特定された上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、色度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用いて上記不良インクジェットノズルの設定を調整する工程であり、上記色度検査工程後に行われるものである。
本工程において、上記不良インクジェットノズルを特定する方法としては、例えば各着色層形成用領域に対する着色層形成用塗工液の塗布が、それぞれ1つのインクジェットノズルのみを用いて行われる場合には、上記不良着色層形成領域に対して用いられたインクジェットノズルを特定することにより、不良インクジェットノズルを特定する方法とすることができる。
また、各着色層形成用領域に対する着色層形成用塗工液の塗布が、複数のインクジェットノズルを用いて行われる場合には、例えば上記検査工程において特定された各不良着色層形成領域に対して着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルをそれぞれピックアップする。その後、複数の不良着色層形成領域に共通して用いられたインクジェットノズルを抽出し、不良インクジェットノズルを特定する方法等とすることができる。例えば図1に示すように、不良着色層形成領域3’に用いられたインクジェットノズルが、(iii)、(iv)、(vi)であり、また不良着色層形成領域3’’に用いられたインクジェットノズルが(ii)、(iii)、(v)であり、さらに不良着色層形成領域3’’’に用いられたインクジェットノズルが(i)、(iii)、(iv)である場合、これらの不良着色層形成領域に共通して用いられているインクジェットノズルは(iii)である。したがって、不良インクジェットノズルは(iii)であるといえ、このインクジェットノズル(iii)について、本工程により調整が行われることとなる。なお、上記方法において、不良インクジェットノズルが特定できない場合には、上記色度検査工程において上記不良着色層形成領域を特定するために用いられる平均値からのズレ幅を、より小さく、または大きく設定しなおすことによって、不良着色層形成領域の数を多く、または少なくし、不良インクジェットノズルの特定が行われることが好ましい。
また本工程における吐出条件の調整の際に用いられる検量線は、後述する製造条件決定工程やカラーフィルタ製造工程を行う前に、製造条件決定工程に用いられる検査用基板や、カラーフィルタ製造工程に用いられるカラーフィルタ用基板の着色層形成用領域に、着色層形成用塗工液の量をそれぞれ変化させて塗布し、各塗布量の時における着色層形成用塗工液の色度を測定する。その後、このデータをグラフ化し、直線近似することにより得られるものとすることができる。なお、通常、着色層形成用塗工液の塗布量と、色度とは比例関係にならないが、本実施態様においては、下記の方法を行うことにより、直線近似させることができる。まず、上記検査用基板やカラーフィルタ用基板と同様の着色層形成用領域を有する検量線作成用基板に対し、各着色層形成用領域にインクジェットヘッドの1ノズルを対応させ、各ノズルより一定の吐出液滴数にて着色層形成用塗工液を塗布する。また、同様の方法により、各着色層形成用領域に対する吐出液滴数の異なる検量線作成用基板を作製し、3種類の検量線作成用基板を作製する。これらの検量線作成用基板の各着色層形成用領域の色度を分光光度計にて計測する。一般的に、各ノズルにおける吐出液滴数と色度の相関は線形近似が可能であるが、本質的には、比例関係とはならないものである。しかしながら、上記各着色層形成用領域に対する吐出液滴数を変えた3種類の検量線作成用基板を作製する際、検量線作成基板の色度の変化量を5%以下とすることにより、直線近似が可能となる。
また本実施態様においては、上記直線近似された検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの調整量が決定されることとなる。上記不良インクジェットノズルの調整量の決定方法として具体的には、例えば図2に示すような、色度と着色層形成用塗工液の吐出量との近似直線に、上記色度検査工程により得られた色度のデータの平均値や上記サンプルデータa、および上記色度検査工程により特定された不良着色層形成領域の色度bを、それぞれ当てはめる。その後、上記近似直線から、色度データの平均値またはサンプルデータaおよび不良着色層形成領域の色度b間の着色層形成用塗工液の吐出量の差cを算出することにより、この吐出量の差cが上記不良インクジェットノズルの調整量として決定される。
なお、上記不良着色層形成領域に、複数のインクジェットノズルを用いて着色層形成用塗工液の塗布を行った場合であって、上記複数のインクジェットノズルのうちの1つが不良インクジェットノズルとして認められた場合にも、上記検量線に各着色層形成用領域の色度の平均値、および不良着色層形成領域の色度をそれぞれ当てはめ、平均値と不良着色層形成領域の着色層形成用塗工液の吐出量の差から、上記不良インクジェットノズルの調整量を決定することができる。
また本工程における上記吐出条件の調整方法としては、例えば着色層形成用領域に吐出する着色層形成用塗工液の液滴数を増減して調整する方法や、インクジェットノズルにかける電圧量やパルス幅を調整すること等によって、インクジェットノズルから一回に吐出される着色層形成用塗工液の量を調整する方法、予め各インクジェットノズルから複数段階の液適量(例えば多い、通常、少ない等)吐出できるように設定しておき、これらを適宜組合わせることによって、着色層形成用塗工液の量を調整する方法、またこれらの方法を必要に応じて2つ以上組合わせる方法等が挙げられる。
2.その他の工程
本実施態様におけるカラーフィルタの製造方法においては、上記色度検査工程および色度調整工程を有する検査調整工程が行われるものであれば特に、その他の工程は限定されるものではない。本実施態様は特に、上記色度検査工程および色度調整工程を有する検査調整工程を、カラーフィルタの製造条件を決定するための製造条件決定工程中に行う態様(第1の態様)と、上記色度検査工程および色度調整工程を有する検査調整工程を、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程中に行う態様(第2の態様)との2つの態様に特に好適に用いられる。以下、それぞれの態様についてわけて説明する。
a.第1の態様
まず、上記色度検査工程および上記色度調整工程を有する検査調整工程が、カラーフィルタの製造条件を決定するための製造条件決定工程中に行われる第1の態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図3のフロー図に示すように、着色層形成用領域を有し、カラーフィルタの製造条件を設定するために用いられる検査用基板を形成する検査用基板形成工程と、上記検査用基板の着色層形成用領域に着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、上記色度検査工程および上記色度調整工程を有する上記検査調整工程とを行うことによりカラーフィルタ条件の製造条件を決定する製造条件決定工程を有し、この製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいて、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程が行われるものとすることができる。なお、上記色度調整工程により調整された不良インクジェットノズルの設定条件は、着色層形成用塗工液塗布工程における着色層形成用塗工液の吐出条件にフィードバックされる。以下、本態様における製造条件決定工程について説明する。
I.製造条件決定工程
本態様における製造条件決定工程は、検査用基板形成工程と、着色層形成用塗工液塗布工程と、上記検査調整工程とを有する工程である。本態様においては、製造条件決定工程として、上記各工程を1回のみ行うことによって製造条件を決定するものであってもよいが、通常、上記各工程を、例えば上記順序で繰り返し行うことにより、カラーフィルタの製造条件が決定される。なお本工程は、上記各工程以外にも適宜必要に応じた工程を有していてもよく、例えばプリベイク工程やポストベイク工程等を有していてもよい。
また、製造条件決定工程に用いられる検査用基板としては、一種類である必要はなく、例えば円形状や矩形状等、任意のパターン状に形成された着色層形成用領域を有する第1の検査用基板を用いて、カラーフィルタの製造条件を大まかに設定した後、実際に製造するカラーフィルタの着色層パターンと同様の着色層形成用領域を有する第2の検査用基板を用いて、より厳密にカラーフィルタの製造条件を設定してもよい。また、さらに複数の検査用基板を用いてカラーフィルタの製造条件を設定してもよい。以下、上記製造条件決定工程における各工程について詳しく説明する。なお、上記検査調整工程については、上述した工程と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(1)検査用基板形成工程
まず、本態様における検査用基板形成工程について説明する。本態様における検査用基板形成工程は、例えば図4(a)に示されるように、着色層を形成するための着色層形成用領域aを有する検査用基板1を形成する工程である。上述したように、本工程において形成される検査用基板は、1種類である必要はなく、本工程は、適宜着色層形成用領域のパターンを変更して検査用基板を形成する工程であってもよい。
上記着色層形成用領域のパターンとしては、上記色度検査工程において着色層形成用塗工液の色ムラを検査可能なパターンであればよく、製造するカラーフィルタの着色層パターンの形状等に合わせて適宜選択される。例えば実際に製造するカラーフィルタの着色層パターンと同じパターンであってもよく、また例えば円形状や矩形状等、検査工程において検査しやすいテストパターン等であってもよい。
また、上記着色層形成用領域としては、着色層形成用塗工液を塗布することにより、着色層を形成可能な領域であればよく、通常、実際にカラーフィルタを製造する際に、基板上に設けられる着色層形成用領域と同一の性状や形状を有するものとされる。このような着色層形成用領域を有する検査用基板としては、例えば着色層形成用領域の周囲に、着色層形成用塗工液を留めるための土手がパターン状に形成されたものや、上記着色層形成用領域が親液性領域であり、かつそれ以外の領域が撥液性領域とされているもの等とすることができる。
ここで本工程は特に、上記着色層形成用領域が親液性領域であり、それ以外の領域が撥液性領域である検査用基板を形成する工程であることが好ましい。このような検査用基板とすることにより、着色層形成用塗工液塗布工程において着色層形成用塗工液が塗布された際、撥液性領域には着色層形成用塗工液が付着せず、親液性である着色層形成用領域のみに高精細に着色層形成用塗工液が付着することが可能となるからである。また実際にカラーフィルタを製造する際にも、この手法が用いられることが、製造効率や、高精細な着色層を形成可能である等の面から好ましいからである。なお、本態様でいう撥液性領域とは、隣接する領域より、液体との接触角が1°以上高い領域をいうこととする。本態様においては特に、上記撥液性領域の表面張力40mN/mの液体との接触角が、50°以上、中でも70°以上であることが好ましい。また撥液性領域の純水との接触角は90°以上、中でも100°以上であることが好ましい。一方、上記親液性領域の表面張力40mN/mの液体との接触角は、9°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下とされることが好ましい。また、純水との接触角は20°以下、中でも10°以下とされることが好ましい。これにより、上記親液性領域のみに、高精細に着色層形成用塗工液を塗布することが可能となるからである。なお、上記液体との接触角は、上記表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得られるものである。
本工程において、上記着色層形成用領域が親液性領域であり、それ以外の領域が撥液性領域である検査用基板を形成する方法としては、例えばエネルギー照射に伴う光触媒の作用により濡れ性が変化する濡れ性変化層を基板表面に形成し、この濡れ性変化層の濡れ性をパターン状(着色層形成用領域のパターン状)に変化させる方法等とすることができる。このような濡れ性変化層を利用して、親液性のパターンを形成する方法としては、例えば特開2002−40230公報や、特開2003−105029公報等に記載された方法を用いることができる。
また、例えば上記着色層形成用領域のみに、親液性を有する材料を用いて層を形成する方法や、上記着色層形成用領域以外の領域のみに、撥液性を有する材料を用いて層を形成する方法等であってもよく、またこれらを組合わせた方法であってもよい。またさらに、着色層形成用領域以外の領域に、有機材料からなる層を形成し、この層に対してフッ素化合物を導入ガスとしてプラズマ照射することにより、着色層形成用領域以外の領域を、撥液性とする方法等であってもよい。なおプラズマ照射を行うことにより、検査用基板を形成する場合、上記着色層形成用領域の表面は、無機材料が露出、または無機材料によって覆われていることが好ましい。これにより、基板全面にプラズマ照射をした場合であっても、上記着色層形成用領域にはフッ素が導入されず、着色層形成用領域以外の領域のみにフッ素が導入されるものとすることができるからである。上記プラズマの照射方法は、例えば特開2000−187111号公報に記載されている方法と同様とすることができる。
(2)着色層形成用塗工液塗布工程
次に、本態様における着色層形成用塗工液塗布工程について説明する。本工程は、例えば図4(b)および(c)に示されるように、上記検査用基板1の上記着色層形成用領域a上に、インクジェットノズル2を用いて、着色層形成用塗工液3を塗布する工程である。
ここで、本態様のカラーフィルタの製造方法において、初めて着色層形成用塗工液塗布工程が行われる場合には、本工程は通常の吐出条件により着色層形成用塗工液を吐出する工程とされる。また本態様のカラーフィルタの製造方法において2回目以降に本工程が行われる場合には、上述した色度調整工程によって調整された吐出条件に基づいて着色層形成用塗工液の吐出が行われることとなる。これにより、先に行われた色度調整工程における調整によって、不良インクジェットノズルの吐出条件が最適化されたかを色度検査工程により検査することができ、また本工程後に行われる色度調整工程において、さらに微調整を行うことも可能となるからである。
また、本工程において着色層形成用塗工液を塗布するために用いられるインクジェット装置としては、一般的にカラーフィルタを製造する際に用いられるものと同様とすることができる。
また、本工程に用いられる着色層形成用塗工液としては、通常、実際にカラーフィルタを製造する際に用いられる着色層形成用塗工液と同一のものとされるが、例えば必要に応じてテスト用の着色層形成用塗工液等が用いられてもよい。このような着色層形成用塗工液としては、インクジェット法を用いてカラーフィルタを製造する際に一般的に用いられるものと同様とすることができる。
(3)プリベイク工程
上述したように、本態様の製造条件決定工程は、プリベイク工程を有するものであってもよい。プリベイク工程は、上述した着色層形成用塗工液塗布工程により塗布された着色層形成用塗工液をプリベイクする工程である。本工程により着色層形成用塗工液をプリベイクし、着色層形成用塗工液をある程度固化させることによって、上記検査調整工程における色度検査工程において着色層形成用塗工液どうしが混色してしまうことや、各着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の状態が変化してしまうこと等を防ぐことができ、より正確に検査を行うことが可能となる。
本工程においては、上記着色層形成用塗工液が流動性を有しない状態となるまで固化させることが可能であれば、そのプリベイクの条件等は特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタの製造方法におけるプリベイクの条件と同様とすることができる。
II.その他の工程
本態様のカラーフィルタの製造方法においては、上記製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいて、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程が行われる。上記カラーフィルタ製造工程として具体的には、上述した検査用基板形成用工程と同様の工程により、着色層を形成するための着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の着色層形成用領域上に着色層形成用塗工液を塗布するカラーフィルタ着色層形成用塗工液塗布工程と、上記着色層形成用塗工液をプリベイクするカラーフィルタ着色層プリベイク工程と、プリベイクされた着色層形成用塗工液をポストベイクするカラーフィルタ着色層ポストベイク工程とを有する工程等とすることができる。
なお、上記カラーフィルタ用基板としては、着色層を形成するパターン状に着色層形成用領域が形成されたものとすることができ、上記着色層形成用領域は、上述した検査用基板に形成される着色層形成用領域と同様の性状、または形状等を有するものとされる。また、上記カラーフィルタ着色層形成用塗工液塗布工程においては、上述した製造条件決定工程により決定された吐出条件に基づいて着色層形成用塗工液の塗布が行われることとなる。また上記カラーフィルタ着色層プリベイク工程やカラーフィルタ着色層ポストベイク工程としては、一般的なカラーフィルタの製造方法における各工程と同様とすることができる。
なお、本態様において、上記製造条件決定工程により決定された製造条件を利用して、カラーフィルタを製造している場合であっても、製造工程中で、例えば色ムラ等の不具合が生じた場合には、再度上記製造条件決定工程を行い、着色層形成用塗工液の吐出条件を決定しなおしてもよい。
b.第2の態様
次に、本実施態様のカラーフィルタの製造方法の第2の態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図5のフロー図に示されるように、着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の着色層形成用領域上に着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、この着色層形成用塗工液をプリベイクするプリベイク工程と、ポストベイク工程とを行うことによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程を有し、上記色度検査工程および上記色度調整工程を含む検査調整工程が、上記着色層形成用塗工液塗布工程後に行われるものとされる。本態様においては、例えば図5のフロー図に示すように、上記色度検査工程および色度調整工程が、上記プリベイク工程とポストベイク工程との間に行われるものであってもよいが、例えば図6のフロー図に示すように、上記色度検査工程および色度調整工程が、上記着色層形成用塗工液塗布工程と上記プリベイクとの間に行われるものであってもよい。
上記色度検査工程および色度調整工程を有する検査調整工程を、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程中に行うことによって、製造された各カラーフィルタに色ムラがないかを検査することができ、色ムラが生じている場合には、上記色度調整工程によって、直ちに不良インクジェットノズルを調整し、その調整結果を着色層形成用塗工液塗布工程にフィードバックすることができる。したがって、本態様によれば、色ムラのないカラーフィルタを製造することが可能となるのである。なお、上記色度検査工程において、不良着色層形成領域が認められない場合には、上記色度調整工程を行うことなく、上記プリベイク工程やポストベイク工程が行われることとなる。以下、本態様のカラーフィルタの製造方法のカラーフィルタ製造工程について説明する。
I.カラーフィルタ製造工程
本態様におけるカラーフィルタ製造工程は、カラーフィルタ用基板形成工程と、着色層形成用塗工液塗布工程と、プリベイク工程と、検査調整工程と、ポストベイク工程とを有し、カラーフィルタを製造する工程である。なお本工程は、上記各工程以外にも必要に応じて適宜必要な工程を有していてもよく、例えば着色層上に配向膜を形成する配向膜形成工程等を有していてもよい。以下、上記カラーフィルタ製造工程における各工程について詳しく説明する。なお、本態様における色度調整工程および色度検査工程を有する検査調整工程については、上述した工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
(1)カラーフィルタ用基板形成工程
まず、本態様におけるカラーフィルタ用基板形成工程について説明する。本態様のカラーフィルタ用基板形成工程は、着色層を形成するための着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成する工程である。
本工程において形成されるカラーフィルタ用基板としては、目的とする形状に着色層を形成可能な着色層形成用領域を有するものであれば、その着色層形成用領域の性状や形状等は特に限定されるものではない。例えば本工程により形成されるカラーフィルタ用基板は、着色層形成用領域の周囲に、着色層形成用塗工液を留めるための土手がパターン状に形成されたものであってもよく、また上記着色層形成用領域が親液性領域とされ、かつ上記着色層形成用領域以外の領域が撥液性領域とされているもの等であってもよい。
本工程は特に、上記着色層形成用領域が親液性領域であり、それ以外の領域が撥液性領域であるカラーフィルタ用基板を形成する工程であることが好ましい。このようなカラーフィルタ用基板とすることにより、着色層形成用塗工液塗布工程において着色層形成用塗工液が塗布された際、撥液性領域には着色層形成用塗工液が付着せず、親液性である着色層形成用領域のみに高精細に着色層形成用塗工液が付着するものとすることができる。したがって、後述する着色層形成用塗工液塗布工程により、高精細なパターン状に着色層形成用塗工液を塗布することが可能となり、高品質な色表示が可能なカラーフィルタを製造することができるからである。
このような着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板や、その形成方法としては、上述した第1の態様の検査用基板形成工程により形成される検査用基板や、その形成方法と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)着色層形成用塗工液塗布工程
次に、本態様における着色層形成用塗工液塗布工程について説明する。本工程は、上記カラーフィルタ用基板の上記着色層形成用領域上に、インクジェットノズルを用いて、着色層形成用塗工液を塗布する工程である。
ここで、本態様のカラーフィルタの製造方法において、初めて着色層形成用塗工液塗布工程が行われる場合には、本工程は通常の吐出条件、もしくは予め設定された吐出条件により着色層形成用塗工液を吐出する工程とされる。なお予め設定された吐出条件とは、上述した第1の態様で説明したような製造条件決定工程等により設定された条件をいうこととする。
また本態様のカラーフィルタの製造方法において2回目以降に本工程が行われる場合には、上述した色度調整工程によって調整された吐出条件に基づいて着色層形成用塗工液の吐出が行われることとなる。これにより、より良好な吐出条件で着色層形成用塗工液を塗布することが可能となり、より色ムラ等の少ないカラーフィルタを製造することが可能となるからである。なお上述したように、色度検査工程において特に不良着色層形成領域が認められない場合には、色度調整工程が行われる必要がなく、本工程は、先に決定されている吐出条件に基づいて着色層形成用塗工液の吐出が行われるものとされる。
また、本工程に用いられる着色層形成用塗工液としては、製造されるカラーフィルタの種類等により適宜選択され、一般的にカラーフィルタの製造に用いられるものと同様とすることができる。
なお、本工程に用いられるインクジェット装置等については、上述した第1の態様の着色層形成用塗工液塗布工程で説明したものと同様とすることができる。
(3)プリベイク工程
次に、本態様におけるプリベイク工程について説明する。本工程は、上述した着色層形成用塗工液塗布工程により塗布された着色層形成用塗工液をプリベイクする工程である。本工程により着色層形成用塗工液をプリベイクし、着色層形成用塗工液をある程度固化させることによって、上記色度検査工程において着色層形成用塗工液どうしが混色してしまうことや、各着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の状態が変化してしまうこと等を防ぐことができ、より正確に検査を行うことが可能となる。
本工程においては、上記着色層形成用塗工液が流動性を有しない状態となるまで固化させることが可能であれば、そのプリベイクの条件等は特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタの製造方法におけるプリベイクの条件と同様とすることができる。
(4)ポストベイク工程
次に、本態様におけるポストベイク工程について説明する。本態様におけるポストベイク工程は、上述した着色層形成用塗工液を完全に固化させることが可能な工程であればよく、ポストベイクの条件等は特に限定されるものではない。このような条件としては、一般的なカラーフィルタの製造方法におけるポストベイクの条件と同様とすることができる。
II.その他の工程
本実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述したカラーフィルタ製造工程以外にも、必要に応じて、例えば上記第1の態様で説明した製造条件決定工程等を有していてもよい。
B.第2実施態様
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法の第2実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の輝度を測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する輝度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布した上記インクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する輝度調整工程とを有する検査調整工程が行われることを特徴とするものである。
本実施態様においては、上記検査調整工程における輝度検査工程によって、着色層形成用領域に色ムラの生じている不良着色層形成領域が特定される。その後、上記輝度調整工程において、この不良着色層形成領域に対して着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から、吐出量等に問題のある不良インクジェットノズルが特定され、この不良インクジェットノズルの設定が調整されることとなる。この調整結果が着色層形成用塗工液を塗布する際の設定条件にフィードバックされることによって、本実施態様によれば、輝度ムラの少ない、高品質なカラーフィルタを製造することが可能となるのである。また本実施態様においては、輝度と、着色層形成用塗工液の量との関係を直線近似した検量線を用いて、上記不良インクジェットノズルの設定の調整が行われることから、上記輝度検査工程により得られたデータと、上記検量線とを照らし合わせて、上記不良インクジェットノズルから着色層形成用領域に塗布される着色層形成用塗工液の量を、どれくらい増減させればよいのか、容易に判断することが可能となる。したがって、本実施態様によれば、効率よく輝度調整工程を行うことが可能であり、製造効率等の面からも好ましいカラーフィルタの製造方法とすることができる。
以下、本実施態様における検査調整工程、およびその他の工程について説明する。
1.検査調整工程
本実施態様における検査調整工程は、少なくとも後述する輝度検査工程および輝度調整工程を有するものであればよく、必要に応じて適宜他の工程を有していてもよい。なお、上記輝度検査工程および輝度調整工程は、この順で行われることとなる。以下、輝度調整工程および輝度検査工程について説明する。
(輝度検査工程)
まず、検査調整工程において行われる輝度検査工程について説明する。本実施態様における輝度検査工程は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の輝度を測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する工程である。
本工程において上記着色層形成用領域の輝度を測定する方法としては、蛍光灯等の光源を用いて、上記着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の透過画像をRGB各色の色分解フィルタを使用したCCDカメラ等で撮影し、全面または測定したい領域を画像として記録する。その後、この画像のRGB各色の濃淡の分布を解析し、輝度分布として算出する方法等とすることができる。なお、CCDカメラ取得画像は輝度データとして算出できればモノクロでもカラーでも良い。また、顕微鏡型分光光度計を用い、上記着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の測定したい領域について、輝度を計測する方法も用いることができる。
本工程においては、例えば上記方法により輝度の測定を行い、各着色層形成用領域について得られた輝度のデータから平均値を求める。その後、各着色層形成用領域の輝度データと上記平均値とを比較し、上記平均値から所定の値以上、値がずれているものを抽出することによって、不良着色層形成領域を特定すること等ができる。なお、上記不良着色層形成領域を特定するための平均値からのズレ幅は、製造するカラーフィルタの種類等によって適宜選択される。
また上記検査調整工程が、後述するカラーフィルタ製造工程中で行われる場合等には、カラーフィルタを製造する前の製造条件決定工程等により得られた、色ムラや輝度ムラ等の少ないサンプルのデータと比較し、上記サンプルデータから所定の値以上、輝度がずれている着色層形成用領域を抽出し、抽出された着色層形成用領域を不良着色層形成領域とする方法としてもよい。
また、各着色層形成用領域についての輝度データの算出が難しい場合には、隣接する複数の着色層形成用領域についての輝度データを用いて、上記平均値やサンプルデータとの比較を行い、上記複数の着色層形成用領域についての輝度データが、平均値やサンプルデータから所定の値以上ずれている場合、上記複数の着色層形成用領域を不良着色層形成領域として扱ってもよい。この場合、後述する輝度調整工程において、これらの複数の着色層形成用領域にそれぞれ用いられたインクジェットノズルの中から、不良インクジェットノズルが特定されることとなる。
(輝度調整工程)
次に、上記検査調整工程において行われる輝度調整工程について説明する。本実施態様における輝度調整工程は、上記輝度検査工程により特定された上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する工程であって、上記輝度検査工程後に行われるものである。
ここで、上記不良インクジェットノズルを特定する方法としては、上述した第1実施態様の色度調整工程において、不良インクジェットノズルを特定する方法と同様とすることができる。なお、本工程においても、上記方法により不良インクジェットノズルが特定できない場合には、上記輝度検査工程において上記不良着色層形成領域を特定するために用いられる平均値からのズレ幅を、より小さく、または大きく設定しなおすことによって、不良着色層形成領域の数を多く、または少なくし、不良インクジェットノズルの特定が行われることが好ましい。
また本工程における吐出条件の調整の際に用いられる検量線は、後述する製造条件決定工程またはカラーフィルタ製造工程を行う前に、製造条件決定工程に用いられる検査用基板やカラーフィルタ製造工程に用いられるカラーフィルタ用基板の着色層形成用領域に、着色層形成用塗工液の量をそれぞれ変化させて塗布し、各塗布量の時における着色層形成用塗工液の輝度を測定する。その後、このデータをグラフ化し、直線近似することにより得られるものとすることができる。なお、通常、着色層形成用塗工液の塗布量と、輝度とは比例関係にならないが、本実施態様においては、下記の方法を行うことにより、直線近似させることができる。まず、上記検査用基板やカラーフィルタ用基板と同様の着色層形成用領域を有する検量線作成用基板に対し、各着色層形成用領域にインクジェットヘッドの1ノズルを対応させ、各ノズルより一定の吐出液滴数にて着色層形成用塗工液を塗布する。また、同様の方法により、各着色層形成用領域に対する吐出液滴数の異なる検量線作成用基板を作製し、3種類の検量線作成用基板を作製する。これらの検量線作成用基板の各着色層形成用塗工液が塗布された面とは反対側の面より蛍光灯等の光源にて光を照射し、その透過光を着色層が形成された面側からCCDカメラにて撮像する。撮像に際し、CCDカメラにRGB各色の色分解フィルタを設置し、R検査用画像、G検査用画像、B検査用画像の3種類の画像を取得する。これらの画像を画像処理し、輝度の分布に変換、画素の位置と輝度の分布を解析することにより各ノズルにおける吐出液滴数と輝度の相関をとる。ここで、各ノズルにおける吐出液滴数と輝度の相関は線形近似が可能であるが、本質的には、比例関係とはならないものである。しかしながら、上記各着色層形成用領域に対する吐出液滴数を変えた3種類の検量線作成用基板を作製する際、輝度の変化量を5%以下とすることにより、直線近似が可能となる。
また本実施態様においては、上記直線近似された検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの調整量が決定されることとなるが、上記不良インクジェットノズルの調整量の決定方法として具体的には、上述した色度調整工程におけるノズルの調整量の決定方法と同様に、輝度と着色層形成用塗工液の吐出量との近似直線に、上記輝度検査工程により得られた輝度のデータの平均値またはサンプルデータ、および上記輝度検査工程により特定された不良着色層形成領域の輝度を、それぞれ当てはめる。その後、上記近似直線から、輝度データの平均値またはサンプルデータおよび不良着色層形成領域の輝度間の着色層形成用塗工液の吐出量の差を算出することにより、この吐出量の差が上記不良インクジェットノズルの調整量として決定される。
2.その他の工程
本実施態様におけるカラーフィルタの製造方法においては、上記輝度検査工程および輝度調整工程を有する検査調整工程が行われるものであれば特に、その他の工程は限定されるものではない。本実施態様は特に、上記検査調整工程をカラーフィルタの製造条件を決定するための製造条件決定工程中に行う態様(第1の態様)と、上記検査調整工程を、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程中に行う態様(第2の態様)との2つの態様に特に好適に用いられる。以下、それぞれの態様についてわけて説明する。
a.第1の態様
まず、上記輝度検査工程および上記輝度調整工程を有する検査調整工程が、カラーフィルタの製造条件を決定するための製造条件決定工程中に行われる第1の態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図7のフロー図に示すように、着色層形成用領域を有し、カラーフィルタの製造条件を設定するために用いられる検査用基板を形成する検査用基板形成工程と、上記検査用基板の着色層形成用領域に着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、上記輝度検査工程および上記輝度調整工程を含む検査調整工程とを行うことによりカラーフィルタの製造条件を決定する製造条件決定工程を有するものとすることができ、この製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいて、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程が行われるものとすることができる。なお、上記輝度調整工程により調整された不良インクジェットノズルの設定条件は、着色層形成用塗工液塗布工程における着色層形成用塗工液の吐出条件にフィードバックされる。以下、本態様における製造条件決定工程について説明する。
I.製造条件決定工程
本態様における製造条件決定工程は、検査用基板形成工程と、着色層形成用塗工液塗布工程と、上記検査調整工程とを有する工程である。本態様においては、製造条件決定工程として、上記各工程を1回のみ行うことによって、カラーフィルタの製造条件が決定されるものであってもよいが、通常、上記各工程を、例えば上記順序で繰り返し行うことにより、カラーフィルタの製造条件が決定される。また本工程は、上記各工程以外にも適宜必要な工程を有していてもよく、例えばプリベイク工程やポストベイク工程等を有していてもよい。
また、製造条件決定工程に用いられる検査用基板としては、一種類である必要はなく、例えば円形状や矩形状等、任意のパターン状に形成された着色層形成用領域を有する第1の検査用基板を用いて、カラーフィルタの製造条件を大まかに設定した後、実際に製造するカラーフィルタの着色層パターンと同様の着色層形成用領域を有する第2の検査用基板を用いて、より厳密にカラーフィルタの製造条件を設定してもよい。また、さらに複数の検査用基板を用いてカラーフィルタの製造条件を設定してもよい。なお、上記輝度検査工程および上記輝度調整工程を有する検査調整工程については、上述した工程とすることができ、上記検査用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程等については、上述した第1実施態様の第1の態様で説明した工程と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
II.その他の工程
本態様のカラーフィルタの製造方法においては、上記製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいて、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程が行われる。上記カラーフィルタ製造工程として具体的には、上述した検査用基板形成用工程と同様の工程により、着色層を形成するための着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の着色層形成用領域上に着色層形成用塗工液を塗布するカラーフィルタ着色層形成用塗工液塗布工程と、上記着色層形成用塗工液をプリベイクするカラーフィルタ着色層プリベイク工程と、プリベイクされた着色層形成用塗工液をポストベイクするカラーフィルタ着色層ポストベイク工程とを有する工程等とすることができる。
なお、上記カラーフィルタ用基板としては、着色層を形成するパターン状に着色層形成用領域が形成されたものとすることができ、上記着色層形成用領域は、上述した検査用基板に形成される着色層形成用領域と同様の性状、または形状等を有するものとされる。また、上記カラーフィルタ着色層形成用塗工液塗布工程においては、上述した製造条件決定工程により決定された吐出条件に基づいて着色層形成用塗工液の塗布が行われることとなる。また上記カラーフィルタ着色層プリベイク工程やカラーフィルタ着色層ポストベイク工程としては、一般的なカラーフィルタの製造方法における各工程と同様とすることができる。
なお、本態様において、上記製造条件決定工程により決定された製造条件を利用して、カラーフィルタを製造している場合であっても、製造工程中で、例えば輝度ムラ等の不具合が生じた場合には、再度上記製造条件決定工程を行い、着色層形成用塗工液の吐出条件を決定しなおしてもよい。
b.第2の態様
次に、本実施態様のカラーフィルタの製造方法の第2の態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図8のフロー図に示されるように、着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の着色層形成用領域上に着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、この着色層形成用塗工液をプリベイクするプリベイク工程と、ポストベイク工程とを行うことによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程を有し、上記輝度検査工程および上記輝度調整工程を含む検査調整工程が、上記着色層形成用塗工液塗布工程後に行われるものである。本態様においては、例えば図8のフロー図に示すように、上記輝度検査工程および輝度調整工程が、プリベイク工程とポストベイク工程との間に行われるものであってもよく、また例えば図9のフロー図に示すように、上記輝度検査工程および輝度調整工程が、着色層形成用塗工液塗布工程とプリベイク工程との間に行われるものであってもよい。
上記輝度検査工程を、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程中に行うことによって、製造された各カラーフィルタに輝度ムラがないかを検査することができ、輝度ムラが生じている場合には、上記輝度調整工程によって、直ちに不良インクジェットノズルを調整し、その調整結果を着色層形成用塗工液塗布工程にフィードバックすることができる。したがって、本態様によれば、輝度ムラのないカラーフィルタを製造することが可能となるのである。なお、上記輝度検査工程において、不良着色層形成領域が認められない場合には、上記輝度調整工程を行うことなく、上記プリベイク工程やポストベイク工程が行われることとなる。以下、本態様のカラーフィルタの製造方法のカラーフィルタ製造工程について説明する。
I.カラーフィルタ製造工程
本態様におけるカラーフィルタ製造工程は、カラーフィルタ用基板形成工程と、着色層形成用塗工液塗布工程と、プリベイク工程と、上記検査調整工程と、ポストベイク工程とを有し、カラーフィルタを製造する工程である。なお本工程は、上記各工程以外にも適宜必要な工程を有していてもよく、例えばポストベイク工程後、配向膜を形成する配向膜形成工程等を有していてもよい。
なお、上記輝度検査工程および輝度調整工程を有する検査調整工程については、上述した工程と同様とすることができ、上記カラーフィルタ用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、プリベイク工程、およびポストベイク工程については、上述した第1実施態様の第2の態様で説明した工程と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
II.その他の工程
本態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述したカラーフィルタ製造工程以外にも、必要に応じて、例えば上記第1実施態様の第1の態様で説明した製造条件決定工程等を有していてもよい。
C.第3実施態様
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法における第3実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の色度を分光光度法により測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する色度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布した上記インクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、色度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する色度調整工程と、着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の輝度を測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する輝度検査工程と、上記不良着色層形成領域に上記着色層形成用塗工液を塗布した上記インクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、上記不良インクジェットノズルの設定を調整する輝度調整工程とを有する検査調整工程が行われるものである。
本実施態様によれば、上記色度検査工程によって、着色層形成用領域に色ムラの生じている不良着色層形成領域が特定される。その後、上記色度調整工程において、この不良着色層形成領域に対して着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から、吐出量等に問題のある不良インクジェットノズルが特定され、この不良インクジェットノズルの設定が調整されることとなる。またさらに、上記輝度検査工程によって、着色層形成用領域に輝度ムラの生じている不良着色層形成領域が特定される。その後、上記輝度調整工程において、この不良着色層形成領域に対して着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から、吐出量等に問題のある不良インクジェットノズルが特定され、この不良インクジェットノズルの設定が調整されることとなる。
これらの調整結果が着色層形成用塗工液を塗布する際の設定条件にフィードバックされることによって、本実施態様によれば、色ムラおよび輝度ムラの少ない、高品質なカラーフィルタを製造することが可能となるのである。
また本実施態様においては、色度または輝度と、着色層形成用塗工液の量との関係を直線近似した検量線を用いて、上記色度調整工程または輝度調整工程において、上記不良インクジェットノズルの設定の調整が行われることから、上記色度検査工程または上記輝度検査工程により得られたデータと、上記検量線とを照らし合わせて、上記不良インクジェットノズルから着色層形成用領域に塗布される着色層形成用塗工液の量を、どれくらい増減させればよいのか、容易に判断することが可能となる。したがって、本実施態様によれば、効率よく色度調整工程および輝度調整工程を行うことが可能であり、製造効率等の面からも好ましいカラーフィルタの製造方法とすることができる。以下、本実施態様における検査調整工程、およびその他の工程について説明する。
1.検査調整工程
本実施態様における検査調整工程は、少なくとも上記色度検査工程、上記色度調整工程、輝度検査工程、および輝度調整工程を有するものであればよく、必要に応じて適宜他の工程を有していてもよい。本実施態様においては、通常、上記輝度検査工程および輝度調整工程が連続して行われ、また色度検査工程および色度調整工程が連続して行われることとなる。本実施態様においては、例えば輝度検査工程および輝度調整工程からなる輝度検査調整工程を行った後に、色度検査工程および色度調整工程からなる色度検査調整工程が行われるものであってもよく、また上記色度検査調整工程を行った後に、上記輝度検査調整工程が行われるものであってもよい。また特に、上記色度検査調整工程および輝度検査工程を交互に繰り返し行うことが、より色度ムラや色ムラのないものとすることができ、高品質なカラーフィルタを製造することができるという面から好ましい。
なお、上記色度検査工程、色度調整工程、輝度検査工程、および輝度調整工程については、上述した第1実施態様および第2実施態様で説明した工程と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.その他の工程
本実施態様におけるカラーフィルタの製造方法においては、色度調整工程、色度検査工程、輝度検査工程、および輝度調整工程を有する検査調整工程が行われるものであれば特に、その他の工程は限定されるものではない。本実施態様は特に、上記検査調整工程をカラーフィルタの製造条件を決定するための製造条件決定工程中に行う態様(第1の態様)と、上記検査調整工程を、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程中に行う態様(第2の態様)との2つの態様に特に好適に用いられる。以下、それぞれの態様についてわけて説明する。
a.第1の態様
まず、上記色度検査工程、色度調整工程、輝度検査工程、および輝度調整工程を有する検査調整工程が、カラーフィルタの製造条件を決定するための製造条件決定工程中に行われる第1の態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図11のフロー図に示すように、着色層形成用領域を有し、カラーフィルタの製造条件を設定するために用いられる検査用基板を形成する検査用基板形成工程と、上記検査用基板の着色層形成用領域に着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、上記色度検査工程、上記色度調整工程、上記輝度検査工程、および上記輝度調整工程を含む検査調整工程を行うことによりカラーフィルタの製造条件を決定する製造条件決定工程を有するものとすることができ、この製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいて、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程が行われるものとすることができる。なお、上記検査調整工程における輝度調整工程および上記色度調整工程により調整された不良インクジェットノズルの設定条件は、着色層形成用塗工液塗布工程における着色層形成用塗工液の吐出条件にフィードバックされる。以下、本態様における製造条件決定工程について説明する。
I.製造条件決定工程
本態様における製造条件決定工程は、検査用基板形成工程と、着色層形成用塗工液塗布工程と、上記検査調整工程とを有する工程である。本態様においては、製造条件決定工程として、上記各工程が1回のみ行われることによって、カラーフィルタの製造条件が決定されるものであってもよいが、通常、上記各工程を、例えば上記順序で繰り返し行うことにより、カラーフィルタの製造条件が決定される。また本工程は、上記各工程以外にも適宜必要な工程を有していてもよく、プリベイク工程やポストベイク工程等を有していてもよい。
また、製造条件決定工程に用いられる検査用基板としては、一種類である必要はなく、例えば円形状や矩形状等、任意のパターン状に形成された着色層形成用領域を有する第1の検査用基板を用いて、カラーフィルタの製造条件を大まかに設定した後、実際に製造するカラーフィルタの着色層パターンと同様の着色層形成用領域を有する第2の検査用基板を用いて、より厳密にカラーフィルタの製造条件を設定してもよい。また、さらに複数の検査用基板を用いてカラーフィルタの製造条件を設定してもよい。なお、上記検査調整工程については、上述した工程とすることができ、また検査用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程等については、上述した第1実施態様の第1の態様で説明した各工程と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
II.その他の工程
本態様のカラーフィルタの製造方法においては、上記製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいて、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程が行われる。上記カラーフィルタ製造工程として具体的には、上述した検査用基板形成用工程と同様の工程により、着色層を形成するための着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の着色層形成用領域上に着色層形成用塗工液を塗布するカラーフィルタ着色層形成用塗工液塗布工程と、上記着色層形成用塗工液をプリベイクするカラーフィルタ着色層プリベイク工程と、プリベイクされた着色層形成用塗工液をポストベイクするカラーフィルタ着色層ポストベイク工程とを有する工程等とすることができる。
なお、上記カラーフィルタ用基板としては、着色層を形成するパターン状に着色層形成用領域が形成されたものとすることができ、上記着色層形成用領域は、上述した検査用基板に形成される着色層形成用領域と同様の性状、または形状等を有するものとされる。また、上記カラーフィルタ着色層形成用塗工液塗布工程においては、上述した製造条件決定工程により決定された吐出条件に基づいて着色層形成用塗工液の塗布が行われることとなる。また上記カラーフィルタ着色層プリベイク工程やカラーフィルタ着色層ポストベイク工程としては、一般的なカラーフィルタの製造方法における各工程と同様とすることができる。
なお、本態様において、上記製造条件決定工程により決定された製造条件を利用して、カラーフィルタを製造している場合であっても、製造工程中で、例えば色ムラや輝度ムラ等の不具合が生じた場合には、再度上記製造条件決定工程を行い、着色層形成用塗工液の吐出条件を決定しなおしてもよい。
b.第2の態様
次に、本実施態様のカラーフィルタの製造方法の第2の態様について説明する。本態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図9のフロー図に示されるように、着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の着色層形成用領域上に着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、この着色層形成用塗工液をプリベイクするプリベイク工程と、ポストベイク工程とを行うことによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程を有し、上記色度検査工程、色度調整工程、輝度検査工程、および輝度調整工程を含む検査調整工程が、上記着色層形成用塗工液塗布工程後に行われるものである。本態様においては、例えば図11のフロー図に示されるように、上記検査調整工程が、上記プリベイク工程とポストベイク工程との間に行われるものであってもよく、また例えば図12のフロー図に示されるように、上記検査調整工程が、着色層形成用塗工液塗布工程とプリベイク工程との間に行われるものであってもよい。
ここで、上記検査調整工程において、上記輝度検査工程および輝度調整工程のいずれもが各検査用基板に対して行われる必要はなく、一方の検査工程および調整工程を、各検査用基板について行い、もう一方の検査工程および調整工程を数枚の検査用基板のうちの一枚に対して行うもの等としてもよい。なお、本態様においては特に、上記輝度検査工程および輝度調整工程を各検査用基板に対して行い、上記色度検査工程および色度調整工程を、数枚の検査用基板のうちの一枚に対して行うことが好ましい。輝度検査工程および輝度調整工程は、比較的短時間で行うことが可能である。一方の色度検査工程および色度調整工程は、色度検査工程により得られた色度のデータと各着色層形成用領域の位置とを対応させることが容易であり、より詳細に色度調整工程において不良インクジェット用ノズルを特定し、調整することが可能となるという利点を有している。したがって、これらを上述したように組合わせて行うことにより、より高品質なカラーフィルタを製造可能となるからである。
上記輝度検査工程および上記色度検査工程を、カラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程中に行うことによって、製造された各カラーフィルタに色ムラや輝度ムラがないかを検査することができ、色ムラや輝度ムラが生じている場合には、上記輝度調整工程および色度調整工程によって、直ちに不良インクジェットノズルを調整し、その調整結果を着色層形成用塗工液塗布工程にフィードバックすることができる。したがって、本態様によれば、色ムラや輝度ムラのないカラーフィルタを製造することが可能となるのである。なお、上記色度検査工程または輝度検査工程において、不良着色層形成領域が認められない場合には、上記色度調整工程または輝度調整工程を行うことなく、上記プリベイク工程やポストベイク工程が行われることとなる。以下、本態様のカラーフィルタの製造方法のカラーフィルタ製造工程について説明する。
I.カラーフィルタ製造工程
本態様におけるカラーフィルタ製造工程は、カラーフィルタ用基板形成工程と、着色層形成用塗工液塗布工程と、プリベイク工程と、上記検査調整工程と、ポストベイク工程とを有し、カラーフィルタを製造する工程である。なお本工程は、上記各工程以外にも適宜必要な工程を有していてもよく、例えばポストベイク工程後、配向膜を形成する配向膜形成工程等を有していてもよい。なお、上記検査調整工程については、上述した工程とすることができ、また上記カラーフィルタ用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、プリベイク工程、およびポストベイク工程については、上述した第1実施態様の第2の態様で説明した各工程と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
II.その他の工程
本態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述したカラーフィルタ製造工程以外にも、必要に応じて、例えば上記第1実施態様の第1の態様で説明した製造条件決定工程等を有していてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(検量線の作成および製造条件決定工程)
〔検量線作成用基板の作製〕
カラーフィルタ用ガラス材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning社製EAGLE2000を用意し、このガラス基材上にフォトリソグラフィー法にて樹脂製のブラックマトリクスを形成した。ブラックマトリクスは開口部が100μm×300μm、遮光部分の線幅が20μmとなるように形成し、横方向に120μmピッチ、縦方向に320μmピッチにて縦横ともそれぞれ1000画素ずつ配置されるものとした。またこの際、遮光部分の膜厚は平均1.5μmとした。
上記ブラックマトリクス付ガラス基材に対し、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ処理を加えることにより、ブラックマトリクスの表面を撥液性に、それ以外の領域(着色層形成用領域)を親液性とした。このとき表面張力40mN/mの液体との接触角は、ブラックマトリクス上で65°、着色層形成用領域で10°であった。
次に、上記親疎液性を有する検量線作成用基板に対し、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布した。着色層形成用塗工液は、カラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等からなるRGB各色の顔料分散型インクを用い、1つの開口部(着色層形成用領域)あたり130滴にて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計したものを用いた。またこのときのインクジェットヘッドへの印加電圧は75V、パルス幅は6μsであった。またさらに、インクジェットヘッドは1ヘッドにつき100ノズルを有するものを用い、1色につき1ヘッド、すなわちRGB3色にて3ヘッドを用いた。塗布は、各着色層形成用領域(1画素)あたり1ノズルが配置されるように位置決めして行い、ノズルから吐出された着色層形成用塗工液の各液滴が、上記着色層形成用領域内に着弾するように行った。また着色層形成用塗工液は横方向にRGBの順に繰り返し配置し、縦方向には同色が並ぶように配置した。
なおこの際、各色の着色層形成用塗工液は開口部全域に塗れ広がり、かつ異なる色同士が混色することは無かった。
上記着色層形成用塗工液を着弾させた検量線作成用基板を120℃のホットプレートに設置し10分間プリベイクした。プリベイク後の着色層形成用塗工液は、先端の直径が12μmの針で5mgの圧力にて表面を触針しても傷が入らない程度に固化し、混色しない状態であった。なお、各着色層形成用領域に、それぞれ100滴ずつ、120滴ずつ、140滴ずつ着色層形成用塗工液を塗布した3種類の検量線作成用基板を形成した。
〔検量線の作成(色度)〕
上記着色層を形成した3種類の検量線作成用基板の、各着色層形成用領域の分光光度を、大塚電子製顕微鏡型分光光度計LCF−seriesにて測定し、測定値より色度Rx、Gy、Byを算出した。その後、インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される吐出液滴数と色度の関係を求め、検量線を作成した。
〔検量線の作成(輝度)〕
上記着色層を形成した3種類の検量線作成用基板の、着色層形成用塗工液が塗布された面とは反対面側より蛍光灯を照射し、この透過光を着色層形成用塗工液が塗布された面側からCCDカメラにて撮像した。撮像に対し、CCDカメラにRGB各色の色分解フィルタを設置し、R補正用画像、G補正用画像、B補正用画像の3種類、計9枚の画像を取得した。またこのときの撮像の分解能は100μm以下となるように設定した。撮像した画像に認められた濃淡を画像処理し、輝度の分布に変換した。その後、各画素の位置と輝度の分布を着弾液滴数の異なる画像より解析し、各画素すなわちインクジェットヘッドの各ノズルから吐出される吐出液滴数と輝度との関係を求め、検量線を作成した。
〔検査用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、色度検査工程、および色度調整工程〕
上述した検量線作製用基板と同様の方法により、検査用基板を作製した。この検査用基板の各着色層形成用領域に、130滴ずつ着色層形成用塗工液を塗布し、上記検量線の作成にて記載した手法と同手法によって測定し、色度分布を算出した。この色度分布および上記検量線より、各着色層形成用領域の色度の差を無くすために必要な各ノズルからの液滴量を算出した。その後、各ノズルに必要とされる液滴数の平均値を算出し、上記平均値と各ノズルに必要とされる液滴数との比率を算出した。
さらに、上記検査用基板を作製し、各着色層形成用領域に、1ノズルあたり26滴に、上記比率を乗じた液滴数ずつ、着色層形成用塗工液の液滴を吐出し、各着色層形成用領域に対し異なるそれぞれ5ノズルを用いて、各着色層形成用領域に塗布する液滴数の平均が130滴となるように着色層形成用塗工液を塗布した。塗布された着色層形成用塗工液の色度データを測定した。この結果、色度データの平均からずれている不良着色層形成領域50画素を特定した。上記50画素に共通して用いられている不良インクジェットノズルは、40番目および52番目のノズルであった。そこで、これらのノズルについて、上記色度の検量線を用いてインクジェットノズルからの吐出量を調整した。
調整された条件を用い、下記のカラーフィルタ用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、プリベイク工程、検査調整工程、ポストベイク工程を行うことにより、カラーフィルタの製造を開始した。なお、カラーフィルタ製造中の検査工程において、調整が必要なカラーフィルタ用基板が認められ次第、生産をとめることなく、調整工程を行った。
(カラーフィルタ用基板形成工程)
上述した検量線作成用基板と同様の方法により、着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を連続して形成した。
(着色層形成用塗工液塗布工程およびプリベイク工程)
上記各カラーフィルタ用基板の各着色層形成用領域上に、上述した方法により算出された液滴量ずつ、着色層形成用塗工液を着弾させて、着色層形成用塗工液を塗布した。その後、120℃のホットプレートに設置し10分間プリベイクした。
(検査調整工程)
上記プリベイク工程後、上述した手法により、全てのカラーフィルタ用基板について撮像し、輝度データの算出を行い、製造されているカラーフィルタ用基板の輝度データが、生産開始時の輝度データと差が生じていないかを確認した。なお、430枚目に作製されたカラーフィルタ用基板に、調整が必要な不良着色層形成領域が50画素生じていることが確認された。そこで、直ちに、生産を止めることなく、不良インクジェットノズルノズルの特定を行った。不良インクジェットノズルは、上記50の不良着色層形成領域に共通して用いられていた27番目のノズルであった。そこで、このノズルについて、上記輝度の検量線を用いて必要とされる調整量の算出を行い、この条件を、着色層形成用塗工液塗布工程におけるインクジェット装置の設定に反映させた。
(ポストベイク工程)
上記検査調整工程が終了したカラーフィルタ用基板について、それぞれポストベイクを行った。
(結果)
1000枚のカラーフィルタを上記方法により製造したところ、色ムラおよび輝度ムラの少ないカラーフィルタを製造することができた。
[実施例2]
(検量線の作成および製造条件決定工程)
〔検量線作成用基板の作製〕
上述した実施例1と同様に、検量線作成用基板を作製した。
〔検量線の作成(色度)〕
上記着色層を形成した3種類の検量線作成用基板の、各着色層形成用領域の分光光度を、大塚電子製顕微鏡型分光光度計LCF−seriesにて測定し、測定値より色度Rx、Gy、Byを算出した。その後、インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される吐出液滴数と色度の関係を求め、検量線を作成した。
〔検量線の作成(輝度)〕
上記着色層を形成した3種類の検量線作成用基板の、各着色層形成用領域の分光光度を、大塚電子製顕微鏡型分光光度計LCF−seriesにて測定し、測定値より輝度(Y値)を算出した。その後、インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される吐出液滴数と輝度の関係を求め、検量線を作成した。
〔検査用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、輝度検査工程、および輝度調整工程〕
上述した検量線作製用基板と同様の方法により、検査用基板を作製した。この検査用基板の各着色層形成用領域に、130滴ずつ着色層形成用塗工液を塗布し、上記検量線の作成にて記載した手法と同手法によって撮像し、輝度分布を算出した。この輝度分布および上記検量線より、各着色層形成用領域の輝度の差を無くすために必要な各ノズルからの液滴数を算出した。その後、各ノズルに必要とされる液滴数の平均値を算出し、上記平均値と各ノズルに必要とされる液滴数との比率を算出した。
さらに、上記検査用基板を作製し、各着色層形成用領域に、1ノズルあたり26滴に、上記比率を乗じた液滴数ずつ、着色層形成用塗工液の液滴を吐出し、各着色層形成用領域に対し異なるそれぞれ5ノズルを用いて、各着色層形成用領域に塗布する液滴数の平均が130滴となるように着色層形成用塗工液を塗布し、輝度データを測定した。この結果、輝度データの平均からずれている不良着色層形成領域50画素を特定した。上記50画素に共通して用いられている不良インクジェットノズルは、17番目のノズルであった。そこで、このノズルについて、上記輝度の検量線を用いてインクジェットノズルからの吐出量を調整した。
調整された条件を用い、下記のカラーフィルタ用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、プリベイク工程、検査調整工程、ポストベイク工程を行うことにより、カラーフィルタの製造を開始した。
(カラーフィルタ用基板形成工程)
上述した検量線作成用基板と同様の方法により、着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を連続して形成した。
(着色層形成用塗工液塗布工程およびプリベイク工程)
上記各カラーフィルタ用基板の各着色層形成用領域上に、上述した方法により算出された液滴量ずつ、着色層形成用塗工液を着弾させて、着色層形成用塗工液を塗布した。その後、120℃のホットプレートに設置し10分間プリベイクした。
(検査調整工程)
上記プリベイク工程後、上述した検量線作成時と同様の手法により、200枚に1枚の割合でカラーフィルタ用基板について色度データの算出を行い、生産されているカラーフィルタ用基板の輝度データに、生産開始時の輝度データと差が生じていないかを確認した。なお、1000枚カラーフィルタを作製したが、不良着色層形成領域が認められたものはなかった。
(ポストベイク工程)
上記検査調整工程が終了したカラーフィルタ用基板について、それぞれポストベイクを行った。
(結果)
1000枚のカラーフィルタを上記方法により製造したところ、色ムラおよび輝度ムラの少ないカラーフィルタを製造することができた。
[実施例3]
(検量線の作成および製造条件決定工程)
〔検量線作成用基板の作製および検量線の作成〕
上述した実施例1と同様に、検量線作成用基板を作製し、輝度の検量線および色度の検量線を作成した。
〔検査用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、および検査調整工程〕
上述した検量線作製用基板と同様の方法により、検査用基板を作製した。この検査用基板の各着色層形成用領域に、130滴ずつ着色層形成用塗工液を塗布し、上記検量線の作成にて記載した手法と同手法によって測定し、色度分布を算出した。この色度分布および上記検量線より、各着色層形成用領域の色度の差を無くすために必要な各ノズルからの液滴数を算出した。その後、各ノズルに必要とされる液滴数の平均値を算出し、上記平均値と各ノズルに必要とされる液滴数との比率を算出した。
さらに、上記検査用基板を作製し、各着色層形成用領域に、1ノズルあたり26滴に、上記比率を乗じた液滴数ずつ、着色層形成用塗工液の液滴を吐出し、各着色層形成用領域に対し異なるそれぞれ5ノズルを用いて、各着色層形成用領域に塗布する液滴数の平均が130滴となるように着色層形成用塗工液を塗布した。塗布された着色層形成用塗工液の色度データを測定した。この結果、色度データの平均からずれている不良着色層形成領域50画素を特定した。上記50画素に共通して用いられている不良インクジェットノズルは、17番目のノズルであった。そこで、このノズルについて、上記色度の検量線を用いてインクジェットノズルからの吐出量を調整した。
さらに、この検査用基板の、輝度データを測定した。この結果、輝度データの平均からずれている不良着色層形成領域50画素を特定した。上記50画素に共通して用いられている不良インクジェットノズルは、22番目のノズルであった。そこで、このノズルについて、上記色度の検量線を用いてインクジェットノズルからの吐出量を調整した。その後、上記色度検査および調整と、輝度検査および調整とを、交互に3回繰り返し、インクジェットノズルからの吐出量を調整した。
調整された条件を用い、下記のカラーフィルタ用基板形成工程、着色層形成用塗工液塗布工程、プリベイク工程、検査調整工程、ポストベイク工程を行うことにより、カラーフィルタの製造を開始した。
(カラーフィルタ用基板形成工程)
上述した検量線作成用基板と同様の方法により、着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を連続して形成した。
(着色層形成用塗工液塗布工程およびプリベイク工程)
上記各カラーフィルタ用基板の各着色層形成用領域上に、上述した方法により算出された液滴量ずつ、着色層形成用塗工液を着弾させて、着色層形成用塗工液を塗布した。その後、120℃のホットプレートに設置し10分間プリベイクした。
(検査調整工程)
上記プリベイク工程後、上述した検量線作成時と同様の手法により、全てのカラーフィルタ用基板について輝度データの算出を行い、生産されているカラーフィルタ用基板の輝度データに、生産開始時の輝度データと差が生じていないかを確認した。なお、670枚目に作製されたカラーフィルタ用基板に、調整が必要な不良着色層形成領域が50画素生じていることが確認された。そこで、直ちに、生産を止めることなく、不良インクジェットノズルノズルの特定を行った。不良インクジェットノズルは、上記50の不良着色層形成領域に共通して用いられていた53番目のノズルであった。そこで、このノズルについて、上記輝度の検量線を用いて必要とされる調整量の算出を行い、この条件を、着色層形成用塗工液塗布工程におけるインクジェット装置の設定に反映させた。
(ポストベイク工程)
上記検査調整工程が終了したカラーフィルタ用基板について、それぞれポストベイクを行った。
(結果)
1000枚のカラーフィルタを上記方法により製造したところ、色ムラおよび輝度ムラの少ないカラーフィルタを製造することができた。
本発明の色度検査工程および色度調整工程を説明する説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法における色度調整工程を説明するための説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程を説明するための説明図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の各工程を説明するフロー図である。
符号の説明
1 …カラーフィルタ用基板
2 …インクジェットノズル
3 …着色層形成用領域
3’…不良着色層形成領域
a …着色層形成用領域

Claims (5)

  1. 着色層を形成するための着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の色度を分光光度法により測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する色度検査工程と、前記不良着色層形成領域に前記着色層形成用塗工液を塗布したインクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、色度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、前記不良インクジェットノズルの設定を調整する色度調整工程とを有する検査調整工程が行われることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記検査調整工程が、前記着色層形成用領域に塗布された着色層形成用塗工液の輝度を測定し、ムラの生じている不良着色層形成領域を特定する輝度検査工程と、前記不良着色層形成領域に前記着色層形成用塗工液を塗布した前記インクジェットノズルの中から不良インクジェットノズルを特定し、輝度および着色層形成用塗工液量の関係を直線近似した検量線を用い、前記不良インクジェットノズルの設定を調整する輝度調整工程とをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記検査調整工程が、前記色度検査工程および前記色度調整工程からなる色度検査調整工程と、前記輝度検査工程および前記輝度調整工程からなる輝度検査調整工程とを交互に繰り返し行う工程であることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記着色層形成用領域を有する検査用基板を形成する検査用基板形成工程と、
    前記検査用基板の前記着色層形成用領域上に、前記インクジェットノズルを用いて前記着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、
    前記検査調整工程と
    を行うことによりカラーフィルタの製造条件を決定する製造条件決定工程を有し、前記製造条件決定工程により決定された製造条件に基づいてカラーフィルタを製造する請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記着色層形成用領域を有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、
    前記カラーフィルタ用基板の前記着色層形成用領域上に、前記インクジェットノズルを用いて前記着色層形成用塗工液を塗布する着色層形成用塗工液塗布工程と、
    前記着色層形成用塗工液をプリベイクするプリベイク工程と、
    前記着色層形成用塗工液をポストベイクするポストベイク工程と
    を行うことによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造工程を有し、前記検査調整工程が、前記カラーフィルタ製造工程の前記着色層形成用塗工液塗布工程後に行われることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
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