JP4566326B2 - カラーフィルタの分光特性測定方法および分光特性測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタを評価するための色特性の測定方法及び測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶表示装置は、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、パチンコ遊技台、自動車ナビゲーションシステム、小型テレビ等に搭載され、近年需要が増大している。しかしながら、液晶表示装置は価格が高く、そのコストダウンに対する要求は年々強まっている。
【0003】
液晶表示装置を構成するカラーフィルタは、透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)などの各画素を配列して構成され、さらにこれらの各画素の周囲には表示コントラストを高めるために、光遮蔽するためのブラックマトリクスが設けられている。
【0004】
従来、カラーフィルタの製造方法としては、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等が知られている。
【0005】
顔料分散法とは、ガラス基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る工程を、R、G、Bの3色につき3回繰り返すことによりカラーフィルタを形成するものである。
【0006】
染色法とは、ガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料の層を形成し、これをフォトリソグラフィにより所望のパターンに形成し、そしてこのガラス基板を染色漕に浸漬して着色されたパターンを得る工程を、R、G、Bの3色につき3回繰り返すことにより、カラーフィルタを形成するものである。
【0007】
電着法とは、ガラス基板上に透明電極パターンを形成し、このガラス基板を顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して単色を電着させる工程を、R、G、Bの3色につき3回繰り返し、焼成することによりカラーフィルタを形成するものである。
【0008】
印刷法とは、熱硬化型の樹脂に顔料を分散させた組成物を用いた印刷を3回繰り返すことにより、R、G、Bの各色を塗り分け、その後樹脂を熱硬化させる方法である。
【0009】
上記4種の方法に共通しているのは、R、G、Bの3色の着色のために同一工程を3回繰り返す必要があり、工程数が多いために歩留まりが低下し、コストが高くなる、等の問題点を有するということである。
【0010】
さらに、電着法は、形成可能なパターンの形状が限定されるため、TFT型液晶素子(TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス駆動型の液晶素子)への適用が困難である。また印刷法は、解像性が悪く、パターン微細化への対応が困難である等の問題点を有している。
【0011】
そこで、これらの問題点を補うべく、ガラス基板上にインクジェットヘッドによりインクを吐出させてカラーフィルタのパターンを形成する技術が提案されている。こうしたインクジェット方式では、R、G、Bの各色の画素の形成を、一工程で行うことが可能で、大幅な製造工程の簡略化と、大幅なコストダウン効果を得ることができる。
【0012】
以上の製法により製造されたカラーフィルタの色特性の測定は、一般的にSEMIスタンダード,FPDテクノロジ部会,FPDカラーフィルタ委員会で規格化検討されている、Draft Doc.#2846「カラーフィルタの色特性の測定方法」に代表される方法に準拠したものが主流である。当該測定方法では、顕微分光光度計の装置仕様として、分光波長範囲が380nm〜780nmで、波長分解能が10nm以下のもので、且つ測定スポット径は2μm〜50μm程度まで調整できるものが適当とされている。また、顕微鏡のステージは測定に支障のない可動範囲と精度があれば問題はないとしている。分光測定方法は、先ず着色部の透過率と比較するための基準となるリファレンス基板、一般にカラーフィルタで使用されるガラス基板の分光測定を行う。次にガラス基板上に成膜した着色部の分光測定を行う。該測定で得た各波長における比が分光透過率となる。そして必要に応じて、該測定で得られた分光透過率からCIE1931xy色度図やCIE1976L*a*b*表色系などの規格により色度値として表している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
現在、カラーフィルタの製造方法としては顔料分散法が主流であるが、上記で述べたように顔料分散法以外の製造方法が種々開発されてきている。その中で、画素内の着色部の断面形状が均一ではなく、ある分布を持ったカラーフィルタが開発され、着色部の断面形状が機能的な役割を果たすカラーフィルタも開示されている。
【0014】
例えば、着色部の凸状を機能的に利用したカラーフィルタの例を挙げると、特開平7−325299号公報、特開平9−304763号公報などが挙げられる。
【0015】
上記特開平7−325299号公報に記載のカラーフィルタでは、着色部が顔料を含む印刷インクにより凹版オフセット印刷して設けられ、断面凸状で、しかも最大膜厚が遮光膜と重なった部位の合計膜厚より大きい形状を有する。そのため、589nmのナトリウムD線を照射してその反射光の強度ムラを測定する測定方法において強度ムラが生じ難く、液晶表示装置の表示品位が向上する効果があると開示されている。この場合、画素内の着色濃度分布は着色部の断面形状に依存しているため、画素中心部の濃度が濃く遮光部境界部の濃度が低くなる画素内着色濃度分布が発生する。
【0016】
またインクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法において着色断面形状が凸状になる例としては、特開平10−206627号公報に開示がある。当該公報に開示されたカラーフィルタは、インク充填後の乾燥工程において、当該公報の図1(D)に示されているように凸状に盛り上がるため、平坦性を補うために保護膜を必要としている。この場合、着色部は凸状のため画素中心部の濃度が高く、遮光部との境界部は濃度が低くなる。よって、画素内で凸状の着色濃度分布を持つことになる。
【0017】
また、着色部の断面形状が凹状になる例が、特開平10−68810号公報、特開平9−258208号公報などに開示されている。特開平10−68810号方法に記載された技術は、凹状の原盤にインクを充填し、乾燥した後上部に樹脂層を形成してからこれらを原盤から剥離することでカラーフィルタを製造する方法であって、当該公報の図1(C)に示されているように、着色部は画素の中心部の濃度が低く、遮光部の境界となる画素周辺では濃度が高くなる。よって、この場合、画素内で凹状の着色濃度分布を持つことになる。また、特開平9−258208号公報には、着色層の表面を凹面とすることで、軸対称配向モードの液晶表示装置における軸対称配向の対称軸の位置を制御することが可能なカラーフィルタ基板を提供し、表示品質を向上させる効果があると開示されている。この場合の画素内の着色濃度分布は、画素中心部の濃度が低く、遮光部境界部の濃度は高くなる。
【0018】
以上に挙げたように、着色部の断面形状が均一ではなく、着色部の膜厚に分布のあるカラーフィルタでは、画素内の着色部に着色濃度分布が発生する。そのため、前記したDraft Doc.#2846「カラーフィルタの色特性の測定方法」に準拠した測定を行うと、測定条件により色特性が正確に測定できないという問題が発生してしまう。その理由は、測定スポット径が50μm以下であるため、画素内の着色濃度分布が存在しているカラーフィルタでは、測定スポット径の大きさにより様々な色度値を得てしまうためである。例えば、画素内の着色濃度分布が画素中心部で濃度が低く、遮光部境界部で濃度が高い場合には、測定スポットが小さいと色純度が低い色度値に、測定スポットが大きいと色純度が高い色度値になってしまい、どの測定条件が真値を示しているのか不明になってしまう。そして、このように測定したカラーフィルタを用いて実際にパネル組みしたものは色度値が大きくくずれる問題も発生している。
【0019】
本発明の目的は、上記問題を解決し、画素内の着色濃度分布の影響を受けずに正確にカラーフィルタの色度値を測定し、高精度な評価を行う方法及び測定装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決し、画素内に着色濃度分布を持つカラーフィルタが、画素内の着色濃度がほぼ均一であるカラーフィルタと比較しても遜色のない色度値を得るために鑑みられた測定方法である。
【0021】
即ち、本発明の第1は、基板上の遮光部により区画された開口部に、前記基板と接する面と反対側の面である表面の形状が凹状あるいは凸状の着色部が形成されたカラーフィルタの分光特性を測定する方法であって、
前記カラーフィルタの着色部の分光スペクトルを測定するに際し、前記カラーフィルタの遮光部を除く開口部内の領域のみが測定領域となるように、当該開口部に形成された前記着色部に対して光を照射し、当該着色部からの透過光を四角形の絞りを介して回折格子により分光することによって前記分光スペクトルを測定する工程を有し、
前記測定領域は四角形であり、当該四角形の相対する一対の辺は前記開口部の1つの辺と平行で且つ当該1つの辺と等しい長さを有し、
前記測定領域の面積は、前記開口部の面積の30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルタの分光特性測定方法である。
本発明の第2は、基板上の遮光部により区画された開口部に、前記基板と接する面と反対側の面である表面の面形状が凹状あるいは凸状の着色部が形成されたカラーフィルタの分光特性を測定する方法であって、
前記カラーフィルタの着色部の分光スペクトルを測定するに際し、前記カラーフィルタの遮光部を除く開口部内の領域のみが測定領域となるように、当該開口部に形成された前記着色部に対して光を照射し、当該着色部からの透過光を四角形の角部に曲率を有する形の絞りを介して回折格子により分光することによって前記分光スペクトルを測定する工程を有し、
前記測定領域は四角形の角部に曲率を有する形であり、当該形の相対する一対の辺は前記開口部の1つの辺と平行で且つ当該1つの辺とほぼ等しい長さを有し、
前記測定領域の面積は、前記開口部の面積の30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルタの分光特性測定方法である。
【0023】
また、本発明は、基板上の遮光部により区画された開口部に、前記基板と接する面と反対側の面である表面の形状が凹状あるいは凸状の着色部が形成されたカラーフィルタの分光特性を測定する装置であって、
前記カラーフィルタの着色部の分光スペクトルを測定するに際し、前記カラーフィルタの遮光部を除く開口部内の領域のみが測定領域となるように、当該開口部に形成された前記着色部に対して光を照射し、当該着色部からの透過光を四角形の絞りを介して回折格子により分光することによって前記分光スペクトルを測定する手段を有し、
前記測定領域は四角形であり、当該四角形の相対する一対の辺は前記開口部の1つの辺と平行で且つ当該1つの辺と等しい長さを有し、
前記測定領域の面積は、前記開口部の面積の30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルタの分光特性測定装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の測定方法においては、画素内の凹状または凸状に依存した着色濃度分布に対して、比較的小さなスポット径で測定するのではなく、着色濃度分布を包括した領域を測定することで、画素の着色部の色度値をより正確に得ることができる。以下に詳細に説明する。
【0025】
本発明において、測定領域は、画素開口部の面積に対する測定領域の面積の比が30%〜100%となるように設定する。この面積の比を30%以上とすることにより、画素の色度値をより正確に得ることができる。また、100%以下とすることにより、画素開口部を形成する枠と重なることがない。この測定領域の形状は、画素開口部形状と相似形或いは四角形であることが好ましい。また、測定領域が四角形である場合には、カラーフィルタの画素内の着色濃度分布の最も変化の大きい方向と該測定領域の四角形の一辺とのなす角度が15°以内であることが好ましく、望ましくは当該角度が0°、即ち平行であるように測定領域を設定する。
【0026】
本発明において、測定領域の面積比をどの程度にするか、また測定領域をどのような形状に設定するか、は着色濃度分布の分布方向や分布の度合い、画素開口部形状、色特性の測定値に対する許容誤差、分光の波長分解能、分光測定装置仕様などを考慮して適宜選択すればよい。また、測定領域の形状の角を差し支えない程度に丸みを持たせることで回折現象を防止するなどの工夫を加えてもよい。
【0027】
図1に本発明の測定方法対象として好適な、着色部の断面形状が凸状であるカラーフィルタの一例の断面を模式的に示す。図中、1は着色部、2は遮光部、3はガラス基板、4は保護層である。図1に示されるような断面が凸状の着色部を持つカラーフィルタの色特性の測定は、一般的な測定方法によると、図2の6で示されるような円形状の領域を測定している。測定領域6が円形になるのは、分光光度計装置のほとんどがピンホールまたはシャッターを利用しているためである。
【0028】
図1のカラーフィルタの着色部1を図2に示されるような小面積の円形の測定領域6で測定した場合、カラーフィルタの特性は図3で示されるように、着色濃度分布の最も高濃度の一部の領域(測定領域A)を測定していることになる。そのため、色純度の高い色度値を示すことになるが、実際は測定していない低濃度の領域が存在することから、カラーフィルタの画素自体の色純度は低いものになるのは明らかである。この時の画素開口部面積に対する測定領域の面積は約10%程度に過ぎない。
【0029】
上記したように、図1に示したカラーフィルタの着色濃度分布は図3に示されるように画素の中心部で着色濃度が高く、遮光部周辺では着色濃度が画素中心部より低くなる。本発明ではこの着色濃度分布を包括するように色特性の測定領域を設定することで、カラーフィルタの画素自体の絶対的な色特性を測定することを可能としている。着色濃度分布を包括するように領域を設定するには、画素開口部に対する測定領域の面積比をできる限り大きくとればよい。よって、図3で示される濃度分布特性を持つカラーフィルタでは、測定領域を図3の測定領域Bで示されるように着色濃度分布全体を測定することで画素自体の絶対的な色特性を測定すればよいことになる。測定領域設定の一例として、図4の6で示される領域を設定することができる。この時の画素開口部面積に対する測定領域の面積は約35%程度である。
【0030】
図1のカラーフィルタを一般的な測定方法と本発明の測定方法とでそれぞれ測定した場合の結果を図5及び図6に示す。図5の破線は一般的な測定方法による円形の測定領域で測定したときの分光透過率を表し、実線は本発明の測定方法である着色濃度分布を包括した領域を測定した場合の分光透過率を表す。図6はこの2条件によるxy色度図上の違いを表している。xy色度図は、CIE1931表色系に基づいた標準C光源下における2°視野角の等式関数によるものである。
【0031】
上記の測定例においては、画素内の着色濃度分布が凸状になるカラーフィルタを例に挙げたが、凹状になるカラーフィルタについても同様な考え方ができる。
特に、画素内の着色濃度差が中心部と周辺部で5%以上であるときに、本発明はさらに有効である。また、凸状と凹状とが複雑に合わさった凹凸状の着色濃度分布を持つカラーフィルタについても同様である。
【0032】
画素内の着色濃度分布を包括するような測定領域の形状を作り出す方法は、各々の分光測定装置により設定が異なるため、実際に測定に使用する装置に応じて測定領域を設定すればよい。
【0033】
本発明の色特性測定装置は、絞りの形状を画素開口部形状の相似形、或いはその角部に曲率を持たせた形、または四角形或いはその角部に曲率を持たせた形としたことを特徴とする。本発明の装置においては、測定領域以外の部分は特に制限されることなく、一般的な光学系を有する装置であれば良い。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
オリンパス社製の顕微分光光度計「MHL−525MS+OSP−SP200」を用いて、四角形状の測定領域を設定してカラーフィルタの色度値を測定した例を以下に示す。図7は、上記顕微分光光度計の光学系の一部を表している。図中、8は測定用光源、9は絞り、10はビームスプリッタ、11はコンデンサレンズ、 12は試料、13は対物レンズ、14は絞り、15は回折格子、16はミラー、17はラインセンサ、18は分光ユニットである。
【0035】
上記顕微分光光度計は、測定用光源8から出射した光を絞り9で絞り、ビームスプリッタ10により光軸を試料方向へ変え、コンデンサレンズ11、試料12、対物レンズ13を通って、分光ユニット(OSP−SMU)18に入り、分光ユニット18の入り口で絞り14を通って、回折格子15により分光され、分光された光はラインセンサ17により光強度を測定するシステムとなっている。
【0036】
図8は分光ユニット18の外観を示す。本例では、分光ユニット18の入り口の絞り14に付属のピンホールユニット(OSP−TUR)19を使用せず、絞りの形状を四角形状としたユニット20(図9)を作製して使用した。作製した絞り21の形状を四角形状としたユニット20は、厚さ3mmの超硬材料を用い、絞り部は1.5mm角の角穴で、この部分の厚さは0.3mmとなるように加工した。この1.5mm角の四角形状の絞り21は、上記顕微分光光度計の対物レンズ13が20倍の時、試料12の画素部の開口幅が75μm角と一致している。図4はこのように設定したときの測定領域を表しており、この条件により図1に示した断面が凸状のカラーフィルタを測定した結果、CIE1931表色系に基づいた標準C光源下における2°視野角におけるxy色度値は、
R:x=0.57,y=0.33
G:x=0.31,y=0.53
B:x=0.14,y=0.15
となった。
【0037】
(比較例1)
実施例1において、絞り形状が四角形状のユニット20を用いる代わりに、付属のピンホールユニット(OSP−TUR)19を用いて測定領域がφ=25μmとなるように設定した。図2はこのように設定したときの図1のカラーフィルタの測定領域を表しており、この条件により実施例1と同じカラーフィルタを測定した結果、CIE1931表色系に基づいた標準C光源下における2°視野角におけるxy色度値は、
R:x=0.60,y=0.33
G:x=0.31,y=0.56
B:x=0.14,y=0.14
となった。
【0038】
(比較例2)
図10のような一般的なカラーフィルタの断面構造を持つ、画素内において着色濃度分布がほぼ一定であるカラーフィルタを、比較例1と同一の測定条件で実施例1と同一色度値になるように顔料分散法により作製した。
【0039】
実施例1と比較例1で測定したカラーフィルタ、及び比較例2で作製したカラーフィルタをそれぞれ用いてカラー液晶表示装置を作製した後、トプコン社製の色彩輝度計BM−5Aを用いて色度比較した結果、この2つのカラー液晶表示装置はほぼ同じxy色度にあることが確認された。このことから、画素内に着色濃度分布を持つカラーフィルタの色特性の測定においては、ピンホールの大きさに依存するような測定条件は好ましくなく、着色濃度分布を包括する測定領域で測定することにより正確な色特性を測定することが可能であることが明らかになった。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画素内に着色濃度分布を持つカラーフィルタであっても、画素内に着色濃度分布を持たない均一なカラーフィルタと比較して遜色のない正確な色度値を得ることができ、意図的に断面形状を凸状或いは凹状に形成して機能的な役割を持たせたカラーフィルタにおいて、正確にその評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な測定対象である断面形状が凸状のカラーフィルタの断面模式図である。
【図2】一般的な測定方法における測定領域例を示す平面模式図である。
【図3】図1に示したカラーフィルタの着色濃度分布を示す図である。
【図4】本発明における測定領域例を示す平面模式図である。
【図5】図1のカラーフィルタを一般的な測定方法と本発明の測定方法でそれぞれ測定した場合の分光透過率を示す図である。
【図6】図1のカラーフィルタを一般的な測定方法と本発明の測定方法でそれぞれ測定した場合のxy色度図上の違いを示す図である。
【図7】本発明の実施例で用いた顕微分光光度計の光学系を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例で用いた顕微分光光度計の分光ユニットの外観を示す図である。
【図9】本発明の実施例で用いた絞りを四角形状としたアパーチャーユニットを示す図である。
【図10】本発明の比較例2で作製した一般的なカラーフィルタの断面模式図である。
【符号の説明】
1 着色部
2 遮光部
3 ガラス基板
4 保護層
5 画素開口部
6、7 測定領域
8 測定用光源
9 絞り
10 ビームスプリッタ
11 コンデンサレンズ
12 試料
13 対物レンズ
14 絞り
15 回折格子
16 ミラー
17 ラインセンサ
18 分光ユニット
19 ピンホールユニット
20 四角アパーチャーユニット
21 四角形状絞り
Claims (3)
- 基板上の遮光部により区画された開口部に、前記基板と接する面と反対側の面である表面の形状が凹状あるいは凸状の着色部が形成されたカラーフィルタの分光特性を測定する方法であって、
前記カラーフィルタの着色部の分光スペクトルを測定するに際し、前記カラーフィルタの遮光部を除く開口部内の領域のみが測定領域となるように、当該開口部に形成された前記着色部に対して光を照射し、当該着色部からの透過光を四角形の絞りを介して回折格子により分光することによって前記分光スペクトルを測定する工程を有し、
前記測定領域は四角形であり、当該四角形の相対する一対の辺は前記開口部の1つの辺と平行で且つ当該1つの辺と等しい長さを有し、
前記測定領域の面積は、前記開口部の面積の30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルタの分光特性測定方法。 - 基板上の遮光部により区画された開口部に、前記基板と接する面と反対側の面である表面の形状が凹状あるいは凸状の着色部が形成されたカラーフィルタの分光特性を測定する方法であって、
前記カラーフィルタの着色部の分光スペクトルを測定するに際し、前記カラーフィルタの遮光部を除く開口部内の領域のみが測定領域となるように、当該開口部に形成された前記着色部に対して光を照射し、当該着色部からの透過光を四角形の角部に曲率を有する形の絞りを介して回折格子により分光することによって前記分光スペクトルを測定する工程を有し、
前記測定領域は四角形の角部に曲率を有する形であり、当該形の相対する一対の辺は前記開口部の1つの辺と平行で且つ当該1つの辺とほぼ等しい長さを有し、
前記測定領域の面積は、前記開口部の面積の30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルタの分光特性測定方法。 - 基板上の遮光部により区画された開口部に、前記基板と接する面と反対側の面である表面の形状が凹状あるいは凸状の着色部が形成されたカラーフィルタの分光特性を測定する装置であって、
前記カラーフィルタの着色部の分光スペクトルを測定するに際し、前記カラーフィルタの遮光部を除く開口部内の領域のみが測定領域となるように、当該開口部に形成された前記着色部に対して光を照射し、当該着色部からの透過光を四角形の絞りを介して回折格子により分光することによって前記分光スペクトルを測定する手段を有し、
前記測定領域は四角形であり、当該四角形の相対する一対の辺は前記開口部の1つの辺と平行で且つ当該1つの辺と等しい長さを有し、
前記測定領域の面積は、前記開口部の面積の30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルタの分光特性測定装置。
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JPH02234040A (ja) * | 1989-03-08 | 1990-09-17 | Mitsubishi Electric Corp | カラーフィルタの分光特性測定方法およびカラーフィルタの製造方法 |
JPH0618329A (ja) * | 1992-07-01 | 1994-01-25 | Kajitsu Hihakai Hinshitsu Kenkyusho:Kk | 物体の画像分光法及びその装置 |
JPH11101910A (ja) * | 1997-07-28 | 1999-04-13 | Canon Inc | カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ及び表示装置及びこの表示装置を備えた装置 |
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