JP4473231B2 - 光学素子用部材の色度座標の評価方法 - Google Patents

光学素子用部材の色度座標の評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示装置等の画像出力装置や固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルター、マイクロレンズ、EL素子等の光学素子用部材の色度座標の評価方法に関する。
近年、カラー液晶表示装置、固体撮像素子などの光学素子が急速に普及してきている。光学素子用部材の1つであるカラーフィルターには、液晶表示装置等の画像出力装置に用いられるカラーフィルター、或いは固体撮像素子等の画像入力装置に用いられるカラーフィルター等がある。
カラーフィルターの着色層(画素)などを所定のパターン形状で形成する方法としては、例えば顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBの着色層を形成する。
また、他の方法としては染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびBの着色層を形成する。さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、特許文献1には、熱硬化性樹脂を含有する着色インクをインクジェット方式で基板上に吹き付け、加熱することにより着色層(着色層部)を形成することが記載されている。インクジェット方式では、R、G、Bの各色の着色層の形成を、一工程で行うことが可能で、大幅な製造工程の簡略化と、大幅なコストダウン効果を得ることができる。
現在、カラーフィルターの製造方法としては顔料分散法が主流であるが、上記で述べたように顔料分散法以外の製造方法が種々開発されてきている。その中で、着色層内の着色層の膜厚が均一ではなく、ある分布を持ったカラーフィルターが開発され、着色層の膜厚の不均一性が機能的な役割を果たすカラーフィルターも開示されている。
例えば、着色層の凸形状を機能的に利用したカラーフィルターの例を挙げると、特許文献2などが挙げられる。上記特許文献2に記載のカラーフィルターでは、着色層が顔料を含む印刷インクにより凹版オフセット印刷して設けられ、断面凸状で、しかも最大膜厚が遮光膜と重なった部位の合計膜厚より大きい形状を有する。そのため、589nmのナトリウムD線を照射してその反射光の強度ムラを測定する測定方法において強度ムラが生じ難く、液晶表示装置の表示品位が向上する効果があると開示されている。この場合、着色層内の着色濃度分布は着色層の断面形状に依存しているため、着色層中心部の濃度が高く、遮光境界部の濃度が低くなる着色層内着色濃度分布が発生する。
また、カラーフィルターにおいて透明基板上のブラックマトリックス層に囲まれた領域にインクジェット方式により着色層が形成されると、そのインクとブラックマトリックス層表面との親和性やブラックマトリックス層の高さ、吐出するインキ量などの関係から、ブラックマトリックス層に囲まれた開口部における着色層の形状は、凸形状となったり、逆に、凹形状となったり、さらに、その表面が凹凸形状になるなど、厚みが不均一な着色層になりやすい。その他にも凸形状の着色層になる例としては、特許文献3に開示がある。当該公報に開示されたカラーフィルターは、インク充填後の乾燥工程において、特許文献3の図1(D)に示されているように凸状に盛り上がる。この場合も、着色層中心部の濃度が高く、遮光境界部の濃度が低くなる着色層内着色濃度分布が発生する。
また、着色層が凹形状になる例が、特許文献4、特許文献5などに開示されている。特許文献4に記載された技術は、凹状の原盤にインクを充填し、乾燥した後上部に樹脂層を形成してからこれらを原盤から剥離することでカラーフィルターを製造する方法であって、特許文献4の図1(C)に示されているように、着色層は凹形状を有する。また、特許文献5には、着色層の表面を凹面とすることで、軸対称配向モードの液晶表示装置における軸対称配向の対称軸の位置を制御することが可能なカラーフィルター基板を開示しており、表示品質を向上させる効果があると記載されている。このように着色層が凹形状を有する場合、着色層の中心部の濃度が低く、遮光部の境界となる着色層周辺では濃度が高くなる着色層内着色濃度分布が発生する。
一方、製造されたカラーフィルターの色の管理は、一般的にSEMIスタンダード,FPDテクノロジ部会,FPDカラーフィルター委員会で規格化検討されている、Draft Doc.#2846「カラーフィルターの色特性の測定方法」に代表される方法に準拠したものが主として用いられている。測定方法は、先ず着色層の透過率と比較するための基準となるリファレンス基板(一般にカラーフィルターで使用されるガラス基板)の分光測定を行う。次にリファレンス基板上に成膜した着色層の分光測定を行う。該測定で得た各波長における比が分光透過率となる。そして必要に応じて、該測定で得られた分光透過率からCIE1931xy色度図やCIE1976L表色系などの規格により色度座標として表している。当該測定方法では、顕微分光光度計の装置仕様として、分光波長範囲が380nm〜780nmで、波長分解能が10nm以下のもので、且つ測定スポット径は2μm〜50μm程度まで調整できるものが適当とされている。そのため、測定スポット径は50μm以下であり、通常、着色層の1/40程度の範囲を測定していることになる。
前記Draft Doc.#2846「カラーフィルターの色特性の測定方法」に準拠した測定は、顔料分散法で作製されたような膜厚が均一である着色層の場合には、着色層に着色濃度分布がないため、色管理に問題なく用いることができる。しかしながら、前述のように着色層の厚みが均一ではなく、着色層の膜厚に分布のあるカラーフィルターでは、着色層内の着色層に着色濃度分布が発生するため、前記Draft Doc.#2846「カラーフィルターの色特性の測定方法」に準拠した測定を単に行っても、測定条件により色特性が正確に測定できないという問題が発生してしまう。すなわち、着色層のごく一部のみを測定するため、着色層内の着色濃度分布が存在しているカラーフィルターでは、測定スポットの大きさや場所により様々な色度座標を得てしまい、着色層の実際の色度座標を求めることができない。例えば、着色層内の着色濃度分布が着色層中心部で濃度が高く、遮光境界部で濃度が低い場合には、画素の中央部を測定すると色純度が高い色度座標に、遮光境界部付近で測定すると色純度が低い色度座標になってしまい、着色層の実際の色度座標に対して評価ができない。そして、このように管理したカラーフィルターを用いて実際にパネル組みしたものは、色度座標が目標色度座標とずれてしまう問題も発生している。
特許文献6には、着色層内の着色濃度分布の影響を受けずに正確にカラーフィルターの色度値を測定する方法として、着色領域の分光スペクトルを測定することによってカラーフィルターの色度特性を測定する方法であって、着色層開口部の面積に対する測定領域の面積の比が30%〜100%であることを特徴とするカラーフィルターの色特性の測定方法を開示している。しかしながら、この測定方法でも、着色層開口部の面積に対する測定領域の面積の比が100%でない場合には、着色層が実際現す色に対して評価できないという問題がある。更に、着色層開口部の面積に対する測定領域の面積の比を100%にすることは、顕微分光で測定が困難な微細パターンやIPSモードなどの複雑なパターン形状を含む、様々な着色層のパターン形状に対応することが困難という問題がある。
特開平9−21910号公報 特開平7−325299号公報 特開平10−206627号公報 特開平10−68810号公報 特開平9−258208号公報 特開2000−346744号公報
本発明は上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、膜厚が不均一な着色層の色度座標に対して評価でき、様々な着色層のパターン形状にも対応可能である光学素子用部材の色度座標の評価方法を提供することにある。
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法は、膜厚が不均一な着色層を備えた光学素子用部材の色度座標の評価方法であって、
A)膜厚が不均一な着色層の所望エリアにおいて、5μm以下の間隔ごとに代表点を設定し、当該各代表点の膜厚を測定する膜厚分布作成工程と、
B)均一な特定の膜厚を有し、且つ前記膜厚が不均一な着色層の当該特定の膜厚における分光データと一致する分光データを有する着色層の任意の波長間隔ごとの分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
C)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて、式7により着色層の前記所望エリアの前記各代表点の膜厚に対応する前記任意の波長間隔ごとの分光データを計算する着色層分光データ計算工程と、
D)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて着色層の所望エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、式1〜6により色度座標、及び輝度を求める色度座標作成工程、を有することを特徴とする。
Figure 0004473231
Figure 0004473231
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法によれば、上記のように各代表点の膜厚に対応する分光データを計算して、その分光データを用いて着色層の色度座標を求めるため、一つの着色層の膜厚分布がどのようであっても、当該一つの着色層の開口部全体や、当該一つの着色層の一部の代表エリアなど、所望のエリアの色度座標を得ることができる。従って、膜厚が不均一な着色層であっても、着色層の平面形状が複雑な形状をしていても、一つの着色層の開口部全体が実際表す色度座標を評価することが可能である。その結果、例えば膜厚が不均一な着色層を有する完成品の光学素子用部材について、目標色に一致しているかどうかなど、実際の色度座標を評価することが可能になる。
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法の一実施形態としては、
a)標本着色層の所望エリアにおいて、5μm以下の間隔ごとに代表点を設定し、当該各代表点の膜厚を測定する標本膜厚分布作成工程と、
b)均一な特定の膜厚を有し、且つ前記膜厚が不均一な着色層の当該特定の膜厚における分光データと一致する分光データを有する着色層の任意の波長間隔ごとの分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
c)前記標本膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて、前記式7により標本着色層の前記所望エリアの前記各代表点の膜厚に対応する前記任意の波長間隔ごとの分光データを計算する標本着色層分光データ計算工程と、
d)前記標本着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の所望エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、前記式1〜6により色度座標、及び輝度を求める標本着色層色度座標作成工程と、
e)前記標本着色層の着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の代表エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、式1〜6により色度座標、及び輝度を求める標本代表エリア色度座標作成工程と、
f)前記標本着色層と同条件で形成された管理対象である着色層について、前記標本代表エリアに対応する箇所の代表エリアの前記任意の波長間隔ごとの分光データを測定して、その得られたデータを用いて、前記式7により前記管理対象の着色層の代表エリアの前記各代表点の膜厚に対応する前記任意の波長間隔ごとの分光データを計算し、その計算により得られたデータを用いて管理対象の着色層の代表エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、前記式1〜6により色度座標、及び輝度を求める管理代表エリア色度座標作成工程と、
g)前記管理代表エリア色度座標作成工程により得られた管理代表エリア色度座標と、前記標本代表エリア色度座標作成工程により得られた標本代表エリア色度座標とを対比する色度座標対比工程、を有することを特徴とするものが挙げられる。
また、本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法における前記着色層は、隔壁に囲まれた開口部に、インクジェット方式により形成されたような、該着色層の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも着色層の中心側に厚みの最大部を有するような形状であったり、逆に、該着色層の外縁部又はその近傍に沿って厚みの大きい部分を有し、且つ当該厚みの大きい部分よりも着色層の中心側に厚みの最小部を有するような形状であったり、さらに、その表面が凹凸形状になるような着色層であっても、好適に評価することが可能である。
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法は、光学素子用部材がカラーフィルターである場合において、好適に用いられる。
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法は、一つの着色層の膜厚分布がどのようであっても、着色層の平面形状が複雑な形状をしていても、当該一つの着色層の開口部全体や、当該一つの着色層の一部の代表エリアなど、所望のエリアの色度座標を得ることができる。従って、膜厚が不均一な着色層であっても、一つの着色層の開口部全体が実際に表す色度座標を評価することが可能である。その結果、例えば膜厚が不均一な着色層を有する完成品の光学素子用部材について、目標色に一致しているかどうかなど、実際の色度座標を評価することが可能になる。
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法は、膜厚が不均一な着色層を備えた光学素子用部材の色度座標の評価方法であって、
A)膜厚が不均一な着色層の膜厚分布を測定する膜厚分布作成工程と、
B)均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
C)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて着色層の膜厚分布に対応する分光データを計算する着色層分光データ計算工程と、
D)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて着色層の所望エリアの色度座標を求める色度座標作成工程、を有することを特徴とする。
なお、本発明において光学素子用部材は、1つの着色層内で膜厚が不均一な着色層を有する可能性がある部材であれば特に限定されず、液晶表示装置等の表示装置に用いられる部材や、固体撮像素子等の画像入力装置に用いられる部材が挙げられ、具体的に例えば、表示装置用カラーフィルターや、固体撮像素子用カラーフィルター、マイクロレンズ、EL素子等が挙げられる。
本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法によれば、上記のように膜厚分布に対応する分光データを計算して、その分光データを用いて着色層の色度座標を求めるため、一つの着色層の膜厚分布がどのようであっても、着色層の平面形状が複雑な形状をしていても、当該一つの着色層の開口部全体や、当該一つの着色層の一部の代表エリアなど、所望のエリアの色度座標を得ることができる。従って、膜厚が不均一な着色層であっても、一つの着色層の開口部全体が実際に表す色度座標を評価することが可能である。その結果、例えば膜厚が不均一な着色層を有する完成品の光学素子用部材について、目標色に一致しているかどうかなど、実際の色度座標を評価することが可能になる。
膜厚が不均一な着色層とは、着色層の厚みが着色層の形成領域内で不均一な着色層をいい、着色層のある断面において断面形状の厚みが一定でなく分布がある着色層であれば、特に限定されない。中でも、実質的には、着色層の厚みが着色層の開口部の領域内で不均一な着色層の場合が対象となる。ここで、膜厚が不均一という目安は、1つの着色層において膜厚の差が当該着色層の平均膜厚の厚みに対して50%以上あること、或いは、膜厚の高低差が1μm以上あることを挙げることができる。なお、着色層の膜厚乃至厚みは、着色層が形成されている基板からの高さをいう。膜厚が不均一な着色層の断面図の例を図1に示す。具体例として、着色層の断面の形状が凸形状(図1(a))、凹形状(図1(b))の場合や、凹凸が組み合わさったような形状(例えば、図1(c)、(d))などが挙げられるが、これらに限定されない。
また、着色層を真上から見た平面形状は、限定されず、どのような形状であっても本発明に係る色度座標の評価方法を好適に用いることができる。
膜厚が不均一な着色層としては、隔壁に囲まれた開口部に、インクジェット方式により形成されたような、該着色層の外縁部又はその近傍に沿って厚みの小さい部分を有し、且つ当該厚みの小さい部分よりも着色層の中心側に厚みの最大部を有するような形状であったり、逆に、該着色層の外縁部又はその近傍に沿って厚みの大きい部分を有し、且つ当該厚みの大きい部分よりも着色層の中心側に厚みの最小部を有するような形状であったり、さらに、その表面が凹凸形状になるような着色層も、本発明の評価方法を用いることができる好適な対象である。
以下、本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法について、各工程に分けて説明する。
<A)膜厚分布作成工程>
本発明における膜厚分布作成工程は、膜厚が不均一な着色層の膜厚分布を測定する工程である。
着色層の膜厚分布を測定する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることが可能である。例えば、非接触式では光干渉方式の米国マイクロマップ製 Micromap557N、接触式では日本真空技術(株)製Dectak-3030ST、光源としてレーザーを使用した共焦点方式のキーエンス(株)製VK-9500などにより測定することができる。
膜厚分布の測定は、膜厚が不均一な着色層の形状にもよるが、色度座標の管理をより正確にすることが可能な点から、5μm以下ごとに膜厚を測定することが好ましく、更に測定効率とのバランスの点からも1〜2.5μmごとに膜厚を測定することが好ましい。
膜厚分布を測定する範囲は、後の工程で色度座標を求める所望エリアが少なくとも含まれる必要がある。すなわち、着色層の開口部の色度座標を求めたい場合には、着色層の開口部全体の範囲で膜厚分布を測定する必要があり、着色層の代表エリアの色度座標を求めたい場合には、少なくとも当該代表エリアを含む範囲で膜厚分布を測定する必要がある。
また、工程B)において用いられる場合がある、当該着色層の平均膜厚を求める場合には、着色層の開口部全体の範囲で膜厚分布を測定することが好ましい。
着色層の平均膜厚は、着色層の開口部全体の範囲で、1μm毎など所定の値ごとに膜厚を求め、それらの平均を求めたものである。
<B)標準分光データ測定工程>
本発明における標準分光データ測定工程は、均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する工程である。
本工程において、均一な特定の膜厚を有する着色層は、少なくとも分光データを測定するエリアの膜厚が、特定の値で一定であるものを用いる。特定の値で一定とは、膜厚差が±0.05μm以内を目安とする。特定の膜厚の値を選択する方法としては、膜厚が不均一な着色層の目標色度が予め存在する場合には、均一な塗膜において当該目標色度を達成する膜厚とすることが好ましい。また、特定の膜厚は、膜厚が不均一な着色層の平均膜厚を用いても良い。膜厚が不均一な着色層の平均膜厚は、上記膜厚分布作成工程における測定値から求めることができる。
特定の膜厚を有する着色層は、膜厚が不均一な着色層の標準分光データを得るために用いられるので、膜厚が不均一な着色層の当該特定の膜厚の箇所と、特定の膜厚を有する着色層の分光データの値が一致するものを準備する。
そこで、特定の膜厚を有する着色層は、例えば、膜厚が不均一な着色層が形成された着色層形成用組成物と同じ組成物を用いて、特定の膜厚となるように着色層を形成して準備することができる。特定の膜厚となるように着色層を形成する方法としては、例えば、スピンコート等膜厚を均一に塗布可能な塗工法で形成することが挙げられる。また、膜厚が不均一な着色層と同じ組成物が入手できない場合には、膜厚が不均一な着色層のうち上記A)工程で得られた結果から最も膜厚が均一な箇所において、分光データを測定する。
特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する方法としては、特に限定されず、顕微分光光度計(例えば、オリンパス(株)社製 OSP-SP200)を用いて測定することができる。
特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する条件は、例えば、50μmのスポット径にてリファレンスとなるガラス基板を測定し、平坦な膜厚の領域内を50μmのスポット径で分光スペクトルを測定する。
得られる分光データは、例えば400〜700nmで5nm刻みごとの分光透過率(%)のデータ形式であることが、後のデータ処理上好ましい。
<C)着色層分光データ計算工程>
本発明における着色層分光データ計算工程は、前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて着色層の膜厚分布に対応する分光データを計算する工程である。
前記膜厚分布作成工程においては、上記膜厚が不均一な着色層について、設定の間隔ごとの膜厚分布のデータが得られる。
また、前記標準分光データ測定工程においては、膜厚が不均一な着色層のうちの特定の膜厚に該当する分光データが得られる。
ここで、膜厚dと分光スペクトルτの関係は、ランベルト−ベールの法則により、
τ(λ)=τ0(λ)^(d/d0
が成立する。
ある膜厚d0の時の分光スペクトルτ0がわかれば、各物質の固有の定数を求めることができる。従って、膜厚が不均一な着色層のうち、特定の膜厚d0に該当する分光データτ0を用いて、各膜厚dに対応する分光データτ(λ)の分布を算出することができる。
例えば、先ず、前記標準分光データ測定工程において膜厚が2μmの時の分光スペクトルが得られているとする。膜厚d0が2μmの時に、400nmの分光データが3.6%であったとすると、膜厚dが2.1μmの分光スペクトルは、予め求められた各固有の定数から、τ(400nm)=0.036(400nm)^(2.1/2)で計算することができる。同様に、膜厚が2μmの時の5nm刻みの405〜700nmの分光データを用いて、膜厚が2.1μmの時の分光スペクトルを計算で求めることができる。
以上のようにして、前記着色層分光データ計算工程において、例えば、図2のように、着色層1の所定間隔2ごとの代表点3(1、2、・・・・n)における各膜厚から、その膜厚に対応した分光データを計算する。
<D)色度座標作成工程>
本発明における色度座標作成工程は、前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて、着色層の所望エリアの色度座標を求める工程である。
前記着色層分光データ計算工程により得られるデータは、例えば、図2のように、着色層1の所定間隔2ごとの代表点3(1、2、・・・・n)における、各膜厚dに対応した分光データτの分布である。これを用いて着色層の所望エリアの色度座標を求めるには、まず、所望エリアに入る代表点を挙げる。なお、所望エリアは、着色層開口部全体であっても良いし、着色層のある一部である代表エリア4であっても良い。
分光データから、着色層の色度座標を求める方法としては、例えば、XYZ表色系における、ある光源に対する色度座標(x,y)及び輝度Yを計算する方法が挙げられる。
例えば、所望エリアに入る代表点が1〜mであったとすると、当該代表点1〜mに対応した膜厚d1〜dを用いて計算された、各波長毎のτ(λ)について、各波長毎にτ(λ)〜τ(λ)のm個のτ(λ)の平均値τave(λ)を求める。この平均値τave(λ)を用いて、使用光源の分光スペクトルP(λ)、及びXYZ表色系における等色関数を用いて、下記式(1)〜(6)より色度座標(x,y)及び輝度Yを計算することができる。
Figure 0004473231
以上のような、本発明に特徴的なA)、B)、C)、D)の工程を用いると、着色層の領域内で膜厚が不均一な着色層であっても、当該着色層の色度座標(x,y)及び輝度Yを計算することができる。上記のように膜厚分布に対応する分光データを計算して、その分光データを用いて対象の着色層の開口部の色度座標を求めることができるため、対象の着色層の膜厚分布や平面形状がどのようであっても、実際表す色度座標と差が小さい色度座標を得ることができる。光学素子用部材全体の実際の色度座標を求めるために精度を上げる方法としては、1つの着色層について行う上記工程を、複数の着色層において行い、当該複数の着色層から得られた色度座標を平均することが挙げられる。平均化する着色層の数は、対象とする膜厚が不均一な着色層によって、適宜選択する。また、1つの着色層についてのA)膜厚分布作成工程における膜厚分布を細かくとることが挙げられる。
以上のような、本発明に特徴的なA)、B)、C)、D)の工程を用いた、本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法の他の一実施形態としては、例えば、
a)標本着色層の膜厚分布を測定する標本膜厚分布作成工程と、
b)均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
c)前記標本膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて標本着色層の膜厚分布に対応する分光データを計算する標本着色層分光データ計算工程と、
d)前記標本着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の色度座標を求める標本着色層色度座標作成工程と、
e)前記標本着色層の代表エリアの色度座標を求める標本代表エリア色度座標作成工程と、
f)前記標本着色層と同条件で形成された管理対象である着色層について、前記標本代表エリアに対応する箇所の代表エリアの分光データを測定して、色度座標を求める管理代表エリア色度座標作成工程と、
g)前記管理代表エリア色度座標作成工程により得られた管理代表エリア色度座標と、前記標本代表エリア色度座標作成工程により得られた標本代表エリア色度座標とを対比する色度座標対比工程、を有することを特徴とするものが挙げられる。
a)標本着色層の膜厚分布を測定する標本膜厚分布作成工程においては、まず、標本となる着色層を準備して、上記A)膜厚分布作成工程と同様にして、準備された標本着色層の膜厚分布を作成する。
ここで、標本となる着色層は、工程f)及び工程g)における管理対象である着色層の指標となる膜厚分布及び色度座標を有するものを準備する。
b)均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程においては、まず、特定の膜厚を有する着色層を準備する。均一な特定の膜厚を有する着色層としては、当該特定の膜厚を有する着色層の分光データの値が、上記標本着色層の当該特定の膜厚の箇所の分光データの値と一致するものを準備する。特定の膜厚を有する着色層としては、上記a)で準備された標本着色層の平均膜厚を有する着色層であることが、色度座標の管理をより正確にすることが可能な点から好ましい。分光データの測定は、前記B)標準分光データ測定工程と同様にして、行うことができる。
c)前記標本膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて標本着色層の膜厚分布に対応する分光データを計算する標本着色層分光データ計算工程は、上記工程a)の膜厚分布のデータと、上記工程b)の標準分光データを用いて、前記C)着色層分光データ計算工程と同様にして、計算することができる。
d)前記標本着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の色度座標を求める標本着色層色度座標作成工程においては、上記工程c)により得られたデータを用いて標本着色層の色度座標を算出する。なお、標本着色層の色度座標とは、標本着色層が表すと認識される色度座標であり、場合により着色層全体又は着色層開口部の色度座標である。このように算出することにより、膜厚が不均一で、複雑なパターンを有する標本着色層であっても、標本着色層が実際表す色度座標と目標色度座標を対比することが可能になり、標本着色層が実際表す色が所望の色であるか、確認することが可能になる。
まず、当該標本着色層の全体又は着色層開口部に入る代表点を挙げる。全体又は着色層開口部に入る代表点の上記工程c)で求められた分光データを用いて、前記D)色度座標作成工程と同様にして、標本着色層の着色層全体又は着色層開口部の色度座標を計算することができる。
e)前記標本着色層の代表エリアの色度座標を求める標本代表エリア色度座標作成工程においては、前記標本着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の代表エリアの色度座標を求めても良いし、後述の工程f)と同様に、標本着色層の代表エリアを測定することによって、標本代表エリアの色度座標を求めても良い。
標本着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて算出する場合には、まず、当該標本着色層の代表エリアに入る代表点を挙げる。標本代表エリアとしては、後述の工程f)で代表エリアに入る代表点の上記工程c)で求められた分光データを用いて、前記D)色度座標作成工程と同様にして、代表エリアの色度座標を計算することができる。
また、代表エリアの大きさや形は、後述の工程g)において標本着色層と管理対象である着色層の各代表エリア同士の色度座標を対比することから、後述の工程f)の管理対象である着色層の代表エリアと同じとする。従って、代表エリアの大きさや形は、後述の工程f)における管理測定において測定可能な大きさや形であれば、特に限定されない。
代表エリアの大きさや形は、工程f)において管理測定可能な大きさや形であることから、工程e)で計算された代表エリアの色度座標は、後述する工程f)と同様に測定して、測定値と一致しているかを確認することが可能である。
工程e)において、代表エリアは、少なくとも1箇所であるが、2箇所以上であっても良い。後述の工程g)で対比する代表エリアが2箇所以上である場合には、管理の精度がより向上する点から好ましい。代表エリアの位置としては、特に限定されないが、できるだけ膜厚分布のない平坦な形状の箇所であることが再現性の高い管理を行う点から好ましい。
f)前記標本着色層と同条件で形成された管理対象である着色層について、前記標本代表エリアに対応する箇所の代表エリアの分光データを測定して、色度座標を求める管理代表エリア色度座標作成する。
まず、管理対象である着色層を準備する。管理対象である着色層は、次の工程g)において、標本となる着色層と色度座標を対比されるものである。工程a)において、標本となる着色層は、管理対象である着色層の指標となる膜厚分布及び色度座標を有するものが準備されるため、管理対象である着色層は、前記標本着色層と同条件で形成されたものとする。
次に、管理対象である着色層について、前記標本代表エリアに対応する箇所の代表エリアの分光データを測定する。前記標本代表エリアに対応する箇所の代表エリアの特定は、例えば、標本代表エリアについて標本着色層全体における平面方向の位置を決定し、当該平面方向の位置と同位置を、管理対象である着色層全体における平面方向の位置で特定して、代表エリアとすることができる。
管理対象である着色層の代表エリアの分光データを測定する方法は特に限定されないが、顕微分光光度計(例えば、オリンパス(株)社製 OSP-SP200)などを用いて測定することができる。標本着色層の値と対比させて管理することから、上記工程b)標準分光データ測定工程における測定方法と同じ方法であることが好ましい。
g)前記管理代表エリア色度座標作成工程により得られた管理代表エリア色度座標と、前記標本代表エリア色度座標作成工程により得られた標本代表エリア色度座標とを対比する色度座標対比工程においては、上記工程f)で得られた管理代表エリア色度座標と、上記工程e)で得られた標本代表エリア色度座標とを対比する。例えば、管理代表エリア色度座標が、標本代表エリア色度座標と比較して完全に一致するか、又は所定の誤差範囲内に入れば、管理対象の着色層は管理上合格と判断することができる。また、管理代表エリア色度座標が、標本代表エリア色度座標と比較して一定の差があるか否かで、管理上合格を判断する方法であっても良い。
上記の工程a)に用いる、標本着色層は、上記工程f)及び工程g)における管理対象である着色層の指標となる膜厚分布及び色度座標を有するものを準備する。その選択の方法としては、本発明に特徴的なA)、B)、C)、D)の工程を用いた以下の方法を用いることができる。
すなわち、本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法の他の一実施形態としては、
1)所定のパターンを有する標本着色層候補を準備する工程と、
2)前記標本着色層候補の膜厚分布を測定する膜厚分布作成工程と、
3)特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
4)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて
標本着色層候補の膜厚分布に対応する分光データを計算する着色層分光データ計算工程と、
5)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層候補の色度座標を求める着色層色度座標作成工程と、
6)前記着色層色度座標作成工程により得られた標本着色層候補の色度座標と、目標色度座標を対比する工程と、
7)前記対比の結果、目標色度座標と一致するものを標本となる着色層として選択する工程、とを含む標本着色層選択工程を有することが挙げられる。
当該実施形態では、工程1)の所定のパターンを有する標本着色層候補を準備する工程から、工程6)の標本着色層候補の色度座標と目標色度座標を対比する工程までを、通常、複数回繰り返し行って、工程7)において目標色度座標と一致するものを標本となる着色層として選択する。工程1)から工程6)を1回行って目標色度座標と一致すれば、工程1)から工程6)を複数回繰り返し行う必要はない。
工程1)から工程6)を複数回繰り返し行うことには、まず工程1)を複数回行い、所定のパターンを有する標本着色層候補を複数準備し、その後、工程2)から工程6)までを目標色度座標と一致するものがみつかるまで複数回繰り返し行うことも含まれる。また、まず工程1)を複数回行い、所定のパターンを有する標本着色層候補を複数準備し、その後、工程2)から工程6)までを複数回繰り返しても目標色度座標と一致するものがみつからず、その後更に工程1)を複数回行い、所定のパターンを有する標本着色層候補を複数準備し、その後、工程2)から工程6)までを複数回繰り返すような場合も含まれる。なお、工程3)の特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程は、標本着色層候補の膜厚によって、既に測定された標準分光データを使用できる場合には、複数回繰り返し行われる工程から省略可能である。
1)所定のパターンを有する標本着色層候補を準備する工程においては、所定のパターンを有する標本着色層候補を形成して準備しても良いし、形成されたものを準備しても良い。所定のパターンを有する標本着色層候補を形成する場合については、後述の光学素子用部材の製造方法のところで、詳細に述べる。
なお、標本着色層候補の所定のパターンにおいて、平面形状は、管理対象となる着色層の所望の平面形状と同じであることが好ましい。また、標本着色層候補の断面形状や平均膜厚は、所望の色度座標になるように、任意に設定されるものである。
2)前記標本着色層候補の膜厚分布を測定する膜厚分布作成工程は、前記A)膜厚分布作成工程と同様にして行うことができ、準備された標本着色層候補の膜厚分布を作成する。
3)特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程は、前記第一の実施形態の工程b)と同様にして行うことができる。
また、4)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて標本着色層候補の膜厚分布に対応する分光データを計算する着色層分光データ計算工程は、上記工程2)の膜厚分布のデータと、上記工程3)の標準分光データを用いて、前記C)着色層分光データ計算工程と同様にして、計算することができる。
更に、5)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層候補の色度座標を求める着色層色度座標作成工程は、標本着色層候補の全体又は着色層開口部などの所望エリアについて、前記D)色度座標作成工程と同様にして、計算することができる。
また、6)前記着色層色度座標作成工程により得られた標本着色層候補の色度座標と、目標色度座標を対比する工程において、標本着色層候補の色度座標の値が目標色度座標の値と一致するか否かを判断する。そして、7)前記対比の結果、目標色度座標と一致するものを標本となる着色層として選択する。
以上のような標本着色層選択工程を有することを特徴とする当該実施形態では、各標本着色層候補の全体又は着色層開口部が表す色度座標について、上記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて求める。このようにすることにより、膜厚が不均一で、複雑なパターンを有する着色層候補であっても、着色層候補が実際表す色度座標を求めることが可能になる。従って、着色層候補が実際表す色度座標と目標色度座標を対比することが可能になり、適切な標本着色層を選択することが可能になる。膜厚が一定でなく複雑なパターンを有していても所望の色度座標を有する標本着色層を用いて管理する結果、膜厚が一定でなく複雑なパターンを有する着色層であっても所望の色度座標を有するように管理することができる。
更に、本発明に係る色度座標の評価方法には、管理対象である着色層について、所定のエリアの膜厚分布を測定する管理着色層膜厚分布作成工程と、当該工程により得られた管理対象である着色層の膜厚分布と、工程1)で得られた標本着色層の膜厚分布とを対比する膜厚分布対比工程を有していても良い。この場合には、更に、管理対象である着色層間色度座標の偏差を小さくすることができる。
以上のような本発明に係る光学素子用部材の色度座標の評価方法は、上述のような光学素子用部材に対して好適に用いられるが、中でも、カラーフィルターにおいて、好適に用いられ、特に、インクジェット方式で着色層が形成されるカラーフィルターにおいて好適に用いられる。
次に、上記評価方法を応用した光学素子用部材の製造方法について説明する。
そのような光学素子用部材の製造方法の一態様としては、
i)所定のパターンを有する標本着色層候補を形成する工程と、
ii)前記標本着色層候補の膜厚分布を測定する膜厚分布作成工程と、
iii)特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
iv)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて
標本着色層候補の膜厚分布に対応する分光データを計算する着色層分光データ計算工程と、
v)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層候補の色度座標を求める着色層色度座標作成工程と、
vi)前記着色層色度座標作成工程により得られた標本着色層候補の色度座標と、目標色度座標を対比する工程と、
vii)前記対比の結果、目標色度座標と一致するものを標本着色層として選択する工程と、
viii)選択された標本着色層を形成した条件で、着色層を形成する工程、
を有することを特徴とする。
上記態様においては、標本着色層を選択する工程において、各標本着色層候補が表す色度座標について、上記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて求め、更に、選択された標本着色層候補を形成した条件で光学素子用部材の着色層を形成することを特徴とする。このようにすることにより、膜厚が不均一で、複雑なパターンを有する着色層であっても、目標色度座標を有する着色層を形成することが可能になる。
i)所定のパターンを有する標本着色層候補を形成する工程において、所定のパターンを有する標本着色層候補を形成する方法は、所定の平面形状を有し、膜厚が一定でなく、所定の断面形状や膜厚分布を有する着色層を形成可能な方法であれば、特に限定されない。所定の平面形状や所定の断面形状に合わせて、適宜、形成する方法を選択することができる。例えば、断面形状を凸形状とする場合、着色剤を含むインクによりインクジェット方式や、凸版オフセット印刷、レーザー転写方式などを用いて形成される方法が挙げられる。また、断面形状を凹形状とする場合、例えば特許文献4に記載されているような、凹状の原盤にインクを充填して乾燥した後、上部に樹脂層を形成してからこれらを原盤から剥離して着色層を形成する方法などが挙げられる。
インクジェット方式を用いて断面形状が凸形状である着色層を形成する場合を例に挙げて、詳細に説明する。インクジェット方式は、中でも特に、微細なパターンを有する着色層を形成する場合に、好適に用いられる。インクジェット方式により基板表面に所定のパターンに合わせて吐出することにより、所定の微細パターンを正確且つ均一に形成することができるからである。
インクジェット方式においては、まず、赤(R)、緑(G)又は青(B)等の顔料が配合された着色層形成用樹脂組成物を用意する。そして、例えば、透明基板の表面に、ブラックマトリックス層のパターンにより画成された着色層形成領域に、着色層形成用樹脂組成物をインクジェット方式により吹き付けてインク層を形成する。その後、インク層を乾燥や硬化させて着色層を形成する。この場合、着色層形成用樹脂組成物の組成、インクジェット方式の吐出条件(例えば、吐出量、塗布回数、ステージ速度など)、更にインク層形成後の露光及び/又は加熱による硬化等の条件により、着色層の膜厚分布が変化し、色度座標も変化する。これらの条件を任意に変化させて、所望の色度座標を有する標本着色層が含まれるように、複数の標本着色層候補を形成する。
上記本発明に係る光学素子用部材の製造方法における、ii)前記着色層候補の膜厚分布を測定する膜厚分布作成工程から、vii)前記対比の結果、目標色度座標と一致するものを標本着色層として選択する工程までの一連の工程は、前記本発明に係る色度座標の評価方法の実施形態における、工程2)から工程7)の一連の工程と同様に行うことができるので、ここでは説明を省略する。
上記本発明に係る光学素子用部材の製造方法においては、viii)選択された標本着色層を形成した条件で、着色層を形成する工程を有することを特徴とする。選択された標本着色層を形成した条件で、着色層を形成するとは、工程vii)で目標色度座標と一致すると選択された標本着色層が、工程i)において形成された条件と同一の条件で、光学素子用部材の着色層を形成することである。なお、工程i)において形成された条件には、上述のように、例えば、着色層形成用樹脂組成物の組成、インクジェット方式の吐出条件(例えば、吐出量、塗布回数、ステージ速度など)、更にインク層形成後の露光及び/又は加熱等の硬化条件などの他、透明基板や、ブラックマトリックス層のパターンにより画成された着色層形成領域の条件、親疎パターニング膜材料の表面自由エネルギーの調整などが含まれる。
本発明に係る光学素子用部材の製造方法の態様においては、膜厚が不均一な着色層が、上記工程i)から工程viii)の一連の工程を有して形成されれば、光学素子用部材の他の構成の製造方法においては、特に限定されない。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
<実施例1〜3>
1.カラーフィルターの着色層(画素)の形成
カラーフィルターの着色層(画素)をインクジェット方式を用いて形成し、着色層形成領域内において膜厚が不均一な着色層を得た。
(1)インクジェットインクに用いるバインダー性エポキシ化合物の合成
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、表1に示す配合割合に従って、水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(別名ブチルカルビトールアセテート、以下、BCAと示すことがある。)を40.7重量部仕込み、攪拌しながら加熱して140℃に昇温した。次いで、140℃の温度で第1表に記載した組成の単量体、及び、重合開始剤の混合物(滴下成分)54.7重量部を、2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後、110℃に降温し重合開始剤及び水酸基を含有しない溶剤ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)の混合物(追加触媒成分)4.6重量部を添加し、110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了することにより、表1に記載の特性を有するバインダー性エポキシ化合物が得られた。
Figure 0004473231
*1)表中の略号は以下の通りである。
GMA:グリシジルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製商品名)
*2)重量平均分子量:ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
(2)赤色用インクジェットインクの調製
下記の割合で配合された赤色インクジェットインクを調製した。
[赤色用インクジェットインクの配合割合]
・PR177(C.I.ピグメントレッド177):4.73重量部
・PR254(C.I.ピグメントレッド254):3.15重量部
・顔料分散剤(Pb821(味の素ファインテクノ株式会社製):4.73重量部(固形分のみ)
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):2.77重量部(固形分のみ)
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):1.85重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:0.92重量部
・トリメリット酸:1.85重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):80重量部
(3)緑色用インクジェットインクの調製
下記の割合で配合された緑色インクジェットインクを調製した。
[緑色用インクジェットインクの配合割合]
・PG36(C.I.ピグメントグリーン36):5.79重量部
・PY150(C.I.ピグメントイエロー150):3.40重量部
・顔料分散剤(Pb821(味の素ファインテクノ株式会社製):5.51重量部(固形分のみ)
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):1.99重量部(固形分のみ)
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):1.32重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:0.66重量部
・トリメリット酸:1.32重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):80重量部
(4)青色用インクジェットインクの調製
下記の割合で配合された青色インクジェットインクを調製した。
[青色用インクジェットインクの配合割合]
・PB15:6(C.I.ピグメントブルー15:6):4.87重量部
・PV23(C.I.ピグメントバイオレット23):0.31重量部
・顔料分散剤(Solsperse33000(Avecia社製):3.11重量部(固形分のみ)
・製造例1のバインダー性エポキシ化合物(溶剤BCA中に固形分30重量%):4.39重量部(固形分のみ)
・多官能エポキシ樹脂(商品名エピコート154、ジャパンエポキシレジン製):2.93重量部
・ネオペンチルグリコールグリシジルエーテル:1.46重量部
・トリメリット酸:2.93重量部
・BCA(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート):80重量部
(5)インクジェット方式によるカラーフィルターの着色層(画素)の形成
厚み0.7mmで10cm×10cmのガラス基板(旭硝子(株)製)上に、ブラックマトリックス用硬化性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により線幅20μm、膜厚2.2μmのブラックマトリックスパターンを形成した。
上記基板のブラックマトリックスにより区画された青色画素形成部に、上記青色用インクジェットインクをインクジェット方式によって、正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の緑色画素形成部に、上記緑色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。次に、同じ基板の赤色画素形成部に、上記赤色用インクジェットインクをインクジェット方式によって正確且つ均一に付着させた。
その後、120秒間10Torrで減圧乾燥を行い、更に、80℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、基板上にRGB3色の画素パターンを形成した。
2.膜厚が不均一な着色層の色度座標の評価
(1)膜厚分布作成
RGBの各着色層のそれぞれ1つの着色層について、ブラックマトリックスにより区画された画素形成部に含まれる着色層の形成領域全体、すなわち着色層の開口部全体について、光干渉方式の三次元非接触表面形状計測装置(米国マイクロマップ製 製品名Micromap557N)により、膜厚分布を作製した。幅140μm×長手方向600μmの1つの着色層の開口部内の領域に対して、膜厚分布は幅方向に1μmごとに140点ずつ、長手方向に1μmごとに600点ずつの合計84000点について、膜厚を測定した。RGBの各着色層について、長手方向のある箇所の幅方向(長手方向に垂直な方向)における膜厚分布のプロファイルを図3に示す。平均膜厚は、赤色着色層(R)が2.0μm、緑色着色層(G)が2.0μm、青色着色層(B)が1.95μm、であった。
(2)均一な特定の膜厚を有する着色層の分光データを測定する標準分光データ測定
均一な特定の膜厚を有する着色層として、上記各色のインクジェットインクを用いて、スピンコートにより評価用塗膜を形成した。厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、NA35)上に、スピンコートにより乾燥膜厚が1.65μmとなるように、上記各インクジェットインクを塗布した。
その後、90℃のホットプレート上で10分間プリベークを行った。その後、クリーンオーブン内で、200℃で30分間加熱してポストベークを行い、更に240℃で30分加熱してポストベークを行って、各色の評価用塗膜を形成した。
当該膜厚がd0=1.65μmの各評価用塗膜について、顕微分光光度計(例えば、オリンパス(株)社製 OSP-SP200)を用いて、可視波長域の分光透過スペクトルを測定し、400〜700nmで5nm刻みごとにτ0(λ)を得た。
(3)着色層分光データ計算
赤色着色層、青色着色層、緑色着色層について、各膜厚dに対応する分光スペクトルτ(λ)を求めた。
膜厚d0(1.65μm)の時の分光スペクトルτ0(λ)を用いて、各波長における物質の固有の定数を求めた。各着色層の合計84000点において、当該各波長における物質の固有定数から、各波長における分光スペクトルτ1(λ)〜τ84000(λ)まで分光データを計算した。
(4)色度座標作成
赤色着色層、青色着色層、緑色着色層について、求められた各波長における分光スペクトルτ1(λ)〜τ84000(λ)の84000個のτ(λ)の平均値τave(λ)を求めた。この平均値τave(λ)を用いて、使用光源の分光スペクトルP(λ)、及びXYZ表色系における等色関数を用いて、上述の式(1)〜(6)より色度座標(x,y)及び輝度Yを計算した。
その結果、赤色着色層は、(x、y、Y)=(0.654、0.333、18.3)と求めることができた。また、緑色着色層は、(x、y、Y)=(0.287、0.602、51.5)と求めることができた。青色着色層は、(x、y、Y)=(0.132、0.108、12.0)と求めることができた。
(5)得られた色度座標の評価
本発明の評価方法を用いて得られた、膜厚が不均一な各着色層の色度座標について、同じカラーフィルターを用いて液晶表示装置を組み立てて得られた色度座標と比較した。
液晶表示装置は、上記インクジェット方式により得られたカラーフィルターと、TFTアレイ基板を対向させ、両基板の内面側周縁部をシール剤により接合し、基板間の間隙部に液晶を満たして密封することにより作製した。
上記得られた液晶表示装置について、カラーフィルター側表面から70cm離した箇所で、分光放射計(TOPCON製、SR−2)によりスポット径0.2度の測定条件で色度及び輝度を測定した。
その結果、赤色着色層は、(x、y)=(0.651、0.330)、輝度L=190(cd/m2)であった。また、緑色着色層は、(x、y)=(0.290、0.599)、輝度L=475(cd/m2)であった。青色着色層は、(x、y)=(0.135、0.111)、輝度L=58.2(cd/m2)であった。
上記本発明の評価方法により得られた各着色層のx、y値は、液晶表示装置で評価したカラーフィルターのx、y値と比べて、差が0.003以内と小さいものであった。
<比較例1>
評価したカラーフィルターの着色層は、実施例1と同じ着色層を用いた。顕微分光光度計(例えば、オリンパス(株)社製 OSP-SP200)を用いて、各着色層の中心部を50μmスポット径で測色し、色度座標(x,y)及び輝度Yを得た。
その結果、赤色着色層は、(x、y、Y)=(0.671、0.329、14.3)であった。また、緑色着色層は、(x、y、Y)=(0.275、0.634、45.9)であった。青色着色層は、(x、y、Y)=(0.133、0.100、9.4)であった。
膜厚が不均一な各着色層について、従来のように顕微分光光度計を用いて求めた各着色層のx、y値は、液晶表示装置で評価したカラーフィルターのx、y値と比べて、赤色着色層においてxの差が0.020、緑色着色層においてyの差が0.035、青色着色層においてyの差が0.011と大きいものであった。
膜厚が不均一な着色層の形状の例の模式的断面図である。 一つの着色層において膜厚分布を作成する一例を説明する模式図である。 赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各着色層における、ある箇所の断面の膜厚分布のプロファイルである。
符号の説明
1…着色層
2…所定間隔
3…代表点
4…代表エリア

Claims (4)

  1. 膜厚が不均一な着色層を備えた光学素子用部材の色度座標の評価方法であって、
    A)膜厚が不均一な着色層の所望エリアにおいて、5μm以下の間隔ごとに代表点を設定し、当該各代表点の膜厚を測定する膜厚分布作成工程と、
    B)均一な特定の膜厚を有し、且つ前記膜厚が不均一な着色層の当該特定の膜厚における分光データと一致する分光データを有する着色層の任意の波長間隔ごとの分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
    C)前記膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて、式7により着色層の前記所望エリアの前記各代表点の膜厚に対応する前記任意の波長間隔ごとの分光データを計算する着色層分光データ計算工程と、
    D)前記着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて着色層の所望エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、式1〜6により色度座標、及び輝度を求める色度座標作成工程、
    を有することを特徴とする、光学素子用部材の色度座標の評価方法。
    Figure 0004473231
    Figure 0004473231
  2. a)標本着色層の所望エリアにおいて、5μm以下の間隔ごとに代表点を設定し、当該各代表点の膜厚を測定する標本膜厚分布作成工程と、
    b)均一な特定の膜厚を有し、且つ前記膜厚が不均一な着色層の当該特定の膜厚における分光データと一致する分光データを有する着色層の任意の波長間隔ごとの分光データを測定する標準分光データ測定工程と、
    c)前記標本膜厚分布作成工程と前記標準分光データ測定工程により得られたデータを用いて、前記式7により標本着色層の前記所望エリアの前記各代表点の膜厚に対応する前記任意の波長間隔ごとの分光データを計算する標本着色層分光データ計算工程と、
    d)前記標本着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の所望エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、前記式1〜6により色度座標、及び輝度を求める標本着色層色度座標作成工程と、
    e)前記標本着色層の着色層分光データ計算工程により得られたデータを用いて標本着色層の代表エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、前記式1〜6により色度座標、及び輝度を求める標本代表エリア色度座標作成工程と、
    f)前記標本着色層と同条件で形成された管理対象である着色層について、前記標本代表エリアに対応する箇所の代表エリアの前記任意の波長間隔ごとの分光データを測定して、その得られたデータを用いて、前記式7により前記管理対象の着色層の代表エリアの前記各代表点の膜厚に対応する前記任意の波長間隔ごとの分光データを計算し、その計算により得られたデータを用いて管理対象の着色層の代表エリアの全代表点についての前記各任意の波長ごとの分光データの平均値を求め、当該平均値を用いて、前記式1〜6により色度座標、及び輝度を求める管理代表エリア色度座標作成工程と、
    g)前記管理代表エリア色度座標作成工程により得られた管理代表エリア色度座標と、前記標本代表エリア色度座標作成工程により得られた標本代表エリア色度座標とを対比する色度座標対比工程、
    を有することを特徴とする、請求項1に記載の光学素子用部材の色度座標の評価方法。
  3. 前記着色層がインクジェット方式により形成されたものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子用部材の色度座標の評価方法。
  4. カラーフィルターに用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載の光学素子用部材の色度座標の評価方法。
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