JP2004119207A - 有機el表示装置 - Google Patents

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JP2004119207A JP2002281414A JP2002281414A JP2004119207A JP 2004119207 A JP2004119207 A JP 2004119207A JP 2002281414 A JP2002281414 A JP 2002281414A JP 2002281414 A JP2002281414 A JP 2002281414A JP 2004119207 A JP2004119207 A JP 2004119207A
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Makoto Shibusawa
澁沢 誠
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Abstract

【課題】或る画素の有機物層に欠落部が生じた場合や導電性異物が混入した場合であっても、その画素が滅点欠点として視認され難い有機EL表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の有機EL表示装置1は、基板と前記基板の一方の主面上で配列した複数の画素とを具備し、前記複数の画素のそれぞれは互いに対向した陽極25及び陰極とそれらの間に介在するとともに発光層を含んだ有機物層とを備え、前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記陽極25は、電源から電力を供給される第1部分25aと、前記第1部分25aから前記有機物層の一部を介して離間するとともに前記第1部分25aから前記有機物層の前記一部を介して電力を供給される第2部分25b乃至25bとを備えたことを特徴とする。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に係り、特には有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL表示装置は自己発光表示装置であるため、視野角が広く、応答速度が速い。また、バックライトが不要であるため、薄型軽量化が可能である。これらの理由から、近年、有機EL表示装置は、液晶表示装置に代わる平面表示装置として注目されている。
【0003】
ところで、有機EL表示装置の製造プロセスでは、発光層を形成する際、その材料として低分子有機材料を使用する場合には真空蒸着法を利用している。また、発光層の材料として高分子有機材料を使用する場合には、高分子有機材料を含有した溶液を塗布してなる塗膜を乾燥するという方法を採用している。
【0004】
後者の方法では、具体的には、まず、各画素に対応した位置に貫通孔を有する撥水性の隔壁絶縁層を基板上に形成する。次に、これら貫通孔を液溜めとして利用して、インクジェット法などの溶液塗布法により、高分子有機材料を含有した溶液でそれら貫通孔を満たす。その後、貫通孔内の液膜を乾燥することにより、それら液膜から溶媒を除去する。以上のようにして発光層を得る。なお、これと同様の方法により、バッファ層なども形成することができる。
【0005】
しかしながら、この方法では、上記液膜が液溜め内全体に拡がらないことがある。この場合、液溜めの周縁部で有機物層に欠落を生じ、その欠落部で陽極と陰極とが短絡することとなる。
【0006】
また、有機物層には不可避的に導電性異物が混入することがある。有機物層に導電性異物が混入した場合、導電性異物が陽極と陰極とに接触することがある。
この場合、陽極と陰極とは、その導電性異物を介して短絡する。
【0007】
このように有機物層に欠落部が生じた画素や有機物層に導電性異物が混入した画素では、陽極と陰極とが短絡することがあるため、有機物層に電流が流れ難くなる。そのため、これら画素は、滅点欠点として視認されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、或る画素の有機物層に欠落部が生じた場合や導電性異物が混入した場合であっても、その画素が滅点欠点として視認され難い有機EL表示装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、基板と前記基板の一方の主面上で配列した複数の画素とを具備し、前記複数の画素のそれぞれは互いに対向した陽極及び陰極とそれらの間に介在するとともに発光層を含んだ有機物層とを備え、前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記陽極は、電源から電力を供給される第1部分と、前記第1部分から前記有機物層の一部を介して離間するとともに前記第1部分から前記有機物層の前記一部を介して電力を供給される第2部分とを備えたことを特徴とする有機EL表示装置を提供する。
【0010】
上記複数の画素のそれぞれにおいて、有機物層は陽極と発光層との間に介在して陽極から発光層への正孔の注入を媒介するバッファ層をさらに含んでいてもよい。この場合、第1部分と第2部分との間の間隙はバッファ層で埋め込まれていてもよい。
【0011】
また、上記複数の画素のそれぞれにおいて、第2部分は第1部分を取り囲んでいてもよい。さらに、上記複数の画素のそれぞれにおいて、陽極は第2部分を複数備えていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様または類似する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置を概略的に示す平面図である。また、図2(a)は図1に示す有機EL表示装置のA−A線に沿った断面図であり、図2(b)は図1に示す有機EL表示装置のB−B線に沿った断面図である。なお、図1では、有機EL表示装置の構成要素の一部のみが描かれている。また、図2(a),(b)では、図1よりも広い範囲が描かれている。
【0014】
図1及び図2(a),(b)に示す有機EL表示装置1は、互いに対向したアレイ基板2及び封止基板3とそれらの間に介在したシール層4とを備えている。
シール層4は封止基板3の周縁に沿って設けられており、それにより、アレイ基板2と封止基板3との間に密閉された空間を形成している。この空間は、Arガスなどの希ガスやNガスのような不活性ガスで満たされている。
【0015】
アレイ基板2は、基板11を有している。基板11上には、アンダーコート層として、例えば、SiN層12とSiO層13とが順次積層されている。アンダーコート層13上には、チャネル及びソース・ドレインが形成されたポリシリコン層のような半導体層14、ゲート絶縁膜15、及びゲート電極16が順次積層されており、それらはトップゲート型の薄膜トランジスタ(以下、TFTという)20を構成している。
【0016】
ゲート絶縁膜15及びゲート電極16上には、SiOなどからなる層間絶縁膜21が設けられている。層間絶縁膜21上には電極配線(図示せず)及びソース・ドレイン電極23が設けられており、それらは、SiNなどからなるパッシベーション膜24で埋め込まれている。なお、ソース・ドレイン電極23は、層間絶縁膜21に設けられたコンタクトホールを介してTFT20のソース・ドレインに電気的に接続されている。
【0017】
パッシベーション膜24上には、透明電極(陽極)25が互いに離間して並置されている。それぞれの陽極25は、パッシベーション膜24に設けられたビアホールを介してドレイン電極23に電気的に接続された第1部分25aと、第1部分25aから離間配置した第2部分25b乃至25bとで構成されている。
【0018】
パッシベーション膜24上には、さらに、絶縁層26aが設けられている。絶縁層26aは、例えば、親水性の無機絶縁層である。絶縁層26aは、陽極25に対応した位置に貫通孔を有しており、パッシベーション膜24の陽極25から露出した部分と陽極25の周縁部とを被覆している。すなわち、陽極25の第1部分25aと第2部分25b乃至25bの第1部分25aにより近い領域とは絶縁層26aから露出し、第2部分25b乃至25bの第1部分25aからより遠い領域は絶縁層26aにより被覆されている。
【0019】
絶縁層26a上には、絶縁層26bが設けられている。絶縁層26bは、例えば、撥水性の有機絶縁層である。絶縁層26bは、陽極25に対応した位置に、絶縁層26aの貫通孔と等しいか或いはそれよりも大きな径の貫通孔を有している。なお、絶縁層26aと絶縁層26bとの積層体は、陽極25に対応した位置に貫通孔を有する隔壁絶縁層26を構成している。
【0020】
隔壁絶縁層26の貫通孔内で露出した陽極25上には、バッファ層27及び発光層28を含む有機物層が設けられている。バッファ層27は、陽極25から発光層28への正孔の注入を媒介する役割を果たす。また、発光層28は、例えば、発光色が赤色、緑色、または青色のルミネセンス性有機化合物を含んだ薄膜である。
【0021】
隔壁絶縁層26及び発光層28上には共通電極(陰極)29が設けられている。陰極29は、パッシベーション膜24及び隔壁絶縁層26に設けられたコンタクトホール(図示せず)を介して電極配線に電気的に接続されている。それぞれの有機EL素子30は、これら陽極25、バッファ層27、発光層28、及び陰極29で構成されている。
【0022】
さて、本実施形態に係る有機EL表示装置1では、先に述べたように、それぞれの陽極25を第1部分25aと第2部分25b乃至25bとで構成している。このような構造を採用すると、或る画素で有機物層に欠落部を生じるか或いは有機物層中に導電性異物が混入することなどにより第2部分25b乃至25bの何れかと陰極29とが短絡したとしても、その画素が滅点欠点として視認されるのを防止することができる。これについては、図3(a),(b)を参照しながら説明する。
【0023】
図3(a),(b)は、図1及び図2(a),(b)に示す有機EL表示装置1のTFT20と有機EL素子30との接続状態を示す等価回路図である。なお、図3(a),(b)において、TFT20は、例えば、駆動用のpチャネルTFTである。TFT20のソースは図示しない第1電源Vssに接続されており、ドレインは有機EL素子30の陽極25のうち第1部分25aのみに接続されている。また、TFT20のゲートは、例えば、ゲートが走査信号線に接続され且つドレインが映像信号線に接続された選択用のnチャネルTFTのソースに接続され(何れも図示せず)、アクティブマトリクス型の有機EL表示装置が構成されている。
【0024】
先に述べたように、バッファ層27は陽極25から発光層28への正孔の注入を媒介する役割を果たす。すなわち、バッファ層27は導電層の1種である。そのため、それぞれの有機EL素子30は、陽極25の第1部分25a及び第2部分25b乃至25bにそれぞれ対応し且つTFT20のドレインと第2電源(ここではGND)Vddとの間で並列接続された有機EL素子30a及び30b乃至30bで構成されていると考えることができる。
【0025】
但し、第1部分25aと第2部分25b乃至25bとは、前者がTFT20のドレインに直接的に接続されているのに対し、後者は第1部分25aに加えてバッファ層27の第1部分25aと第2部分25b乃至25bとの間に介在した部分を介してTFT20のドレインに接続されている点で異なっている。バッファ層27は、導電層であるが、抵抗値がゼロであるわけではない。したがって、図3(a)に示すように、TFT20のドレインと有機EL素子30b乃至30bの第2部分25b乃至25bとは、それぞれ、抵抗R1乃至R4を介して接続されているとみなすことができる。
【0026】
このような回路構成によると、例えば、図3(b)に示すように有機EL素子30bの第2部分25bと陰極29とが短絡した場合であっても、抵抗R1が存在しているため、点Pの電位が低下するのを抑制することができる。すなわち、有機EL素子30bの第2部分25bと陰極29とが短絡したとしても、有機EL素子30a及び30b乃至30bに十分な電流を流すことができる。したがって、その画素の発光輝度が低下するのを抑制することができ、その画素が滅点欠点として視認されるのを防止可能となる。
【0027】
上記の通り、本実施形態では、或る画素で第2部分25b乃至25bの何れかと陰極29とが短絡した場合に生じる点P電位の低下を抑制することにより、その画素が滅点欠点として視認されるのを防止する。この点P電位の低下を抑制する効果は、抵抗R1乃至R4の抵抗値を高めることにより大きくすることができる。しかしながら、抵抗R1乃至R4の抵抗値を過剰に高くするとと、有機EL素子30b乃至30bでは有機EL素子30aに比べて電流密度が著しく低くなることがある。この場合、有機EL素子30aは、有機EL素子30b乃至30bに比べ、寿命が著しく短くなるおそれがある。すなわち、寿命の観点からは、有機EL素子30a及び有機EL素子30b乃至30b間で電流密度をほぼ等しくすることが望まれる。
【0028】
点P電位が一定の条件下では、有機EL素子30aにおける電流密度はその面積に殆ど依存しないのに対し、有機EL素子30b乃至30bにおける電流密度は抵抗R1乃至R4の抵抗値とそれらの面積とに依存する。例えば、有機EL素子30b乃至30bにおける電流密度は、抵抗R1乃至R4の抵抗値を高めると低くなり、有機EL素子30b乃至30bの個々の面積を狭くすると高くなる。したがって、有機EL素子30b乃至30bの個々の面積を十分に狭くすれば、抵抗R1乃至R4の抵抗値を高めた場合であっても、有機EL素子30a及び有機EL素子30b乃至30b間で電流密度をほぼ等しくすることができる。
【0029】
本実施形態において、抵抗R1乃至R4の抵抗値は、バッファ層27に使用する材料の組成(比抵抗)、バッファ層27の膜厚d、第1部分25aと第2部分25b乃至25bとの間の距離D、及び、第1部分25aの輪郭のうち第2部分25b乃至25bの何れかと対向した領域の長さLなどにより調節することができる。例えば、バッファ層27に比抵抗の高い材料を使用すること、膜厚dを小さくすること、距離Dを長くすること、或いは、長さLを短くすることにより、抵抗R1乃至R4の抵抗値を高めることができる。
【0030】
本実施形態において、第2部分25b乃至25bは第1部分25aを取り囲むように設けることが好ましい。これは、有機物層の欠落は、その周縁部で生じることが多いためである。
【0031】
本実施形態において、第1部分25aの面積Sと第2部分25b乃至25bの面積の和Sとの比S/Sに特に制限はない。但し、抵抗R1乃至R4で消費される電力は発光に寄与しないので、消費電力などの観点からは、比S/Sは大きいことが望ましい。また、導電性異物は有機物層の周縁部だけでなく中央部にも混入し得るので、導電性異物に起因して画素が滅点欠点として視認されるのを防止する観点からは、比S/Sは小さいことが望ましい。
【0032】
本実施形態では、第2部分25b乃至25bの面積の和Sを一定とした場合、第2部分の数が多いほど、点P電位の低下をより良好に抑制することができる。但し、第2部分の数を多くすると、それらの間の間隙部の面積が広くなる。
【0033】
次に、本実施形態に係る有機EL表示装置1の主要な構成要素に使用可能な材料などについて説明する。
基板11としては、その上に形成される構造を保持可能なできるものであれば、どのようなものを用いてもよい。基板11としては、ガラス基板のように硬質な基板が一般的であるが、有機EL表示装置1の用途によっては、プラスチックシートなどのようにフレキシブルな基板を使用してもよい。
【0034】
有機EL表示装置1が基板11側から光を発する下面発光型の場合、陽極25としては光透過性を有する透明電極を使用する。透明電極の材料としては、ITO(インジウム・スズ酸化物)等の透明導電材料を使用することができる。透明電極の膜厚は、通常、10nm乃至150nm程度である。透明電極は、ITO等の透明導電材料を蒸着法やスパッタリング等により堆積し、それにより得られる薄膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより得ることができる。
【0035】
隔壁絶縁層26は、単層構造を有していてもよく、或いは、多層構造を有していてもよい。例えば、隔壁絶縁層26を絶縁層26bのみで構成してもよい。但し、隔壁絶縁層26を絶縁層26a,26bで構成した場合、バッファ層27や発光層28の位置精度及び断面形状をより高精度に制御可能となる。
【0036】
絶縁層26aの材料としては、例えば、シリコン窒化物やシリコン酸化物のような無機絶縁材料を使用することができる。これら無機絶縁材料からなる絶縁層26aは比較的高い親水性を示す。
【0037】
絶縁層26bの材料としては、例えば、有機絶縁材料を使用することができる。絶縁層26bに使用可能な有機絶縁材料に特に制限はないが、感光性樹脂を使用した場合、貫通孔が設けられた絶縁層26bを容易に形成可能である。絶縁層26bを形成するのに使用可能な感光性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリアクリル、ポリアミド樹脂、ポリアミック酸などのアルカリ可溶性の高分子誘導体にナフトキノンジアジドなどの感光性化合物を添加してなり、露光及びアルカリ現像によりポジパターンを与える材料を挙げることができる。また、ネガパターンを与える感光性樹脂としては、化学線の照射により現像液への溶解速度が遅くなる感光性組成物,例えばエポキシ基のように化学線照射により架橋する官能基を有する感光性組成物を挙げることができる。絶縁層26bは、例えば、これら感光性樹脂を基板11の陽極25などが形成された面にスピンコート法などにより塗布し、それにより得られた塗膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングすることにより得られる。
【0038】
隔壁絶縁層26の膜厚は、バッファ層27の膜厚と発光層28の膜厚との和以上であることが望ましい。なお、バッファ層27や発光層28を形成する際には、インクジェット法による溶液塗布時の位置精度向上のため、絶縁層26bの表面を予めCF・Oなどのプラズマガスで撥水処理しておくことが望ましい。
【0039】
バッファ層27の材料としては、例えば、ドナー性の高分子有機化合物とアクセプタ性の高分子有機化合物との混合物を使用することができる。ドナー性の高分子有機化合物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTという)のようなポリチオフェン誘導体及び/またはポリアニリンのようなポリアニリン誘導体などを使用することができる。また、アクセプタ性の有機化合物としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(以下、PSSという)などを使用することができる。
【0040】
バッファ層27は、隔壁絶縁層26が形成する液溜めを、溶液塗布法により、ドナー性の高分子有機化合物とアクセプタ性の高分子有機化合物との混合物を有機溶媒中に溶解してなる溶液で満たし、液溜め内の液膜を乾燥することにより、それら液膜から溶媒を除去することにより得られる。バッファ層27を形成するのに利用可能な溶液塗布法としては、例えば、ディッピング、インクジェット、及びスピンコート法などを挙げることができるが、なかでも、インクジェット法を利用することが好ましい。また、上記液膜の乾燥は、熱及び/または減圧のもとで行ってもよく、或いは、自然乾燥により行ってもよい。
【0041】
発光層28の材料としては、有機EL表示装置で一般に使用されているルミネセンス性有機化合物を用いることができる。そのような有機化合物のうち赤色のルミネセンスを発するものとしては、例えば、ポリビニレンスチレン誘導体のベンゼン環にアルキルまたはアルコキシ置換基を有する高分子化合物や、ポリビニレンスチレン誘導体のビニレン基にシアノ基を有する高分子化合物などを挙げることができる。緑色のルミネセンスを発する有機化合物としては、例えば、アルキルまたはアルコキシまたはアリール誘導体置換基をベンゼン環に導入したポリビニレンスチレン誘導体などを挙げることができる。青色のルミネセンスを発する有機化合物としては、例えば、ジアルキルフルオレンとアントラセンの共重合体のようなポリフルオレン誘導体などを挙げることができる。また、発光層28には、これらの高分子のルミネセンス性有機化合物に低分子のルミネセンス性有機化合物などをさらに添加してもよい。
【0042】
発光層28は、上記の通り、隔壁絶縁層26が形成する液溜めを、溶液塗布法により、ルミネセンス性有機化合物を溶媒中に溶解してなる溶液で満たし、液溜め内の液膜を乾燥することにより、それら液膜から溶媒を除去することにより得られる。発光層28を形成するのに利用可能な溶液塗布法としては、例えば、ディッピング、インクジェット、及びスピンコート法などを挙げることができるが、なかでも、インクジェット法を利用することが好ましい。また、上記液膜の乾燥は、熱及び/または減圧のもとで行ってもよく、或いは、自然乾燥により行ってもよい。
【0043】
発光層28の膜厚は、使用する材料に応じて適宜設定する。通常、発光層28全体の膜厚は50nm乃至200nmの範囲内である。
【0044】
陰極29は、単層構造を有していてもよく、或いは、多層構造を有していてもよい。陰極29を多層構造とする場合、例えば、発光層28上にバリウムやカルシウムなどを含有した主導体層と銀やアルミニウムなどを含有した保護導体層とを順次積層してなる二層構造としてもよい。また、発光層28上にフッ化バリウムなどを含有した非導体層と銀やアルミニウムなどを含有した導体層とを順次積層してなる二層構造としてもよい。さらに、発光層28上にフッ化バリウムなどを含有した非導体層とバリウムやカルシウムなどを含有した主導体層と銀やアルミニウムなどを含有した保護導体層とを順次積層してなる三層構造としてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、陽極25をパッシベーション膜24上に設けたが、陽極25は層間絶縁膜21上に、つまり信号線と陽極25とを同一平面上に設けてもよい。また、上記実施形態では有機EL表示装置1を下面発光型としたが、上面発光型とすることもできる。さらに、アレイ基板2を対向基板3によりシーリングする場合、基板間の空間に乾燥剤を封入することで、素子の長寿命化を図ることも可能であり、また、対向基板3とアレイ基板2との間に樹脂を充填して放熱特性を向上させることもできる。
【0046】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、図1及び図2(a),(b)に示す有機EL表示装置1を以下の方法により作製した。
【0047】
すなわち、まず、ガラス基板11のアンダーコート層11,12が形成された面に対し、通常のTFT形成プロセスと同様に成膜とパターニングとを繰り返し、TFT20、層間絶縁膜21、電極配線(図示せず)、ソース・ドレイン電極23、及びパッシベーション膜24を形成した。
【0048】
次に、パッシベーション膜24上に、スパッタリング法を用いてITO膜を形成した。続いて、このITO膜を、フォトリソグラフィ技術を用いて図1に示す形状にパターニングすることにより陽極25を得た。ここでは、陽極25は、それに外接する正八角形の最も遠い対辺間距離が79μmとなるように形成した。
また、第1部分25aの面積Sと第2部分25b乃至25bの面積の和Sとの比S/Sは1とし、第1部分25aと第2部分25b乃至25bとの間の距離Dは5μmとした。なお、陽極25は、マスクスパッタリング法により形成してもよい。
【0049】
次いで、基板11の陽極25を形成した面に、各画素の発光部に対応して開口を有する親水性の無機絶縁層26aを形成した。続いて、基板11の陽極25を形成した面に、感光性樹脂を塗布し、得られた塗膜をパターン露光及び現像することにより、各画素の発光部に対応して開口を有する撥水性の有機絶縁層26bを形成した。以上のようにして、絶縁層26aと絶縁層26bとを積層してなる隔壁絶縁層26を得た。
【0050】
次に、基板11の隔壁絶縁層26を形成した面に対して、反応性イオンエッチング装置により反応性フッ素含有ガスを用いた表面処理を施し、隔壁絶縁層26及び陽極25の表面を改質した。次いで、隔壁絶縁層26が形成するそれぞれの液溜めに、インクジェット法によりバッファ層形成用インクを吐出して液膜を形成した。続いて、これら液膜を加熱することにより、厚さ約100nmのバッファ層27を得た。なお、バッファ層27の材料としては、PEDOTとPSSとの混合物を使用した。
【0051】
その後、バッファ層27上に、発光層形成用インクをインクジェット法により吐出して液膜を形成した。続いて、これら液膜を加熱することにより発光層28を得た。
【0052】
次いで、基板11の発光層28を形成した面にバリウムを真空蒸着し、続いてアルミニウムを蒸着することにより陰極29を形成した。これにより、TFTアレイ基板2を完成した。
【0053】
その後、封止基板3の一方の主面の周縁部に紫外線硬化型樹脂を塗布してシール層4を形成した。次いで、封止基板3とアレイ基板2とを、封止基板3のシール層4を設けた面とアレイ基板2の陰極29を設けた面とが対向するようにNガス中で貼り合せた。さらに、紫外線照射によりしてシール層を硬化させることにより、図1及び図2(a),(b)に示す有機EL表示装置1を完成した。
【0054】
このような方法により、バッファ層27の比抵抗が互いに異なる複数の有機EL表示装置1を作製した。なお、バッファ層27の比抵抗は、PEDOTとPSSとの比により調節した。また、何れの有機EL表示装置1においても、印加電圧を6Vとしたときに39mA/cmの電流が流れるように有機EL素子30を形成した。
【0055】
次に、これら有機EL表示装置1のそれぞれについて、或る画素の第2部分25bと陰極29とを短絡させ、点P電位の低下率を調べた。その結果を図4に示す。
【0056】
図4は、本発明の実施例に係る有機EL表示装置1について陽極25の一部と陰極29とを短絡させることにより得られた点P電位の低下率を示すグラフである。図中、横軸はバッファ層27の比抵抗を示し、縦軸は点P電位の低下率を示している。
【0057】
図4に示すように、本発明の実施例に係る有機EL表示装置1の何れにおいても、点P電位の低下率は40%以下であり、上記短絡を生じさせた画素が滅点欠点として視認されるのを抑制することができた。特に、バッファ層27の比抵抗を2×10Ω・cmよりもよりも高くした場合、点P電位の低下率をほぼ10%以下とすることができ、上記短絡を生じさせた画素が滅点欠点として視認されるのをほぼ完全に抑制することができた。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、陽極を、電源から電力を供給される第1部分と、第1部分から有機物層の一部を介して電力を供給される第2部分とで構成する。これにより、或る画素の第2部分の位置で有機物層に欠落部が生じた場合や導電性異物が混入した場合であっても、その画素が滅点欠点として視認されるのを抑制することができる。
すなわち、本発明によると、或る画素の有機物層に欠落部が生じた場合や導電性異物が混入した場合であっても、その画素が滅点欠点として視認され難い有機EL表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置を概略的に示す平面図。
【図2】(a)は図1に示す有機EL表示装置のA−A線に沿った断面図、(b)は図1に示す有機EL表示装置のB−B線に沿った断面図。
【図3】(a),(b)は、図1及び図2(a),(b)に示す有機EL表示装置のTFTと有機EL素子との接続状態を示す等価回路図。
【図4】本発明の実施例に係る有機EL表示装置について陽極の一部と陰極とを短絡させることにより得られた電位の低下率を示すグラフ。
【符号の説明】
1…有機EL表示装置
2…アレイ基板
3…封止基板
4…シール層
11…基板
12…アンダーコート層
13…アンダーコート層
14…半導体層
15…ゲート絶縁膜
16…ゲート電極
20…TFT
21…層間絶縁膜
23…ソース・ドレイン電極
24…パッシベーション膜
25…陽極
25a…第1部分
25b…第2部分
26…隔壁絶縁層
26a,26b…絶縁層
27…バッファ層
28…有機発光層
29…陰極
30,30a,30b乃至30b…有機EL素子
R1乃至R4…抵抗

Claims (5)

  1. 基板と前記基板の一方の主面上で配列した複数の画素とを具備し、前記複数の画素のそれぞれは互いに対向した陽極及び陰極とそれらの間に介在するとともに発光層を含んだ有機物層とを備え、
    前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記陽極は、電源から電力を供給される第1部分と、前記第1部分から前記有機物層の一部を介して離間するとともに前記第1部分から前記有機物層の前記一部を介して電力を供給される第2部分とを備えたことを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記有機物層は前記陽極と前記発光層との間に介在して前記陽極から前記発光層への正孔の注入を媒介するバッファ層をさらに含んだことを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記第1部分と前記第2部分との間の間隙は前記バッファ層で埋め込まれたことを特徴とする請求項2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記第2部分は前記第1部分を取り囲んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記複数の画素のそれぞれにおいて、前記陽極は前記第2部分を複数備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
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