JP5244191B2 - 薄膜付き基板、有機エレクトロルミネセンス表示装置、カラーフィルタ基板及び薄膜付き基板の製造方法 - Google Patents

薄膜付き基板、有機エレクトロルミネセンス表示装置、カラーフィルタ基板及び薄膜付き基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜付き基板、有機エレクトロルミネセンス(以下、有機ELともいう。)表示装置、カラーフィルタ基板及び薄膜付き基板の製造方法に関する。より詳しくは、製造の際にインクジェット装置等の塗布装置を好適に用いることができる薄膜付き基板、有機EL表示装置、カラーフィルタ基板、及び薄膜付き基板の製造方法に関するものである。
製膜技術は、半導体層の形成をはじめ、ディスプレイ等の製造に多用されている。特にインクジェット装置を用いる製膜技術(インクジェット法)は、有機EL素子の有機EL層、カラーフィルタ基板のカラーフィルタ層、金属配線基板のパターン配線等の機能性薄膜の製造に用いられている。インクジェット法によれば、薄膜の厚みを容易に調整することができるとともに、蒸着等の固相法と比較して大面積化に容易に対応することができる。また、材料効率が高いため、コストダウンを実現することができる。
インクジェット法では、一般的に、機能材料(薄膜材料)と溶媒とを含有する機能液を塗布した後、溶媒を除去することで、機能性薄膜を形成する。インクジェット法による機能性薄膜の製造において、塗液の吐出中に溶媒がヘッド部で揮発することで機能材料等が析出すると、基板上での着弾位置にずれが生じたり、吐出量にバラツキが生じたりする等の吐出不良をもたらさせる場合がある。また、インクジェット装置の個々のノズルの吐出精度や吐出量のバラツキによって、所望の膜厚を有する機能性薄膜を得ることができなかったり、機能性薄膜の膜厚にバラツキが発生することがある。
そこで、インクジェット法では、バンクと呼ばれる隔壁部分によって区画された領域に機能液を塗布する方法が一般的に用いられている。例えば、特許文献1には、バンクで区画された領域に機能液を充填してパターン配線を形成する技術が開示されているが、配線パターンに合わせてバンクを形成しなくてはならず、複雑な配線パターンや高精細なデバイスを形成するのは困難であるという点で改善の余地があった。また、特許文献2、3には、親液性のバンクと撥液性のバンクとを積層する技術が開示されているが、後から重ねたバンクの表面処理によって下側のバンクの効果が失われてしまい、充分な効果が得られていないという点で改善の余地があった。また、特許文献4には、積層された親液性の第1のバンクと撥液性の第2のバンクとで区画された領域に有機EL層を形成した有機EL表示装置が開示されているが、バンクの壁面やバンク上に電荷注入輸送層が付着し、電荷注入輸送層上に塗布する中間層及び発光層で電荷注入輸送層を完全に覆うことができず、電荷注入輸送層と陰極とが直接接触することでリーク電流が生じ、機能低下が発生するという点で改善の余地があった。
特開2007−95729号公報 特開2007−280866号公報 特開2008−4376号公報 特開2005−326799号公報
以下、有機EL素子を例として、従来の薄膜付き基板の課題について説明する。
有機EL素子は、少なくとも発光層を含む有機EL層が陽極(アノード)と陰極(カソード)とに挟まれた構造でバンクで囲まれた画素領域に配置される。また、有機EL素子は、通常、発光層以外の有機EL層として、電子注入層、キャリア輸送層(電子輸送層、正孔輸送層)、正孔注入層等が発光層と積層される。キャリア輸送層は、発光層に充分な電界が印加されるようにするため、一般的に発光層に比べて抵抗が低く、導電性が高い。また、キャリアが発光に寄与せずに発光層を通過するのを防ぐために、キャリアブロッキング層と呼ばれる発光層内にキャリアを閉じ込める機能性材料層がキャリア輸送層と発光層との間に形成される場合がある。このキャリアブロッキング層は、一般的に導電率が低いため、発光層に比べて非常に薄く形成されることが多い。このように、膜厚の薄い薄膜(有機EL層)を積層して形成される有機EL素子は、カラーフィルタ基板や配線基板と比較して、薄膜の膜厚を均一に制御することが特に困難であった。
ここで、バンクで囲まれた画素領域にインクジェット法を用いて機能液を塗布することにより、正孔輸送層、発光層を順に積層する場合について説明する。なお、画素領域には、既に陽極が形成されている。まず、正孔注入材料及び溶媒を含有する機能液を陽極上に吐出した後、乾燥及び加熱によって溶媒を除去することで、正孔輸送層が陽極上に形成される。次いで、その正孔輸送層上に発光材料及び溶媒を含有する機能液を吐出する。その際、バンク形状によっては、機能液がバンク内に充分に保持されずに、正孔輸送層及び陽極が発光層によって完全に被覆されない場合がある。この場合には、陽極及び正孔輸送層の一部が露出した状態になる。この状態で発光層上に真空蒸着法等によって陰極を形成すると、正孔輸送層及び陽極が露出した部分では、発光層を介さずに陰極が正孔輸送層及び陽極に直接接触する。この接触部分では、有機EL素子に電流を流して発光を得る場合に発光に寄与することができず、電流の利用効率が低下する。これにより、輝度の低下、発熱、消費電力の増加等が発生し、電力効率や素子寿命に重大な問題が引き起こされる。したがって、正孔輸送層及び陽極は、発光層で完全に被覆されることが好ましい。また、陰極と発光層との間に電子輸送層を更に配置した場合も同様に、発光層を介さない、陽極と陰極との接触、正孔輸送層と電子輸送層との接触、正孔輸送層と陰極との接触、及び、電子輸送層と陽極との接触が上記問題を発生させることになる。
また、複数の画素が一つずつバンクで閉じられている(区画されている)構造においては、各画素に対して機能液を吐出し、各画素毎に機能液を保持することになるが、ノズル径の製造バラツキ等によって吐出される液滴量が各ノズルで異なることで、各画素毎で塗液量のバラツキが発生する場合があった。更に、機能液の吐出時の着弾のずれにより、隣接する画素に機能液が入り込んだ場合にも、各画素毎で塗液量のバラツキが発生する場合があった。その結果、各画素毎で有機EL層の膜厚が異なってしまい、表示むらとして視認されていた。
なお、特許文献2〜4の技術によっても、これらの課題を解決することはできなかった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、薄膜の平坦性及び歩留りの向上を容易に実現することができる薄膜付き基板、有機EL表示装置、カラーフィルタ基板及び薄膜付き基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、複雑な製造プロセスの追加を伴うことなく、薄膜の平坦性及び歩留りの向上を容易に実現することができる薄膜付き基板について種々検討したところ、2種類のバンクを用いることに着目した。そして、基板上に凹部を形成する第一バンクと、第一バンク上に形成された第二バンクとを用い、複数の凹部を囲むように第二バンクを配置することにより、第二バンクで囲まれた領域(区画領域)に機能液を塗布して凹部内に平坦な薄膜を得ることができるとともに、薄膜形成装置のアライメント精度及び着弾精度のマージンを広げることができ、薄膜付き基板の歩留り向上が可能であることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、基板と、上記基板上に形成された薄膜とを備える薄膜付き基板であって、上記薄膜付き基板は、上記基板上に凹部を形成する第一バンクと、上記第一バンク上に形成された第二バンクとを備え、上記第二バンクに囲まれた区画領域内には、上記凹部が複数配置されており、上記薄膜は、上記凹部内に配置されている薄膜付き基板である。本発明の薄膜付き基板においては、一つの第一バンクが形成する凹部の数は特に限定されず、複数であってもよいし、一つであってもよい。一つの第一バンクが形成する凹部の数が一つである場合には、第一バンクを複数形成すればよい。
本発明の薄膜付き基板によれば、第二バンクで囲まれた領域(区画領域)に機能液を塗布すると、第二バンクの側面を伝って複数の凹部を覆うように機能液が広がり、各凹部内での機能液の液位バランスを好適に平衡化することができる。また、第一バンクによって凹部内に機能液が保持(ピン留め)されるため、溶媒の除去工程で機能液が凹部内に閉じ込められる。以上により、膜厚バラツキの少ない、平坦な薄膜を所望の位置(凹部)に形成することができる。
また、本発明の薄膜付き基板によれば、第一及び第二バンクを積層して用いることで、第一バンクのみを用いる場合と比較して、薄膜形成装置のアライメント精度及び着弾精度のマージンを広げることができる。これにより、薄膜形成工程における不良(例えば、薄膜の膜厚バラツキ)の発生を抑制し、薄膜付き基板の歩留りを向上することができる。
本明細書において、薄膜とは、有機EL素子の有機EL層、カラーフィルタ基板のカラーフィルタ等に好適な膜厚を有する膜である。すなわち、薄膜は、0.01〜3μmの膜厚を有する膜であればよい。また、本明細書において、第一及び第二バンクとは、枠状に配置された隔壁(枠状構造物)を言う。
本発明の薄膜付き基板の構成としては、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
本発明の薄膜付き基板における好ましい形態について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各形態は、適宜組み合わされてもよい。
上記区画領域の平面形状は、線状であることが好ましい。これにより、区画領域に塗布された機能液が毛細管現象によって第二バンクの側面を伝ってより容易に広がることができるため、各凹部内での機能液の液位バランスをより好適に平衡化することができる。
上記第二バンクの全体が機能液に対して撥液性を有する場合、機能液が第二バンクの側面を伝って広がることが困難となる。また、上記第二バンクの全体が機能液に対して親液性を有する場合、機能液が第二バンクの上面を超えて、不要な領域に流入するおそれがある。したがって、上記第二バンクの上面は、機能液に対して撥液性を有するとともに、上記第二バンクの側面は、機能液に対して親液性を有することが好ましい。このような構成は、例えば、親液性の材料を用いて形成された第二バンクに対して撥液化処理を行うことにより実現することができる。しかしながら、順テーパ形状を有する第二バンクに撥液化処理を行うと、第二バンクの側面も撥液化されてしまうことがあり、その結果、機能液が第二バンクの側面を伝って広がることが困難となる場合がある。したがって、上記第二バンクは、逆テーパ形状を有することが好ましい。これにより、第二バンクの側面が第二バンクの上面の影に入るため、第二バンクの側面に対する撥液化処理の影響を低減することができる。その結果、上面が撥液性で、かつ側面が親液性の第二バンクを容易に実現することができる。
なお、本明細書において、上とは、基板からより遠い方を意味し、下とは、基板により近い方を意味する。また、本明細書において、逆テーパ形状とは、基板表面に対する側面の角度(テーパ角)が90°以上の形状をいい、他方、順テーパ形状とは、基板表面に対する側面の角度が90°未満の形状をいう。
第二バンクの側面に対する撥液化処理の影響を低減するための条件としては、平面視したときに、第二バンクの側面が第二バンクの上面よりも突出していないことも挙げられる。すなわち、上記区画領域の平面形状は、線状であり、上記区画領域の短辺方向に沿って上記基板を断面視したときの上記区画領域の底面の長さL1と上面の長さL2とは、L1≧L2の関係を満たすことが好ましく、L1>L2の関係を満たすことがより好ましい。
第一バンクが逆テーパ形状を有する場合、第一バンクの側面と基板との間に機能液が溜まり、区画領域内を機能液が充分に広がることができず、凹部内に平坦な薄膜を得ることが困難となるおそれがある。したがって、上記第一バンクは、順テーパ形状を有することが好ましい。
上記第一バンクは、順テーパ形状を有し、上記第二バンクは、逆テーパ形状を有することが好ましい。これにより、第一バンクの側面と基板との間に機能液が溜まることを抑制するとともに、第二バンクの側面への撥液化処理の影響を低減することができる。
上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面は、フッ素を含むことが好ましい。これにより、第一バンクの第二バンクが配置されていない上側の面に機能液に対する撥液性を与えることができる。その結果、凹部内に機能液をより確実に保持(ピン止め)することができ、平坦な薄膜をより確実に得ることができる。なお、第一バンクの上側の面とは、第一バンクの上面だけでなく、第一バンクの側面も含む。
上記第二バンクの上面は、フッ素を含むことが好ましい。これにより、第二バンクの上面に機能液に対する撥液性を与えることができる。その結果、区画領域内に機能液をより確実に閉じ込めることができ、機能液が第二バンクの上面を超えて不要な領域に流れこむことをより確実に防止することができる。
上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面と上記第二バンクの上面とは、フッ素を含むことが好ましい。これにより、第一バンクの第二バンクが配置されていない上側の面と、第二バンクの上面とに機能液に対する撥液性を与えることができる。その結果、凹部内に平坦な薄膜をより確実に得ることができるとともに、機能液が第二バンクの上面を超えて不要な領域に流れこむことをより確実に防止することができる。また、このように上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面と上記第二バンクの上面とがフッ素を含む構成は、例えば、第一バンクの第二バンクが配置されていない上側の面と、第二バンクの上面とに対して同時にフッ素プラズマ処理を行うことで実現することができるため、製造工程を簡略化することができる。
上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面及び/又は上記第二バンクの上面がフッ素を含む構成を実現する方法としては、例えば、上述したフッ素プラズマ処理の他、フッ素を含む膜をコーティングする方法が挙げられる。
上記基板から上記第二バンクの上面までの距離h1は、h1>65μmの関係を満たすことが好ましい。これにより、区画領域内の基板上に薄膜が存在しない空隙部が発生することを防止することができる。
上記凹部の底面の端部が、平面視したときに、上記区画領域の底面の端部から15μm以上離れていない場合、凹部内に保持された機能液の一部が第二バンクの側面に付着し、凹部内に形成される薄膜の膜厚の均一性が低下するおそれがある。したがって、上記凹部の底面の端部は、平面視したときに、上記区画領域の底面の端部から15μm以上離れていることが好ましい。
上記区画領域の平面形状は、線状であり、上記薄膜付き基板は、上記第一バンク上に形成された第一構造物を備え、上記第一構造物は、上記第二バンクに接触し、かつ上記区画領域内に配置された複数の上記凹部の間に向かって上記第二バンクから突出した平面形状を有することが好ましい。これにより、毛細管現象による機能液の過剰な流動を防ぐことができる。また、第二バンクが第一バンクに近い(類似した)構造を有することになるため、機能液の乾燥速度を区画領域内で均一にすることができる。以上により、凹部内により平坦な薄膜を得ることができる。
上記第一構造物は、第二バンクと異なる材料で形成されてもよいが、第二バンクと同一材料で形成されることが好ましい。これにより、第一構造物と第二バンクとを同一工程で形成することができるため、製造工程を簡略化することができる。また、第一構造物及び第二バンクは、一体的に形成してもよい。すなわち、第二バンクは、第一構造物として機能する突出部を有していてもよい。
上記区画領域の平面形状は、線状であり、上記薄膜付き基板は、上記第一バンク上に形成された第二構造物を備え、上記第二構造物は、上記区画領域内に配置された複数の上記凹部の間に配置され、かつ上記第二バンクに接触しないことが好ましい。これによっても、第一構造物を備える場合と同様の効果を奏することができる。
上記第二構造物は、第二バンクと異なる材料で形成されてもよいが、第二バンクと同一材料で形成されることが好ましい。これにより、第二構造物と第二バンクとを同一工程で形成することができるため、製造工程を簡略化することができる。
本発明はまた、本発明の薄膜付き基板の製造方法であって、上記製造方法は、上記第一バンクを上記基板上に形成する第一バンク形成工程と、上記第二バンクを上記第一バンク上に形成する第二バンク形成工程と、上記区画領域に薄膜材料を含む機能液を塗布する塗布工程とを含む薄膜付き基板の製造方法でもある。
本発明の薄膜付き基板の製造方法によれば、区画領域に機能液を塗布することで、第二バンクの側面を伝って複数の凹部を覆うように機能液が広がり、各凹部内での機能液の液位バランスを好適に平衡化することができる。また、第一バンクによって凹部内に機能液が保持(ピン留め)されるため、溶媒の除去工程で機能液が凹部内に閉じ込められる。以上により、膜厚バラツキの少ない、平坦な薄膜を所望の位置(凹部)に形成することができる。
また、本発明の薄膜付き基板の製造方法によれば、第一及び第二バンクを積層することで、第一バンクのみを用いる場合と比較して、塗布装置のアライメント精度及び着弾精度のマージンを広げることができる。これにより、薄膜形成工程における不良(例えば、薄膜の膜厚バラツキ)の発生を抑制し、薄膜付き基板の歩留りを向上することができる。
本発明の薄膜付き基板の製造方法は、上記工程を有するものである限り、その他の工程により特に限定されるものではない。
本発明の薄膜付き基板の製造方法における好ましい態様について以下に詳しく説明する。なお、以下に示す各種態様は、適宜組み合わされてもよい。
上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面は、上記機能液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより、凹部内に機能液をより確実に保持(ピン止め)することができ、凹部内に平坦な薄膜をより確実に得ることができる。
上記第二バンクの上面は、上記機能液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより、区画領域内により確実に機能液を閉じ込めることができ、機能液が第二バンクの上面を超えて不要な領域に流れこむことを防止することができる。
上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面と上記第二バンクの上面とは、上記機能液に対する撥液性を有することが好ましい。これにより、平坦な薄膜をより確実に得ることができるとともに、機能液が第二バンクの上面を超えて不要な領域に流れこむことをより確実に防止することができる。また、このように上記第一バンクの上記第二バンクが配置されていない上側の面と上記第二バンクの上面とが撥液性である構成は、撥液化処理を同時に行うことで実現することができるため、製造工程を簡略化することができる。
上記第二バンクの側面は、上記機能液に対する親液性を有することが好ましい。これにより、第二バンクの側面を伝って機能液がより容易に広がることができるため、より平坦な薄膜を得ることができる。
区画領域に塗布された機能液は、区画領域内で広がって互いに対向する第二バンクの側面まで広がり、機能液の液面は第二バンクの上面の端部まで達する。このとき、塗布された機能液の液面は第二バンクから離れるに従って低くなるが、対向する第二バンクの側面を同様に伝わった機能液の液面と重なることなく基板表面に達すると、区画領域内の基板上に機能液が存在しない空隙部が生じ、その部分には薄膜が形成されなくなる。したがって、空隙部の発生を確実に防止するためには、上記空隙部が発生しないように、第二バンクの高さを設計すればよい。
ここで、図を参照して第二バンクに挟まれた領域の基板上に機能液のない空隙部が発生しない条件を詳細に説明する。図6は、第二バンクで挟まれた領域に機能液を塗布した状態を示す断面模式図である。なお、図6では、第一バンクの記載を省略している。図6に示すように、基板110の表面から第二バンク112の上面までの距離をh1とし、第二バンク112の基板110に対するテーパ角(第二バンク112の断面形状における側面の傾斜角度)をαとし、第二バンク112の側面に対する機能液130の接触角をθとし、第二バンク112の上面の端部からθの角度で引いた線が交差する点をεとし、平面視したときの第二バンク112の上面の端部からεまでの距離をyとし、対向する第二バンク112の間の底面の長さ(区画領域の底面の長さ)をdとし、第二バンク112の上面とεとの高低差をh2とし、εと基板110との高低差をxとすると、常にx>0となるように第二バンク112の高さを設計すればよい。x>0となる条件は、下記式(1)〜(3)を用いて導くことができる。
Figure 0005244191
Figure 0005244191
Figure 0005244191
上記式(1)〜(3)によって導かれた条件を下記式(4)に示す。したがって、x>0の関係を満たすためには、下記式(4)を満たすように第二バンクの高さを設計すればよい。すなわち、上記区画領域の平面形状は、線状であり、上記塗布工程は、上記区画領域内に配置された複数の上記凹部のいずれかを通る領域で上記区画領域の短辺方向に沿って上記基板を断面視したときに、上記区画領域の底面の長さをdとし、上記第二バンクの上記基板に対するテーパ角をαとし、上記第二バンクの側面に対する上記機能液の接触角をθとする時、上記基板の表面から上記第二バンクの上面までの距離h1が下記式(4)を満たすように上記機能液を塗布することが好ましい。
Figure 0005244191
上記式(4)において、h1>65μmであることが好ましい。dの適切な値は薄膜付き基板の用途毎に異なるため、dの値によっては式(4)を満たすことができない場合もある。例えば、本発明の薄膜付き基板をディスプレイに用いる場合には、要求される精細度によって画素の大きさが決定され、その結果としてdの取り得る範囲が規定される。α及びθを一定とすれば、dの変化に比例して式(4)の右辺も変化するため、dの値によっては式(4)を満たさない場合も考えられる。これに対し、h1>65μmとすることにより、dが50〜100μmの範囲では確実に式(4)を満たすことができる。一般的な材料及び方法で第二バンクが形成されている場合、θ及びαを容易に実現可能な条件(θが45°以上、αが70°〜120°)に設定すると、dを50〜100μmの範囲内で変化させたとしても、式(4)の右辺は65μmを越えることはない。したがって、h1>65μmとすることで、dが50〜100μmの範囲内で式(4)を満たすことが可能である。式(4)において、θは大きくなればなるほど、右辺が小さくなる。また、dは50μm以下であっても構わないが、インクジェット法等を用いた場合の塗布マージンを確保するという観点からは、d>50μmであることが好ましい。
0°<α−θ<90°、α>90°の時、cot(α)tan(α−θ)の項は負の値となるとともに、tan(α−θ)の項と比較して非常に小さい値となる。これにより、式(4)の右辺の分母は正の値となるとともに、略1と見なすことができる。したがって、上記h1は、下記式(5)のように簡便に表すことができる。すなわち、上記式(4)において、0°<α−θ<90°、α>90°の時、上記h1が下記式(5)を満たすことが好ましい。
Figure 0005244191
α=90°の時、cot(90°)は0と見なすことができ、かつ下記式(6)の関係が成り立つ。
Figure 0005244191
したがって、上記h1は、下記式(7)のように簡便に表すことができる。すなわち、上記式(4)において、α=90°の時、上記h1が下記式(7)を満たすことが好ましい。
Figure 0005244191
本発明は更に、本発明の薄膜付き基板、又は、本発明の製造方法を用いて形成された薄膜付き基板を備える有機EL表示装置であって、上記有機EL表示装置は、上記薄膜を挟持する第一電極及び第二電極を備え、上記薄膜は、有機EL層であることを特徴とする有機EL表示装置でもある。これによれば、凹部内に平坦な有機EL層を得ることができるため、表示ムラの少ない有機EL表示装置を実現することができる。また、有機EL層の被覆性を向上させることができるため、第一及び第二電極の短絡に起因するリーク電流の発生を抑制することができる。
本発明はそして、本発明の薄膜付き基板、又は、本発明の製造方法を用いて形成された薄膜付き基板を備えるカラーフィルタ基板であって、上記薄膜は、カラーフィルタであるカラーフィルタ基板でもある。これによれば、平坦なカラーフィルタを有するカラーフィルタ基板を得ることができる。また、本発明のカラーフィルタ基板を液晶表示装置に用いることにより、表示ムラの少ない液晶表示装置を実現することができる。このように、本発明のカラーフィルタ基板は、液晶表示装置に特に好適に用いることができる。
本発明の薄膜付き基板、有機EL表示装置、カラーフィルタ基板及び薄膜付き基板の製造方法によれば、薄膜の平坦性及び歩留りの向上を容易に実現することができる薄膜付き基板、有機EL表示装置、カラーフィルタ基板及び薄膜付き基板の製造方法を提供することができる。
実施例1の有機EL表示装置を示す平面模式図である。 図1中のX1−Y1線における有機EL層形成前の状態を示す断面模式図である。 図1中のX2−Y2線における有機EL層形成前の状態を示す断面模式図である。 実施例4の有機EL表示装置を示す平面模式図である。 実施例5の有機EL表示装置を示す平面模式図である。 第二バンクで挟まれた領域に機能液を塗布した状態を示す断面模式図である。 図1中のX1−Y1線における有機EL層及び陰極形成後の状態を示す断面模式図である。 図1中のX2−Y2線における有機EL層及び陰極形成後の状態を示す断面模式図である。 実施例1の有機EL表示装置における陽極及び凹部の配置形態を示す平面模式図である。
以下に実施例を掲げ、本発明を図面を参照して更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、実施例1の有機EL表示装置を示す平面模式図であり、図2は、図1中のX1−Y1線における有機EL層形成前の状態を示す断面模式図であり、図3は、図1中のX2−Y2線における有機EL層形成前の状態を示す断面模式図である。また、図7は、図1中のX1−Y1線における有機EL層及び陰極形成後の状態を示す断面模式図であり、図8は、図1中のX2−Y2線における有機EL層及び陰極形成後の状態を示す断面模式図である。更に、図9は、実施例1の有機EL表示装置における陽極及び凹部の配置形態を示す平面模式図である。図1〜3、7〜9に示すように、実施例1の有機EL表示装置は、基板10上に、薄膜トランジスタ(TFT)、陽極20、第一バンク11及び第二バンク12を備えている。TFTは、マトリクス状に複数配置されている。陽極20は、TFT毎に設けられている。第一バンク11は、陽極20を覆うように配置されている。第一バンク11で囲まれた領域(凹部13)では、第一バンク11と陽極20とによって窪みが形成されている。第一バンク11は、複数の凹部13を形成(区画)しており、これら複数の凹部13は、それぞれ陽極20毎に配置されている。凹部13の平面形状は、楕円形である。第二バンク12は、第一バンク11上に配置されており、第二バンク12で囲まれた領域(区画領域16)内には、凹部13の長辺方向に沿って複数の凹部13が並んで配置されている。区画領域16の平面形状は、線状である。第二バンク12は、複数の区画領域16を形成(区画)しており、これら複数の区画領域16は、ストライプ状に(横並びに)配置されている。すなわち、第二バンク12は、ストライプの両端が閉じられた平面形状を有しているとも言える。陽極20上には、正孔輸送層21、発光層22及び陰極23が基板10側からこの順に積層されている。この陽極20、正孔輸送層21、発光層22及び陰極23により、有機EL素子が構成される。すなわち、実施例1の有機EL表示装置は、凹部13毎に有機EL素子が配置されており、一つの有機EL素子が配置された領域(凹部13)が一つの画素領域として機能する。
以下、実施例1の有機EL表示装置の製造方法について説明する。
まず、基板10を準備した。基板10としては、光透過性、導光性のある透明基板を好適に用いることができ、本実施例ではガラス基板を用いた。ガラス基板の材料としては、一般的に用いられるソーダガラスの他、無アルカリガラス、石英系、多成分系、希土類元素ドープ石英系、希土類元素ドープ多成分系のガラス材料を用いることができる。
次に、基板10上に一般的な方法を用いてTFTをマトリクス状に配置した。TFTの半導体層としては、例えば、アモルファスシリコン膜、多結晶シリコン膜を用いることができる。次に、TFT上に平坦化層の機能を有する層間絶縁膜を形成した後、スパッタリング法によってITO(Indium Tin Oxide)膜を100nmの膜厚で形成した。次に、フォトリソグラフィ技術を使用し、塩化第二鉄水溶液をエッチング液としてITO膜のパターニングを行うことで、各画素領域毎に区画されるように陽極20を形成した。図9に示すように、陽極20の幅は、それぞれ230μm(長辺方向)、70μm(短辺方向)とした。また、並置された陽極20の間隔は、10μmとした。すなわち、画素ピッチは、それぞれ240μm(長辺方向)、80μm(短辺方向)とした。陽極20は、層間絶縁膜によってTFTから離れて配置される。陽極20とTFTとは、層間絶縁膜に穿ったコンタクトホールを通して電気的に接続されている。陽極20の材料としては、ITOの他、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO、SnO、In等を用いることができる。陽極20の膜厚は50〜500nmであることが好ましく、より好ましくは40〜300nmである。陽極20の膜厚を500nmよりも大きくすると、透過率が低くなることで有機EL表示装置をボトムエミッション型にして陽極20側から発光を取り出す場合に不利になったり、陽極20の剥離等が生じる可能性がある。他方、陽極20の膜厚を50nmよりも小さくすると、電極として充分な効果が得られないことがある。
次に、陽極20を形成した基板10に対して、溶媒に分散させた感光性アクリル樹脂を膜厚が略2μmとなるようにスピンコート法を用いて塗布した後、露光及び現像を行うことで、図2に示すように、基板10上に高さが略2μmの第一バンク11を形成した。第一バンク11の形成方法としては、液体をスピンコート法によって塗布する方法、シート状樹脂を貼り付ける方法、真空中で蒸着又はスパッタリングによって成膜する方法、レーザー等でバンクパターンを転写する方法等が挙げられるが、本実施例のように、第一バンク11の高さが2μm程度の場合には、液体をスピンコート法によって塗布することで第一バンク11を形成することが好ましい。これにより、テーパ角の小さい第一バンク11を簡便かつ安価に形成することができる。第一バンク11の基板10に対するテーパ角は30°とした。すなわち、本実施例では、第一バンク11は順テーパ形状を有している。また、図1及び9に示すように、第一バンク11は、陽極20を露出させるために、陽極20上に長軸半径が60μm、短軸半径が15μmの楕円形の凹部13を区画するように形成した。凹部13と陽極20の長辺側の端部との間隔は、20μmとし、凹部13と陽極20の短辺側の端部との間隔は、55μmとした。また、凹部13の楕円形の長辺方向に沿って隣接する凹部13の間隔は、120μmとし、凹部13の楕円形の短辺方向に沿って隣接する凹部13の間隔は、50μmとした。このとき、例えば第一バンク11の基板10に対するテーパ角が90°以上の場合(第一バンク11が逆テーパ形状を有する場合)には、後述する工程で、機能液が第一バンク11側に溜まることで、陽極20の中央部分上の領域では機能液の液面が低くなり、画素領域に所望の膜厚の薄膜を均一に形成することが困難になる。したがって、第一バンク11は、順テーパ形状を有することが好ましい。第一バンク11の材料としては、所望の高さの第一バンク11を形成できる材料であれば特に限定されず、感光性アクリル樹脂以外にも、感光性ポリイミド樹脂等を用いることができる。また、凹部13は、できるだけ発光面積が広くできる平面形状であればよく、楕円形の他、四角形であってもよいし、円形であってもよい。
続いて、第一バンク11の形成までを行った基板10に対して、シート状の感光性アクリル樹脂を膜厚が略45μmとなるようにラミネーター装置を用いて貼り合わせた後、露光及び現像を行うことで、図2に示すように、第一バンク11上に高さが略45μmのストライプ状の第二バンク12を形成した。第二バンク12の形成方法としては、第一バンク11の形成方法と同様の方法が挙げられるが、本実施例のように、第二バンク12の高さが45μm等の50μm程度の場合には、シート状の樹脂を貼り付けて第二バンク12を形成することが好ましい。これにより、第二バンク12の形成を簡便に行うことができる。ここでは、平面視したときに、凹部13の底面の端部が第二バンク12の底面の端部(区画領域16の底面の端部)から15μm離れるように、第二バンク12を形成した。また、第二バンク12の基板10に対するテーパ角は93°とした。すなわち、本実施例では、第二バンク12は逆テーパ形状を有している。したがって、区画領域16の短辺方向に沿って基板10を断面視したとき、区画領域16の底面の長さ(第二バンク12の底面の間隔)であるL1は、区画領域16の上面の長さ(第二バンク12の上面の間隔)であるL2よりも大きい。第二バンク12の材料としては、所望の高さの第二バンク12を形成できる材料であれば特に限定されず、感光性アクリル樹脂以外にも、感光性ポリイミド樹脂等を用いることができる。第二バンク12の短辺方向の幅は、特に制限されるものではなく、薄膜表示装置の形状や使用するバンク材料の特性(解像度、細線密着性、アスペクト比等)によって適宜調整すればよい。本実施例では、図1に示すように、第二バンク12の底面の短辺方向の幅は20μmとした。すなわち、図1における第二バンク12は、底面の幅を基に図示している。図1に示すように、第二バンク12のストライプの間隔(区画領域16の底面の長さ(L1))は、60μmとし、第二バンク12のストライプの短辺方向におけるピッチは、80μmとした。
次に、第二バンク12の形成までを行った基板10に対して、CF、SF、CHF等のガスを用いたフッ素プラズマ処理を行い、第一バンク11の第二バンク12が形成されてない上側の面と、第二バンク12の上面とを撥液性にした。これによって、後述する塗布工程で区画領域16に充填される機能液(インク)が乾燥する際に機能液が第一バンク11から離れやすくなり、第一バンク11上に機能液が凝縮することなく、有機EL層(正孔輸送層21、発光層22)を凹部13に形成することができる。また、機能液が第二バンク12の上面を超えて、第二バンク12を介して隣接する領域に流入することを防止することができる。このとき、第二バンク12の側面は、第二バンクの上面の影に入るため、撥液処理の影響を受けにくい。したがって、通常の条件で撥液化処理を行う限り、第二バンクの側面が撥液化処理を受けることはない。本実施例では、第二バンク12が撥液性の材料を含まないため、第二バンク12の側面は親液性を示す。これにより、第二バンクの側面の機能液に対する濡れ性をより良好な状態とすることができるので、後述する塗布工程で充填される機能液が、陽極20上で均一に濡れ広がることができる。また、陽極20上に存在する有機物等の不純物を取り除くこともできる。
なお、撥液性の材料を用いて第二バンク12を形成する場合であっても、上述の撥液化処理を行う前に、第二バンク12の形成までを行った基板10に対して親液化処理を長時間行うことで、第二バンク12の側面を親液性にすることができる。この場合、第二バンク12の側面は、第二バンク12の上面の影に入るため、親液化処理の影響を受けにくいものの、斜め入射や拡散によって少しずつ親液化処理が進行する。その後、上述したように通常の条件で撥液化処理を行い、第一バンク11の第二バンク12が形成されてない上側の面と、第二バンク12の上面とを撥液性にすればよい。しかしながら、このように親液化処理を長時間行うと、第一バンク11及び第二バンク12に膜減り等の損傷が発生するおそれがある。したがって、第二バンク12は、撥液性の材料を用いずに形成することが好ましい。
次に、第二バンク12で区画された領域(区画領域16)に正孔輸送材料を含む機能液を塗布する(塗布工程)。正孔輸送材料は、塗布装置を用いて吐出することが可能であるとともに、塗布後に溶媒を除去することで形成された膜が正孔輸送機能を発現するものであれば、低分子でも高分子でも良く、単一材料でも2種類以上材料の混合物でも良い。また、母体材料にドーパントをドープしたものでも構わない。本実施例では、正孔輸送材料として、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリエチレンスルホン酸との混合物)を用い、PEDOT/PSSを分散又は溶解させる溶媒として水を用いた。PEDOT/PSS及び水を混合した機能液の第二バンク12の側面との接触角は、略60°である。このように、正孔輸送材料及び溶媒を混合した機能液の第二バンク12の側面との接触角を90°以下にすることで、毛細管現象により機能液が第二バンク12の側面を伝って広がり、区画領域16内で液量が平均化されるため、後述する工程で区画領域16内の画素領域に形成される正孔輸送層21の膜厚を均一にすることができる。したがって、機能液の第二バンク12の側面との接触角が90°以下となるように、正孔輸送材料及び溶媒を選択することが好ましい。また、塗布装置としては、ノズル径が約20μmであるインクジェットヘッド及び基板載置ステージ等を備えたインクジェット装置を用いた。
続いて、基板10を減圧乾燥機にて80℃、1Torr(≒133、322Pa)下で20分間放置し、機能液中の溶媒成分である水を乾燥除去した後、200℃に設定したホットプレート上で5分間焼成を行い、正孔輸送層21を形成した。正孔輸送層21の膜厚は、正孔輸送材料の特性を充分に発揮することができる膜厚であれば制限されることはなく、5〜300nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。本実施例では、正孔輸送層21の膜厚は、70nmとした。また、塗布方法は、機能液を所望の領域に吐出し、その領域内に機能液を貯めることができる方法であれば特に限定されず、インクジェット方式の他、ノズルコート方式、スプレー方式等を用いることができる。
次に、正孔輸送材料を含む機能液を塗布する場合と同様にして、第二バンク12で区画された領域(区画領域16)に発光材料を含む機能液を塗布する。発光材料は、塗布装置を用いて吐出することが可能であるとともに、塗布後に溶媒を除去することで形成された膜が発光機能を発現するものであれば、低分子でも高分子でも良く、単一材料でも2種類以上材料の混合物でも良い。また、母体材料にドーパントをドープしたものでも構わない。本実施例では、発光材料は下記一般式(1)で示すポリフルオレン化合物を用い、ポリフルオレン化合物を分散又は溶解させる溶媒として非極性溶媒を用いた。ポリフルオレン化合物及び非極性溶媒を混合した機能液の第二バンク12の側面との接触角は、略45°である。このように、発光材料及び溶媒を混合した機能液の第二バンク12の側面との接触角を90°以下にすることで、毛細管現象により機能液が第二バンク12の側面を伝って広がり、区画領域16内で液量が平均化されるため、後述する工程で区画領域16内の画素領域に形成される発光層22の膜厚を均一にすることができる。したがって、機能液の第二バンク12の側面との接触角が90°以下となるように、発光材料及び溶媒を選択することが好ましい。
Figure 0005244191
一般式(1)で表されるポリフルオレン化合物は、アルキル鎖を有するフルオレン環と1以上のアリール化合物のユニットとの共重合化合物である。一般式(1)において、R及びRはアルキル鎖を表し、Ar及びArはアリール化合物のユニットを表す。また、l及びmは1以上の整数であり、nは0、又は、1以上の整数である。アリール化合物としては、例えば、メチルベンゼン、ピリジン、ベンゼン、アントラセン、スピロビフルオレン、カルバゾール、ベンゾアミン、ビピリジン、ベンゾチアジアゾール等が挙げられる。なお、発光する色は、共重合させるユニット、及び、l、m、nの比率によって異なる。
続いて、基板10を、N雰囲気の下、200℃に設定したホットプレート上で60分間乾燥させ、機能液中の溶媒成分である非極性溶媒を乾燥除去することで、発光層22を形成した。発光層22の膜厚は、発光材料の特性を充分に発揮することができる膜厚であれば制限されることはなく、5〜300nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。本実施例では、発光層22の膜厚は、80nmとした。
次に、一般的な技術を用いた斜方蒸着により、正孔輸送層21及び発光層22が形成された基板10上に陰極23を形成した。陰極23の材料としては、仕事関数が4.0eV以下の低仕事関数を有するCa、Ce、Cs、Rb、Sr、Ba、Mg、Li等を用いることが可能であるが、高分子有機発光層に対しては、Ca、Ba等の金属が好適に用いられる。このような低仕事関数の金属は、酸素、水等によって変質しやすいため、陰極23として用いる場合には、Ni、Os、Pt、Pd、Al、Au、Rh1、Ag等の比較的安定な金属と合金化したり、上記安定な金属と積層した状態で使用することが好ましい。本実施例では、Ca膜及びAl膜の積層膜を陰極23として用いた。また、トップエミッション型の有機EL表示装置では、陰極23に透光性を与えるため、陰極23を薄く形成する必要がある。したがって、このような場合には、電極として充分な導電性を確保するために、ITO、IZO、ZnO、SnO等の導電性金属酸化物を用いて形成した透明電極膜を陰極23として用いてもよい。また、透明電極膜は、単層膜あるいは複数の材料の積層膜としてもよい。陰極23の膜厚は1〜500nmであることが好ましく、より好ましくは1〜200nmである。陰極23の膜厚を500nmよりも大きくすると、陰極23の透過率が低下するため、有機EL表示装置をトップエミッション型にして陰極23側から発光を取り出す場合に不利となる。また、陰極23の剥離が生じる可能性が高くなる。他方、陰極23の膜厚を1nmよりも小さくすると、電極として充分な効果が得られないことがある。本実施例では、陰極23の膜厚は、150nmとした。
最後に、封止材料によって基板10上に形成した部材を封止した後、駆動回路等の一般的な有機EL表示装置が備える部材を実装することで、本実施例の有機EL表示装置を製造した。封止材料としては、透明又は半透明の平板材料を用いることができる。本実施例では、一般的なソーダガラスを用いているが、これに限定されず、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス、石英、樹脂、無機膜等を用いることもできる。封止材料を接着するための接着材料は、一般的に、透明又は半透明で、水分、活性ガス等を通しにくい性質であることが望ましい。本実施例では光硬化性のエポキシ樹脂を接着材料として用いたが、これに限定されず、熱硬化性のエポキシ樹脂等も用いることができる。
本実施例の有機EL表示装置は、上述の式(4)を満たすような条件で製造した。式(4)において、h1は、基板10から第二バンク12の上面までの距離であり、本実施例では、図2に示すように、第一バンク11の膜厚が2μmであり、第二バンク12の膜厚が45μmであることから、h1=47μmである。また、dは、凹部13を挟んで対向する第二バンク12の下部間の距離であり、本実施例では、図1に示すように、平面視したときの凹部13の端部から第二バンク12と第一バンク11との接触部分までの距離が15μmであり、凹部13の短辺方向の幅が30μmであることから、d=60μmである。また、αは、第二バンク12の基板10に対するテーパ角であり、本実施例では、図2に示すように、α=93°である。また、θは機能液に対する第二バンク12の側面の接触角である。本実施例では、正孔輸送材料を含有する機能液の場合、θ=60°であることから、式(4)を満たしている。また、発光材料を含有する機能液の場合、θ=45°であることから、式(4)を満たしている。
(実施例2)
第二バンク12の基板10に対するテーパ角を70°とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の有機EL表示装置を製造した。すなわち、本実施例では、第二バンク12が順テーパ形状を有している。
(実施例3)
第二バンク12の基板10に対するテーパ角を90°とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の有機EL表示装置を製造した。すなわち、本実施例では、第二バンク12が逆テーパ形状を有している。
(実施例4)
図4は、実施例4の有機EL表示装置を示す平面模式図である。図4に示すように、実施例4の有機EL表示装置は、第一バンク11上に、隣接する凹部13の間に向かって第二バンク12から突出した第一構造物14を有する以外は、実施例1の有機EL表示装置と同様の構成である。本実施例において、第一構造物14は、第二バンク12のストライプパターンと垂直な方向に第二バンク12を延伸した部分であり、第二バンク12の突出部が第一構造物14であるとも言える。第二バンク12のストライプパターンに沿った方向の第一構造物14の幅は50μmとし、第二バンク12のストライプパターンに垂直な方向の第一構造物14の幅は15μmとした。なお、本実施例では、第一構造物14と第二バンク12とは同一の材料を用いて形成しているが、第一構造物14と第二バンク12とは異なる材料を用いて形成してもよい。しかしながら、製造工程を簡略化するという観点からは、本実施例のように、第一構造物14と第二バンク12とは同一の材料を用いて形成することが好ましい。
(実施例5)
図5は、実施例5の有機EL表示装置を示す平面模式図である。図5に示すように、実施例5の有機EL表示装置は、隣接する凹部13の間に、第二バンク12に接触しない矩形状の第二構造物15を第一バンク11上に有する以外は、実施例1の有機EL表示装置と同様の構成である。第二構造物15の長辺方向の幅は30μmとし、短辺方向の幅は50μmとした。また、第二バンク12と第二構造物15との間隔は15μmとした。本実施例では、第二構造物15と第二バンク12とは同一の材料を用いて同時に形成した。なお、第二構造物15と第二バンク12とを異なる材料を用いて形成してもよいが、製造工程を簡略化するという観点からは、本実施例のように、第二構造物15と第二バンク12とは同一の材料を用いて形成することが好ましい。
(実施例6)
平面視したとき、凹部13の底面の端部が第二バンク12の底面の端部から10μm離れるように第二バンク12を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の有機EL表示装置を製造した。
(実施例7)
平面視したとき、凹部3の底面の端部が第二バンク12の底面の端部から5μm離れるように第二バンク12を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の有機EL表示装置を製造した。
実施例1〜7の有機EL表示装置を製造する過程において、薄膜(正孔輸送層21、発光層22)を形成する工程では、機能液が毛細管現象によって第二バンク12の側面を伝い、液位バランスが好適に平衡化されて凹部13を覆うように広がるため、所望の膜厚を有する薄膜を形成するために必要な量の機能液を各画素領域(凹部13)に貯めることができた。このとき、インクジェットヘッドから吐出された機能液が所望の方向に吐出されなかった場合でも、第二バンク12の上面が撥液性であるため、機能液を第二バンク12に区画された領域(区画領域16)に引き込むことができ、また、機能液が第二バンク12の上面を超えて不要な領域に流れ込むことを防止することができた。また、撥液性を有する第一バンク11により、機能液中の溶媒の乾燥過程で凹部13に機能液がより確実にピン留めされるので、凹部13内に機能液が閉じ込められた。以上により、各画素領域毎に平坦な膜を得ることができた。また、機能液が毛細管現象によって第二バンク12の側面を伝って凹部13を覆うように広がった状態で発光層22を形成したことから、正孔輸送層21に対する発光層22の被覆性が向上した。これにより、正孔輸送層21と陰極23との接触の発生を抑制し、従来の構成で発生していたリーク電流を抑制することができた。また、区画領域16では、各画素領域に形成された薄膜の膜厚の均一性が向上するので、均一な発光が得られた。これにより、有機EL表示装置の表示品位を向上することができた。
また、実施例1〜7の有機EL表示装置は、凹部13の長辺方向に沿って複数の凹部13が配置された区画領域16を形成する第二バンク12が第一バンク11上に形成されていることで、第一バンク11だけで画素領域(発光部)を区画する形態(第二バンク12を有しない形態)と比較して、塗布装置のヘッド起因のエラーに対するマージン(吐出位置マージン)が広がるため、薄膜の膜厚バラツキの発生が減少し、歩留まりを向上することができた。
実施例1、4、5、6及び7では、第二バンク12の基板10に対するテーパ角が93°である。また、実施例3では、第二バンク12の基板10に対するテーパ角が90°である。すなわち、これらの実施例では、第二バンク12が逆テーパ形状を有していることから、第二型バンク12で挟まれた領域の下部の幅(区画領域16の底面の長さ)L1は、上部の幅(区画領域16の上面の長さ)L2よりも広く、L1≧L2の関係を有している。したがって、第二バンク12に撥液化処理を施した時に、第二バンク12の側面が撥液化処理の影響を受けなかったため、第二バンク12が順テーパ形状を有している実施例2の場合と比較して、第二バンク12の側面の親液性を高くすることができた。これにより、第二バンク12の側面と機能液との接触角を好適に調整することができ、機能液が毛細管現象によって第二バンク12の側面を伝ってより容易に広がることができた。その結果、各画素領域に形成された薄膜(正孔輸送層21、発光層22)の膜厚の均一性がより向上した。
実施例1〜7においては、式(1)の関係を満たすことで、画素中心部に確実に機能液を保持することができた。これにより、機能液から溶媒を乾燥除去することで、所望の膜厚を有する薄膜(正孔輸送層21、発光層22)を画素領域毎に形成することができた。また、式(1)を満たす条件で発光層22を形成したことから、発光層22によって正孔輸送層21をより確実に覆うことができた。これにより、正孔輸送層21と陰極23との接触がなくなり、従来の構成で発生していたリーク電流が抑制された。
また、様々な用途に対するディスプレイを実現するためには、それぞれに合った画素サイズが必要になる。その際、機能液に対する第二バンク12の側面の接触角(θ)が40°の状態で、画素サイズ(d)が50〜100μmの範囲で式(4)を満たすためには、第二バンク12の高さ(h1)がh1>65μmの関係を満たすことが必要となる。また、dを実施例1のように60μmで一定とした場合に、液位バランスの更なる向上を図るためには、θのバラツキを考慮する必要がある。例えば、θが40°から35°まで低下したとしても、式(4)を満たすためには、同様にh1>65μmの関係を満たすことが必要となる。勿論、上記範囲で示した以上にd又はθを変更した場合、さらにd及びθの両方を変更した場合にはこの限りではないが、それらの条件に対しても式(4)を満たしさえすれば、本発明の効果を得ることが可能である。
また、式(4)において、0<α−θ<90°、α>90°の条件が得られる場合、式(4)はさらに簡略化することができ、上述の式(5)を満たしさえすれば、本発明の効果を得ることが可能である。
更に、式(4)において、α=90°の条件が得られる場合、式(4)はさらに簡略化することができ、上述の式(7)を満たしさえすれば、本発明の効果を得ることが可能である。
このように、上述の式(5)、(7)を用いることにより、本発明の効果を得るために必要な設計値を容易に判断することができる。
実施例4、5のように、第一構造物14又は第二構造物15を形成することで、毛細管現象による機能液の過剰な流動を防ぐことができた。また、第二バンク12が第一バンク11に近い(類似した)囲み型の構造を有するため、機能液の乾燥速度を区画領域16内で均一にすることができた。以上により、各画素領域に形成された薄膜の膜厚均一性をより向上することができた。
実施例6、7の場合には、製造工程で凹部13内に保持された機能液の一部が第二バンク12の側面に付着することで、実施例1〜5の場合と比較して、画素領域に形成された薄膜(正孔輸送層21、発光層22)の膜厚の均一性が若干低下した。したがって、凹部13の底面の端部は、平面視したときに、第二バンク12の底面の端部(区画領域16の底面の端部)から15μm以上で離れていることが好ましいことが分かった。
本願は、2008年9月19日に出願された日本国特許出願2008−240881号を基礎として、パリ条約ないし移行する国における法規に基づく優先権を主張するものである。該出願の内容は、その全体が本願中に参照として組み込まれている。
10、110:基板
11:第一バンク
12、112:第二バンク
13:凹部
14:第一構造物
15:第二構造物
16:区画領域
20:陽極
21:正孔輸送層
22:発光層
23:陰極
130:機能液

Claims (22)

  1. 基板と、該基板上に形成された薄膜とを備える薄膜付き基板であって、
    該薄膜付き基板は、該基板上に凹部を形成する第一バンクと、該第一バンク上に形成された第二バンクとを備え、
    該第二バンクに囲まれた区画領域内には、該凹部が複数配置されており、
    該薄膜は、該凹部内に配置されており、
    該第一バンクの該第二バンクが配置されていない上側の面は、フッ素を含み、
    該区画領域の平面形状は、線状であり、
    該薄膜付き基板は、該第一バンク上に形成された第一構造物を備え、
    該第一構造物は、該第二バンクに接触し、かつ該区画領域内に配置された複数の該凹部の間に向かって該第二バンクから突出した平面形状を有する
    ことを特徴とする薄膜付き基板。
  2. 基板と、該基板上に形成された薄膜とを備える薄膜付き基板であって、
    該薄膜付き基板は、該基板上に凹部を形成する第一バンクと、該第一バンク上に形成された第二バンクとを備え、
    該第二バンクに囲まれた区画領域内には、該凹部が複数配置されており、
    該薄膜は、該凹部内に配置されており、
    該第一バンクの該第二バンクが配置されていない上側の面は、フッ素を含み、
    該区画領域の平面形状は、線状であり、
    該薄膜付き基板は、該第一バンク上に形成された第二構造物を備え、
    該第二構造物は、該区画領域内に配置された複数の該凹部の間に配置され、かつ該第二バンクに接触しない
    ことを特徴とする薄膜付き基板。
  3. 前記第二バンクは、逆テーパ形状を有することを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜付き基板。
  4. 記区画領域の短辺方向に沿って前記基板を断面視したときの前記区画領域の底面の長さL1と上面の長さL2とは、L1≧L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜付き基板。
  5. 前記第一バンクは、順テーパ形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薄膜付き基板。
  6. 前記第一バンクは、順テーパ形状を有し、
    前記第二バンクは、逆テーパ形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薄膜付き基板。
  7. 前記第二バンクの上面は、フッ素を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薄膜付き基板。
  8. 前記基板の表面から前記第二バンクの上面までの距離h1は、h1>65μmの関係を満たすことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜付き基板。
  9. 前記凹部の底面の端部は、平面視したときに、前記区画領域の底面の端部から15μm以上離れていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜付き基板。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の薄膜付き基板を備える有機エレクトロルミネセンス表示装置であって、
    該有機エレクトロルミネセンス表示装置は、前記薄膜を挟持する第一電極及び第二電極を備え、
    前記薄膜は、有機エレクトロルミネセンス層であることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の薄膜付き基板を備えるカラーフィルタ基板であって、
    前記薄膜は、カラーフィルタであることを特徴とするカラーフィルタ基板。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の薄膜付き基板の製造方法であって、
    該製造方法は、
    前記第一バンクを前記基板上に形成する第一バンク形成工程と、
    前記第二バンクを前記第一バンク上に形成するとともに、前記第一構造物又は第二構造物を前記第一バンク上に形成する第二バンク形成工程と、
    前記区画領域に薄膜材料を含む機能液を塗布する塗布工程とを含むことを特徴とする薄膜付き基板の製造方法。
  13. 前記第一バンクの前記第二バンクが配置されていない上側の面は、前記機能液に対する撥液性を有することを特徴とする請求項12記載の薄膜付き基板の製造方法。
  14. 前記第二バンクの上面は、前記機能液に対する撥液性を有することを特徴とする請求項12又は13記載の薄膜付き基板の製造方法。
  15. 前記第一バンクの前記第二バンクが配置されていない上側の面と前記第二バンクの上面とは、前記機能液に対する撥液性を有することを特徴とする請求項1214のいずれかに記載の薄膜付き基板の製造方法。
  16. 前記第二バンクの側面は、前記機能液に対する親液性を有することを特徴とする請求項1215のいずれかに記載の薄膜付き基板の製造方法。
  17. 記塗布工程は、前記区画領域内に配置された複数の前記凹部のいずれかを通る領域で前記区画領域の短辺方向に沿って前記基板を断面視したときに、前記区画領域の底面の長さをdとし、前記第二バンクの前記基板に対するテーパ角をαとし、前記第二バンクの側面に対する前記機能液の接触角をθとするとき、前記基板の表面から前記第二バンクの上面までの距離h1が下記式(1)を満たすように前記機能液を塗布することを特徴とする請求項1216のいずれかに記載の薄膜付き基板の製造方法。
    Figure 0005244191
  18. 前記式(1)において、h1>65μmであることを特徴とする請求項17記載の薄膜付き基板の製造方法。
  19. 前記式(1)において、0°<α−θ<90°、α>90°のとき、前記h1が下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項17又は18記載の薄膜付き基板の製造方法。
    Figure 0005244191
  20. 前記式(1)において、α=90°のとき、前記h1が下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項17又は18記載の薄膜付き基板の製造方法。
    Figure 0005244191
  21. 請求項1220のいずれかに記載の薄膜付き基板の製造方法を用いて形成された薄膜付き基板を備える有機エレクトロルミネセンス表示装置であって、
    該有機エレクトロルミネセンス表示装置は、前記薄膜を挟持する第一電極及び第二電極を備え、
    前記薄膜は、有機エレクトロルミネセンス層であることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。
  22. 請求項1220のいずれかに記載の薄膜付き基板の製造方法を用いて形成された薄膜付き基板を備えるカラーフィルタ基板であって、
    前記薄膜は、カラーフィルタであることを特徴とするカラーフィルタ基板。
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