JP2010147487A - 高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光材料や電荷輸送材料として有用で、耐熱性、蛍光強度等に優れた高分子化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物。


〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環およびB環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環および/またはB環上に存在し、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基等を表し、RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。〕
【選択図】図1

Description

本発明は、高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子に関する。
高分子量の発光材料や電荷輸送材料は低分子量のそれらとは異なり溶媒に可溶で塗布法により発光素子における有機層を形成できることから種々検討されており、その例として、繰り返し単位として、シクロペンタジエン環に、2個のベンゼン環が縮合した下の構造を有する高分子化合物が知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1)。
国際公開第99/54385号パンフレット
Advanced Materials 1999年9巻10号 798頁
しかしながら上記の高分子化合物は、その耐熱性、蛍光強度等が必ずしも十分でないという問題があった。
本発明の目的は、発光材料や電荷輸送材料として有用で、耐熱性、蛍光強度等に優れた高分子化合物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、繰り返し単位として、
シクロペンタジエン環に、2個の芳香族炭化水素環が縮合した構造を有し、該芳香族炭化水素環の少なくとも1つが複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環である高分子化合物が発光材料や電荷輸送材料として有用で、耐熱性、蛍光強度等に優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、下記式(1)で示される繰り返し単位を含むことを特徴とする高分子化合物を提供するものである。


〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環およびB環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環および/またはB環上に存在し、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。〕
本発明の高分子化合物は、発光材料や電荷輸送材料として有用で、耐熱性、蛍光強度等にすぐれる。したがって、本発明の高分子化合物を含む高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライトまたは照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイなどに使用できる。
本発明に係る順スタガ型有機薄膜トランジスタの概略断面図。 本発明に係る順スタガ斜め型有機薄膜トランジスタの概略断面図。 本発明に係る逆スタガ型有機薄膜トランジスタの概略断面図。 本発明に係る逆スタガ型斜め有機薄膜トランジスタの概略断面図。 本発明に係る実施例125で用いた有機薄膜トランジスタの構造。 本発明に係る実施例125で用いた有機薄膜トランジスタのID-VDS特性。
本発明の高分子化合物は上記式(1)で示される繰り返し単位を1種または2種以上含む。
式中、A環およびB環はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、その少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環である。該芳香族炭化水素環はさらにベンゼン環以外の芳香族炭化水素環および/または非芳香族炭化水素系縮合環状化合物が縮合していてもよい。本発明の高分子化合物のA環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに同じ環構造であっても異なる環構造であってもよいが、耐熱性、蛍光強度の観点から、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造の芳香族炭化水素環であることが好ましい。
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環単独または複数個のベンゼン環が縮合したものが好ましく、その例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が挙げられる。
A環とB環との組合せとして、好ましくはベンゼン環とナフタレン環、ベンゼン環とアントラセン環、ベンゼン環とフェナントレン環、ナフタレン環とアントラセン環、ナフタレン環とフェナントレン環、アントラセン環とフェナントレン環の組合せが挙げられ、ベンゼン環とナフタレン環の組み合わせがより好ましい。
なお、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造であるとは、
式(1)における

を平面構造式で表したときに、
A環における芳香族炭化水素環と、B環におけるそれとが、構造式の中央の5員環の頂点と、頂点に対向する辺の中点とを結んだ対称軸(点線)に対して非対称であることをいう。
例えば、A環およびB環がナフタレン環である場合、



の場合にはA環とB環とは環構造が異なる。

一方、A環およびB環がナフタレン環であっても、


の場合にはA環とB環とは環構造が同じである。
芳香族炭化水素環が置換基を有する場合、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基から選ばれるものであることが好ましい。
ここに、アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20であり、その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。C1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルフェノキシ基として具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、i−プロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、i−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基などが例示される。
アリールチオ基は、炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体的としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基が好ましい。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基から選ばれる1または2個の基で置換されたアミノ基があげられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基から選ばれる1、2または3個の基で置換されたシリル基があげられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数3〜48である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
イミン残基は、炭素数2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、以下の構造式で示される基などが例示される。
アミド基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基、などが例示される。
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基が挙げられ、炭素数が4〜20程度であり、具体的には以下に示す基などが例示される。
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基などが例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基で置換されたカルボキシル基があげられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
式(1)中、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。
RwおよびRxにおける、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、置換カルボキシル基の定義、具体例は、上記芳香族炭化水素環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。
前記式(1)で示される繰り返し単位において、熱安定性という観点で、RwとRxがそれぞれ結合して環を形成する場合が好ましい。

この場合の前記式(1)の繰り返し単位としては、例えば、下記式(2)で示されるものがあげられる。
ここで、A環およびB環は、前記と同じ意味を表し、C環は、炭化水素環または複素環を表す。
(2)
ここで、上記式(2)において、C環の構造(下式2a)は、C環の一部である1個の炭素原子と、A環およびB環のそれぞれとが、単結合で連結されている。
(2a)
C環における炭化水素環としては、例えば、芳香環を含む炭化水素環があげられ、その例としては、下記式(2b)で示されるような構造が例示される。

(2b)
(ここで、D環およびE環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表す。)

炭化水素環としては、また、脂肪族炭化水素環があげられ、その例として下記式(2c)で示される構造が例示される。



(ここで、Xp、XqおよびXrは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいメチレン基、置換基を有していてもよいエテニレン基を示す。kは0または正数を示す。)
炭化水素環に含まれる炭素数は3以上であるが、炭素数4以上20以下が好ましい。また、さらに他の環と組み合わせた多環式構造であってもよい。より具体的には、置換基を有していてもよいC4〜C20シクロアルキル環、C4−C20シクロアルケニル環が例示される。
複素環としては、上記式(2b)、(2c)において、環に含まれる炭素原子が、ヘテロ原子で置き換えられた構造が例示される。より具体的には、置換基を有していてもよいC4〜C20複素環が例示される。
これらのうち、置換基を有していてもよいC4〜C20シクロアルキル環、C4−C20シクロアルケニル環、置換基を有していてもよいC4〜C20複素環が、得られる化合物の薄膜状態での蛍光強度、青色から赤色までの可視光領域での発光色の制御性の観点から、より好ましい。
これらの環は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられる。アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
シクロアルキル環としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデカン、シクロヘプタデカン、シクロオクタデカン、シクロノナデカン、シクロペンタデカン、シクロイコサン、ビシクロ環、アダマンチル環などが例示される。
シクロアルケニル環は、二重結合を2つ以上するものも含みその具体例としては、シクロヘキセン環、シクロヘキサジエン環、シクロヘプテン環、シクロヘキサデセン環、シクロオクタトリエン環などが例示される。
複素環としては、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロチオフェン環、テトラヒドロインドール環、テトラヒドロピラン環、ヘキサヒドロピリジン環、テトラヒドロチオピラン環、オキソカン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、クラウンエーテル類などが例示される。
蛍光強度、素子の発光効率という観点では、RwとRxが炭素または他の元素の総数5〜20の環を形成している場合が優れている。
式(1)の繰り返し単位として、具体的には、以下のもの(1A−1〜1A−64、1B−1〜1B−64、1C−1〜1C−64、1D−1〜1D−18)、以下のものに、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基等の置換基を有するものが挙げられる
なお、以下において、芳香族炭化水素環における結合手は、任意の位置をとり得ることを表す。


〔式中、RwおよびRxは前記と同じ意味を表す。〕
上記式(1)で示される繰り返し単位において、耐熱性、蛍光強度等の観点から、好ましくは、2つの結合手がそれぞれA環およびB環上に一つずつ存在するものであり、より好ましくは、A環とB環が、それぞれベンゼン環とナフタレン環との組合せからなるものである。
中でも、下記式(1−1)、(1−2)で示される繰り返し単位、(1−3)、(1−4)で示される繰り返し単位が好ましい。



〔式中、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4およびRq4はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す。aは0〜3の整数を表し、bは0〜5の整数を表す。Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4およびRq4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Rw1、Rx1、Rw2、Rx2、Rw3、Rx3、Rw4およびRx4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、Rw1とRx1、Rw2とRx2、Rw3とRx3、Rw4とRx4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。〕
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)において、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、Rp3、Rq3、Rp4およびRq4がアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基がさらに好ましい。
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)において、有機溶媒への溶解性、素子特性、合成の行いやすさ等の観点からは、Rw1、Rx1、Rw2、Rx2、Rw3、Rx3、Rw4およびRx4としてはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、フッ素原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基がより好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アリール基がさらに好ましい。
アルキル基、アルコキシ基、アリール基として、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等の炭素数が通常1〜20程度の直鎖、分岐または環状のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基等の炭素数が通常1〜20程度のアルコキシ基;フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等の炭素数が通常6〜60程度のアリール基等が例示される。
ここに、C1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示され、C1〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが例示される。
上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)で示される繰り返し単位の具体例として、Rw1とRx1、Rw2とRx2、Rw3とRx3、Rw4とRx4がそれぞれ互いに結合して環を形成しているものとしては、それぞれ、下記式群(1−1−2)、(1−2−2)、(1−3−2)および(1−4−2)が例示される。これらの構造に、さらに置換基を有していても良い。
上記式(1−1)および(1−2)において、高分子量化の観点および耐熱性向上の観点からは、a=b=0であることが好ましい。
本発明の高分子化合物のなかで、原料化合物の合成の容易さからは、式(1−1)、(1−3)、(1−4)で示される繰り返し単位を含むものが好ましく、さらに好ましくは式(1−1)である。
合成した高分子化合物の有機溶媒への溶解性を向上させる観点と耐熱性とのバランスから、Rw1、Rx1はアルキル基が好ましく、炭素数が3以上のものがさらに好ましく、7以上がより好ましく、8以上がさらに好ましい。最も好ましくはn−オクチル基であり、下記式(16)で示される構造である。
(16)
本発明の高分子化合物としては、繰り返し単位として、インデン環にナフタレン環が縮合してなる構造を有し、該インデン環の5員環と該ナフタレン環とは、共通原子として2個の炭素原子を持ち、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜108であることを特徴とする高分子化合物があげられる。『該インデン環の5員環と該ナフタレン環とは、共通原子として2個の炭素原子を持ち、』とは、言い換えれば、『該インデン環の5員環と該ナフタレン環が、該5員環の隣接する2個の炭素原子を共有し、』ということである。
本発明の高分子化合物が有する繰り返し単位(1)の量の合計は、本発明の高分子化合物が有する全繰り返し単位の合計の通常1モル%以上100モル%以下であり、20モル%以上であることが好ましく、30モル%以上100モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物の中で、繰り返し単位として式(1)で示される繰り返し単位を2種類有するものとしては、2種の繰り返し単位であって、繰り返し単位の置換基を除いた環構造が同一で、芳香環上の置換基の有無、置換基の種類、RwおよびRxのいずれかが異なる2種の繰り返し単位(繰り返し単位(a)(b)と呼ぶ)からなる共重合体であるものが挙げられる。この共重合体は、繰り返し単位(a)のみからなる単独重合体、繰り返し単位(b)のみからなる単独重合体にくらべて有機溶媒への溶解性に優れ得る。
具体的には、上記式(1−1)から選ばれる2種からなる共重合体、上記式(1−2)から選ばれる2種からなる共重合体、上記式(1−3)から選ばれる2種からなる共重合体、上記式(1−4)から選ばれる2種からなる共重合体等があげられる。
中でも、高分子化合物の製造時における反応性の制御しやすさの観点からは、(a)(b)として、芳香環上に置換基を有しないかまたは、芳香環上の置換基は同一であるものであって、Rwおよび/またはRxで示される基が異なるものを有する共重合体が好ましい。
高分子LED用の高分子化合物に望まれる特性の1つに、電子の注入性がある。電子の注入性は一般的に高分子化合物の最低空分子軌道(LUMO)の値に依存しており、LUMOの絶対値の値が大きい程、電子の注入性がよい。LUMOの絶対値が2.5eV以上であることが好ましく、2.7eV以上であることがより好ましく、2.8eV以上であることがさらに好ましい。
LUMOの計測は、例えば、サイクリックボルタンメトリー(CV)を用いて高分子化合物の還元電位を測定し、還元電位の値から計算することができる。本発明の高分子化合物の場合、還元電位は負の値になり、還元電位が高くなるほど(還元電位の絶対値が小さくなるほど)LUMOの絶対値が大きくなり、電子注入性が向上する。
電子の注入性の観点と合成の行いやすさの観点からは、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)で示される繰り返し単位のRw1とRx1、Rw2とRx2、Rw3とRx3、Rw4とRx4がそれぞれ同一である場合が好ましく、Rw1、Rx1、Rw2、Rx2、Rw3、Rx3、Rw4、Rx4がアリール基またはアリールアルキル基である場合がより好ましい。ここでアリール基およびアリールアルキル基の定義および具体例は、前述と同様である。アリール基としては電子の注入性、合成の行いやすさ、有機溶媒への溶解性、素子特性等の観点から、フェニル基およびアルキル基が置換したフェニル基が好ましい。具体的には、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、2,6−ジプロピルフェニル基、3,5−ジプロピルフェニル基、2,4,6−トリプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、2,6−ブチルフェニル基、3,5−ブチルフェニル基、2,4,6−ブチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、3−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、2,4,6,−トリ−t−ブチルフェニル基などがあげられ、好ましくは下記式群(1−1−3)、(1−2−3)、(1−3−3)および(1−4−3)の構造があげられる。
式群(1−1−3)
式群(1−2−3)
式群(1−3−3)
式群(1−4−3)
有機溶媒への溶解性、化学的安定性の観点からは、上記式(1)で示される繰り返し単位が、1個以上の置換基を有することが好ましい。置換基の位置によっては、重合反応を抑制する場合があるため、結合手から芳香族炭素にして2個以上離れた位置に置換していることが好ましい。
前記式(1−1)、(1−2)、(1−3)または(1−4)においては、有機溶媒への溶解性、化学的安定性および重合反応を抑制する影響の少なさのバランスから、a=0、b=1であることが好ましく、下記式(1−1−4)もしくは(1−1−5)で示される構造であることがより好ましく、Rq1がアルキル基であることがより好ましい。
〔式中、Rw1、Rx1およびRq1は前記と同様の意味である。〕
ここで、Rq1におけるアルキル基としては、通常炭素数が1から30であり、好ましくは3から30である。アルキル基の種類としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、1,1−ジメチルプロピル基等の分岐状アルキル基、1−アダマンチル基、1−アダマンチルメチル基、2−アダマンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、シクロペンタデシル基、シクロペンチルメチル基等の環状構造を有するアルキル基などが挙げられる。
アルキル基の中では、化学的安定性の観点から、分岐構造または環状構造を有するアルキル基であることが好ましく、環状構造を有するアルキル基であることがより好ましく、1−アダマンチル基もしくは2−アダマンチル基であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物は、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点等から、本発明の高分子化合物が有する繰り返し単位(1)に加え、それ以外の繰り返し単位を1種類以上含む共重合体が好ましい。繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位としては、下記式(3)、式(4)、式(5)または式(6)で示される繰り返し単位が好ましい。

−Ar1− (3)

−Ar4−X2− (5)
−X3− (6)

式中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。X1、X2およびX3はそれぞれ独立に−CR9=CR10−、−C≡C−、−N(R11)−、または−(SiR1213m−を示す。R9およびR10は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。R11、R12およびR13は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、アリールアルキル基または置換アミノ基を含む基を示す。ffは1または2を示す。mは1〜12の整数を示す。R9、R10、R11、R12およびR13がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下図の式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下図の式20〜25)、フルオレン−ジイル基(下図の式36〜38)、ターフェニル−ジイル基(下図の式26〜28)、縮合環化合物基(下図の式29〜35)、スチルベン−ジイル(下図の式A〜D), ジスチルベン−ジイル (下図の式E,F)などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニレン基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
また、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4における2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基が挙げられる。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。
ヘテロ原子として酸素、けい素、窒素、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。
ヘテロ原子として酸素、けい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、けい素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基:(下図の式99〜110)が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、けい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の式111〜112)が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、けい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式113〜119)が挙げられる。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基:(下図の式120〜125)が挙げられる。
また、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4における金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。
該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、その例としては、8−キノリノールおよびその誘導体、ベンゾキノリノールおよびその誘導体、2−フェニル−ピリジンおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾールおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾールおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、以下の(126〜132)が例示される。







上記の式1〜132において、Rはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。また、式1〜132の基が有する炭素原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
ここに、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、置換カルボキシル基の定義、具体例、好ましい例は、前記芳香族炭化水素環が置換基を有する場合におけるそれらと同様である。
上記式(3)で示される好ましい繰り返し単位であるアリーレン基としては、下記式(7)、式(8)、式(9)、式(10)、式(11)、または式(12)で示される繰り返し単位が好ましい。

〔式中、R14は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。nは0〜4の整数を示す。R14が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
〔式中、R15およびR16は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。oおよびpはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。R15およびR16がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕

〔式中、R17およびR20は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。qおよびrはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R18およびR19は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。R17およびR20が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕

〔式中、R21は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。sは0〜2の整数を示す。Ar13およびAr14はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。ssおよびttはそれぞれ独立に0または1を示す。
4は、O、S、SO、SO2、Se,またはTeを示す。R21が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕

〔式中、R22およびR25は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。tおよびuはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。X5は、O、S、SO2、Se,Te、N−R24、またはSiR2526を示す。X6およびX7は、それぞれ独立にNまたはC−R27を示す。R24、R25、26およびR27はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基を示す。R22、R23およびR27が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。

式(11)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。

〔式中、R28およびR33は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。vおよびwはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。R29、R30、R31およびR36は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。Ar5はアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。R28およびR33が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
また、上記式(4)で示される繰り返し単位の中で、下記式(13)で示される繰り返し単位が、発光波長を変化させる観点、発光効率を高める観点、耐熱性を向上させる観点からも好ましい。
〔式中、Ar6、Ar7、Ar8およびAr9はそれぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基を示す。Ar10、Ar11およびAr12はそれぞれ独立にアリール基、または1価の複素環基を示す。Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11およびAr12は置換基を有していてもよい。xおよびyはそれぞれ独立に0または正の整数を示す。〕
発光素子の安定性の観点や合成の行いやすさから、式(13)で示される繰り返し単位を1種類以上3種類以下含むことが好ましく、1種類または2種類含むことがより好ましい。さらに好ましくは、式(13)で示される繰り返し単位を1種類のみ含む場合である。
本発明の高分子化合物の中で、繰り返し単位として式(13)で示される繰り返し単位を2種類有する場合、発光波長を調節する観点、素子特性等の観点から、x=y=0で示される繰り返し単位とx=1かつy=0で示される繰り返し単位の組み合わせ、あるいはx=1かつy=0で示される繰り返し単位2種の組み合わせから選ばれる場合が好ましい。
式(1)で示される繰り返し単位と下記式(13)で示される繰り返し単位の合計が全繰り返しの50モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上、さらに90%である場合が最も好ましい。
本発明において前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位を含む場合、そのモル比は98:2〜60:40であることが好ましい。
蛍光強度、素子特性等の観点からは、前記式(13)で示される繰り返し単位が前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位の合計に対して30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物を1種類のみ用いてEL用素子を作製する場合、素子特性等の観点から、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位の比率は、好ましくは95:5〜70:30であり、より好ましくは90:10〜80:20である。
本発明において前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(3)〜(12)(ただし、前記式(4)が前記式(13)である場合は除く)で示される繰り返し単位を含む場合、そのモル比は99:1〜60:40であることが好ましく、99:1〜70:30であることがより好ましい。
上記式(13)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下の(式133〜140)で示されるものが挙げられる。
上記式においてRは、前記式1〜132のそれと同じである。
上記式においてRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を示す。有機溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
上記式においてRがアルキルを含む置換基においては、高分子化合物の有機溶媒への溶解性を高めるために、1つ以上に環状または分岐のあるアルキルが含まれることが好ましい。
さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
上記式133〜140で示される構造のうち、発光波長を調節する観点から、上記式134および上記式137で示される構造が好ましい。
上記式(13)で示される繰り返し単位において、発光波長を調節する観点、素子特性等の観点から、Ar6、Ar7、Ar8およびAr9がそれぞれ独立にアリーレン基であり、Ar10、Ar11およびAr12がそれぞれ独立にアリール基を示すものが好ましい。
Ar6、Ar7、Ar8としては、それぞれ独立に、無置換のフェニレン基、無置換のビフェニル基、無置換のナフチレン基、無置換のアントラセンジイル基である場合が好ましい。
Ar10、Ar11およびAr12としては有機溶媒への溶解性、素子特性等の観点から、それぞれ独立に、3つ以上の置換基を有するアリール基であるものが好ましく、Ar10、Ar11およびAr12が置換基を3つ以上有するフェニル基、3つ以上の置換基を有するナフチル基または3つ以上の置換基を有するアントラニル基であるものがより好ましく、Ar10、Ar11およびAr12が置換基を3つ以上有するフェニル基であるものがさらに好ましい。
中でも、Ar10、Ar11およびAr12が、それぞれ独立に下記式(13−1)であり、かつx+y≦3であるものが好ましく、x+y=1であるものがより好ましく、さらに好ましくはx=1、y=0の場合である。

〔式中、Re、RfおよびRgは、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。Re、RfおよびRgに含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。〕
より好ましくは上記式(13−1)において、ReおよびRfがそれぞれ独立に、炭素数3以下のアルキル基、炭素数3以下のアルコキシ基、炭素数3以下のアルキルチオ基であり、かつRgが炭素数3〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のアルキルチオ基であるものが挙げられる。
前記式(13)で示される繰り返し単位において、Ar7が下記式(19−1)または(19−2)であることが好ましい。
[ここで、(19−1)、(19−2)で示される構造に含まれるベンゼン環は、それぞれ独立に1個以上4個以下の置換基を有していてもよい。それら置換基は、互いに同一であっても、異なっていても良い。また、複数の置換基が連結して環を形成していても良い。さらに、該ベンゼン環に隣接して他の芳香族炭化水素環または複素環が結合していても良い。]
前記式(13)で示される繰り返し単位として、特に好ましい具体例としては、以下の(式141〜142)で示されるものが挙げられる。
式(13)の好ましい具体例としては、発光波長を調節する観点から、下記式(17)、(19)、(20)で示される繰り返し単位が好ましい。さらに好ましくは蛍光強度の観点から、下記式(17)で示される繰り返し単位である。この場合、耐熱性がより高くなりうる。
なお、本発明の高分子化合物は、発光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、上記式(1)、式(3)〜式(13)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、これらの繰り返し単位や他の繰り返し単位が、非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、および以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arはヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素、珪素、セレン)を含んでいてもよい炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。
本発明の高分子化合物の中で、上記式(1)で示される繰り返し単位のいずれかからなる高分子化合物としては、素子特性等の観点から、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)で示される繰り返し単位のいずれか1種からなるもの、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)で示される繰り返し単位から選ばれる2種以上の繰り返し単位からなるものが好ましく、式(1−1)で示される繰り返し単位からなるものがより好ましく、実質的に式(16)で示される繰り返し単位のみからなるものがさらに好ましい。
なお、上記式(1)で示される繰り返し単位のいずれかからなる高分子化合物は、
繰り返し単位として、実質的に、上記式(1)で示される繰り返し単位のみからなる高分子化合物をいうが、該高分子化合物は、原料モノマーに含まれる不純物等に起因する構造等を含んでいてもよい。「(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)のいずれかからなる」等についても同様である。

上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含む高分子化合物としては、蛍光特性や素子特性等の観点から、上記式(1−1)、(1−2)、(1−3)および(1−4)で示される繰り返し単位から選ばれる1種以上の繰り返し単位と上記式(3)〜(13)で示される繰り返し単位の1種以上とからなるものが好ましく、
式133、134および137で示される繰り返し単位のいずれか1種類と式(1−1)で示される繰り返し単位とからなるものがより好ましく、式134および式137で示される繰り返し単位のいずれか1種類と式(1−1)で示される繰り返し単位とからなるものがさらに好ましく、式(16)で示される繰り返し単位と式(17)で示される繰り返し単位からなるもの、および式(16)で示される繰り返し単位と式(20)で示される繰り返し単位からなるものがより好ましい。
また、本発明の高分子化合物は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光またはりん光の量子収率の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
前記式(1)で示される構造において、A環とB環が異なる構造である場合には、隣接する式(1)で示される構造は、下記式(31)、(32)、(33)のいずれかで示される構造になる。電子の注入性や輸送性の観点から、高分子化合物中に(31)〜(33)のうちの少なくとも1種類を含むことが好ましい。


〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環における芳香族炭化水素環とB環における芳香族炭化水素環とは互いに異なる環構造の芳香族炭化水素環であり、結合手はそれぞれA環およびB環上に存在し、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RwとRxはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。〕
B環が複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環である場合、上記式(31)〜(33)のうち、少なくとも(31)を含むことが好ましい。
B環が複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環である高分子化合物を高分子LED用の材料として用いた場合、素子駆動中の発光波長変化を抑制する観点から、下記式(32)で示されるB環−B環連鎖が高分子化合物中のB環を含む全連鎖に対して0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.2以下がさらに好ましく、実質的に0であることがより好ましい。また、素子駆動中の発光波長変化を抑制する観点から、A環はベンゼン環であることが好ましい。
B環を含む連鎖とは、上記式(31)中のB環−A環連鎖および上記式(32)中のB環−B環連鎖のみならず、B環に上記式(1)で示される構造以外の繰り返し単位が隣接する場合の連鎖も含まれる。上記式(1)で示される構造以外の繰り返し単位がB環を含む場合、上記式(1)のB環と上記式(1)で示される構造以外の繰り返し単位のB環との連鎖があれば、それらの連鎖もB環−B環連鎖に含む。
複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環同士の連鎖が多い高分子化合物では、長時間素子を駆動させた場合に、駆動初期の発光波長と比較して長波長の発光が観測される場合がある。具体的には、前記式(1−1)で示される繰り返し単位を含む場合、ナフタレン環−ナフタレン環連鎖が多いと、長時間素子を駆動させた場合に、駆動初期の発光波長と比較して長波長の発光が観測される場合がある。ナフタレン環−ナフタレン環連鎖が高分子化合物中のナフタレン環を含む全連鎖に対してに対して0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましく、0.2以下がさらに好ましく、実質的に0であることがより好ましい。
複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環同士の連鎖が少ない構造としては、前記式(31)のように隣接する2つの前記式(1)で示される構造がヘッド(H)とテイル(T)で連結されている構造が好ましい。また、高分子化合物としては、隣接する前記式(1)が実質的に全てH−T結合している高分子化合物が好ましい。特に前記式(1−1)、(1−2)の場合には、H−Tの連結をすることが好ましい。
前記式(1)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位の50モル%以上含む共重合体であり、前記式(1)で示される繰り返し単位の隣りが式(1)で示される繰り返し単位である割合をQ11とすれば、蛍光強度や素子特性等の観点から、Q11が25%以上であることが好ましい。
モノマーを重合して本発明の高分子化合物を得るには、前記式(1)で示される構造を2個以上含むものをモノマーとして用いることもできる。該モノマーとしては、2〜5量体に重合活性基が2個以上付加した構造のものが例示され、例えば、上記式(31)〜(33)の結合手に重合活性基が結合したモノマーがあげられる。
上記式(31)を多量に含む高分子化合物やB環−B環連鎖の少ない高分子化合物を得る方法の1つに、A環に結合した重合に関与する置換基とB環に置換した重合に関与する置換基が異なる化合物用いて重合する方法がある。例えば、A環にホウ酸エステルが結合し、B環にハロゲン原子が結合した化合物を用いて重合を行えば、B環−B環連鎖の少ない高分子化合物が得られる。
本発明の高分子化合物はブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましいが、前記式(1)で示される繰り返し単位の連鎖を含むほうが、蛍光強度が高く、素子特性に優れる。本発明の高分子化合物中に含まれる前記式(1)で示される繰り返し単位が同じ割合で含まれている場合、前記式(1)で示される繰り返し単位のより長い連鎖を含むほうが、蛍光強度および素子特性に優れる。
前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位を含み、前記式(13)で示される繰り返し単位を全繰り返し単位の15〜50モル%含む共重合体である場合、前記式(13)で示される繰り返し単位の隣りが式(13)で示される繰り返し単位である割合をQ22とすれば、蛍光強度や素子特性等の観点から、Q22が15〜50%以上であることが好ましく、20〜40%がより好ましい。
特定の連鎖を持つ場合に蛍光強度や素子特性等が高くなる高分子化合物およびその組成物としては、前記式(13)で示される繰り返し単位と下記式(1−1)あるいは(1−2)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物およびその組成物が好ましい。
本発明の高分子化合物およびその組成物において、前記式(13)で示される繰り返し単位と下記式(1−1)あるいは(1−2)で示される繰り返し単位を含む場合、全ての式(13)で示される繰り返し単位のうち、式(13)が式(1−1)または式(1−2)の※印に結合している割合をQ21Nとした場合、Q22が15〜50%の範囲である場合が好ましく、20〜40%の範囲である場合がさらに好ましい。Q22が15〜50%の範囲である場合、Q21Nは20〜40%の範囲であることが好ましい。

〔式中、Rp1、Rq1、Rp2、Rq2、a、b、Rw1、Rx1、Rw2およびRx2は前記と同様の意味を表す。〕
高分子化合物の連鎖を調べる手法として、NMR測定法を用いることができる。本発明では、高分子化合物を重水素化テトラヒドロフランに溶かし、30℃にて測定を行った。
発光素子等を作成するための様々なプロセスに耐えうる為には、高分子化合物のガラス転移温度は100℃程度以上であることが好ましい。
本発明の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は通常103〜108程度であり、好ましくは104〜106である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は通常103〜108程度であり、成膜性の観点および素子にした場合の効率の観点から、好ましくは5×104以上(中でも、5×104〜5×106)、105以上(中でも、105〜5×106)がさらに好ましい。好ましい範囲の高分子化合物は、単独で素子に用いた場合でも2種類以上を混合して素子に用いた場合でも高効率になる。また、同じく高分子化合物の成膜性を向上させる観点から、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5以上であることが好ましい。
本発明の高分子化合物が共役高分子である場合、成膜性の観点および素子にした場合の効率の観点から、重量平均分子量が4×104〜5×106であることが好ましく、5×104〜5×106であることがより好ましく、105〜5×106がさらに好ましい。
繰り返し単位が前記式(16)からなる高分子化合物である場合、GPCの溶出曲線が実質的に単峰性で、分散度が1.5以上であることが好ましく、1.5以上12以下であることがより好ましく、2以上7以下であることがさらに好ましく、4以上7以下であることがより好ましい。
実質的に上記式(16)と、前記式(17)で示される構造からなる高分子化合物である場合、GPCの溶出曲線が二峰性であることが好ましい。本発明でいう二峰性とは、曲線の山が2つある場合だけでなく、曲線が上昇する過程において、急激に上昇した後に上昇の度合いが非常になだらかな時間が長時間続きその後再び急激に上昇する場合、曲線が下降する過程において、急激に下降した後に下降の度合いが非常になだらかな時間が長時間続きその後再び急激に上昇する場合も含む。また、分散度は1.5以上が好ましい。
GPCの溶出曲線は、一般的にはGPC(ゲルパーミッションクロマトグラフィー)により測定される。本発明におけるGPCの溶出曲線の測定は、GPCの移動相としてテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。また、カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げ、検出器には示差屈折率検出器を用いて行った。なお、GPCはSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)と呼称される場合もある。
実質的に上記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物のGPCの溶出曲線は、左右対称に近い単峰形であることが好ましい。素子特性の再現性を観点から、GPCの溶出曲線においてピークトップを境とした左側の溶出曲線の面積と右側の溶出曲線の面積の差が、左右のうち小さい方の面積の値に対して、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。また、ピークトップを境にして右側(低分子量側)の面積が左側(高分子側)の面積よりも小さいことが好ましい。
また本発明の高分子化合物は、主鎖に分岐構造を有していてもよいが、分岐構造としては、下記式(41)で示されるものが好ましい。

〔式中、A環、B環、RwおよびRxは前記と同様の意味を表し、3つの結合手はA環および/またはB環上に存在する。〕
分岐構造としては、前記式(1A−1)〜(1A−64)、(1B−1)〜(1B−64)、(1C−1)〜(1C−64)、(1D−1)〜(1D−18)のいずれかの芳香族環にさらに結合手がついたものがあげられる。
分岐構造の好ましい具体例としては、以下のものが例示される。




〔式中、RwおよびRxは前記と同じ意味を表す。〕
分岐構造として、下記式(41−1)である場合がさらに好ましい。
〔式中、Rp1、Rq1、Rw1、Rx1、aおよびbは前記と同様の意味を表す。〕
分岐構造の割合としては、前記式(1)で示される繰り返し単位を100モル%とした場合、前記式(41)で示される繰り返し単位が0.1モル%以上の場合が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10モル%の範囲である場合がより好ましい。
また、本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていることが好ましい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明の高分子化合物においてはその分子鎖末端の少なくとも一方が、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基または式量90以上のアリール基から選ばれる芳香族末端基を有することが好ましい。この芳香族末端基は1種類でも2種類以上であってもよい。芳香族末端基以外の末端基は、蛍光特性や素子特性の観点から、全末端の30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、実質的に存在しないことがより好ましい。ここで、分子鎖末端とは、本発明の製造方法により高分子化合物の末端に存在する芳香族末端基、重合に用いた単量体の脱離基であって重合時に脱離しないで高分子化合物の末端に存在する脱離基、高分子化合物の末端に存在する単量体において重合体の脱離基が外れたものの芳香族末端基が結合しないでかわりに結合したプロトンを言う。これらの分子鎖末端のうち、重合に用いた単量体の脱離基であって重合時に脱離しないで高分子化合物の末端に存在する脱離基、例えば、原料としてハロゲン原子を有する単量体を用いて本発明の高分子化合物を製造する場合等には、ハロゲンが高分子化合物末端に残っていると蛍光特性等が低下する傾向があるため、末端には単量体の脱離基が実質的に残っていないことが好ましい。
本発明の高分子化合物においてはその分子鎖末端の少なくとも一方を、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基または式量90以上のアリール基から選ばれる芳香族末端基で封止することにより、高分子化合物にさまざまな特性を付加することが期待される。具体的には、素子の輝度低下に要する時間を長くする効果、電荷注入性、電荷輸送性、発光特性等を高める効果、共重合体間の相溶性や相互作用を高める効果、アンカー的な効果等などがあげられる。
1価の複素環基としては、前記載の基があげられるが、具体的には下記構造が例示される。








1価の芳香族アミン基としては、前記式(13)の構造において2個有する結合手のうちの1つをRで封止した構造が例示される。
複素環配位金属錯体から誘導される1価の基としては、前述の金属錯体構造を有する2価の基において2個有する結合手のうちの1つをRで封止した構造が例示される。
末端基のなかで、式量90以上のアリール基としては、炭素数は通常6〜60程度である。ここにアリール基の式量とは、アリール基を化学式で表したときに、該化学式中の各元素について、それぞれの元素の原子数に原子量を乗じたものの和をいう。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレン構造を有する基、縮合環化合物基などあげられる。
末端を封止するフェニル基としては、例えば


があげられる。
末端を封止するナフチル基としては、例えば、
があげられる。
アントラセニル基としては、例えば、
があげられる。
フルオレン構造を含む基としては、例えば、
があげられる。
縮合環化合物基としては、例えば、
があげられる。
電荷注入性、電荷輸送性を高める末端基としては、1価の複素環基、1価の芳香族アミン基、縮合環化合物基が好ましく、1価の複素環基、縮合環化合物基がより好ましい。
発光特性を高める末端基としては、ナフチル基、アントラセニル基、縮合環化合物基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基が好ましい。
素子の輝度低下に要する時間を長くする効果がある末端基としては、置換基を有するアリール基が好ましく、アルキル基を1〜3個有するフェニル基が好ましい。
高分子化合物間の相溶性や相互作用を高める効果がある末端基としては、置換基を有するアリール基が好ましい。また、炭素数6以上のアルキル基が置換したフェニル基を用いることによりアンカー的な効果を奏することができる。アンカー効果とは末端基がポリマーの凝集体に対してアンカー的な役割をし、相互作用を高める効果をいう。
素子特性を高める基としては、下記構造が好ましい。


式中のRは前述のRが例示されるが、水素、シアノ基、炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、炭素数6〜18のアリール基、アリールオキシ基、炭素数4〜14の複素環基が好ましい。
素子特性を高める基としては、下記構造がより好ましい。
本発明の高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
次に本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
式(1)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物は、例えば、式(14)

で示される化合物を原料の一つとして用いて縮合重合させることにより製造することができる。
式(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)で示される繰り返し単位を有する高分子化合物の原料としては、
(14)として、式(14−1)、(14−2)、(14−3)または(14−4)の化合物があげられる。
〔式中、Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4およびRs4はそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、aは0〜3の整数を表し、bは0〜5の整数を表し、Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4およびRs4がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4およびRz4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、Ry1とRz1、Ry2とRz2、Ry3とRz3、Ry4とRz4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4はそれぞれ独立に重合に関与しうる置換基を表す。〕で示される化合物を原料の一つとして用いて重合させることにより製造することができる。
r1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4、Rs4、Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4およびRz4におけるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基および置換カルボキシル基の定義、具体例は、前記(1)式の芳香族炭化水素環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。
t1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4において重合に関与し得る置換基がそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基およびアリールアルキルスルホネート基から選ばれる場合、合成が容易な点や種々の重合反応の原料として用いることができる点から好ましい。
また、(14−1)、(14−3)または(14−4)においてYt1、Yu1、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4が臭素原子である場合、合成が容易な点、官能基変換が容易な点および種々の重合反応の原料として用いることができる点から好ましい。
また、(14−1)、(14−3)または(14−4)において耐熱性を向上させる観点から、a=b=0であることが好ましい。
中でも、化合物の合成の容易さの観点から、式(14−1)で示される化合物が好ましく、高分子にした時の溶媒への溶解性の観点から下記式(26)で示される化合物が好ましい。
(26)
(式中、Yt1およびYu1は前記と同じ意味を表す)
また、主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある高分子化合物やデンドリマーを製造する場合においては、下記式(14B)で示される化合物を原料の一つとして用いて重合させることにより製造することができる。
〔式中、Ry、Rz、Yt、Yuはそれぞれ前記と同様の意味を表す。cは0又は正の整数を表し、dは0又は正の整数を表し、かつ3≦c+d≦6を満たす整数を表し、好ましくは3≦c+d≦4を満たす整数を表す。Yt、Yuが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕で示される化合物を原料の一つとして用いて重合させることにより製造することができる。
上記式(2)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物は、例えば、下記式(14C)で示される化合物を縮合重合させることにより製造できる。

(14C)
〔式中、A環、B環、C環は、それぞれ前記と同様の意味を表す。Yt、Yuはそれぞれ前記と同様の意味を表す。cは0又は正の整数を表し、dは0又は正の整数を表し、かつ2≦c+d≦6を満たす整数を表す。〕
式(14B)で示される原料としては、好ましくは、下記式(14−5)、(14−6)、(14−7)で示される化合物が挙げられる。
〔式中、Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4、Rs4、Ry1、Rz1、Ry2、Rz2、Ry3、Rz3、Ry4、Rz4、Yt1、Yu1、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4は前記と同じ意味を表し、a’は0〜4の整数を表し、b’は0〜5の整数を表し、cは0〜3の整数を表し、dは0〜5の整数を表し、a’+c≦4、b’+d≦6、3≦c+d≦6である。Rr1、Rs1、Rr2、Rs2、Rr3、Rs3、Rr4、Rs4、Ry1、Rz1、Yt1、Yu1、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
また、(14−5)、(14−6)または(14−7)において耐熱性を向上させる観点から、a’=b’=0であることが好ましい。
本発明の高分子化合物の製造において、原料であるモノマー中に前記式(14B)あるいは(14−5)〜(14−7)で示される化合物が含まれた場合のほうが高い分子量の高分子化合物が得られるという点で好ましい。この場合の前記式(14B)あるいは(14−5)〜(14−7)で示される化合物は、前記式(14)で示される化合物を100モル%とした場合、好ましくは0.1〜10モル%の範囲で原料であるモノマー中に含み、さらに好ましくは0.1〜1モル%の範囲で含む。
また、本発明の高分子化合物が、式(1)以外の繰り返し単位を有する場合には、式(1)以外の繰り返し単位となる、2個の重合に関与する置換基を有する化合物を共存させて重合させればよい。
上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、2個の重合しうる置換基を有する化合物としては、下記式(21)〜(24)の化合物が例示される。
上記式(14)で示される化合物に加えて、下記式(21)〜(24)のいずれかで示される化合物を重合させることにより
式(21)
5−Ar1−Y6

式(22)

式(23)
9−Ar4−X2−Y10

式(24)
11−X3−Y12
〔式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、ff、X1、X2およびX3は前記と同じである。
5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11、およびY12はそれぞれ独立に重合可能な置換基を示す。〕
上記式(1)で示される単位に加えて、順に(3)、(4)、(5)または(6)の単位を1つ以上有する高分子化合物を製造することができる。
末端を封止した高分子化合物、上記式(14)、上記式(15−1)、上記式(21)〜(24)に加えて下記式(25)、(27)示される化合物を原料として用いて重合することにより製造することができる。

1−Y13 (25)
2−Y14 (27)

(E1、E2は1価の複素環、置換基を有するアリール基、1価の芳香族アミン基、複素環配位金属錯体から誘導される1価の基を表し、Y13、Y14はそれぞれ独立に重合に関与しうる置換基を表す。)
また、上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、上記式(13)に対応する2個の縮合に関与する置換基を有する化合物としては、下記式(15−1)で示される化合物があげられる。
〔式中、Ar6、Ar7、Ar8、Ar9、Ar10、Ar11、Ar12、xおよびyの定義および好ましい例については前記と同じ。Y13およびY14はそれぞれ独立に重合に関与しうる置換基を示す。〕
本発明の製造方法において、重合に関与する置換基のなかで、重合に関与する置換基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)2、ホルミル基、シアノ基、ビニル基等があげられる。
ここに、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
アルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが例示される。
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2+Me2-、−CH2+Ph2-
(Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2+Ph3- (Xはハロゲン原子を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2PO(OR’)2 (Xはハロゲン原子を示し、R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
縮合重合に関与する置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒あるいはパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホネート基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、-B(OH)2などが挙げられる。
本発明の製造方法は、具体的には、モノマーとなる、重合に関与する置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で行うことができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、 “オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
本発明の高分子化合物の製造方法において、縮合重合させる方法としては、上記式(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、(21)、(22)、(23)、(24)、(25)、(26)、(27)、(15−1)で表される化合物の縮合重合に関与する置換基に応じて、既知の縮合反応を用いることにより製造できる。
本発明の高分子化合物が縮合重合において、二重結合を生成する場合は、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、もしくはホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウムメチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
本発明の高分子化合物が縮合重合によって主鎖に三重結合を生成する場合には、例えば、Heck反応、Sonogashira反応が利用できる。
また、二重結合や三重結合を生成しない場合には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、およびSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、ニッケルゼロ価錯体により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。中でも、分子量制御のしやすさの観点、高分子LEDの寿命、発光開始電圧、電流密度、駆動時の電圧上昇等の素子特性および耐熱性の観点からからニッケルゼロ化錯体により重合する方法が好ましい。
本発明の高分子化合物はその繰り返し単位において、式(1)に示されるように、非対称な骨格を有しているため、高分子化合物に繰り返し単位の向きが存在する。これらの繰り返し単位の向きを制御する場合には、例えば、該当するモノマーの縮合重合に関与する置換基および用いる重合反応の組合せを選択して、繰り返し単位の向きを制御して重合する方法などが例示される。
本発明の高分子化合物において、2種類以上の繰り返し単位のシーケンスを制御する場合には、目的とするシーケンスの中での繰り返し単位の一部または全部を有するオリゴマーを合成してから重合する方法、用いるそれぞれのモノマーの、縮合重合に関与する置換基および用いる重合反応を選択して、繰り返し単位のシーケンスを制御して重合する方法などが例示される。
本発明の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(Yt、Yu、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu45、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11およびY12)がそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基から選ばれ、ニッケルゼロ価錯体存在下で縮合重合する製造方法が好ましい。
原料化合物としては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物あるいはハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。
この場合、例えば原料化合物としてハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物を用いることにより、繰り返し単位の向きやシーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(Yt、Yu、Yt1、Yu1、Yt2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu45、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、Y11およびY12)がそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸基、またはホウ酸エステル基から選ばれ、全原料化合物が有する、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基およびアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計(J)と、ホウ酸基(−B(OH)2)およびホウ酸エステル基のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常 K/J は0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法が好ましい。
具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物またはビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物またはジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。
また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物挙げられる。
この場合、例えば原料化合物としてハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物を用いることにより、繰り返し単位の向きやシーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化不飽和炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N, N‘,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示され、単一溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いてもよい。これらの中で、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがさらに好ましい。
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
本発明の高分子化合物を高分子LED等に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。本発明の高分子化合物の中では、ニッケルゼロ価錯体により重合する方法により製造されたものが、高分子LEDの寿命、発光開始電圧、電流密度、駆動時の電圧上昇等の素子特性、または耐熱性等の観点から好ましい。
本発明の高分子化合物の原料として有用な(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)の中でYt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4がハロゲンを示すのものは、例えばカップリング反応、閉環反応等を用いて(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)のYt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4を水素原子に置き換えた構造の化合物を合成した後に、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド等の種々のハロゲン化試剤によりハロゲン化することによって得られる。
本発明の高分子化合物の原料として有用な(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)の中でYt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4がハロゲンである場合が好ましく、高分子量化の観点や反応終了後の精製の行いやすさの観点から、ハロゲンが臭素であることが好ましく、化合物の合成の行いやすさの観点からは、下記式(14−8)で示される化合物が好ましい。

〔式中、Ry8およびRz8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、Ry8とRz8はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。〕
中でも、Ry8およびRz8としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、1価の複素環基が好ましく、更に好ましくはアルキル基の場合であり、高分子にした時の溶解性の観点からより好ましくはn−オクチル基の場合である。
前記式(14−1)、(14−3)、(14−4)で示される化合物であって、Yt1、Yu1、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4が臭素原子である化合物を合成する方法としては、下記式(14−9)、(14−10)または(14−11)で示される化合物を臭素化剤により臭素化する方法が例示される。

(式中、Rr1、Rs1、Rr3、Rs3、Rr4、Rs4、Ry1、Rz1、Ry3、Rz3、Ry4、Rz4、aおよびbはそれぞれ上記と同じ。Hは水素原子を表す。)
臭素化剤としては、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタル酸イミド、臭素、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミドなどが例示される。
中でも、上記式(14−9)で示される化合物を臭素化剤で臭素化する方法により、上記式(14−1)で示される化合物を合成する方法が反応収率の観点から好ましい。
更に、a=b=0の場合、反応収率の観点から好ましい。
また、本発明の高分子化合物の原料として有用な(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)の中で、Yt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4がアルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、またはアリールアルキルスルホネート基を示すものは、例えば、それぞれ、アルコキシ基等の水酸基へ誘導可能な官能基をもつ化合物をカップリング反応、閉環反応等に供して、(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)のYt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4をアルコキシ基等の水酸基へ誘導可能な官能基に置き換えた化合物を合成した後に、例えば三臭化ホウ素等により脱アルキル化試剤用いるなどの種々の反応により、Yt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4を水酸基に置き換えた化合物を合成し、ついで、例えば、種々のスルホニルクロライド、スルホン酸無水物等により水酸基をスルホニル化することにより得られる。
また、本発明の高分子化合物の原料として有用な(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)の中で、Yt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4がホウ酸基、またはホウ酸エステル基を示すものは、前記の方法等により、(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)のYt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4をハロゲン原子に置き換えた化合物を合成した後に、アルキルリチウム、金属マグネシウム等を作用させ、さらにホウ酸トリメチルによりホウ酸化することにより、ハロゲン原子をホウ酸基に変換すること、および、ホウ酸化した後に、アルコールを作用させてホウ酸エステル化することにより得られる。また、前記の方法等により、(14)、(14−1)、(14−2)、(14−3)、(14−4)、(14B)、(14C)、(14−5)、(14−6)、(14−7)、および(26)のYt、Yu、Yt1、Yu1、t2、Yu2、Yt3、Yu3、Yt4およびYu4をハロゲン、トリフルオロメタンスルホネート基等に置き換えた化合物を合成し、ついで、非特許文献[Journal of Organic Chemistry, 11995,60,7508−7510、Tetrahedoron Letters,1997,28(19),3447−3450]等に記載の方法により、ホウ酸エステル化することにより得られる。本発明の高分子化合物の中では、ニッケルゼロ価錯体により重合する方法により製造されたものが、寿命特性の観点から好ましい。
次に、 下記式(2−0)で示される化合物の合成法について述べる。
下記式(2−0)で示される化合物は、下記式(2−1)または(2−4)で示される化合物を酸触媒の存在下に反応させることにより合成することができる。
[式中、AL環およびBL環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、AL環およびBL環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれAL環および/またはBL環上に存在し、RWLおよびRXLはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RWLとRXLはそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。XLは臭素原子またはヨウ素原子を表す。]



[式中、AL環、BL環、RWLおよびRXLはそれぞれ上記と同じ。
L環およびBL環上の置換基、RWLおよびRXLにおけるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、置換アミノ基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、置換カルボキシル基の定義、具体例は前記(1)式の芳香族炭化水素環が置換基を有する場合の置換基におけるそれらの定義、具体例と同様である。]
酸としては、Lewis酸、Bronsted酸のいずれでもよく、塩酸、臭素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化スズ(IV)、塩化鉄(II)、四塩化チタンまたはこれらの混合物が例示される。
反応は上記の酸を溶媒として用いても良いし、他の溶媒中で反応をおこなっても良い。
反応の温度としては、酸、溶媒などの反応条件にもよるが、−100℃〜200℃程度である。
上記式(2−1)および(2−4)で表される化合物としては例えば下記の構造があげられる。

WLとRXLがそれぞれ互いに結合して環を形成する場合、例えば下記の構造があげられる。

上記式中、芳香環上にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基から選ばれる置換基を有していても良い。
また、本発明は上記式(2−1)で示される化合物の製造方法であって、下記式(2−2)で示される化合物をメタル化剤と反応させてXLをMLに変換した後に下記式(2−3)で示される化合物と反応させることを特徴とする方法、および、上記式(2−4)で示される化合物の製造方法であって、下記式(2−5)で示される化合物をメタル化剤と反応させてXLをMLに変換した後に下記式(2−3)で示される化合物と反応させることを特徴とする方法を開示するものである。


式中、AL環、BL環、RWLおよびRXLは上記と同じ意味を表す。XLは臭素原子またはヨウ素原子を表す。MLは金属原子かその塩を表す。
本発明の方法を用いることにより、WO2004/061048に記載の合成ルートなどの既存法に比べて市販の原料から短工程で上記式(2−0)で示される環構造を構築することができる。特に、RWLとRXLとが異なる場合や、RWLとRXLとが環を形成する場合に工程数が短く、有用である。また、RWLとRXLとがアルキル基の場合、収率の面からも好ましい。例えば、エステルにGrignard試薬を反応させる方法では、3級アルコール体、2級アルコール体、ケトン体の混合物を与えるが、本発明の方法を用いることにより、副生成物の生成を抑制することができる。

Lで表される金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が例示され、金属原子の塩としては、クロロマグネシウム、ブロモマグネシウム、ヨードマグネシウムなどのマグネシウム塩、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅などの銅塩、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などの亜鉛塩、トリメチルスズ、トリブチルスズなどのスズ塩が例示される。反応収率の観点から、リチウム原子またはマグネシウム塩が好ましい。
また、上記の方法でメタル化された化合物のメタルを交換した後に上記式(2−2)で示される化合物を反応させてもよい。
メタル交換させる金属試薬としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのマグネシウム塩、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)などの銅塩、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などの亜鉛塩、クロロトリメチルスズ、クロロトリブチルスズなどのスズ塩が例示されるが、収率の面でマグネシウム塩が好ましい。
上記式(2−3)で表される化合物としては例えば下記の構造があげられる。
また、上記式(2−0)で表される化合物のうち、RXLがアルキル基の場合、下記式(2−6)で示される化合物とRWLおよびRXL2−XL2で表される化合物とを塩基の存在下に反応させることによっても合成することができる。

式中、AL環、BL環およびRWLは上記と同じ意味を表す。RXL2はアルキル基を表し、XL2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基を表す。
反応に用いられる塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの金属ヒドリド、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム試薬、メチルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライド、アリルマグネシウムブロマイド、アリルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムクロライドなどのGrignard試薬、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジドなどのアルカリ金属アミド、水酸化リチウム、水酸化ナトリム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、またはこれらの混合物が例示される。
反応は、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下、溶媒の存在下に実施することができる。反応温度は−100℃〜溶媒の沸点が好ましい。
反応に用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの不飽和炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、などが例示され、単一溶媒、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類などが例示され、単一溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いてもよい。
無機塩基を用いる場合、臭化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、Aliquat336などの相間移動触媒の存在下に実施実施することが好ましい。
特に、上記式(2−6)で表される化合物が下記式(2−7)で表され、下記式(2−8)で表される化合物とを塩基の存在下に反応させることによって下記式(2−9)で表される化合物を合成することができる。

式中、式中、AL環およびBL環は上記と同じ意味を表す。RL7は上記式(2−9)において5員環以上の環を形成するアルキレン基を表し、XL3およびXL4は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基を表す。
L7におけるアルキレン基としては、アルキレン基としては、炭素数は4〜20程度であり、具体的には、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが例示され、アルキレン基上に置換基を有していても良いし、メチレン基が酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子、リン原子で置換されていてもよい。
上記式(2−9)で表される化合物としては例えば下記の構造があげられる。
上記式中、芳香環上にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基から選ばれる置換基を有していても良い。
上記式(14−1)、(14−3)および(14−3)式で表される化合物の合成法として具体的には、例えばそれぞれ下記式で示されるルートによって合成することができる。



次に本発明の高分子化合物の用途について説明する。
本発明の高分子化合物は、通常は、固体状態で蛍光または燐光を発し、高分子発光体(高分子量の発光材料)として用いることができる。
また、該高分子化合物は優れた電荷輸送能を有しており、高分子LED用材料や電荷輸送材料として好適に用いることができる。該高分子発光体を用いた高分子LEDは低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDである。従って、該高分子LEDは液晶ディスプレイのバックライト、または照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
また、本発明の高分子化合物はレーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いることができる。
さらに、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。
本発明の高分子LEDは、陽極および陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が本発明の高分子化合物を含むことを特徴とする。
有機層(有機物を含む層)は、発光層、正孔輸送層、電子輸送層等のいずれであってもよいが、有機層が発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
有機層が発光層である場合、有機層である発光層がさらに正孔輸送性材料、電子輸送性材料または発光性材料を含んでいてもよい。ここで、発光性材料とは、蛍光および/または燐光を示す材料のことをさす。
本発明の高分子化合物と正孔輸送性材料と混合する場合には、その混合物全体
に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子化合物と発光性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子化合物と発光性材料、正孔輸送性材料および/または電子輸送性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光性材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、本発明の高分子化合物の含有量は99wt%〜20wt%である。
混合する正孔輸送性材料、電子輸送性材料、発光性材料は公知の低分子化合物、三重項発光錯体、または高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。 高分子化合物の正孔輸送性材料、電子輸送性材料および発光性材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体および共重合体、芳香族アミンおよびその誘導体の(共)重合体が例示される。
低分子化合物の蛍光性材料としでは、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
三重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等が挙げられる。

三重項発光錯体として具体的には、例えばNature,(1998),395,151、Appl.Phys.Lett.(1999),75(1),4、Proc.SPIE−Int.Soc.Opt.Eng.(2001),4105(Organic Light−Emitting Materials and Devices IV),119、J.Am.Chem.Soc.,(2001),123,4304、Appl.Phys.Lett.,(1997),71(18),2596、Syn.Met.,(1998),94(1),103、Syn.Met.,(1999),99(2),1361、Adv.Mater.,(1999),11(10),852、Jpn.J.Appl.Phys.,34,1883(1995)などに記載されている。
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物を含有し、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。
その正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけると同じ含有比率が好ましい。
本発明の別の実施態様としては、本発明の高分子化合物(式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物)を2種類以上含む高分子組成物が例示される。
具体的には、前記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を2種類以上含み、該高分子化合物の合計量が全体の50重量%以上である高分子組成物が、高分子LEDの発光材料として用いた場合に、発光効率、寿命特性などの点で優れており、好ましい。
より好ましくは、該高分子化合物の合計量は全体の70重量%以上である。
本発明の高分子組成物は、高分子化合物を単独で高分子LEDに用いる場合よりも、寿命等の素子特性を高めることができる。
該高分子組成物において、好ましい例としては、前記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物1種類以上と、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体1種類以上とを含む高分子組成物である。該共重合体が、前記式(1)で示される繰り返し単位を70モル%以上含むことが、発光効率、寿命特性などの点で、より好ましい。
また、別の好ましい例としては、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体を2種類以上含み、該共重合体は、互いに異なる繰り返し単位も含む、高分子組成物が好ましい。少なくとも1種類の該共重合体が、前記式(1)で示される繰り返し単位を70モル%以上含むことが、発光効率、寿命特性などの点でより好ましい。
さらに、別の好ましい例としては、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体を2種類以上含み、該共重合体は、互いに共重合比は異なっているが、同一の繰り返し単位の組み合わせからなる、高分子組成物が好ましい。少なくとも1種類の該共重合体が、前記式(1)で示される繰り返し単位を70モル%以上含むことが、発光効率、寿命特性などの点で、より好ましい。
あるいは、別の好ましい例としては、前記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を2種類以上含む高分子組成物が好ましい。
より好ましい高分子組成物の例としては、上記例で示された高分子組成物に含まれる少なくとも1種類の高分子化合物が、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体であり、前記式(13)で示される繰り返し単位も含み、かつ前記式(1)で示される繰り返し単位と、前記式(13)で示される繰り返し単位とのモル比が、99:1〜50:50となる高分子組成物である。該モル比が、98:2〜70:30であることが、発光効率、寿命特性などの点で、より好ましい。
また、別のより好ましい高分子組成物の例としては、前記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物1種類以上と、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体1種類以上とを含む高分子組成物であり、該共重合体は、前記式(1)で示される繰り返し単位と、前記式(13)で示される繰り返し単位とからなり、かつ前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位とのモル比が90:10〜50:50である、高分子組成物である。該モル比が、90:10〜60:40であることが、発光効率、寿命特性などの点で、より好ましく、85:15〜75:25であることがさらに好ましい。
本発明の高分子化合物を高分子組成物として用いる場合、有機溶媒への溶解性の観点や発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、前記式(1)で示される繰り返し単位は、前記式(1−1)で示される繰り返し単位または式(1−2)で示される繰り返し単位から選ばれることが好ましく、式(1−1)で示される繰り返し単位である場合がより好ましく、式(1−1)においてaおよびbが0の場合がさらに好ましく、Rw1とRx1がアルキル基の場合がより好ましく、該アルキル基の炭素数が3以上である場合がさらに好ましく、前記式(16)で示される繰り返し単位である場合がより好ましい。また、前記式(13)で示される繰り返し単位は、前記式134で示される繰り返し単位もしくは前記式137で示される繰り返し単位であることが好ましく、前記式(17)で示される繰り返し単位もしくは式(20)で示される繰り返し単位であることがより好ましい。
本発明の高分子組成物としては、有機溶媒への溶解性の観点や発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、前記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を1種類と、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体を1種類含む高分子組成物、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体であって、互いに共重合比は異なっているが、同一の繰り返し単位の組み合わせからなる共重合体を2種類含む高分子組成物が好ましい。
前記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を1種類と、前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体を1種類含む高分子組成物としては、有機溶媒への溶解性の観点や発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、前記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物が好ましく、前記式(1−1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(1−1)で示される繰り返し単位と前記式134で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物、前記式(1−1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(1−1)で示される繰り返し単位と前記式137で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物がより好ましく、前記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(17)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物、前記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(20)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物がさらに好ましく、前記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(17)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物であって前記式(16)で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の70モル%以上である高分子化合物を含む高分子組成物、前記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(20)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物であって前記式(16)で示される繰り返し単位が全繰り返し単位の70モル%以上である高分子化合物を含む高分子組成物がより好ましい。
前記式(1)で示される繰り返し単位を50モル%以上含む共重合体であって、互いに共重合比は異なっているが、同一の繰り返し単位の組み合わせからなる共重合体を2種類含む高分子組成物としては、有機溶媒への溶解性の観点や発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物が好ましく、前記式(1−1)で示される繰り返し単位と前記式134で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物、前記式(1−1)で示される繰り返し単位と前記式137で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物がより好ましく、前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(17)で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物、前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(20)で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物がさらに好ましい。共重合体の組成比に関しては、有機溶媒への溶解性の観点や発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位のモル比が99:1〜90:10である共重合体と前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位のモル比が80:20〜50:50である共重合体を含有する高分子組成物が好ましく、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位のモル比が98:2〜95:5である共重合体と前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位のモル比が70:30〜60:40である共重合体を含有する高分子組成物がより好ましい。
高分子化合物の混合比は、発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、高分子組成物において、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位のモル比が99:1〜70:30であることが好ましい。
前記式(13)で示される繰り返し単位を含む共重合体を1種類以上含む高分子組成物の場合、発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、高分子組成物において、前記式(1)で示される繰り返し単位と前記式(13)で示される繰り返し単位のモル比が99:1〜70:30であるように高分子化合物もしくは共重合体を混合することが好ましく、95:5〜80:20であることがより好ましい。
前記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(17)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物、前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(17)で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物においては、発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、高分子組成物において、前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(17)で示される繰り返し単位のモル比が99:1〜70:30であるように高分子化合物もしくは共重合体を混合することが好ましく、95:5〜80:20であることがより好ましい。
前記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物と前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(20)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を含む高分子組成物、前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(20)で示される繰り返し単位からなる共重合体を2種類含む高分子組成物であって、該共重合体の共重合比は互いに異なるが繰り返し単位の組み合わせは同一である高分子組成物においては、発光効率や寿命特性等の素子特性の観点から、高分子組成物において、前記式(16)で示される繰り返し単位と前記式(20)で示される繰り返し単位のモル比が99:1〜70:30であるように高分子化合物もしくは共重合体を混合することが好ましく、95:5〜80:20であることがより好ましい。
本発明の高分子組成物のポリスチレン換算の数平均分子量は通常103〜108程度であり、好ましくは104〜106である。また、ポリスチレン換算の重量平均分子量は通常103〜108程度であり、成膜性の観点および素子にした場合の効率の観点から、好ましくは5×104〜5×106であり、105〜5×106がさらに好ましい。ここで、高分子組成物の平均分子量とは、2種類以上の高分子化合物を混合して得られた組成物をGPCで分析して求めた値をいう。
本発明の高分子LEDが有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
印刷法等で用いる溶液(インク組成物)としては、少なくとも1種類の本発明の高分子化合物が含有されていればよく、また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して通常は20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましく80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由するもの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましく、5〜20mPa・sの範囲であることがより好ましく、7〜20mPa・sの範囲であることがさらに好ましい。
本発明の溶液は、発明の高分子化合物の他に、粘度および/または表面張力を調節するための添加剤を含有していても良い。該添加剤としては、粘度を高めるための高分子量の高分子化合物(増粘剤)や貧溶媒、粘度を下げるための低分子量の化合物、表面張力を下げるための界面活性剤などを適宜組み合わせて使用すれば良い。
前記の高分子量の高分子化合物としては、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであれば良い。例えば、高分子量のポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、あるいは本発明の高分子化合物のうち分子量が大きいものなどを用いることができる。重量平均分子量が50万以上が好ましく、100万以上がより好ましい。
貧溶媒を増粘剤として用いることもできる。すなわち、溶液中の固形分に対する貧溶媒を少量添加することで、粘度を高めることができる。この目的で貧溶媒を添加する場合、溶液中の固形分が析出しない範囲で、溶媒の種類と添加量を選択すれば良い。保存時の安定性も考慮すると、貧溶媒の量は、溶液全体に対して50wt%以下であることが好ましく、30wt%以下であることが更に好ましい。
また、本発明の溶液は、保存安定性を改善するために、本発明の高分子化合物の他に、酸化防止剤を含有していても良い。酸化防止剤としては、本発明の高分子化合物と同じ溶媒に可溶性で、発光や電荷輸送を阻害しないものであれば良く、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解または均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコールおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、または複数組み合わせて用いることができる。上記溶媒のうち、ベンゼン環を少なくとも1個以上含む構造を有し、かつ融点が0℃以下、沸点が100℃以上である有機溶媒を1種類以上含むことが好ましい。
溶媒の種類としては、有機溶媒への溶解性、成膜時の均一性、粘度特性等の観点から、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、アニソール、エトキシベンゼン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキセニルシクロヘキサノン、n−ヘプチルシクロヘキサン、n−ヘキシルシクロヘキサン、2−プロピルシクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、2−ノナノン、2−デカノン、ジシクロヘキシルケトンが好ましく、キシレン、アニソール、シクロヘキシルベンゼン、ビシクロヘキシルのうち少なくとも1種類を含むことがより好ましい。
溶液中の溶媒の種類は、成膜性の観点や素子特性等の観点から、2種類以上であることが好ましく、2〜3種類であることがより好ましく、2種類であることがさらに好ましい。
溶液中に2種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であり、他の1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることが好ましく、1種類の溶媒は沸点が200℃以上の溶媒であり、他の1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、2種類の溶媒ともに、60℃において1wt%以上の高分子化合物が溶解することが好ましく、2種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において1wt%以上の高分子化合物が溶解することが好ましい。
溶液中に3種類の溶媒が含まれる場合、そのうちの1〜2種類の溶媒は25℃において固体状態でもよい。成膜性の観点から、3種類の溶媒のうちの少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以上の溶媒であり、少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることが好ましく、3種類の溶媒のうちの少なくとも1種類の溶媒は沸点が200℃以上300℃以下の溶媒であり、少なくとも1種類の溶媒は沸点が180℃以下の溶媒であることがより好ましい。また、粘度の観点から、3種類の溶媒のうちの2種類の溶媒には、60℃において1wt%以上の高分子化合物が溶解することが好ましく、3種類の溶媒のうちの1種類の溶媒には、25℃において1wt%以上の高分子化合物が溶解することが好ましい。
溶液中に2種類以上の溶媒が含まれる場合、粘度および成膜性の観点から、最も沸点が高い溶媒が、溶液中の全溶媒の重量の40〜90wt%であることが好ましく、50〜90wt%であることがより好ましく、65〜85wt%であることがさらに好ましい。
本発明の溶液としては、粘度および成膜性の観点から、アニソールおよびビシクロヘキシルからなる溶液、アニソールおよびシクロヘキシルベンゼンからなる溶液、キシレンおよびビシクロヘキシルからなる溶液、キシレンおよびシクロヘキシルベンゼンからなる溶液が好ましい。
高分子化合物の溶媒への溶解性の観点から、溶媒の溶解度パラメータと、高分子化合物の溶解度パラメータとの差が10以下であることをが好ましく、7以下であることがより好ましい。
溶媒の溶解度パラメーターと高分子化合物の溶解度パラメーターは、「溶剤ハンドブック(講談社刊、1976年)」に記載の方法で求めることができる。
溶液中に含まれる本発明の高分子化合物は、1種類でも2種類以上でもよく、素子特性等を損なわない範囲で本発明の高分子化合物以外の高分子化合物を含んでいてもよい。
溶液中に含まれる本発明の高分子化合物が1種類の場合は、素子特性等の観点から、上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(13)で示される繰り返し単位を1種類もしくは2種類含む高分子化合物であることが好ましく、上記式(16)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(13)で示される繰り返し単位を1種類もしくは2種類含む高分子化合物であることがより好ましい。上記式(13)で示される繰り返し単位の少なくとも1種類は、上記式(17)もしくは上記式(20)で示される繰り返し単位であることが好ましく、上記式(17)で示される繰り返し単位であることがより好ましい。
溶液中に含まれる本発明の高分子化合物が2種類の場合は、素子特性等の観点から、上記式(1)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を1種類と上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(13)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を1種類含むこと、上記式(1)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(13)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を2種類含むことが好ましく、上記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を1種類と上記式(16)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(17)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を1種類含むこと、上記式(16)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(17)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を2種類含むこと、上記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を1種類と上記式(16)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(20)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を1種類含むこと、上記式(16)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(20)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を2種類含むことがより好ましく、上記式(16)で示される繰り返し単位からなる高分子化合物を1種類と上記式(16)で示される繰り返し単位を1種類と上記式(17)で示される繰り返し単位を1種類含む高分子化合物を1種類含むことがさらに好ましい。
本発明の溶液には、水、金属およびその塩を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。金属としては、具体的にはリチウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、クロム、マンガン、コバルト、白金、イリジウム等があげられる。また、珪素、リン、フッ素、塩素、臭素を1〜1000ppmの範囲で含んでいてもよい。
本発明の溶液を用いて、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等により薄膜を作製することができる。中でも、本発明の溶液をスクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法により成膜する用途に用いることが好ましく、インクジェット法で成膜する用途に用いることがより好ましい。
本発明の溶液を用いて薄膜を作製する場合、溶液に含まれる高分子化合物のガラス転移温度が高いため、100℃以上の温度でベークすることが可能であり、130℃の温度でベークしても素子特性の低下が非常に小さい。また、高分子化合物の種類によっては、160℃以上の温度でベークすることも可能である。
本発明の溶液を用いて作製できる薄膜としては、発光性薄膜、導電性薄膜、有機半導体薄膜が例示される。
本発明の発光性薄膜は、素子の輝度や発光電圧等の観点から、発光の量子収率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。
本発明の導電性薄膜は、表面抵抗が1KΩ/□以下であることが好ましい。薄膜に、ルイス酸、イオン性化合物などをドープすることにより、電気伝導度を高めることができる。表面抵抗が100Ω/□以下であることがより好ましく、10Ω/□であることがさらに好ましい。
本発明の有機半導体薄膜は、電子移動度または正孔移動度のいずれか大きいほうが、10-5cm2/V/秒以上であることが好ましい。より好ましくは、10-3cm2/V/秒以上であり、さらに好ましくは、10-1cm2/V/秒以上である。
SiO2などの絶縁膜とゲート電極とを形成したSi基板上に該有機半導体薄膜を形成し、Auなどでソース電極とドレイン電極を形成することにより、有機トランジスタとすることができる。
本発明の高分子発光素子は、素子の輝度等の観点から陽極と陰極との間に3.5V以上の電圧を印加したときの最大外部量子収率が1%以上であることが好ましく、1.5%以上がより好ましい。
また、本発明の高分子発光素子(以下、高分子LED)としては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
本発明の高分子LEDとしては、本発明の高分子化合物が正孔輸送層および/または電子輸送層に含まれているものも含む。
本発明の高分子化合物が正孔輸送層に用いられる場合には、本発明の高分子化合物が正孔輸送性基を含む高分子化合物であることが好ましく、その具体例としては、芳香族アミンとの共重合体、スチルベンとの共重合体などが例示される。
また、本発明の高分子化合物が電子輸送層に用いられる場合には、本発明の高分子化合物が電子輸送性基を含む高分子化合物であることが好ましく、その具体例としては、オキサジアゾールとの共重合体、トリアゾールとの共重合体、キノリンとの共重合体、キノキサリンとの共重合体、ベンゾチアジアゾールとの共重合体などが例示される。
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解または均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコールおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、または複数組み合わせて用いることができる。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解または均一に分散できるものが好ましい。該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコールおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。また、これらの有機溶媒は、単独で、または複数組み合わせて用いることができる。
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
本発明の高分子電界効果トランジスタの構造としては、通常は、ソース電極およびドレイン電極が高分子からなる活性層に接して設けられており、さらに活性層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていればよく、例えば、図1〜4の構造が例示される。
高分子電界効果トランジスタは、通常は支持基板上に形成される。支持基板の材質としては電界効果トランジスタとしての特性を阻害しなければ特に制限されないが、ガラス基板やフレキシブルなフィルム基板やプラスチック基板も用いることができる。
電界効果トランジスタは、公知の方法、例えば特開平5−110069号公報記載の方法により製造することができる。
活性層を形成する際に、有機溶媒可溶性の高分子を用いることが製造上非常に有利であり好ましい。高分子を有機溶剤に溶解した溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の塗布法を用いることができる。
高分子電界効果トランジスタを作成後、封止してなる封止高分子電界効果トランジスタが好ましい。これにより、高分子電界効果トランジスタが、大気から遮断され、高分子電界トランジスタの特性の低下を抑えることができる。
封止する方法としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂や無機のSiONx膜などでカバーする方法、ガラス板やフィルムをUV硬化樹脂、熱硬化樹脂などで張り合わせる方法などがあげられる。大気との遮断を効果的に行うため高分子電界効果トランジスタを作成後封止するまでの工程を大気に曝すことなく(例えば、乾燥した窒素雰囲気中、真空中など)行うことが好ましい。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
h)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
j)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
k)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
m)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
n)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
p)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
本発明の高分子LEDとしては、前述のとおり、本発明の高分子化合物が正孔輸送層および/または電子輸送層に含まれているものも含む。
また、本発明の高分子LEDとしては、本発明の高分子化合物が正孔注入層および/または電子注入層に含まれているものも含む。本発明の高分子化合物が正孔注入層に用いられる場合には、電子受容性化合物と同時に用いられることが好ましい。また、本発明の高分子化合物が電子輸送層に用いられる場合には、電子供与性化合物と同時に用いられることが好ましい。ここで、同時に用いるためには、混合、共重合、側鎖としての導入などの方法がある。
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102以下がより好ましく、10-5S/cm以上101以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
本発明の高分子LEDは、上記a)〜ab)に例示した素子構造において、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層のうちのいずれかに、本発明の高分子化合物を含むものがあげられる。
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
通常本発明の高分子LEDが有する陽極および陰極の少なくとも一方が透明または半透明である。陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
本発明の高分子LEDは面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(数平均分子量および重量平均分子量)
ここで、数平均分子量および重量平均分子量については、GPC(島津製作所製:LC−10Avp)によりポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量を求めた。測定する重合体は、約0.5wt%の濃度になるようテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。GPCの移動相はテトラヒドロフランを用い、0.6mL/minの流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げた。検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)を用いた。
(蛍光スペクトル)
蛍光スペクトルの測定は以下の方法で行った。重合体の0.8wt%トルエンまたはクロロホルム溶液を石英上にスピンコートして重合体の薄膜を作製した。この薄膜を350nmの波長で励起し、蛍光分光光度計(堀場製作所製Fluorolog)を用いて蛍光スペクトルを測定した。薄膜での相対的な蛍光強度を得るために、水のラマン線の強度を標準に、波数プロットした蛍光スペクトルをスペクトル測定範囲で積分して、分光光度計(Varian社製 Cary5E)を用いて測定した、励起波長での吸光度で割り付けた値を求めた。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度はDSC(DSC2920、TA Instruments製)により求めた。
(LUMOの測定)
高分子化合物のLUMOの測定にはサイクリックボルタンメトリー(ビー・エー・エス製:ALS600)を用い、0.1wt%テトラブチルアンモニウム−テトラフルオロボレートを含むアセトニトリル溶媒中で測定を行なった。高分子化合物をクロロホルムに約0.2wt%となるように溶解させた後、作用極上に高分子化合物のクロロホルム溶液を1mL塗布し、クロロホルムを気化させて高分子化合物の薄膜を形成した。測定は、参照電極に銀/銀イオン電極、作用極にグラッシーカーボン電極、対極に白金電極を用い、窒素で置換したグローブボックス中で行なった。また、電位の掃引速度は共に50mV/sで測定した。サイクリックボルタンメトリーから求めた還元電位からLUMOを計算した
(HPLC測定)
測定機器:Agilent 1100LC
測定条件:L−Column ODS、5μm、2.1mm×150mm;
A液:アセトニトリル、B液:THF
グラジエント
B液:
0%(60min.)→10%up/min→100%(10min)、
サンプル濃度:5.0mg/mL(THF溶液)、
注入量:1μL
検出波長:350nm
(NMR測定)
NMR測定は、重合体を重水素化テトラヒドロフラン溶液としてブルカー社製Avance600核磁気共鳴装置を用い30℃で行った。
合成例1
(1−ブロモ−4−t−ブチル−2,6−ジメチルベンゼンの合成)
不活性雰囲気下で、500mlの3つ口フラスコに酢酸225gを入れ、5−t−ブチル−m−キシレン24.3gを加えた。続いて臭素31.2gを加えた後、15〜20℃で3時間反応させた。
反応液を水500mlに加え析出した沈殿をろ過した。水250mlで2回洗浄し、白色の固体34.2gを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ(ppm) = 1.3〔s,9H〕、2.4〔s,6H〕、7.1〔s,2H〕
MS(FD+)M+ 241
<N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミンの合成>


不活性雰囲気下で、100mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン36mlを入れ、トリ(t−ブチル)ホスフィン0.63gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 0.41g、1−ブロモ−4−t−ブチル−2,6−ジメチルベンゼン9.6g、t−ブトキシナトリウム5.2g、N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン4.7gを加えた後、100℃で3時間反応させた。
反応液を飽和食塩水300mlに加え、約50℃に温めたクロロホルム300mlで抽出した。溶媒を留去した後、トルエン100mlを加えて、固体が溶解するまで加熱、放冷した後、沈殿をろ過し、白色の固体9.9gを得た。
<N,N’− ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミンの合成>


不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド350mlを入れ、,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン5.2gを溶解した後、氷浴下でN−ブロモスクシンイミド3.5g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、一昼夜反応させた。
反応液に水150mlを加え、析出した沈殿をろ過し、メタノール50mlで2回洗浄し白色の固体4.4gを得た。
1H−NMR(300MHz/THF−d8):
δ(ppm) = 1.3〔s,18H〕、2.0〔s,12H〕、6.6〜6.7〔d,4H〕、6.8〜6.9〔br,4H〕、7.1〔s,4H〕、7.2〜7.3〔d,4H〕
MS(FD+)M+ 738
合成例2
<N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジンの合成>

不活性雰囲気下で、300mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン1660mlを入れ、N,N’−ジフェニルベンジジン275.0g、4−t−ブチル−2,6−ジメチルブロモベンゼン449.0gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 7.48g、t−ブトキシナトリウム196.4g、を加えた後、トリ(t−ブチル)ホスフィン5.0gを加えた。その後、105℃で7時間反応させた。
反応液にトルエン2000mlを加え、セライト濾過し、濾液を水1000mlで3回洗浄した後、700mlまで濃縮した。これにトルエン/メタノール(1:1)溶液1600mlを加え、析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄した。白色の固体479.4gを得た。
MS(APCI(+)):(M+H)+ 657.4
<N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジンの合成>

不活性雰囲気下で、クロロホルム4730gに、上記N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン472.8gを溶解した後、遮光および氷浴下でN−ブロモスクシンイミド281.8gを12分割で1時間かけて仕込み、3時間反応させた。
クロロホルム1439mlを反応液に加え、濾過し、濾液のクロロホルム溶液を5%チオ硫酸ナトリウム2159mlで洗浄し、トルエンを溶媒留去して白色結晶を得た。得られた白色結晶をトルエン/エタノールで再結晶し、白色結晶678.7gを得た。
MS(APCI(+)):(M+H)+ 815.2
合成例3 <化合物Tの合成>
(化合物Sの合成)
化合物S
不活性雰囲気下で、300mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン100mlを入れ、ジフェニルアミン16.9g、1−ブロモ−4−t−ブチル−2、6−ジメチルベンゼン 25.3gを加えた。
続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 0.92g、t−ブトキシナトリウム12.0g、を加えた後、トリ(t−ブチル)ホスフィン 1.01gを加えた。
その後、100℃で7時間反応させた。
反応液を飽和食塩水にあけ、トルエン100mlで抽出した。トルエン層を希塩酸、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去して黒色の固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム 9/1)で分離精製し、白色の固体30.1gを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):δ(ppm)=1.3〔s,9H〕、2.0〔s,6H〕、6.8〜7.3〔m,10H〕
(化合物Tの合成)
化合物T
不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド333ml、ヘキサン166mlを入れ、上記のN,N−ジフェニル−N−(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン29.7gを溶解した後、遮光および氷浴下でN−ブロモスクシンイミド33.6g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液100mlを滴下し、一昼夜反応させた。
反応液を200mlまで減圧濃縮し、水1000mlに加え、析出した沈殿をろ過した。
さらに得られた結晶をDMF/エタノールで2回再結晶して白色固体23.4gを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ(ppm) = 1.3〔s,9H〕、2.0〔s,6H〕、6.8〔d,2H〕、7.1〔s,2H〕、7.3〔d,2H〕、
MS(APCI(+)):M+ 488
合成例4 <化合物Gの合成>
(化合物Dの合成)
化合物D
不活性雰囲気下、300ml三つ口フラスコに1‐ナフタレンボロン酸5.00g(29mmol)、2−ブロモベンズアルデヒド6.46g(35mmol)、炭酸カリウム10.0g(73mmol)、トルエン36ml、イオン交換水36mlを入れ、室温で撹拌しつつ20分間アルゴンバブリングした。続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム16.8mg(0.15mmol)を入れ、さらに室温で撹拌しつつ10分間アルゴンバブリングした。100℃に昇温し、25時間反応させた。室温まで冷却後、トルエンで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。トルエン:シクロヘキサン=1:2混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムで生成することにより、化合物D5.18g(収率86%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ7.39〜7.62(m、5H)、7.70(m、2H)、7.94(d、2H)、8.12(dd、2H)、9.63(s、1H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 233
(化合物Eの合成)

化合物E
不活性雰囲気下で300mlの三つ口フラスコに化合物D 8.00g(34.4mmol)と脱水THF46mlを入れ、−78℃まで冷却した。続いてn−オクチルマグネシウムブロミド(1.0mol/lTHF溶液)52mlを30分かけて滴下した。滴下終了後0℃まで昇温し、1時間撹拌後、室温まで昇温して45分間撹拌した。氷浴して1N塩酸20mlを加えて反応を終了させ、酢酸エチルで有機層を抽出、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後トルエン:ヘキサン=10:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物E7.64g(収率64%)を淡黄色のオイルとして得た。HPLC測定では2本のピークが見られたが、LC−MS測定では同一の質量数であることから、異性体の混合物であると判断した。
(化合物Fの合成)
化合物F
不活性雰囲気下、500ml三つ口フラスコに化合物E(異性体の混合物)5.00g(14.4mmol)と脱水ジクロロメタン74mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて、三フッ化ホウ素のエーテラート錯体を室温で1時間かけて滴下し、滴下終了後室温で4時間撹拌した。撹拌しながらエタノール125mlをゆっくりと加え、発熱がおさまったらクロロホルムで有機層を抽出、2回水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物F3.22g(収率68%)を無色のオイルとして得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、3H)、1.03〜1.26(m、14H)、2.13(m、2H)、4.05(t、1H)、7.35(dd、1H)、7.46〜7.50(m、2H)、7.59〜7.65(m、3H)、7.82(d、1H)、7.94(d、1H)、8.35(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 329
(化合物Gの合成)
化合物G
不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコにイオン交換水20mlをいれ、撹拌しながら水酸化ナトリウム18.9g(0.47mol)を少量ずつ加え、溶解させた。水溶液が室温まで冷却した後、トルエン20ml、化合物F5.17g(15.7mmol)、臭化トリブチルアンモニウム1.52g(4.72mmol)を加え、50℃に昇温した。
臭化n−オクチルを滴下し、滴下終了後50℃で9時間反応させた。反応終了後トルエンで有機層を抽出し、2回水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物G5.13g(収率74%)を黄色のオイルとして得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.52(m、2H)、0.79(t、6H)、1.00〜1.20(m、22H)、2.05(t、4H)、7.34(d、1H)、7.40〜7.53(m、2H)、7.63(m、3H)、7.83(d、1H)、7.94(d、1H)、8.31(d、1H)、8.75(d、1H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 441
実施例1 (化合物Hの合成)
化合物H
空気雰囲気下、50mlの三つ口フラスコに化合物G4.00g(9.08mmol)と酢酸:ジクロロメタン=1:1混合溶媒57mlを入れ、室温で撹拌、溶解させた。続いて三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム7.79g(20.0mmol)を加えて撹拌しつつ、塩化亜鉛を三臭化ベンジルトリメチルアンモニウムが完溶するまで加えた。室温で20時間撹拌後、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えて反応を停止し、クロロホルムで有機層を抽出、炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ヘキサンを展開溶媒とするフラッシュカラムで2回精製した後、エタノール:ヘキサン=1:1、続いて10:1混合溶媒で再結晶することにより、化合物H4.13g(収率76%)を白色結晶として得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.60(m、2H)、0.91(t、6H)、1.01〜1.38(m、22H)、2.09(t、4H)、7.62〜7.75(m、3H)、7.89(s、1H)、8.20(d、1H)、8.47(d、1H)、8.72(d、1H)
MS(APPI(+)):(M+H)+ 598
合成例5
100mL4口丸底フラスコをアルゴンガス置換後、化合物H(3.2g、5.3mmol)、ビスピナコーラートジボロン(3.8g、14.8mmol)、PdCl2(dppf)(0.39g、0.45mmol)、 ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.27g、0.45mmol)、酢酸カリウム(3.1g、32mmol)を仕込み、脱水ジオキサン45mlを加えた。アルゴン雰囲気下、100℃まで昇温し、36時間反応させた。放冷後、セライト2gをプレコートで濾過を実施し、濃縮したところ黒色液体を取得した。ヘキサン50gに溶解させて活性炭で着色成分を除去し37gの淡黄色液体を取得した (濾過時、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)5gプレコート実施)。
酢酸エチル6g、脱水メタノール12g、ヘキサン2gを加え、ドライアイス−メタノール浴に浸して、化合物I2.1gの無色結晶を取得した。

化合物I
合成例6 <化合物Mの合成>
(化合物Jの合成)
化合物J

アルゴン雰囲気下、500mLフラスコにマグネシウム小片(9.99g、0.411mol)とテトラヒドロフラン(脱水溶媒)(30mL)を仕込んだ。1,2−ジブロモエタン(5.94g、0.032mol)を滴下し、発泡を確認した後に、テトラヒドロフラン(脱水溶媒)(484ml)に溶解した2−ブロモ−6−メトキシナフタレン(75g、0.316mol)を40分かけて滴下した後に、30分還流させ、Grignard溶液を調製した。
アルゴン雰囲気下、500mLフラスコに、トリメトキシボラン(49.3g、0.476mol)、テトラヒドロフラン(脱水溶媒)(160mL)を仕込み、−78℃に冷却した中へ、上記Grignard溶液を1.25時間かけて滴下した。室温まで2時間かけて昇温した後、イオン交換水75mLを加え、約30分撹拌した。減圧濃縮により溶媒を留去した後に、イオン交換水(200mL)、1NHCl(500mL)、ジクロロメタン(80mL)を加え、30分激しく撹拌した。固体をろ取し、ジクロロメタン(100mL)で
洗浄し、減圧乾燥することにより化合物J(53.0g、収率75%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ3.35(s,2H), 3.95(s,3H), 7.15(d,1H), 7.22(s,1H), 7.63-7.82(m,3H), 8.10-8.25(bd,1H)
(化合物Kの合成)

化合物K

アルゴン雰囲気下、1Lフラスコに、2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸メチル(56.0g、0.229mol)、化合物J(51.0g,0.240mol)、予めアルゴンガスをバブリングすることにより脱気したトルエン(268mL)を仕込み、アルゴンガスでバブリングしながら60℃まで昇温した。別途、イオン交換水(273mL)に溶解した炭酸カリウム(82.0g,0.593mol)の水溶液をアルゴンガスで30分バブリングして脱気した後に、上記液中へ仕込んだ。マスが65℃になった時点でテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.743g,0.0024mol)を仕込み、昇温して3時間還流させた。2-ブロモ-5-メトキシ安息香酸メチル(2.17g,0.090mol)を追加仕込みし、3時間還流させた。分液し、水層よりトルエンで抽出した後、油層を合一した。シリカゲルショートカラムに通液したのち、濃縮晶析を行い、ろ過、乾燥することにより、化合物K(71.9g,収率93%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ3.59(s,3H), 3.86(s,3H), 3.94(s,3H), 7.07-7.19(m,2H), 7.34-7.42(m,2H), 7.69-7.76(m,2H)
LC/MS(APPI(+)):M+ 322
(化合物Lの合成)

化合物L

アルゴン雰囲気下、1Lフラスコに、化合物K(40.00g,0.122mol)をテトラヒドロフラン(脱水溶媒)(220g)に攪拌溶解し、氷浴にて冷却した。そこに、n−オクチルマグネシウムブロミド(22wt%、テトラヒドロフラン溶液、482g、0.487mol)を滴下し、室温にて終夜撹拌した。反応後、1N塩酸水(820mL)を加え攪拌した後、分液した。水層よりトルエンで抽出した後、有機層を合一した。得られた有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、アルキル化粗生成物を油状物(64.5g)として得た。
アルゴン雰囲気下、500mLフラスコに、上記アルキル化粗生成物(30g)をテトラヒドロ
フラン(脱水溶媒)(242g)に攪拌溶解し、氷浴にて冷却した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(1.269g,0.0335mol)を仕込み、氷浴を外し、室温にて15.5時間保温した。水素化ホウ素ナトリウム(1.3g,0.0344mol)を追加し、40℃にて7時間保温した後に、エタノール(30g)を追加し、50℃に昇温して7.5時間保温した。1N塩酸水(400g)に反応マスを注加して攪拌後、クロロホルムで有機層を抽出した。得られた有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、還元粗生成物を油状物(28.8g)として得た。
アルゴン雰囲気下、500mLフラスコに三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(98.2g,0.692mol)を塩化メチレン(63.9g)に攪拌混合した中へ上記還元組成生物(15.29g)を塩化メチレン(63.9g)に希釈した後に、室温にて14分かけて滴下した後、室温にて3時間保温した。反応後、水(250mL)に反応マスを注加して攪拌し、クロロホルムで有機層を抽出した。得られた有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、環化粗生成物を油状物(14.8g)として得た。
アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに、水酸化ナトリウム(30.8g,0.769mol)を水(32g)で攪拌溶解し、室温に冷却した後に、上記環化粗生成物(14.78g)をトルエン(37g)で希釈したものを室温化で仕込んだ。続いて、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(2.48g,0.00769mol)を仕込み、50℃まで昇温した後、1−ブロモオクタン(9.90g,0.0513mol)を6分かけて滴下し、50℃で5時間、60℃で7時間保温した。反応後、水(200mL)に反応マスを注加し、攪拌した後、分液した。水層からトルエンにて抽出し、油層を合一した。得られた油層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、油状物を得た(12.6g)。得られた油状物をヘキサン/トルエン=4/1の混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより化合物L(7.59g、収率50%)を油状物として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.30-0.50(m,4H), 0.72-0.83(t,6H), 0.83-1.20(m,20H), 2.05-2.20(m,2H), 2.35-2.50(m,2H), 3.90(s,3H), 3.94(s,3H), 6.87-6.95(m,2H), 7.19-7.23(m,2H), 7.61(d,1H)
, 7.70-7.80(m,2H), 8.06(d,1H)
(化合物Mの合成)

化合物M

アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに化合物L(4.07g,0.0080mol)、塩化メチレン(36.3g)を仕込み、攪拌希釈した後、−78℃に冷却した中へ、トリメトキシボランの塩化メチレン溶液(1M、20.1mL、0.0201mol)を1時間かけて滴下した。室温まで1時間かけて昇温した後、室温にて4時間保温した。氷冷水(15g)に反応マスを注加し、油層が清澄になるまで撹拌した。分液し、水層から塩化メチレンで抽出した後、油層を合一した。得られた油層を水洗し、濃縮することにより、化合物M(4.16g,収率96%)を白黄色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.30-0.50(m,4H), 0.78(t,6H,J=6.9Hz), 0.85-1.21(m,20H), 2.22(dt,4H,J=11.4, 5.4Hz), 4.83(s,1H), 4.98(s,1H), 6.83(d,1H), 6.90(s,1H), 7.15(d,1H), 7.25(s,1H), 7.
57(d,1H), 7.60(d,1H), 7.63(d,1H), 8.06(d,1H)
LC/MS(APPI(+)):(M+H)+ 473
実施例2(化合物Nの合成)


化合物N

アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに、化合物M(4.00g,0.0082mol)、トリエチルアミン(2.49g,0.0246mol)、塩化メチレン(55.8g)を仕込み、攪拌溶解した後、-78℃に冷却した中へ、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.09g,0.0181mol)を30分かけて滴下した。室温まで1.5時間かけて昇温した後、室温にて5時間保温した。氷冷した1N塩酸水(80g)に反応マスを注加し、n-ヘキサンにて抽出した。得られた油層を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。得られた油層をシリカゲルショートカラムに通液し、更にトルエンを同シリカゲルショートカラムに通液し、合一した後、濃縮乾固した。得られた固体をn-ヘキサンにて再結晶し、ろ取、乾燥することにより、化合物N(5.13g,収率85%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.28-0.43(m,4H), 0.77(t,6H,J=7.1Hz), 0.83-1.26(m,20H), 2.17-2.30(m,2H), 2.35-2.49(m,2H), 7.33(d,1H), 7.35(s,1H), 7.48(d,1H,J=9.3Hz), 7.81-7.95(m,4H), 8.26(d
,1H,J=9.3Hz)
LC/MS(APPI(+)):M+ 736
実施例3 (化合物Oの合成)


化合物O

アルゴン雰囲気下、200mLフラスコに、化合物N(3.88g,0.0053mol)、ピナコールジボラン(2.94g,0.0116mol)、ジクロロビスジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム (II)(0.258g,0.00027mol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(0.175g,0.00027mol)、酢酸カリウム(3.10g,0.0316mol)を仕込み、アルゴンガスでフラスコ内を置換した後に、1,4-ジオキサン(脱水溶媒)(46.4g)を仕込み、100℃まで昇温し、100℃にて4時間保温した。室温まで放冷した後、n-ヘキサン(100mL)で希釈し、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)をプレコートしたろ過器で不溶物をろ別した。濃縮し、トルエンに溶媒置換した後、シリカゲルショートカラムに通液した。濃縮し、n-ヘキサンに溶媒置換した後に、活性炭(5g)を加え、30分攪拌した後に、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)をプレコートしたろ過器で不溶物をろ別し、無色透明の液体を得た。濃縮乾固することにより、白色固体を得た。酢酸エチル(5.1g)を加え、60℃に加温することにより溶解させた後、室温まで放冷し、メタノール(40g)を攪拌下滴下することにより晶析し、ろ取、乾燥することにより化合物O(2.04g、収率55%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.22-0.43(m,4H), 0.77(t,3H), 0.83-1.22(m,20H), 1.40(s,24H), 2.20-2.40(m,2H), 2.40-2.55(m,2H), 7.76-7.95(m,6H), 8.19(d,1H), 8.47(s,1H)
LC/MS(APPI(+)):M+ 692
合成例7
(化合物Pの合成)

化合物P
化合物Lの合成と同様の方法で、n-オクチルマグネシウムブロミドの代わりに、マグネシウムおよびイソアミルブロミドから通常の方法により調製した、イソアミルマグネシウムブロミドを用いて、化合物J(30.0g,0.0919mol)より合成し、化合物P(18.2g,収率47%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.20-0.40(dt,4H), 0.57(d,6H,J=7Hz), 0.59(d,6H,J=7Hz), 1.14-1.27(qq,2H), 2.10-2.20(dt,2H), 2.37-2.48(dt,2H), 3.88(s,3H), 3.93(s,3H), 6.89-6.92(d,1H), 6.95(s,
1H), 7.15-7.24(m,2H), 7.60-7.63(d,1H), 7.71-7.78(m,2H), 8.05-8.08(d,1H)
LC/MS(APPI(+)):(M+H)+ 417
(化合物Qの合成)

化合物Q
化合物Mと同様の方法により、化合物P(18.0g,0.0430mol)より合成し、化合物Q(15.2g,収率90%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/THF-d8):
δ0.20-0.52(m,4H), 0.53-0.78(m,12H),1.10-1.35(m,2H), 2.10-2.23(m,2H), 2.40-2.60(m,2H), 6.73(d,1H), 6.85(s,1H), 7.05-7.20(m,2H), 7.50-7.72(m,3H), 8.08(d,1H), 8
.17(s,1H), 8.43(s,1H)
LC/MS(APPI(+)):(M+H)+ 389
実施例4(化合物Rの合成)

化合物R
化合物Nと同様の方法により、化合物Q(15g,0.0380mol)より合成し、化合物R(21.6g,収率87%)を白色固体として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.19-0.27(m,4H), 0.51-0.63(m,12H), 1.16-1.30(m,2H), 2.20-2.31(m,2H), 2.40-2.51(m,2H), 7.25-7.37(m,2H), 7.47-7.52(d,1H), 7.82-7.99(m,4H), 8.24-8.28(d,1H)
LC/MS(APPI(+)):M+ 652
合成例8
(化合物TAの合成)
化合物TA
1000mlナスフラスコに2-ヒドロキシ-7-メトキシナフトエ酸78.0gにメタノール500mlを加えて激しく攪拌した。硫酸10mlを滴下し、加熱還流しながら6時間攪拌した。放冷した反応溶液を氷1kgにゆっくりと注ぎこみ生成物を析出させた。得られた沈殿をろ過し、氷水2000mlで洗浄した後乾燥することにより化合物TA81.6g(収率96.9%)を得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ3.89 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 7.07 (d, 1H), 7.19 (dd, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.59 (d, 1H), 8.37 (s, 1H), 10.28 (s, 1H)
LC-MS(APCI-+): 233.2
(化合物TBの合成)

化合物TB
窒素置換した2000mlの三口フラスコに化合物TA81.6g、塩化メチレン1000ml、トリエチルアミン70mlを加え、溶液を調製した。氷浴にて0℃に冷却したのち、トリフルオロメタンスルホン酸無水物60mlをゆっくりと滴下した。1時間かけて室温へと昇温し、1時間室温で攪拌した。1M塩酸100mlを用いて反応を停止し、水500mlで2回洗浄した。さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500ml、水500mlで洗浄し、得られた有機層はシリカゲルパッドを通じてろ過した後、溶媒を除去した。トルエン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶を行い、化合物TBを白色固体として83.2g(収率66.6%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ3.95 (s, 3H), 4.02 (s, 3H), 7.24 (s, 1H), 7.34 (dd, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.72 (d, 1H), 8.54 (s, 1H)
LC-MS(APCI(+)): 364.2
(化合物TCの合成)
化合物TC
2000ml三口フラスコに化合物TB、4-メトキシフェニルボロン酸35.5g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)および炭酸カリウム77.0gを加えた後、トルエン250ml、水250mlを加え加熱還流した。6時間攪拌した後、室温まで冷却した。反応溶液をシリカゲルパッドを通じてろ過し、得られた溶液を濃縮した。
トルエン-ヘキサン混合溶媒を用いて再結晶を行い、化合物TCを白色固体として64.3g(収率86.4%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ3.76 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 6.97 d, 2H), 7.26 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.34 (d, 2H), 7.72 (s, 1H), 7.74 (d, 1H), 8.24 (s,
1H)
LC-MS(APPI(+)):323.2
(化合物TDの合成)

窒素雰囲気下、反応容器にマグネシウム32.2g、テトラヒドロフラン20mlを加えて攪拌し、n-オクチルブロミド232.5gをテトラヒドロフラン(1160ml)溶液として加え、オクチルマグネシウムブロミド溶液を調製した。別の反応容器に、窒素雰囲気下、化合物TC 97gをテトラヒドロフラン291gに溶解し、氷浴にて冷却したところに、先に調製したn−オクチルマグネシウムブロミドを滴下し、室温にて終夜撹拌した。反応後、3.5%塩酸水(2760g)を加え攪拌した後、分液した。水層よりトルエン3000mlで抽出した後、有機層を合一した。得られた有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、化合物TEを含む粗生成物を油状物(136g)として得た。
アルゴン雰囲気下、500mlフラスコに、上記化合物TEを含む粗生成物(136g)をエタノール(1140g)に攪拌溶解し、氷浴にて冷却した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(4.8g)を仕込み、氷浴を外し、室温にて3時間攪拌した。水1140mlを加えて反応を停止し、トルエン2000mlで抽出後、得られた有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、化合物TDを含む油状物(135.5g)を得た。
アルゴン雰囲気下、反応容器に三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体(343ml)を塩化メチレンに攪拌混合した中へ上記還元組成生物(135.5g)をジクロロメタン(1355ml)に希釈した後に、室温にて滴下した後、室温にて6時間保温した。反応後、水(1355mL)に反応マスを注加して攪拌し、クロロホルムで有機層を抽出した。得られた有機層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、環化粗生成物を油状物(129g)として得た。
アルゴン雰囲気下、反応容器に、水酸化ナトリウム(281g)を水(571g)で攪拌溶解し、室温に冷却した後に、上記環化粗生成物(129g)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(45g)をトルエン(476ml)で希釈したものを仕込み、50℃まで昇温した後、1-ブロモオクタン(67.8g)を滴下し、50℃で5時間攪拌した。その後1-ブロモオクタン33.9gを追加し、さらに一昼夜攪拌後67.8g追加した。反応後、水(1850mL)に反応マスを注加し、攪拌した後、分液した。水層からトルエン440mlにて抽出し、油層を合一した。得られた油層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより溶媒を留去し、油状物(172g)を得た。得られた油状物をクロロホルム/ヘキサン=10/1の混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物TD(61.4g、収率40.9%)を油状物として得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ0.68 (t, 4H), 0.80 (t, 6H), 0.91-1.56 (m, 20H), 2.05 (q, 4H), 3.93 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 6.87 (s, 1H), 6.90 (s, dH), 7.11 (d, 1H), 7
.18 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.91 (s, 1H)
LC-MS(APPI(+)):501.3
(化合物の合成)
化合物TF
窒素置換した300mLの三口フラスコに化合物TDを15g、ジクロロメタン100mLを加えたのち、塩氷浴を用いて-20℃に冷却した。三臭化ホウ素75mLを滴下ロートに測りとり、滴々加えた。その後、室温へと昇温して2時間攪拌し、水100mLを加えて反応を停止した。クロロホルム300mLで抽出し、得られた有機層は、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、シリカゲルカラムを通すことによりボトムカットを行い化合物TFの10.2g(66.7%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ0.64 (t, 4H), 0.80 (t, 6H), 0.95-1.30 (m, 20H), 1.91 (q, 4H), 4.91 (s, 1H), 4.99 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.82 (d, 1H), 7.05 (dd, 1H),
7.17 (d, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.90 (s, 1H)
LC/MS(APPI(+)): 473.3
実施例5
化合物TG
三口フラスコ(200ml)に化合物TF10.2g、ジクロロメタン130ml、トリエチルアミン8.5mlを加える。窒素雰囲気下、ドライアイス-メタノール浴で−78℃で攪拌しているところにトリフルオロメタンスルホン酸無水物7.4mLを系内の温度が変わらないようにゆっくり滴下する。冷浴を取り除き、室温で3時間攪拌し、その後1MHClを加えて反応を停止し、クロロホルムを用いて抽出した。有機層は、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、シリカゲルカラムを通した。得られた粗生成物は、トルエンより再結晶し、化合物TGを10.7g(収率67.4%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ0.61 (t, 4H), 0.80 (t, 6H), 0.95-1.30 (m, 20H), 2.06 (q, 4H), 7.28 (d, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.38 (dd, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.79 (d, 1H),
7.90 (d, 1H), 7.96 (d, 1H), 8.16 (s, 1H)
LC/MS(APPI(+)): 736.1.
実施例6 (高分子化合物1の合成)
化合物H(0.30g、0.55mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)―1,4−フェニレンジアミン(0.40g、0.55mmol)および2,2’−ビピリジル(0.34g、2.2mmol)を脱水したテトラヒドロフラン50mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(0.60g、2.2mmol)を加え、60℃まで昇温し、、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール50mL/イオン交換水50mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、4%アンモニア水約50mLで2時間、さらにイオン交換水約50mLで洗浄した。有機層をメタノール約100mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は0.30gであった。この重合体を高分子化合物1と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.3x104、Mw=6.4x104であった。またガラス転移温度を測定したところ、257℃であった。
実施例7 (高分子化合物2の合成)
不活性雰囲気下にて化合物I (0.10g、0.14mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)―1,4−フェニレンジアミン(0.10g、0.14mmol)をトルエン2.9mlに溶解させ、これにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.003g、0.0028mmol)を加え、室温にて10分間攪拌した。つづいてテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド20%水溶液を0.5mlを加え昇温し、2時間加熱還流した。そしてフェニルボロン酸(0.017g、0.014mmol)を加え1時間加熱還流した。加熱完了後室温まで冷却し、反応マスをメタノール30mlに滴下し、析出した沈殿を濾別した。得られた沈殿は、メタノールで洗浄し、減圧乾燥を行い、固形物を得た。得られた固形物をトルエン3mlに溶解させ、アルミナカラムで通液後、メタノール20mlに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿を濾別した。得られた沈殿は、メタノールで洗浄し、減圧乾燥を行った。収量は0.070gであった。この重合体を高分子化合物2と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.5x104、Mw=3.0x104であった。
実施例8
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物1をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から490nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.7Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.18cd/Aであった。
(電圧上昇測定)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で100時間駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、初期電圧に比べ7.3%電圧上昇した。
(4Vにおける電流密度の測定)
上記と同様の方法で作製したEL素子に4Vの電圧を印加したところ、10mA/cm2の電流が流れた。
実施例9
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物2をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例8と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から490nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は4.2Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.36cd/Aであった。
(電圧上昇測定)
上記で得られたEL素子を50mA/cm2の定電流で100時間駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、初期電圧に比べ15.6%電圧上昇した。
(4Vにおける電流密度の測定)
上記と同様の方法で作製したEL素子に4Vの電圧を印加したところ、1mA/cm2の電流が流れた。
実施例10 (高分子化合物3の合成)
化合物H 0.9gと2,2’―ビピリジル0.50gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)60gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.92gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をアルミナを充填したカラムを通し、精製した。次に、このトルエン溶液を1規定塩酸で洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、このトルエン溶液を、約3%アンモニア水で洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄し、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液に、攪拌下、メタノールを加えることにより、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.08gを得た。この重合体を高分子化合物3と呼ぶ。得られた高分子化合物3のポリスチレン換算重量平均分子量は、2.4x105であり、数平均分子量は、7.3x104であった。
実施例11(高分子化合物4の合成)
化合物N1250mg、化合物H1107mg、2,2’−ビピリジル 1590mgを脱水したテトラヒドロフラン102mLに溶解した後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 2800mg加え、60℃まで昇温し、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水12ml/メタノール102ml/イオン交換水102ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン102mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.41gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量10g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸200mLを加えて3時間攪拌した。攪拌後、水層を除去したのち、有機層に2.9%アンモニア水200mLを加えて2時間攪拌し、水層を除去した。さらに有機層に水200mLを加えて1時間攪拌し、水層を除去した。その後、有機層にメタノール100mLを滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は985mgであった。この重合体を高分子化合物4と呼ぶ。得られた高分子化合物4のポリスチレン換算重量平均分子量は、2.5x105であり、数平均分子量は、9.6x104であった。
実施例12
化合物H(10.6g、17.6mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.27g、0.36mmol)および2,2’−ビピリジル(7.6g、48.6mmol)を脱水したテトラヒドロフラン1200mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(13.4g、48.6mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水65mL/メタノール1200mL/イオン交換水1200mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン540mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約1000mLで3時間、4%アンモニア水約1000mLで2時間、さらにイオン交換水約1000mLで洗浄した。有機層をメタノール約1000mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は8.42gであった。この重合体を高分子化合物5と呼ぶ。得られた高分子化合物5のポリスチレン換算重量平均分子量は、3.9x105であり、数平均分子量は、5.4x104であった。
実施例13
化合物H(7.1g、11.9mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.46g、0.63mmol)および2,2’−ビピリジル(5.3g、33.9mmol)を脱水したテトラヒドロフラン720mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.3g、33.9mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水45mL/メタノール700mL/イオン交換水700mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン540mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約500mLで3時間、4%アンモニア水約500mLで2時間、さらにイオン交換水約500mLで洗浄した。有機層にメタノール約100mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン300mLに溶解して、メタノール約600mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は3.6gであった。この重合体を高分子化合物6と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=2.1x104、Mw=4.5x105であった。
実施例14
化合物H(17.8g、29.7mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(2.4g、3.3mmol)および2,2’−ビピリジル(13.9g、89.1mmol)を脱水したテトラヒドロフラン1200mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(24.5g、89.1mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水120mL/メタノール1200mL/イオン交換水1200mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1000mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約1000mLで3時間、4%アンモニア水約1000mLで2時間、さらにイオン交換水約1000mLで洗浄した。有機層にメタノール約400mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン300mLに溶解して、メタノール約600mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は10.5gであった。この重合体を高分子化合物7と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.3x105、Mw=5.8x105であった。
実施例15
化合物H(6.0g、10.0mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(1.8g、2.5mmol)および2,2’−ビピリジル(5.3g、33.9mmol)を脱水したテトラヒドロフラン230mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.3g、33.9mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水45mL/メタノール230mL/イオン交換水230mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン400mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、4%アンモニア水約400mLで2時間、さらにイオン交換水約400mLで洗浄した。有機層にメタノール約100mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン200mLに溶解して、メタノール約400mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は4.7gであった。この重合体を高分子化合物8と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.6x105、Mw=3.9x105であった。
実施例16
化合物H(5.2g、8.8mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(2.8g、3.8mmol)および2,2’−ビピリジル(5.3g、33.9mmol)を脱水したテトラヒドロフラン230mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.3g、33.9mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水45mL/メタノール230mL/イオン交換水230mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン200mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、4%アンモニア水約200mLで2時間、さらにイオン交換水約200mLで洗浄した。有機層にメタノール約200mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン200mLに溶解して、メタノール約400mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は4.7gであった。この重合体を高分子化合物9と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=7.6x104、Mw=3.1x105であった。
実施例17
化合物H(0.27g)とN、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.78g)と2,2’―ビピリジル(0.56g)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)50gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)1.0gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、25%アンモニア水10ml/メタノール35ml/イオン交換水35ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約5%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈生成した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.3gを得た。この重合体を高分子化合物10と呼ぶ。ポリスチレン換算重量平均分子量は、4.2x104であり、数平均分子量は、7.8x103であった。
実施例18
化合物H(10.6g、17.6mmol)、 N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン (0.29g、0.36mmol)および2,2’−ビピリジル(7.6g、48.6mmol)を脱水したテトラヒドロフラン1100mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(13.4g、48.6mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水65mL/メタノール1100mL/イオン交換水1100mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン550mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約550mLで3時間、4%アンモニア水約550mLで2時間、さらにイオン交換水約550mLで洗浄した。有機層をメタノール約550mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は6.3gであった。この重合体を高分子化合物11と呼ぶ。ポリスチレン換算重量平均分子量は、4.2x105であり、数平均分子量は、6.6x104であった。
実施例19
化合物H(4.85g、8.1mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.73g、0.9mmol)および2,2’−ビピリジル(3.80g、24.3mmol)を脱水したテトラヒドロフラン420mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.68g、24.3mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール420mL/イオン交換水420mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン500mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約500mLで3時間、4%アンモニア水約500mLで2時間、さらにイオン交換水約500mLで洗浄した。有機層をメタノール約1000mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。収量は3.5gであった。この重合体を高分子化合物12と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=3.9x104、Mw=3.7x105であった。
実施例20
化合物H(1.0g、1.7mmol)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン (0.34g、0.42mmol)および2,2’−ビピリジル(0.78g、5.0mmol)を脱水したテトラヒドロフラン55mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。この溶液にビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(1.4g、5.0mmol)加え、60℃まで昇温し、窒素雰囲気下において、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール50mL/イオン交換水50mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約50mLで3時間、4%アンモニア水約50mLで2時間、さらにイオン交換水約50mLで洗浄した。有機層をメタノール約150mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は0.87gであった。この重合体を高分子化合物13と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=3.8x104、Mw=1.2x105であった。
実施例21
化合物H(5.2g、8.8mmol)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(3.1g、3.8mmol)および2,2’−ビピリジル(5.3g、33.9mmol)を脱水したテトラヒドロフラン230mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.3g、33.9mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水45mL/メタノール230mL/イオン交換水230mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン200mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約200mLで3時間、4%アンモニア水約200mLで2時間、さらにイオン交換水約200mLで洗浄した。有機層にメタノール約200mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン200mLに溶解して、メタノール約400mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は4.7gであった。この重合体を高分子化合物14と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=8.9x104、Mw=5.2x105であった。
実施例22
化合物H 0.58gとN、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン0.089gとTPA 0.053gと2,2’−ビピリジル0.45gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。

これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.8gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール50ml/イオン交換水50ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をアルミナを充填したカラムを通し、精製した。次に、このトルエン溶液を1規定塩酸で洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、このトルエン溶液を、約3%アンモニア水で洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄し、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液に、攪拌下、メタノールを加えることにより、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.16gを得た。この重合体を高分子化合物15と呼ぶ。得られた高分子化合物15のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.5x105であり、数平均分子量は、2.9x104であった。
実施例23
化合物H 0.50gとN、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン0.084gとTPA 0.11gと2,2’―ビピリジル0.45gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。
これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.8gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。
なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、メタノール50ml/イオン交換水50ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をアルミナを充填したカラムを通し、精製した。次に、このトルエン溶液を約3%アンモニア水で洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄し、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液に、攪拌下、メタノールを加えることにより、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.16gを得た。この重合体を高分子化合物16と呼ぶ。得られた高分子化合物16のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.3x105であり、数平均分子量は、2.1x104であった。
実施例24
不活性雰囲気下にて化合物I (0.10g、0.14mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.10g、0.14mmol)をトルエン2.9mlに溶解させ、これにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.003g、0.0028mmol)を加え、室温にて10分間攪拌した。つづいてテトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド20%水溶液を0.5mlを加え昇温し、2時間加熱還流した。そしてフェニルボロン酸(0.017g、0.014mmol)を加え1時間加熱還流した。加熱完了後室温まで冷却し、反応マスをメタノール30mlに滴下し、析出した沈殿を濾別した。得られた沈殿は、メタノールで洗浄し、減圧乾燥を行い、固形物を得た。得られた固形物をトルエン3mlに溶解させ、アルミナカラムで通液後、メタノール20mlに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿を濾別した。得られた沈殿は、メタノールで洗浄し、減圧乾燥を行った。収量は0.060gであった。この重合体を高分子化合物17と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=9.8x103、Mw=2.4x104であった。
比較例1 (高分子化合物18の合成)
不活性雰囲気下にて2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(287mg、0.523mmol)、2,7−(9,9−ジオクチル)フルオレンジボロン酸エチレングリコール環状エステル (305mg、0.575mmol)、アリコート336(15mg)をトルエン(4.3g)に溶解させ、これに炭酸カリウム(231mg、1.67mmol)を約1gの水溶液とし加えた。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.39mg、0.00034mmol)を加え、20時間加熱還流した。続いてブロ
モベンゼン (11.5mg)を加え、更に5時間加熱還流した。加熱完了後、反応マスをメタノール(40ml)と1N塩酸水(2.2ml)の混合液に滴下し、析出した沈殿を濾別した。得られた沈殿は、メタノールと水で洗浄し、減圧乾燥を行い、固形物を得た。つづいて固形物をトルエン50mlに溶解させ、シリカカラムで通液後、20mlまで濃縮した。濃縮液をメタノールに滴下、析出した沈殿を濾別し、減圧乾燥を行い高分子化合物18を得た。収量340mg。
得られた高分子化合物18のポリスチレン換算の分子量は、Mn=1.2×103、Mw=3.2×103であった。
比較例2 (高分子化合物19の合成)
2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン 307mg、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン 52mg、TPA 32mg、2,2’−ビピリジル 250mgを脱水したテトラヒドロフラン20mLに溶解した後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 440mg加え、60℃まで昇温し、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水10ml/メタノール120ml/イオン交換水50ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン30mlに溶解させた。1N塩酸30mLを加えて3時間攪拌した後、水層を除去した。次に有機層に4%アンモニア水30mLを加えて3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて有機層をメタノール150mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン90mLに溶解させた。その後、アルミナカラム(アルミナ量10g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール200mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は170mgであった。この重合体を高分子化合物19と呼ぶ。
得られた高分子化合物19のポリスチレン換算の数平均分子量は、Mn=3.2×104、重量平均分子量は、Mw=8.3×104であった。
実施例25
高分子化合物1〜17の蛍光スペクトルとガラス転移温度を測定した。結果を下表2に示す。
実施例26 (高分子化合物20の合成)
化合物H(4.500g)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.617g)、2,2’−ビピリジル(3.523g)を脱水したテトラヒドロフラン211mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.204g)を加え、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール211mL/イオン交換水211mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン251mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水493mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。、次に4%アンモニア水493mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約493mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層を撹拌しながらメタノール110mLを約30分かけて滴下した。上澄み液を回収し、この溶媒を留去した。残った固体にトルエン14mLを加えて撹拌し、完溶させた後メタノール220mLに滴下し、30分撹拌した。生じた沈殿を回収し、2時間減圧乾燥することにより、重合体0.2gを得た。この重合体を高分子化合物20と呼ぶ。
得られた高分子化合物20の数平均分子量は7.6×103であり、重量平均分子量は5.5×104であり、分散は7.2、分子量分布は単峰性であった。
実施例27 (高分子化合物21の合成)
化合物H(1.0g)、N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.15g)および2,2’−ビピリジル(0.76g)を脱水したテトラヒドロフラン50mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(1.3g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら反応させた。この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール約50mL/イオン交換水約50mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、4%アンモニア水約50mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約50mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層をメタノール100mlに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物21と呼ぶ)の収量は0.55gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=3.3×104、Mw=9.7×104であり、分散は2.9、分子量分布は単峰性であった。
実施例28 (高分子化合物22の合成)
化合物H(0.727g)、N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.100g)、水(0.039g)、2,2’−ビピリジル(0.63g)を脱水したテトラヒドロフラン81mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(1.114g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール81mL/イオン交換水81mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン41mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水80mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。、次に4%アンモニア水80mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約80mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層をメタノール127mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物22と呼ぶ)の収量は0.466gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=3.9x104、Mw=1.7x105であり、分散は4.4、分子量分布は単峰性であった。
実施例29 (高分子化合物23の合成)
化合物H(0.727g)、N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.100g)、2,2’−ビピリジル(0.63g)を脱水したテトラヒドロフラン81mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(1.11g)を加え、攪拌し、5時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水5mL/メタノール41mL/イオン交換水41mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。
その後、トルエン41mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水80mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。、次に4%アンモニア水80mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約80mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層をメタノール127mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。
得られた共重合体(以後、高分子化合物23と呼ぶ)の収量は0.351gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=2.9x104、Mw=2.6x105であり、分散は9.0、分子量分布は単峰性であった。
実施例30
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得た高分子化合物20〜23トルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。

<発光効率>
得られた素子に電圧を印加することにより、この素子からEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。得られた各高分子化合物の最大発光効率を表3に示す。
実施例31
化合物H(5.9g)、および2,2’−ビピリジル(3.1g)を脱水したテトラヒドロフラン240mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温後、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(5.4g)加え、保温、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水36ml/メタノール約720ml/イオン交換水約720mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン300mlに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、4%アンモニア水約600mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約600mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール60mlを加え、沈殿物をろ過で取り除き、30mlまで濃縮した後、これをメタノール約100mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物25と呼ぶ)の収量は0.13gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.1×104、Mw=2.0×104であった。分散は1.8、分子量分布は単峰性であった。
実施例32
化合物H(1.0g)および2,2’−ビピリジル(0.78g)を脱水したテトラヒドロフラン15mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(1.4g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。
この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水3mL/メタノール約20mL/イオン交換水約20mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、3時間攪拌した後に水層を除去した。、次に4%アンモニア水約200mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約200mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール10mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン20mlに溶かした後、これをメタノール約60mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物26と呼ぶ)の収量は0.44gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=4.8x104、Mw=8.9x104であり、分散は1.9、分子量分布は単峰性であった。
実施例33
化合物H(6.0g)、2,2’−ビピリジル(4.2g)を脱水したテトラヒドロフラン540mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(7.4g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水36mL/メタノール540mL/イオン交換水540mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン300mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水590mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。、次に4%アンモニア水590mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約590mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層をメタノール940mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物27と呼ぶ)の収量は3.6gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=8.8x104、Mw=4.4x105であり、分散は5.0、分子量分布は単峰性であった。
実施例34
化合物H(5.2g)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(2.8g)、2,2’−ビピリジル(5.3g)を脱水したテトラヒドロフラン226mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.3g)を加え、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水45mL/メタノール226mL/イオン交換水226mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン376mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水739mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水739mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約739mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール200mlを加え、沈殿物をろ過で取り除き、80mlまで濃縮した後、これをメタノール約200mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物28と呼ぶ)の収量は2.3gであった。
ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=9.1×103、Mw=2.6×104であり、分散は2.9、分子量分布は二峰性であった。
実施例35
化合物H(0.42g)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.22g)および2,2’−ビピリジル(0.38g)を脱水したテトラヒドロフラン55mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(0.66g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水4mL/メタノール約55mL/イオン交換水約55mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン30mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、4%アンモニア水約60mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約60mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。これをメタノール約100mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物29と呼ぶ)の収量は0.35gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.2x104、Mw=8.6x104であり、分散は7.2、分子量分布は二峰性であった。
実施例36
化合物H(20.9g)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(11.1g)および2,2’−ビピリジル(21.1g)を脱水したテトラヒドロフラン900mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温後、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(37.1g)加え、60℃で保温、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水90mL/メタノール約450mL/イオン交換水約450mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン750mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、4%アンモニア水約1500mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約1500mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。これをメタノール約2000mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物30と呼ぶ)の収量は19.5gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=4.5x104、Mw=4.1x105であり、分散は9.1、分子量分布は二峰性であった。
実施例37
下記表4の第2欄の高分子化合物を67重量%、第3欄の高分子化合物を33重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。混合後のポリスチレン換算の重量平均分子量を第4欄に示す。
このトルエン溶液を用いて、実施例30と同様にEL素子を作成した。そのときの最高発光効率を第5欄に示す。
実施例38(高分子化合物31の合成)
化合物H(22.0g、37mmol)、および2,2’−ビピリジル(15.5g、100mmol)を脱水したテトラヒドロフラン720mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(27.3g、100mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水130mL/メタノール2L/イオン交換水2L混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1.2Lに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水2.5Lで3時間、4%アンモニア水2.5Lで2時間、さらにイオン交換水2.5Lで洗浄した。有機層にメタノール500mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン1.2Lに溶解して、メタノール3.5Lに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は11.45gであった。この重合体を高分子化合物31と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.9x105、Mw=5.6x105であった。
実施例39 (高分子化合物32の合成)
化合物H(7.35g、12.3mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.19g、0.25mmol)および2,2’−ビピリジル(5.28g、33.9mmol)を脱水したテトラヒドロフラン450mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.3g、33.9mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水90mL/メタノール450mL/イオン交換水450mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン700mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、4%アンモニア水750mLで2時間、さらにイオン交換水750mLで洗浄した。有機層にメタノール150mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン300mLに溶解して、メタノール600mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。
収量は4.7gであった。この重合体を高分子化合物32と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=7.6x104、Mw=6.6x105であった。
実施例40(高分子化合物33の合成)
化合物H(4.5g、7.5mmol)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.62g、0.83mmol)および2,2’−ビピリジル(3.52g、22.6mmol)を脱水したテトラヒドロフラン210mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.2g、22.6mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール600mL/イオン交換水600mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン450mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水500mLで3時間、4%アンモニア水500mLで2時間、さらにイオン交換水500mLで洗浄した。有機層にメタノール100mLを滴下して1時間攪拌し、上澄み液をデカンテーションで除去した。得られた沈殿物をトルエン250mLに溶解して、メタノール750mLに滴下して1時間攪拌し、ろ過して2時間減圧乾燥した。収量は4.6gであった。この重合体を高分子化合物33と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.2x105、Mw=3.9x105であった。
実施例41
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物31を67重量%、高分子化合物9を33重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2620cd/m2、輝度半減時間が41時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は1760時間となった。
実施例42
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物32を71重量%、高分子化合物9を29重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例41と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
(寿命測定)
上記で得たEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2930cd/m2、輝度半減時間が30時間であった。
これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は1610時間となった。
実施例43
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物33をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例41と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2750cd/m2、輝度半減時間が19時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は900時間となった。


実施例44 (高分子化合物34の合成)
化合物H(10.7g、18mmol)、および2,2’−ビピリジル(7.59g、48.6mmol)を脱水したテトラヒドロフラン840mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(13.4g、48.6mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水60mL/メタノール1.3L/イオン交換水1.3L混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1Lに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水1Lで3時間、4%アンモニア水1Lで2時間、さらにイオン交換水1Lで洗浄した。有機層をメタノール2Lに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。収量は17.35gであった。
この重合体を高分子化合物34と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=7.6x104、Mw=4.9x105であった。
実施例45(高分子化合物35の合成)
化合物H(15.5g、25.9mmol)、上記で合成した N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(9.05g、11.1mmol)および2,2’−ビピリジル(15.6g、100mmol)を脱水したテトラヒドロフラン1.2Lに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(27.5g、100mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水70mL/メタノール1.2L/イオン交換水1.2L混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1Lに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水1Lで3時間、4%アンモニア水1Lで2時間、さらにイオン交換水1Lで洗浄した。有機層をメタノール2Lに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。収量は17.45gであった。この重合体を高分子化合物35と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=3.0x104、Mw=3.5x105であった。
実施例46 (高分子化合物36の合成)
化合物H(0.5g、0.84mmol)、上記で合成したN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン (0.076g、0.093mmol)および2,2’−ビピリジル(0.35g、2.2mmol)を脱水したテトラヒドロフラン70mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(0.61g、2.2mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水3mL/メタノール70mL/イオン交換水70mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン70mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水60mLで3時間、4%アンモニア水60mLで2時間、さらにイオン交換水60mLで洗浄した。有機層をメタノール120mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。収量は0.87gポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=4.5x104、Mw=9.8x104であった。であった。この重合体を高分子化合物36と呼ぶ。
実施例47
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を67重量%、高分子化合物35を33重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例41と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は2.9Vから発光開始が見られ、最大発光効率は3.12cd/Aであった。
実施例48
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物36をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例41と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.2Vから発光開始が見られ、最大発光効率は0.66cd/Aであった。

実施例49 (高分子化合物37の合成)
化合物H(10.6g、17.6mmol)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(0.29g、0.36mmol)および2,2’−ビピリジル(7.6g、48.6mmol)を脱水したテトラヒドロフラン1100mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(13.4g、48.6mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水65mL/メタノール1100mL/イオン交換水1100mL混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン550mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水約550mLで3時間、4%アンモニア水約550mLで2時間、さらにイオン交換水約550mLで洗浄した。有機層をメタノール約550mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は6.3gであった。この重合体を高分子化合物37と呼ぶ。ポリスチレン換算重量平均分子量は、4.2x105であり、数平均分子量は、6.6x104であった。
実施例50 (高分子化合物38の合成)
化合物H(13.8g、23.1mmol)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(8.07g、9.9mmol)および2,2’−ビピリジル(13.9g、89.1mmol)を脱水したテトラヒドロフラン1100mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(24.5g、89.1mmol)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水120mL/メタノール2.4L/イオン交換水2.4L混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン1Lに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、トルエン層を、5.2%塩酸水2Lで3時間、4%アンモニア水2Lで2時間、さらにイオン交換水2Lで洗浄した。有機層をメタノール3Lに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた重合体の収量は13.36gであった。この重合体を高分子化合物38と呼ぶ。ポリスチレン換算重量平均分子量は、2.3x104であり、数平均分子量は、3.6x105であった。
実施例51
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を50重量%、高分子化合物35を50重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例41と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は2.7Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.80cd/Aであった。
実施例52
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物37を53重量%、高分子化合物38を47重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例41と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.8Vから発光開始が見られ、最大発光効率は1.02cd/Aであった。
実施例53
化合物H(0.45g)とN、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(0.61g)と2,2’―ビピリジル(0.56g)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。
これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)50gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(1.0g)を加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、25%アンモニア水10ml/メタノール35ml/イオン交換水35ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約5%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈生成した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.32gを得た。この重合体を高分子化合物39と呼ぶ。ポリスチレン換算重量平均分子量は、1.9x105であり、数平均分子量は、2.0x104であった。
実施例54
化合物H(0.27g)とN、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(0.86g)と2,2’―ビピリジル(0.56g)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)50gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(1.0g)を加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、25%アンモニア水10ml/メタノール35ml/イオン交換水35ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約5%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈生成した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.35gを得た。この重合体を高分子化合物40と呼ぶ。ポリスチレン換算重量平均分子量は、1.9x105であり、数平均分子量は、1.7x104であった。
実施例55
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を25重量%、高分子化合物12を75重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.1Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は1.79cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が1519cd/m2、輝度半減時間が14.3時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は207時間となった。
実施例56
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を62.5重量%、高分子化合物13を37.5重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.0Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は2.06cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が1554cd/m2、輝度半減時間が15.3時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は232時間となった。
実施例57
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を75重量%、高分子化合物14を25重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は2.9Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は1.84cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が1349cd/m2、輝度半減時間が14.8時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は169時間となった。
実施例58
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を85重量%、高分子化合物39を15重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.1Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は1.66cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が1063cd/m2、輝度半減時間が13.3時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は94時間となった。
実施例59
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を89.3重量%、高分子化合物40を10.7重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から455nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.2Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は1.25cd/Aであった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が840cd/m2、輝度半減時間が12.8時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は57時間となった。




実施例60
化合物H(1.8g)とN、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(2.23g)と2,2’―ビピリジル(2.25g)とを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)200gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)4.0gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、25%アンモニア水50ml/メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約5%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈生成した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体1.5gを得た。この重合体を高分子化合物41と呼ぶ。得られた高分子化合物41のポリスチレン換算重量平均分子量は、6.7x104であり、数平均分子量は、1.3x104であった。
実施例61
化合物H(20.9g)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(11.1g)、2,2’−ビピリジル(21.1g)を脱水したテトラヒドロフラン1170mLに溶解した後、窒素雰囲気下において60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(37.1g)を加え、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水180ml/メタノール1170ml/イオン交換水1170ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン1500mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)6.00gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に5.2%塩酸水2950mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて4%アンモニア水2950mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約2950mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール4700mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物42と呼ぶ)の収量は22.7gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=2.7x104、Mw=2.6x105であった。
実施例62
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を90重量%、高分子化合物41を10重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.7Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は2.29cd/Aであった。
実施例63
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を80重量%、高分子化合物41を20重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.1Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は2.72cd/Aであった。
実施例64
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を50重量%、高分子化合物41を50重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は2.9Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は2.03cd/Aであった。
実施例65
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を80重量%、高分子化合物41を20重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から475nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.2Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は0.63cd/Aであった。

実施例66
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を83重量%、高分子化合物42を17重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.1Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は2.89cd/Aであった。
実施例67
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を67重量%、高分子化合物42を33重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.1Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は3.39cd/Aであった。
実施例68
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を17重量%、高分子化合物42を83重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から470nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.0Vから発光開始が見られ、この最大発光効率は1.27cd/Aであった。

実施例69
化合物H(0.90g)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−N−(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−アミン(0.62g)および2,2’−ビピリジル(1.1g)を脱水したテトラヒドロフラン110mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.0g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール約150mL/イオン交換水約150mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン50mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、4%アンモニア水約50mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。有機層にイオン交換水約50mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層はメタノール約100mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物43と呼ぶ)の収量は500mgであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.8x104、Mw=7.5x104であった。
実施例70
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、BaytronP)を用いてスピンコートにより70nmの厚みで成膜して、ホットプレート上200℃で10分間乾燥した。次に、高分子化合物43と高分子化合物3の2:8(重量比)混合物が1.5wt%となるように調製したトルエン溶液を用いてスピンコートにより1200rpmの回転速度で成膜した。さらに、これを減圧下90℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nmを蒸着し、陰極として、カルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約70nm蒸着して、EL素子を作製した。なお真空度が、1×10-4Pa以下に到達したのち、金属の蒸着を開始した。
得られた素子に電圧を印加することにより、456nmにピークを有するEL発光が得られた。初期輝度を956cd/m2に設定し、輝度の減衰を測定したところ20時間後の輝度は603cd/m2であった。
実施例71
(化合物XBの合成)
化合物XB
四ツ口フラスコ(2000ml)にメカニカルスターラー、コンデンサー、温度計を取り付け、窒素を通気した状態で氷浴にセットする。フェニルリチウム500mlを試薬瓶より速やかにフラスコに移す。化合物X47gを約5gずつ8回に分けて固体のまま徐々に加えた。その後氷浴をはずし、2時間室温で攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を500mLゆっくり加え反応をクエンチした。抽出はトルエン(500ml 2回)を用い、有機層は硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を除去した。
乾燥オーブン(50℃)で乾燥後、化合物XBを油状物として79.6g(収率93.6%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):δ2.63(s,−OH), 6.54(d,1H), 6.91(d, 1H), 7.06−7.51(m, 17H), 7.66(d, 1H), 7.81(d, 1H).
LC/MS(APPI(+)):369.2
(化合物XCの合成)
化合物XC
滴下漏斗、メカニカルスターラー、コンデンサーを取り付けた三口フラスコを水浴につけた状態で窒素を通気させておく。トリフルオロボレートエーテル錯体150mLを密閉状態でフラスコに移した後、無水ジクロロメタン150mLを加えて攪拌した。上記で得られている化合物XB79gを無水ジクロロメタン300mLに溶かし、滴下漏斗に入れて滴下した(1時間)。そのまま3時間攪拌し、水 (500mL)をゆっくり加え反応を終了した。トルエン500mLを用いて分液し、さらにトルエン500mLで2回抽出し、水 (500mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 (500mL)で洗浄した。シリカゲルのショートカラムを通した後、溶媒を留去し、65.5gの化合物XCを含む粗製物を得た。トルエン(50mL)より再結晶し、ヘキサン(100mL)で洗浄した。白色の固体として化合物XCを43.5g(収率72.8%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ7.16-7.33(m, 11H), 7.44-7.58(m, 4H), 7.62-7.70(m, 1H), 7.78(d, 1H), 7.91(d, 1H) , 8.39(d, 1H), 8.80(d, 1H).
LC/MS(APPI(+)):368.2
(化合物XDの合成)
化合物XD
三口フラスコ(2000ml)に化合物XC75.0g、無水ジクロロメタン(1000ml)、酢酸(1350ml)、塩化亜鉛(69.9g)を順に加える。油浴で50℃に加温し、15分攪拌する。ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(222g)を無水ジクロロメタン(500ml)に溶解し、BTMA・Br3溶液を滴下漏斗から3時間かけて滴下する。滴下後さらに3時間50℃で攪拌した後、室温までゆっくり放冷する。水500mlを加えてクエンチし、分液する。水層をクロロホルム200mlで抽出し、あわせた有機層は5%チオ硫酸ナトリウム水溶液400mlで洗浄した。さらに5%炭酸カリウム水溶液400ml、水100mlを用いて洗浄後、硫酸ナトリウムにより脱水した。溶媒を減圧濃縮により留去した後、ヘキサン100mLで二回溶かし完全に溶媒を留去した。再結晶は5倍量のトルエンを用いて加熱還流中、2-プロパノールを加え10分攪拌した後、室温まで放冷し、ヘキサン100mlで洗浄し、化合物XDを105g(収率87.1%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):δ7.19− 7.25(M, 11H), 7.57−7.59(M, 2H), 7.62−7.73(M, 2H), 7.82(s, 1H), 8.21(d, 1H), 8.36(d, 1H), 8.70(d, 1H).
LC/MS(APPI(+)):525.9
実施例72
(化合物XEの合成)
化合物XE
3Lの3口フラスコに4-t-ブチルフェニルブロミド 113g、テトラヒドロフラン1500mlを加え窒素雰囲気下で−78℃まで冷却する。n-ブチルリチウムを滴下漏斗に600mlとり系内の温度が変化しないようにゆっくりと滴下する。滴下後室温で2時間攪拌したのち、−78℃に冷却し化合物XA34.6gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した溶液を60分かけて滴下した。さらに−78℃で2時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を500ml用いて反応を停止し、トルエン1000mlで抽出した。水で洗浄後、シリカゲルショートカラムを通して不純物を取り除き、化合物XEを61.5g(収率88.2%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ1.26 (s, 9H), 1.34 (s, 9H), 2.58 (s, 1H), 6.58 (d, 1H), 6.98-7.13 (m, 12H), 7.20 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 7.28-7.32 (m, 2H), 7.38-7.43
(m, 2H), 7.72 (d, 1H), 7.79 (d, 1H).
MS(ESI(+)): 537.3.
(化合物XFの合成)
化合物XF
三フッ化ホウ素エーテル錯体325mLを入れた2000mlの三口フラスコに、ジクロロメタンを1500ml加え、氷浴で十分に冷却した。化合物XE132gをジクロロメタン溶液とし、等圧でない滴下漏斗を用いて1時間かけて滴下した。氷浴をはずし、室温で2時間攪拌した後、水を加えて反応を停止した。クロロホルムを用いて抽出し、有機層を濃縮後、橙色の油状物を得た。トルエン240ml、2-プロパノール50mlを用いて再結晶することにより目的とする化合物XFを64g(収率52.8%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ1.32 (s, 18H), 2.63 (s, 1H), 6.57 (d, 1H), 7.00-7.25 (m, 12H), 7.21 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.80-9.50 (m, 2H), 7.77 (d,
1H), 7.80 (d, 1H).
LC-MS(APPI-posi):m/z calcd for [C37H36+H]+,480.68;found, 481.2.
(化合物XGの合成)
化合物XG
三口フラスコ(2000mL)に化合物XF64.0g、無水ジクロロメタン(500mL)、酢酸(830mL)、塩化亜鉛(36g)を順に加える。油浴で50℃に加温し、15分攪拌する。ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド(103g)を無水ジクロロメタン(300mL)に溶解し、この溶液を滴下漏斗から3時間かけて滴下する。滴下後さらに3時間50℃で攪拌した後、室温までゆっくり放冷する。水500mLを加えてクエンチし、分液する。水層をクロロホルム200mLで抽出し、あわせた有機層は5%チオ硫酸ナトリウム水溶液400mLで洗浄した。さらに5%炭酸カリウム水溶液400mL、水100mLを用いて洗浄後、硫酸ナトリウムにより脱水した。溶媒を減圧濃縮により留去した後、ヘキサン100mLで二回溶かし完全に溶媒を留去した。再結晶は5倍量のトルエンを用いて加熱還流中、2-プロパノールを加え10分攪拌した後、室温まで放冷し、ヘキサン100mLで洗浄し、化合物XGを46g(収率72.0%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ1.28 (s, 18H), 7.10 (d, 4H), 7.25 (d, 4H), 7.55-7.71 (m, 4H), 7.85 (s, 1H), 8.19 (d, 1H), 8.36 (d, 1H), 8.69 (d, 1H).
LC-MS(APPI-posi):m/z calcd for [C37H34Br2]+・,638.47;found, 638.0.
実施例73
(化合物XHの合成)
化合物XH
3Lの3口フラスコに4-t-ブチルフェニルブロミド 105.7g、テトラヒドロフラン1500mlを加え窒素雰囲気下で−78℃まで冷却する。n-ブチルリチウムを滴下漏斗に551mlとり系内の温度が変化しないようにゆっくりと滴下する。滴下後室温で2時間攪拌したのち、−78℃に冷却し化合物V40gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した溶液を60分かけて滴下した。さらに−78℃で2時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を500mL用いて反応を停止し、トルエン1000mlで抽出した。水で洗浄後、シリカゲルショートカラムを通して不純物を取り除き、化合物XHを69.3g(収率97.6%)得た。
1H-NMR(300MHz/CDCl3):δ1.28 (s, 18H), 7.11 (d, 4H), 7.25-7.38 (m, 7H), 7.69 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.97 (d, 1H), 8.21 (s, 1H)
MS(APPI(+)):(M−OH)+ 541.4
(化合物XIの合成)
化合物XI
三フッ化ホウ素エーテル錯体を入れた2000mlの三口フラスコに、ジクロロメタンを400ml加え、氷浴で十分に冷却した。化合物XHをジクロロメタン溶液とし、等圧でない滴下漏斗を用いて1時間かけて滴下した。氷浴をはずし、室温で2時間攪拌した後、水を加えて反応を停止した。クロロホルムを用いて抽出し、有機層を濃縮後、橙色の油状物を得た。トルエン120ml、2−プロパノール30mlを用いて再結晶することにより目的とする化合物XIを54g(収率82.5%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):δ1.27(s,18H),3.80(s,3H),3.87(s,3H),6.90(d,1H),7.09(d,1H),7.15−7.26(m,9H),7.67(s,1H),7.76(d,1H),7.98(s,1H)
MS(APPI(+)):(M+H)+ 541.3
(化合物XJの合成)
化合物XJ
三口フラスコ(200ml)に化合物XI15g、ジクロロメタン100mlを加える。窒素雰囲気下、氷浴中0℃で攪拌しているところに三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液を滴下ロートに移し、1時間かけて加えた。その後氷浴を取り除き、室温で3時間攪拌した。水100mlを加えて反応を停止し、分液した後、クロロホルムを用いて抽出した。得られる有機層は、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、グラスフィルター上にプレコートしたシリカゲルパッド(3cm)を通してろ過し、化合物XJを混合物として10.3g(収率71.6%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3)CDCl3):δ1.25(s、18H),4.77(s,3H),4.88(s,1H),6.82(dd,1H), 6.83(s,1H),7.00(s,1H),7.01(dd,1H),7.15(d,4H),7.21(d,4H),7.58(s,1H),7.69(dd,1H),7.74(d,1H),7.95(s,1H)
LC−MS(APPI−posi):m/z calcd for [C37H36O2+H]+,513.69;found, 513.
化合物XK
1000mlフラスコをアルゴンで置換した後、化合物XJ43.2g、4−N,N−ジメチルアミノピリジン25.5gをとりジクロロメタン402mlに溶かした。氷浴で冷却後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物51.7gをを滴下した。その後、室温で3時間攪拌した。反応マスを水1000mlに注加し、クロロホルム500mlで2回抽出した。溶媒を留去し、粗生成物63.8gを得た。その粗生成物20gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物XKを11.5g得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):δ1.28(s,18H),7.11(d,4H),7.25−7.38(m,7H),7.69(s,1H),7.86(s,1H),7.95(d,1H),7.97(d,1H),8.21(s,1H)
実施例74 (高分子化合物44の合成)
化合物XD 1740mgと2,2’―ビピリジル1390mgとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)298mLを加えた。次に窒素雰囲気下60℃まで昇温し、この溶液にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2450mgを加え、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水12ml/メタノール297ml/イオン交換水297ml混合溶液に滴下して約1時間攪拌した。析出した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を2時間減圧乾燥し、トルエンに溶解した。この溶液にラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.4gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量10g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸200mLを加えて3時間攪拌した後、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液を、約4%アンモニア水を加えて2時間攪拌し、水層を除去した。次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄し、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液を、攪拌下、メタノール310mLに加えることにより、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.45gを得た。この重合体を高分子化合物44と呼ぶ。得られた高分子化合物44のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.8x105であり、数平均分子量は、3.1x104であった。
実施例75 (高分子化合物45の合成)
化合物XG 7.66gと2,2’―ビピリジル5.06gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)768gを加えた。次に窒素雰囲気下60℃まで昇温し、この溶液にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を8.91gを加え60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水43ml/メタノール864ml/イオン交換水864ml混合溶液にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。この溶液にラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)1.4gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量72g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸708mLを加えて3時間攪拌した。静置、分液、トルエン溶液を回収、このトルエン溶液を、約4%アンモニア水708mLで洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄し、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液を、攪拌下、メタノール1128mLに加えることにより、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体5.66gを得た。この重合体を高分子化合物45と呼ぶ。得られた高分子化合物45のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.4x105であり、数平均分子量は、4.7x104であった。
実施例76 (高分子化合物46の合成)
化合物Z1660mg、XK583mg、2,2’−ビピリジル 1265mgを反応容器に仕込んだ後、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱水したテトラヒドロフラン108mLを加えた。次に窒素雰囲気下60℃まで昇温し、この溶液にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を2228mg加え、60℃で3時間反応した。
なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水11ml/メタノール108ml/イオン交換水108ml混合溶液中に滴下して約1時間攪拌した。析出した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を2時間減圧乾燥し、トルエン90mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.4gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量18g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸177mLを加えて3時間攪拌した後、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液を、約4%アンモニア水177mLを加えて2時間攪拌し、水層を除去した。さらに有機層に水177mLを加えて1時間攪拌し、水層を除去した。このトルエン溶液を、攪拌下、メタノール300mLに滴下して30分攪拌し、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体1060mgを得た。この重合体を高分子化合物46と呼ぶ。得られた高分子化合物46のポリスチレン換算重量平均分子量は、2.3x104であり、数平均分子量は、8.1x103であった。
実施例77 (高分子化合物47の合成)
化合物Z 1.47gと2,2’―ビピリジル0.843gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)128gを加えた。次に窒素雰囲気下60℃まで昇温し、この溶液にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を1.48gを加え60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水144ml/メタノール144ml/イオン交換水7ml混合溶液にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥した後、トルエンに溶解した。この溶液にラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.2gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量12g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸118mLを加えて3時間攪拌した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、このトルエン溶液を、約4%アンモニア水で洗浄した後、静置、分液、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液をイオン交換水で洗浄し、静置、分液、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液を、攪拌下、メタノール118mLに加えることにより、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.57gを得た。この重合体を高分子化合物47と呼ぶ。得られた高分子化合物47のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.7x104であり、数平均分子量は、5.7x103であった。
実施例78 (高分子化合物48の合成)
化合物XD4531mg、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン3006mg、2,2’−ビピリジル 5187mgを反応容器に仕込んだ後、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱水したテトラヒドロフラン576mLを加えた。窒素雰囲気下において60℃まで昇温し、この溶液にビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を9134mg加え、3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水44ml/メタノール576ml/イオン交換水576ml混合溶液中に滴下して約1時間攪拌した。析出した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を2時間減圧乾燥し、トルエン369mLに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)1.5gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量74g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸726mLを加えて3時間攪拌した後、静置、分液し、トルエン溶液を回収した。このトルエン溶液を、約4%アンモニア水726mLに加えて2時間攪拌し、水層を除去した。さらに有機層に水726mLを加えて1時間攪拌し、水層を除去した。このトルエン溶液を、攪拌下、メタノール1156mLに滴下して30分攪拌し、再沈精製した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体4630mgを得た。この重合体を高分子化合物48と呼ぶ。得られた高分子化合物48のポリスチレン換算重量平均分子量は、4.6x105であり、数平均分子量は、3.6x104であった。
実施例79 (電子注入性評価)
前述の条件により測定し、得られたLUMOの絶対値を下表11に示す。高分子化合物44〜46は共に非常に優れた電子注入性を示すことが分かる。
実施例80
化合物ZA−3 化合物ZA−2
1000mLの二つ口フラスコに塩化第二鉄(6.75g,42mmol)、1−ブロモアダマンタン(21.6g,100.3mmol)を量り取り、ジムロート冷却管とセプタムを装着し、系内をアルゴン置換した。脱水ジクロロメタン(500mL)を加えた。フラスコを−10℃に冷却し、滴下ロートを用いて化合物H(50.00g、83.5mmol)の脱水ジクロロメタン溶液(300mL)を2.5時間かけて滴下し、滴下終了後に低温のままさらに4時間撹拌した。水で反応を終了させ、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後得られた固体を、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物ZA−3と化合物ZA−2の混合物27.2g(収率44%)を白色固体として得た。化合物ZA−3と化合物ZA−2の比は1H−NMRの積分比より5:1であることを確認した。

LC−MS:[M+H]:731

化合物ZA−3
NMR (CDCl3):δ=0.51〜1.20(m、30H)、1.85(s,7H)、2.00(t,4H)、2.09(s,5H)、2.19(s,3H)2.19 、7.53(s、1H)、7.54(d、1H)、7.76(s、1H)、7.78(d、1H)、8.12(d、1H)、8.28(s、1H)、8.60(d、1H)

化合物ZA−2
NMR δ(CDCl3):δ=0.51(t、6H)、0.78〜1.26(m、24H)、1.76〜2.22(m、19H)、7.52(s、1H)、7.59(dd、1H)、7.73(dd、2H)、8.11(d、1H)、8.30(d、1H)、8.51(s、1H)
実施例81
300mLの四つ口フラスコに化合物H(9.00g、15.0mmol)、1−ブロモアダマンタン(8.09g,37.6mmol)を量り取り、系内をアルゴン置換した後、脱水ジクロロメタン(144mL)を加えた。塩化アルミニウム(0.16g,1.20mmol)を加えて室温で4時間撹拌した。水で反応を終了させ、クロロホルムを加えて抽出し、水層を分液した。分液した水層にクロロホルムを加えて抽出・洗浄を行い、水層を除去した。有機層を混合し、5%炭酸カリウム水溶液で洗浄し水層を除去した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶媒を留去して得られた固体を、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、化合物ZA−3と化合物ZA−2の混合物3.48g(収率32%)を無色油状物として得た。化合物ZA−3と化合物ZA−2の比は1H−NMRの積分比より1:0.85であることを確認した。
実施例82
実施例81で作成した化合物ZA−3と化合物ZA−2の混合物(1:0.85) 487mg、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン 211mg、2,2’−ビピリジル 360mgを脱水したテトラヒドロフラン57mLに溶解した後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 630mgを加え、60℃まで昇温し、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水3ml/メタノール57ml/イオン交換水57ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン29mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.11gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量6g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に2.9%アンモニア水56mLを加えて2時間攪拌し、水層を除去した。さらに有機層に水56mLを加えて1時間攪拌し、水層を除去した。その後、有機層をメタノール89mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は328mgであった。この重合体を高分子化合物49と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量Mn=1.4×104、重量平均分子量Mw=6.4×104であった。また蛍光測定を行い、蛍光ピークは478nm、蛍光強度は3.8であった。
実施例83
実施例81で作成した化合物ZA−3と化合物ZA−2の混合物 (1:0.85)(0.70g)、2,2’−ビピリジル(0.40g)を脱水したテトラヒドロフラン29mLに溶解した後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(0.71g)を加え、60℃まで昇温し、1.5時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水3ml/メタノール29ml/イオン交換水29ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン29mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.11gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量6g)を通して精製を行い、つづいて溶媒留去を実施した。 溶媒留去後、残留物にメタノールを仕込み、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた重合体の収量は0.04gであった。この重合体を高分子化合物50と呼ぶ。ポリスチレン換算の数平均分子量Mn=5.3×104、重量平均分子量Mw=2.6×105であった。また蛍光測定を行い、蛍光ピークは478nm、蛍光強度は4.1であった。
実施例84
実施例80で作成した化合物ZA−3と化合物ZA−2の混合物 (5:1)(8.26g)、N、N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.93g)、2,2’−ビピリジル 5.28gを脱水したテトラヒドロフラン496mLに溶解した後、窒素雰囲気下において60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(9.31g)を加え、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水45ml/メタノール496ml/イオン交換水496ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン376mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)1.5gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量75g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に2.9%アンモニア水739mLを加えて2時間攪拌し、水層を除去した。さらに有機層に水739mLを加えて1時間攪拌し、水層を除去した。その後、有機層にメタノール225mLを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン225mlに溶かした後、これをメタノール約900mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた重合体の収量は6.21gであった。この重合体を高分子化合物51と呼ぶ。
この重合体のポリスチレン換算の数平均分子量Mn=1.1×105、重量平均分子量Mw=3.1×105であった。
実施例85
化合物H(1.98g)、実施例81で作成した化合物ZA−3と化合物ZA−2の混合物 (1:5)(2.42g)、2,2’−ビピリジル(2.78g)を脱水したテトラヒドロフラン475mLに溶解した後、窒素雰囲気下において、60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(4.90g)を加え、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水24ml/メタノール475ml/イオン交換水475ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン198mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.8gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラム(アルミナ量40g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液に5.2%塩酸水389mLを加えて3時間攪拌し、水層を除去した。つづいて2.9%アンモニア水389mLを加えて2時間攪拌し、水層を除去した。さらに有機層に水389mLを加えて1時間攪拌し、水層を除去した。その後、有機層をメタノール620mLに滴下して30分攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。この重合体を高分子化合物52と呼ぶ。得られた重合体の収量は1.82gであった。この重合体のポリスチレン換算の数平均分子量Mn=5.5×104、重量平均分子量Mw=2.7×105であった。
実施例86<化合物ABの合成>
(化合物Xの合成)
アルゴンガスで置換した10Lセパラブルフラスコにブロモ安息香酸メチル619g、炭酸カリウム904g、1-ナフチルボロン酸450gを加え、トルエン3600mlおよび水4000mlを加えて攪拌する。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)30gを加えてから加熱還流し、そのまま3時間攪拌した。室温まで冷却後分液し、水2000mlで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエンを用いてシリカゲルカラム精製を行った。得られたクルドを濃縮しヘキサン774mlで2回洗浄し、乾燥することにより化合物Xを596.9g、白色固体として得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
δ8.03(1H,d)、7.88(1H,d)、7.85(1H,d)、7.62〜7.56(1H,m)、7.53〜7.30(7H,m)、3.36(3H,s)
MS[APPI(+)] 263([M+H]+
(化合物Yの合成)
2Lフラスコをアルゴン置換し、ポリリン酸340g、メタンスルホン酸290mlを加え、均一になるまで攪拌した。この溶液に上記で合成した化合物X 50.0g(0.19モル)を加えた。50℃で8時間攪拌後、室温まで放冷し、2Lの氷水中に滴下した。結晶をろ過、水洗し、減圧乾燥したところ、56.43gの化合物Yの粗生成物を得た。ベンズアントロンとの混合物であったが精製はおこなわず、次の工程に用いた。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
δ8.47(1H,d)、8.01(1H,d)、7.87(1H,d)、7.77〜7.49(6H,m)、7.32(1H,d)
MS[APCI(+)] 231.1([M+H]+
(化合物Zの合成)
1L3口フラスコを窒素置換し、上記で合成した化合物Y 12.0g、ジエチレングリコール250ml、ヒドラジン1水和物15ml加え、180℃で4.5時間攪拌した。室温まで放冷した後、水1L加え、500mlのトルエンで3回抽出した。トルエン相を合わせ、塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、20gのシリカゲルを通した後、溶媒を留去したところ、6.66gの化合物Zの粗生成物を得た。ベンズアントロンとの混合物であったが精製はおこなわず、次の工程に用いた。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
δ8.78(1H,d)、8.41(1H,d)7.97(1H,d)、7.83(1H,d)、7.72〜7.63(3H,m)、7.57〜7.47(2H,m)、7.39〜7.33(1H,m),4.03(2H,s)
MS[APCI(+)] 217.1([M+H]+
(化合物AAの合成)
50ml2口フラスコを窒素置換し、上記で合成した化合物Z 6.50g、水6.5ml、ジメチルスルホキシド20ml、1,5−ジブロモ−3−メチルペンタン8.80g、水酸化ナトリウム5.01g、臭化テトラ(n−ブチル)アンモニウム0.98gを加え、100℃で1時間攪拌した。水50ml加え、50mlのトルエンで2回抽出した。トルエン相を10gのシリカゲルを通してろ過し、溶媒を留去したところ、10.18gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル300g、展開溶媒へキサンのみ)で精製し、6.64gの化合物AAを得た(ジアステレオマーの混合物)。
MS[APPI(+)]298([M]+
1H-NMR(300MHz/CDCl3)2種類のジアステレオマーの混合物(約1:1)
δ8.81(1H,d)、8.78(1H,d)、8.41(1H,d)、8.37(1H,s)、8.03(1H,d)、7.96〜7.93(1H×2,m)、7.85(1H,d)、7.81(1H,d)、7.66〜7.30(5H+6H,m)、2.21〜2.07(2H×2,m)、1.85〜1.77(5H×2,m)、1.64〜1.43(2H×2,m)、1.20〜1.16(3H×2,m)
(化合物ABの合成)
500ml3口フラスコを窒素置換し、6.60gの化合物AA、塩化亜鉛6.92g、酢酸140ml、ジクロロメタン70mlを加え、50℃に昇温した。この溶液にベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド18.07gを70mlのジクロロメタンに溶かした溶液を1時間で滴下し、更に2時間保温した。室温まで冷却し、水200mlを加えて反応を停止した。クロロホルム50mlを加え、水100mlで二回洗浄した。さらに、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液200mL、飽和炭酸水素ナトリウム200mLおよび水100mLで洗浄した。得られた有機層はプレコートしたシリカゲルを通してろ過し、溶液を濃縮して目的化合物を含む粗生成物13gを得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:へキサンのみ)にて精製し、化合物ABのジアステレオマーの混合物として5.58gを得た。
MS(APPI(+)) 454、456、458([M]+
1H-NMR(300MHz/CDCl3)2種類のジアステレオマーの混合物(約1:1)
δ8.70(1H,d)、8.67(1H,d)、8.38(1H×2,d)、8.30(1H,s)、8.21(1H,d)、8.19(1H,d)、8.00(1H,s)、7.90(1H,s)、7.71〜7.53(4H+5H,m)、2.17〜1.49(9H×2,m)、1.22〜1.17(3H×2,m)
実施例87
化合物AB(1.1g)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン(0.86g)、2,2’−ビピリジル(1.5g)を脱水したテトラヒドロフラン285mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.616g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水13mL/メタノール285mL/イオン交換水285mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、トルエン106mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.42gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に5.2%塩酸水208mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて4%アンモニア水208mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約208mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール331mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物53と呼ぶ)の収量は1.07gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.3x104、Mw=1.1x105であった。
実施例88
化合物AB(2.0g)、2,2’−ビピリジル(1.8g)を脱水したテトラヒドロフラン316mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(3.3g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水16mL/メタノール316mL/イオン交換水316mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、トルエン132mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)0.53gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に5.2%塩酸水259mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて4%アンモニア水259mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約259mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール412mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物54と呼ぶ)の収量は0.41gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.8x104、Mw=9.9x104であった。ガラス転移温度を測定したところ165℃であった。
実施例89
化合物AB(1.0g)、N、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.18g)、2,2’−ビピリジル(1.03g)を脱水したテトラヒドロフラン88mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(1.81g)を加え、攪拌し、3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水9mL/メタノール88mL/イオン交換水88mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥し、トルエン50mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)5.84gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に5.2%塩酸水49mLを加え3時間攪拌した後に水相を除去した。つづいて4%アンモニア水49mLを加え、2時間攪拌した後に水相を除去した。さらに有機相にイオン交換水約49mLを加え1時間攪拌した後、水相を除去した。その後、有機相をメタノール287mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物55と呼ぶ)の収量は0.55gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=2.9x104、Mw=1.9x105であった。
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物55について、濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより4000rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約80nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nm蒸着し、陰極としてカルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着してEL素子を作製した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から490nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。また該素子は3.0Vから発光開始が見られ、最大発光効率は3.97cd/m2であった。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を75mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2780cd/m2、輝度半減時間が6.3時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は304時間となった。
実施例94<化合物AJの合成>
(化合物AHの合成)

300ml3口フラスコを窒素置換し、化合物AC 5.00g(17.7mmol)を加え、100mlのTHFに溶解させた。−78℃に冷却後、12.6mlのn−ブチルリチウム(1.54Mヘキサン溶液、19.4mmol)を滴下した。30分保温後、4.75g(21.2mmol)のシクロペンタデカノンを25mlのTHFに溶解させた溶液を滴下した。5分間保温後、冷浴を外し、室温まで昇温させ、8時間保温した。水1ml、トルエン100mlを加え、シリカゲルを敷いたグラスフィルターを通し、ろ過した。溶媒を留去し、8.99gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=40:1)し、5.18gの化合物AHを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3
δ7.88〜7.84(2H,m)、7.57〜7.26(8H,m)、7.09(1H,d)、1・75〜1.63(2H,m)、1.35〜1.17(26H,m)
MS(APPI(positive))
m/z:428([M]+
(化合物AIの合成)

窒素雰囲気下200mlの2口フラスコに三フッ化ホウ素エーテル錯体を仕込み、ジクロロメタン25mlを加えて攪拌した。水浴中で冷却しながら、化合物AH5gをジクロロメタン50mlに溶かした溶液を加えた。1時間攪拌した後、水100mlを加えて反応を停止し、クロロホルム50mlで二回抽出を行った。得られた有機層はプレコートしたシリカゲルを通してろ過し、化合物AI 4.1gを得た。この混合物は、これ以上精製することなく次の反応に用いた。
1H−NMR(300MHz/CDCl3
δ1.30−1.52(m,24H),1.85(q,4H),7.33(t,1H),7.43(d,1H),7.50(t,1H),7.58〜7.65(m,2H),7.68(d,1H),7.82(d,1H),7.94(d,1H),8.36(d,1H),8.76(d,1H)
(化合物AJの合成)

窒素雰囲気下、300ml3口フラスコに化合物AI 4.6gを仕込み、ジクロロメタン50mlを加えて溶解し、酢酸を70ml加えて油浴中50℃に加熱した。加熱しながら塩化亜鉛3.35gを加えて攪拌し、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド9.61gをジクロロメタン21mlに溶かした溶液を加熱還流しながら30分かけて加えた。さらに1時間50℃で攪拌し、室温まで冷却した後、水100mlを加えて反応を停止した。分液し、水層はクロロホルム50mlで抽出し、有機層を合一した。有機層は飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液100mlで洗浄後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150ml、水100mlで洗浄した。得られた有機層はプレコートしたシリカゲルを通してろ過し、粗生成物6.8gを得た。この混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物AJを1.98g得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):δ1.26−1.6(m,24H),1.76(q,4H),7.55(dd,1H),7.58−7.71(m,2H),7.68(S,1h),7.96(S,1h),8.17(d,1H),8.38(dd,1H),8.67(d,1H)
実施例96 (高分子化合物59の合成)
化合物H(1.6g)、N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.2g)および2,2’−ビピリジル(1.4g)を脱水したテトラヒドロフラン83mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.5g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら反応させた。0.5時間1−ブロモピレン(0.08g)を加え、さらに2.5時間反応させた。この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水12mL/メタノール約80mL/イオン交換水約80mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン100mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水約200mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約200mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール50mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン50mlに溶かした後、これをメタノール約200mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた高分子化合物(以後、高分子化合物59と呼ぶ)の収量は1.0gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.5x105、Mw=4.1x105であった。
実施例97 (高分子化合物60の合成)
化合物H(1.65g)および2,2’−ビピリジル(1.1g)を脱水したテトラヒドロフラン83mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.0g)加え、さらに0.5時間後、4−tert‐ブチルブロモベンゼン(0.05g)を加え、さらに保温しながら3時間反応させた。反応後、室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水11mL/メタノール約110mL/イオン交換水約110mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン100mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、5.2%塩酸水200mLを加え、3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水約200mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約200mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層をメタノール500mlに滴下し1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた高分子化合物(以後、高分子化合物60と呼ぶ)の収量は1.0gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=4.5x104、Mw=4.3x105であった。
実施例98 (高分子化合物61の合成)
化合物H(4.897g)、2,2’−ビピリジル(3.795g)を脱水したテトラヒドロフラン324mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.684g)を加え、攪拌した。撹拌後、20分の時点でトリフロロメチルベンゼン(0.184g)加え更に3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水32mL/メタノール324mL/イオン交換水324mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた高分子化合物(以後、高分子化合物61と呼ぶ)の収量は4.79gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=8.4x104、Mw=3.6x105であった。
実施例99 (高分子化合物62の合成)
化合物H(4.897g)、2,2’−ビピリジル(3.795g)を脱水したテトラヒドロフラン324mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.684g)を加え、攪拌した。撹拌後、20分の時点でペンタフロロベンゼン(0.202g)加え更に3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水32mL/メタノール324mL/イオン交換水324mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた高分子化合物(以後、高分子化合物62と呼ぶ)の収量は4.74gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=6.4x104、Mw=2.1x105であった。
実施例100 (高分子化合物63の合成)
化合物H(1.8g)、N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.1g)および2,2’−ビピリジル(1.4g)を脱水したテトラヒドロフラン180mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.5g)加え、さらに0.5時間後、4−ブロモ−N,N−ジフェニルアニリン(0.1g)を加え、さらに保温しながら3時間反応させた。反応後、室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水12mL/メタノール約180mL/イオン交換水約180mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン100mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、5.2%塩酸水約200mLを加え、3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水約200mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約200mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール40mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン50mlに溶かした後、これをメタノール約200mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた高分子化合物(以後、高分子化合物63と呼ぶ)の収量は1.0gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=6.2x104、Mw=1.4x105であった。
実施例101 (高分子化合物64の合成)
化合物H 2.15gとN,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン 1.71gと5−クロロフェナントロリン 0.125gと2,2’―ビピリジル2.9gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)200gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を4.2gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約1規定塩酸で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、約3%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈精製した。生成した沈殿をろ過により、回収した。次に、この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.8gを得た。この重合体を高分子化合物64と呼ぶ。得られた高分子化合物64のポリスチレン換算重量平均分子量は、2.7x104であり、数平均分子量は、7.6x103であった。
実施例102 (高分子化合物65の合成)
化合物H(2.9g)、N,N’− −ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.4g)および2,2’−ビピリジル(2.5g)を脱水したテトラヒドロフラン150mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(4.5g)加え、さらに0.5時間後、3−ブロモキノリン(0.1g)を加え、さらに保温しながら3時間反応させた。反応後、室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水22mL/メタノール約150mL/イオン交換水約150mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン180mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、5.2%塩酸水約350mLを加え、3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水約350mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約350mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール70mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン200mlに溶かした後、これをメタノール約600mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物65と呼ぶ)の収量は2.0gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=8.6x104、Mw=2.6x105であった。
実施例103 (高分子化合物66の合成)
化合物H 1.88gとN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−ベンジジン 1.1gと2,2’―ビピリジル1.68gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)150gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を3.0gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、25%アンモニア水20ml/メタノール150ml/イオン交換水150ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約3%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈生成した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体1.1gを得た。この重合体を高分子化合物66と呼ぶ。得られた高分子化合物66のポリスチレン換算重量平均分子量は、1.1x105であり、数平均分子量は、2.2x104であった。
実施例104 駆動電圧
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物59をトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.5重量%のトルエン溶液を作製した。
(素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極としてバリウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。蒸着後、UV硬化型の封止剤とガラス板を用いて窒素雰囲気下で封止を行ない、素子を作製した。
(電流−電圧−輝度特性の測定)
上記で得られた素子において、発光部面積4mm2あたり5mA刻みでステップ的に増大する電流を100mAまで流すことにより、電流(I)−電圧(V)−輝度(L)特性を測定した。輝度測定は、(株)トプコン製輝度計BM−8を用いた。測定によって得られたV−Lカーブから、30000cd/m2における電圧を読み取り比較したところ、該素子は17.0Vを示した。
実施例105 駆動電圧
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物7の比率でトルエンに溶解し、1.5重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板上に、ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(Bayer製、BaytronP AI4083)の懸濁液を0.2μmメンブランフィルターで濾過した液を用いて、スピンコートにより70nmの厚みで薄膜を形成し、ホットプレート上で200℃、10分間乾燥した。次に、上記で得たトルエン溶液を用いて、スピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。成膜後の膜厚は約70nmであった。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極としてバリウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着した。なお真空度が1×10-4Pa以下に到達した後に金属の蒸着を開始した。蒸着後、UV硬化型の封止剤とガラス板を用いて窒素雰囲気下で封止を行ない、素子を作製した。
(電流−電圧−輝度特性の測定)
上記で得られた素子において、発光部面積4mm2あたり5mA刻みでステップ的に増大する電流を100mAまで流すことにより、電流(I)−電圧(V)−輝度(L)特性を測定した。輝度測定は、(株)トプコン製輝度計BM−8を用いた。測定によって得られたV−Lカーブから、30000cd/m2における電圧を読み取り比較したところ、該素子は18.6Vを示した。
実施例106 寿命測定
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物60を75重量%、高分子化合物66を25重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例104と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が2000cd/m2、輝度半減時間が21.8時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は545時間となった。
実施例107 寿命測定
(溶液の調整)
上記で得た高分子化合物34を75重量%、高分子化合物66を25重量%の比率でトルエンに溶解し、ポリマー濃度1.3重量%のトルエン溶液を作製した。
(EL素子の作製)
上記で得たトルエン溶液を用い、実施例104と同様の方法によってEL素子を得た。得られた素子に電圧を印加することにより、この素子から460nmにピークを有するEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
(寿命測定)
上記で得られたEL素子を100mA/cm2の定電流で駆動し、輝度の時間変化を測定したところ、該素子は初期輝度が1295cd/m2、輝度半減時間が48.0時間であった。これを輝度−寿命の加速係数が2乗であると仮定して、初期輝度400cd/m2の値に換算したところ、半減寿命は503時間となった。
実施例108 (高分子化合物67の合成)
化合物H(4.75g)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.309g)および2,2’−ビピリジル(3.523g)を脱水したテトラヒドロフラン601mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.204g)を加え、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール601mL/イオン交換水601mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン251mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水493mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水493mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約493mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール150mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン150mlに溶かした後、これをメタノール約600mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物67と呼ぶ)の収量は2.8gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=7.3x104、Mw=2.2x105であった。
実施例109 (高分子化合物68の合成)
化合物H 12.6gとN、N’−ビス(4-ブロモフェニル)−N、N’−ビス(4−t‐ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン 6.68gと2,2’―ビピリジル11.7gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)1100gを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を20.6gを加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。
反応後、この反応溶液を冷却した後、この溶液に、25%アンモニア水150ml/メタノール500ml/イオン交換水500ml混合溶液をそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した後、このトルエン溶液を、アルミナを充填したカラムを通すことで精製した。次に、このトルエン溶液を、約3%アンモニア水で洗浄し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収、次に、このトルエン溶液を水洗し、静置、分液した後、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を、メタノール中にそそぎ込み、再沈生成した。
次に、生成した沈殿を回収し、この沈殿を減圧乾燥して、重合体8.5gを得た。この重合体を高分子化合物68呼ぶ。得られた高分子化合物68のポリスチレン換算重量平均分子量は、7.7x104であり、数平均分子量は、2.0x104であった。
実施例110
高分子化合物67と高分子化合物68を重量比67:33の割合で混合し、キシレンとビシクロヘキシルを重量比1:1の割合で混合した溶媒に、1.5wt%の濃度となるように溶解させ、溶液を作成した。
実施例111 (高分子化合物69の合成)
化合物H(24.1g)、および2,2’−ビピリジル(11.3g)を脱水したテトラヒドロフラン約1500mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(20.0g)加え、保温しながら3時間反応させた。反応後、室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水約150mL/メタノール約1500mL/イオン交換水約1500mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン約1200mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、5.2%塩酸水約1200mLを加え、3時間攪拌した後に水層を除去した。次に4%アンモニア水約1200mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約1200mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール300mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン600mlに溶かした後、これをメタノール約1200mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた重合体を高分子化合物69と呼ぶ。収量は10.8gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.1x105、Mw=4.0x105であった。
実施例112 (高分子化合物70の合成)
化合物H(4.75g)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(0.309g)および2,2’−ビピリジル(3.523g)を脱水したテトラヒドロフラン211mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。60℃まで昇温後、窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(6.204g)を加え、攪拌しながら3時間反応させた。この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール601mL/イオン交換水601mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。その後、トルエン251mLに溶解させてからろ過を行い、つづいてアルミナカラムを通して精製した。次に5.2%塩酸水493mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。、次に4%アンモニア水493mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約493mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。有機層にメタノール150mlを加え、デカンテーションで析出した沈殿物を捕集し、トルエン150mlに溶かした後、これをメタノール約600mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた共重合体(以後、高分子化合物70と呼ぶ)の収量は3.1gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.3x105、Mw=4.6x105であった。
実施例113 (インク用溶液1)
高分子化合物69と高分子化合物68とを重量比2:1で混合し、キシレンとビシクロヘキシルの重量比1:1の混合溶液に、高分子組成物の濃度が1.2wt%となるように溶解させ、溶液1を製造した。25℃にて、溶液1の粘度を測定したところ、8.5mPa・sであった。
実施例114 (インク用溶液2)
高分子化合物70と高分子化合物68とを重量比4:1で混合し、キシレンとビシクロヘキシルの重量比3:7の混合溶液に、高分子組成物の濃度が1.2wt%となるように溶解させ、溶液2を製造した。室温にて、溶液2の粘度を測定したところ、10.9mPa・sであった。
実施例115 (混合物Wの合成)
化合物W−1 化合物W−2
200mlの二つ口フラスコに化合物H(5.00g、8.35mmol)を量り取り、ジムロート冷却管とセプタムを装着し、系内をアルゴン置換した。脱水ジクロロメタンと酢酸の混合溶媒(1:1)60mlを入れ、臭素(1.60g、10.0mmol)を滴下した。滴下終了後50〜55℃に加温し、臭素(6.24g、40mmol)を滴下しながら7.5時間撹拌した。室温まで冷却後チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させ、クロロホルムで有機層を抽出した。炭酸ナトリウム水溶液で洗浄後し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後得られた固体をシリカゲルカラムで粗精製し、白色の固体を得た(2.1g)。この化合物の1H−NMRスペクトル測定の結果から生成物したトリブロモ体は臭素の置換位置の異なる異性体の混合物であり、異性体比は51:18であることを確認した。この固体をヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、白色固体を0.65gを単離した。
MS (APCI(+)):678
化合物W−1
NMR(CDCl3):δ=0.492(t、6H)、0.78〜1.26(m、24H)、2.00(t、4H)、7.53(s、1H)、7.50(d、1H)、7.75(d、1H)、7.81(s、1H)、8.06(d、1H)、8.51(d、1H)、8.56(s、1H)

化合物W−2
δ=0.49(t、6H)、0.79〜1.26(m、24H)、2.01(t、4H)、7.53(s、1H)、7.57(d、1H)、7.75(d、1H)、7.80(s、1H)、8.06(d、1H)、8.25(d、1H)、8.79(s、1H)
実施例116
(化合物Xの合成)
アルゴンガスで置換した10Lセパラブルフラスコにブロモ安息香酸メチル732g、炭酸カリウム1067g、1-ナフチルボロン酸552gを加え、トルエン4439mlおよび水4528mlを加えて攪拌した。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)35.8gを加えてから昇温し、85〜90℃で2時間攪拌した。35℃まで冷却後分液し、水3900mlで洗浄した。そのトルエン溶液をシリカゲル950gを用いろ過し、トルエン10000mlで洗浄した。そのトルエン溶液を約900gまで濃縮後、ヘキサン950mlを加えた。析出した結晶をろ過し、ヘキサン950mlで洗浄し、減圧乾燥することにより白色固体として得た。上記操作を2回行い化合物X1501gを得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3
δ8.03(1H,d)、7.88(1H,d)、7.85(1H,d)、7.62〜7.56(1H,m)、7.53〜7.30(7H,m)、3.36(3H,s)

(化合物AGの合成)
化合物AG
乾燥させた反応容器を窒素置換し、マグネシウム297g、THF150ml、1−ブロモオクタン105gを加え、内温60℃に調整しながら攪拌し、1−ブロモオクタン1993g/THF10000mlを内温60〜70℃に保ちながら2.5時間で滴下後、70℃で1時間攪拌し、30℃まで冷却することによりGrignard試薬を調製した。窒素置換した別容器に化合物X750gとTHF2300mlを加え撹拌しながら、これにGrignard試薬を20〜25℃で滴下した。滴下終了後23〜25℃で2時間攪拌し、20℃で一昼夜放置した。5℃まで冷却後、1N塩酸18.8mLを10℃以下で滴下し反応を停止させ、トルエンと水で分液、有機層を抽出し、さらに水洗した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒留去し組成生物を得た。上記操作を2回行い組成生物2262gを得た。HPLC測定の結果から、上記組生成物は化合物AGと以下の2種類の不純物(化合物E、AG−1)の混合物(LC面百値でAG=18.5%、E=55.2%、AG−1=18.8%)であった。
化合物E 化合物AG−1
(化合物AG−1の還元反応)
上記混合物1120gをエタノール9400mlに溶解させ、内温を20℃に調整後、テトラヒドロホウ酸ナトリウム24.9gを加えて40℃に昇温し、4時間反応させた。
20〜25まで冷却後、一昼夜攪拌した。その反応マスを水1700mLに注加し、クロロホルム2500mlで抽出し、水1200mlで2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、真空乾燥することにより、化合物AGと化合物Eの混合物(LC面百値でAG=20.6%、E=70.9%)を得た。上記操作を2回行い化合物AGと化合物Eの混合物2190gを得た。
(化合物G、化合物Fの合成)

化合物G

化合物F

反応容器に上記化合物AGと化合物Eの混合物1090gと脱水ジクロロメタン11400mLを入れ、20〜25℃で撹拌しつつ三フッ化ホウ素エーテラート錯体2630mlを1時間で滴下した。滴下終了後、20〜25℃で5時間撹拌後、水19000mLに注加して反応を終了させた。クロロホルム7500mlを加えて抽出し、水14000mlで洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、化合物GとFの混合物(LC面百値でG=29.0%、F=52.6%)を得た。上記操作を2回行い化合物GとFの混合物を2082gを得た。
(化合物Fの再アルキル化反応)
撹拌しつつ氷冷した水3.94kgに水酸化ナトリウム3747gを少しずつ加え、水溶液を調製した。これに上記化合物GとFの混合物1025gを入れ、トルエン4000mLと臭化テトラブチルアンモニウム302gを加えて50℃まで昇温した。1−ブロモオクタン1206gを滴下し、50〜55℃で2時間撹拌後、25℃まで冷却した。トルエン3500mLと水7000mLを加えて有機層を抽出し、水層をトルエン3500mlで2回抽出後、有機層を水3500mlで2回洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去して真空乾燥することにより、化合物Gを得た。上記操作を2回行い化合物Gを2690gを得た。
(混合物H−1の合成)
よく乾燥させた反応容器に化合物G1320g、脱水ジクロロメタン8300ml、酢酸8200mlを入れ、25℃で撹拌した。この溶液に塩化亜鉛816gを入れ、50℃に昇温した。三臭化ベンジルトリメチルアンモニウム2.23kgを加えて50℃で1時間反応させた。室温まで冷却後、水32000mLに反応液を注加後分液し、有機層を抽出し、水層をクロロホルム20000mlで抽出後、有機層を5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液23000mlで洗浄した。その後、水23000ml、5%炭酸カリウム水溶液23000ml、水23000mlで順次洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し組成生物を得た。その組成生物をヘキサン2000mlで再結晶後、減圧乾燥し粗生成物を得た。上記操作を2回行い粗生成物1797g(LC面百値:95%)を得た。その粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製後、ヘキサンで再結晶を2回行い白色固体1224gを得た。LC面百値で化合物Hが99.52%と化合物W−1および化合物W−2が合計で0.15%検出された。これを混合物H−1とする。
実施例117 (高分子化合物71の合成)
混合物H−1(1.98g)、および2,2’−ビピリジル(1.39g)を脱水したテトラヒドロフラン180mlに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.45g)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水12ml/メタノール180ml/イオン交換水180ml混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、高分子化合物71を得た。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=9.4x104、Mw=4.8x105であった。
実施例118 (高分子化合物72の合成)
化合物H(1.98g)および2,2’−ビピリジル(1.39g)を脱水したテトラヒドロフラン180mlに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、60℃でビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(2.45g)加え、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水12ml/メタノール180ml/イオン交換水180ml混合溶液中に滴下して攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、高分子化合物72を得た。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=5.9x104、Mw=2.1x105であった。
本実施例に用いた化合物HをHPLC分析したところ、LC面百値で化合物Hが99.86%、化合物W−1および化合物W−2が合計で0.06%検出された。
実施例119
化合物H 9.875g、2,2’−ビピリジル 6.958gを脱水したテトラヒドロフラン1188mLに溶解した後、窒素雰囲気下において60℃まで昇温し、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2} 12.253gを加え、3時間反応させた。反応後、この反応液を室温まで冷却し、25%アンモニア水59ml/メタノール1188ml/イオン交換水1188ml混合溶液中に滴下して30分攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した、つづいて同様に合成したもの(但し、スケールは1.09倍)2バッチと混合し、トルエン1575mlに溶解させた。溶解後、ラヂオライト(昭和科学工業株式会社製)6.30gを加えて30分攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液をアルミナカラムを通して精製を行った。次に5.2%塩酸水3098mLを加え3時間攪拌した後に水層を除去した。つづいて4%アンモニア水3098mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約3098mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。その後、有機層をメタノール4935mlに注加して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して減圧乾燥した。得られた重合体(以後、高分子化合物73と呼ぶ)の収量は15.460gであった。また、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=7.8x104、Mw=4.1x105であった。
<2連子ピークの帰属>
NMRスペクトルの測定により、式(N1)および(N2)にそれぞれHB1とCB1およびHB2とCB2で示したプロトンおよび炭素13のNMRピークに、配列および結合様式による分裂が観測された。2次元NMR法による解析により、
2連子

(N1)

の式中にHB1で示されるプロトンとCB1で示される炭素13の相関NMRピークが7.37ppm(1H軸)、125.3ppm(13C軸)の交点に観測され、
2連子

(N2)

の式中にHB2で示されるプロトンとCB2で示される炭素13の相関NMRピークが7.54ppm(1H軸)、125.3ppm(13C軸)の交点に観測された。
プロトンNMRスペクトルにおけるHB1のピークとHB2のピークの積分値より、式(N1)で表される構造と式(N2)で表される構造の比を求めたところ、数比で26:74であった。一方、1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)において、プロトンHB1と炭素CB1の相関ピークの積分強度とプロトンHB2と炭素CB2の相関ピークの積分強度から式(N1)で表される構造と式(N2)で表される構造の比を求めたところ、プロトンNMRスペクトルで求めた結果と同様に数比で26:74であった。ナフタレン環−ナフタレン環連鎖は、高分子化合物73中のナフタレン環を含む全連鎖に対して0.26であった。
実施例120
化合物H(5.0g)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(2.6g)および2,2’−ビピリジル(4.5g)を脱水したテトラヒドロフラン700mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液を60℃まで昇温し、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(7.9g)加え、保温しながら3時間反応させた。反応後、室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水30mL/メタノール約300mL/イオン交換水約300mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、その後、トルエン350mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をアルミナカラムを通して精製し、4%アンモニア水約350mLを加え、2時間攪拌した後に水層を除去した。さらに有機層にイオン交換水約350mLを加え1時間攪拌した後、水層を除去した。
有機層をメタノール700mlに滴下し、1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥した。得られた重合体を高分子化合物74と呼ぶ。収量は4.7gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.4x104、Mw=5.4x105であった。
<2連子ピークの帰属>
NMRスペクトルの測定により、式(N1)、(N2)、および(N3)にそれぞれHB1とCB1、HB2とCB2、およびHB3とCB3で示したプロトンおよび炭素13のNMRピークに配列および結合様式による分裂が観測された。2次元NMR法による解析により、
2連子
(N1)
の式中にHB1で示されるプロトンとCB1で示される炭素13の相関NMRピークが7.37ppm(1H軸)、125.3ppm(13C軸)の交点に観測され、
2連子
(N2)
の式中にHB2で示されるプロトンとCB2で示される炭素13の相関NMRピークと、2連子
(N3)

の式中にHB3で示されるプロトンとCB3で示される炭素13の相関NMRピークがともに7.50ppm(1H軸)、125.0ppm(13C軸)の交点に観測された。
1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)において、プロトンHB1と炭素CB1の相関ピークの積分強度と、プロトンHB2と炭素CB2およびプロトンHB3と炭素CB3の相関ピークの積分強度から、式(N1)で表される構造と式(N2)および式(N3)で表される構造の合計との比を求めたところ、数比で15:85であった。ナフタレン環−ナフタレン環連鎖は、高分子化合物74中のナフタレン環を含む全連鎖に対して0.15であった。
実施例121
前記、高分子化合物33のNMRスペクトルを上記に示した方法で測定した。
<2連子ピークの帰属>
NMRスペクトルの測定により、式(N1)、(N2)、および(N3)にそれぞれHB1とCB1、HB2とCB2、およびHB3とCB3で示したプロトンおよび炭素13のNMRピークに配列および結合様式による分裂が観測された。2次元NMR法による解析により、
2連子
(N1)
の式中にHB1で示されるプロトンとCB1で示される炭素13の相関NMRピークが7.37ppm(1H軸)、125.3ppm(13C軸)の交点に観測され、
2連子
(N2)
の式中にHB2で示されるプロトンとCB2で示される炭素13の相関NMRピークと、2連子
(N3)

の式中にHB3で示されるプロトンとCB3で示される炭素13の相関NMRピークがともに7.50ppm(1H軸)、125.0ppm(13C軸)の交点に観測された。
1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)において、プロトンHB1と炭素CB1の相関ピークの積分強度、プロトンHB2と炭素CB2およびプロトンHB3と炭素CB3の相関ピークの積分強度から、式(N1)で表される構造と式(N2)および式(N3)で表される構造の合計との比を求めたところ、数比で17:83であった。ナフタレン環−ナフタレン環連鎖は、高分子化合物33中のナフタレン環を含む全連鎖に対してに対して0.17であった。
実施例122
前記、高分子化合物38のNMRスペクトルを上記に示した方法で測定した。

<2連子ピークの帰属>
NMRスペクトルの測定により、式(N1)、(N2)、および(N4)にそれぞれHB1とCB1、HB2とCB2、およびHB4とCB4で示したプロトンおよび炭素13のNMRピークに配列および結合様式による分裂が観測された。2次元NMR法による解析により、
2連子
(N1)
の式中にHB1で示されるプロトンとCB1で示される炭素13の相関NMRピークが7.37ppm(1H軸)、125.3ppm(13C軸)の交点に観測され、
2連子
(N2)
の式中にHB2で示されるプロトンとCB2で示される炭素13の相関NMRピークと、2連子

(N4)

の式中にHB4で示されるプロトンとCB4で示される炭素13の相関NMRピークがともに7.51ppm(1H軸)、125.2ppm(13C軸)の交点に観測された。
1H検出1H−13C二次元相関スペクトル(HMQCスペクトル)において、プロトンHB1と炭素CB1の相関ピークの積分強度、プロトンHB2と炭素CB2およびプロトンHB4と炭素CB4の相関ピークの積分強度から、式(N1)で表される構造と式(N2)および式(N4)で表される構造の合計との比を求めたところ、数比で14:86であった。ナフタレン環−ナフタレン環連鎖は、高分子化合物38中のナフタレン環を含む全連鎖に対してに対して0.14であった。
実施例125
<高分子電界効果トランジスタの作成および物性の評価>
高濃度にドープされた(比抵抗0.1Ωcm以下)n−型シリコン基板をゲート電極とし、その上にシリコン酸化膜を熱酸化により200nmの厚みで形成しゲート絶縁膜として用いた。この酸化膜付きシリコン基板を弱アルカリ性の洗剤で超音波洗浄10分行った後、超純水の流水で5分間リンスし、さらに超純水で超音波洗浄10分間、アセトンで超音波洗浄10分間行った。アセトンから引き上げ乾燥した基板の表面をオゾンUV処理した後、グローブボックス中でパーフルオロオクチルトリクロロシラン8mMのオクタン溶液に16時間浸漬してシリコン酸化膜表面に単分子膜を形成した。実施例44で合成した高分子化合物34をトルエンに1.0wt%の濃度で溶解し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過して塗布液とした。この塗布液を用いて、大気中でスピンコート法により上記単分子膜を形成した酸化膜付きシリコン基板上に53nmの厚みで高分子活性層を形成した。この高分子活性層の上に真空蒸着法により、白金を0.5nm、その上に金を40nm蒸着し、ソース電極およびドレイン電極を形成し、高分子電界効果トランジスタを作成した(図5)。このときの電極のチャネル幅は2000μm、チャネル長は20μmであった。
作成した高分子電界効果トランジスタに、窒素雰囲気中でゲート電圧VGを0〜−80V、ソース−ドレイン間電圧VDSを0〜−80Vに変化させて、トランジスタ特性を測定したところ良好なID−VDS特性(図6)が得られ、VG=−80V、VDS=−60Vにおいて、ドレイン電流−70nAが流れた。またID−VGS特性から得られた電界効果移動度は1.7×10-4であり、しきい値電圧−40V、電流のオン・オフ比は1×103であった。

Claims (11)

  1. 下記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を含有する有機半導体薄膜を有することを特徴とする有機トランジスタ。


    〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環およびB環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環および/またはB環上に存在し、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RwとRxは互いに結合して環を形成していてもよい。〕
  2. 陽極および陰極からなる電極間に、有機層を有し、該有機層が下記式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を含むことを特徴とする高分子発光素子。


    〔式中、A環およびB環はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環を表すが、A環およびB環の少なくとも1つが、複数個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素環であり、2つの結合手はそれぞれA環および/またはB環上に存在し、RwおよびRxはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表し、RwとRxは互いに結合して環を形成していてもよい。〕
  3. 有機層が発光層であることを特徴とする請求項2記載の高分子発光素子。
  4. 発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料または発光材料を含むことを特徴とする請求項3記載の高分子発光素子。
  5. 陽極および陰極からなる電極間に、発光層と電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を含むことを特徴とする請求項2記載の高分子発光素子。
  6. 陽極および陰極からなる電極間に、発光層と電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層と電極との間に電荷注入層を有し、該電荷注入層が式(1)で示される繰り返し単位を含む高分子化合物を含むことを特徴とする請求項2記載の高分子発光素子。
  7. 陽極と陰極との間に3.5V以上の電圧を印加したときの最大外部量子収率が1%以上であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の高分子発光素子。
  8. 請求項2〜7のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  9. 請求項2〜7のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  10. 請求項2〜7のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  11. 請求項2〜7のいずれかに記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
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