JP2010021524A - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】直接めっきにより形成され、厚みが薄く、セラミック素体に対する固着力に優れた外部端子電極を有する、小型、高性能で信頼性の高い積層セラミック電子部品を提供する。
【解決手段】積層されたセラミック層50と、内部導体41(42)とを備えたセラミック素体10の、第1および第2の側面21,22に配設された、外部端子電極1,2が、直接めっきにより形成され、内部導体の露出部41c,42cを被覆するように配設された下地めっき膜1aを含み、かつ、セラミック素体の側面への内部導体の露出部の幅方向の端部51a,51b,52a,52bと隣接するようにして、セラミック素体の側面上に空隙部61a,61b,62a,62bが開口しており、下地めっき膜1a,2aを構成するめっき金属がこれらの空隙部の内部に進入し、セラミック素体内部において内部導体と電気的に接続された構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、積層セラミック電子部品およびその製造方法に関し、詳しくは、内部導体と接続する外部端子電極が、セラミック素体の表面に、直接にめっきにより形成された積層セラミック電子部品およびその製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、デジタルオーディオ機器等の小型携帯電子機器の市場が拡大している。これらの携帯電子機器では、小型化が進んでいる一方で、高性能化も同時に進んでいる。これらの携帯電子機器には多数の積層セラミック電子部品が搭載されているが、これらの積層セラミック電子部品についても、小型化、高性能化が要求されており、例えば、積層セラミックコンデンサにおいては、小型・大容量化が要求されている。
積層セラミックコンデンサを小型・大容量化する手段としては、セラミック層を薄層化することが有効であり、最近では、セラミック層の厚みが3μm以下のコンデンサが実用化されている。そして、現在、さらなる薄層化が指向されているが、セラミック層を薄層化すればするほど、内部電極間の短絡が生じやすくなるため、品質確保が難しくなるという課題がある。
別の手段としては、内部電極の有効面積を広くすることが有効である。しかし、積層セラミックコンデンサを量産する際には、セラミックグリーンシートの積層ずれ、カットずれを考慮して、内部電極とセラミック素体側面とのサイドマージンや、内部電極とセラミック素体端面とのエンドマージンをある程度確保する必要がある。したがって、内部電極の有効面積を広げようとすると、所定のマージンを確保するために、セラミック層の面積を広くする必要がある。しかし、定められた製品の寸法規格内でセラミック層の面積を広げることには限界があり、また、外部端子電極の厚みがセラミック層の面積を広げることの妨げとなる。
従来、積層セラミックコンデンサの外部端子電極は、セラミック素体端部に導電性ペーストを塗布し、焼き付けることにより形成されてきた。導電性ペーストの塗布方法としては、ペースト槽にセラミック素体端部を浸漬して引き上げる方法が主流であるが、この方法では、導電性ペーストの粘性が影響して、セラミック素体端面中央部に導電性ペーストが厚く付着しやすい。このため、外部端子電極が部分的に厚くなり(具体的には30μmを超える)、その分だけセラミック層の面積を小さくせざるを得なかった。
これを受けて、外部端子電極を直接めっきにより形成する方法が提案されている。
この方法によれば、セラミック素体端面における内部電極の露出部を核としてめっき膜が析出し、めっき膜が成長することにより、隣り合う内部電極の露出部どうしが接続される。この方法によれば、従来の導電性ペーストによる方法に比べて、薄くフラットな電極膜を形成することが可能になる(特許文献1参照)。
国際公開第2007/049456号パンフレット
しかし、直接めっきにより外部端子電極を形成する方法の場合、従来の導電性ペーストを塗布して焼き付ける方法の場合に得られるようなガラスの接着剤効果による、外部端子電極のセラミック素体への強固な固着力を得ることができないため、めっき膜からなる外部端子電極のセラミック素体に対する固着力が不十分になりやすく、信頼性が低いという問題点がある。
本発明では、薄く、かつ、セラミック素体に対する固着力に優れた外部端子電極を有する、小型、高性能の積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであり、薄く、かつ、セラミック素体に対する固着力に優れた外部端子電極を有する、小型、高性能の積層セラミック電子部品および該積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の積層セラミック電子部品は、
複数のセラミック層が積層されてなり、互いに対向する第1の主面および第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面を接続する複数の側面と、を有するセラミック素体と、
前記セラミック素体内部に形成され、かつ、少なくとも1つの前記側面に所定の幅を有する露出部を有する内部導体と、
少なくとも1つの前記側面上に形成され、かつ、前記内部導体と電気的に接続された外部端子電極と、
を備え、
前記外部端子電極は、前記内部導体の前記露出部を被覆するようにして、少なくとも1つの前記側面上に直接めっきにより形成された下地めっき膜を含み、
前記内部導体と前記セラミック層とが接する周縁部において不連続状の空隙部が形成され、前記空隙部の一部は、前記セラミック素体の側面上に開口しており、
前記セラミック素体の側面上に開口した前記空隙部内部に前記下地めっき膜を構成するめっき金属が進入し、前記セラミック素体内部において前記内部導体と電気的に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、
複数のセラミック層が積層されてなるセラミック素体と、前記セラミック素体内部に形成され、かつ、一部が前記セラミック素体の側面に露出した露出部を有する内部導体と、
前記セラミック素体の側面に、前記内部導体と導通し、かつ、前記内部導体の前記露出部を被覆するように形成された外部端子電極とを備えた積層セラミック電子部品の製造方法において、
前記セラミック層を介して互いに対向するように配設された前記複数の内部導体を有するとともに、前記内部導体と前記セラミック層とが接する周縁部において形成された不連続状の空隙部を有し、前記空隙部の一部が前記セラミック素体の側面上に開口しているセラミック素体を形成する工程と、
前記セラミック素体に前記外部端子電極を形成する工程において、前記セラミック素体の前記側面に、前記内部導体の前記露出部を被覆するとともに、前記セラミック素体の側面上に開口した前記空隙部内部に進入し、前記セラミック素体内部において前記内部導体と電気的に接続するように、下地めっき膜を直接めっきにより形成する工程と
を備えていることを特徴としている。
また、前記セラミック素体を形成する工程において、未焼成セラミック素体を焼成する際に前記空隙部が形成されるようにしたことを特徴としている。
本発明の積層セラミック電子部品は、外部端子電極が、内部導体の露出部を被覆するようにして、少なくとも1つの側面上に直接めっきにより形成された下地めっき膜を含み、下地めっき膜を構成するめっき金属が、内部導体の露出部の幅方向の一方端部と隣接するようにしてセラミック素体の側面上に開口した空隙部内部に進入し、セラミック素体内部において内部導体と電気的に接続された構成としているので、薄く、かつ、セラミック素体に対する固着力に優れた外部端子電極を有する、小型、高性能の積層セラミック電子部品を提供することが可能になる。
また、空隙部は不連続状に形成されているため、めっき金属は必要以上に電子部品本体内部に進入しない。めっき金属はめっき液の進入に伴い析出するが、めっき液が必要以上に電子部品本体内部に進入しないことから、積層セラミック電子部品の信頼性が向上する。
また、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、セラミック層を介して互いに対向するように配設された複数の内部導体を有し、その一部がセラミック素体の所定の側面に露出し、内部導体の露出部の幅方向における少なくとも一方端部と隣接するようにして、セラミック素体の側面上に空隙部が開口した構造を有するセラミック素体を形成し、このセラミック素体に外部端子電極を形成する工程において、セラミック素体の側面に、内部導体の露出部を被覆するとともに、セラミック素体の側面上に開口した空隙部内部に進入し、セラミック素体内部において内部導体と電気的に接続するように、下地めっき膜を直接めっきにより形成するようにしているので、めっき膜から形成された、厚みが薄く、かつ、セラミック素体に対する固着力に優れた外部端子電極を備えた、小型、高性能の積層セラミック電子部品を効率よく製造することができる。
また、セラミック素体を形成する工程において、未焼成セラミック素体を焼成する際に空隙部が形成されるようにした場合、別途特別の工程を設けることなく空隙部を形成することが可能になり、特に有意義である。
本発明の実施形態1にかかる積層セラミック電子部品の外観構成を示す斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の実施形態1にかかる積層セラミックコンデンサの要部構成を拡大して示す図である。 図1の模式分解平面図であって、本発明の実施形態1にかかる積層セラミックコンデンサの内部電極パターンを説明する図である。 本発明の実施形態1において形成した、外部端子電極を設ける前のセラミック素体の第1の側面を示すとともに、第1の内部導体の一方端部を拡大して示す図である。 本発明の実施形態1において形成した、外部端子電極を設ける前のセラミック素体の、第1の内部導体の、幅方向の両端部に形成された空隙の状態を模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態2にかかる積層セラミック電子部品の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態3にかかるアレイタイプの積層セラミックコンデンサ(コンデンサアレイ)の外観構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態3にかかるアレイタイプの積層セラミックコンデンサの、複数の内部電極の配設パターンを説明する図である。 本発明の実施形態4にかかる、多端子タイプの低ESL型積層セラミックコンデンサを示す図である。
以下に本発明の実施の形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
図1は、本実施形態に係る積層セラミック電子部品を示す斜視図である。図2は、図1のA−A線断面図である。図3は、図2の部分拡大図であり第1の外部端子電極の膜構造を示している。図4は、図1の模式分解平面図である。
図1および図2に示すように、この積層セラミック電子部品は、互いに対向する第1の主面11および第2の主面12と、それらを接続する第1の側面21,第2の側面22,第3の側面31,第4の側面32を有する直方体形状のセラミック素体10を備えており、セラミック素体10は、積層された複数のセラミック層50を備えている。
第1の側面21および第2の側面22は互いに対向し、第3の側面31および第4の側面32は互いに対向している。
また、第1の側面21には第1の外部端子電極1が形成され、第2の側面22には第2の外部端子電極2が形成されている。第1の外部端子電極1および第2の外部端子電極2は、電気的に絶縁されている。
また、第1の主面11および第2の主面12上には、第1の表面導体13および第2の表面導体14が形成されており、第1の表面導体13は第1の外部端子電極1の折返し部分を補助し、第2の表面導体14は第2の外部端子電極2の折返し部分を補助する。第1,第2の表面導体13,14は、第1,第2の側面21,22にも形成され得る。第1,第2の外部端子電極1,2の折返し部分を長くする必要がない場合は、第1,第2の表面導体13,14が形成される必要はない。
セラミック素体10の内部には、第1の内部導体41および第2の内部導体42が配置されている。第1の内部導体41は第1の側面21まで引出され第1の外部端子電極1と電気的に接続されている。第2の内部導体42は第2の側面22まで引出され第2の外部端子電極2と電気的に接続されている。
図3に示すように、第1の外部端子電極1は、下地めっき膜1aと上層めっき膜5とを有している。下地めっき膜1aは、各第1の内部導体41の露出部41cを被覆するように、第1の側面21上に直接めっきにより形成されている。
また、上層めっき膜5は、下地めっき膜1aを被覆するようにして形成された第1上層めっき膜5aと、第1上層めっき膜5aを被覆するようにして形成された第2上層めっき膜5bとを有している。図示しないが、第2の外部端子電極2も同じ膜構造を有している。
図4に示すように、第1の内部導体41は、第1の有効部41aと、第1の有効部41aから第1の側面21まで引出された第1の引出し部41bとを備えている。また、第2の内部導体42は、第2の有効部42aと、第2の有効部42aから第2の側面22まで引出された第2の引出し部42bとを備えている。そして、第1の有効部41aと第2の有効部42aとがセラミック層50を挟んで対向する部分において、所定の電気的特性が発現される。
そして、この実施形態1の積層セラミック電子部品においては、第1の内部導体41の露出部41cの幅方向における一方端部51aと隣接するようにして第1の側面21上に空隙部61a(図5,図6参照)が開口し、幅方向における他方端部51bと隣接するようにして第1の側面21上に空隙部61b(図5,図6参照)が開口し、下地めっき膜1aを構成するめっき金属が空隙部61a,61bの内部にそれぞれ進入し、セラミック素体10の内部において第1の内部導体41と電気的に接続されている。
なお、上記露出部の空隙部61a,61bよりも奥側(内部側)の、内部導体の周縁部とセラミック層との境界部にも空隙部(奥側空隙部)71が形成されているが、空隙部71と上記露出部の空隙部61a,61bとは連通しておらず、また、空隙部71自体も不連続状の空隙部となっている。
したがって、空隙部(奥側空隙部)71には、めっき金属は進入していない。
また、図4に示すように、第2の内部導体42についても同様で、第2の内部導体42の露出部42cの幅方向における一方端部52aと隣接するようにして第2の側面22上に空隙部62aが開口し、幅方向における他方端部52bと隣接するようにして第2の側面22上に空隙部62bが開口し、下地めっき膜2aを構成するめっき金属が第2の側面22上の空隙部62a,62bの内部にそれぞれ進入し、セラミック素体10の内部において第2の内部導体42と電気的に接続されている。
なお、第2の内部導体42についても第1の内部導体41の場合と同様で、上記露出部の空隙部62a,62bよりも奥側(内部側)の、内部導体の周縁部とセラミック層との境界部にも空隙部(奥側空隙部)72が形成されているが、空隙部72と上記露出部の空隙部62a,62bとは連通しておらず、また、空隙部72自体も不連続状の空隙部となっている。
したがって、空隙部(奥側空隙部)72には、めっき金属は進入していない。
図5は、第1の外部端子電極を形成する前の第1の側面21を示し、第1の内部導体41の露出部41cの幅方向の一方端部51aの近傍を拡大して示している。また、図6は、第1の内部導体41の露出部41cの幅方向の両端側に空隙部61a,61bが形成され、さらにその奥側にも空隙部(奥側空隙部)71が形成された状態を模式的に示している。
なお、図4からも分かるように、第2の内部導体42についても同様に構成されている。
このように、内部導体の幅方向における端部(一方端部および他方端部)と隣接するようにして開口した空隙部の内部に下地めっき膜のめっき金属が進入することによりアンカー効果が発揮される。そして、このアンカー効果により、内部導体と外部端子電極との固着力、接続信頼性が向上する。なお、このアンカー効果は、例えば、導電性ペーストを空隙部に充填するような場合に比べて高い。なぜなら、導電性ペーストはその粘度のため空隙部内部に進入しにくいが、めっき液は粘度が低く空隙部内部に進入しやすいため、めっき金属が空隙部内部にまで十分に析出することによる。
一方、空隙部は、上述のように、不連続状に形成されており、めっき液が必要以上にセラミック素体の奥深くにまで進入しないため、製品の信頼性が損なわれるようなことはない。
露出部の空隙部61a,61bおよび62a,62bの幅(内部導体の露出部の幅方向に沿った寸法)は1〜30μmであることが好ましく、高さ(セラミック層の積層方向に沿った寸法)は0.5〜10μmであることが好ましい。
空隙部が小さすぎると上記アンカー効果が十分に得られない場合があり、また、空隙部が大きすぎるとめっき金属で空隙部を十分に充填することが難しくなり、耐湿性が低下する場合がある。
この実施形態では、1つの内部導体の露出部の両端にそれぞれ空隙部が形成されている場合を示したが、空隙部が内部導体の露出部の一方の端部にのみ形成されていてもよい。その場合にも、アンカー効果による内部導体と外部端子電極との固着力向上の効果を得ることができる。
なお、製造工程の条件などによっては、空隙部は必ずしも内部導体の露出部の両端に形成されるとは限らず、内部導体の露出部の一方端部のみに形成される場合がある。
また、内部導体が複数ある場合、一部の内部導体についてはいずれの端部にも空隙部が形成されていない場合があってもよい。両端部またはその一方に空隙部が形成された内部導体において、上述のアンカー効果が得られ、それによる内部導体と外部端子電極との固着力向上の効果が得られるからである。
以下、各構成の詳細について説明する。
<セラミック層>
セラミック層としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの主成分からなる誘電体セラミックを用いることができる。また、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。そのほか、PZT系セラミックなどの圧電体セラミック、スピネル系セラミックなどの半導体セラミックなどを用いることもできる。誘電体セラミックを用いた場合は積層コンデンサとして機能し、圧電体セラミックを用いた場合は圧電部品として機能する。また、半導体セラミックを用いた場合はサーミスタとして機能する。
セラミック層の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましい。この厚みは、焼成によりセラミック層が形成される場合は、焼成後の厚みを指す。
<内部導体>
内部導体の構成材料としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Au、またはそれらの合金などを用いることができる。
内部導体の厚みは0.1〜2.0μmであることが好ましい。この厚みは、焼成により内部導体が形成される場合は、焼成後の厚みを指す。
<外部端子電極>
下地めっき膜および上層めっき膜は、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、BiおよびZnからなる群から選ばれる1種の金属または当該金属を含む合金のめっきからなることが好ましい。
例えば、内部導体としてNiを用いた場合、下地めっき膜としては、Niと接合性のよいCuを用いることが好ましい。また、上層めっき膜第2層としては、はんだ濡れ性のよいSnやAuを用いることが好ましく、第1層としては、はんだバリア性能を有するNiを用いることが好ましい。
上層めっき膜は必要に応じて形成されるものであり、外部端子電極は、下地めっき膜1層から構成されたものであってもよい。
各めっき膜1層あたりの厚みは、1〜15μmであることが好ましい。
次に、上記積層セラミック電子部品の製造方法の一例について説明する。
(1)セラミック層用のセラミックグリーンシート、内部導体用の導電性ペーストを準備する。セラミックグリーンシートや導電性ペーストにはバインダ、溶剤などが含まれるが、これらとしては、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
また、この工程において採用することが可能な、上記空隙部を形成するための手段の一つとして、例えば、内部導体用導電性ペーストに含まれる可塑剤の量を少なくすることが挙げられる。
(2)それから、上述のセラミックグリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷などにより所定のパターンで導電性ペーストを印刷し、内部導体パターンを形成する。
この工程において採用することが可能な、上記空隙部を形成するための手段の一つとして、例えば、内部導体パターンの露出部の一方端部や他方端部の近傍にセルロース系の樹脂を含むペーストを塗布しておき、焼成時にセルロース系の樹脂を飛散させる方法が挙げられる。
(3)内部導体パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上下に内部導体パターンが印刷されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、生のマザー積層体を作製する。マザー積層体は、必要に応じて、静水圧プレスなどの手段により積層方向に圧着される。なお、セラミックグリーンシートの具体的な積層順序などに特別の制約はない。
この工程において採用することが可能な、上記空隙部を形成するための手段の一つとして、例えば、圧着時に金型とマザー積層体の間に薄膜フィルムを挟む方法が挙げられる。圧着力を制御することにより、上記空隙部を形成することができる。なお、薄膜フィルムとしては、PP(ポリプロピレン)フィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどを用いることが可能である。
(4)生のマザー積層体を所定のサイズにカットし、生チップを切り出す。
この工程において採用することが可能な、上記空隙部を形成するための手段の一つとして、例えば、内部導体の露出部の一方端部や他方端部にレーザー加工を施す方法が挙げられる。
(5)それから、生チップを焼成する。焼成温度は、セラミックグリーンシートや内部電極用の導電ペーストの材料にもよるが、900〜1300℃であることが好ましい。
この工程において採用することが可能な、上記空隙部を形成するための手段の一つとして、例えば、低酸素分圧の雰囲気における焼成時間を長く設定することにより内部導体を大きく収縮させる方法が挙げられる。
より具体的には、トップ温度に到達する前の焼成前半の保持温度を650〜800℃、保持時間を1〜2hrとし、保持後すぐに、H2/N2混合ガスを投入し、酸素分圧を10-8〜10-12MPaとすることにより内部導体の露出部の幅方向における端部に空隙部を形成することができる。
(6)それから、必要に応じて、バレル研磨などの方法により、チップ(セラミック素体)の稜部や角部に丸みを付けた後、めっき処理を施し、内部導体の露出部上に下地めっき膜を形成する。
めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。
なお、第1,第2の表面導体13,14(図2参照)を形成する場合は、あらかじめ最外層のセラミックグリーンシート上に表面導体パターンを印刷して、セラミック素体と同時焼成してもよく、また、焼成後のセラミック素体の主面上に表面導体を印刷してから焼き付けてもよい。
(7)それから、必要に応じて、下地めっき膜上に1層以上の上層めっき膜を形成する。
これにより、図1〜4に示すような構造を有する積層セラミック電子部品を得ることができる。
[実施形態2]
図7は本発明の実施形態2にかかる積層セラミック電子部品を示す図である。この実施形態2の積層セラミック電子部品は、セラミック素体10が、第1の側面21に露出部を有する第1のダミー内部導体D1と、第2の側面に露出部を有する第2のダミー内部導体D2と、をさらに備えていることを除いて、上記実施形態1の積層セラミックコンデンサと実質的に同様に構成されている。図7において、図2、図4と同一符号を付した部分は同一部分または相当する部分を示している。
第1、第2のダミー内部導体D1,D2は、いずれも電気的特性の発現に寄与しない電極である。
第1のダミー内部導体D1は、第2の有効内部導体42と同一平面上に形成されているとともに、第1、第2の有効内部導体が存在しない外層部にも配置されている。なお、外層部では、第1、第2のダミー内部導体D1,D2は、同一平面上に配置されている。図7において、図2と同一符号を付した部分は同一部分または相当する部分を示している。
また、図7に示すように、第1の側面21上において、第1の有効内部導体41の露出部41cと、第1のダミー内部導体D1の露出部D1aとはセラミック層50の積層方向に沿って交互に配列されている。また、第2の側面22上においても、同様に、第2の有効内部導体42の露出部42cと、第2のダミー内部導体D2の露出部D2aとはセラミック層50の積層方向に沿って交互に配列されている。ただし、外層部ではダミー内部導体D1,D2が連続して配設されている。
この実施形態2のように、ダミー内部導体を設けることにより、ダミー内部導体の露出部の幅方向(セラミック層の積層方向)の一方端部や他方端部にも空隙部が形成され得るので、この部分におけるアンカー効果も期待することができる。
また、側面上における内部導体の露出部どうしの間隔を短くすることができるため、下地めっき膜のめっき成長を促進することができる。
なお、ダミー内部電極の配設態様に特別の制約はなく、例えば、外層部へのダミー内部電極を省略することも可能である。
[実施形態3]
図8は、本発明の実施形態3にかかるアレイタイプの積層セラミック電子部品(コンデンサアレイ)を示す図、図9は内部導体の配設パターンを説明する図である。この実施形態3のアレイタイプの積層セラミック電子部品は、互いに対向する第1および第2の主面11,12と、互いに対向する第1および第2の側面21,22と、互いに対向する第3および第4の側面31,32と、を有する直方体形状のコンデンサアレイ本体(セラミック素体)10Aを備えている。
そして、コンデンサアレイ本体10Aの第1の側面21には複数の第1の外部端子電極101が形成され、第2の側面22には複数の第2の外部端子電極102が形成されている。なお、第1の外部端子電極101と第2の外部端子電極102とは、電気的に絶縁されている。
また、コンデンサアレイ本体10Aの内部には、図9に示すように、セラミック層(誘電体層)50を介して互いに対向するように、複数の第1の有効内部導体141a,141b,141c,141d、および、複数の第2の有効内部導体142a,142b,142c,142dが配置されている。すなわち、第1の有効内部導体141a,141b,141c,141d、および、第2の有効内部導体142a,142b,142c,142dは、同一平面についてみると、コンデンサアレイ本体10Aの長手方向に沿って交互に形成されており、積層方向についてみると、第1の有効内部導体(141a〜141d)と第2の有効内部導体(142a〜142d)がセラミック層50を介して対向するように配設されている。そして、図9に示すように、各第1の有効内部導体141a,141b,141c,141dは第1の側面21まで引出されて、第1の外部端子電極101と電気的に接続され、各第2の有効内部導体142a,142b,142c,142dは第2の側面22まで引出され第2の外部端子電極102と電気的に接続されている。
この実施形態3のアレイタイプの積層セラミックコンデンサにおいては、各第1の有効内部導体141と各第2の有効内部導体142とがセラミック層50を挟んで対向することにより形成される4つのコンデンサ部C1,C2,C3,C4が、コンデンサアレイ本体10Aの長手方向に沿って形成されている。
この実施形態3のような多端子型の積層セラミック電子部品では、外部端子電極が帯状であり、内部導体の露出部の面積が小さいため、実施形態1のような2端子の積層セラミック電子部品に比べて、内部導体と外部端子電極との固着力が不十分になりやすいが、このような多端子型の積層セラミック電子部品において本発明を適用することにより、内部導体の露出部の、幅方向の端部に形成される空隙部の内部に下地めっき膜を構成するめっき金属が進入することによるアンカー効果により、内部導体と外部端子電極の固着力を向上させることが可能になり、特に有意義である。
[実施形態4]
図10は本発明の実施形態4にかかる、多端子タイプの、低ESL型積層セラミックコンデンサの内部導体パターンを示す図である。
この実施形態4の積層セラミックコンデンサにおいて、第1の有効内部導体41は複数(この実施形態4では4個)の引出し部241a,241b,241c,241dを有し、第2の有効内部導体42も複数(この実施形態6では4個)の引出し部242a,242b,242c,242dを有している。
なお、第1の側面21、第2の側面22それぞれにおいて、第1の有効内部導体41の引出し部241a,241b,241c,241dと第2の有効内部導体42の引出し部242a,242b,242c,242dは、図10に示すように、互いに噛み合うような態様、すなわち、平面的にみると、
(a)第1の有効内部導体41の一つの引出し部241bが、第2の有効内部導体42の引出し部242a,242bの間に位置し、
(b)第1の有効内部導体41の他の一つの引出し部241cが、第2の有効内部導体42の引出し部242c,242dの間に位置し、
(c)第2の有効内部導体42の一つの引出し部242aが、第1の有効内部導体41の引出し部241a,241bの間に位置し、
(d)第2の有効内部導体42の他の一つの引出し部242dが、第1の有効内部導体41の引出し部241c,241dの間に位置する
ような態様で配置されている。
この積層セラミックコンデンサにおいても、外部端子電極はコンデンサ本体の側面に露出した、第1および第2の有効内部導体の引出し部(露出部)を覆うように形成されることになる。
この実施形態4のような多端子型の積層セラミック電子部品(低ESL型積層セラミックコンデンサ)の場合にも、本発明を適用することにより、内部導体の露出部の、幅方向の端部に形成される空隙部の内部に下地めっき膜を構成するめっき金属が進入することによるアンカー効果により、内部導体と外部端子電極との固着力の大きい、信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることが可能になる。
<本発明の要件を備えた積層セラミック電子部品(実施例の試料)の作製>
(1)まず、セラミック原料粉末に有機バインダを10重量%添加し、トルエンとエタノールの混合有機溶剤を50重量%、可塑剤を5重量%加え、メディア式分散機を用いて十分混合し、誘電体原料スラリーを作製した。
そして、この誘電体原料スラリーを、グラビアコーターによってポリエステルフィルム上に塗布し、厚さ5μmのセラミックグリーンシートを形成した。
(2)次に、Ni粉末10gとエチルセルロースを、ブチルカルビトールに分散、溶解させ、Niペーストを作製した。そして、このNiペーストを用いて上記セラミックグリーンシート上に内部電極パターンを印刷し、乾燥した。
(3)そして、内部電極パターンを印刷し、乾燥したセラミックグリーンシートを複数枚積層し、その上下に印刷されていないセラミックグリーンシートを積層して積層体を得た。
(4)次に、この積層体を、金型を用い、60℃で厚さ方向に約500MPaの圧力を加えて圧着した後、格子状に裁断し、未焼成の積層チップを得た。
(5)それから、未焼成の積層チップを焼成炉に入れ、650℃まで加熱し、2hr保持して有機バインダを焼成させた。そして、2hr保持の終了後、H2、N2混合ガスを投入し、300℃/hrの速度で1250℃まで加熱、昇温した。そして、1250℃到達後から、H2、N2混合ガスを投入し、10-11MPaの低酸素分圧下で2時間保持した。この後、50℃/hrの速度で700℃まで降温した後、室温まで冷却して焼成体(セラミック素体)を得た。
このセラミック素体の、内部導体の露出部の幅方向の端部を、SEM、2000倍の条件で観察したところ、幅4〜16μm、高さ0.6〜4μmの空隙が形成されていることが確認された。これは、上述のように、650℃で保持した時点で、Niの酸化領域がなくなるとともに、セラミック界面でNiを保持する力が低下し、表面張力によってNiが収縮したことによるものである。
(6)次いで、バレル研磨などの方法により、焼成体の稜部や角部に丸みを付けた後、電解バレルめっきにより、焼成体の端面に直接Cuめっきを行い、下地めっき膜を形成した。その後、同様にNiめっき、Snめっきを施して上層めっき膜を形成し、本発明の実施例1にかかる積層セラミック電子部品(実施例1の試料)を得た。
なお、Cuめっき膜(下地めっき膜)を形成する際のめっき条件は下記の通りである。
めっき浴成分:上村工業社製ピロプライトプロセス
pH :8.6
温度 :55℃
めっき工法 :水平回転バレルめっき
バレル周期 :2.6m/min
スチールボール寸法:直径1.3mm
電流密度×時間:0.3A/dm2×300min
<比較用の積層セラミック電子部品(比較例の試料)の作製>
次に、比較用の積層セラミック電子部品を作製した。
この比較用の積層セラミック電子部品を作製するにあたっては、上記(4)の未焼成の積層チップを得るまでの工程は上記実施例1の場合と同様とした。
そして、上記(5)の焼成工程において、この比較例では、未焼成の積層チップを焼成炉に入れ、850℃まで加熱し、4hr保持して有機バインダを焼成させた。
その後、300℃/hrの速度で1250℃まで加熱、昇温した。そして、1250℃到達後からH2、N2混合ガスを投入し、10-11MPaの低酸素分圧下で2時間保持した。
その後、50℃/hrの速度で700℃まで降温し、室温まで冷却して焼成体(比較用のセラミック素体)を得た。
その後、上記(6)の工程と同様に、バレル研磨などの方法により、焼成体の稜部や角部に丸みを付けた後、電解バレルめっきにより、焼成体の端面に直接Cuめっきを行い、下地めっき膜を形成した。その後、同様にNiめっき、Snめっきを施して上層めっき膜を形成し、比較用の積層セラミック電子部品(比較例の試料)を得た。
<特性の評価>
上述のようにして作製した実施例1の試料と比較用の試料について、外部端子電極のセラミック素体への固着力を測定したところ、比較例の試料の場合、固着力が31.5Nであったのに対して、実施例1の試料の場合、固着力が42.7Nに向上していることが確認された。なお、固着力を測定するにあたっては、各試料をガラスエポキシ基板上にはんだ付けにより実装した後、せん断試験機により、各試料の側面から各試料の端面と平行な方向に0.5mm/secで荷重を加え、Cuめっき膜が焼成体から剥離した時点での荷重を固着力とした。
実施例1の(1)の、誘電体原料スラリーの作製工程において、可塑剤量を5重量%から2重量%へと変更した。
そして、この誘電体原料スラリーを用いて、未焼成の積層チップを作製し、これを上記実施例1の場合と同様の条件で焼成することにより焼成体(セラミック素体)を作製した。
この焼成体の内部導体の露出部の幅方向の端部を、SEM、2000倍の条件で観察したところ、幅9〜33μm、高さ0.8〜10μmの空隙が形成されることが確認された。
その後、上記実施例1の場合と同様の手順で、本発明の実施例2にかかる積層セラミック電子部品(実施例2の試料)を作製した。
この実施例2の試料と、上記実施例1において作製したものと同じ比較用の試料について、外部端子電極のセラミック素体への固着力を測定したところ、比較例の試料の場合、固着力が31.5Nであったのに対して、実施例2の試料の場合、固着力は63.2Nに向上することが確認された。
なお、固着力の測定方法は、上記実施例1の場合と同様とした。
実施例1の(4)の、積層体の圧着工程において、金型と積層体の間に薄膜フィルムを挟み、60℃で厚さ方向に約500MPaの圧力を加えて圧着することにより、未焼成の積層チップを作製した。
なお、薄膜フィルムとしては、50μm厚みのPETフィルムを用いた。
そして、この未焼成の積層チップを上記実施例1の場合と同様の条件で焼成することにより焼成体(セラミック素体)を作製した。焼成体の内部導体の露出部の幅方向の端部を、SEM、2000倍の条件で観察したところ、幅6〜26μm、高さ1〜6μmの空隙が形成されることが確認された。
その後、上記実施例1の場合と同様の手順で、本発明の実施例2にかかる積層セラミック電子部品(実施例3の試料)を作製した。
この実施例3の試料と上記実施例1で作製したものと同じ比較用の試料について、外部端子電極のセラミック素体への固着力を測定したところ、比較例の試料の場合、固着力が31.5Nであったのに対して、実施例3の試料の場合、固着力は49.3Nに向上することが確認された。
なお、固着力の測定方法は、上記実施例1の場合と同様とした。
本発明は、上記実施形態や実施例に限定されるものではなく、内部導体や外部端子電極の構成材料、内部導体の露出部を接続する接続部の形状や形成方法、上記空隙部の形成方法、外部端子電極の形成方法などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本発明によれば、直接めっきにより形成され、厚みが薄く、セラミック素体に対する固着力に優れた外部端子電極を有する、小型、高性能で、信頼性の高い積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
したがって、本発明は、セラミック素体内に内部導体が配設され、この内部導体と導通するように、セラミック素体の表面に直接めっきにより外部端子電極が配設された構造を有する種々の積層セラミック電子部品、例えば、積層セラミックコンデンサ、積層チップインダクタ、積層チップサーミスタなどに広く適用することができる。
1 第1の外部端子電極
1a,2a 下地めっき膜
2 第2の外部端子電極
5 上層めっき膜
5a 上層第1めっき膜
5b 上層第2めっき膜
10 セラミック素体
10A コンデンサアレイ本体(セラミック素体)
11 第1の主面
12 第2の主面
13 第1の表面導体
14 第2の表面導体
21 第1の側面
22 第2の側面
31 第3の側面
32 第4の側面
41 第1の内部導体
42 第2の内部導体
41a 第1の有効部
41b 第1の引出し部
41c 第1の有効内部導体の露出部
42a 第2の有効部
42b 第2の引出し部
42c 第2の有効内部導体の露出部
50 セラミック層
51a 第1の内部導体の露出部の幅方向における一方端部
51b 第1の内部導体の露出部の幅方向における他方端部
52a 第2の内部導体の露出部の幅方向における一方端部
52b 第2の内部導体の露出部の幅方向における他方端部
61a,61b 第1の内部導体の露出部の空隙部
62a,62b 第2の内部導体の露出部の空隙部
71,72 空隙部(奥側空隙部)
101 第1の外部端子電極
102 第2の外部端子電極
141a,141b,141c,141d 第1の有効内部導体
142a,142b,142c,142d 第2の有効内部導体
241a,241b,241c,241d 第1の有効内部導体の引出し部
242a,242b,242c,242d 第2の有効内部導体の引出し部
C1,C2,C3,C4, コンデンサ部
1 第1のダミー内部導体
2 第2のダミー内部導体
1a 第1のダミー内部導体の露出部
2a 第2のダミー内部導体の露出部

Claims (3)

  1. 複数のセラミック層が積層されてなり、互いに対向する第1の主面および第2の主面と、前記第1の主面および前記第2の主面を接続する複数の側面と、を有するセラミック素体と、
    前記セラミック素体内部に形成され、かつ、少なくとも1つの前記側面に所定の幅を有する露出部を有する内部導体と、
    少なくとも1つの前記側面上に形成され、かつ、前記内部導体と電気的に接続された外部端子電極と、
    を備え、
    前記外部端子電極は、前記内部導体の前記露出部を被覆するようにして、少なくとも1つの前記側面上に直接めっきにより形成された下地めっき膜を含み、
    前記内部導体と前記セラミック層とが接する周縁部において不連続状の空隙部が形成され、
    前記空隙部の一部は、前記セラミック素体の側面上に開口しており、
    前記セラミック素体の側面上に開口した前記空隙部内部に前記下地めっき膜を構成するめっき金属が進入し、前記セラミック素体内部において前記内部導体と電気的に接続されていることを特徴とする、積層セラミック電子部品。
  2. 複数のセラミック層が積層されてなるセラミック素体と、前記セラミック素体内部に形成され、かつ、一部が前記セラミック素体の側面に露出した露出部を有する内部導体と、
    前記セラミック素体の側面に、前記内部導体と導通し、かつ、前記内部導体の前記露出部を被覆するように形成された外部端子電極とを備えた積層セラミック電子部品の製造方法において、
    前記セラミック層を介して互いに対向するように配設された前記複数の内部導体を有するとともに、前記内部導体と前記セラミック層とが接する周縁部において形成された不連続状の空隙部を有し、前記空隙部の一部が前記セラミック素体の側面上に開口しているセラミック素体を形成する工程と、
    前記セラミック素体に前記外部端子電極を形成する工程において、前記セラミック素体の前記側面に、前記内部導体の前記露出部を被覆するとともに、前記セラミック素体の側面上に開口した前記空隙部内部に進入し、前記セラミック素体内部において前記内部導体と電気的に接続するように、下地めっき膜を直接めっきにより形成する工程と
    を備えていることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記セラミック素体を形成する工程において、未焼成セラミック素体を焼成する際に前記空隙部が形成されるようにしたことを特徴とする、請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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