JP2009221393A - 光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物並びに光半導体ケース - Google Patents
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Abstract
(B)白色顔料、
(C)無機充填剤(但し、白色顔料を除く)、
(D)縮合触媒、
(E)下記式で示されるカップリング剤
R3 dSi(OR2)e
(R3はメルカプト基、グリシジル基、又はアミノ基を含む有機基、R2はC1-4の有機基、dは1又は2、eは2又は3。)
を含有する白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
(B)成分の白色顔料を組成物全体に対し1〜50質量%含有し、及び白色顔料(B)と無機充填剤(C)とを合計で組成物全体の70〜93質量%含有する光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
【効果】本発明によれば、白色性、耐熱性、耐光性を保持し、均一でかつ黄変が少なく、硬化時の反り量が少ない硬化物を与える光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び該組成物の硬化物からなるLED用等の光半導体ケースを提供することができる。
【選択図】図1
Description
(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)白色顔料 3〜200質量部、
(C)無機充填剤(但し、白色顔料を除く) 400〜1,000質量部、
(D)縮合触媒 0.01〜10質量部、
(E)下記構造式(2)で示されるカップリング剤 0.1〜8質量部
R3 dSi(OR2)e (2)
(式中、R3はメルカプト基、グリシジル基、又はアミノ基を含む炭素数が1〜10の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、dは1又は2、eは2又は3を表す。)
を含有する白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
(B)成分の白色顔料を上記白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体に対し1〜50質量%含有し、及び白色顔料(B)と無機充填剤(C)とを合計で白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体の70〜93質量%含有するシリコーン樹脂組成物が、白色性、耐熱性、耐光性を保持し、均一でかつ黄変が少なく、硬化時の反り量が少ない硬化物を与え、該組成物の硬化物でLED用等の光半導体ケースを形成した光半導体装置が有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
請求項1:
下記成分
(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)白色顔料 3〜200質量部、
(C)無機充填剤(但し、白色顔料を除く) 400〜1,000質量部、
(D)縮合触媒 0.01〜10質量部、
(E)下記構造式(2)で示されるカップリング剤 0.1〜8質量部
R3 dSi(OR2)e (2)
(式中、R3はメルカプト基、グリシジル基、又はアミノ基を含む炭素数が1〜10の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、dは1又は2、eは2又は3を表す。)
を含有する白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
(B)成分の白色顔料を上記白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体に対し1〜50質量%含有し、及び白色顔料(B)と無機充填剤(C)とを合計で白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体の70〜93質量%含有することを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項2:
上記(A)成分の熱硬化性オルガノポリシロキサンが、下記平均組成式(1)
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、0.1≦a≦1.1、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)で表されることを特徴とする請求項1記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項3:
(B)成分の白色顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項4:
ガラス転移温度以上の線膨張係数が10〜40ppmの範囲内である硬化物を与えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項5:
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなり、内部に透明樹脂で封止された光半導体が保持された光半導体ケース。
(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン
本発明に係る(A)成分の熱硬化性オルガノポリシロキサンは、シラノール基含有オルガノポリシロキサンで、下記平均組成式(1)で表されるシリコーンポリマーである。
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
ここで、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、0.1≦a≦1.1、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。
(CH3)nSiX4-n (3)
(式中、Xは塩素等のハロゲン原子又はアルコキシ基、特に炭素数1〜4のアルコキシ基で、nは1又は0である。)
で示されるオルガノシランの加水分解縮合物として得ることができる。
(CH3)0.5Si(OC3H7)0.06(OH)0.11O1.7 (4)
(CH3)1.0Si(OC3H7)0.07(OH)0.13O1.4 (5)
本発明に係る(B)成分の白色顔料は、白色着色剤として、白色度を高めるために配合するものであり、白色顔料としては二酸化チタンを用いることが好ましく、この二酸化チタンの単位格子はルチル型、アナタース型、ブルカイト型のどれでも構わないが、ルチル型が好ましく使用される。また、平均粒径や形状も限定されないが、平均粒径は通常0.05〜5.0μmである。上記二酸化チタンは、樹脂や無機充填剤との相溶性、分散性を高めるため、AlやSiなどの含水酸化物等で予め表面処理することができる。
なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
本発明に係る(C)成分の無機充填剤は、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、溶融球状シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン等が挙げられるが、上記した白色顔料(白色着色剤)は除かれる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は特に限定されないが、平均粒径は通常5〜40μmである。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
本発明に係る(D)成分の硬化触媒は、上記(A)成分の熱硬化性オルガノポリシロキサンを硬化させる縮合触媒である。この縮合触媒は、(A)成分の安定性、被膜の硬度、無黄変性、硬化性などを考慮して選択される。例えば、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、n−ヘキシルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジシアンジアミド等の塩基性化合物類;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラブチレート、コバルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、スズアセチルアセトナート、ジブチルスズオクチレート、ジブチルスズラウレート、オクチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド等の含金属化合物類、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物類が挙げられる。これらの中でも、オクチル酸亜鉛、安息香酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、有機チタンキレート化合物類が好ましく、特に安息香酸亜鉛、有機チタンキレート化合物類が好ましく使用される。
本発明に係る(E)成分のカップリング剤は、下記構造式(2)で示される。
R3 dSi(OR2)e (2)
ここで、R3はメルカプト基、グリシジル基、又はアミノ基を含む炭素数が1〜10の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基であり、上記R1と同様の基を示し、dは1及び2から選ばれる整数、eは2及び3から選ばれる整数を表す。
本発明の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々のウィスカー、シリコーンパウダー、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、脂肪酸エステル、グリセリン酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の内部離型剤等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができる。
(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン
[合成例1]
メチルトリクロロシラン100質量部、トルエン200質量部を1Lのフラスコに入れ、氷冷下で水8質量部、イソプロピルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃で5〜20時間かけて滴下し、その後加熱して還流温度で20分間撹拌した。それから室温まで冷却し、水12質量部を30℃以下、30分間で滴下し、20分間撹拌した。更に水25質量部を滴下後、40〜45℃で60分間撹拌した。その後水200質量部を入れて有機層を分離した。この有機層を中性になるまで洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、下記式(6)で示される無色透明の固体(融点76℃)36.0質量部の熱硬化性オルガノポリシロキサン(A−1)を得た。
(CH3)1.0Si(OC3H7)0.07(OH)0.10O1.4 (6)
メチルトリクロロシラン80質量部、テトラエトキシシラン20質量部、トルエン200質量部を1Lのフラスコに入れ、氷冷下で水8質量部、イソプロピルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃で5〜20時間かけて滴下し、その後加熱して還流温度で20分間撹拌した。それから室温まで冷却し、水12質量部を30℃以下、30分間で滴下し、20分間撹拌した。更に水25質量部を滴下後、40〜45℃で60分間撹拌した。その後水200質量部を入れて有機層を分離した。この有機層を中性になるまで洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、下記式(7)で示される無色透明の固体(融点76℃)36.0質量部の熱硬化性オルガノポリシロキサン(A−2)を得た。
(CH3)0.5Si(OC3H7)0.06(OH)0.15O1.65 (7)
メチルトリクロロシラン20質量部、ジメチルジクロロシラン86.2質量部、トルエン200質量部を1Lのフラスコに入れ、氷冷下で水8質量部、メチルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃で5〜20時間かけて滴下し、その後加熱して還流温度で20分間撹拌した。それから室温まで冷却し、水12質量部を30℃以下、30分間で滴下し、20分間撹拌した。更に水25質量部を滴下後、40〜45℃で60分間撹拌した。その後水200質量部を入れて有機層を分離した。この有機層を中性になるまで洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、下記式(8)で示される無色透明の粘稠な固体32.0質量部の熱硬化性オルガノポリシロキサン(A−3)を得た。
(CH3)1.5Si(OCH3)0.07(OH)0.12O1.20 (8)
B−1 二酸化チタン;ルチル型 平均粒径0.28μm(CR−95:石原産業(株)製)
(C)無機充填剤
C−1 球状溶融シリカ 平均粒径30μm(FB−570:電気化学工業(株)製)
(D)硬化触媒
D−1 安息香酸亜鉛(和光純薬工業(株)製)
(E)カップリング剤
E−1 γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM803:信越化学工業(株)製)
E−2 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E:信越化学工業(株)製)
E−3 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM503:信越化学工業(株)製)
表1に示す配合において、(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン、(B)白色顔料、(C)無機充填剤、(D)硬化触媒、(E)カップリング剤を配合し、ロール混合にて製造し、冷却、粉砕して白色シリコーン樹脂組成物を得た。
《成形硬度》
175℃,6.86MPa、成形時間120秒の条件で10×4×100mmの棒を成形した時の熱時硬度をショアーD硬度計で測定した。
《室温 曲げ強度、曲げ弾性率》
JIS−K6911規格に準じた金型を使用して、175℃,6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形した試験片を室温(25℃)にて、曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
《ガラス転移温度、線膨張係数》
温度175℃,成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で5×5×15mmの硬化物を成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。その後、理学製TMA8140Cで昇温スピード5℃/分の条件でガラス転移温度、線膨張係数1、線膨張係数2を測定した。
線膨張係数1:−120〜60℃での線膨張係数
線膨張係数2:60〜120℃での線膨張係数
《耐熱性・黄変性》
175℃,6.9N/mm2、成形時間180秒の条件で直径50mm×厚さ3mmの円盤を成形し、180℃で24時間放置した後、またIRリフロー後、耐熱黄変性として表面の変化を目視で測定した。
《光反射率》
175℃,6.9N/mm2、成形時間180秒の条件で直径50mm×厚さ3mmの円盤(硬化物)を成形し、成形直後、180℃で24時間放置後、UV照射(365nmピーク波長の高圧水銀灯60mW/cm)24時間後の波長450nmにおける光反射率をエス・デイ・ジー(株)製X−rite8200を使用して測定した。
《接着性》
20×20mmのAgメッキを施した基板に、上記樹脂組成物を温度175℃,成形圧力70kgf/cm2、成形時間90秒の条件で成形し、接着用テストピースを作製した。これを180℃で4時間でポストキュアーした後、接着力を測定した。
2 リードフレーム
3 ボンディングワイヤ
4 透明封止樹脂
5 白色リフレクター(熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物)
6 レンズ
Claims (5)
- 下記成分
(A)熱硬化性オルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)白色顔料 3〜200質量部、
(C)無機充填剤(但し、白色顔料を除く) 400〜1,000質量部、
(D)縮合触媒 0.01〜10質量部、
(E)下記構造式(2)で示されるカップリング剤 0.1〜8質量部
R3 dSi(OR2)e (2)
(式中、R3はメルカプト基、グリシジル基、又はアミノ基を含む炭素数が1〜10の有機基、R2は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、dは1又は2、eは2又は3を表す。)
を含有する白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物であって、
(B)成分の白色顔料を上記白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体に対し1〜50質量%含有し、及び白色顔料(B)と無機充填剤(C)とを合計で白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体の70〜93質量%含有することを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。 - 上記(A)成分の熱硬化性オルガノポリシロキサンが、下記平均組成式(1)
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、0.1≦a≦1.1、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)で表されることを特徴とする請求項1記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。 - (B)成分の白色顔料が酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
- ガラス転移温度以上の線膨張係数が10〜40ppmの範囲内である硬化物を与えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなり、内部に透明樹脂で封止された光半導体が保持された光半導体ケース。
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