JP5728960B2 - 光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体ケース - Google Patents

光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体ケース Download PDF

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本発明は、350〜400nm領域での反射率が70%以上の硬化物を与える光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び該組成物の硬化物からなるLED用等の光半導体ケースに関する。
LED(Light Emitting Diode)等の光半導体素子は、街頭ディスプレイや自動車ランプ、住宅用照明など広く利用されるようになっている。LED等の半導体・電子機器装置の材料のひとつとして、ポリフタルアミド樹脂(PPA)が現在広く使用されている。
しかし、近年、輝度向上のために光半導体装置の高出力化及び演色性向上のために光の短波長化が進み、光の高エネルギー化が進むことで特に無着色・白色の材料として従来のPPA樹脂材料を用いた光半導体素子封止及びケースでは、長期の使用により黄変する等により、光出力低下等が起こるという問題がある。
更に詳述すると、特許第2656336号公報(特許文献1)には、封止樹脂が、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を構成成分とするBステージ状の光半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、上記構成成分が分子レベルで均一に混合されている樹脂組成物の硬化体で構成されていることを特徴とする光半導体装置が記載されている。この場合、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂が主として用いられ、トリグリシジルイソシアネート等を使用し得ることも記載されているが、トリグリシジルイソシアネートは、実施例においてビスフェノール型エポキシ樹脂に少量添加使用されているもので、本発明者らの検討によれば、このBステージ状半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、特に高温・長時間の放置で黄変するという問題がある。
更には発光素子封止用エポキシ樹脂組成物においてトリアジン誘導体エポキシ樹脂の使用については、特開2000−196151号公報(特許文献2)、特開2003−224305号公報(特許文献3)、特開2005−306952号公報(特許文献4)に記載があるが、いずれも高温・長時間の放置で黄変するという問題解決が十分ではなかった。
更に、特開2006−140207号公開(特許文献5)には350〜800nmにおける光反射率が70%以上の光反射用樹脂組成物についての記載がなされているが、該組成物はエポキシ樹脂組成物であるために、高温での長期使用する場合や、LEDがUVLED、白色LED、青色LED等の高輝度タイプの場合には黄変するといった問題が発生する可能性がある。
更に、特開2006−77234号公報(特許文献6)には、重量平均分子量が5×103以上のオルガノポリシロキサン及び縮合触媒を含有するLED封止用樹脂組成物が記載されている。しかし、このオルガノポリシロキサンは透明性を有する常温で液状のものでなければならないために、トランスファー成形や圧縮成形に適さないものである。
更に、LEDの放熱は、LEDパッケージ等に使用されている透明封止剤やリフレクターを劣化させる要因となるために輝度の低下の要因となっていた。そこで、反射率が高く、かつ耐熱性を有する材料の開発が待たれていた。
特許第2656336号公報 特開2000−196151号公報 特開2003−224305号公報 特開2005−306952号公報 特開2006−140207号公報 特開2006−77234号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、350〜400nmという短波長域で高い反射率を有する光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び該組成物の硬化物からなるLED用光半導体等の光半導体ケースを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、
(A)下記式(1)で表され、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状オルガノポリシロキサン: 100質量部、
(CH3aSi(OR1b(OH)c(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数であるが、T単位(CH 3 SiO 3/2 )の含有モル数の比率が70モル%以上である。)
(B)希土類酸化物からなる白色顔料: 3〜200質量部、
(C)無機充填剤(但し、希土類酸化物を除く): 400〜1,000質量部、
(D)硬化触媒: 0.01〜10質量部、
(E)下記式(2)で表される構造を全シロキサン単位の50モル%以上含むオルガノポリシロキサン: 2〜50質量部
Figure 0005728960
(式中、R2及びR3はヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基及びアリル基から選ばれる基であり(但し、R2、R3は同時にヒドロキシル基ではない)、mは5〜50を満たす数である。)
を必須成分とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物が、波長350〜400nmという短波長領域で反射率が70%以上である硬化物を与え、LED用光半導体等の光半導体ケースに有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体ケースを提供する。
請求項1:
(A)下記式(1)で表され、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状オルガノポリシロキサン: 100質量部、
(CH3aSi(OR1b(OH)c(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数であるが、T単位(CH 3 SiO 3/2 )の含有モル数の比率が70モル%以上である。)
(B)希土類酸化物からなる白色顔料: 3〜200質量部、
(C)無機充填剤(但し、希土類酸化物を除く): 400〜1,000質量部、
(D)硬化触媒: 0.01〜10質量部、
(E)下記式(2)で表される構造を全シロキサン単位の50モル%以上含むオルガノポリシロキサン: 2〜50質量部
Figure 0005728960
(式中、R2及びR3はヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基及びアリル基から選ばれる基であり(但し、R2、R3は同時にヒドロキシル基ではない)、mは5〜50を満たす数である。)
を必須成分とし、その硬化物の波長350〜400nm領域での反射率が70%以上であることを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項2:
上記(B)成分が、平均粒径0.01〜40.0μmの希土類酸化物からなる白色顔料であることを特徴とする請求項1記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項3:
上記(B)成分における希土類酸化物の表面が処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項4:
上記(B)成分における希土類酸化物の表面にアルミナ又はシリカ又は有機ケイ素化合物が存在していることを特徴とする請求項3記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項5:
上記(B)成分における希土類酸化物が酸化イットリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項6:
更に(F)成分として、融点120〜140℃であるステアリン酸カルシウムを含む離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項7:
上記(D)成分の硬化触媒が有機金属縮合触媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項8:
上記(D)成分の硬化触媒の有機金属縮合触媒が安息香酸亜鉛であることを特徴とする請求項7記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項9:
請求項1〜8のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなる光半導体ケース。
本発明によれば、波長350〜400nmという短波長領域で反射率が70%以上である硬化物を与える光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び該組成物の硬化物からなるLED用等の光半導体ケースを提供することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)オルガノポリシロキサン
(A)成分であるオルガノポリシロキサンは、下記式(1)で表され、例えばトルエン等を展開溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状(即ち、分岐状又は三次元網状構造の)オルガノポリシロキサンであり、後述する(D)縮合触媒の存在下で、架橋構造を形成する。
(CH3aSi(OR1b(OH)c(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
ここで、上記式(1)において、メチル基の含有量(即ち、分子中のケイ素原子数に対するメチル基のモル比。以下、同様。)を示すaが0.8未満のオルガノポリシロキサンは、これを含むシリコーン樹脂組成物の硬化物が硬すぎて、クラック等の問題が生じやすくなるので好ましくない。一方、aが1.5を超える樹脂は固形化しない。好ましくは、0.9≦a≦1.2、より好ましくは0.9≦a≦1.1である。
アルコキシ基等のオルガノオキシ基の含有量を示すbが0.3を超えると、分子量が小さくなり、クラック防止性能が低下することが多い。好ましくは0.001≦b≦0.2であり、より好ましくは0.01≦b≦0.1である。
Si原子に結合したヒドロキシル基の含有量を示すcが0.5を超えたオルガノポリシロキサンは、加熱硬化時の縮合反応、及び/又は、後述する(E)成分との縮合反応により、高い硬度を示す一方で耐クラック性に乏しい硬化物を与える。一方、cが0.001未満のオルガノポリシロキサンは、融点が高くなる傾向があり、作業性に問題が生じる場合がある。また、後述する(E)成分との結合生成が全くなくなると、硬化物内に固定化されない結果、硬化物の硬度が低く、耐溶剤性が悪い傾向がある。好ましくは0.01≦c≦0.3であり、より好ましくは0.05≦c≦0.2である。cを制御する条件としては、原料のアルコキシ基の完全縮合率を86〜96%にすることが好ましく、86%未満では、融点が低くなり、96%を超えると融点が高くなりすぎる傾向となる。
以上のことから、好ましくは0.911≦a+b+c≦1.8であり、より好ましくは1.0≦a+b+c≦1.5である。
上記式(1)中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基が挙げられ、原料の入手が容易である点で、アルキル基が好ましく、特にメチル基及びイソプロピル基が好ましい。
(A)成分は、溶剤としてトルエンを用いたGPC測定したポリスチレン標準で換算した重量平均分子量が500〜20,000、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは2,000〜8,000である。分子量が500未満のオルガノポリシロキサンでは、固形化しにくく、分子量が20,000を超えるものでは、粘度が高くなりすぎて流動性が低下して成形性が悪くなることがある。
(A)成分は、一般にQ単位(SiO4/2)、T単位(CH3SiO3/2)から選ばれる分岐状単位、及びD単位((CH32SiO2/2)の組み合わせで表現することができる。(A)成分をこの表現法で示した時、全シロキサン単位の総モル数に対して、T単位の含有モル数の比率が70モル%以上、望ましくは75モル%以上、特に80モル%以上であることが好ましい。該T単位が70モル%未満では、硬度、密着性、概観等の総合的なバランスが崩れる場合がある。なお、残部はD,Q単位でよく、これらが30モル%以下であることが好ましい。
(A)成分は、下記式(3)で示されるオルガノシランの加水分解縮合物として得ることができる。
(CH3nSiX4-n (3)
(式中、Xは塩素等のハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基で、nは0、1、2のいずれかであるが、T単位を70モル%以上になるようにするため、n=1のオルガノシランを主成分(70モル%以上)として用いることが好ましい。)
ここで、Xとしては、固体状のオルガノポリシロキサンを得る点からは、ハロゲン原子、特に塩素原子であることが好ましい。
上記式(3)で示されるシラン化合物においてn=1のシラン化合物としては、例えばメチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等が挙げられ、n=0のシラン化合物としては、テトラクロロシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、n=2のシラン化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
上記加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解及び縮合は、通常の方法で行えばよいが、例えば酢酸、塩酸、硫酸等の酸触媒、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ触媒の存在下で行うことが好ましい。例えば、加水分解性基としてクロロ基を含有するシランを使用する場合は、水添加によって発生する塩化水素ガス及び塩酸を触媒として、目的とする適切な分子量の加水分解縮合物を得ることができる。
加水分解及び縮合の際に使用される水の量、上記加水分解性基を有するシラン化合物中の加水分解性基(例としてクロロ基の場合)の合計量が1モルであれば、一般的には0.9〜1.6モルであり、好ましくは1.0〜1.3モルである。この添加量が0.9〜1.6モルの範囲を満たすと、後述の組成物は作業性に優れ、その硬化物は強靭性に優れたものとなる。
上記加水分解性基を有するシラン化合物は、通常、アルコール類、ケトン類、エステル類、セロソルブ類、芳香族化合物類等の有機溶剤中で加水分解して使用することが好ましい。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、芳香族化合物としてトルエン、キシレンが好ましく、組成物の硬化性及び硬化物の強靭性が優れたものとなるので、イソプロピルアルコールやトルエン、イソプロピルアルコール・トルエン併用系がより好ましい。
加水分解及び縮合の反応温度は、好ましくは10〜120℃、より好ましくは20〜100℃である。反応温度がかかる範囲を満たすと、ゲル化することなく、次の工程に使用可能な固体の加水分解縮合物が得られる。
(B)希土類酸化物(白色顔料)
本発明のシリコーン樹脂組成物には、光半導体装置のリフレクター(反射板)等の用途向けに硬化物の白色度を高めるために(B)成分として希土類酸化物からなる白色顔料を配合する。一般的には、白色顔料として二酸化チタンが多く用いられているが、350〜400nmの短波長領域では光を吸収してしまい、反射率が大きく低下してしまう。そのため、350〜400nmの短波長領域での反射率を向上させる白色顔料として、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化イッテルビウム、酸化ガドリニウム、酸化ユウロピウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム等の希土類酸化物を用いることが必要であり、特に、酸化イットリウムを用いることがより好ましい。
ここで、希土類酸化物の平均粒径は、通常0.1〜30μm、特に0.1〜5μmのものが好ましい。更に、このような希土類酸化物は、(A)成分や後述する(E)成分等の樹脂成分や(B)成分以外の無機充填剤との相溶性、分散性を高めるため、アルミナやシリカ等の無機物(金属酸化物)やシランカップリング剤等の有機ケイ素化合物等の有機物等で予め表面処理することが好ましく、シリコーン樹脂中での分散性の向上にはアルミナによる表面処理がより好ましい。表面処理の被覆量は、希土類酸化物粒子に対し0.1〜5質量%の範囲にあることが好ましく、0.5〜2.5質量%の範囲にあることがより好ましい。
また、表面処理の方法は、例えば、希土類酸化物粒子、水、アルカリ塩を用いて、pH8〜12、特にpH9〜11の希土類酸化物粒子のアルカリ・スラリーを調製し、これにアルミナ又はシリカのアルカリ塩を添加して、温度50〜100℃、特に70〜90℃で30分〜2時間かけて撹拌しながら硫酸等の酸で中和すればよい。
なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
また、白色顔料(白色着色剤)としては、酸化イットリウム等の希土類酸化物のみを用いることが好ましいが、平均粒径が0.1〜30μmのチタン酸カリウム、酸化ジルコン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等をその特性を損なわない範囲で併用してもよい。
白色顔料としての希土類酸化物の配合量は、(A)成分100質量部に対し、3〜200質量部、好ましくは5〜150質量部である。3質量部未満では十分な白色度が得られない場合があり、該白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物を硬化させた硬化物の350nmにおける反射率が初期での反射率70%以上の物性が得られなくなる。また、200質量部を超えると機械的強度向上の目的で添加する他成分の割合が少なくなるだけでなく、成形性が著しく低下することがある。なお、この白色顔料としての希土類酸化物の配合量は、白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物全体に対して1〜50質量%であり、好ましくは3〜30質量%の範囲である。
(C)無機充填剤
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に(C)成分である無機充填剤を配合する。配合される(C)成分の無機充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、ガラス繊維、三酸化アンチモン等が挙げられるが、上記した(B)成分の希土類酸化物は除かれる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は特に限定されないが、平均粒径は通常3〜40μm程度である。
なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
特に、溶融シリカ、溶融球状シリカ等のシリカ系無機充填剤が好適に用いられ、その粒径は特に限定されるものではないが、成形性、流動性からみて、平均粒径は4〜40μm、特には7〜35μmが好ましい。また、高流動化を得るには、0.1〜3μmの微細領域、4〜8μmの中粒径領域、10〜40μmの粗領域のものを組み合わせて使用するのが好ましい。
上記(B)成分以外の無機充填剤は、(A)成分及び後述する(E)成分等の樹脂成分や(B)成分の希土類酸化物(白色顔料)との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤で予め表面処理したものを配合してもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシラン等を用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではないが、150℃以上に放置した場合に処理フィラーが変色しないものが好ましい。
(B)成分以外の無機充填剤の配合量は、(A)成分100質量部に対し、400〜1,000質量部、特に600〜950質量部が好ましい。400質量部未満では、十分な強度を得ることができないおそれがあり、1,000質量部を超えると、増粘による未充填不良や柔軟性が失われることで、素子内の剥離等の不良が発生する場合がある。なお、この(B)成分以外の無機充填剤の配合量は、組成物全体の10〜90質量%、特に20〜80質量%の範囲で含有することが好ましい。
(D)硬化触媒
(D)成分である硬化触媒は、上記(A)成分の硬化に用いるための縮合触媒であり、(A)成分の安定性、被膜の硬度、無黄変性、硬化性等を考慮して選択される。例えば、有機金属触媒として、有機酸亜鉛、ルイス酸触媒、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物等が好適に用いられ、具体的には安息香酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ(ノルマルブチレート)、アルミニウム−n−ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸錫等が例示される。中でも、安息香酸亜鉛が好ましく利用される。
このような縮合触媒の添加量は、上記高分子量オルガノポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、特に好ましくは0.1〜1.6質量部である。添加量がかかる範囲を満たすと、硬化性が良好であり、安定したものとなる。
(E)オルガノポリシロキサン
(E)成分であるオルガノポリシロキサンは、下記式(2)で表される2官能性シロキサン単位の繰り返しからなる構造を含むオルガノポリシロキサンである。
Figure 0005728960
式中、R2及びR3は、互いに独立に、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基及びアリル基から選ばれる基(但し、R2、R3は同時にヒドロキシル基ではない)であり、好ましくはメチル基等のアルキル基及びフェニル基である。mは5〜50、好ましくは8〜40、より好ましくは10〜35の整数である。mが5未満では、硬化物の耐クラック性に乏しく、装置の反りを起こす場合がある。一方、mが50を超えると、機械的強度が不足する傾向にある。
(E)成分は、上記式(2)で示されるD単位(R23SiO2/2)に加えて、M単位(R3SiO1/2)、T単位(RSiO3/2)を含んでいてよい。それらのモル比はそれぞれD単位:M単位:T単位のモル比で90〜24:75〜0:50〜1、特に70〜28:70〜20:10〜2(但し、下記のQ単位を含まない場合、合計で100)であることが硬化物特性から好ましい。ここで、Rはヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ビニル基、アリル基を示す。(E)成分には場合によっては、任意にQ単位(SiO2)を含んでいてよい。
(E)オルガノポリシロキサン成分中の全シロキサン単位当り、好ましくは30モル%以上、特には50モル%以上が分子中でかかる一般式(2)で表される直鎖状のジオルガノポリシロキサン構造を形成しているD単位(R23SiO2/2)であることが好ましい。上限には特に制限はないが、通常99.5モル%以下、好ましくは99モル%以下、より好ましくは95モル%以下程度でよい。また、(E)成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は3,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000である。この範囲にあると、該ポリマーは固体もしくは半固体状であり、作業性、硬化性等から好適である。
(E)成分は、上記各単位の原料となる化合物を、生成ポリマー中で所要のモル比となるように組み合わせ、例えば酸の存在下で加水分解して縮合を行うことによって合成することができる。
ここで、T単位(RSiO3/2)の原料としては、MeSiCl3、EtSiCl3、PhSiCl3、プロピルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン等のクロロシラン類、これらそれぞれのクロロシラン類に対応するメトキシシラン類等のアルコキシシラン類などを例示できる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。
上記式(2)のD単位(R23SiO2/2)の原料としては、
Figure 0005728960
Figure 0005728960
Figure 0005728960
ここで、mは3〜48の整数(平均値)、nは0〜48の整数(平均値)、かつm+nが3〜48(平均値)等を例示することができる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す。
また、M単位、T単位等の原料としては、Me2PhSiCl、Me2ViSiCl、MePhSiCl2、MeViSiCl2、Ph2MeSiCl、Ph2ViSiCl、PhViSiCl2等のクロロシラン類、これらのクロロシランのそれぞれに対応するメトキシシラン類等のアルコキシシラン類などを例示することができる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基、Phはフェニル基、Viはビニル基を示す。
これらの原料となる化合物を、所定のモル比で組み合わせて、例えば以下の反応で得ることができる。フェニルメチルジクロロシラン100質量部、フェニルトリクロロシラン1,900質量部、Si数21個の両末端クロルジメチルシリコーンオイル2,400質量部、トルエン3,000質量部を投入混合し、水11,000質量部中に混合シランを滴下し30〜50℃で1時間共加水分解する。その後、50℃で1時間熟成後、水を入れて洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをする。
なお、上記共加水分解及び縮合により製造する際に、シラノール基を有するシロキサン単位が含まれ得る。(E)成分のオルガノポリシロキサンは、かかるシラノール基含有シロキサン単位を、通常、全シロキサン単位に対して0.5〜10モル、好ましくは1〜5モル程度含有することが好ましい。上記シラノール基含有シロキサン単位としては、例えば、R(HO)SiO2/2単位、R(HO)2SiO1/2単位、R2(HO)SiO1/2単位が挙げられる(Rはヒドロキシル基ではない)。該オルガノポリシロキサンはシラノール基を含有するので、(A)成分の硬化性ポリオルガノシロキサンと反応する。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、2〜50質量部、好ましくは3〜30質量部である。配合量が少ないと連続成形性の向上効果が少なく、また低反り性を達成することができない。添加量が多いと、組成物の粘度が上昇し成形に支障をきたすことがある。
本発明は、上記成分に加え、下記の成分を配合できる。
(F)離型剤
本発明のシリコーン樹脂組成物には、(F)成分として、内部離型剤を配合することができる。(F)成分は、成形時の離型性を高めるために配合するものであり、全組成に対して0.2〜5.0質量%含有するように添加するものである。内部離型剤としては、天然ワックス、酸ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸ワックスを代表とする合成ワックス等があるが、中でも融点が120〜140℃であるステアリン酸カルシウムを用いることが望ましい。
(G)カップリング剤
本発明のシリコーン樹脂組成物には、(G)成分として、樹脂と無機充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤を配合することができる。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜8.0質量部、好ましくは0.5〜6.0質量部添加することができる。0.1質量部未満であると、基材への接着効果が十分でなく、また8.0質量部を超えると、粘度が極端に低下して、ボイドの原因になる可能性がある。
その他の添加剤
本発明の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々のシリコーンパウダー、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができる。
組成物の製造方法
本発明の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン組成物の製造方法としては、上記(A)〜(E)成分、必要に応じて(F)成分、(G)成分、及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕してシリコーン樹脂組成物の成形材料とすることができる。
光半導体ケース
このようにして得られる上記組成物は、LED等の光半導体のリフレクターとしてのケースの形成に用いられる。
このようなリフレクターの最も一般的な成形方法としては、トランスファー成形法や圧縮成形法が挙げられる。トランスファー成形法では、トランスファー成形機を用い、成形圧力5〜20N/mm2、成形温度120〜190℃で成形時間30〜500秒、特に成形温度150〜185℃で成形時間30〜180秒で行うことが好ましい。また、圧縮成形法では、コンプレッション成形機を用い、成形温度は120〜190℃で成形時間30〜600秒、特に成形温度130〜160℃で成形時間120〜300秒で行うことが好ましい。更に、いずれの成形法においても、後硬化を150〜185℃で2〜20時間行ってもよい。
なお、このようにして得られる上記組成物の硬化物は、ガラス転移温度超の線膨張係数が30ppm/K以下、好ましくは25ppm/K以下であることが好ましい。
このようにして得られるリフレクターの波長400〜800nmでの光反射率は、初期値で70%以上、特に75%以上、とりわけ80%以上であり、350〜400nmの短波長領域の光反射率も70%以上、特に74%以上、とりわけ78%以上を達成できる。反射率が60%未満であると、例えば、LED用半導体素子リフレクターとしての耐用時間が短くなる。なお、反射率の測定方法は、例えば、50mm×50mm×0.35mm(厚さ)の正方形の硬化物サンプルを作製し、エス・デイ・ジー(株)製の分光光度計X−rite 8200等を用いて測定することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例、比較例で使用した原料を以下に示す。
(A)オルガノポリシロキサンの合成
[合成例1]
メチルトリクロロシラン100質量部、トルエン200質量部を1Lのフラスコに入れ、氷冷下で水8質量部、イソプロピルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃で5〜20時間かけて滴下し、その後加熱して還流温度で20分間撹拌した。それから室温まで冷却し、水12質量部を30℃以下、30分間で滴下し、20分間撹拌した。更に水25質量部を滴下後、40〜45℃で60分間撹拌した。その後水200部を入れて有機層を分離した。この有機層を中性になるまで洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、下記式で示される(CH3)SiO3/2単位を基本構造とする無色透明の固体(融点76℃,重量平均分子量3,600)36.0質量部の熱硬化性オルガノポリシロキサン(A−1)を得た。
(CH31.0Si(OC370.07(OH)0.101.4
(B)白色顔料の表面処理
[合成例2]
平均粒径が5μmの酸化イットリウム粒子(信越化学工業(株)製)を水と混合して、水酸化ナトリウムを用いてpH10に調整し、酸化イットリウムの質量として300g/1Lのスラリーを調整した。このスラリーを80℃で撹拌し、アルミン酸ナトリウムをアルミナとして酸化イットリウム粒子の質量に対して2質量%添加し、次いで1時間かけて1規定の硫酸を用いてpH7近辺に中和し、酸化イットリウム粒子の表面にアルミナの被覆を形成した。アルミナ被覆層を形成した酸化イットリウム粒子を濾別、水洗し、120℃、16時間乾燥し、ボールミルにて30分粉砕することで本発明の酸化イットリウム顔料(B−1)を得た。
[合成例3]
アルミナの被覆量を1.0質量%とした以外は実施例1と同様にして、酸化イットリウム顔料(B−2)を得た。
[合成例4]
平均粒径が5μmの酸化イットリウム粒子を水と混合して、水酸化ナトリウムを用いてpH10に調整し、酸化イットリウムの質量として300g/1Lのスラリーを調整した。このスラリーを80℃で撹拌し、ケイ酸ナトリウムをシリカとして酸化イットリウム粒子の質量に対して2質量%添加し、次いで1時間かけて1規定の硫酸を用いてpH5近辺に中和し、酸化イットリウム粒子の表面にシリカの被覆を形成した。シリカ被覆層を形成した酸化イットリウム粒子を濾別、水洗し、120℃、16時間乾燥し、ボールミルにて30分粉砕することで酸化イットリウム顔料(B−3)を得た。
市販品の下記希土類顔料(B−4)、(B−5)を用意した。
B−4:酸化イットリウム、平均粒径5μm不定形(信越化学工業(株)製)
B−5:酸化チタン、ルチル型、平均粒径0.28μm(CR−95:石原産業(株)製)
(C)無機充填剤
市販品の下記無機充填剤(C−1)を用意した。
C−1:シリカ CS−6103 53C2((株)龍森製)
(D)硬化触媒
市販品の下記硬化触媒(D−1)を用意した。
D−1:安息香酸亜鉛(和光純薬工業(株)製)
(E)オルガノポリシロキサンの合成
[合成例5]
フェニルメチルジクロロシラン100g(4.4モル%)、フェニルトリクロロシラン2,100g(83.2モル%)、Si数21個の両末端クロルジメチルシリコーンオイル2,400g(12.4モル%)、トルエン3,000gを混合し、水11,000g中に混合した上記シラン、シリコーンオイルを滴下し30〜50℃で1時間共加水分解する。50℃で1時間熟成後、水を入れて洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、(C65)(CH3)SiO2/2単位、(C65)SiO3/2単位及び
Figure 0005728960
単位からなる150℃での溶融粘度5Pa・s、無色透明のオルガノポリシロキサン(E−1)を得た。
(F)離型剤
市販品の下記離型剤(F−1)を用意した。
F−1:ステアリン酸カルシウム(和光純薬工業(株)製)
参考例1〜4,比較例1]
表1に示す配合(質量部)で、(A)オルガノポリシロキサン、(B)白色顔料、(C)無機充填剤、(D)硬化触媒、(E)オルガノポリシロキサン、(F)離型剤を配合し、二本ロールにて製造し、冷却、粉砕して白色シリコーン樹脂組成物を得た。
これらの組成につき、光反射率を測定した。成形はすべてトランスファー成形機で、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で、1辺50mm、厚さ0.35mmの正方形の硬化物を作製し、エス・デイ・ジー(株)製X−rite 8200を使用して380及び400nmの光反射率を測定した。
Figure 0005728960
表1に示すように、350〜400nmの領域で高反射率を有する硬化物を与える白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物を得ることができ、したがって、該組成物の硬化物でLED用リフレクター材が封止された半導体装置が有用であることが確認できた。
中でも、アルミナやシリカで表面処理した酸化イットリウムが高い反射率を示し、特にアルミナ処理が有効であることが確認できた。

Claims (9)

  1. (A)下記式(1)で表され、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状オルガノポリシロキサン: 100質量部、
    (CH3aSi(OR1b(OH)c(4-a-b-c)/2 (1)
    (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4のアルキル基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数であるが、T単位(CH 3 SiO 3/2 )の含有モル数の比率が70モル%以上である。)
    (B)希土類酸化物からなる白色顔料: 3〜200質量部、
    (C)無機充填剤(但し、希土類酸化物を除く): 400〜1,000質量部、
    (D)硬化触媒: 0.01〜10質量部、
    (E)下記式(2)で表される構造を全シロキサン単位の50モル%以上含むオルガノポリシロキサン: 2〜50質量部
    Figure 0005728960
    (式中、R2及びR3はヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基及びアリル基から選ばれる基であり(但し、R2、R3は同時にヒドロキシル基ではない)、mは5〜50を満たす数である。)
    を必須成分とし、その硬化物の波長350〜400nm領域での反射率が70%以上であることを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. 上記(B)成分が、平均粒径0.01〜40.0μmの希土類酸化物からなる白色顔料であることを特徴とする請求項1記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  3. 上記(B)成分における希土類酸化物の表面が処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  4. 上記(B)成分における希土類酸化物の表面にアルミナ又はシリカ又は有機ケイ素化合物が存在していることを特徴とする請求項3記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  5. 上記(B)成分における希土類酸化物が酸化イットリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  6. 更に(F)成分として、融点120〜140℃であるステアリン酸カルシウムを含む離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  7. 上記(D)成分の硬化触媒が有機金属縮合触媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  8. 上記(D)成分の硬化触媒の有機金属縮合触媒が安息香酸亜鉛であることを特徴とする請求項7記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなる光半導体ケース。
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