JP5640957B2 - Ledリフレクターとして有用な白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び該組成物を用いた光半導体装置 - Google Patents
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Description
(A)シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造を有し、ヒドロキシ基を含有する、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000の有機ケイ素化合物 100質量部、
(B)白色顔料 3〜200質量部、
(C)(B)成分以外の無機充填剤 400〜1000質量部、及び
(D)硬化触媒 0.01〜10質量部
を含む白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
(A)成分は、シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造(即ち、分岐状又は三次元網状のオルガノポリシロキサン構造)を有し、ヒドロキシ基を含有する、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000の有機ケイ素化合物であり、得られる硬化物の基材密着性、耐熱性、及び機械強度の向上に寄与するものである。(A)成分は、ヒドロキシ基を含有し、後述する(D)成分の硬化触媒の存在下で、架橋構造を形成する。(A)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(式中、R11は独立にアルコキシ基又はヒドロキシ基を示す。R12及びR13の各々は独立に1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基を示す。R14〜R17の各々は水素原子又は炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基を表す。Xは独立に下記一般式(5)又は(6)で示される構造ユニットを示す。X'は独立に下記一般式(5)又は(6')で示される構造ユニットを示す。mは独立に0〜9の整数である)
(式中、R20及びR21の各々は1価の脂肪族炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、アルコキシ基、又はヒドロキシ基を示し、左側の結合手には炭素原子又は他の酸素原子が結合し、右側の結合手には炭素原子又は他のケイ素原子が結合する)
R30 kSiY4−k (7)
(式中、R30は炭素原子数1〜6の1価の炭化水素基を示す。Yは独立に塩素原子等のハロゲン原子又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素原子数6〜8のアリーロキシ基等のオルガノオキシ基を示す。kは0、1、又は2である。)
(B)成分の白色顔料は、硬化物の白色度を高めるために本発明の組成物に配合される。(B)成分の白色顔料は、光半導体装置のリフレクター(反射板)等の用途に用いられる硬化物を調製するためのシリコーン樹脂組成物において通常用いられているものでよい。(B)成分としては、例えば、二酸化チタン、アルミナ、希土類酸化物(例えば、酸化イットリウムや酸化ランタン)、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、中空粒子等が挙げられる。(B)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に(C)成分として上記(B)成分以外の無機充填剤を配合する。(C)成分の無機充填剤としては、通常、シリコーン樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン等が挙げられるが、上記した(B)成分の白色顔料(白色着色剤)は除かれる。(C)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。アミン系のシランカップリング剤のように150℃以上に放置した場合に、表面処理した無機充填剤の変色を引き起こすものはあまり好ましくない。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
(D)成分の硬化触媒は、上記(A)成分の硬化に用いるための縮合触媒であり、(A)成分の安定性、組成物の硬化性、並びに被膜の硬度及び無黄変性などを考慮して選択される。(D)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。(D)成分としては、例えば、有機酸亜鉛、ルイス酸触媒、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物等の有機金属縮合触媒が好適に用いられ、具体的には安息香酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ(n-ブチレート)、アルミニウム-n-ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸錫等が例示される。中でも、安息香酸亜鉛が好ましく利用される。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、内部離型剤を配合することができる。(E)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。(E)成分は、成形時の離型性を高めるために配合するものである。(E)成分の配合量は、本発明の組成物全体に対して0.2〜5.0質量%である。内部離型剤としては、例えば、天然ワックス及び酸ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸ワックス等の合成ワックスなどが挙げられるが、中でも融点が120〜140℃であるステアリン酸カルシウムを用いることが望ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、樹脂と無機充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。(F)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(G)成分は、下記一般式(8)で表される直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン残基を有し、ヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンである。(G)成分は上記のジオルガノポリシロキサン残基を有することを特徴とし、低応力剤として使用するものである。(G)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に必要に応じてその他の各種の添加剤を配合することができる。これらの添加剤は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々のシリコーンパウダー、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で本発明の組成物に添加することができる。
本発明の組成物は、例えば、(A)〜(D)成分並びに必要に応じて(E)〜(G)成分及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して、製造することができる。
本発明の光半導体装置は、光半導体素子と本発明の組成物の硬化物を含むリフレクターとを備える。光半導体素子としては、例えば、LED等の発光素子及びフォトダイオード、光学センサー、CMOSイメージセンサー等の受光素子が挙げられる。リフレクターは、本発明の組成物の硬化物のみからなるものでもよいし、該硬化物と他のリフレクター材料との組み合わせからなるものであってもよい。
A−1 合成例1で調製した有機ケイ素化合物
A−2 合成例2で調製した有機ケイ素化合物
A−3 合成例3で調製した有機ケイ素化合物
A−4 合成例4で調製した有機ケイ素化合物
B ルチル型二酸化チタン:CR−95、平均粒径0.28μm(石原産業(株)製)
C−1 溶融球状シリカ:ES−105、平均粒径45μm(東海ミネラル(株)製)
C−2 溶融球状シリカ:N−MSR−04、平均粒径4μm((株)龍森製)
C−3 溶融球状シリカ:SO−25R、平均粒径0.5μm((株)アドマテック製)
D 安息香酸亜鉛(和光純薬工業(株)製)
E ステアリン酸カルシウム (和光純薬工業(株)製)
F 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:KBM−803(信越化学工業(株)製)
メチルトリクロロシランのメトキシ化によって得られた下記構造式(9)の化合物815.0g(3.6モル)、1,4−ビス(ジメチルハイドロジェンシリル)ベンゼンとビニルジメトキシメチルシランとの白金触媒による付加反応によって得られた下記構造式(10)で示される有機ケイ素化合物 183.6g(0.40モル)、イソプロピルアルコール167g、及びトルエン1300gを5Lのフラスコに入れて混合し、得られた混合物に室温下にてメタンスルホン酸を26.2g滴下後、さらに水173gを30℃以下で滴下し、30分間撹拌した。反応混合物に水1000gを添加して撹拌した後、有機層を分離した。この有機層を中性になるまで水で洗浄した。該有機層について、共沸脱水、濾過、及び減圧ストリップをすることにより、シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造を有する有機ケイ素化合物A−1を無色透明の固体(重量平均分子量4,940)として608g得た。なお、この有機ケイ素化合物中のヒドロキシ基含有量は、3.2質量%であった。
メチルトリクロロシランのメトキシ化によって得られた上記構造式(9)の化合物724.5g(3.2モル)、1,4−ビス(ジメチルハイドロジェンシリル)ベンゼンとビニルジメトキシメチルシランとの白金触媒による付加反応によって得られた上記構造式(10)で示される有機ケイ素化合物 367.1g(0.60モル)、イソプロピルアルコール197g、及びトルエン1685gを5Lのフラスコに入れて混合し、得られた混合物に室温下にてメタンスルホン酸を30.8g滴下後、さらに水173gを30℃以下で滴下し、30分間撹拌した。反応混合物に水1000gを添加して撹拌した後、有機層を分離した。この有機層を中性になるまで水で洗浄した。該有機層について、共沸脱水、濾過、及び減圧ストリップをすることにより、シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造を有する有機ケイ素化合物A−2を無色透明の固体(重量平均分子量7,670)として654g得た。なお、この有機ケイ素化合物中のヒドロキシ基含有量は、3.0質量%であった。
メチルトリクロロシランのメトキシ化によって得られた上記構造式(9)の化合物815.0g(3.6モル)、1,4−ビス(ジメチルハイドロジェンシリル)ベンゼンとビニルトリメトキシシランとの白金触媒による付加反応によって得られた下記構造式(11)で示される有機ケイ素化合物 207.6g(0.40モル)、イソプロピルアルコール167g、及びトルエン1300gを5Lのフラスコに入れて混合し、得られた混合物に室温下にてメタンスルホン酸を26.2g滴下後、さらに水181gを30℃以下で滴下し、30分間撹拌した。反応混合物に水1000gを添加して撹拌した後、有機層を分離した。この有機層を中性になるまで水で洗浄した。該有機層について、共沸脱水、濾過、及び減圧ストリップをすることにより、シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造を有する有機ケイ素化合物A−3を無色透明の固体(重量平均分子量7,520)として622g得た。なお、この有機ケイ素化合物中のヒドロキシ基含有量は、3.0質量%であった。
[合成例4]レジン状オルガノポリシロキサン構造を有しシルフェニレン骨格を有しない有機ケイ素化合物A−4の合成
メチルトリクロロシランのメトキシ化によって得られた上記構造式(9)の化合物905.6g(4.0モル)、イソプロピルアルコール137g、及びトルエン920gを5Lのフラスコに入れて混合し、得られた混合物に室温下にてメタンスルホン酸を21.5g滴下後、さらに水173gを30℃以下で滴下し、30分間撹拌した。反応混合物に水1000gを添加して撹拌した後、有機層を分離した。この有機層を中性になるまで水で洗浄した。該有機層について、共沸脱水、濾過、及び減圧ストリップをすることにより、レジン状オルガノポリシロキサン構造を有しシルフェニレン骨格を有しない有機ケイ素化合物(即ち、レジン状のオルガノポリシロキサン)A−4を無色透明の固体(重量平均分子量3,600)として654g得た。
表1に示す配合量(質量部)で、(A)シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造を有する有機ケイ素化合物又は(A')レジン状オルガノポリシロキサン構造を有しシルフェニレン骨格を有しない有機ケイ素化合物、(B)白色顔料、(C)無機充填剤、(D)硬化触媒、(E)離型剤、並びに(F)カップリング剤を混合し、ブスコニーダーにて溶融混合処理した後、得られたコンパウンドを冷却及び粉砕して白色シリコーン樹脂組成物を得た。
EMMI規格に準じた金型を使用して、上記条件で測定した。
JIS−K6911規格に準じた金型を使用して、上記条件で成形を行い、得られた硬化物を180℃で4時間ポストキュアーした。ポストキュアーした硬化物について、JIS K 6911規格に準拠して室温(25℃)にて曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
上記条件で成形を行って直径80mm、厚さ0.20mmの円板状の硬化物を作製し、該硬化物についてエス・デイ・ジー(株)製X-rite8200を使用して450nmにおける光反射率を測定した。
Claims (3)
- (A)下記一般式(3)で示されるシロキサンオリゴマーと、
下記一般式(4)で表され、アルコキシ基もしくはヒドロキシ基又はこれらの組み合わせを含有する、シルフェニレン部位を有する有機ケイ素化合物との加水分解縮合物であって、シルフェニレン骨格及びレジン状オルガノポリシロキサン構造を有し、ヒドロキシ基含有量が1.0〜8.0質量%であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000の有機ケイ素化合物 100質量部、
(B)白色顔料 3〜200質量部、
(C)(B)成分以外の無機充填剤 400〜1000質量部、及び
(D)硬化触媒 0.01〜10質量部
を含む白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。 - (D)成分が有機金属縮合触媒である請求項1に係る組成物。
- 光半導体素子と請求項1又は2に記載の組成物の硬化物を含むリフレクターとを備える光半導体装置。
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