JP5729270B2 - Ledリフレクターとして有用な白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び該組成物を用いた光半導体装置 - Google Patents
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(A)下記平均組成式(1)で表され、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20000のオルガノポリシロキサン 60〜100質量部、
(CH3)aSi(OR)b(OH)cO(4−a−b−c)/2 (1)
(式中、Rは炭素原子数1〜4の有機基を示し、a、b、及びcは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、及び0.801≦a+b+c<2を満たす数である)
(B)下記一般式(2)で表される直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン残基を有し、ヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン 0〜40質量部(但し、(A)及び(B)成分の合計は100質量部である)、
(式中、R1及びR2の各々は独立にヒドロキシ基、炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基、又はアリル基を示す。mは5〜50の整数である)
(C)白色顔料 3〜200質量部、
(D)(C)成分以外の無機充填剤 300〜1000質量部、
(E)蛍光増白剤 0.1〜10質量部、並びに
(F)硬化触媒 0.01〜10質量部
を含む白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物を提供する。
(A)成分は、下記平均組成式(1)で表され、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20000のオルガノポリシロキサンであり、レジン状(即ち、分岐状又は三次元網状)の構造を有する。(A)成分は、ヒドロキシ基を含有し、後述する(F)成分の硬化触媒の存在下で、架橋構造を形成する。(A)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(CH3)aSi(OR)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、Rは炭素原子数1〜4の有機基を示し、a、b、及びcは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、及び0.801≦a+b+c<2を満たす数である)
(CH3)nSiY4−n (3)
(式中、Yは独立に塩素原子等のハロゲン原子又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、炭素原子数6〜8のアリーロキシ基等のオルガノオキシ基を示す。nは0、1、又は2である。)
(B)成分は、下記一般式(2)で表される直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン残基を有し、ヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンである。(B)成分は上記のジオルガノポリシロキサン残基を有することを特徴とし、低応力剤として使用するものである。(B)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(C)成分の白色顔料は、硬化物の白色度を高めるために本発明の組成物に配合される。(C)成分の白色顔料は、光半導体装置のリフレクター(反射板)等の用途に用いられる硬化物を調製するためのシリコーン樹脂組成物において通常用いられているものでよい。(C)成分としては、例えば、二酸化チタン、アルミナ、希土類酸化物(例えば、酸化イットリウムや酸化ランタン)、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、中空粒子等が挙げられる。(C)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に(D)成分として上記(C)成分以外の無機充填剤を配合する。(D)成分の無機充填剤としては、通常、シリコーン樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン等が挙げられるが、上記した(C)成分の白色顔料(白色着色剤)は除かれる。(D)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。アミン系のシランカップリング剤のように150℃以上に放置した場合に、表面処理した無機充填剤の変色を引き起こすものはあまり好ましくない。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
(E)成分は蛍光増白剤であり、光特性の改善を目的として本発明のシリコーン樹脂組成物に添加される。(E)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。蛍光増白剤は蛍光染料の1種であり、白色度を増強させるのによく使用される。近年の光半導体装置で求められる短波長領域は420〜470nmであることが多く、青色可視光を発する蛍光増白剤から放射される光の波長領域と重なる。よって、そのような蛍光増白剤を(E)成分として使用するのが適している。
(F)成分の硬化触媒は、上記(A)及び(B)成分の硬化に用いるための縮合触媒であり、(A)成分の安定性、組成物の硬化性、並びに被膜の硬度及び無黄変性などを考慮して選択される。(F)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。(F)成分としては、例えば、有機酸亜鉛、ルイス酸触媒、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物等の有機金属縮合触媒が好適に用いられ、具体的には安息香酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ(n-ブチレート)、アルミニウム-n-ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸錫等が例示される。中でも、安息香酸亜鉛が好ましく利用される。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、内部離型剤を配合することができる。(G)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。(G)成分は、成形時の離型性を高めるために配合するものである。(G)成分の配合量は、本発明の組成物全体に対して0.2〜5.0質量%である。内部離型剤としては、例えば、天然ワックス及び酸ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸ワックス等の合成ワックスなどが挙げられるが、中でも融点が120〜140℃であるステアリン酸カルシウムを用いることが望ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、樹脂と無機充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤を配合することができる。(H)成分は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に必要に応じてその他の各種の添加剤を配合することができる。これらの添加剤は1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々のシリコーンパウダー、シリコーンオイル、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で本発明の組成物に添加することができる。また、得られる硬化物の強度及び靱性を向上させるために、無機物ウィスカー状繊維等の無機物繊維もその他の添加剤として本発明の組成物に配合することができる。無機物繊維としては、例えば、ガラス繊維、ホウ珪酸ガラス、ロックウールのような非晶質繊維、カーボン繊維、アルミナ繊維のような多結晶繊維、チタン酸カリウム、珪酸カルシウム、ホウ酸アルミニウムのような単結晶繊維などが挙げられ、どのタイプの無機物繊維でも構わない。
本発明の組成物は、例えば、(A)〜(F)成分並びに必要に応じて(G)成分、(H)成分及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して、製造することができる。
本発明の光半導体装置は、光半導体素子と本発明の組成物の硬化物を含むリフレクターとを備える。光半導体素子としては、例えば、LED等の発光素子及びフォトダイオード、光学センサー、CMOSイメージセンサー等の受光素子が挙げられる。リフレクターは、本発明の組成物の硬化物のみからなるものでもよいし、該硬化物と他のリフレクター材料との組み合わせからなるものであってもよい。
A−1 合成例1で調製したレジン状オルガノポリシロキサン
B−1 合成例2で調製した、直鎖状ジオルガノポリシロキサン残基を有するオルガノポリシロキサン
C−1 ルチル型二酸化チタン:CR−95、平均粒径0.28μm(石原産業(株)製)
D−1 溶融球状シリカ:MSR−4500TN、平均粒径45μm((株)龍森製)
E−1 Kayalight B (日本化薬(株)製)
F−1 安息香酸亜鉛(和光純薬工業(株)製)
G−1 ステアリン酸カルシウム(和光純薬工業(株)製)
メチルトリクロロシラン100質量部及びトルエン200質量部を1Lのフラスコに入れて混合し、得られた混合物に氷冷下で水8質量部及びイソプロピルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃に維持しながら、5〜20時間かけて滴下した。次に、反応混合物を加熱して還流温度で20分間撹拌した後、室温まで冷却した。反応混合物に水12質量部を30℃以下で30分かけて滴下し、20分間撹拌した。そこに更に水25質量部を滴下し、40〜45℃で60分間撹拌した。そこに更に水200質量部を添加して撹拌した後、有機層を分離した。この有機層を中性になるまで水で洗浄した。該有機層について、共沸脱水、濾過、及び減圧ストリップをすることにより、下記式(A−1)で示されるレジン状オルガノポリシロキサンA−1を無色透明の固体(融点76℃、重量平均分子量3,060)として36.0質量部得た。
(CH3)1.0Si(OC3H7)0.07(OH)0.10O1.4 (A−1)
フェニルメチルジクロロシラン100g(4.4モル%)、フェニルトリクロロシラン2100g(83.2モル%)、ケイ素原子数21個の両末端クロルジメチルシリコーンオイル2400g(12.4モル%)、及びトルエン3000gを混合し、得られた混合物を水11000g中に滴下し、30〜50℃で1時間共加水分解した。反応混合物を30℃で1時間熟成した後、水で洗浄し、有機層を分離した。該有機層について、共沸脱水、濾過、及び減圧ストリップをすることにより、150℃での溶融粘度が5Pa・sである無色透明のオルガノポリシロキサン(直鎖状ジオルガノポリシロキサン残基を有するオルガノポリシロキサンB−1)を得た。なお、このオルガノポリシロキサン中のヒドロキシ基含有量は2.2質量%であった。
表1に示す配合量(質量部)で、(A)レジン状オルガノポリシロキサン、(B)直鎖状ジオルガノポリシロキサン残基を有するオルガノポリシロキサン、(C)白色顔料、(D)無機充填剤、(E)蛍光増白剤、(F)硬化触媒、及び(G)離型剤を混合し、ブスコニーダーにて溶融混合処理した後、得られたコンパウンドを冷却及び粉砕して白色シリコーン樹脂組成物を得た。
EMMI規格に準じた金型を使用して、上記条件で測定した。
高化式フローテスターにより、25kgfの加圧下、直径1mmのノズルを用い、温度175℃での粘度を測定した。
JIS−K6911規格に準じた金型を使用して、上記条件で成形を行い、得られた硬化物を180℃で4時間ポストキュアーした。ポストキュアーした硬化物について、JIS K 6911規格に準拠して室温(25℃)にて曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
上記条件で成形を行って1辺50mm、厚さ0.35mmの正方形板状の硬化物を作製し、該硬化物についてエス・デイ・ジー(株)製X
-rite8200を使用して450nmにおける光反射率及び光透過率を測定した。
上記条件で成形を行って5mm×5mm×15mmの硬化物を作製し、該硬化物を180℃、4時間ポストキュアーした。ポストキュアーした硬化物について、理学製TMA8140Cを使用して、昇温スピード5℃/min及び温度範囲50〜100℃の条件で線膨脹係数を測定した。
Claims (3)
- (A)下記平均組成式(1)で表され、ポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20000のオルガノポリシロキサン 60〜100質量部、
(CH3)aSi(OR)b(OH)cO(4−a−b−c)/2 (1)
(式中、Rは炭素原子数1〜4の有機基を示し、a、b、及びcは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、及び0.801≦a+b+c<2を満たす数である)
(B)下記一般式(2)で表される直鎖状構造のジオルガノポリシロキサン残基を有し、ヒドロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン 5〜40質量部(但し、(A)及び(B)成分の合計は100質量部である)、
(式中、R1及びR2の各々は独立にヒドロキシ基、炭素原子数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基、又はアリル基を示す。mは5〜50の整数である)
(C)白色顔料 3〜200質量部、
(D)(C)成分以外の無機充填剤 300〜1000質量部、
(E)蛍光増白剤 0.1〜10質量部、並びに
(F)硬化触媒 0.01〜10質量部
を含む白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。 - (F)成分が有機金属縮合触媒である請求項1に係る組成物。
- 光半導体素子と請求項1又は2に記載の組成物の硬化物を含むリフレクターとを備える光半導体装置。
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