JP4386361B2 - 電極保護用シリコーンゴム組成物 - Google Patents
電極保護用シリコーンゴム組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4386361B2 JP4386361B2 JP2005010554A JP2005010554A JP4386361B2 JP 4386361 B2 JP4386361 B2 JP 4386361B2 JP 2005010554 A JP2005010554 A JP 2005010554A JP 2005010554 A JP2005010554 A JP 2005010554A JP 4386361 B2 JP4386361 B2 JP 4386361B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- silicone rubber
- rubber composition
- component
- oxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
(A)硬化性シリコーンゴム組成物 100質量部、および
(B)ランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物 0.1〜50質量部
を含有してなる電極保護用シリコーンゴム組成物を提供する。また、該組成物からなる電極保護材および該組成物によって電極が被覆された電気・電子部品を提供する。
(A)成分としては公知の硬化性シリコーンゴム組成物が用いられる。その具体例としては、付加硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型、有機過酸化物硬化型、縮合硬化型のオルガノポリシロキサン組成物等が挙げられる。付加硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、分子鎖末端部分(片末端または両末端)および分子鎖非末端部分のどちらか一方またはその両方にビニル基等のアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応(ヒドロシリル化付加反応)させることにより硬化するシリコーンゴム組成物を挙げることができる。紫外線硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、波長200〜400nmの紫外線のエネルギーにより硬化するシリコーンゴム組成物が挙げられる。この場合、硬化機構には特に制限はない。その具体例としては、アクリル基あるいはメタクリル基を有するオルガノポリシロキサンと光重合開始剤とからなるアクリルシリコーン系シリコーンゴム組成物、メルカプト基含有オルガノポリシロキサンとビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと光重合開始剤とからなるメルカプト−ビニル付加重合系シリコーンゴム組成物、熱硬化性の付加反応型と同じ白金族金属系触媒を用いた付加反応系シリコーンゴム組成物、エポキシ基を有するオルガノポリシロキサンとオニウム塩触媒とからなるカチオン重合系シリコーンゴム組成物などが挙げられ、いずれも紫外線硬化型シリコーンゴム組成物として使用することができる。電子線硬化型シリコーンゴム組成物としては、ラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサンに電子線を照射することで開始するラジカル重合により硬化するいずれのシリコーンゴム組成物も使用することができる。有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、上記のアルケニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを有機過酸化物の存在下でラジカル重合させることにより硬化するシリコーンゴム組成物を挙げることができる。縮合硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、両末端シラノール基封鎖オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンまたはテトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシラン等の加水分解性シランおよび/もしくはその部分加水分解縮合物とを有機錫系触媒等の縮合反応触媒の存在下で反応させることにより硬化するシリコーンゴム組成物、あるいは両末端がトリアルコキシシロキシ基、ジアルコキシオルガノシロキシ基、トリアルコキシシロキシエチル基、ジアルコキシオルガノシロキシエチル基等のアルコキシ含有シロキシ基またはアルコキシ含有シロキシアルキル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを有機錫系触媒等の縮合反応触媒の存在下で反応させることにより硬化するシリコーンゴム組成物などを挙げることができる。以下、(A)成分について更に詳述する。
付加硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(a)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(b)珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全硬化性シリコーンゴム組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(b)成分中の珪素原子に結合した水素原子の量が0.1〜5.0モルとなる量、および
(c)白金族金属系触媒 有効量
からなる付加硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
(a)成分のオルガノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーであり、珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有する。(a)成分としては公知のオルガノポリシロキサンを使用することができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定された(a)成分のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量はポリスチレン換算で好ましくは3,000〜300,000程度である。更に、(a)成分のオルガノポリシロキサンの常温(25℃)における粘度は、100〜1,000,000mPa・sであることが好ましく、200〜100,000mPa・s程度であることが特に好ましい。(a)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖(主鎖)がジオルガノシロキサン単位((R1)2SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基((R1)3SiO1/2)で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、または分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、R1SiO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状構造を部分的に有していてもよい。
R1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、aは好ましくは1.5〜2.8、より好ましくは1.8〜2.5、更により好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数ある。)
で示され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、珪素原子に結合した水素原子(SiH基)を少なくとも2個(通常、2〜200個)、好ましくは3個以上(通常、3〜100個)含有する。(b)成分は、(a)成分と反応し、架橋剤として作用する。(b)成分の分子構造は特に制限されず、例えば、線状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等の、従来製造されているいずれのオルガノハイドロジェンポリシロキサンも(b)成分として使用することができる。(b)成分が線状構造を有する場合、SiH基は、分子鎖末端および分子鎖末端でない部分のどちらか一方でのみ珪素原子に結合していても、その両方で珪素原子に結合していてもよい。また、1分子中の珪素原子の数(または重合度)が、通常、2〜300個、好ましくは4〜150個程度であり、室温(25℃)において液状であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが(b)成分として好ましく使用できる。
R2 bHcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は同一または異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が1〜10の一価炭化水素基であり、bおよびcは、好ましくは0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0、より好ましくは1.0≦b≦2.0、0.01≦c≦1.0、かつ1.5≦b+c≦2.5を満足する正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが用いられる。上記R2としては、例えば、上記平均組成式(1)中のR1と同様の基(ただし、アルケニル基を除く。)が挙げられる。
(c)成分の白金族金属系触媒は、(a)成分と(b)成分との付加硬化反応(ヒドロシリル化)を促進させるための触媒として使用される。(c)成分としては、公知の白金族金属系触媒を用いることができるが、白金もしくは白金化合物を用いることが好ましい。(c)成分の具体例としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサンまたはアセチレンアルコール類等との錯体が挙げられる。
紫外線硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(d)紫外線反応性オルガノポリシロキサン、および
(e)光重合開始剤
からなる紫外線硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
(d)成分の紫外線反応性オルガノポリシロキサンは、通常、紫外線硬化型シリコーンゴム組成物においてベースポリマーとして作用する。(d)成分は、特に限定されず、好ましくは1分子中に少なくとも2個、より好ましくは2〜20個、特に好ましくは2〜10個の紫外線反応性基を有するオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサン中に複数存在する前記紫外線反応性基は、全て同一でも異なっていてもよい。
[式中、R3は同一または異種の、紫外線反応性基を有しない非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R4は同一または異種の、紫外線反応性基を有する基であり、R5は同一または異種の、紫外線反応性基を有する基であり、mは5〜1,000の整数であり、nは0〜100の整数であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜3の整数であり、但し、p+q+n≧2である。]
または、下記一般式(3b):
[式中、R3、R4、R5、m、n、pおよびqは上記一般式(3a)で定義したとおりであり、kは2〜4の整数であり、rおよびsは各々1〜3の整数であり、但し、pr+qs+n≧2である。]
で表される少なくとも2個の紫外線反応性基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(e)成分の光重合開始剤は、前記(d)成分中の紫外線反応性基の光重合を促進させる作用を有する。(e)成分は特に限定されず、その具体例としては、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンセン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントン、3,9−ジクロロキサントン、3−クロロ−8−ノニルキサントン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシアセタール、2−クロロチオキサントン、ジエチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、好ましくはベンゾフェノン、4−メトキシアセトフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが挙げられ、より好ましくはジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが挙げられる。これらの光重合開始剤は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(f)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、および
(g)有機過酸化物
からなる有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
(f)成分のオルガノポリシロキサンは、有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーである。(f)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は特に制限されず、(f)成分としては、常温で液状のオルガノポリシロキサンから生ゴム状のオルガノポリシロキサンまで使用できるが、平均重合度が好ましくは50〜20,000、より好ましくは100〜10,000、更により好ましくは100〜2,000程度のオルガノポリシロキサンが好適に使用される。また、(f)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖がジオルガノシロキサン単位(R7 2SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R7 3SiO1/2)またはヒドロキシジオルガノシロキシ基((HO)R7 2SiO1/2)で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、または分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、分岐状構造を部分的に有していてもよい。
R7 dSiO(4-d)/2 (4)
(式中、R7は同一または異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基を表し、R7の0.0001〜10モル%はアルケニル基であり、かつ80モル%以上はメチル基であり、dは1.9〜2.4、好ましくは1.95〜2.05、より好ましくは1.98〜2.02の正数である。)
で示され、珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
(g)成分は、有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物において(f)成分の架橋反応を促進するための触媒として使用される有機過酸化物である。(g)成分としては、(f)成分の架橋反応を促進することができる限り、従来公知の有機過酸化物を使用することができる。その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
縮合硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(h)シラノール基(即ち、珪素原子結合水酸基)または珪素原子結合加水分解性基を少なくとも2個、好ましくは分子鎖両末端に含有するオルガノポリシロキサン、
(i)任意成分として、加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物、ならびに
(j)任意成分として、縮合反応触媒
からなる縮合硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
(h)成分は、シラノール基または珪素原子結合加水分解性基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであり、縮合硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーである。(h)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない直鎖状構造または環状構造を有するが、分岐状構造を部分的に有していてもよい。
(i)成分の加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物は任意成分であり、硬化剤として作用する。ベースポリマーである(h)成分がシラノール基以外の珪素原子結合加水分解性基を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである場合には、(i)成分を縮合硬化型シリコーンゴム組成物に添加するのを省略することができる。(i)成分としては、1分子中に少なくとも3個の珪素原子結合加水分解性基を含有するシランおよび/またはその部分加水分解縮合物(即ち、少なくとも1個、好ましくは2個以上の加水分解性基が残存するオルガノポリシロキサン)が好適に使用される。
R8 eSiX4-e
(式中、R8は非置換または置換の一価炭化水素基、Xは加水分解性基、eは0または1である。)で表されるものが好ましく用いられる。前記R8としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基が特に好ましく挙げられる。前記Xとしては、例えば、前記(h)成分における珪素原子結合加水分解性基として例示したものすべてが挙げられる。
(j)成分の縮合反応触媒は任意成分であり、上記(i)成分の加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物が、例えば、アミノキシ基、アミノ基、ケトオキシム基等を有する場合には使用しなくてもよい。(j)成分の縮合反応触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウム化合物;ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ(2−エチルヘキサノエート)等の有機スズ化合物;ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;ヘキシルアミン、燐酸ドデシルアミン等のアミン化合物、およびその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩;酢酸カリウム、硝酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;グアニジル基含有有機珪素化合物等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(B)成分はランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物であり、硫黄酸化物を捕捉して、硫黄酸化物が金属電極の表面に到達するのを防ぐ。
本発明の電極保護用シリコーンゴム組成物には、必要に応じて、上記以外の成分を配合することができる。例えば、硬化時における収縮率、並びに得られる硬化物の熱膨張係数、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、難燃性、燃膨張係数、ガス透過率および(B)成分の沈降防止などを適宜調整するための各種添加剤が挙げられる。これらの任意成分としては、無機イオン交換体、無機質充填剤、耐熱性向上剤、白金制御剤(付加反応制御剤)、重合禁止剤(ポットライフ延長剤)等が挙げられる。また、接着性を付与する公知成分、例えば、アルコキシシラン(例えば、テトラアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物)や下記に例示するシランカップリング剤およびこれらの縮合触媒である有機金属キレート化合物、有機金属アルコキシド等を配合することができる。
本発明のシリコーンゴム組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。
本発明の組成物は、(A)成分の硬化性シリコーンゴム組成物の種類に応じた公知の硬化方法および硬化条件で硬化させることができる。その成形方法も特に制限されず、公知の方法で成形することができる。
本発明の電極保護用シリコーンゴム組成物は、各種電気・電子部品の金属電極、特にLCD電極、PDP電極、有機ELなどのフラットパネルディスプレイの金属電極等の硫化による腐食を防止するのに有効である。この場合、保護方法としては、例えば、電極の保護すべき部分に上記組成物の被膜を好ましくは10〜1,000μm、特に好ましくは100〜500μmの厚さで形成し、これを硬化する方法を採用することができる。
下記式(i):
(式中、Lは10であり、Mは8である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを上記一般式(i)で表されるビニル基含有ジメチルポリシロキサン中のビニル基に対する本オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル比が1.5となる量、および、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液を0.05部加え、よく撹拌した。得られたシリコーンゴム組成物100部に平均粒径5μmの酸化ランタン(信越化学工業(株)製)10部を添加して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物を80℃で4時間硬化させた。
酸化ランタン10部の代わりに平均粒径5μmの酸化イットリウム(信越化学工業(株)製)20部を用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
下記式(iii):
(式中、L=450である。)
で示される両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100部にチタンキレート触媒(商品名:TC−750、マツモト交商製)0.1部を加え、よく撹拌した。得られたシリコーンゴム組成物100部に平均粒径5μmの酸化ガドリニウム(信越化学工業(株)製)10部、無機イオン交換体IXE700(東亜合成(株)製)10部を添加して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物を23℃/50%RHで24時間放置して硬化させた。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
酸化ガドリニウム10部およびIXE700 10部の代わりに平均粒径5μmの酸化ランタン30部を用いた以外は実施例3と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
下記式(iv):
で示されるオイル状のオルガノポリシロキサン100部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン2部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1部、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(メトキシシロキサンオリゴマー)1部、平均粒径5μmの酸化ランタン40部、および下記式(V):
酸化ランタンを添加しない以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
酸化ガドリニウムおよびIXE700を添加しない以外は実施例3と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
酸化ランタンを添加しない以外は実施例5と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
・硬化特性の測定
表1に示すとおり、実施例の硬化物と比較例の硬化物との間で硬化特性の大きな違いはなく、実施例の組成物は良好な硬化特性を有していることが分かる。
表2に示すとおり、実施例の硬化物で被覆された金属基板は24時間後においても腐食しなかったのに対し、比較例の硬化物で被覆された金属基板は4時間後には完全に腐食してしまった。このことから、実施例の組成物は耐硫化腐食性に優れていることが分かる。
表3に示すとおり、実施例の硬化物で被覆された金属基板は21日後においても腐食しなかったのに対し、比較例の硬化物で被覆された金属基板は4日後には完全に腐食してしまった。このことから、実施例の組成物は耐硫化腐食性に優れていることが分かる。
Claims (4)
- (A)硬化性シリコーンゴム組成物 100質量部、および
(B)ランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物 0.1〜50質量部
を含有してなる電極保護用シリコーンゴム組成物であって、該硬化性シリコーンゴム組成物が、下記から成る群から選ばれる、電極保護用シリコーンゴム組成物:
(I)(a)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(b)珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全硬化性シリコーンゴム組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(b)成分中の珪素原子に結合した水素原子の量が0.1〜5.0モルとなる量、および
(c)白金族金属系触媒 有効量
からなる付加硬化型シリコーンゴム組成物、
(II)(d)紫外線反応性オルガノポリシロキサン、および
(e)光重合開始剤
からなる紫外線硬化型シリコーンゴム組成物、
(III)(f)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、および
(g)有機過酸化物
からなる有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物、及び
(IV)(h)シラノール基または珪素原子結合加水分解性基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(i)任意成分として、加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物、ならびに
(j)任意成分として、縮合反応触媒
からなる縮合硬化型シリコーンゴム組成物。 - (B)成分が、酸化ガドリニウム、酸化サマリウム、酸化ツリウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジム、酸化エルビウム、酸化テルビウム、酸化プラセオジム、酸化ジスプロシウム、酸化イッテルビウム、酸化ホルミウムの群より選択される一種又は二種以上である請求項1に記載の電極保護用シリコーンゴム組成物。
- 請求項1又は2に記載の電極保護用シリコーンゴム組成物からなる電極保護材。
- 請求項1又は2に記載の電極保護用シリコーンゴム組成物によって電極が被覆された電気・電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005010554A JP4386361B2 (ja) | 2005-01-18 | 2005-01-18 | 電極保護用シリコーンゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005010554A JP4386361B2 (ja) | 2005-01-18 | 2005-01-18 | 電極保護用シリコーンゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006199752A JP2006199752A (ja) | 2006-08-03 |
JP4386361B2 true JP4386361B2 (ja) | 2009-12-16 |
Family
ID=36958049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005010554A Active JP4386361B2 (ja) | 2005-01-18 | 2005-01-18 | 電極保護用シリコーンゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4386361B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101831974B1 (ko) * | 2010-03-30 | 2018-02-23 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 수지 조성물, 발광반도체 소자용 리플렉터, 및 발광 반도체 장치 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4647321B2 (ja) * | 2005-01-31 | 2011-03-09 | モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 | 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 |
JP4520437B2 (ja) * | 2006-07-26 | 2010-08-04 | 信越化学工業株式会社 | Led用蛍光物質入り硬化性シリコーン組成物およびその組成物を使用するled発光装置。 |
EP2497746A1 (en) * | 2009-11-02 | 2012-09-12 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Spherical silicon carbide powder, process for production of same, and process for production of silicon carbide ceramic molded article utilizing same |
JP5728961B2 (ja) * | 2011-01-17 | 2015-06-03 | 信越化学工業株式会社 | 光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体ケース |
JP5728960B2 (ja) * | 2011-01-17 | 2015-06-03 | 信越化学工業株式会社 | 光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体ケース |
US10522771B2 (en) * | 2014-12-01 | 2019-12-31 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Composition, electronic device, and thin film transistor |
KR102407114B1 (ko) | 2015-05-29 | 2022-06-08 | 삼성전자주식회사 | 절연액, 절연체, 박막 트랜지스터 및 전자 소자 |
KR102380151B1 (ko) * | 2015-08-31 | 2022-03-28 | 삼성전자주식회사 | 박막 트랜지스터, 및 이를 포함하는 전자 장치 |
-
2005
- 2005-01-18 JP JP2005010554A patent/JP4386361B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101831974B1 (ko) * | 2010-03-30 | 2018-02-23 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 수지 조성물, 발광반도체 소자용 리플렉터, 및 발광 반도체 장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006199752A (ja) | 2006-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4386361B2 (ja) | 電極保護用シリコーンゴム組成物 | |
JP4828145B2 (ja) | 熱伝導性シリコーンゴム組成物 | |
JP5589856B2 (ja) | 透明性に優れる熱伝導性シリコーン組成物及び硬化物 | |
JP4590253B2 (ja) | オルガノポリシロキサンおよびシリコーン組成物 | |
JP4828146B2 (ja) | 熱伝導性シリコーンゴム組成物 | |
EP1726622B1 (en) | Heat conductive silicone composition | |
TWI666267B (zh) | 聚矽氧凝膠組合物 | |
JPWO2002092693A1 (ja) | 熱伝導性シリコーン組成物 | |
JP4645793B2 (ja) | 電極回路保護用シリコーンゴム組成物、電極回路保護材及び電気・電子部品 | |
JP2010084062A (ja) | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP5500037B2 (ja) | 難燃性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP5351482B2 (ja) | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP2008280368A (ja) | 低透湿性ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP2003306606A (ja) | オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP5562728B2 (ja) | 耐油性付加硬化型シリコーン組成物並びに耐油性シリコーンゴム | |
JP5548112B2 (ja) | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP2008144073A (ja) | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP4844731B2 (ja) | 硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び自動車用エンジン周辺部品のシール並びに質量減少抑制方法 | |
JP2005089672A (ja) | 紫外線硬化性組成物 | |
JP5106914B2 (ja) | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 | |
EP1900710A1 (en) | Method of producing inorganic molded item, and inorganic molded item obtained using the method | |
EP3500629B1 (en) | Room temperature curable organopolysiloxane composition for protecting electric/electronic parts | |
WO2023242193A1 (en) | Thermally conductive silicone composition and method for producing thermally conductive member using the composition | |
KR20220118392A (ko) | 수분 경화성 네트워크 실리콘 중합체 및 그의 용도 | |
JP2530248B2 (ja) | 型取り材用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090924 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090925 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4386361 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151009 Year of fee payment: 6 |