JP4386361B2 - 電極保護用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

電極保護用シリコーンゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、電気・電子部品の金属電極を硫化による腐食から保護することができる電極保護用シリコーンゴム組成物、該組成物からなる電極保護材および該組成物によって電極が被覆された電気・電子部品に関する。
近年、電気・電子部品の金属電極が、大気中の硫黄化合物、ゴム製品の加硫剤、排気ガス等によって硫化されて腐食することが大きな問題となっている。従来、金属電極の保護材料としては、炭酸カルシウム等の塩基性無機充填剤や銅粉等の金属粉体を含有するシリコーンゴム組成物が提案されているが(特許文献1参照)、かかる従来の保護材料では、金属電極が硫化により腐食するのを防ぐ効果が不十分であった。
特開2003−096301号公報
そこで、本発明の課題は、金属電極を硫黄化合物の存在下でも硫化による腐食から保護することができる電極保護用シリコーンゴム組成物、該組成物からなる電極保護材および該組成物によって電極が被覆された電気・電子部品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、硬化性シリコーンゴム組成物と、ランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物とを含有するシリコーンゴム組成物が、硫黄化合物の存在下において、金属の硫化、腐食を防止し得ることを見出した。また、本発明者は、該硬化性シリコーンゴム組成物として、ビニル基含有シリコーンとヒドロシリル基含有シリコーンとを白金族金属系触媒で付加反応させることによって硬化させることができる室温または低温加熱硬化性シリコーンゴム組成物(付加硬化型シリコーンゴム組成物)、アクリル基を置換基として有するポリマーと光重合開始剤とからなる紫外線硬化型シリコーンゴム組成物、有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物、シラノール基やアルコキシ基を含有するシリコーンを縮合反応触媒存在下で縮合反応させることによって硬化させることができる室温硬化型シリコーンゴム組成物(縮合硬化型シリコーンゴム組成物)を使用できることを見出した。本発明者は、これらの知見に基づき本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)硬化性シリコーンゴム組成物 100質量部、および
(B)ランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物 0.1〜50質量部
を含有してなる電極保護用シリコーンゴム組成物を提供する。また、該組成物からなる電極保護材および該組成物によって電極が被覆された電気・電子部品を提供する。
本発明のシリコーンゴム組成物は、低温加熱、室温放置、紫外線照射等で硬化し、良好な硬化特性を有し、かつ耐硫化腐食性に優れている。よって、各種電気・電子部品の電極、例えば、液晶電極、PDP電極、プラズマディスプレイ電極の保護材として有用である。
[(A)成分]
(A)成分としては公知の硬化性シリコーンゴム組成物が用いられる。その具体例としては、付加硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型、有機過酸化物硬化型、縮合硬化型のオルガノポリシロキサン組成物等が挙げられる。付加硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、分子鎖末端部分(片末端または両末端)および分子鎖非末端部分のどちらか一方またはその両方にビニル基等のアルケニル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを白金族金属系触媒の存在下で反応(ヒドロシリル化付加反応)させることにより硬化するシリコーンゴム組成物を挙げることができる。紫外線硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、波長200〜400nmの紫外線のエネルギーにより硬化するシリコーンゴム組成物が挙げられる。この場合、硬化機構には特に制限はない。その具体例としては、アクリル基あるいはメタクリル基を有するオルガノポリシロキサンと光重合開始剤とからなるアクリルシリコーン系シリコーンゴム組成物、メルカプト基含有オルガノポリシロキサンとビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと光重合開始剤とからなるメルカプト−ビニル付加重合系シリコーンゴム組成物、熱硬化性の付加反応型と同じ白金族金属系触媒を用いた付加反応系シリコーンゴム組成物、エポキシ基を有するオルガノポリシロキサンとオニウム塩触媒とからなるカチオン重合系シリコーンゴム組成物などが挙げられ、いずれも紫外線硬化型シリコーンゴム組成物として使用することができる。電子線硬化型シリコーンゴム組成物としては、ラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサンに電子線を照射することで開始するラジカル重合により硬化するいずれのシリコーンゴム組成物も使用することができる。有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、上記のアルケニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを有機過酸化物の存在下でラジカル重合させることにより硬化するシリコーンゴム組成物を挙げることができる。縮合硬化型シリコーンゴム組成物としては、例えば、両末端シラノール基封鎖オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンまたはテトラアルコキシシラン、オルガノトリアルコキシシラン等の加水分解性シランおよび/もしくはその部分加水分解縮合物とを有機錫系触媒等の縮合反応触媒の存在下で反応させることにより硬化するシリコーンゴム組成物、あるいは両末端がトリアルコキシシロキシ基、ジアルコキシオルガノシロキシ基、トリアルコキシシロキシエチル基、ジアルコキシオルガノシロキシエチル基等のアルコキシ含有シロキシ基またはアルコキシ含有シロキシアルキル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを有機錫系触媒等の縮合反応触媒の存在下で反応させることにより硬化するシリコーンゴム組成物などを挙げることができる。以下、(A)成分について更に詳述する。
<付加硬化型シリコーンゴム組成物>
付加硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(a)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(b)珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全硬化性シリコーンゴム組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(b)成分中の珪素原子に結合した水素原子の量が0.1〜5.0モルとなる量、および
(c)白金族金属系触媒 有効量
からなる付加硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
・(a)成分
(a)成分のオルガノポリシロキサンは、付加硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーであり、珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有する。(a)成分としては公知のオルガノポリシロキサンを使用することができる。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定された(a)成分のオルガノポリシロキサンの重量平均分子量はポリスチレン換算で好ましくは3,000〜300,000程度である。更に、(a)成分のオルガノポリシロキサンの常温(25℃)における粘度は、100〜1,000,000mPa・sであることが好ましく、200〜100,000mPa・s程度であることが特に好ましい。(a)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖(主鎖)がジオルガノシロキサン単位((R12SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基((R13SiO1/2)で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、または分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、R1SiO3/2単位やSiO4/2単位を含んだ分岐状構造を部分的に有していてもよい。
(a)成分としては、例えば、下記平均組成式(1):
1 aSiO(4-a)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基であり、aは好ましくは1.5〜2.8、より好ましくは1.8〜2.5、更により好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数ある。)
で示され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
上記R1で示される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換した基、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
この場合、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(特に、炭素原子数が好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6のアルケニル基)である。なお、アルケニル基の含有量は、珪素原子に結合する全有機基中(即ち、前記平均組成式(1)においてR1で示される非置換または置換の全一価炭化水素基中)、好ましくは0.01〜20モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%である。(a)成分のオルガノポリシロキサンが直鎖状構造を有する場合、このアルケニル基は、分子鎖末端および分子鎖末端でない部分のどちらか一方でのみ珪素原子に結合していても、その両方で珪素原子に結合していてもよいが、組成物の硬化速度、硬化物の物性等の点から、少なくとも一個のアルケニル基が分子鎖末端の珪素原子に結合していることが好ましい。
上記R1は、基本的には上記のいずれであってもよいが、アルケニル基はビニル基であることが好ましく、アルケニル基以外の一価炭化水素基はメチル基またはフェニル基であることが好ましい。
(a)成分の具体例としては、下記一般式で示される化合物が挙げられる。
Figure 0004386361
なお、上記一般式中のRは、アルケニル基を表さないこと以外は、R1と同様である。mおよびnはm≧1、n≧0を満たす整数であり、m+nはこのオルガノポリシロキサンの分子量および粘度が上記の値となる数である。
・(b)成分
(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、珪素原子に結合した水素原子(SiH基)を少なくとも2個(通常、2〜200個)、好ましくは3個以上(通常、3〜100個)含有する。(b)成分は、(a)成分と反応し、架橋剤として作用する。(b)成分の分子構造は特に制限されず、例えば、線状、環状、分岐状、三次元網状(樹脂状)等の、従来製造されているいずれのオルガノハイドロジェンポリシロキサンも(b)成分として使用することができる。(b)成分が線状構造を有する場合、SiH基は、分子鎖末端および分子鎖末端でない部分のどちらか一方でのみ珪素原子に結合していても、その両方で珪素原子に結合していてもよい。また、1分子中の珪素原子の数(または重合度)が、通常、2〜300個、好ましくは4〜150個程度であり、室温(25℃)において液状であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが(b)成分として好ましく使用できる。
(b)成分としては、例えば、下記平均組成式(2):
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は同一または異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が1〜10の一価炭化水素基であり、bおよびcは、好ましくは0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0、より好ましくは1.0≦b≦2.0、0.01≦c≦1.0、かつ1.5≦b+c≦2.5を満足する正数である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが用いられる。上記R2としては、例えば、上記平均組成式(1)中のR1と同様の基(ただし、アルケニル基を除く。)が挙げられる。
上記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
(b)成分の添加量は、全硬化性シリコーンゴム組成物中のアルケニル基1モル当たり、特に、全硬化性シリコーンゴム組成物中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モル当たり、とりわけ、(a)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モル当たり、本(b)成分中のSiH基の量が0.1〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モル、より好ましくは0.8〜2.0モルとなる量である。このとき、全硬化性シリコーンゴム組成物中に存在するアルケニル基に対する(a)成分中の珪素原子と結合したアルケニル基の割合は80〜100モル%が好ましく、90〜100モル%がより好ましい。全硬化性シリコーンゴム組成物中にアルケニル基を有する成分として(a)成分しか存在しない場合には、(a)成分中のアルケニル基1モル当たり、本(b)成分中のSiH基の量が0.1〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モル、より好ましくは0.8〜2.0モルとなる量である。該添加量が上記SiH基の量が0.1モルより少なくなる量であると、本発明の組成物から得られる硬化物の架橋密度が低くなりすぎ、該硬化物の耐熱性が悪影響を受ける。また、該添加量が上記SiH基の量が5.0モルより多くなる量であると、該硬化物中に脱水素反応による発泡が生じてしまい、更に該硬化物の耐熱性が悪影響を受ける。
・(c)成分
(c)成分の白金族金属系触媒は、(a)成分と(b)成分との付加硬化反応(ヒドロシリル化)を促進させるための触媒として使用される。(c)成分としては、公知の白金族金属系触媒を用いることができるが、白金もしくは白金化合物を用いることが好ましい。(c)成分の具体例としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサンまたはアセチレンアルコール類等との錯体が挙げられる。
(c)成分の添加量は、触媒としての有効量であり、希望する硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、(a)成分に対して白金族金属に換算して質量基準で好ましくは0.1〜1,000ppm、より好ましくは1〜200ppmの範囲である。
<紫外線硬化型シリコーンゴム組成物>
紫外線硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(d)紫外線反応性オルガノポリシロキサン、および
(e)光重合開始剤
からなる紫外線硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
・(d)成分
(d)成分の紫外線反応性オルガノポリシロキサンは、通常、紫外線硬化型シリコーンゴム組成物においてベースポリマーとして作用する。(d)成分は、特に限定されず、好ましくは1分子中に少なくとも2個、より好ましくは2〜20個、特に好ましくは2〜10個の紫外線反応性基を有するオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサン中に複数存在する前記紫外線反応性基は、全て同一でも異なっていてもよい。
(d)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基もしくはトリオルガノシリルエチル基等のトリオルガノシリル置換アルキル基で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、または分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない環状構造を有することが好ましいが、三官能性シロキサン単位やSiO2単位等の分岐状構造を部分的に含有してもよい。(d)成分のオルガノポリシロキサンは、直鎖状構造を有する場合、紫外線反応性基を、分子鎖末端および分子鎖末端でない部分のどちらか一方にのみ有していても、その両方に有していてもよいが、少なくとも分子鎖両末端に紫外線反応性基を有することが好ましい。
該紫外線反応性基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;アクリロイル基、メタクリロイル基等のアルケニル基以外の脂肪族不飽和基;メルカプト基;エポキシ基;ヒドロシリル基等が挙げられ、好ましくはアクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、およびヒドロシリル基が挙げられ、より好ましくはアクリロイル基およびメタクリロイル基が挙げられる。
前記オルガノポリシロキサンの粘度は、特に限定されないが、25℃において、25mPa・s以上であることが好ましく、100〜10,000,000mPa・sであることがより好ましく、100〜100,000mPa・sであることが特に好ましい。
(d)成分の好ましい一形態として、例えば、下記一般式(3a):
Figure 0004386361

[式中、R3は同一または異種の、紫外線反応性基を有しない非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R4は同一または異種の、紫外線反応性基を有する基であり、R5は同一または異種の、紫外線反応性基を有する基であり、mは5〜1,000の整数であり、nは0〜100の整数であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜3の整数であり、但し、p+q+n≧2である。]
または、下記一般式(3b):
Figure 0004386361

[式中、R3、R4、R5、m、n、pおよびqは上記一般式(3a)で定義したとおりであり、kは2〜4の整数であり、rおよびsは各々1〜3の整数であり、但し、pr+qs+n≧2である。]
で表される少なくとも2個の紫外線反応性基を有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
上記一般式(3a)および(3b)中、R3は、同一または異種の、紫外線反応性基を有しない非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更により好ましくは1〜8の一価炭化水素基である。R3で表される一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−エチルブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;これらの炭化水素基の炭素原子に結合している水素原子の一部または全部がハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基等で置換された基、例えば、クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基等が挙げられ、好ましくはメチル基およびフェニル基が挙げられ、より好ましくはメチル基が挙げられる。また、上記R3で表される一価炭化水素基はその骨格中にスルホニル基、エーテル結合(−O−)、カルボニル基等を1種または2種以上有してもよい。
上記一般式(3a)および(3b)中、R4およびR5に含まれる紫外線反応性基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;アクリロイル基、メタクリロイル基等のアルケニル基以外の脂肪族不飽和基;メルカプト基;エポキシ基;ヒドロシリル基等が挙げられ、好ましくはアクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、エポキシ基、およびヒドロシリル基が挙げられ、より好ましくはアクリロイル基およびメタクリロイル基が挙げられる。従って、R4およびR5で表される紫外線反応性基を有する基は、例えば、上で例示した紫外線反応性基を有する一価の基であり、その具体例としては、ビニル基、アリル基、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基、3−メルカプトプロピル基、2−{ビス(2−メタクリロキシエトキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(2−メタクリロキシエトキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(2−アクリロキシエトキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(2−アクリロキシエトキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(1,3−ジメタクリロキシ−2−プロポキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(1,3−ジメタクリロキシ−2−プロポキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロポキシ)メチルシリル}エチル基、および2−{(1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロポキシ)ジメチルシリル}エチル基等が挙げられ、好ましくは3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基、2−{ビス(2−メタクリロキシエトキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(2−メタクリロキシエトキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(2−アクリロキシエトキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(2−アクリロキシエトキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(1,3−ジメタクリロキシ−2−プロポキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(1,3−ジメタクリロキシ−2−プロポキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロポキシ)メチルシリル}エチル基、および2−{(1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロポキシ)ジメチルシリル}エチル基が挙げられ、より好ましくは3−アクリロキシプロピル基、2−{ビス(2−メタクリロキシエトキシ)メチルシリル}エチル基、2−{(2−メタクリロキシエトキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{(2−アクリロキシエトキシ)ジメチルシリル}エチル基、2−{ビス(1,3−ジメタクリロキシ−2−プロポキシ)メチルシリル}エチル基、2−{ビス(1−アクリロキシ−3−メタクリロキシ−2−プロポキシ)メチルシリル}エチル基が挙げられる。R4およびR5は各々同一であっても異なっていてもよく、R4およびR5どうしが同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(3a)および(3b)中、mは、通常、5〜1,000、好ましくは10〜800、より好ましくは50〜500の整数である。nは、通常、0〜100、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜20の整数である。pは、通常、0〜3、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは1または2である。qは、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは1または2である。上記式(3b)中、kは、通常、2〜4の整数、好ましくは2または3である。rおよびsは各々1〜3の整数、好ましくは1または2である。更に、上記一般式(3a)および(3b)で表されるオルガノポリシロキサンは、前述のとおり、前記紫外線反応性基を少なくとも2個有するので、式(3a)ではp+q+n≧2となり、式(3b)ではpr+qs+n≧2となる。
上記式(3a)または(3b)で表されるオルガノポリシロキサンの具体例としては、下記に示すものなどが挙げられる。
Figure 0004386361
Figure 0004386361

[式中、R6は、90%がメチル基であり、10%がフェニル基である]
・(e)成分
(e)成分の光重合開始剤は、前記(d)成分中の紫外線反応性基の光重合を促進させる作用を有する。(e)成分は特に限定されず、その具体例としては、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンセン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントン、3,9−ジクロロキサントン、3−クロロ−8−ノニルキサントン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシアセタール、2−クロロチオキサントン、ジエチルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられ、好ましくはベンゾフェノン、4−メトキシアセトフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが挙げられ、より好ましくはジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、および2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが挙げられる。これらの光重合開始剤は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(e)成分の添加量は、特に限定されないが、(d)成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜3質量部、更により好ましくは0.5〜3質量部である。この添加量がこの範囲内だと、本発明組成物を硬化させることにより得られる硬化ゴムは強度および引張り強さ等の物理特性に優れたものとなる。
<有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物>
有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(f)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、および
(g)有機過酸化物
からなる有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
・(f)成分
(f)成分のオルガノポリシロキサンは、有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーである。(f)成分のオルガノポリシロキサンの重合度は特に制限されず、(f)成分としては、常温で液状のオルガノポリシロキサンから生ゴム状のオルガノポリシロキサンまで使用できるが、平均重合度が好ましくは50〜20,000、より好ましくは100〜10,000、更により好ましくは100〜2,000程度のオルガノポリシロキサンが好適に使用される。また、(f)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖がジオルガノシロキサン単位(R7 2SiO2/2単位)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R7 3SiO1/2)またはヒドロキシジオルガノシロキシ基((HO)R7 2SiO1/2)で封鎖された、分岐を有しない直鎖状構造、または分子鎖が該ジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない環状構造を有するが、分岐状構造を部分的に有していてもよい。
(f)成分としては、例えば、下記平均組成式(4):
7 dSiO(4-d)/2 (4)
(式中、R7は同一または異種の非置換もしくは置換の、炭素原子数が好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8の一価炭化水素基を表し、R7の0.0001〜10モル%はアルケニル基であり、かつ80モル%以上はメチル基であり、dは1.9〜2.4、好ましくは1.95〜2.05、より好ましくは1.98〜2.02の正数である。)
で示され、珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
上記R7は前記平均組成式(1)のR1と同様であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;これらの炭化水素基の水素原子の一部または全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換した基、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
この場合、R7のうち少なくとも2個はアルケニル基(特に、炭素原子数が好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6のアルケニル基)である。なお、アルケニル基の含有量は、珪素原子に結合する全有機基中(即ち、前記平均組成式(4)においてR7で示される非置換または置換の全一価炭化水素基中)、好ましくは0.0001〜10モル%、特に好ましくは0.001〜5モル%である。(f)成分のオルガノポリシロキサンが直鎖状構造を有する場合、このアルケニル基は、分子鎖末端および分子鎖末端でない部分のどちらか一方でのみ珪素原子に結合していても、その両方で珪素原子に結合していてもよい。
・(g)成分
(g)成分は、有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物において(f)成分の架橋反応を促進するための触媒として使用される有機過酸化物である。(g)成分としては、(f)成分の架橋反応を促進することができる限り、従来公知の有機過酸化物を使用することができる。その具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(g)成分の添加量は、(f)成分の架橋反応を促進するための触媒としての有効量であり、希望する硬化速度に応じて適宜選択すればよいが、(f)成分100質量部に対して好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.2〜2質量部の範囲とすることができる。
<縮合硬化型シリコーンゴム組成物>
縮合硬化型シリコーンゴム組成物として、具体的には、例えば、
(h)シラノール基(即ち、珪素原子結合水酸基)または珪素原子結合加水分解性基を少なくとも2個、好ましくは分子鎖両末端に含有するオルガノポリシロキサン、
(i)任意成分として、加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物、ならびに
(j)任意成分として、縮合反応触媒
からなる縮合硬化型シリコーンゴム組成物が挙げられる。
・(h)成分
(h)成分は、シラノール基または珪素原子結合加水分解性基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンであり、縮合硬化型シリコーンゴム組成物のベースポリマーである。(h)成分のオルガノポリシロキサンは、基本的には、分子鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、分岐を有しない直鎖状構造または環状構造を有するが、分岐状構造を部分的に有していてもよい。
(h)成分のオルガノポリシロキサンにおいて、シラノール基以外の加水分解性基としては、例えば、アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシロキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基(即ち、イミノキシ基);メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;ビニロキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基等が挙げられる。
これらの加水分解性基は、例えば、トリアルコキシシロキシ基、ジアルコキシオルガノシロキシ基、トリアシロキシシロキシ基、ジアシロキシオルガノシロキシ基、トリイミノキシシロキシ基(即ち、トリケトオキシムシロキシ基)、ジイミノキシオルガノシロキシ基、トリアルケノキシシロキシ基、ジアルケノキシオルガノシロキシ基、トリアルコキシシロキシエチル基、ジアルコキシオルガノシロキシエチル基等の、2個もしくは3個の加水分解性基を含有するシロキシ基または2個もしくは3個の加水分解性基を含有するシロキシアルキル基等の形で直鎖状ジオルガノポリシロキサンの分子鎖両末端に位置していることが好ましい。
珪素原子に結合した他の一価炭化水素基としては、上記平均組成式(1)におけるR1について例示したものと同じ非置換または置換の一価炭化水素基が挙げられる。
(h)成分としては、例えば、
Figure 0004386361

[上記の式中、Xは前記のシラノール基以外の加水分解性基、aは1、2または3、lおよびmはそれぞれ1〜1000の整数である]
が挙げられる。
(h)成分の具体例としては、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端メチルジメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリエトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端2−トリメトキシシロキシエチル基封鎖ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
・(i)成分
(i)成分の加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物は任意成分であり、硬化剤として作用する。ベースポリマーである(h)成分がシラノール基以外の珪素原子結合加水分解性基を1分子中に少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである場合には、(i)成分を縮合硬化型シリコーンゴム組成物に添加するのを省略することができる。(i)成分としては、1分子中に少なくとも3個の珪素原子結合加水分解性基を含有するシランおよび/またはその部分加水分解縮合物(即ち、少なくとも1個、好ましくは2個以上の加水分解性基が残存するオルガノポリシロキサン)が好適に使用される。
前記シランとしては、例えば、式:
8 eSiX4-e
(式中、R8は非置換または置換の一価炭化水素基、Xは加水分解性基、eは0または1である。)で表されるものが好ましく用いられる。前記R8としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基が特に好ましく挙げられる。前記Xとしては、例えば、前記(h)成分における珪素原子結合加水分解性基として例示したものすべてが挙げられる。
(i)成分の具体例としては、例えば、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルオルソシリケート等、およびこれらの部分加水分解縮合物が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
(i)成分の加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物を用いる場合、その添加量は、(h)成分100質量部に対して好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部である。(i)成分を用いる場合、その添加量が上記範囲内にあると、本発明組成物の貯蔵安定性、接着性および硬化速度は特に良好である。
・(j)成分
(j)成分の縮合反応触媒は任意成分であり、上記(i)成分の加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物が、例えば、アミノキシ基、アミノ基、ケトオキシム基等を有する場合には使用しなくてもよい。(j)成分の縮合反応触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウム化合物;ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジ(2−エチルヘキサノエート)等の有機スズ化合物;ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;ヘキシルアミン、燐酸ドデシルアミン等のアミン化合物、およびその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩;酢酸カリウム、硝酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;グアニジル基含有有機珪素化合物等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(j)成分の縮合反応触媒を用いる場合、その添加量は、特に制限されず、触媒としての有効量でよいが、(h)成分100質量部に対して好ましくは0.01〜20質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部である。(j)成分を用いる場合、その添加量が上記範囲内にあると、本発明組成物の硬化性および貯蔵安定性は特に良好である。
[(B)成分]
(B)成分はランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物であり、硫黄酸化物を捕捉して、硫黄酸化物が金属電極の表面に到達するのを防ぐ。
(B)成分の具体例としては、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化サマリウム、酸化ツリウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジム、酸化エルビウム、酸化テルビウム、酸化プラセオジム、酸化ジスプロシウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、酸化ホルミウムなどが挙げられる。また、各種蛍光体として知られるイットリウム・アルミニウム酸化物、該酸化物中のイットリウムの一部をランタンもしくはガドリニウムで置換した化合物、または該酸化物中のアルミニウムの一部もしくは全部をガドリニウムもしくはインジウムで置換した化合物も使用することができる。これらの酸化物は1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。(B)成分は、ランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも二種の金属元素の複合酸化物の状態であってもよいし、前記の群より選択される少なくとも一種の金属元素とランタノイド元素、イットリウムおよびインジウム以外の少なくとも一種の金属元素、例えば、アルミニウムとの複合酸化物の状態であってもよい。
本発明において、(B)成分の平均粒径は、好ましくは5μm以下、より好ましくは0.01〜5μm、特に好ましくは0.1〜5μmである。なお、この平均粒径は、レーザー光回折法を用いた粒度分布測定装置により求めた累積重量平均値D50(またはメジアン径)である。
(B)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.1〜50質量部、好ましくは0.5〜40質量部である。この添加量が0.1質量部未満だと、硫黄化合物の捕捉効果を十分には得ることができず、50質量部を超えると、該捕捉効果は十分に期待できるが、本組成物を硬化させることにより得られるシリコーンゴムの機械的物性が低下し、また、経済的な面からも望ましくない。
[その他の成分]
本発明の電極保護用シリコーンゴム組成物には、必要に応じて、上記以外の成分を配合することができる。例えば、硬化時における収縮率、並びに得られる硬化物の熱膨張係数、機械的強度、耐熱性、耐薬品性、難燃性、燃膨張係数、ガス透過率および(B)成分の沈降防止などを適宜調整するための各種添加剤が挙げられる。これらの任意成分としては、無機イオン交換体、無機質充填剤、耐熱性向上剤、白金制御剤(付加反応制御剤)、重合禁止剤(ポットライフ延長剤)等が挙げられる。また、接着性を付与する公知成分、例えば、アルコキシシラン(例えば、テトラアルコキシシランおよび/またはその加水分解縮合物)や下記に例示するシランカップリング剤およびこれらの縮合触媒である有機金属キレート化合物、有機金属アルコキシド等を配合することができる。
無機イオン交換体は、(B)成分とともに、硫化による腐食から電極を保護するために配合される成分である。無機イオン交換体としては、例えば、次のような化合物が挙げられる。天然ゼオライト、合成ゼオライトなどのアルミノケイ酸塩;酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物;含水酸化チタン、含水酸化ビスマス、含水酸化アンチモンなどの水酸化物または含水酸化物;リン酸ジルコニウム、リン酸チタンなどの酸性塩;ハイドロタルサイト類などの塩基性塩や複合含水酸化物;モリブドリン酸アンモニウムなどのヘテロポリリン酸類;またはヘキサシアノ鉄(III)塩やヘキサシアノ亜鉛などを例示できるが、中でも、耐薬品性や耐湿条件下でのイオン不純物の観点からみて、金属の水酸化物または含水酸化物がよく、含水酸化チタン、含水酸化ビスマス、含水酸化アンチモンなどが好ましい。
その中でも陰イオン交換でアンチモンを含まないビスマス系、アルミニウム系、ジルコニウム系の無機イオン交換体が適する。無機イオン交換体の好ましい具体例としては、東亜合成(株)のIXEが例示され、商品名としてIXE500、IXE530、IXE550、IXE700、IXE700F、IXE800等がある。また他の無機イオン交換体として例示できるハイドロタルサイト類化合物は、層状構造をしたマグネシウム、アルミニウムを含む化合物であり、商品名としてKW2200,KW2100,DHT−4A,DHT−4B,DHT−4C(協和化学工業(株)製)等が挙げられるが、ハイドロタルサイト類は、硫化による腐食に関しては、上記のアンチモン非含有の、ビスマス系、アルミニウム系、ジルコニウム系の水酸化物又は含水酸化物に比べると耐性に劣る面がある。これらの無機イオン交換体は、本用途には5μm以下、通常、0.01〜5μm、特に0.1〜5μmの平均粒径が好適に使用される。また、上記各種の無機イオン交換体は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
無機質充填剤はシリコーンゴム組成物に所定の硬度及び引張り強さ等の物理的強度を付与するものである。充填剤としては、シリコーンゴム組成物に通常使用されるものでよい。具体的には、例えばヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)、結晶性シリカ(石英粉末)、沈降性シリカ、疎水化処理したシリカ、シリカエアロゲル等のシリカ系充填剤のほかガラス繊維、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。このような材料の例として、シリカ系充填剤では親水性のシリカとして、Aerosil130,200,300(日本アエロジル社、Degussa社製)、CabosilMS−5,MS−7(Cabot社製)、RheorosilQS−102,103(徳山曹達社製)、NipsilLP(日本シリカ製)等が挙げられる。また、疎水性シリカとしては、AerosilR−812,R−812S,R−972,R−974(Degussa社製)、RheorosilMT−10(徳山曹達社製)、NipsilSSシリーズ(日本シリカ製)、結晶性シリカとしてはクリスタライト、Minusil、Imisil等が挙げられる。充填剤を配合する場合、その配合量は、(a)成分100質量部に対して5〜300質量部が好ましく、より好ましくは20〜200質量部である。
これらの無機質充填剤はそのまま用いてもよいが、シラン、シラザン、チタネート系のカップリング剤、ジメチルポリシロキサン、ステアリン酸等で表面処理したものを用いてもよい。
この場合、シラン系、シラザン系のカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン等のヘキサオルガノジシラザンなどのオルガノシラザン類、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどのビニル基含有アルコキシシラン類、トリメチルクロロシランなどのオルガノクロロシラン類、トリメチルアミノシランなどのアミノシラン類、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ官能性基含有アルコキシシラン類、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ官能性基含有アルコキシシラン類、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシランおよびクロロプロピルトリメトキシシランなどの非置換またはハロゲン置換アルキル基含有アルコキシシラン類等が例示される。
また、チタネート系カップリング剤としては、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、トリエタノールアミンチタネート、チタニウムアセチルアセテート、チタニウムエチルアセトアセテート、チタニウムラクテート、オクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等が例示される。
耐熱性向上剤としては、酸化チタン、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄(ベンガラ)等を使用することができる。これらの成分は単独又は併用にて各成分を使用してもよい。ベンガラとしては、黒色ベンガラ(Fe34)、赤色ベンガラ(Fe23)が好適に使用される。
付加反応制御剤としては、ビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類およびそのシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールおよびそれらの混合物等が例示される。
重合禁止剤(ポットライフ延長剤)としてはヒドロキノン、メトキシヒドロキノンなどが挙げられる。
[組成物の製造方法]
本発明のシリコーンゴム組成物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法により製造することができる。
[硬化方法および硬化物]
本発明の組成物は、(A)成分の硬化性シリコーンゴム組成物の種類に応じた公知の硬化方法および硬化条件で硬化させることができる。その成形方法も特に制限されず、公知の方法で成形することができる。
本発明の組成物によって被覆された金属電極、例えば、フラットパネルディスプレイの電極はH2S雰囲気中の過酷な条件下に置いてもH2Sによる腐食を受けない。即ち、本発明の組成物は非常に高い耐硫化腐食性を有する。
[組成物の用途]
本発明の電極保護用シリコーンゴム組成物は、各種電気・電子部品の金属電極、特にLCD電極、PDP電極、有機ELなどのフラットパネルディスプレイの金属電極等の硫化による腐食を防止するのに有効である。この場合、保護方法としては、例えば、電極の保護すべき部分に上記組成物の被膜を好ましくは10〜1,000μm、特に好ましくは100〜500μmの厚さで形成し、これを硬化する方法を採用することができる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、下記の例で「部」は質量部を、「Me」はメチル基を、「Et」はエチル基を示す。
[実施例1]
下記式(i):
Figure 0004386361

(式中、Lは450である。)
で示される両末端ビニルジメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100部に、下記式(ii):
Figure 0004386361

(式中、Lは10であり、Mは8である。)
で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを上記一般式(i)で表されるビニル基含有ジメチルポリシロキサン中のビニル基に対する本オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSiH基のモル比が1.5となる量、および、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液を0.05部加え、よく撹拌した。得られたシリコーンゴム組成物100部に平均粒径5μmの酸化ランタン(信越化学工業(株)製)10部を添加して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物を80℃で4時間硬化させた。
得られた硬化物の物性(硬さ、伸びおよび引張り強さ)をJIS K 6301に従い測定した。なお、硬さはスプリング式硬さ試験機(タイプA)により測定した。これら硬化特性の測定の結果を表1に示す。
また、ガラス基板上に銅板に銀メッキを施した金属基板を置き、その上から前記組成物を厚さ0.3mmに塗布し、70℃で1時間硬化させて、評価サンプルを作成した。この評価サンプルを容積2リットルの密閉可能な容器に入れ、次いでこの容器に(NH42S 20gと水10gを入れてH2Sガスを発生させ、この容器を密閉した。この状態で23℃において表2に示す時間放置し、該金属基板の腐食の発生を評価した。結果を表2に示す。
また、前記評価サンプルについて、JIS C 0090(二酸化硫黄試験)〔SO2(25±5ppm)、温度(25±2℃)、湿度(75%)、時間(4日−10日−21日)〕に準じ、二酸化硫黄ガス中での前記金属基板の腐食の発生を評価した。結果を表3に示す。
[実施例2]
酸化ランタン10部の代わりに平均粒径5μmの酸化イットリウム(信越化学工業(株)製)20部を用いた以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
[実施例3]
下記式(iii):
Figure 0004386361

(式中、L=450である。)
で示される両末端トリメトキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン100部にチタンキレート触媒(商品名:TC−750、マツモト交商製)0.1部を加え、よく撹拌した。得られたシリコーンゴム組成物100部に平均粒径5μmの酸化ガドリニウム(信越化学工業(株)製)10部、無機イオン交換体IXE700(東亜合成(株)製)10部を添加して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物を23℃/50%RHで24時間放置して硬化させた。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
[実施例4]
酸化ガドリニウム10部およびIXE700 10部の代わりに平均粒径5μmの酸化ランタン30部を用いた以外は実施例3と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
[実施例5]
下記式(iv):
Figure 0004386361

で示されるオイル状のオルガノポリシロキサン100部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン2部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド1部、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(メトキシシロキサンオリゴマー)1部、平均粒径5μmの酸化ランタン40部、および下記式(V):
Figure 0004386361

で示されるチタンキレート化合物0.1部を混合して、紫外線硬化性オルガノポリシロキサン組成物を得た。
この組成物に対し、メタルハライド水銀灯2灯を備えるコンベア炉内(照度:80W/cm2)で2秒間紫外線を照射して(エネルギー量:800mJ)、該組成物を硬化させた。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
[比較例1]
酸化ランタンを添加しない以外は実施例1と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
[比較例2]
酸化ガドリニウムおよびIXE700を添加しない以外は実施例3と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
[比較例3]
酸化ランタンを添加しない以外は実施例5と同様にして硬化物を得た。得られた硬化物について、硬化特性の測定および腐食試験を実施例1と同様に行った。結果を表1〜3に示す。
Figure 0004386361
Figure 0004386361

注:○は腐食が全く観察されなかったことを表す。△は金属基板表面の一部が黒色に変色したことを表す。×は金属基板表面の全体が黒色に変色したことを表す(完全腐食)。
Figure 0004386361

注:○、△および×は表2のものと同様の意味を表す。
[評価]
・硬化特性の測定
表1に示すとおり、実施例の硬化物と比較例の硬化物との間で硬化特性の大きな違いはなく、実施例の組成物は良好な硬化特性を有していることが分かる。
・H2Sガスによる腐食試験
表2に示すとおり、実施例の硬化物で被覆された金属基板は24時間後においても腐食しなかったのに対し、比較例の硬化物で被覆された金属基板は4時間後には完全に腐食してしまった。このことから、実施例の組成物は耐硫化腐食性に優れていることが分かる。
・二酸化硫黄ガスによる腐食試験
表3に示すとおり、実施例の硬化物で被覆された金属基板は21日後においても腐食しなかったのに対し、比較例の硬化物で被覆された金属基板は4日後には完全に腐食してしまった。このことから、実施例の組成物は耐硫化腐食性に優れていることが分かる。

Claims (4)

  1. (A)硬化性シリコーンゴム組成物 100質量部、および
    (B)ランタノイド元素、イットリウムおよびインジウムからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素の酸化物 0.1〜50質量部
    を含有してなる電極保護用シリコーンゴム組成物であって、該硬化性シリコーンゴム組成物が、下記から成る群から選ばれる、電極保護用シリコーンゴム組成物
    (I)(a)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
    (b)珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン 全硬化性シリコーンゴム組成物中のアルケニル基1モル当たり、本(b)成分中の珪素原子に結合した水素原子の量が0.1〜5.0モルとなる量、および
    (c)白金族金属系触媒 有効量
    からなる付加硬化型シリコーンゴム組成物、
    (II)(d)紫外線反応性オルガノポリシロキサン、および
    (e)光重合開始剤
    からなる紫外線硬化型シリコーンゴム組成物、
    (III)(f)珪素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、および
    (g)有機過酸化物
    からなる有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物、及び
    (IV)(h)シラノール基または珪素原子結合加水分解性基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
    (i)任意成分として、加水分解性シランおよび/またはその部分加水分解縮合物、ならびに
    (j)任意成分として、縮合反応触媒
    からなる縮合硬化型シリコーンゴム組成物。
  2. (B)成分が、酸化ガドリニウム、酸化サマリウム、酸化ツリウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジム、酸化エルビウム、酸化テルビウム、酸化プラセオジム、酸化ジスプロシウム、酸化イッテルビウム、酸化ホルミウムの群より選択される一種又は二種以上である請求項1に記載の電極保護用シリコーンゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の電極保護用シリコーンゴム組成物からなる電極保護材。
  4. 請求項1又は2に記載の電極保護用シリコーンゴム組成物によって電極が被覆された電気・電子部品。
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