JP2007291273A - 封止材用組成物及び光学デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】透明であり、耐光性に優れた封止材用組成物及び光学デバイスを提供すること。
【解決手段】本発明の封止材用組成物は、シルセスキオキサン構造を有し、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有するものであって、前記シルセスキオキサン構造が、フェニルシルセスキオキサン構造を含むことを特徴とする。また、本発明の光学デバイスは、基体上に搭載された光学素子と、前記光学素子上に被覆され、前記封止材用組成物を硬化させてなる封止材と、を具備することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の封止材用組成物は、シルセスキオキサン構造を有し、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有するものであって、前記シルセスキオキサン構造が、フェニルシルセスキオキサン構造を含むことを特徴とする。また、本発明の光学デバイスは、基体上に搭載された光学素子と、前記光学素子上に被覆され、前記封止材用組成物を硬化させてなる封止材と、を具備することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は封止材用組成物及び光学デバイスに関し、特に、透明であり、耐光性に優れた封止材用組成物及び光学デバイスに関する。
近年、波長400nm以下の短波長の光を発光する光学素子、例えば発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)などが開発されてきており、情報通信、情報記録、ディスプレイの分野において使用されてきている。このような光学素子は、基板などに搭載して封止材で封止されて使用されている。従来、LEDなどの光学素子の封止材としては透明エポキシ樹脂が使用されている。この透明エポキシ樹脂は、耐光性が悪く、可視光や紫外線により経時的に黄変するという問題がある。
特開2004−359933号公報においては、このような光学素子の封止材として、ケイ素を含んだネットワーク型オリゴマーであるシルセスキオキサンからなる材料を用いることが開示されている(特許文献1)。シルセスキオキサンからなる材料を用いた封止材は透明エポキシ樹脂を用いた封止材よりも耐光性に優れているので、光学素子の封止材用の材料として期待されている。
特開2004−359933号公報
しかしながら、シルセスキオキサンからなる材料を用いた従来の封止材でも、耐光性が十分でなく、さらに優れた耐光性を発揮する封止材が望まれている。さらに、厚膜に成形してもクラックのない成形体が得られることも望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、透明であり、耐光性に優れ、しかも厚膜成形が可能な封止材用組成物及び光学デバイスを提供することを目的とする。
本発明の封止材用組成物は、シルセスキオキサン構造を有し、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有する封止材用組成物であって、前記シルセスキオキサン構造が、フェニルシルセスキオキサン構造を含むことを特徴とする。
この構成によれば、シルセスキオキサン化合物の反応性基がシラノール基のみであるので、硬化の際に他の反応性基が分解などにより耐光性に影響を及ぼすことを防止できる。このため、耐光性に非常に優れた封止材を得ることができる。また、本発明の封止材用組成物はシルセスキオキサンを含むので、硬化後の封止材としては透明である。
本発明の封止材用組成物においては、前記シルセスキオキサン化合物が、前記フェニルシルセスキオキサン構造を約10モル%以上含むことが好ましい。
本発明の封止材用組成物においては、前記シルセスキオキサン化合物が、エチルシルセスキオキサン構造を含むことが好ましい。この場合において、前記シルセスキオキサン化合物が、前記フェニルシルセスキオキサン構造及び前記エチルシルセスキオキサン構造を合わせて約10モル%以上含むことが好ましい。
本発明の光学デバイスは、基体上に搭載された光学素子と、前記光学素子上に被覆され、上記封止材用組成物を硬化させてなる封止材と、を具備することを特徴とする。
本発明の封止材用組成物は、シルセスキオキサン構造を有し、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有するものであって、前記シルセスキオキサン構造が、フェニルシルセスキオキサン構造を含む反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有するので、透明であり、耐光性に優れたものである。
本発明者らは、シルセスキオキサン化合物を含有する封止材用組成物において、反応性基と耐光性との関係に着目し、反応性基がシラノール基のみである場合に、封止材としての耐光性に優れることを見出し、また、シルセスキオキサン構造にフェニルシルセスキオキサン構造を含むことにより成形性に優れることを見出し本発明をするに至った。
すなわち、本発明の骨子は、シルセスキオキサン構造を有し、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有するものであって、前記シルセスキオキサン構造が、フェニルシルセスキオキサン構造を含むことにより、透明であり、耐光性に優れた封止材用組成物を実現することである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の封止材用組成物は、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有することを特徴とする。なお、本発明の封止材用組成物は、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有していれば良く、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有していれば、シラノール基以外の反応性基を有するシルセスキオキサン化合物が含まれていても良い。
本発明の封止材用組成物は、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有することを特徴とする。なお、本発明の封止材用組成物は、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有していれば良く、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有していれば、シラノール基以外の反応性基を有するシルセスキオキサン化合物が含まれていても良い。
ここで、シルセスキオキサン化合物とは、少なくともRSiO3/2のシルセスキオキサン構造を含む化合物をいう(Rは後述のR1と同様)。このようなシルセスキオキサン化合物としては、図1(a)に示すようなラダー状シルセスキオキサン構造を有する化合物、図1(b)に示すようなカゴ状シルセスキオキサン構造を有する化合物、図1(c)に示すような不定形シルセスキオキサン構造を有する化合物、及びこれらの混合物を挙げることができる。シルセスキオキサン化合物としては、ガラス転移温度が高くなることなどを考慮すると、カゴ状シルセスキオキサン化合物を相対的に多く含むことが好ましい。
なお、シルセスキオキサン構造同士は、直接結合されていても良く、任意の原子又は官能基、例えば、酸素原子又は有機基を介して結合されていても良い。なお、有機基としては、炭化水素基、オキシアルキレン基、シロキサン基、それらの重合体、並びにそれらを組み合わせた構造などが挙げられる。
本発明のシルセスキオキサン化合物におけるシルセスキオキサン構造の含有量としては、20重量%以上100重量%以下が好ましく、40重量%以上100重量%以下がより好ましい。
本発明においては、シルセスキオキサン構造がフェニルシルセスキオキサン構造を含む。この場合において、シルセスキオキサン化合物は、封止材用組成物の硬化状態(クラックがなく、硬化された成形体を触ってみてべたつきのない状態になること)を考慮すると、全シルセスキオキサン構造中、フェニルシルセスキオキサン構造を約10モル%以上含むことが好ましく、約25モル%以上含むことがより好ましく、50モル%以上含むことがさらに好ましい。
また、シルセスキオキサン化合物が、エチルシルセスキオキサン構造を含んでも良い。エチルシルセスキオキサン構造を含むことにより、封止材用組成物の成形性を向上させることができ、厚さ約1mm〜2mm程度の厚膜の成形体を得ることが可能となる。シルセスキオキサン化合物は、封止材用組成物の硬化状態(クラックがなく、硬化された成形体を触ってみてべたつきのない状態になること)を考慮すると、フェニルシルセスキオキサン構造及びエチルシルセスキオキサン構造を合わせて約10モル%以上含むことが好ましく、約25モル%以上含むことがより好ましく、50モル%以上含むことがさらに好ましい。
シルセスキオキサン化合物がフェニルシルセスキオキサン構造及びエチルシルセスキオキサン構造を含む場合、その含有比率は、溶媒への溶解性や封止材用組成物の硬化状態(クラックがなく、硬化された成形体を触ってみてべたつきのない状態になること)を考慮すると、モル比で(フェニルシルセスキオキサン構造:エチルシルセスキオキサン構造)100:0〜5:95であることが好ましく、75:25〜25:75がより好ましい。
なお、本発明の封止材用組成物をLEDの封止材料として用いる場合、LEDの波長が約350nmであり、フェニル基の吸収が300nm以下であるので、LEDの光によりフェニル基を劣化させる恐れはないと考えられる。しかしながら、フェニル基の共役が他の官能基まで広がったり、あるいは、フェニル基同士でダイマーを形成したりすると、吸収波長が長くなり、LEDの光によりフェニル基が劣化する可能性も考えられる。このため、シルセスキオキサン化合物が含有するフェニルシルセスキオキサン構造の量や、化合物中でのフェニルシルセスキオキサン構造の存在状態については、フェニル基の共役が他の官能基まで広がらず、フェニル基同士でダイマーを形成しないように適宜決定することが好ましい。
本発明の封止材用組成物におけるカゴ状シルセスキオキサン化合物は、(1)重合していないカゴ状シルセスキオキサン(下記化1でn=0の構造);(2)重合していない部分開裂型カゴ状シルセスキオキサン(下記化9でk=0の構造);(3)複数のカゴ状シルセスキオキサンが重合してなるカゴ状シルセスキオキサン重合体;(4)複数の部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンが重合してなる部分開裂型カゴ状シルセスキオキサン重合体;(5)カゴ状シルセスキオキサンと部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンの共重合体を含む。
カゴ状に閉じたシロキサン構造を有するカゴ状シルセスキオキサンの具体的な構造は、下記式(1)で表される。
式(1)において、mは6から14の整数であり、nは0以上m以下の整数である。R1は水酸基、シラノール基を含有する一価の有機基、非反応性の一価の有機基から選ばれ、R1はすべて同一でも異なっていても良い。
非反応性の一価の有機基としては、置換若しくは無置換の炭化水素基、ケイ素原子含有基、及びそれらを組み合わせた基が挙げられる。また、シラノール基を含有する一価の有機基としては、前記非反応性の一価の有機基の一部をシラノール基に変性した基が挙げられる。
上記炭化水素基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル(n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、sec−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチルなど)、ヘキシル(n−ヘキシル、i−ヘキシル、シクロヘキシルなど)、ヘプチル(n−ヘプチル、i−ヘプチルなど)、オクチル(n−オクチル、i−オクチル、t−オクチルなど)、ノニル(n−ノニル、i−ノニルなど)、デシル(n−デシル、i−デシルなど)、ウンデシル(n−ウンデシル、i−ウンデシルなど)、ドデシル(n−ドデシル、i−ドデシルなど)などの非環式又は環式の脂肪族炭化水素基;ベンジル、フェネチル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジルなどのアラルキル基;フェニル基、トリル基あるいはキシリル基のようなアリール基などが挙げられる。
前記炭化水素基の水素原子又は主鎖骨格の一部は、エーテル結合、エステル基(結合)、カルボニル基、フッ素原子などの置換基で部分的に置換されていても良い。
前記置換又は無置換の炭化水素基中の置換基も含めた全炭素原子数は、通常20個以下であるが、これに限定されるものではない。耐熱性などを考慮すると、全炭素原子数は、好ましくは16個以下、より好ましくは6個以下であることが好ましい。
前記ケイ素含有基としては、例えば、下記式(2)、式(3)で表す構造の基などが挙げられる。ケイ素原子含有基中のケイ素原子数は、通常1〜10個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個であるが、これに限定されるものではない。
前記炭素数1〜10個の有機基の例としては、各種の置換又は無置換の炭化水素基が挙げられ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基などの脂肪族炭化水素基;フェニル基、ベンジル基、又はフェネチル基のような芳香族炭化水素基;CF3CH2CH2−などの含フッ素アルキル基などが挙げられる。
式(2)で表されるケイ素原子含有基の具体的な例としては、トリメチルシロキシ基(Me3Si−)、ジメチルフェニルシロキシ基(Me2PhSiO−)、ジフェニルメチルシロキシ基、フェネチルジメチルシロキシ基、ジメチル−n−ヘキシルシロキシ基、ジメチルシクロヘキシルシロキシ基、ジメチルオクチルシロキシ基、(CH3)3SiO[Si(CH3)2O]q−(q=1〜9)、2−フェニル−2,4,4,4−テトラメチルジシロキシ基(OSiPhMeOSiMe3)、4,4−ジフェニル−2,2,4−トリメチルジシロキシ(OSiMe2OSiMePh2)、2,4−ジフェニル−2,4,4−トリメチルジシロキシ(OSiPhMeOSiPhMe2)などが挙げられる。
式(3)におけるR2,R3,R4,R5,R6は、式(2)におけるR2,R3,R4と同じである。n''は、0又は1〜9の整数であるが、好ましくは0又は1〜5の整数、特に好ましくは0,1又は2である。
上記で説明したカゴ状シルセスキオキサンの具体的な例としては、式(1)においてm=6で表される式(4)のような構造、式(1)においてm=8で表される式(5)のような構造、式(1)においてm=10で表される式(6)のような構造、式(1)においてm=12で表される式(7)のような構造、式(1)においてm=14で表される式(8)のような構造などが挙げられる。ただし、式(4)〜(8)におけるRは、式(1)におけるR1と同様若しくは他のカゴ状シルセスキオキサン又は部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンヘの結合を表し、Rのうちのn個(すなわち1個以上m個以下)は他の(部分開裂型)カゴ状シルセスキオキサンヘの結合を表す。
部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンとは、カゴ状シルセスキオキサン構造の一部のケイ素−酸素結合が開裂した構造、又はカゴ状シルセスキオキサン構造の一部が脱離した構造を指す。具体的な構造は下記式(9)で表される。
このような部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンの具体的な例としては、式(9)においてj=4、l=3で表される式(10)のような構造、式(9)においてj=6、l=2で表される式(11)及び式(12)のような構造などが挙げられる。ただし、式(10)〜(12)において、Rは、式(1)のR1と同様であり、Xは一般式(1)のR1と同様若しくは他のカゴ状シルセスキオキサン又は部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンヘの結合を表す。Xのうちのk個(すなわち0個以上3個以下)は、他のカゴ状シルセスキオキサン又は部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンヘの結合を表す。
次に、複数の(部分開裂型)カゴ状シルセスキオキサンが重合してなる(部分開裂型)カゴ状シルセスキオキサン重合体について説明する。前記(部分開裂型)カゴ状シルセスキオキサン重合体は、直鎖状、分枝状、三次元網目状に結合していても良い。シルセスキオキサン同士(すなわち、カゴ状シルセスキオキサン同士、部分開裂型カゴ状シルセスキオキサン同士、カゴ状シルセスキオキサンと部分開裂型カゴ状シルセスキオキサン)は、直接結合されていても良く、任意の原子又は官能基、例えば、酸素原子又は有機基を介して結合されていても良い。なお、有機基としては、炭化水素基、オキシアルキレン基、シロキサン基、それらの重合体、並びにそれらを組み合わせた構造などが挙げられる。
前記炭化水素基及びその重合体としては、−(CH2)s−、(sは自然数)で表されるアルキレン基、芳香族炭化水素基などが挙げられる。−(CH2)s−におけるsは、1以上100以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。具体的には、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ポリエチレン構造などが挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニレン基などが挙げられる。
前記オキシアルキレン基及びその重合体−(R’O)t−(tは自然数)としては、オキシメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンなどが挙げられる。上記tは1以上100以下が好ましく、1以上20以下がより好ましい。
上記の炭化水素基、オキシアルキレン基、シロキサン基及びそれらの重合体は、水素原子又は骨格の一部が有機基によって部分的に置換されていても良い。成型性などを考慮すると、シルセスキオキサン同士を結合する有機基にシロキサン基が含有されていることが好ましい。
前記(部分開裂型)カゴ状シルセスキオキサン重合体の数平均分子量は、500以上40万以下が好ましく、より好ましくは500以上5万以下である。
カゴ状シルセスキオキサン重合体と部分開裂型カゴ状シルセスキオキサン重合体が共重合している場合、カゴ状シルセスキオキサンと部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンの結合シーケンスにおいては、両者が交互に結合していても良く、ランダムな順番で結合していても良い。また、一定の規則性をもって結合していても良い。
カゴ状シルセスキオキサンと部分開裂型カゴ状シルセスキオキサンの比率は、モル比で、(カゴ状シルセスキオキサン):(部分開裂型カゴ状シルセスキオキサン)=1:99〜95:5であることが好ましく、より好ましくは5:95〜30:70である。
上述したシルセスキオキサン化合物、すなわち、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物は、例えばアルコキシ基以外に反応性基を持たないトリアルコキシシラン化合物を酸又は塩基の存在下、所定の条件で反応させることにより得ることができる。上記アルコキシ基が加水分解/縮合することにより、シルセスキオキサン骨格及びシラノール基を生成する。また、上記トリアルコキシシランは、アルコキシル基以外に反応性基を持たないため、加水分解/縮合により得られる生成物はシラノール基以外に反応性基を持たない。アルコキシ基以外に反応性基を持たないトリアルコキシシラン化合物の例としては、メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、イソブチルトリアルコキシシラン、シクロペンチルトリアルコキシシランなどが挙げられる。また、前記酸及び塩基の例としては、塩酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどが例示できる。所定の条件は、例えば室温攪拌である。なお、シルセスキオキサン化合物の構造は、1H−NMR及び29Si−NMRを用いることにより確認することができる。
本発明の封止材用組成物は、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有するので、耐光性に優れ、基材との接着性に優れる。耐光性については、反応性基がシラノール基のみであり、他の官能基が硬化の際の反応に寄与しないので、硬化の際に生成する結合が耐光性の高いシロキサン基であるためであると考えられる。また、接着性については、シラノール基と基材表面に存在する水酸基との間の相互作用によると考えられる。
本発明の封止材用組成物においては、シルセスキオキサン化合物以外の、シラノール基と反応し得る官能基を有する化合物が含まれていても良い。このような化合物が含まれていることにより、封止材用組成物の硬化プロセスにおいて、その化合物がシルセスキオキサン化合物と反応して硬化させる。また、このような化合物の含有量を調整することにより、硬化物の弾性率をコントロールすることができる。このような化合物としては、例えば、SiH及び/又はSiOHを2つ以上含有する化合物や環状多官能化合物を挙げることができる。SiH及び/又はSiOHを2つ以上含有する化合物の骨格としては、シロキサン、アキレン、オキシアルキレン、それらの重合体、及びそれらを組み合わせた骨格などが挙げられる。また、環状多官能化合物 の骨格としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどのシクロアルカン構造;テトラシクロシロキサンなどのシクロシロキサン構造;ベンゼンなどの芳香環構造などであって、官能基がSiH又はSiOHであるものが挙げられる。この中でも環状多官能化合物の骨格としては、シクロアルカン構造やシクロシロキサン構造であることが好ましい。特に、環状多官能化合物が、多官能ビニルシクロアルカン(例えば、多官能ビニルシクロヘキサン)又は多官能シクロシロキサンであることが好ましい。
本発明の封止材用組成物の硬化方法としては、熱硬化、活性光線による硬化及びそれらの組み合わせによる硬化が挙げられる。
本発明の封止材用組成物の熱硬化条件において、硬化温度としては、光学素子の耐光性などを考慮して、室温以上200℃以下であることが好ましい。封止材用組成物の硬化においては、例えば、封止材用組成物を型に流し込んで仮硬化させ、その後型から仮硬化物を外して仮硬化物を硬化させて成型体を得る。なお、封止材用組成物から成型体を得る方法はこれに限定されず、種々変更して行うことができる。
本発明の封止材用組成物を活性光線で硬化させる場合、硬化を促進させる化合物として、光酸発生剤や光塩基発生剤を添加しても良い。前記光酸発生剤としては、オニウム塩類、スルホン酸誘導体などが挙げられ、特に芳香族オニウム塩が有効である。光塩基発生剤としては、例えばベンジルカルバメイト化合物、ベンゾインカルバメイト化合物、o−カルバモイルヒドロキシアミン類、o−カルバモイルオキシム、芳香族スルホンアミド類、N−(2−アリールエテニル)アミド類、アリールアジド類、N−アリールホルムアミド類、アシルオキシイミノ化合物、及びN−置換−4−(オルトニトロフェニル)ジヒドロピリジン類、が挙げられる。
本発明の封止材用組成物の硬化態様としては、1)シラノール型シルセスキオキサン同士の反応、2)シルセスキオキサンとSiH系添加剤との反応、3)シルセスキオキサンとシラノール系添加剤との反応、などが挙げられる。1)の硬化においては、シラノール同士が脱水縮合して硬化するものと推測される。2)の硬化においては、シルセスキオキサンのシラノールと添加剤のSiHが脱水素により縮合するか、あるいはSiHがシラノールに変質後、シルセスキオキサンのシラノールと脱水縮合して硬化するものと推測される(図2における右側の矢印)。3)の硬化においては、シルセスキオキサンのシラノールと添加剤のシラノールが脱水縮合して硬化するものと推測される(図2における左側の矢印)。
本発明の封止材用組成物は、その他本発明の範囲を逸脱しない量で他の添加剤、例えば界面活性剤、シランカップリング剤などを含んでいても良い。
本発明の封止材用組成物は、反応性の高いシラノール基を含んでいるので、冷蔵保存されることが好ましい。この場合において、次の点に注意すべきである。
1)容器
シラノール基による反応は、脱水反応であるので、封止材用組成物を安定に保つために、封止材用組成物中の水分濃度を一定に保つことが重要である。したがって、一般に、水透過性が小さいガラス容器、金属容器に保管する方が好ましい。これらの容器は吸着水が多いので、これらの容器を用いる場合には、十分に吸着水を除去することが好ましい。例えば、ガラス容器の内面に吸着水が少ない樹脂をコーティングする。
1)容器
シラノール基による反応は、脱水反応であるので、封止材用組成物を安定に保つために、封止材用組成物中の水分濃度を一定に保つことが重要である。したがって、一般に、水透過性が小さいガラス容器、金属容器に保管する方が好ましい。これらの容器は吸着水が多いので、これらの容器を用いる場合には、十分に吸着水を除去することが好ましい。例えば、ガラス容器の内面に吸着水が少ない樹脂をコーティングする。
また、吸着水が少ない樹脂製の容器、例えばPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)などのポリオレフィン樹脂などの容器に、封止材用組成物を充填・密閉した後、さらに、樹脂容器全体を、例えばアルミラミネートフィルムで完全に封止するのが好ましい。アルミラミネートフィルムは水分の透過を防止することができるので、特に反応性が高いシラノール基を有する化合物を含む封止材用組成物を冷蔵貯蔵、冷蔵輸送する際に、容器に付着・吸着する水分などの影響を除くことができる。これにより、内面を樹脂コーティングしたガラス容器、金属容器と同等の貯蔵安定性を確保できる。樹脂容器としては、吸着水が少ない材質が好ましいので、オレフィン系の樹脂の他に、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、TFE(テトラフルオロエチレン)、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、FLPE(フッ素加工高密度ポリエチレン)などのフッ素樹脂などを用いることができる。したがって、PE、PPなどのポリオレフィン樹脂などの容器に、封止材用組成物を充填・密閉した後、さらに樹脂容器全体をアルミラミネートフィルムで直接包装する形態が実用的に最も好ましい。
2)その他
封止材用組成物の硬化物と基材との間の密着性、封止材用組成物の硬化物の透明性などの再現性を得るためには、基材の吸着水を十分に除去して、ドライな環境下で、基材に封止材用組成物を被覆し、硬化することが好ましい。一般に、基材の吸着水を除去するためには、基材を200℃前後まで加熱することが有効である。特に、真空中での加熱がより効果的である。また、加熱の方法としては、単純にオーブンで加熱する方法や、ハロゲンランプのような強力なランプで熱線を照射し、基材及びその周りの材料の表面に吸着した水分を除去する方法などが挙げられる。
封止材用組成物の硬化物と基材との間の密着性、封止材用組成物の硬化物の透明性などの再現性を得るためには、基材の吸着水を十分に除去して、ドライな環境下で、基材に封止材用組成物を被覆し、硬化することが好ましい。一般に、基材の吸着水を除去するためには、基材を200℃前後まで加熱することが有効である。特に、真空中での加熱がより効果的である。また、加熱の方法としては、単純にオーブンで加熱する方法や、ハロゲンランプのような強力なランプで熱線を照射し、基材及びその周りの材料の表面に吸着した水分を除去する方法などが挙げられる。
上述した本発明に係る封止材用組成物が発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオードなどの光学デバイスの封止に用いられる場合には、基材上に被封止材である光学素子を搭載し、この光学素子が被覆されるように上記封止材用組成物を供給し、その後封止材用組成物を硬化させる。ここで、光学素子が被覆されるように封止材用組成物を供給する方法としては、封止材用組成物を必要に応じて所定の粘度となるように粘度調整し、光学素子上に吐出して封止材用組成物を硬化させる方法(ポッティング)や、光学素子に吐出した後に、所定の型を用いて封止材用組成物を硬化させる方法などが挙げられる。封止材用組成物の供給の際の条件は、封止材用組成物における有機ケイ素化合物や環状化合物の種類、粘度などを考慮して適宜設定する。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
本実施例において、NMRスペクトルの測定には、Varian Unity 400
スペクトルメーターを用い、分子量の測定には、GPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)「日本分光株式会社製 高速液体クロマトグラフィーシステム」に、「昭和電工株式会社製 SEC用カラム(KF−805L)」を取り付けた装置を用いた。
本実施例において、NMRスペクトルの測定には、Varian Unity 400
スペクトルメーターを用い、分子量の測定には、GPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)「日本分光株式会社製 高速液体クロマトグラフィーシステム」に、「昭和電工株式会社製 SEC用カラム(KF−805L)」を取り付けた装置を用いた。
また、本実施例において、使用した主な試薬は、エチルトリメトキシシラン(チッソ社製)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ社製)、リカシッドMH−700(新日本理化(株)製)である。
また、本実施例において、耐光性評価には、図3に示す構成の装置を用いた。すなわち、この装置は、載置台であるガラス基板1の上方に所定の間隔(約5mm)をおいてUVフィルタ3が配置され、UVフィルタ3の上方に所定の間隔(約5mm)をおいてランプ4が配置されてなるものであり、ガラス基板1上に評価サンプル2を載置し、ランプ4からUVフィルタ3を介して光を評価サンプル2に照射して評価を行う。なお、ランプ4の光源は、超高圧水銀ランプUVF352S(三永電機社製)を用い、評価条件は、照度5000mW/cm2、温度100℃、照射時間24時間とした。
(実施例1)
・フェニルエチルシルセスキオキサンの合成
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた、1L容スリ付三つ口フラスコを窒素置換・窒素気流下とした。これに1規定水酸化ナトリウム水溶液51.8g、テトラヒドロフラン600mLを入れ、機械攪拌で攪拌(600rpm)しつつ、室温でエチルトリメトキシシラン72.0g(480mmoL)およびフェニルトリメトキシシラン95.0g(480mmoL)を加えた。次いで、反応系をサーモスタット付オイルバスを用いて60℃に加熱し、24時間反応させた。反応後、1規定希塩酸51.8gを加えて中和した後に、ロータリーエバポレーターにより低沸点部を留去した。次いで、ジエチルエーテル300mLを加えて抽出して水相を廃棄した後、有機相を50mLの飽和食塩水で二回洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム20gを加えて6時間以上室温で静置し、脱水した。塩などの不溶物を濾過により除き、減圧乾燥により低沸点部を留去し、100gの実施例1のシルセスキオキサン化合物を得た。
・フェニルエチルシルセスキオキサンの合成
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた、1L容スリ付三つ口フラスコを窒素置換・窒素気流下とした。これに1規定水酸化ナトリウム水溶液51.8g、テトラヒドロフラン600mLを入れ、機械攪拌で攪拌(600rpm)しつつ、室温でエチルトリメトキシシラン72.0g(480mmoL)およびフェニルトリメトキシシラン95.0g(480mmoL)を加えた。次いで、反応系をサーモスタット付オイルバスを用いて60℃に加熱し、24時間反応させた。反応後、1規定希塩酸51.8gを加えて中和した後に、ロータリーエバポレーターにより低沸点部を留去した。次いで、ジエチルエーテル300mLを加えて抽出して水相を廃棄した後、有機相を50mLの飽和食塩水で二回洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム20gを加えて6時間以上室温で静置し、脱水した。塩などの不溶物を濾過により除き、減圧乾燥により低沸点部を留去し、100gの実施例1のシルセスキオキサン化合物を得た。
この化合物の1H−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)は0.0〜1.1(bm、4.9H)、6.6〜8.0(bm、5.1)であり、29Si−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)は−80、−69、−65、−56であった。なお、29Si−NMRの測定結果から、シラノール基(SiOH)を含むT2成分の比率は、10mol%であることがわかった。
(実施例2)
・フェニルシルセスキオキサンの合成
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた、500mL容スリ付三つ口フラスコを窒素置換・窒素気流下とした。これに0.5moL規定水酸化ナトリウム水溶液50.0g(含まれる水が2.7moL)、テトラヒドロフラン150mLを入れ、機械攪拌で攪拌(600rpm)しつつ、フェニルトリエトキシシラン72.0g(300mmoL)を加えた。次いで、反応系をサーモスタット付オイルバスを用いて60℃に加熱し、24時間反応させた。反応後、1moL塩酸25.0gを加えて中和した後に、ロータリーエバポレーターにより低沸点部を留去した。次いで、ジエチルエーテル150mLを加えて抽出して水相を廃棄した後、有機相を20mLの飽和食塩水で二回洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム10gを加えて6時間以上室温で静置し、脱水した。塩などの不溶物を濾過により除き、減圧乾燥により低沸点部を留去し、実施例2のシルセスキオキサン化合物であるフェニルポリシルセスキオキサンを白色固体として得た。
・フェニルシルセスキオキサンの合成
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた、500mL容スリ付三つ口フラスコを窒素置換・窒素気流下とした。これに0.5moL規定水酸化ナトリウム水溶液50.0g(含まれる水が2.7moL)、テトラヒドロフラン150mLを入れ、機械攪拌で攪拌(600rpm)しつつ、フェニルトリエトキシシラン72.0g(300mmoL)を加えた。次いで、反応系をサーモスタット付オイルバスを用いて60℃に加熱し、24時間反応させた。反応後、1moL塩酸25.0gを加えて中和した後に、ロータリーエバポレーターにより低沸点部を留去した。次いで、ジエチルエーテル150mLを加えて抽出して水相を廃棄した後、有機相を20mLの飽和食塩水で二回洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウム10gを加えて6時間以上室温で静置し、脱水した。塩などの不溶物を濾過により除き、減圧乾燥により低沸点部を留去し、実施例2のシルセスキオキサン化合物であるフェニルポリシルセスキオキサンを白色固体として得た。
フェニルポリシルセスキオキサンの収量は36.0g(収率93.0%)であり、THF(テトラヒドロフラン)及びトルエンに可溶であった。また、この化合物の1H−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)は6.4〜8.0(bm、5H)であり、29Si−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)は−78、−69であった。なお、29Si−NMRの測定結果から、シラノール基(SiOH)を含むT2成分の比率は、20moL%であることがわかった。また、ポリスチレンを標準とし、ゲルろ過クロマトグラフィーにより分子量分布を測定したところ、数平均分子量は1400、重量平均分子量は1750、分散は1.24であった。
このように合成した実施例1及び実施例2の化合物をそれぞれ2.0gとり、これを60℃で加熱しつつ深さ約1mmの型に流し込み、アスピレーターを用いて脱泡した後に、250℃のオーブンで15時間加熱して硬化させて実施例1及び実施例2の無色透明の成形体を作製した。
(比較例1)
・グリシジル置換Tnの合成
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた1L容スリ付三つ口フラスコに、1規定水酸化ナトリウム水溶液45g、テトラヒドロフラン500mlを入れ、機械攪拌で攪拌(500rpm)しつつ、室温で3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン113.3g(480mmoL)を加えた。次いで、これらの混合物を攪拌しつつ、サーモスタット付オイルバスを用いて60℃に加熱し、3時間反応させた。反応後、1規定希塩酸45gを加えて中和した後に、ロータリーエバポレーターにより低沸点部を留去した。次いで、酢酸エチル150mlを加えて抽出して水相を廃棄した後、有機相を100mlの飽和食塩水で二回洗浄し、その後無水硫酸マグネシウム20gを加えて6時間以上室温で静置して脱水した。塩などの不溶物を濾過により除き、減圧乾燥により低沸点部を留去して精製して比較例1のシルセスキオキサン化合物を得た。この化合物は無色で粘性の残る固体であり、収量は66.4gで収率は83%であった。
・グリシジル置換Tnの合成
玉付還流管、攪拌棒、温度計を備えた1L容スリ付三つ口フラスコに、1規定水酸化ナトリウム水溶液45g、テトラヒドロフラン500mlを入れ、機械攪拌で攪拌(500rpm)しつつ、室温で3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン113.3g(480mmoL)を加えた。次いで、これらの混合物を攪拌しつつ、サーモスタット付オイルバスを用いて60℃に加熱し、3時間反応させた。反応後、1規定希塩酸45gを加えて中和した後に、ロータリーエバポレーターにより低沸点部を留去した。次いで、酢酸エチル150mlを加えて抽出して水相を廃棄した後、有機相を100mlの飽和食塩水で二回洗浄し、その後無水硫酸マグネシウム20gを加えて6時間以上室温で静置して脱水した。塩などの不溶物を濾過により除き、減圧乾燥により低沸点部を留去して精製して比較例1のシルセスキオキサン化合物を得た。この化合物は無色で粘性の残る固体であり、収量は66.4gで収率は83%であった。
この化合物の1H−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)は0.6〜0.9(m、2H)、1.6〜1.9(m、2H)、2.5〜2.7(m、1H)、2.7〜2.9(m、1H)、3.1〜3.2(m、1H)、3.3〜3.4(m、1H)、3.4〜3.6(m、2H)、3.7〜4.1(m、1H)であり、29Si−NMR(重クロロホルム、テトラメチルシラン内部基準)は、−68(T3成分)、−58(T2成分)であった。なお、29Si−NMRの測定結果から、シラノール基(SiOH)を含むT2成分の比率は、17mol%であることがわかった。
上記1H−NMRの2.5〜2.7ppm、2.7〜2.9ppm、3.1〜3.2ppmの3つのピークにより、エポキシ基が結合されていることが分かる。したがって、この化合物には、シラノール基以外の反応性基が結合されていることになる。
このように合成した化合物を2.0gとり、このものにMH−700を2.0gを混合し、型に流し込んで、120℃のオーブンで6時間加熱して硬化させて比較例1の成形体を作製した。
このようにして得られた実施例1、実施例2及び比較例1の成形体に対して上記装置を用いて耐光性試験を行った。24時間後に取り出したところ、実施例1、実施例2の成形体については、試験前後で試料外観に変化は無く、優れた耐光性を発揮したことが分った。一方、比較例1の成形体については、光照射部が激しく損傷を受け、完全に崩壊していることが分った。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態における数値や材料についてこれに限定されず、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
1 ガラス基板
2 評価サンプル
3 UVフィルタ
4 ランプ
2 評価サンプル
3 UVフィルタ
4 ランプ
Claims (5)
- シルセスキオキサン構造を有し、反応性基がシラノール基のみであるシルセスキオキサン化合物を含有する封止材用組成物であって、前記シルセスキオキサン構造が、フェニルシルセスキオキサン構造を含むことを特徴とする封止材用組成物。
- 前記シルセスキオキサン化合物が、前記フェニルシルセスキオキサン構造を約10モル%以上含むことを特徴とする請求項1記載の封止材用組成物。
- 前記シルセスキオキサン化合物が、エチルシルセスキオキサン構造を含む請求項1記載の封止材用組成物。
- 前記シルセスキオキサン化合物が、前記フェニルシルセスキオキサン構造及び前記エチルシルセスキオキサン構造を合わせて約10モル%以上含むことを特徴とする請求項3記載の封止材用組成物。
- 基体上に搭載された光学素子と、前記光学素子上に被覆され、請求項1から請求項4のいずれかに記載の封止材用組成物を硬化させてなる封止材と、を具備することを特徴とする光学デバイス。
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JP2006122242A JP2007291273A (ja) | 2006-04-26 | 2006-04-26 | 封止材用組成物及び光学デバイス |
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