JP2012149113A - 光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物及び光半導体ケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)レジン状オルガノポリシロキサン、(B)線径0.05〜100μmのチタン酸カリウム、(C)白色顔料、(D)無機充填剤(但し、チタン酸カリウム及び白色顔料を除く)、(E)有機金属触媒、(F)オルガノポリシロキサンを必須成分とすることを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
また、特開2000−196151号公報、特開2003−224305号公報、及び特開2005−306952号公報(特許文献2〜4)には、発光素子封止用エポキシ樹脂組成物においてトリアジン誘導体エポキシ樹脂の使用について記載しているが、いずれも高温・長時間の放置で黄変するという問題解決が十分ではなかった。
(A)下記式(1)で表され、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状オルガノポリシロキサン: 100質量部、
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
(B)線径0.05〜100μmのチタン酸カリウム:
組成物全体の0.001〜20質量%、
(C)白色顔料: 3〜200質量部、
(D)無機充填剤(但し、チタン酸カリウム及び白色顔料を除く):
400〜1,000質量部、
(E)有機金属触媒: 0.01〜10質量部、
(F)下記式(2)で表される構造を含むオルガノポリシロキサン: 2〜50質量部
を必須成分とすることを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物が、強度を向上させ、耐摩耗性に優れる硬化物を与えるので、LED用等の光半導体ケースに有用であることを見出し、本発明をなすに至った。
請求項1:
(A)下記式(1)で表され、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状オルガノポリシロキサン: 100質量部、
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
(B)線径0.05〜100μmのチタン酸カリウム:
組成物全体の0.001〜20質量%、
(C)白色顔料: 3〜200質量部、
(D)無機充填剤(但し、チタン酸カリウム及び白色顔料を除く):
400〜1,000質量部、
(E)有機金属触媒: 0.01〜10質量部、
(F)下記式(2)で表される構造を含むオルガノポリシロキサン: 2〜50質量部
を必須成分とすることを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項2:
(C)成分の白色顔料が希土類酸化物を含有してなるものである請求項1記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
請求項3:
請求項1又は2記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなる光半導体ケース。
(A)オルガノポリシロキサン
(A)成分であるオルガノポリシロキサンは、下記式(1)で表され、例えば、トルエン等を展開溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状(即ち、分岐状又は三次元網状構造の)オルガノポリシロキサンであり、後述する(E)成分の有機金属触媒の存在下で、架橋構造を形成する。
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
(CH3)nSiX4-n (3)
(式中、Xは塩素原子等のハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基で、nは0、1、2のいずれかであるが、T単位を70モル%以上になるようにするため、n=1のオルガノシランを主成分(70モル%以上)として用いることが好ましい。)
この場合、Xとしては、固体状のオルガノポリシロキサンを得る点からは、ハロゲン原子、特に塩素原子であることが好ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、(B)成分であるチタン酸カリウムを配合する。このようなチタン酸カリウムは、ウィスカーが好ましく、成形物の強度、靭性を高めるだけでなく、ブラスト処理等に対する耐摩耗性を向上させるために配合するものである。但し、優れた高強度を得るのは、単結晶ウィスカーが好適である。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、光半導体装置のリフレクター(反射板)等の用途向けに硬化物の白色度を高めるために(C)成分である白色顔料を配合する。白色顔料としては、二酸化チタン、アルミナ、酸化イットリウム等の希土類酸化物、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を1種単独で又は2種以上の白色顔料を併用して用いることができる。これらのうち、例えば、350〜400nmという短波長域での高い反射率を確保できるという関点から、(C)成分としては希土類酸化物を含有するものであることが好ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に(D)成分として上記(B),(C)成分以外の無機充填剤を配合する。このような無機充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、三酸化アンチモン等が挙げられるが、上記した(B)成分のチタン酸カリウム、及び(C)成分の白色顔料(白色着色剤)は除かれる。これら無機充填剤の平均粒径や形状は特に限定されないが、平均粒径は通常3〜40μmである。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における累積質量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではないが、150℃以上に放置した場合に処理フィラーが変色しないものが好ましい。
(E)成分である有機金属触媒は、上記(A)成分の硬化に用いるための縮合触媒であり、(A)成分の安定性、被膜の硬度、無黄変性、硬化性等を考慮して選択される。このような有機金属触媒として、例えば、有機酸亜鉛、ルイス酸触媒、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物等が好適に用いられ、具体的には安息香酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、p−tert−ブチル安息香酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、塩化アルミニウム、過塩素酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ(ノルマルブチレート)、アルミニウム−n−ブトキシジエチルアセト酢酸エステル、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、オクチル酸錫、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸錫等が例示される。中でも、安息香酸亜鉛が好ましく利用される。
(G)離型剤
本発明のシリコーン樹脂組成物には、(G)成分として、必要に応じて、任意に内部離型剤を配合することができる。(G)成分は、成形時の離型性を高めるために配合するものであり、全組成に対して0〜5.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%含有するように添加するものである。内部離型剤としては、天然ワックス、酸ワックス、ポリエチレンワックス、脂肪酸ワックスを代表とする合成ワックス等があるが、中でも融点が120〜140℃であるステアリン酸カルシウムを用いることが望ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、(H)成分として、樹脂と無機充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等のカップリング剤を必要に応じて、任意に配合することができる。
このようなカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性アルコキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ官能性アルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性アルコキシシランなどを用いることが好ましい。なお、表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限されるものではない。
本発明のシリコーン樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば、樹脂の性質を改善する目的で種々のシリコーンパウダー、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム等の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で添加配合することができる。
本発明の光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン組成物の製造方法としては、上記(A)〜(F)成分、必要に応じて(G),(H)成分、及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕してシリコーン樹脂組成物の成形材料とすることができる。
このようにして得られる上記組成物は、LED等の光半導体のリフレクターとしてのケースの形成に用いられる。
このようなリフレクターの最も一般的な成形方法としては、トランスファー成形法や圧縮成形法が挙げられる。トランスファー成形法では、トランスファー成形機を用い、成形圧力5〜20N/mm2、成形温度120〜190℃で成形時間30〜500秒、特に成形温度150〜185℃で成形時間30〜180秒で行うことが好ましい。また、圧縮成形法では、コンプレッション成形機を用い、成形温度は120〜190℃で成形時間30〜600秒、特に成形温度130〜160℃で成形時間120〜300秒で行うことが好ましい。更に、いずれの成形法においても、後硬化を150〜185℃で2〜20時間行ってよい。
なお、このようにして得られる上記組成物の硬化物は、ガラス転移温度超の線膨張係数が30ppm/K以下、好ましくは25ppm/K以下であることが好ましい。
(A)オルガノポリシロキサン
[合成例1]
メチルトリクロロシラン100質量部、トルエン200質量部を1Lのフラスコに入れ、氷冷下で水8質量部、イソプロピルアルコール60質量部の混合液を液中滴下した。内温は−5〜0℃で5〜20時間かけて滴下し、その後加熱して還流温度で20分間撹拌した。それから室温まで冷却し、水12質量部を30℃以下、30分間で滴下し、20分間撹拌した。更に水25質量部を滴下後、40〜45℃で60分間撹拌した。その後水200部をいれて有機層を分離した。この有機層を中性になるまで洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、下記式で示される(CH3)SiO3/2単位を基本構造とする無色透明の固体(融点76℃,重量平均分子量3,600)36.0質量部の熱硬化性オルガノポリシロキサン(A−1)を得た。
(CH3)1.0Si(OC3H7)0.07(OH)0.10O1.4
下記無機物ウィスカー(B−1)、(B−2)を用意した。
B−1:チタン酸カリウム(ティスモN:大塚化学(株)製商品名、線径0.5μm、長さ10μm)
B−2:ガラス繊維(FMT−25F:福島窯業(株)製商品名、線径10μm、長さ260μm)
[合成例2]
平均粒径が5μmの酸化イットリウム粒子(信越化学工業(株)製)を水と混合して、水酸化ナトリウムを用いてpH10に調整し、酸化イットリウムの質量として300g/1Lのスラリーを調整した。このスラリーを80℃で撹拌し、アルミン酸ナトリウムをアルミナとして酸化イットリウム粒子の質量に対して2質量%添加し、次いで1時間かけて1規定の硫酸を用いてpH7近辺に中和し、酸化イットリウム粒子の表面にアルミナの被覆を形成した。アルミナ被覆層を形成した酸化イットリウム粒子を濾別、水洗し、120℃、16時間乾燥し、ボールミルにて30分粉砕することで酸化イットリウム顔料(C−1)を得た。
下記無機充填剤(D−1)を用意した。
D−1:溶融球状シリカ:MSR−4500TN(龍森(株)製)
(E)有機金属触媒
下記有機金属触媒(E−1)を用意した。
E−1:安息香酸亜鉛(和光純薬工業(株)製)
[合成例3]
フェニルメチルジクロロシラン100g(4.4モル%)、フェニルトリクロロシラン2,100g(83.2モル%)、Si数21個の両末端クロルジメチルシリコーンオイル2,400g(12.4モル%)、トルエン3,000gを混合し、水11,000g中に混合した上記シラン、シリコーンオイルを滴下し30〜50℃で1時間共加水分解した。50℃で1時間熟成後、水を入れて洗浄し、その後共沸脱水、濾過、減圧ストリップをすることにより、(C6H5)(CH3)SiO2/2単位、(C6H5)SiO3/2単位及び
下記離型剤(G−1)を用意した。
G−1:ステアリン酸カルシウム(和光純薬工業(株)製)
表1に示す配合(質量部)で、(A)オルガノポリシロキサン、(B)無機物ウィスカー、(C)白色顔料、(D)無機充填剤、(E)有機金属触媒、(F)オルガノポリシロキサン、(G)離型剤を配合し、二本ロールにて製造し、冷却、粉砕して白色シリコーン樹脂組成物を得た。
EMMI規格に準じた金型を使用して、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で行った。
高化式フローテスターを用い、25kgf/cm2の加圧下、直径1mmのノズルを用い、温度175℃で粘度を測定した。
JIS−K6911規格に準じた金型を使用して、成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形した試験片を室温(25℃)にて、曲げ強度を測定した。
成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で、1辺50mm、厚さ0.35mmの正方形の硬化物を作製し、エス・デイ・ジー(株)製X−rite 8200を使用して400及び450nmの光反射率を測定した。
成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で、5mm×5mm×15mmの硬化物を成形し、180℃、4時間ポストキュアーした。その後、理学製TMA8140Cで昇温スピード5℃/minの条件で線膨脹係数を測定した。
成形温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で、1辺50mm、厚さ0.35mmの正方形の硬化物を作製し、水、シリカを噴射することでブラスト処理を行い、バリ取り差を測定した。
Claims (3)
- (A)下記式(1)で表され、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜20,000のレジン状オルガノポリシロキサン: 100質量部、
(CH3)aSi(OR1)b(OH)cO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜4の有機基を示し、a、b、cは0.8≦a≦1.5、0≦b≦0.3、0.001≦c≦0.5、0.801≦a+b+c<2を満たす数である。)
(B)線径0.05〜100μmのチタン酸カリウム:
組成物全体の0.001〜20質量%、
(C)白色顔料: 3〜200質量部、
(D)無機充填剤(但し、チタン酸カリウム及び白色顔料を除く):
400〜1,000質量部、
(E)有機金属触媒: 0.01〜10質量部、
(F)下記式(2)で表される構造を含むオルガノポリシロキサン: 2〜50質量部
を必須成分とすることを特徴とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物。 - (C)成分の白色顔料が希土類酸化物を含有してなるものである請求項1記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の熱硬化性シリコーン樹脂組成物の硬化物からなる光半導体ケース。
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