JP2009088479A - 点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】中心コアとしての積層コアに一次スプールを介して一次コイルを巻装すると、一次スプールの径方向の厚み分、点火コイルの小型化の阻害要因となる。
【解決手段】磁性粉末に圧力を加えて、鍔部13aと巻胴部13bとを備えた中心コア13を形成する。滑らかな曲面で構成された巻胴部13bの外周面に一次導線114を巻回することで、中心コア13に対してスプールを介さずに直接一次コイル14を巻装する。加えて、巻胴部13bの外周面を段付円筒面状として、一次コイル14の巻回層数を軸方向に二層、四層と変化させることで、一次コイル14の小型化を実現すると共に、一次コイル14のトータルの巻数を増加させて、一次コイル14の性能を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関において点火プラグに印加する電圧を発生させる点火コイルに関する。
従来、一次コイルの外周側に配設した二次コイルを、一次コイルとの相互誘導によって昇圧することで、点火プラグへの印加電圧を発生させる点火コイルが知られている。
例えば特許文献1の従来技術では、電磁鋼板を積層して形成した積層コアの外周側に一次スプールを配設し、当該一次スプールに一次コイルが巻装されている。これは、積層コアの外周面において電磁鋼板の積層界面の外周縁に沿って多数存在するエッジ部から、一次コイルの一次導線を保護する意味もあって、樹脂製の一次スプールを介して一次コイルが巻装されているのである。
特開2007−81085号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術において、一次スプールを介して一次コイルを巻装すると、一次スプールの径方向の厚み分だけ、一次コイルの外径が大きくなることは不可避であるため、一次コイルの外周側に設けられる二次コイルの外径も付随的に大きくなってしまう。つまりは、積層コアに存在するエッジ部に起因して必要不可欠となっている一次スプールの厚みが、点火コイルの小型化を図ろうとするときの阻害要因となっていたのである。以上より、点火コイルを小型化するための技術的改善が切望されている。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、点火コイルの小型化を実現することにある。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、外周面が軸方向に縮径されることにより外径の異なる複数の筒面部を形成する中心コアと、各筒面部上に導線が連続して巻回されてなる一次コイルと、一次コイルの外周側に配設され、一次コイルとの相互誘導により昇圧される二次コイルとを備えることを特徴とする。
この発明によると、中心コアにおいて一次コイルの導線が連続して巻回される複数の筒面部は、当該コアの外周面が軸方向に縮径されることにより外径が異ならされているので、縮径側の筒面部上における導線の巻回層数を一次コイルの外径範囲にて増大させることができる。これによれば、所望の磁気的性能を得るのに必要な一次コイルトータルでの巻数を確保しつつ、一次コイルの外径を縮小することができるので、それに付随して、一次コイル外周側の二次コイルの外径も縮小することができる。したがって、点火コイルの小型化を達成することが可能である。
ここで、一次コイルをなす導線の始端および終端をそれぞれ中心コアの軸方向の一端部側および他端部側から引き出すようにした場合、電気的接続の関係上、それら始端および終端の一方を他方の側まで延ばす必要があり、その場合には、一次コイルの絶縁性の確保の観点から、例えば二次コイルを拡径する等といった対策が必要となる。
そこで、請求項2に記載の発明によると、一次コイルの導線は、各筒面部上に偶数層ずつ巻回される。これによれば、始端を中心コアの軸方向の一端部側から引き出すようにした一次コイルの導線について、各筒面部上に連続して偶数層ずつ巻回した後、終端も中心コアの一端部側から引き出すことができる。このように、一次コイルの始端および終端が中心コアの一端部側に引き出されることによれば、二次コイルの拡径等の対策が不要となるので、点火コイルの小型化に貢献可能となる。
また、請求項3に記載の発明によると、中心コアは、各筒面部よりも凹んで軸方向に延伸する通し溝を有し、一次コイルの導線は、始端側において当該通し溝に通されて各筒面部上に奇数層ずつ巻回される。これによれば、始端を中心コアの軸方向の一端部側から引き出すようにした一次コイルの導線について、各筒面部よりも凹んで軸方向に延伸する通し溝に始端側を通した後、各筒面部上に連続して奇数層ずつ巻回することで、終端も中心コアの一端部側から引き出すことができる。このように、一次コイルの始端および終端が中心コアの一端部側に引き出されることによれば、二次コイルの拡径等の対策が不要となるので、点火コイルの小型化に貢献可能となる。
請求項4に記載の発明は、二次コイルの外周側を囲むと共に中心コアとの間に軸方向の磁気ギャップをあけるように配設され、当該磁気ギャップおよび中心コアを通過する磁気回路を形成する外周コアを備え、中心コアの外周面は、最小径の筒面部を軸方向の磁気ギャップ側に形成する。一般に、外周コアが二次コイルの外周側を囲むと共に中心コアとの間に軸方向の磁気ギャップをあけて配設される構成では、磁気ギャップおよび中心コアを通過するように外周コアが形成する磁気回路の中心コアにおける磁束密度は、軸方向の磁気ギャップ側ほど低くなる。故に、外周面の縮径によって体積減少した中心コアであっても、当該縮径のない場合と比較して遜色ない磁束密度を磁気ギャップ側の最小径の筒面部において確保可能となるので、その場合には、磁気的性能を容易に確保しつつ小型化を図ることができるのである。
請求項5に記載の発明によると、中心コアは、磁性粉末を加圧成形してなり、一次コイルは、各筒面部上に直接に巻装される。このように磁性粉末を加圧成形してなる中心コアについては、外周面により形成する各筒面部を滑らかな面として、それら筒面部上に直接に一次コイルを巻装可能となる。したがって、一次コイルが中心コアに直接巻装されることによれば、従来用いられていた一次スプールが不要となるので、一次コイルの外径、ひいては二次コイルの外径を縮小して点火コイルの小型化に貢献することができる。
請求項6に記載の発明によると、中心コアは、複数の磁性板を積層してなるので、外周面の縮径により体積減少しても、磁気的性能を確保することが容易となる。
請求項7に記載の発明は、中心コアを被覆する膜状の被覆部材を備え、一次コイルは、各筒面部上に当該被覆部材を介して巻装される。これによれば、中心コアの外周面が形成する各筒面部において磁性板の外周縁に沿ったエッジ部が存在していたとしても、一次コイルは、各筒面部上に被覆部材を介して巻装されることで当該エッジ部に対して保護され得る。したがって、従来用いられていた一次スプールが不要となると共に、被覆部材としては膜状のものが用いられるので、一次コイルの外径、ひいては二次コイルの外径を縮小して点火コイルの小型化に貢献することができる。
請求項8,9に記載の発明によると、中心コアの外周面は、軸方向において段階的に縮径されることにより各筒面部を形成する。これによれば、中心コアの外周面が段階的に縮径されることにより筒面部間に形成される段差分に応じて、一次コイルの巻回層数を縮径側の筒面部上にて確実に増大させることで、磁気的性能を確保することができる。また、筒面部間に段差を形成する異径境界面によれば、一次コイルの導線を縮径側の筒面部上に巻回する際に巻崩れが抑制されるといった効果も、享受できるのである。
請求項9に記載の発明によると、軸方向において中心コアの外周面が段階的に縮径されることにより形成される各筒面部間の異径境界面は、軸方向に対して傾斜する。このように、筒面部間において軸方向に対して傾斜する異径境界面は、磁性粉末を加圧成形して中心コアを形成する際に成形型が当該コアの径方向に離型し易くなる。したがって、異径境界面からの成形型の離型不良による磁気的性能の低下を、回避することができるのである。
請求項10に記載の発明によると、中心コアの外周面は、軸方向においてテーパ状に縮径されることにより各筒面部を形成する。これによれば、中心コアの外周面のうちテーパ状に縮径された筒面部において、一次コイルの導線の巻回層数を増大させつつ中心コアの体積を確保し、磁気飽和に起因する磁気的性能の低下を抑制することができる。
請求項11に記載の発明によると、中心コアは、外周面の縮径によりテーパ状を呈する筒面部と、当該テーパ状の筒面部の小径側端部よりも大径に形成されて当該小径側端部に軸方向に隣接する鍔部とを有する。このように、中心コアにおいてテーパ状を呈する筒面部の小径側端部に軸方向に隣接する鍔部は、当該小径側端部よりも大径に形成されることにより当該小径側端部との間に異径境界面を形成する。この異径境界面によれば、テーパ状を呈する縮径側の筒面部に一次コイルの導線を巻回するに際して、巻崩れの抑制を可能にするのである。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の点火コイルを製造する方法であって、外周面において外径の異なる複数の筒面部が軸方向に並んでなる中心コアを形成する工程と、各筒面部のうち小径の筒面部上から順に導線を巻回して、一次コイルを形成する工程と、を含む。この発明によると、外周面において外径の異なる複数の筒面部が軸方向に並んでなる中心コアを形成した後、各筒面部上に一次コイルを形成する際には、それら筒面部のうち小径の筒面部上から順に導線を巻回することになるので、巻崩れが生じ難くなる。したがって、一次コイルを巻崩れさせることなく可及的に小径化して、磁気的性能の確保並びに点火コイルの小型化を図ることができるのである。
さて、上記課題を解決するための請求項13に記載の発明は、磁性粉末を加圧成形してなる中心コアと、中心コアの外周面上に巻装される一次コイルと、一次コイルの外周側に配設され、一次コイルとの相互誘導によって昇圧される二次コイルとを備えることを特徴とする。
つまり、従来、電磁鋼板を積層することで形成していた積層コアの代わりに、磁性粉末の加圧成形により得られる中心コアを用いることで、中心コアの外周面を滑らかな面とすることが可能となる。よって、滑らかな外周面を有する中心コアに直接一次コイルを巻装することが可能となるため、従来用いられていた一次スプールが不要となる。よって、一次コイルの外径を縮小することができ、また、これに付随して、一次コイルの外周側に配設される二次コイルの外径も縮小することが可能となる。これにより、点火コイルの小型化を達成することができる。
磁性粉末の加圧成形により得られる中心コアでは、電磁鋼板を積層してなる積層コアの場合に比べて、磁気的性能が低下することが懸念される。そこで、請求項14に記載の発明によると、中心コアの外周面は、少なくとも1段以上の段付筒面状を呈する。これによれば、一次コイルの外径増大を抑えつつ一次コイルのトータルの巻数を増加させて、一次コイルの磁気的性能を向上させることが可能になる。
請求項15に記載の発明によると、中心コアの外周面は、外径の異なる複数の筒面部を軸方向に形成し、それら各筒面部上における一次コイルの層数は偶数に設定される。これによれば、一次コイルの巻き始めである始端を中心コアの軸方向の一端側から引き出すようにした場合、一次コイルの巻き終わりである終端も、中心コアの当該一端側から引き出すことが可能となる。ここで、一次コイルの始端および終端をそれぞれ中心コアの一端側および他端側から引き出すようにした場合、電気的接続の関係上、それら始端および終端の一方を他方の側まで延ばす必要があり、その場合には、一次コイルの絶縁性の確保の観点から、例えば二次コイルを拡径する等といった対策が必要となる。しかし、一次コイルの始端および終端を、中心コアの一端側にまとめて引き出すことによれば、そのような対策が不要となるので、例えば点火コイルの小型化に貢献することが可能となるのである。
請求項16に記載の発明によると、中心コアは、一次コイルが巻装される巻胴部とおよび巻胴部よりも大径の鍔部を軸方向に有する。これにより、鍔部と巻胴部との異径境界面を一次コイルに対するストッパとして機能させることが可能になるので、その場合には、巻崩れを起こすことなく一次コイルを巻胴部に確実に巻装することができるのである。
請求項17に記載の発明によると、点火コイルは、中心コアおよび一次コイルを内包し且つ外周面上に二次コイルが巻装される二次スプールを備え、当該二次スプールの内周面に設けられた嵌合溝に、中心コアの鍔部が嵌合されると共に、二次スプールの内周面から中心コア側に突出する突出部の先端面と巻胴部の外周面とが当接する。このような構成では、中心コアおよび一次コイルを二次スプールに組み付ける際に、二次スプールに設けられた嵌合溝に中心コアの鍔部を嵌合させ、尚且つ、突出部の先端面と巻胴部の外周面とを当接させることにより、中心コアおよびそれに巻装された一次コイルを二次スプールに対して位置決め、並びに調芯することができる。これによれば、点火コイルの生産性を向上させることができるのである。また、中心コアおよびそれに巻装された一次コイルを、二次スプールに巻装された二次コイルに対しても位置決めすることができるので、点火コイル全体としての性能が安定し得るのである。
請求項18に記載の発明によると、鍔部は矩形状である。これによれば、鍔部と嵌合溝とが嵌合する際に、鍔部と嵌合部との接触面積を十分に確保することができる。
請求項19記載の発明によると、中心コア、一次コイル、二次コイルおよび二次スプールが絶縁性の樹脂内に埋設される点火コイルであって、二次スプールの軸方向の二つの端部のうち、少なくともいずれか一方は、一次コイルと二次スプールとを径方向に隔てる空間と二次スプールの外側とを連絡する隙間が設けられる。このような構成では、隙間を通じて絶縁性の樹脂の一部を、一次コイルと二次スプールとの間の空間に確実に導入した状態で、中心コア、一次コイル、二次コイルおよび二次スプールを当該樹脂内に埋設することが可能となる。こうした埋設形態によれば、一次コイルの電気的な絶縁を十分に確保することができるのである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による点火コイル100の縦断面図である。
図1に示すように点火コイル100は、中心コア13、一次コイル14、二次コイル16、二次スプール17、外周コア18およびイグナイタ19等が絶縁性の樹脂20内に埋設されてなるモールド成形体10を有している。モールド成形体10は全体として矩形ブロック状を呈し、プラグホール2の外部に配置されている。
モールド成形体10の側壁には、固定部11が一体に形成されている。固定部11には、筒状の金属ブッシュ12が埋設されており、この金属ブッシュ12に螺合するボルト(図示せず)によって、固定部11がエンジンヘッド1のエンジンヘッド1に固定されている。モールド成形体10の側壁にはさらに、外部電源(図示せず)とイグナイタ19とを電気的に接続するためのターミナル28を埋設したコネクタ29が設けられている。
モールド成形体10の底壁には、高圧タワー部10aが一体に形成されている。高圧タワー部10aの内部には、二次コイル16と電気的に接続される高圧ターミナル21が埋設されている。ポール26は、PBT、PPS、不飽和ポリエステル等の樹脂からなり、高圧タワー部10aに嵌合固定されてプラグホール2内に同心上に挿入されている。高圧タワー部10aとエンジンヘッド1との間には、ゴムよりなるシール部材24が取り付けられており、当該シール部材24によってプラグホール2の開口側が水密にシールされている。
上記構成において、エンジンコントロールユニット(図示せず)からの信号や電源がコネクタ29のターミナル28を通じて供給され、一次コイル14に流れる電流をイグナイタ19で遮断すると、一次および二次コイル14,16間の相互誘導作用により、例えば30〜35kVの高電圧が二次コイル16に発生する。こうして二次コイル16に発生した高電圧は、高圧ターミナル21および導電スプリング(図示せず)等を介して、点火プラグ(図示せず)に導かれ、点火プラグの先端で火花放電を発生させることになる。
以下、本実施形態の特徴的構成について詳細に説明する。
(中心コア)
図1に示すように中心コア13は、その軸方向がプラグホール2の軸方向に対して略垂直となるように、一次コイル14の巻装状態でモールド成形体10内に埋設されている。本実施形態において中心コア13は、磁性粉末に所定の圧力を加えて成形することによって形成されている。ここで、中心コア13の形成材料である磁性粉末としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性金属単体、またはこれら金属単体を主とする合金の粉末が用いられ、さらに好ましくは、以上の磁性金属単体または合金の粉末表面が酸化被膜により被覆されたものが用いられる。このような磁性粉末の加圧成形によって得られる中心コア13は、珪素鋼板等の電磁鋼板を積層して形成した従来の積層コアとは異なり、外周面にエッジ部が存在しておらず、全体に亘って滑らかな外周面を有するものとなっている。
図2に示すように中心コア13は、鍔部13aと巻胴部13bとを軸方向に有している。図3に示すように、鍔部13aは、矩形状を呈し、中心コア13の一端に設けられている。鍔部13aの形状は、一次コイル14の巻崩れを防止するストッパの役割を果たし、尚且つ、巻胴部13bよりも径が大きいことが好ましい。そこで、本実施形態では、鍔部13aの長手方向の両端部が巻胴部よりも径方向外側へ突出するように形成されている。
図2に示すように巻胴部13bは、中心コア13の軸方向において段階的に縮径する円柱状に形成されている。ここで、巻胴部13bの外周面は一段の段付円筒面状であり、鍔部13aに連成するストレートな第1筒面部113bと、第1筒面部113bよりも外径の小さいストレートな第2筒面部123bとを、軸方向に並べて形成している。
なお、図2に示すように中心コア13の軸方向の巻胴部13bの軸方向長さをL1、小径側の第2筒面部123bの軸方向長さをL2としたとき、L2がL1に対して過大な値となると、中心コア13自体の体積が過小となり、一次コイル14を流れる電流値が小さいときでも中心コア13の磁気飽和が起こるようになってしまう。その結果、中心コア13が磁性体として機能しなくなり、点火コイル100の性能が損なわれるおそれがある。よって、中心コア13を磁性体として十分に機能させるために、L2をL1の50%以下とすることが好ましく、より好適には40%以下とする。ここで特に本実施形態では、例えばL1を31.6mm、L2を13.2mmに設定することで、L1に対するL2の比率を41.8%としている。
また、図4に示すように第1筒面部113bと第2筒面部123bとが外径差により形成する段差Sについては、一次コイル14として小径側(ここでは最小径)の第2筒面部123bに巻回される一次導線114の直径φ並びに各筒面部113b,123b上における巻回層数の差ΔNに応じて、下記の式1に従って設定される。ここで下記式1のCは、一次導線114が後に詳述の巻回時に張力をかけられて伸長することにより縮径することから、その縮径率を考慮して予め設定される係数であり、例えば本実施形態では0.866程度とされる。
S≧φ×ΔN×C ・・・(式1)
以上、中心コア13の構造について説明した。以下、中心コア13の製造方法について、図5を参照しつつ説明する。
まず、図5(a)に示す成形型50に原料の磁性粉末を充填した後、当該充填粉末を上パンチ52および下パンチ54により荷重をかけて加圧成形し、製品形状の中心コア13を形成する。このときの荷重としては、例えば5〜20tとされる。また、本実施形態の加圧成形は常温の大気中において実施されるが、必要に応じて、100〜150℃程度の高温下において所定の期間、加圧成形を実施してもよい。
加圧成形が完了したら、図5(b)に示すように上パンチ52を成形型50から引き抜いた後、図5(c)に示すように中心コア13を鍔部13aの側から上方に引張って成形型50から離型させる。ここで、上記磁性粉末の充填前に、必要に応じて離型剤や潤滑剤を成形型50に塗布または磁性粉末中に添加しておくことで、中心コア13の離型時に製品形状の一部が欠けることを防止できる他、中心コア13の成形時にも成形密度分布が不均一になることを防止できる。
(一次コイル)
図2に示すように一次コイル14は、巻胴部13bの各筒面部113b,123b上に一次導線114をそれぞれ異数且つ偶数層ずつ巻回することで形成され、全体として円筒状を呈している。具体的には、巻胴部13bの外周面のうち第1筒面部113b上には、一次導線114が二層に巻回され、第1筒面部113bよりも段差S分だけ小径の第2筒面部123b上には、一次導線114が四層に巻回されている。ここで本実施形態では、中心コア13を磁性粉体の加圧成形により形成したことに起因して、従来の積層コアよりも同体積での磁気的性能が低下することが懸念されるため、一次導線114の巻回層数を増加させて当該性能の低下を抑えることが望ましいが、そうした巻数増大は体格増大に繋がるものである。そこで、点火コイル100においてより好ましい態様として、一次導線114を第1筒面部113b上に二層、第2筒面部123b上に四層それぞれ巻回することとした。また本実施形態では、各筒面部113b,123b上における一次導線114の巻回層数差ΔNが2であることに応じて、筒面部113b,123b間の段差Sが上記式1に従って設定されている。
また、このようにして一次コイル14が直接中心コア13に巻装されることによれば、従来の一次スプールを介した積層コアへのコイル巻装の場合に比べて、一次スプールの径方向の厚さ分、一次コイル14を径方向に小型化することができる。さらには、一次スプールを不要とする構造であるため、点火コイル100全体の製造コストも削減することができる。またさらには、従来一次スプールの製造に要していた時間分、点火コイル100の製造に要する時間を短縮することができる。これらは、巻胴部13bの外周面をなす各筒面部113b,123bが滑らかな曲面で形成されているからこそ、達成可能となったのである。
加えて、図3に示すように一次コイル14として巻胴部13bに巻回された一次導線114の始端114aおよび終端114bは、鍔部13aと第1筒面部113bとの境界から引き出される。これにより、中心コア13の軸方向外側に位置するイグナイタ19(図1参照)に電気的に接続するための構造が、簡素化並びに小型化されているのである。
なお、本実施形態において一次コイル14は、例えば直径が0.3〜0.8mmの一次導線114を100〜230ターン巻回することにより形成されるが、特に直径が0.5mmの一次導線114を120ターン巻回して形成することが好ましい。また、一次導線114としては、エナメル電線を用いることが好ましいが、隣接する一次導線114同士の電気的絶縁が確保されるのであれば、特に制限は無い。
以上、一次コイル14の構造について説明した。以下、一次コイル14の製造方法について説明する。なお、以下では、一次導線114の供給源であるノズル41の移動方向について、第1筒面部113b側から第2筒面部123b側へ向かう中心コア13の軸方向をXとし、当該Xとは逆の方向をYとする。
図6に示すように、一次コイル14となる一次導線114を中心コア13に巻回する前に、中心コア13の鍔部13aとは反対側端部に、鍔部13aと略同等の径を有する円盤状の衝立治具40を取り付ける。そして、一次導線114を始端114a側から第1筒面部113b上に這い廻し、中心コア13を一定の速度にて回転駆動することにより、一次導線114の巻回を開始する。まず、中心コア13の回転速度を一定に保ちつつ、ノズル41をX方向に移動させる。これにより、常時一定の張力下で一次導線114を各筒面部113b,123b上に巻回することができ、その結果、一次導線114が巻胴部13bの軸方向に一重に連続して巻回されて、一次導線114の第1層が両筒面部113b,123b上に形成される。
次に、第2筒面部123b上にて第1層を形成する一次導線114が、第2筒面部123bの衝立治具40側端まで到達した時点で、中心コア13の回転速度を一定に保ったままノズル41をY方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第1層の外周側に一次導線114が巻回されて、当該第2筒面部123b上における第2層が形成される。このとき、例えば、第1層を形成する一次導線114の間に、第2層を形成する一次導線114を巻回していくことで、第2層の一次導線114が中心コア13の軸方向へ移動することを抑制して、一次コイル14の巻崩れを起こしにくくすることができる。
続いて、第2筒面部123b上にて第2層を形成する一次導線114が、第1筒面部113bと第2筒面部123bとの異径境界面に到達した時点で、再度ノズル41をX方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第2層の外周側に一次導線114が巻回されて、当該第2筒面部123b上における第3層が形成される。このとき、図7に示すように本実施形態では、第2筒面部123b上の第3層が第1筒面部113b上の第1層と略同等の外径にて形成されることになるのである。またこのときには、第1筒面部113bと第2筒面部123bとの間の段差Sをなす異径境界面が一次導線114に対するストッパとして機能することにより、一次コイル14の巻崩れ、特に第1層および第2層を形成する一次導線114の巻崩れが効果的に抑制されるのである。
さらに、第2筒面部123b上にて第3層を形成する一次導線114が、第2筒面部123bの衝立治具40側端まで到達した時点で、再度ノズル41をY方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第3層の外周側に一次導線114が巻回されて、当該第2筒面部123b上における第4層が形成される。このとき、第2筒面部123b上の第3層と第1筒面部113b上の第1層とが略同等の外径となっている本実施形態では、第2筒面部123b上における第4層の形成が第1筒面部113bと第2筒面部123bとの異径境界面にて実質的に終了し、それに連続して第1筒面部113b上の第1層の外周側に一次導線114が巻回される。その結果、第1筒面部113b上において第2層が形成されるのである。
最後に、第1筒面部113b上にて第2層を形成する一次導線114が第1筒面部113bと鍔部13aとの異径境界面に到達した時点で、ノズル41からの一次導線114の供給を終了して一次導線114をカットし、一次導線114の終端114bを鍔部13aと第1筒面部113bとの境界から引き出す。これにより、一次コイル14が中心コア13に対する巻回状態で完成し、その後、中心コア13から衝立治具40を取り外すことになる。このとき、一次導線114の直径が0.3〜0.8mmと十分に太く、巻回された一次導線114が自らの塑性により形状を保持可能となっているため、衝立治具40の外し後における一次コイル14の巻崩れが抑制されるのである。またさらに、鍔部13aと第1筒面部113bとの異径境界面がストッパとして機能することによっても、一次コイル14の巻崩れが抑制されるのである。
なお、以上においては、鍔部13aと第1筒面部113bとの異径境界面から一次導線114を中心コア13に巻回し始め、一次導線114の始端114aおよび終端114bを鍔部13a側から引き出すようにしている。これに対し、第2筒面部123bの端部に取り付けられた衝立治具40と第2筒面部123bとの異径境界面から一次導線114を中心コア13に巻回し始め、一次導線114の始端114aおよび終端114bを鍔部13aとは反対側から引き出すようにしてもよい。
(二次スプール・二次コイル)
図1に示すように、二次スプール17は樹脂からなり、全体として筒状を呈している。二次スプール17は、軸方向の両端に円盤状のフランジ部17a,17bを備え、これらフランジ部17a,17b間に同心円筒状の筒部17cを備えている。中心コア13の巻胴部13bの外径および一次コイル14の外径よりも内径が大きく設定されている二次スプール17は、それら巻胴部13bおよび一次コイル14を内包した形となっている。
図3に示すように、二つのフランジ部17a,17bのうち、中心コア13の鍔部13aの外周側に位置するフランジ部17aの内周面には、嵌合溝17d,17eが設けられている。各嵌合溝17d,17eは、鍔部13aの長手方向の両端部を補完する形状に形成されており、当該両端部がそれぞれ嵌合溝17d,17eに嵌合することで、中心コア13が位置決めされている。
また、図8に示すように、二次スプール17の内周面には、中心コア13側に突出する突出部171,172,173,174が設けられている。各突出部171,172,173,174は、中心コア13の中心軸に関して90°の回転対称となっており、各突出部171,172,173,174の突出方向の先端面は、中心コア13の第2筒面部123bと当接している。これにより、中心コア13の位置決め、並びに調芯を行っている。
これにより、二次スプール17は中心コア13と同心上に配設されて、一次コイル14の外周面との間に断面円環状の空間30(図1参照)を形成している。また、図3,8に示すように、二次スプール17の内周面は、一次コイル14の外周面との間を径方向に隔てて空間30に連通する隙間31を、軸方向の両端側に形成している。これにより、隙間31を通じて空間30が二次スプールの外側と連絡されている。
さて、二次スプール17において筒部17cに巻装される二次コイル16は、全体として筒状を呈しており、一次コイル14の外周側に配置されて二次スプール17と共にモールド成形体10内に埋設されている。なお、二次コイル16は、例えば直径が40〜50μmの二次銅を10000〜20000ターン巻回することによって、形成することが好ましい。また、二次コイル16は、一次コイル14よりもターン数が多く、非常に高電圧が発生する。そのため、二次コイル16の二次銅間の電圧による二次導線の絶縁破壊を回避するために二次コイル16は、斜向巻きにより形成することがより好ましい。
(外周コア)
図1に示すように、外周コア18は磁性材からなり、モールド成形体10内に埋設されてエンジンヘッド1側に向かって開口する有底角筒状を呈している。具体的に、外周コア18は、矩形の底部18aと、この底部18aに垂直な四つの側部18bとからなる。中心コア13の軸方向において互いに対向する側部18bの内周面間距離は、中心コア13の軸方向長さと略同等であり、中心コア13は、その軸方向において対向する側部18b間に挟持されている。なお、中心コア13の軸方向において対向する二つの側部18bの内周面と二次スプール17の両端面との間には、隙間が設けられている。また、二次スプール17において各フランジ部17a,17bの四つの縁端面のうち、それぞれ一つの縁端面は、外周コア18の底部18aの内周面と当接することで、モールド成形体10内にて二次スプール17の高さ方向の位置決めをしている。
図3に示すように、中心コア13の鍔部13aと二次スプール17のフランジ部17aとの間の隙間31からは、一次コイル14の一次導線114の始端114aおよび終端114bが引き出され、イグナイタ19に電気的に接続されている。また、外周コア18は、アースバー(図示せず)を介して接地されている。
(モールド成形体)
中心コア13、一次コイル14、二次コイル16、二次スプール17、外周コア18およびイグナイタ19等が樹脂20内に埋設されたモールド成形体10は、インサート成形によって形成することができる。
このインサート成形時においては、樹脂20が溶融状態にて各要素13,14,16,17,18,19の等の周囲の隅々にまで行き渡ることで、それら要素の全てがモールド成形体10内にて確実に固定されることとなる。また、樹脂20は、二次コイル16の外周面と外周コア18の内周面との間に導入されることで、それら二次コイル16と外周コア18とを電気的に絶縁する形となる。
さらに、樹脂20は、一次コイル14に含浸すると共に、隙間31を通じて一次コイル14と二次スプール17との間の空間30にも導入されることで、両者を電気的に絶縁する形となる。したがって、隙間31により、空間30に樹脂20を効率よく流入させることができるので、モールド成形体10内における空隙の発生が抑制され、点火コイル100の十分な絶縁性および耐振動性が確保されるのである。
なお、樹脂20としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられるが、電気的絶縁作用を発揮し得る他の樹脂を用いてもよい。
(第2実施形態)
図9,10に示す本発明の第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。第2実施形態の中心コア2013は、珪素鋼板等の電磁鋼板からなる磁性板2013pの複数を板厚方向に積層することによって、形成されている。ここで本実施形態の中心コア2013は、例えば0.2〜1mm程度、好ましくは0.27mmの電磁鋼板にプレス加工を施して積層位置に応じた形状の各磁性板2013pを形成した後、それら磁性板2013pを接着剤で互いに固定しながら積層してなる。
このように磁性板2013pを積層してなる中心コア2013によれば、軸方向における縮径により小径の第2筒面部123bが形成されて体積減少した形となっていても、所望の磁気的性能を確保し易くなる。一方で、磁性板2013pを積層してなる中心コア2013の場合、外周面を形成する筒面部113b,123bにおいて磁性板2013pの外周縁に沿ったエッジ部が生じるため、それら筒面部113b,123bに一次コイル14を直接巻装すると、一次コイル14の損傷や破断を招くおそれがある。
そこで、第2実施形態では、中心コア2013の外周面の全体が膜状の絶縁性被覆部材2015により被覆されており、一次コイル14が当該被覆部材2015を介して各筒面部113b,123bに巻装されることで保護されているのである。ここで本実施形態の被覆部材2015は、例えば50μm程度の薄膜ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等からなる熱収縮チューブであり、中心コア2013に被せられて熱収縮させられることにより各筒面部113b,123bに密着している。なお、被覆部材2015としては、熱収縮チューブ以外にも、薄膜樹脂テープを各筒面部113b,123bに巻着するようにしてもよい。
このように一次コイル14が膜状の被覆部材2015を介して中心コア2013に巻装されることによれば、一次スプールが不要となることから、当該コア2013の縮径による作用と相俟って、一次コイル14を径方向に小型化することが可能となるのである。
(第3実施形態)
図11〜14に示す本発明の第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。図13,14に示すように第3実施形態の中心コア3013は、各筒面部113b,123bよりも凹んで軸方向に延伸する通し溝3015を有している。ここで本実施形態の通し溝3015は、中心コア3013の軸方向全域に設けられて鍔部13aおよび各筒面部113b,123bに跨っている。
図11,12に示すように第3実施形態の一次コイル3014は、中心コア3013の各筒面部113b,123b上に一次導線3114をそれぞれ異数且つ奇数層ずつ巻回することで形成され、全体として円筒状を呈している。具体的には、第1筒面部113b上には一次導線3114が一層に巻回され、第2筒面部123b上には一次導線3114が三層に巻回されている。これにより、磁性粉体を加圧成形してなる中心コア3013にも拘らず、一次導線3114の巻回層数を増大させて所定体積での磁気的性能の向上が図られている。なお、ここで本実施形態では、各筒面部113b,123b上における一次導線3114の巻回層数差ΔNが2であることに応じて、筒面部113b,123b間の段差Sが第1実施形態で説明の式1に従って設定されている。
さらに一次コイル3014は、一次導線3114の始端3114a側が鍔部13aおよび第2筒面部123bの間で通し溝3015に通されることで、一次導線3114の始端3114aおよび終端3114bが軸方向の同じ側に引き出された形となっている。これにより本実施形態においても、イグナイタ19への一次コイル3014の接続構造が簡素化並びに小型化されているのである。
以上の構成を有する一次コイル3014の製造方法について以下では、図11を参照しつつ説明する。
まず、中心コア3013の鍔部13aとは反対側端部に衝立治具40を取り付けた後、一次導線3114の始端3114a側を鍔部13aから第2筒面部123bへ向かって通し溝3015に通す。通し溝3015において一次導線3114が第2筒面部123bの衝立治具40側端まで到達したら、一次導線3114を第2筒面部123b上に這い廻した後、中心コア3013を一定速度にて回転駆動しつつノズル41(図示しない)をY方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上に一次導線3114が巻回されて、当該第2筒面部123b上の第1層が形成される。即ち本実施形態では、小径側(ここでは最小径)の第2筒面部123bから一次導線3114の巻回が開始されるのである。
次に、第2筒面部123b上の第1層を形成する一次導線3114が、第1筒面部113bと第2筒面部123bとの異径境界面に到達した時点で、中心コア3013の回転速度を一定に保ったままノズル41をX方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第1層の外周側に一次導線3114が巻回されて、当該第2筒面部123b上の第2層が形成される。このとき、図11に示すように本実施形態では、第2筒面部123b上の第2層が第1筒面部113bと略同等の外径にて形成されることになる。またこのときには、筒面部113b,123b間の段差Sをなす異径境界面が一次導線3114に対するストッパとして機能することにより、一次コイル3014の巻崩れが効果的に抑制されるのである。
続いて、第2筒面部123b上の第2層を形成する一次導線3114が、第2筒面部123bの衝立治具40側端まで到達した時点で、中心コア3013の回転速度を一定に保ったままノズル41を再度Y方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第2層の外周側に一次導線3114が巻回されて、当該第2筒面部123b上の第3層が形成される。このとき、第2筒面部123b上の第2層と第1筒面部113bとが略同等の外径となっている本実施形態では、第2筒面部123b上における第3層の形成が筒面部113b,123b間の異径境界面にて実質的に終了し、それに連続して第1筒面部113b上に一次導線3114が巻回される。その結果、第1筒面部113b上において第1層が形成されるのである。
最後に、第1筒面部113b上の第1層を形成する一次導線3114が、第1筒面部113bと鍔部13aとの間の異径境界面に到達すると、一次導線3114をカットして当該導線3114の終端3114bを引き出す。これにより一次コイル3014が完成するので、中心コア3013から衝立治具40を取り外す。このとき、鍔部13aおよび第1筒面部113b間の異径境界面がストッパとして機能するので、一次コイル3014の巻崩れが抑制されることになるのである。
なお、以上においては、始端3114aを中心コア3013の鍔部13a側から引き出すようにした一次コイル3014の一次導線3114について、各筒面部113b,123b上に連続して奇数層ずつ巻回する前に、当該始端3114a側を通し溝3015に通しておくことで、終端3114bも鍔部13a側から引き出すことを可能にしている。これに対し、始端3114aを中心コア3013の鍔部13a側とは反対側から引き出すようにした一次コイル3014の一次導線3114について、各筒面部113b,123b上に連続して奇数層ずつ巻回する前に、当該始端3114a側を通し溝3015に通しておくことで、終端3114bも鍔部13aとは反対側から引き出すようにしてもよい。
(第4実施形態)
図15〜17に示す本発明の第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。図16に示すように第4実施形態の中心コア4013は、鍔部13a、第1筒面部113bおよび第2筒面部123bをこの順で軸方向に並べる代わりに、筒面部113b,123bの並び順を入れ替えて鍔部13aおよび第1筒面部113b間に第2筒面部123bを設けたものとなっている。これにより第2筒面部123bは、第1筒面部113bとは反対側の端部4013iよりも大径の鍔部13aが当該端部4013iに対して軸方向に隣接した形となっている。
このような中心コア4013では、第2筒面部123bの軸方向長さL2を巻胴部13bの軸方向長さL1の50%以下、より好適には40%以下とすることにより、磁性体として十分に機能させることが可能になる。ここで特に本実施形態では、磁性粉体を加圧成形してなる中心コア4013について、例えばL1を31.6mm、L2を15.4mmに設定することで、L1に対するL2の比率を48.7%としている。
また、図16に示すように中心コア4013においては、鍔部13aおよび第2筒面部123b間の異径境界面4013cと、第2筒面部123bとがなす入隅部4013dは、断面円弧形の凹面状にR加工されている。同様に、第2筒面部123bおよび第1筒面部113b間の異径境界面4013eと、第2筒面部123bとがなす入隅部4013fも、断面円弧形の凹面状にR加工されている。なお、本実施形態において各入隅部4013d,4013fの加工径は、例えば0.2mm程度とされる。
さらに中心コア4013においては、鍔部13aおよび第2筒面部123b間の異径境界面4013cと、鍔部13aとがなす角部4013gは、断面円弧形の凸面状にR加工(面取り加工)されている。同様に、第2筒面部113bおよび第1筒面部123b間の異径境界面4013eと、第1筒面部113bとがなす角部4013hも、断面円弧形のに凸面状にR加工されている。なお、本実施形態において角部4013gおよび角部4013hの加工径は、例えばそれぞれ0.5mm程度および0.3mm程度とされる。
以上の構成を有する中心コア4013の製造方法について以下では、図17を参照しつつ説明する。
まず、図17(a)に示すように左右方向に型閉且つ型締した成形型4050に原料の磁性粉末を充填した後、当該充填粉末を上パンチ4052および下パンチ4054により荷重をかけて加圧成形し、中心コア4013を形成する。このときの荷重や温度については、第1実施形態で説明の製造方法と同様とされる。
加圧成形が完了したら、図17(b)に示すように、上パンチ4052を成形型4050から上方へ引き抜いた後、図17(c)に示すように成形型4050を左右方向に型開して中心コア4013を離型させる。ここで、本実施形態において成形型4050を型開する左右方向は、製品形状となった中心コア4013の径方向と略同一方向に設定されることで、軸方向の中間部分で縮径された形状の中心コア4013について径方向の離型を可能にしている。また、本実施形態においても、離型剤や潤滑剤を成形型4050に塗布または磁性粉末中に添加しておくことが、離型時の欠け等を防止する点で好ましい。
さて、第1実施形態と同様に筒面部113b,123b間の段差Sが式1に従って設定される第4実施形態では、図15に示すように一次導線4114を第1筒面部113b上に二層且つ第2筒面部123b上に四層巻回することにより、一次コイル4014が形成されている。また、一次コイル4014では、一次導線4114の始端4114aおよび終端4114bが鍔部13aと第2筒面部123bとの境界から引き出されることにより、イグナイタ19への一次コイル4014の接続構造が簡素化並びに小型化されている。さらに一次コイル4014は、鍔部13aおよび各筒面部113b,123bの境界では、R加工された入隅部4013d,4013fおよび角部4013g,4013hと接触することで、破断し難くなっている。以下、このような一次コイル4014の製造方法について、図15を参照しつつ説明する。
まず、中心コア4013の鍔部13aとは反対側端部に衝立治具40を取り付けた後、一次導線4114を始端4114a側から第2筒面部123b上に這い廻して、当該導線4114の巻回を開始する。即ち本実施形態では、小径側(ここでは最小径)の第2筒面部123bから一次導線4114の巻回が開始されるのである。そして、この開始時点においては、中心コア4013を一定速度にて回転駆動しつつノズル41(図示しない)をX方向に移動させることにより、第2筒面部123b上の第1層が形成される。
次に、第2筒面部123b上の第1層を形成する一次導線4114が、第1筒面部113bと第2筒面部123bとの間の異径境界面4013eに到達した時点で、中心コア4013の回転速度を一定に保ったままノズル41をY方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第1層の外周側に一次導線4114が巻回されて、当該第2筒面部123b上の第2層が形成される。このとき、図15に示すように本実施形態では、第2筒面部123b上の第2層が第1筒面部113bと略同等の外径にて形成されることになる。またこのときには、鍔部13aおよび第1筒面部113bの各々と第2筒面部123bとの間の異径境界面4013c,4013eが一次導線4114に対するストッパとして機能することにより、一次コイル4014の巻崩れが効果的に抑制されるのである。
続いて、第2筒面部123b上の第2層を形成する一次導線4114が、鍔部13aと第2筒面部113bとの間の異径境界面4013cに到達した時点で、中心コア4013の回転速度を一定に保ったままノズル41を再度X方向に移動させる。これにより、第2筒面部123b上の第2層の外周側に一次導線4114が巻回されて、当該第2筒面部123b上の第3層が形成される。このとき、第2筒面部123b上の第2層と第1筒面部113bとが略同等の外径となっている本実施形態では、第2筒面部123b上における第3層の形成が筒面部113b,123b間の異径境界面4013eにて実質的に終了し、それに連続して第1筒面部113b上に一次導線4114が巻回される。その結果、第1筒面部113b上において第1層が形成されるのである。
さらに続いて、第1筒面部113b上の第1層を形成する一次導線4114が、第1筒面部113bの衝立治具40側端まで到達した時点で、中心コア4013の回転速度を一定に保ったままノズル41を再度Y方向に移動させる。これにより、一次導線4114が第1筒面部113b上の第1層の外周側および第2筒面部123b上の第3層の外周側に順次に巻回されて、第1筒面部113b上の第2層および第2筒面部123b上の第4層が形成される。
最後に、第2筒面部123b上にて第4層を形成する一次導線4114が、第2筒面部123bおよび鍔部13a間の異径境界面4013cに到達すると、一次導線4114をカットして当該導線4114の終端4114bを引き出す。これにより、一次コイル4014が完成するので、中心コア4013から衝立治具40を取り外す。このとき、鍔部13aおよび第2筒面部123b間の異径境界面4013cがストッパとして機能するので、一次コイル4014の巻崩れが抑制されることになるのである。
なお、以上においては、鍔部13aと第2筒面部123bとの異径境界面4013cから一次導線4114を中心コア4013に巻回し始め、一次導線4114の始端4114aおよび終端4114bを鍔部13a側から引き出すようにしている。これに対し、第1筒面部113bの端部に取り付けられた衝立治具40と第1筒面部113bとの異径境界面から一次導線4114を中心コア4013に巻回し始め、一次導線4114の始端4114aおよび終端4114bを鍔部13aとは反対側から引き出すようにしてもよい。
(第5実施形態)
図18に示す本発明の第5実施形態は、第4実施形態の変形例である。磁性粉体を加圧成形してなる第5実施形態の中心コア5013では、鍔部13aおよび第2筒面部123b間の異径境界面5013cと、第2筒面部123bおよび第1筒面部113b間の異径境界面5013eとが、軸方向に対して傾斜するテーパ面状に形成されている。ここで本実施形態の異径境界面5013c,5013eは、中心コア5013の軸方向に対する傾斜角度θが例えば60°程度に設定されたものとなっている。
このように異径境界面5013c,5013eが傾斜する中心コア5013については、第4実施形態で説明の図17(c)と同様にして成形型4050を左右方向に型開する場合に、中心コア5013を径方向に離型し易くなる。したがって、中心コア5013の離型時に製品形状の一部が欠けるといった離型不良を確実に防止して、製品としての磁気的性能を十分に保証することが可能となるのである。
(第6実施形態)
図19に示す本発明の第6実施形態は、第4実施形態の変形例である。第6実施形態の中心コア6013では、軸方向において巻胴部6013bがテーパ状に縮径されることにより、小径側の第2筒面部6123bが形成されている。ここで特に本実施形態では、ストレートな第1筒面部113b側から鍔部13a側に向かうほど小径となるように、テーパ状の第2筒面部6123bが第1筒面部113bおよび鍔部13a間に設けられている。これにより第2筒面部6123bは、テーパ状の小径側端部6013iよりも大径である鍔部13aに軸方向において隣接し、当該鍔部13aとの間に異径境界面6013cを形成している。また、一方で第2筒面部6123bは、テーパ状の大径側端部6013jと略同等の外径を有する第1筒面部113bに軸方向において隣接し、当該第1筒面部113bとの間に段差のない境界線6013kを形成している。
このような中心コア6013においても、第2筒面部6123bの軸方向長さL2を巻胴部6013bの軸方向長さL1の50%以下、より好適には40%以下とすることにより、磁性体として十分に機能させることが可能となる。ここで特に本実施形態では、磁性粉体を加圧成形してなる中心コア6013であるにも拘らず、テーパ状の第2筒面部6123bにより縮径化と体積確保とのトレードオフバランスが図られているので、磁気飽和に起因する磁気的性能の低下が確実に抑制され得るのである。
図19に示すように第6実施形態の一次コイル6014は、一次導線6114を第1筒面部113b上に二層且つ第2筒面部6123b上に最大四層巻回することによって、形成されている。また、一次コイル6014では、一次導線6114の始端6114aおよび終端6114bが鍔部13aと第2筒面部6123bとの境界から引き出されることにより、イグナイタ19への一次コイル6014の接続構造が簡素化並びに小型化されている。以下、このような一次コイル6014の製造方法について、図19を参照しつつ説明する。
まず、中心コア6013の鍔部13aとは反対側端部に衝立治具40を取り付けた後、一次導線6114を始端6114a側から第2筒面部6123b上に這い廻して、当該導線6114の巻回を開始する。即ち本実施形態では、小径側の第2筒面部6123bから一次導線6114の巻回が開始されるのである。そして、この開始時点においては、中心コア6013を一定速度にて回転駆動しつつノズル41(図示しない)をX方向に移動させることにより、第2筒面部6123b上の第1層が形成される。さらに本実施形態では、一次導線6114が筒面部6123b,113bの境界線6013kに到達しても、中心コア6013の回転速度を一定に保ったままノズル41のX方向への移動を継続させる。これにより、第1筒面部113b上に一次導線6114が巻回されて、当該第1筒面部113b上の第1層も形成されることになる。
次に、第1筒面部113b上にて第1層を形成する一次導線6114が、第1筒面部113bの衝立治具40側端まで到達した時点で、中心コア6013の回転速度を一定に保ったままノズル41をY方向に移動させる。これにより、一次導線6114が第1筒面部113b上の第1層の外周側に巻回されて、当該第1筒面部113b上の第2層が形成される。さらに本実施形態では、一次導線6114が筒面部113b,6123bの境界線6013kに到達しても、中心コア6013の回転速度を一定に保ったままノズル41のY方向への移動を継続させる。これにより、第2筒面部6123b上の第1層の外周側に一次導線6114が巻回されて、当該第2筒面部6123b上の第2層も形成されることになる。
続いて、第2筒面部6123b上の第2層を形成する一次導線6114が、鍔部13aおよび第2筒面部6123bの間の異径境界面6013cに到達した時点で、中心コア6013の回転速度を一定に保ったままノズル41を再度X方向に移動させる。これにより、第2筒面部6123b上の第2層の外周側に一次導線6114が巻回されて、当該第2筒面部6123b上の第3層が形成される。このとき、図19に示すように本実施形態では、第2筒面部6123b上の第3層が第1筒面部113b上の第2層の外径を超えない範囲で形成されるように、当該第3層の形成限界位置が設定される。またこのときには、鍔部13aおよび第2筒面部6123b間の異径境界面6013cが一次導線6114に対するストッパとして機能することにより、一次コイル6014の巻崩れが効果的に抑制されるのである。
さらに続いて、第2筒面部6123b上の第3層を形成する一次導線6114が、当該第3層の形成限界位置まで到達すると、中心コア6013の回転速度を一定に保ったままノズル41を再度Y方向に移動させる。これにより、第2筒面部6123b上の第3層の外周側に一次導線6114が巻回されて、当該第2筒面部6123b上の第4層が形成される。このとき、図19に示すように本実施形態では、第2筒面部6123b上の第4層が第1筒面部113b上の第2層の外径と略同等の最大外径にて形成される。またこのときにも、異径境界面6013cが一次導線6114に対するストッパとして機能するので、一次コイル6014の巻崩れが効果的に抑制されるのである。
最後に、第2筒面部6123b上の第4層を形成する一次導線6114が、第2筒面部6123bおよび鍔部13a間の異径境界面6013cに到達すると、一次導線6114をカットして当該導線6114の終端6114bを引き出す。これにより、一次コイル6014が完成するので、中心コア6013から衝立治具40を取り外す。このときにも、異径境界面6013cがストッパとして機能するので、一次コイル6014の巻崩れが抑制されることになるのである。
なお、以上においては、鍔部13aと第2筒面部6123bとの異径境界面6013cから一次導線6114を中心コア6013に巻回し始め、一次導線6114の始端6114aおよび終端6114bを鍔部13a側から引き出すようにしている。これに対し、第1筒面部113bの端部に取り付けられた衝立治具40と第1筒面部113bとの異径境界面から一次導線6114を中心コア6013に巻回し始め、一次導線6114の始端6114aおよび終端6114bを鍔部13aとは反対側から引き出すようにしてもよい。
(第7実施形態)
図20に示す本発明の第7実施形態は、第4実施形態の変形例である。第7実施形態の外周コア7018は、断面矩形環状に形成されて中心コア4013の外周側を囲んでいる。ここで本実施形態の外周コア7018において、中心コア4013を軸方向に挟む一対の側部7018b間は、中心コア4013を径方向に挟む一対の接続部7018cにより接続されている。そして、一方の側部7018bと中心コア4013の鍔部13aとの間には、例えば0.1〜0.6mm程度の磁気ギャップ7018dが設けられている。これにより、中心コア4013において最小径の第2筒面部123bは、大径の第1筒面部113bよりも軸方向の磁気ギャップ7018d側に設けられた形となっている。
こうした構成の第7実施形態では、図20に示すように、外周コア7018において一方の側部7018b、いずれかの接続部7018cおよび他方の側部7018bを通過し、さらに磁気ギャップ7018dおよび中心コア4013を通過する磁気回路7018eが形成される。ここで、磁気回路7018eの中心コア4013における磁束密度は、軸方向の磁気ギャップ7018d側ほど低くなる。故に、外周面の縮径により体積減少している中心コア4013であっても、当該縮径のない場合と比較して遜色ない磁束密度を、磁気ギャップ7018dの側となる最小径の第2筒面部123bにて確保可能となっている。したがって、その場合には、磁気的性能を容易に確保しつつ、一次コイル14を径方向に小型に形成することができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明は、説明の実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、第1および第2実施形態において巻胴部13bについては、例えば図21に示すように、第1筒面部113b、第2筒面部123bおよび第3筒面部133bを軸方向に形成して、一次導線114を各々二層巻き、四層巻きおよび六層巻きとしてもよい。なお、このとき、中心コア13を磁性体として十分に機能させるためには、第3筒面部133bの軸方向長さをL3としたとき、第2筒面部123bの軸方向長さL2とL3との和は、巻胴部13bの軸方向長さL1の30%以下とすることが好ましい。
また、第3〜第7実施形態では、第2実施形態に準じて、中心コア3013,4013,5013,6013を磁性板2013pの積層によって形成し、当該積層コアに膜状の絶縁性被覆部材2015を介して一次コイル14を巻装してもよい。さらに、第4〜第7実施形態では、第3実施形態に準じて、第1筒面部113b上と第2筒面部123b,6123b上とに、それぞれ一次導線4114,6114を異数且つ奇数層ずつ巻回してもよい。またさらに、第1〜第3および第7実施形態では、第5実施形態に準じて、筒面部113b,123b間等の異径境界面を、軸方向に対して傾斜するテーパ面状に形成してもよい。加えて、第7実施形態では、第6実施形態に準じて、中心コア4013の巻胴部13bの外周面を軸方向にテーパ状に縮径させてもよい。
以上の他、第1〜第7実施形態では、モールド成形体10、高圧タワー部10aおよび固定部11を全てエポキシ樹脂で形成しているが、モールド成形体10のみエポキシ樹脂で形成し、それ以外についてPBT等の比較的安価な樹脂で形成してもよい。
本発明の第1実施形態による点火コイルを示す縦断面図である。 図1の要部拡大図に相当する断面模式図である。 図1のIII−III線断面図に相当する模式図である。 図2の特徴部分を拡大して示す断面模式図である。 図1の中心コアの製造方法を示す断面模式図である。 図1の一次コイルの製造方法を示す模式図である。 図1の一次コイルの製造方法を示す断面模式図である。 図1のVIII−VIII線断面図に相当する模式図である。 本発明の第2実施形態による点火コイルの要部を拡大して示す断面模式図である。 図9のX−X線断面図である。 本発明の第3実施形態による点火コイルの要部を拡大して示す断面模式図である。 図11のXII−XII線矢視図である。 図11の中心コアを示す断面模式図である。 図13のXIV−XIV線矢視図である。 本発明の第4実施形態による点火コイルの要部を拡大して示す断面模式図である。 図15の中心コアを示す断面模式図である。 図15の中心コアの製造方法を示す断面模式図である。 本発明の第5実施形態による点火コイルの中心コアを拡大して示す断面模式図である。 本発明の第6実施形態による点火コイルの要部を拡大して示す断面模式図である。 本発明の第7実施形態による点火コイルの外周コアおよび中心コアを拡大して示す断面模式図である。 図2の変形例を示す断面模式図である。
符号の説明
1…エンジンヘッド、2…プラグホール、10…モールド成形体、10a…高圧タワー部、11…固定部、12…金属ブッシュ、13,2013,3013,4013,5013,6013…中心コア、13a…鍔部、13b,6013b…巻胴部、4013c,4013e,5013c,5013e,6013c…異径境界面、4013d,4013f…入隅部、4013g,4013h…角部、4013i…端部、6013i…小径側端部、6013j…大径側端部、6013k…境界線、2013p…磁性板、113b…第1筒面部、123b,6123b…第2筒面部、133b…第3筒面部、14,3014,4014,6014…一次コイル、114,3114,4114,6114…一次導線、114a,3114a,4114a,6114a…始端、114b,3114b,4114b,6114b…終端、2015…被覆部材、3015…通し溝、16…二次コイル、17…二次スプール、17a,17b…フランジ部、17c…筒部、17d,17e…嵌合溝、171,172,173,174…突出部、18…外周コア、18a…底部、18b,7018b…側部、7018c…接続部、7018d…磁気ギャップ、7018e…磁気回路、19…イグナイタ、20…樹脂、21…高圧ターミナル、24…シール部材、26…ポール、28…ターミナル、29…コネクタ、30…空間、31…隙間、40…衝立治具、41…ノズル、50,4050…成形型、52,4052…上パンチ、54,4054…下パンチ、100…点火コイル

Claims (19)

  1. 外周面が軸方向に縮径されることにより外形の異なる複数の筒面部を形成する中心コアと、
    前記各筒面部上に導線が連続して巻回されてなる一次コイルと、
    前記一次コイルの外周側に配設され、前記一次コイルとの相互誘導により昇圧される二次コイルと
    を備えることを特徴とする点火コイル。
  2. 前記一次コイルの導線は、前記各筒面部上に偶数層ずつ巻回されることを特徴とする請求項1に記載の点火コイル。
  3. 前記中心コアは、前記各筒面部よりも凹んで軸方向に延伸する通し溝を有し、
    前記一次コイルの導線は、始端側において前記通し溝に通されて前記各筒面部上に奇数層ずつ巻回されることを特徴とする請求項1に記載の点火コイル。
  4. 前記二次コイルの外周側を囲むと共に前記中心コアとの間に軸方向の磁気ギャップをあけるように配設され、前記磁気ギャップおよび前記中心コアを通過する磁気回路を形成する外周コアを備え、
    前記中心コアの外周面は、最小径の前記筒面部を軸方向の前記磁気ギャップ側に形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の点火コイル。
  5. 前記中心コアは、磁性粉末を加圧成形してなり、
    前記一次コイルは、前記各筒面部上に直接に巻装されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の点火コイル。
  6. 前記中心コアは、複数の磁性板を積層してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の点火コイル。
  7. 前記中心コアを被覆する膜状の被覆部材を備え、
    前記一次コイルは、前記各筒面部上に前記被覆膜を介して巻装されることを特徴とする請求項6に記載の点火コイル。
  8. 前記中心コアの外周面は、軸方向において段階的に縮径されることにより前記各筒面部を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の点火コイル。
  9. 前記中心コアの外周面は、軸方向において段階的に縮径されることにより前記各筒面部を形成し、
    前記各筒面部間の異径境界面は、軸方向に対して傾斜することを特徴とする請求項5に記載の点火コイル。
  10. 前記中心コアの外周面は、軸方向においてテーパ状に縮径されることにより前記各筒面部を形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の点火コイル。
  11. 前記中心コアは、外周面の縮径によりテーパ状を呈する前記筒面部と、当該テーパ状の筒面部の小径側端部よりも大径に形成されて前記小径側端部に軸方向に隣接する鍔部とを有することを特徴とする請求項10に記載の点火コイル。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の点火コイルを製造する方法であって、
    外周面において外径の異なる複数の筒面部が軸方向に並んでなる前記中心コアを形成する工程と、
    前記各筒面部のうち小径の前記筒面部上から順に導線を巻回して、前記一次コイルを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする点火コイルの製造方法。
  13. 磁性粉末を加圧成形してなる中心コアと、
    前記中心コアの外周面上に巻装される一次コイルと、
    前記一次コイルの外周側に配設され、前記一次コイルとの相互誘導によって昇圧される二次コイルと
    を備えることを特徴とする点火コイル。
  14. 前記中心コアの外周面は、少なくとも1段以上の段付筒面状を呈することを特徴とする請求項13に記載の点火コイル。
  15. 前記中心コアの外周面は、外径の異なる複数の筒面部を軸方向に形成し、
    前記各筒面部上における前記一次コイルの層数は偶数に設定されることを特徴とする請求項14に記載の点火コイル。
  16. 前記中心コアは、前記一次コイルが巻装される巻胴部および前記巻胴部よりも大径の鍔部を軸方向に有することを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載の点火コイル。
  17. 前記点火コイルは、前記中心コアおよび前記一次コイルを内包し且つ外周面上に前記二次コイルが巻装される二次スプールを備え、
    前記二次スプールの内周面に設けられた嵌合溝に、前記鍔部が嵌合されると共に、前記二次スプールの内周面から前記中心コア側に突出する突出部の先端面と、前記巻胴部の外周面とが当接することを特徴とする請求項16に記載の点火コイル。
  18. 前記鍔部は、矩形状であることを特徴とする請求項17に記載の点火コイル。
  19. 前記中心コア、前記一次コイル、前記二次コイルおよび前記二次スプールが絶縁性の樹脂内に埋設される前記点火コイルにおいて、
    前記二次スプールの軸方向の両端部のうち、少なくともいずれか一方は、前記一次コイルと前記二次スプールとを径方向に隔てる空間と二次スプールの外側とを空間的に連絡する隙間が設けられることを特徴とする請求項17または18に記載の点火コイル。
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