JP2016122786A - 巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法 - Google Patents

巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016122786A
JP2016122786A JP2014263124A JP2014263124A JP2016122786A JP 2016122786 A JP2016122786 A JP 2016122786A JP 2014263124 A JP2014263124 A JP 2014263124A JP 2014263124 A JP2014263124 A JP 2014263124A JP 2016122786 A JP2016122786 A JP 2016122786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
wound
outer peripheral
portions
transition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014263124A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6375940B2 (ja
Inventor
祐一 伴
Yuichi Ban
祐一 伴
政利 松下
Masatoshi Matsushita
政利 松下
賢太郎 光木
Kentaro Mitsuki
賢太郎 光木
佳紀 福村
Yoshinori Fukumura
佳紀 福村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014263124A priority Critical patent/JP6375940B2/ja
Publication of JP2016122786A publication Critical patent/JP2016122786A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6375940B2 publication Critical patent/JP6375940B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)
  • Electromagnets (AREA)

Abstract

【課題】単位体積あたりに巻線が占める占有率を向上できる巻線体を提供する。【解決手段】電磁コイルは、矩形状断面をなす巻線20が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される巻線体である。巻線体の内周部及び外周部には、巻線体の中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部210、211、212、220、221、222が設けられている。移行部24は、段差部211について高さが異なる部分間を繋げる巻線20の部分であって、中心軸に対して斜めに延びる。移行部25は、段差部222について高さが異なる部分間を繋げる巻線20の部分であって、中心軸に対して斜めに延びる。複数の段差部210、211、212、220、221、222のそれぞれは、巻線の一段分の段差をなす。【選択図】図3

Description

本発明は、巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法に関する。
特許文献1には、中心軸の周りに周方向に形成され、かつ深さ方向に複数の段部を有するボビンと、複数の段部に周方向に巻き付けられる巻線で構成される巻線部とを備える巻線構造体が開示されている。複数の段部は、中心軸が延びる方向の両側に位置する第1最浅段部及び第2最浅段部と、第1最浅段部に隣接する第1中間段部と、第2最浅段部に隣接する第2中間段部と、第1中間段部と第2中間段部の間に位置する最深段部と、から構成される。
巻線部は、次のような手順で巻線をボビンに巻きつけることにより形成される。巻線を第1最浅段部の外端から内端に向かう第1巻付方向に巻き始め、第1最浅段部の内端まで巻き終えたら、次に深い第1中間段部の外端に巻き下がり、第1中間段部の外端から第1巻付方向に巻き付ける。さらに巻線を第1中間段部の内端まで巻き終えたら、最も深い最深段部の外端に巻き下がり、最深段部の外端から第1巻付方向に反対側の外端まで巻き付ける。巻線を最深段部の反対側の外端まで巻き終えたら、折り返すように、すでに巻き付けられた巻線の上に一段乗り上げて、第1巻付方向とは反対方向の第2巻付方向に巻き付けていく。そして、第2巻付方向に巻き付ける巻線がすでに巻き付けられた巻線に干渉すると、干渉する巻線を一段巻き上げるとともに、折り返して逆向きの第1巻付方向に巻き付け、第2中間段部の外端まで巻き付ける。
さらに同様の手順の巻き付けを行い、巻線を第2最浅段部の外端まで巻き終えたら、折り返すように、すでに巻き付けられた巻線の上に一段乗り上げて、第2巻付方向に第1最浅段部の外端まで巻き付けると、巻き終わり部、すなわち巻線の取り出し部位に達する。
特開2010−171399号公報
特許文献1に開示の巻線構造体では、例えば、ボビンの最深段部において巻線を二段分巻き付ける必要がある。この二段分の巻線が深さ方向に積層される構造は、最浅段部から最深段部にかけて形成される各段部についても同様である。したがって、特許文献1の巻線構造体においては、ボビンの各段部について二分の深さが必要になる。このため、特許文献1の図2に図示するように、巻線構造体は、ボビンの軸心を通る断面において、隣り合う段部間に巻線を巻回できない二段分のデッドスペースが生じてしまうという問題がある。したがって、特許文献1の巻線構造体では、単位容積あたりの巻線の占有率が十分でなく、改善の余地がある。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、単位体積あたりに巻線が占める占有率を向上できる巻線体を、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示された発明のひとつは、矩形状断面をなす巻線(20)が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される巻線体(2、102、202)に係る発明であって、
巻線体の内周部及び外周部の少なくとも一方には、巻線体の中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部(210、211、212、220、221、222)と、複数の段差部のうち少なくとも一つについて高さが異なる部分間を繋げる巻線の部分であって、中心軸に対して斜めに延びる巻線の移行部(24、25、26)と、が設けられており、複数の段差部のそれぞれは、巻線の一段分の段差をなすことを特徴とする。
この発明によれば、巻線体の中心軸を通る断面形状において、巻線体の内周部や外周部に巻線の一段分の高さが異なる段差部が形成されている。これにより、段差部が巻線二段分以上の高さの違いによって構成される場合に比べて、内周部や外周部に段差が小さい平面に近い巻線体の外形を構築できる。このため、巻線体が搭載可能なスペースに対して、巻線体が存在しないデッドスペースを抑制することができ、大きな断面積を有する巻線体を提供できる。したがって、この発明によれば、単位容積あたりに巻線が占める占有率の向上が図れる巻線体を提供できる。
また、開示された巻線構造体に係る発明のひとつは、筒状のボビン(140)と、ボビンの外周部に矩形状断面をなす巻線(20)を周方向に巻回して内周側から外周側に向けて積層することにより全体として環状に形成される巻線体(2、102、202)と、を備え、
巻線体の内周部及び外周部の少なくとも一方には、巻線体の中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部(210、211、212、220、221、222)と、複数の段差部のうち少なくとも一つについて高さが異なる部分間を繋げる巻線の部分であって、中心軸に対して斜めに延びる巻線の移行部(24、25、26)と、が設けられており、複数の段差部のそれぞれは、巻線の一段分の段差をなすことを特徴とする。
この発明によれば、ボビンに巻回される巻線体の中心軸を通る断面形状において、巻線体の内周部や外周部に巻線の一段分の高さが異なる段差部が形成されている。この構成により、段差部が巻線二段分以上の高さの違いによって構成される場合に比べて、内周部や外周部に段差が小さい平面に近い巻線体の外形を構築できる。このため、巻線構造体が搭載可能なスペースに対して、巻線体が存在しないデッドスペースを抑制することができ、大きな断面積を有する巻線構造体を提供できる。したがって、この発明によれば、単位容積あたりに巻線が占める占有率の向上が図れる巻線構造体を提供できる。
また、開示された発明のひとつは、他の発明に係る巻線構造体(2、140;102;202)と、巻線構造体を収容するハウジング(14)と、駆動力源より伝達された回転力が与えられて回転するロータ(4)と、従動側機器に連結され、巻線構造体の巻線体が発生する電磁力によってロータに吸引されてロータと一体に回転するアーマチャ(5、105)と、を備えることを特徴とする電磁クラッチである。
この発明によれば、単位容積あたりの巻線占有率を向上することができるので、電磁クラッチの運転効率を改善でき、電磁クラッチの小型化にも寄与する。
また、開示された巻線体の製造方法に係る発明のひとつは、巻線体の内周部に巻線の一段分の段差をなす段差部(210、211、212)を複数個形成するように、巻枠(320)の外周部に対して巻線を巻く内周部巻回工程と、内周部巻回工程によってすでに巻回された巻線の上に乗り上げ、さらに巻線体の中心軸が延びる方向の一方側の端から他方側の端に向かう第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、他方側の端にまで巻き付けると他方側の端に位置する巻線の上に乗り上げ、第1巻付方向とは反対の第2巻付方向に沿って巻線を巻き付けていく工程を、所定の回数繰り返して、所定の段数の巻線を内周側から外周側に向けて積層する中間部巻回工程と、中間部巻回工程によって巻回された巻線の上に、巻線体の外周部に巻線の一段分の段差をなす段差部(220、221、222)を複数個形成するように巻線を巻く外周部巻回工程と、を有する。
内周部巻回工程においては、巻枠において周方向に形成され深さ方向に複数の階段状をなす段付部のうち、巻枠の他方側の端に位置して最も深さの深い第1段部(321)において、一方側の端から他方側の端に延びるように形成された第1移行溝(321a)に巻線を他方側の端から嵌めて一方側の端まで巻き始め、さらに巻線を第1巻付方向に沿って巻き付け、第1段部の他方側の端にまで巻き付けると、すでに巻回した巻線の上に乗り上げて折り返して第2巻付方向に沿って巻線を巻き付け、さらに段付部のうち次に深い第2段部(322)における一方側の端にまで巻き付けると第2段部の次に深い第3段部(323)に巻線を一段巻き上げるとともに、第3段部において他方側の端から一方側の端に延びるように形成された第2移行溝(323a)に巻線を他方側の端から嵌めて一方側の端まで巻き付け、さらに折り返して巻線を第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、第1段部の他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した巻線の上に乗り上げて折り返して第2巻付方向に沿って巻線を巻き付け、さらに段付部のうち第3段部の次に深い第4段部(324)における一方側の端にまで巻き付ける。
外周部巻回工程においては、中間部巻回工程によって第4段部の一方側の端に対応する位置まで巻回された巻線に対して、第1外周部移行枠(310)を外側から嵌めて第1巻付方向に押し当てて、巻線を中心軸に対して斜めに延びるように第1巻付方向へ移行させて一段巻き上げ、さらに巻線を第1巻付方向に沿って第1段部の他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した巻線の上に乗り上げて折り返し、さらに第2巻付方向に沿って巻線を所定回数巻き付けると、当該巻線に対して、第2外周部移行枠(300)を外側から嵌めて第1巻付方向に押し当てて、巻線を中心軸に対して斜めに延びるように第1巻付方向へ移行させて一段巻き上げ、さらに巻線を第1巻付方向に沿って第1段部の他方側の端に対応する位置まで巻き付けることを特徴とする。
この発明によれば、内周部巻回工程と中間部巻回工程と外周部巻回工程とを実施することにより、巻線体の中心軸を通る断面形状において、巻線体の内周部及び外周部に巻線の一段分の高さが異なる段差部を形成することができる。これらの工程により、段差部が巻線二段分以上の高さの違いによって構成される場合に比べて、内周部や外周部に段差が小さく平面に近い巻線体の外形を構築できる。このため、巻線体が搭載可能なスペースに対して、巻線体が存在しないデッドスペースを抑制することができ、単位容積あたりに巻線が占める占有率の向上が図れる巻線体の製造方法を提供できる。
また、開示された巻線構造体の製造方法に係る発明のひとつは、巻線体の内周部に巻線の一段分の段差をなす段差部(210、211、212)を複数個形成するように、ボビン(140)の外周部に対して巻線を巻く内周部巻回工程と、内周部巻回工程によってすでに巻回された巻線の上に乗り上げ、さらに巻線体の中心軸が延びる方向の一方側の端から他方側の端に向かう第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、他方側の端にまで巻き付けると他方側の端に位置する巻線の上に乗り上げ、第1巻付方向とは反対の第2巻付方向に沿って巻線を巻き付けていく工程を、所定の回数繰り返して、所定の段数の巻線を内周側から外周側に向けて積層する中間部巻回工程と、中間部巻回工程によって巻回された巻線の上に、巻線体の外周部に巻線の一段分の段差をなす段差部(220、221、222)を複数個形成するように巻線を巻く外周部巻回工程と、を有する。
内周部巻回工程においては、ボビンにおいて周方向に形成され深さ方向に複数の階段状をなす段付部のうち、ボビンの他方側の端に位置して最も深さの深い第1段部(321)において、一方側の端から他方側の端に延びるように形成された第1移行溝(321a)に巻線を他方側の端から嵌めて一方側の端まで巻き始め、さらに巻線を第1巻付方向に沿って巻き付け、第1段部の他方側の端にまで巻き付けると、すでに巻回した巻線の上に乗り上げて折り返して第2巻付方向に沿って巻線を巻き付け、さらに段付部のうち次に深い第2段部(322)における一方側の端にまで巻き付けると第2段部の次に深い第3段部(323)に巻線を一段巻き上げるとともに、第3段部において他方側の端から一方側の端に延びるように形成された第2移行溝(323a)に巻線を他方側の端から嵌めて一方側の端まで巻き付け、さらに折り返して巻線を第1巻付方向に沿って巻線を巻き付け、第1段部の他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した巻線の上に乗り上げて折り返して第2巻付方向に沿って巻線を巻き付け、さらに段付部のうち第3段部の次に深い第4段部(324)における一方側の端にまで巻き付ける。また、外周部巻回工程については、前述の巻線体の製造方法に係る発明の外周部巻回工程と同様である。
この発明によれば、内周部巻回工程と中間部巻回工程と外周部巻回工程とを実施することにより、巻線体の中心軸を通る断面形状において、巻線体の内周部及び外周部に巻線の一段分の高さが異なる段差部を有する巻線構造体を製造できる。これらの工程により、段差部が巻線二段分以上の高さの違いによって構成される場合に比べて、巻線体の内周部や外周部に段差が小さく平面に近い巻線構造体の外形を構築できる。このため、巻線構造体が搭載可能なスペースに対して、巻線が存在しないデッドスペースを抑制することができ、単位容積あたりに巻線が占める占有率の向上が図れる巻線構造体の製造方法を提供できる。
本発明に係る第1実施形態の巻線体の外観を示す図面である。 図1におけるII−II断面図である。 第1実施形態の巻線体について、巻線の巻回順序を説明するために、巻線体の中心軸を通る断面の形状を示した説明図である。 第1実施形態の巻線体について、外周部を拡大して示した図面である。 第1実施形態の巻線体について、内周部を拡大して示した図面である。 第1実施形態の巻線体の製造工程で用いる、巻枠、第1の移行ガイド、第2の移行ガイドを示した斜視図である。 巻枠において、巻線が巻き付けられる外周部を示す斜視図である。 巻枠の外周部に形成された案内溝を示す拡大図である。 第1実施形態の巻線体の製造方法における、外周部巻回工程開始時の状態を示した側面図である。 第1実施形態の巻線体の製造方法において、巻回済みの巻線に対して第1移行ガイドを外側から嵌めて第1巻付方向に押し当てた状態を示した側面図である。 第1実施形態の巻線体の製造方法において、巻回済みの巻線に対して第2移行ガイドを外側から嵌めて第1巻付方向に押し当てた状態を示した側面図である。 第2実施形態の巻線体の製造方法に用いる治具を示す斜視図である。 第2実施形態の巻線体の製造方法に用いる保持バンドについて展開した状態を示す斜視図である。 保持バンドについて閉じた状態を示す斜視図である。 第2実施形態の巻線体の製造方法を実施することにより、保持バンドで保持された巻線体を示す斜視図である。 第3実施形態に係る巻線体の構成を示す断面図である。 第4実施形態に係る巻線体の構成を示す断面図である。 第5実施形態について、巻線体を備える電磁クラッチの構成を示す部分断面図である。 第6実施形態について、巻線体を備える電磁クラッチの構成を示す部分断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
開示する発明に係る巻線体は、通電されることによって、電磁力を発生する部材であり、各種の電動機、電磁力発生機器、家庭用、業務用、車両用及び住宅用の各種機器等に適用可能である。
第1実施形態の巻線体について図1〜図11を参照して説明する。図1に示すように、巻線体の一例である電磁コイル2は、巻線20が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される。ここでいう電磁コイル2は、ボビン等の巻枠に巻回した後に、巻枠から分離した状態のものを示している。図2に図示するように、電磁コイル2を構成する巻線20は、矩形状の断面を呈する。
電磁コイル2の断面形状は、図2に図示する形状である。電磁コイル2の内周部には、コイルの中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部210、211、212が形成されている。内周部における複数の段差部210、211、212のそれぞれは、巻線20の一段分の段差を呈する。電磁コイル2の外周部には、当該断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部220、221、222が形成されている。外周部における複数の段差部220、221、222のそれぞれは、巻線20の一段分の段差を呈する。
図3は、巻線20の巻回順序を説明するために、巻線体の中心軸を通る断面の形状を示した説明図であり、実線の矢印は、周方向に巻回される巻線20が中心軸方向に沿って進む方向を示している。図3において破線の矢印は、巻線20が、すでに巻回された巻線20の上に乗り上げて内周側から外周側に向かって積層されていく方向を示している。電磁コイル2の断面形状は、中心軸が延びる方向の一方側が他方側に比べて、中心軸に直交する方向の厚さが小さくなるように形成されている。すなわち、電磁コイル2の一方側は、他方側に比べて、内周側から外周側への巻線20の積層段数が少なくなるように巻回される。
段差部210は、位置20a1と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分と、位置20a3や位置20a4と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分とが形成する段差である。段差部211は、位置20a3や位置20a4と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分と、位置20a5や位置20a6と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分とが形成する段差である。段差部212は、位置20a7や位置20a8と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分と、位置20a5や位置20a6と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分とが形成する段差である。
段差部222は、位置20b1と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分と、位置20b2や位置20b3と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分とが形成する段差である。段差部221は、位置20b2や位置20b3と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分と、位置20b4や位置20b5と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分とが形成する段差である。段差部220は、位置20b4や位置20b5と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分と、位置20b6や位置20b7と同じ高さに平行巻きされた巻線20の部分とが形成する段差である。
図3及び図5に図示するように、さらに電磁コイル2の内周部には、複数の段差部211について、中心軸に直交する方向の高さが異なる部分間である位置20a4と位置20a5とを繋げ、中心軸に対して斜めに延びる巻線20の移行部24が形成されている。図3及び図4に示すように、さらに電磁コイル2の外周部には、複数の段差部222について、中心軸に直交する方向の高さが異なる部分間である位置20b1と位置20b2とを繋げ、中心軸に対して斜めに延びる巻線20の移行部25が形成されている。また複数の段差部220について、中心軸に直交する方向の高さが異なる部分間である位置20b5と位置20b6とを繋げ、中心軸に対して斜めに延びる巻線20の移行部26が形成されている。
次に、電磁コイル2の製造方法について説明する。図6には、電磁コイル2の製造工程において使用する、巻枠320、第1外周部移行枠310、第2外周部移行枠300を図示している。図7に示すように、巻枠320は、全体として円筒状であり、巻線20が巻き付けられる外周部に、複数の階段状をなす段付部が形成されている。巻枠320は、巻線20の巻回を完了した後、複数個の部品に分解することで巻線体から抜き取られる。また、巻線20の巻回を完了した後、巻枠320及び巻線体を巻線構造体として用いるようにしてもよい。この場合、巻枠320は、筒状のボビンとして機能する。
段付部は、巻枠320において周方向の全周に形成されて、深さ方向に複数の階段状を構成する。段付部は、巻枠320の他方側の端に位置して最も深さの深い第1段部321と、次に深い第2段部322と、さらに次に深い第3段部323と、最も浅い第4段部324と、を含んで構成される。
第2段部322は、第1段部321に対して一方側に位置し、第2段部322の表面は、第1段部321の表面に対して巻線20の一段分、外周側に位置する。第3段部323は、第2段部322に対して一方側に位置し、第3段部323の表面は、第2段部322の表面に対して巻線20の一段分、外周側に位置する。第4段部324は、第3段部323に対して一方側に位置し、第4段部324の表面は、第3段部323の表面に対して巻線20の一段分、外周側に位置する。したがって、巻枠320における巻線20を巻き付ける外周部は、第1段部321、第2段部322、第3段部323、第4段部324の順に段々と外径が大きくなる。
図7及び図8に図示するように、第1段部321には、一方側の端から他方側の端に延びるように形成された第1移行溝321aが設けられている。第1移行溝321aは、巻線20の移行部23が嵌る深さ寸法、幅寸法を有している。第1移行溝321aにおける他方側の端は、巻線20が最初に巻枠320に巻き付けられる巻き始め部に相当する。したがって、巻線20は、第1移行溝321aにおける他方側の端から一方側の端に向けて移行部23として巻き付けられ、その後、第1段部321を一方の端から他方の端に向けて第1巻付方向に沿って進行するように、周方向に巻回される。
図7及び図8に図示するように、第3段部323には、他方側の端から一方側の端に延びるように形成された第2移行溝323aが設けられている。第2移行溝323aは、第1移行溝321aと同様に巻線20が嵌る深さ寸法、幅寸法を有している。第2移行溝323aにおける他方側の端は、位置20a4に位置する巻線20が一段分巻き上げられる起点に相当する。第2移行溝323aにおける一方側の端は、一段分巻き上げられた巻線20が位置20a5に移行する巻き上がり部の終点に相当する。
また前述したように、巻枠320をボビンとして用いる場合には、ボビンは、外周部に、移行部を構成する部分の巻線20が嵌る案内溝として第2移行溝323aを備えることになる。また、ボビンは、外周部に案内溝として第1移行溝321aを備えることにもなる。
第1外周部移行枠310は、全体としてリング状をなし、中心軸に沿うように突出する複数の突出片を備える。各突出片は、例えば円柱状体であり、製造工程で巻線20が巻回された巻枠320に第1外周部移行枠310を組み合わす際に、巻枠320に形成された所定の凹部に挿入されて、巻枠320に対する第1外周部移行枠310の位置決めを行う。第1外周部移行枠310には、外周部に移行ガイド310aが形成されている。
移行ガイド310aは、第1外周部移行枠310の外周部における他方側の端面において中心軸に直交する面に対して交差するように傾斜している部分である。この傾斜角度は、位置20b1と位置20b2とを繋げて中心軸に対して斜めに延びる巻線20の移行部25が巻枠320の中心軸に対して傾斜する角度と同等に設定されている。製造工程において移行部25を形成するために、巻線20が巻回された巻枠320に第1外周部移行枠310を組み合わせるときに、移行ガイド310aは移行部25となる巻線20の部分に接触して中心軸に沿う方向に押す位置に設けられる。
第2外周部移行枠300は、全体としてリング状をなし、中心軸に沿うように突出する複数の突出片を備える。各突出片は、例えば円柱状体であり、製造工程で第2外周部移行枠300を第1外周部移行枠310に組み合わす際に第1外周部移行枠310に形成された所定の凹部に挿入されて、第1外周部移行枠310に対する第2外周部移行枠300の位置決めを行う。第2外周部移行枠300には、外周部に移行ガイド300aが形成されている。
移行ガイド300aは、第2外周部移行枠300の外周部における他方側の端面において中心軸に直交する面に対して交差するように傾斜している部分である。この傾斜角度は、位置20b5と位置20b6とを繋げて中心軸に対して斜めに延びる巻線20の移行部26が第2外周部移行枠300の中心軸に対して傾斜する角度と同等に設定されている。製造工程において移行部26を形成するために、巻線20が巻回された巻枠320に第2外周部移行枠300を組み合わせるときに、移行ガイド300aは移行部26となる巻線20の部分に接触して中心軸に沿う方向に押す位置に設けられる。
電磁コイル2の製造方法は、巻枠320の外周部に対して巻線20を巻く内周部巻回工程と、内周部巻回工程の後に所定の段数の巻線20を外周側に向けて積層する中間部巻回工程と、中間部巻回工程の後に巻線体の外周部を形成する外周部巻回工程とを有する。内周部巻回工程は、巻線体の内周部に巻線20の一段分の段差をなす段差部を複数個形成する工程である。外周部巻回工程は、中間部巻回工程によって巻回された巻線20の上に、巻線体の外周部に巻線20の一段分の段差をなす段差部を複数個形成する工程である。
中間部巻回工程では、まず、内周部巻回工程によってすでに巻回された巻線20の上に巻線20を乗り上げ、巻線体の中心軸が延びる方向の一方側の端から他方側の端に向かう第1巻付方向に沿って巻線20を巻き付ける。そして、巻線20を他方側の端にまで巻き付けると、この他方側の端に位置する巻線20の上に乗り上げ、第1巻付方向とは反対の第2巻付方向に沿って巻線20を巻き付けていく。中間部巻回工程では、ここまでの巻き付けの工程を所定の回数繰り返して、所定の段数の巻線20を巻線体の内周側から外周側に向けて積層する。
内周部巻回工程について、図3を参照しながら説明する。まず、巻線20を、巻枠320の第1移行溝321aにおける他方側の端から、第1移行溝321aに嵌めこむように巻き付ける。ここが巻線20の巻き始め部となる。さらに巻線20を第1移行溝321aにおける一方側の端まで巻き付け、第1段部321の一方の端に対応する位置20a1から他方の端まで第1巻付方向に沿って進行するように、周方向に巻回する。ここまでが巻線20を第1段部321に巻き付ける工程である。
巻線20を第1段部321の他方側の端に対応する位置20a2まで巻き付けると、ここまで巻回した巻線20の上に乗り上げて折り返して第2巻付方向に沿って巻線20を巻き付けていく。そして、第2段部322における一方側の端に対応する位置20a4まで巻線20を巻き付けると、第3段部323に巻線20を一段巻き上げるとともに、第3段部323において第2移行溝323aに嵌めこむように巻き付ける。さらに巻線20を第2移行溝323aにおける一方側の端まで巻き付け、第3段部323の一方の端に対応する位置20a5から折り返して第1巻付方向に沿って進行するように、周方向に巻回していく。巻線20を第3段部323の他方側の端を過ぎると、さらにすでに巻回した巻線20の上に、第1段部321の他方側の端に対応する位置20a6まで巻き付ける。
巻線20を位置20a6まで巻き付けると、すでに巻回した巻線20の上に乗り上げた位置20a7から折り返し第2巻付方向に進行するように巻線20を巻き付け、さらに第4段部324における一方側の端に対応する位置20a8まで巻線20を巻き付ける。ここまでが内周部巻回工程である。
中間部巻回工程では、位置20a8から、すでに巻回した巻線20の上に乗り上げて折り返し、第1巻付方向に進行するように巻線20を巻き付け、すでに巻回した巻線20における他方側の端の上まで周方向に巻回していく。そして、この他方側の端に位置する巻線20の上に乗り上げ、第2巻付方向に進行するようにすでに巻回した巻線20の上の一方側の端まで巻線20を巻き付ける。この工程を所定の回数繰り返して、所定の段数の巻線20を外周側に向けて積層する。
外周部巻回工程について、図3、図9〜図11を参照しながら説明する。図9は、外周部巻回工程開始時の状態を示している。なお、図9〜図11は、外周部巻回工程開始時の外観を示す程度のものであり、巻線20の巻線数を図3に図示する巻線数と一致するように図示していない。外周部巻回工程では、中間部巻回工程によって第4段部324の一方側の端の外周側に対応する位置20b1まで巻回した巻線20に対して、第1外周部移行枠310を外側から嵌める。そして、図10に図示するように、移行ガイド310aを巻線20に接触させて中心軸に沿う方向に押し当てて巻線20を一段巻き上げ、中心軸に対して斜めに位置20b2まで延びる移行部25を形成する。
さらに巻線20を位置20b2から第1巻付方向に沿って第1段部321の他方側の端の外周側に対応する位置20b3まで巻き付けると、すでに巻回した巻線20の上に対応する位置20b4に乗り上げて折り返す。そして、第2巻付方向に沿って巻線20を所定回数巻き付けて位置20b5まで到達すると、この巻線20に対して、第2外周部移行枠300を外側から嵌める。
そして、図11に図示するように、移行ガイド300aを巻線20に接触させて中心軸に沿う方向に押し当てて巻線20を一段巻き上げ、中心軸に対して斜めに位置20b6まで延びる移行部26を形成する。さらに巻線20を第1巻付方向に沿って第1段部321の他方側の端の外周側に対応する位置20b7まで巻き付ける。ここが、巻線20の巻き終わり部に相当する。したがって、巻き終わり部と巻き始め部は、巻線体の中心軸の方向について、同じ側に設定するようになっている。この構成によれば、巻き始め部と巻き終わり部とが同じ側に位置するので、巻線体に電気的に接続するコネクタ部の設置に要するスペースを抑制することができる。
巻枠320をボビンとして機器に組み込む場合には、以上の製造方法により、ボビンを有する巻線構造体を製造することができる。また、巻枠320をボビンとして機器に組み込まない場合には、外周部巻回工程の後に、巻線体から巻枠320を取り外す巻枠脱離工程を行う。巻枠320は、例えば、ねじ締めや嵌合構造によって複数の部品を組み合わせることで構成されている。巻枠脱離工程では、ねじ締めや嵌合構造による結合を解除し、各部品を取り出して巻枠320を分解し、取り外すことができる。この工程によれば、巻枠320と巻線体とを分離できるので、ボビンを有しない巻線体のみを製品として機器に搭載することができる。
次に、第1実施形態の電磁コイル2がもたらす作用効果について説明する。電磁コイル2は、矩形状断面をなす巻線20が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される巻線体である。電磁コイル2は、その内周部及び外周部の少なくとも一方には、中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部210、211、212、220、221、222が設けられる。また電磁コイル2は、この複数の段差部のうち少なくとも一つについて高さが異なる部分間を繋げる巻線20の部分であって、中心軸に対して斜めに延びる巻線20の移行部24、25、26が設けられる。複数の段差部210、211、212、220、221、222のそれぞれは、巻線20の一段分の段差をなす。
この電磁コイル2によれば、中心軸を通る断面形状において、その内周部や外周部に巻線の一段分の高さが異なる段差部210、211、212、220、221、222が形成されている。この構成により、段差部が巻線二段分以上の高さの違いによって構成される場合に比べて、内周部や外周部に段差が小さく平面に近い外形形状を有する電磁コイル2を提供できる。このため、電磁コイル2が搭載可能なスペースに対して、巻線20が存在しないデッドスペースを小さくでき、より大きな断面積を有する電磁コイル2が得られる。したがって、単位容積あたりに巻線20が占める占有率の向上が図れる電磁コイル2を提供できる。
また、第1実施形態の巻線構造体は、巻枠320としての筒状のボビンと、ボビンの外周部に矩形状断面をなす巻線20を周方向に巻回して内周側から外周側に向けて積層することにより全体として環状に形成される電磁コイル2と、を備える。この巻線構造体によれば、ボビンに巻回される巻線体の中心軸を通る断面形状において、巻線体の内周部や外周部に巻線20の一段分の高さが異なる段差部を形成できる。この構成により、内周部や外周部に段差が小さく平面に近い外形形状を有する巻線体を提供できる。このため、巻線構造体が搭載可能なスペースに対して、巻線20が存在しないデッドスペースを小さくでき、より大きな断面積の巻線体を有する巻線構造体が得られる。したがって、単位容積あたりに巻線20が占める占有率の向上が図れる巻線構造体を提供できる。
また、電磁コイル2の内周部及び外周部のそれぞれには、複数の段差部と移行部とが設けられている。この構成によれば、この構成により、内周部と外周部の両方において、段差が小さく平面に近い外形形状を有する電磁コイル2または巻線構造体を提供できる。したがって、電磁コイル2の片面だけでなく内周部と外周部の両面において、巻線20が存在しないデッドスペースを小さくすることができるので、さらに大きな断面積を有する電磁コイル2または巻線構造体が得られる。
また、ボビンは、外周部に、移行部24を構成する部分の巻線20が嵌る第2移行溝323aを備える。これによれば、段差部と段差部とを繋げる移行部24を所定の位置に、確実かつ正確に設定した上で巻線20を巻回することができる。
また、第1実施形態の巻線体の製造方法によれば、内周部巻回工程と中間部巻回工程と外周部巻回工程とを実施することにより、電磁コイル2の中心軸を通る断面形状において、その内周部及び外周部に巻線20の一段分の高さが異なる段差部を確実に形成できる。これらの工程により、内周部や外周部に段差が小さく平面に近い外形形状を有する電磁コイル2を製作できる。さらに、第1外周部移行枠310や第2外周部移行枠300を用いることで、電磁コイル2の外周部において、段巻する巻線20の位置決めを容易に設定できる。このため、巻線20のターン数を変更できる製造が可能となり、所定のターン数に設定することを容易に実施できる。
また、第1実施形態の巻線構造体の製造方法によれば、巻線体の中心軸を通る断面形状において、ボビンに巻回された巻線体の内周部及び外周部に巻線20の一段分の高さが異なる段差部を有する巻線構造体を確実に製造することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図12〜図15を参照して説明する。第2実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
第2実施形態は、第1実施形態で説明した巻線体の製造方法に対する他の製造方法を示す。第2実施形態で開示する巻線体の製造方法によれば、図12に示すように、保持バンド330を展開した状態で、巻枠320に形成された収納溝320aに内周部巻回工程を行う前に収容する。収納溝320aは、巻枠320の巻線20が巻回される外周部、すなわち段付部が形成される外周部において、周方向に所定の間隔をあけて複数個設けられている。そして、外周部巻回工程の後に、保持バンド330を閉じて巻線体を保持する。これによって、巻線体はばらけることなく、形状を保持できる。図15は、巻線体である電磁コイル2を複数個の保持バンド330によって保持した状態を示している。また、保持バンド330は絶縁性を有する素材で構成されている。
また、保持バンド330を閉じて巻線体を保持した後、前述の巻枠脱離工程を実施する。これにより、巻枠320を分解し、保持バンド330で保持された、図15に示す電磁コイル2を取り外すことができる。
図13及び図14に図示するように、保持バンド330は、巻線体の形状を保持するために展開状態と、閉鎖状態とに切り換え可能な構成を有する。保持バンド330は、巻枠320の外周部の表面に対して突出しないように面一に設置される、第1底部331、第2底部332、第3底部333及び第4底部334が設けられた埋設部330dを備える。埋設部330dを収納溝320aに収納した状態で、第1底部331、第2底部332、第3底部333、第4底部334は、それぞれ、巻枠320の第1段部321、第2段部322、第3段部323、第4段部324と面一になる。
保持バンド330は、ヒンジ部330cを介して埋設部330dに連結される開閉部330eを備える。保持バンド330は、開閉部330eと埋設部330dとが互いに係り合うことで、保持バンド330を閉鎖状態にする係合手段を備える。例えば、係合手段は、開閉部330eの端部に設けられた爪部330bと、爪部330bが嵌って係合する係合凹部330aとを備えて構成される。係合凹部330aは、埋設部330dの端部に設けられる。
開閉部330eには、図14に示すように、保持バンド330を閉鎖したときに、巻線体の外周部の形状に一致する複数の段差を形成する面が設けられている。これにより、保持バンド330を閉鎖したときに、保持バンド330は巻線体の外周部との隙間を小さくして巻線体を包みこむことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図16を参照して説明する。第3実施形態の電磁コイル102は、その断面形状のみが前述の実施形態のものと異なる。開示発明に含まれる巻線体には、電磁コイル102のように、その外周部に段差部と巻線の移行部とを有し、内周部には段差部や移行部を有さないものも含む。第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
電磁コイル102の外周部には、巻線体の中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部が設けられている。さらに電磁コイル202の外周部には、複数の段差部のうち少なくとも一つについて高さが異なる部分間を繋げる巻線の部分であり、中心軸に対して斜めに延びる巻線の移行部が設けられている。複数の段差部のそれぞれは巻線の一段分の段差を構成する。
この電磁コイル102の場合には、外周部巻回工程については前述の実施形態と同様の方法を実施するが、内周部巻回工程については前述の実施形態とは異なる方法を実施する。内周部巻回工程においては、段付部が形成されていないフラットな高さをもつ巻枠の外周面に対して、他方側の端に対応する位置20a7を巻き始め部として巻き付けを開始する。そして、第1巻付方向に沿って巻線を一方側の端に対応する位置20a8まで巻き付けることで、巻き終わり部まで段差のない内周部をもつ巻線体を製造することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について図17を参照して説明する。第4実施形態の電磁コイル202は、その断面形状のみが前述の実施形態のものと異なる。開示発明に含まれる巻線体には、電磁コイル202のように、その内周部に段差部と巻線の移行部とを有し、外周部には段差部や移行部を有さないものも含む。第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
電磁コイル202の内周部には、巻線体の中心軸を通る断面について中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部が設けられている。さらに電磁コイル202の内周部には、複数の段差部のうち少なくとも一つについて高さが異なる部分間を繋げる巻線の部分であり、中心軸に対して斜めに延びる巻線の移行部が設けられている。複数の段差部のそれぞれは、巻線の一段分の段差を構成する。
この電磁コイル202の場合には、内周部巻回工程については前述の実施形態と同様の方法を実施するが、外周部巻回工程については前述の実施形態とは異なる方法を実施する。外周部巻回工程においては、中間部巻回工程によって第4段部324の一方側の端に対応する位置20b1まで巻回された巻線を一段巻き上げ、すでに巻回した巻線の上に乗り上げて第2巻付方向に折り返す。さらに第2巻付方向に沿って巻線を第1段部321の他方側の端に対応する位置20b7まで巻き付けることで、巻き終わり部まで巻回することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について図18を参照して説明する。第5実施形態において、前述の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、前述の実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第5実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第5実施形態では、前述の実施形態で説明した巻線体を備える機器の一例である電磁クラッチ1について図18を参照して説明する。電磁クラッチ1の巻線体である電磁コイル2は、ボビンに巻回されるものではない。図18に示すように、電磁クラッチ1は、従動側機器、例えば、自動車用空調装置の圧縮機に装着されて、エンジンの回転動力の圧縮機への伝達を断続する。電磁クラッチ1は、通電により電磁力を発生する電磁コイル2と、電磁コイル2を収容するステータハウジング3と、エンジンより伝達された回転力を受けて回転するロータ4と、アーマチャ5と、を備える。アーマチャ5は、電磁コイル2の発生する電磁力によってロータ4に吸引されてロータ4と一体に回転する。
電磁コイル2は、絶縁被膜を施した銅線等の導電線を巻回したものであり、通電されることにより磁力を発生し、通電が停止されることによって消磁する励磁コイルである。ステータハウジング3は、断面U字形状の円筒状を呈するように環状溝30を有する。環状溝30には、環状溝30の底壁31が電磁コイル2の軸方向の端部側を覆うように、電磁コイル2が収容され、モールド樹脂32により固定されている。また、ステータハウジング3は、例えば、熱間圧延鋼板であるSPHE、SPHDを材質とし、ロータ4及びアーマチャ5とともに電磁コイル2の磁気回路を形成する。
ロータ4は、鉄や低炭素鋼等の磁性材料から構成され、ステータハウジング3に支持された電磁コイル2を覆う断面U字状の円筒状に形成される。ロータ4は、内周側に設けられたボールベアリング7を介して圧縮機のハウジングに回転自在に支持されている。ロータ4の外周には、プーリ40が設けられ、プーリ40に掛け渡されるベルトを介してエンジンの回転動力がロータ4へと伝達される。
アーマチャ5は、円環状に形成されて、ロータ4と対向して設けられている。アーマチャ5には、圧縮機のシャフトに連結するハブ9が弾性部材8を介して連結されている。電磁コイル2の通電により生じる電磁力により、アーマチャ5がロータ4側へ吸引され、ロータ4の回転動力がアーマチャ5へと伝達され、ハブ9を介して圧縮機へと伝達される。
第5実施形態の電磁クラッチ1によれば、前述の実施形態に係る電磁コイル2、102、202を搭載するため、単位容積あたりの巻線占有率を向上することができる。これにより、電磁クラッチ1の運転効率を改善でき、電磁クラッチ1の小型化にも貢献できる。
(第6実施形態)
第6実施形態について図19を参照して説明する。第6実施形態において、前述の実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、前述の実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第6実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第6実施形態では、前述の実施形態で説明した巻線構造体を備える機器の一例である電磁クラッチ101について図19を参照して説明する。電磁クラッチ101の巻線体である電磁コイル2は、ボビンに巻回されるものである。図19に示すように、電磁クラッチ101は、従動側機器、例えば、自動車用空調装置の圧縮機15に装着されて、エンジンの回転動力の圧縮機15に対する伝達を断続する。
図19に示すように、電磁クラッチ101は、ロータ4と、電磁コイル2と、電磁コイル2を支持するステータ14と、電磁コイル2への通電によって発生した電磁力により、ロータ4の摩擦面に吸着されるアーマチャ105と、を備える。さらに電磁クラッチ101は、圧縮機15に回転動力を伝えるハブ10を備える。
ロータ4は、中心軸を中心とした円環形状である。ロータ4の径方向断面は、後端側が開放されたU字形状を呈し、内部に円筒空間を有する。この円筒空間には、ステータ14がロータ4から隙間を空けて収容され、ステータ14の周囲をロータ4が回転可能となっている。ロータ4の内周部にはボールベアリング7が設けられ、ロータ4は、ボールベアリング7によって圧縮機15のフロントハウジングに回転可能に支持されている。ロータ4の外周面には、円筒形状のプーリ40が溶接などによって接合され、プーリ40の外周面には、多重のV溝が形成されている。V溝には、多段式のVベルトが掛け渡され、Vベルトを介して伝達されたエンジンの回転動力により、ロータ4が回転する。
ステータ14は、電磁コイル2を支持するボビン140と、ボビン140が収納されるハウジング141とを有する。ボビン140は、電気絶縁性を有する樹脂を構成材として樹脂成形により形成される。ハウジング141は、鉄等の磁性材により構成されている。ハブ10は、アーマチャ105と、インナーハブ11と、板ばね12と、ダンパ13とを一体に有する。アーマチャ105は、中心軸を中心とした円環状の厚肉板状部材であり、鉄等の磁性体により構成されている。アーマチャ105の後端面には、ロータ4の摩擦面に対向する摩擦面が形成されている。アーマチャ105は、板ばね12に、リベットによって固定されている。
インナーハブ11は、プレート部11aと、プレート部11aの中心から後方に延在する円筒部11bとを有し、円筒部11bが圧縮機15の回転軸150に嵌合され、ボルトにより固定されている。プレート部11aは、リベットにより板ばね12に固定されている。ダンパ13は、ゴム等の弾性体によって構成され、板ばね12との一体成形により板ばね12の内周部に固定されている。ダンパ13は、板ばね12によりプレート部11aの後端面に付勢され、電磁クラッチ101の作動音を低減する。
第6実施形態の電磁クラッチ101によれば、前述の実施形態に係る電磁コイル2、102、202を搭載するため、単位容積あたりの巻線占有率を向上することができる。これにより、電磁クラッチ101の運転効率を改善でき、電磁クラッチ101の小型化にも貢献できる。
(他の実施形態)
以上、開示された発明の好ましい実施形態について説明したが、開示された発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、開示された発明の技術的範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。開示された発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の実施形態で説明した巻線体の製造方法において、巻線20の巻回は、機械のみによる自動巻きで実施するようにしてもよいし、機械と人の作業とを組み合わせた半自動巻きによって実施するようにしてもよい。
開示発明に係る巻線体は、その断面形状、巻数、積層段数に関して、前述の実施形態で開示した例に限定されるものではない。
2、102、202…電磁コイル(巻線体)
20…巻線
24、25、26…移行部
210、211、212、220、221、222…段差部

Claims (10)

  1. 矩形状断面をなす巻線(20)が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される巻線体(2、102、202)であって、
    前記巻線体の内周部及び外周部の少なくとも一方には、
    前記巻線体の中心軸を通る断面について前記中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部(210、211、212、220、221、222)と、
    前記複数の段差部のうち少なくとも一つについて前記高さが異なる部分間を繋げる前記巻線の部分であって、前記中心軸に対して斜めに延びる前記巻線の移行部(24、25、26)と、
    が設けられており、
    前記複数の段差部のそれぞれは、前記巻線の一段分の段差をなすことを特徴とする巻線体。
  2. 前記巻線体の内周部及び外周部のそれぞれには、前記複数の段差部と前記移行部とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の巻線体。
  3. 筒状のボビン(140)と、
    前記ボビンの外周部に矩形状断面をなす巻線(20)を周方向に巻回して内周側から外周側に向けて積層することにより全体として環状に形成される巻線体(2、102、202)と、
    を備え、
    前記巻線体の内周部及び外周部の少なくとも一方には、
    前記巻線体の中心軸を通る断面について前記中心軸に直交する方向の高さがそれぞれ異なる複数の段差部(210、211、212、220、221、222)と、
    前記複数の段差部のうち少なくとも一つについて前記高さが異なる部分間を繋げる前記巻線の部分であって、前記中心軸に対して斜めに延びる前記巻線の移行部(24、25、26)と、
    が設けられており、
    前記複数の段差部のそれぞれは、前記巻線の一段分の段差をなすことを特徴とする巻線構造体。
  4. 前記巻線体の内周部及び外周部のそれぞれには、前記複数の段差部と前記移行部とが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の巻線構造体。
  5. 前記巻線体の内周部には、前記複数の段差部(210、211、212)と前記移行部(24)とが設けられ、
    前記ボビンは、外周部に、前記移行部を構成する部分の前記巻線が嵌る案内溝(323a)を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の巻線構造体。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の巻線構造体(2、140;102;202)と、
    前記巻線構造体を収容するハウジング(14)と、
    駆動力源より伝達された回転力が与えられて回転するロータ(4)と、
    従動側機器に連結され、前記巻線構造体の前記巻線体が発生する電磁力によって前記ロータに吸引されて前記ロータと一体に回転するアーマチャ(5、105)と、
    を備えることを特徴とする電磁クラッチ。
  7. 矩形状断面をなす巻線(20)が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される巻線体(2、102、202)の製造方法であって、
    前記巻線体の内周部に前記巻線の一段分の段差をなす段差部(210、211、212)を複数個形成するように、巻枠(320)の外周部に対して前記巻線を巻く内周部巻回工程と、
    前記内周部巻回工程によってすでに巻回された前記巻線の上に乗り上げ、さらに前記巻線体の中心軸が延びる方向の一方側の端から他方側の端に向かう第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記他方側の端にまで巻き付けると前記他方側の端に位置する前記巻線の上に乗り上げ、前記第1巻付方向とは反対の第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付けていく工程を、所定の回数繰り返して、所定の段数の前記巻線を前記内周側から前記外周側に向けて積層する中間部巻回工程と、
    前記中間部巻回工程によって巻回された前記巻線の上に、前記巻線体の外周部に前記巻線の一段分の段差をなす段差部(220、221、222)を複数個形成するように前記巻線を巻く外周部巻回工程と、
    を有し、
    前記内周部巻回工程においては、前記巻枠において周方向に形成され深さ方向に複数の階段状をなす段付部のうち、前記巻枠の前記他方側の端に位置して最も深さの深い第1段部(321)において、前記一方側の端から前記他方側の端に延びるように形成された第1移行溝(321a)に前記巻線を前記他方側の端から嵌めて前記一方側の端まで巻き始め、さらに前記巻線を前記第1巻付方向に沿って巻き付け、前記第1段部の前記他方側の端にまで巻き付けると、すでに巻回した前記巻線の上に乗り上げて折り返して前記第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、さらに前記段付部のうち次に深い第2段部(322)における前記一方側の端にまで巻き付けると前記第2段部の次に深い第3段部(323)に前記巻線を一段巻き上げるとともに、前記第3段部において前記他方側の端から前記一方側の端に延びるように形成された第2移行溝(323a)に前記巻線を前記他方側の端から嵌めて前記一方側の端まで巻き付け、さらに折り返して前記巻線を前記第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記第1段部の前記他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した前記巻線の上に乗り上げて折り返して前記第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、さらに前記段付部のうち前記第3段部の次に深い第4段部(324)における前記一方側の端にまで巻き付け、
    前記外周部巻回工程においては、前記中間部巻回工程によって前記第4段部の前記一方側の端に対応する位置まで巻回された前記巻線に対して、第1外周部移行枠(310)を外側から嵌めて前記第1巻付方向に押し当てて、前記巻線を前記中心軸に対して斜めに延びるように前記第1巻付方向へ移行させて一段巻き上げ、さらに前記巻線を前記第1巻付方向に沿って前記第1段部の前記他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した前記巻線の上に乗り上げて折り返し、さらに前記第2巻付方向に沿って前記巻線を所定回数巻き付けると、当該巻線に対して、第2外周部移行枠(300)を外側から嵌めて前記第1巻付方向に押し当てて、前記巻線を前記中心軸に対して斜めに延びるように前記第1巻付方向へ移行させて一段巻き上げ、さらに前記巻線を前記第1巻付方向に沿って前記第1段部の前記他方側の端に対応する位置まで巻き付けることを特徴とする巻線体の製造方法。
  8. 前記外周部巻回工程の終了後に、環状に形成された前記巻線体から前記巻枠を取り外す巻枠脱離工程を行うことを特徴とする請求項7に記載の巻線体の製造方法。
  9. 前記巻線体の形状を保持するための保持バンド(330)を展開した状態で、前記巻枠に形成された収納溝(320a)に前記内周部巻回工程を行う前に収容し、
    前記外周部巻回工程の後に、前記保持バンドを閉じて前記巻線体を保持することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の巻線体の製造方法。
  10. 矩形状断面をなす巻線(20)が周方向に巻回されて内周側から外周側に向けて積層されることにより全体として環状に形成される巻線体(2、102、202)を有する巻線構造体の製造方法であって、
    前記巻線体の内周部に前記巻線の一段分の段差をなす段差部(210、211、212)を複数個形成するように、ボビン(140)の外周部に対して前記巻線を巻く内周部巻回工程と、
    前記内周部巻回工程によってすでに巻回された前記巻線の上に乗り上げ、さらに前記巻線体の中心軸が延びる方向の一方側の端から他方側の端に向かう第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記他方側の端にまで巻き付けると前記他方側の端に位置する前記巻線の上に乗り上げ、前記第1巻付方向とは反対の第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付けていく工程を、所定の回数繰り返して、所定の段数の前記巻線を前記内周側から前記外周側に向けて積層する中間部巻回工程と、
    前記中間部巻回工程によって巻回された前記巻線の上に、前記巻線体の外周部に前記巻線の一段分の段差をなす段差部(220、221、222)を複数個形成するように前記巻線を巻く外周部巻回工程と、
    を有し、
    前記内周部巻回工程においては、前記ボビンにおいて周方向に形成され深さ方向に複数の階段状をなす段付部のうち、前記ボビンの前記他方側の端に位置して最も深さの深い第1段部(321)において、前記一方側の端から前記他方側の端に延びるように形成された第1移行溝(321a)に前記巻線を前記他方側の端から嵌めて前記一方側の端まで巻き始め、さらに前記巻線を前記第1巻付方向に沿って巻き付け、前記第1段部の前記他方側の端にまで巻き付けると、すでに巻回した前記巻線の上に乗り上げて折り返して前記第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、さらに前記段付部のうち次に深い第2段部(322)における前記一方側の端にまで巻き付けると前記第2段部の次に深い第3段部(323)に前記巻線を一段巻き上げるとともに、前記第3段部において前記他方側の端から前記一方側の端に延びるように形成された第2移行溝(323a)に前記巻線を前記他方側の端から嵌めて前記一方側の端まで巻き付け、さらに折り返して前記巻線を前記第1巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、前記第1段部の前記他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した前記巻線の上に乗り上げて折り返して前記第2巻付方向に沿って前記巻線を巻き付け、さらに前記段付部のうち前記第3段部の次に深い第4段部(324)における前記一方側の端にまで巻き付け、
    前記外周部巻回工程においては、前記中間部巻回工程によって前記第4段部の前記一方側の端に対応する位置まで巻回された前記巻線に対して、第1外周部移行枠を外側から嵌めて前記第1巻付方向に押し当てて、前記巻線を前記中心軸に対して斜めに延びるように前記第1巻付方向へ移行させて一段巻き上げ、さらに前記巻線を前記第1巻付方向に沿って前記第1段部の前記他方側の端に対応する位置まで巻き付けると、すでに巻回した前記巻線の上に乗り上げて折り返し、さらに前記第2巻付方向に沿って前記巻線を所定回数巻き付けると、当該巻線に対して、第2外周部移行枠を外側から嵌めて前記第1巻付方向に押し当てて、前記巻線を前記中心軸に対して斜めに延びるように前記第1巻付方向へ移行させて一段巻き上げ、さらに前記巻線を前記第1巻付方向に沿って前記第1段部の前記他方側の端に対応する位置まで巻き付けることを特徴とする巻線構造体の製造方法。
JP2014263124A 2014-12-25 2014-12-25 巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP6375940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014263124A JP6375940B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014263124A JP6375940B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016122786A true JP2016122786A (ja) 2016-07-07
JP6375940B2 JP6375940B2 (ja) 2018-08-22

Family

ID=56327502

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014263124A Expired - Fee Related JP6375940B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6375940B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020068272A (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 ファナック株式会社 テーパ状部分を有するコイルを具備する電磁機器

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014094A (ja) * 1998-06-19 2000-01-14 Toyota Motor Corp コイル成形装置および方法
JP2002198217A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Aisin Seiki Co Ltd コイル装置
JP2004350450A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Honda Motor Co Ltd ステータ
JP2008236854A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Nissan Motor Co Ltd 絶縁インシュレータ並びにステータの構造及び製造方法
JP2009088479A (ja) * 2007-09-14 2009-04-23 Denso Corp 点火コイル
JP2014159873A (ja) * 2013-01-23 2014-09-04 Denso Corp 電磁クラッチおよびその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000014094A (ja) * 1998-06-19 2000-01-14 Toyota Motor Corp コイル成形装置および方法
JP2002198217A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Aisin Seiki Co Ltd コイル装置
JP2004350450A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Honda Motor Co Ltd ステータ
JP2008236854A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Nissan Motor Co Ltd 絶縁インシュレータ並びにステータの構造及び製造方法
JP2009088479A (ja) * 2007-09-14 2009-04-23 Denso Corp 点火コイル
JP2014159873A (ja) * 2013-01-23 2014-09-04 Denso Corp 電磁クラッチおよびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020068272A (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 ファナック株式会社 テーパ状部分を有するコイルを具備する電磁機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP6375940B2 (ja) 2018-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105846564B (zh) 电机及其定子结构
JP5268885B2 (ja) 多相の電気機械に用いられるステータ
US8398384B2 (en) Low-noise rotary pump having a press-fit stator using split-core ribs and housing ribs
JP4195705B2 (ja) ステータとこれを有する電気モーター
CN103842670B (zh) 电动机
JP5623499B2 (ja) 電気機械
JP2007006689A (ja) モータのロータ及びその製作方法
JP6375940B2 (ja) 巻線体、巻線構造体、電磁クラッチ、巻線体の製造方法及び巻線構造体の製造方法
JP4934402B2 (ja) 電機子製造方法および順送り金型装置
KR101154994B1 (ko) 스테이터 코어
US20150244230A1 (en) Alternator including a stator core with slot liners
JP2015107031A (ja) モータ
JP6010976B2 (ja) 積層鉄心の製造方法
JP2007306636A (ja) インナーロータ型回転電機用固定子
JP5309674B2 (ja) 固定子コイルの製造方法
CN111711288A (zh) 一种定子铁芯及定子
EP1385257A2 (en) Method of making a stator for an electric machine
CN210007489U (zh) 拼块铁芯、定子、电机及曳引机
JP5456375B2 (ja) 電動機
WO2013074429A1 (en) Method of winding a stator core with a continuous conductor having a rectangular cross-section and a stator core
JP2006067763A (ja) 回転電機用固定子およびその製造方法
JP2006314155A (ja) アウターロータ用固定子
JP2007325450A (ja) 3相回転電機
JP2005295745A (ja) 回転電機用ロータの製造方法および回転電機用ロータ
JP6742263B2 (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170524

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180613

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180709

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6375940

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees