JP2006314155A - アウターロータ用固定子 - Google Patents

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Masahiro Naito
正博 内藤
Yasuyuki Shibata
康之 柴田
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Abstract

【課題】固定子の外周を研磨することなくコイルの占積率を高めることが可能なアウターロータ用固定子を提供する。
【解決手段】
固定子10は、センターコア11と、リングティース12と、コイル13とより形成されている。センターコア11は、円筒状に形成されたヨーク21と、ヨーク21の外周面から外方に向かって延びる複数のティース主部22とより構成されている。リングティース12は、ティース副部31がティース主部22と同数だけ円環状に連結されて構成されている。そして、予め巻回されたコイル13を各ティース主部22に径方向から係合させ、その後、コイル13の径方向への移動を規制させるべく軸線方向からリングティース12を圧入させることにより、固定子10を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アウターロータ用固定子に関するものである。
従来のアウターロータ型モータでは、例えば図6に示すように、ヨーク1とティース2が一体形成されたセンターコアに、周知の巻線機3を用いてコイル4を巻回された固定子が一般に用いられている。また、センターコアは、ヨーク1とティース2を一体的に打ち抜いたシートを多数積層し、積層方向からかしめ固定することにより形成されている。かしめ固定では、ヨーク1又はティース2の起端部と、各ティース2の先端中央部をかしめてかしめ部5,6を形成することにより、積層されたシートを圧着又は鋲着することが一般的である。
しかしながら、かかる構成の固定子の場合、各ティース2の間に巻線機3のノズルが挿入されるため、隣接するティース2の間隔が巻線機3のノズル径により制約を受けることとなる。また、各ティース2に巻回されたコイル4の間には少なくとも巻線機3のノズル径分の隙間が生じることとなり、コイル4の占積率も巻線機3のノズル径により制約を受けることとなる。故に、上記構成の固定子にて高トルクを得るためには、センターコアを軸線方向又は径方向に大型化する必要があった。
そこで近年では、上記問題を解消すべく、ティース2をティース本体部2aとティース先端部2bとよりなる別体構造とし、コイル4をティース本体部2aに巻回した後にティース先端部2bをセンターコアの径方向から取り付ける固定子が提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、ティース先端部2bをセンターコアの径方向から取り付ける構成とした場合、図7に示すように、ティース先端部2bをティース本体部2aに組み付けた際の組み付け誤差等により、固定子の同心度を得られないという新たな問題が生じる可能性が高い。このため、ティース先端部2bをティース本体部2aに組み付けた後に、同心度を確保すべくティース先端部2bの外周を研磨する工程が別途必要となり、固定子のコストアップが懸念されることとなった。
特開平10−145990号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、固定子の外周を研磨することなくコイルの占積率を高めることが可能なアウターロータ用固定子を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.円筒状のヨーク(ヨーク21)の外周面から径方向に複数のティース(ティース主部22)を突出させたセンターコア(センターコア11)と、前記各ティースに巻回されたコイル(コイル13)とを備えたアウターロータ用固定子において、
前記各ティースを、前記センターコアに形成されると共に前記コイルが巻回されるティース主部(ティース主部22)と、前記コイルが前記径方向のうち外方へ移動することを規制するティース副部(ティース副部31)とよりなる別体構造とすると共に、該各ティース副部を前記センターコアの中心軸線を中心とする円環状に連結して円環状副部(リングティース12)を形成し、
前記センターコアの軸線方向に貫通する溝部(溝部33)を、前記ティース主部又は前記ティース副部の一方に、前記径方向の中心線に対して対称となるように設け、前記溝部と係合する突出部(突条23)を、前記ティース主部又は前記ティース副部の他方に、前記径方向の中心線に対して対称となるように設け、
少なくとも前記円環状副部は、金属製薄板が複数積層されると共に積層方向からかしめ固定されており、
前記各ティース副部は、周方向中央部にかしめ部(ティースかしめ部35)が1カ所形成されており、且つ前記軸線方向から前記各ティース主部に取り付けられていることを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段1によれば、コイルが径方向のうち外方へ移動することを規制するティース副部は、ティース主部と別体に構成されている。かかる構成とすることにより、巻線機のノズル径に制約を受けることなくティース間の距離やコイルの占積率を設定することが可能となり、センターコアを軸線方向又は径方向に大型化することなくコイルの占積率を高めることが可能となる。また、ティース主部とティース副部をセンターコアの軸線方向から係合可能な構成とすることにより、ティース主部にティース副部を組み付けた際の組み付け誤差等に起因してアウターロータ用固定子の同心度が得られなくなることを抑制することが可能となる。軸線方向から係合させる場合、アウターロータ用固定子の径方向には組み付け誤差が生じ難いからである。故に、アウターロータ用固定子の外周を研磨する工程が不要となり、アウターロータ用固定子の製造工程が繁雑化することに伴うコストアップを抑制することが可能となる。加えて、各ティース副部をセンターコアの中心軸線を中心とする円環状に連結して円環状副部を形成することにより、各ティース副部を一度に各ティース主部に対して組み付けることが可能となり、アウターロータ用固定子の製造工程が繁雑化することを抑制することが可能となる。さらに、各ティース副部を円環状に連結した場合、各ティース副部が径方向に移動することを当該連結により規制することができる。したがって、各ティース副部の周方向への移動を溝部と突出部の係合により規制すればよく、溝部と突出部の形状を比較的簡単なものとすることが可能となる。
また、突出部及び溝部を径方向の中心線に対して対称となるようにティース主部又はティース副部に設けることにより、磁束の流れが不均一となることを抑制することが可能となる。故に、ティースを別体構造とした場合であっても、磁束の乱れに伴うトルクの低下を抑制することが可能となる。さらに、各ティース副部の周方向中央部に1カ所かしめ部を形成することにより、渦電流がかしめ部付近に滞留して異常発熱が発生することを防止することが可能となる。
以上の結果、固定子の外周を研磨することなくコイルの占積率を高めることが可能であって、異常発熱を防止すると共にトルクの低下を抑制することが可能となる。
手段2.上記手段1において、前記溝部及び該溝部と係合する突出部を、ほぼ同じ大きさを有する同一形状としたことを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段2によれば、溝部及びこの溝部と係合する突出部はほぼ同じ大きさを有する同一形状に形成されている。かかる構成とすることにより、溝部と突出部の間に生じる隙間を低減させることが可能となり、ティース主部とティース副部の間に生じる隙間を低減させることが可能となる。故に、一体構造のティースに生じる磁束の流れと近い磁束の流れを生じさせることが可能となり、ティースを別体構造とした場合であってもトルクの低下を抑制することが可能となる。また、コギングを低下させることも可能となる。
手段3.上記手段1又は手段2において、前記突出部を前記ティース主部に設け、前記溝部を前記ティース副部に設けたことを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段3によれば、ティース主部に突出部が設けられ、ティース副部に溝部が設けられている。かかる構成とすることにより、アウターロータ用固定子が大型化することやトルクが低下することを抑制することが可能となる。ティース主部に溝部を設けると共にティース副部に突出部を設ける構成とした場合、軸線方向からティース副部を係合させる構成においては、ティース主部の少なくとも溝部が形成された部位にコイルを巻回できず、同一径を有するアウターロータ用固定子と比較してコイルの占積率が低下してしまうからである。
手段4.上記手段3において、前記突出部を、前記ティース主部の周方向両端部に1つずつ設け、該一対の突出部を、その間隔が前記かしめ部の周方向の幅より広くなるように設けたことを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段4によれば、突出部はティース主部の周方向両端部に1つずつ設けられており、この一対の突出部は、その間隔がかしめ部の周方向の幅より広くなるように設けられている。かかる構成とすることにより、ティースを別体構造とした構成において、ティース副部の周方向中央部にかしめ部を比較的大きく形成することが可能となり、ティース副部の抜去力が低下することを抑制することが可能となる。
手段5.上記手段4において、各突出部の周方向外側壁部(外壁部51L,51R)は、ティース主部先端の周方向端縁より連続して延びるように形成されていることを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段5によれば、各突出部の周方向外側壁部は、ティース主部先端の周方向端縁より連続して延びるように形成されている。すなわち、一対の突出部は、ティース主部の周方向の幅に対して可能な限り離れた位置に設けられている。かかる構成とすることにより、各突出部の間隔をかしめ部の周方向の幅に対して十分に長くすることが可能となり、かしめ部を比較的容易に形成することが可能となる。また、各ティース副部が周方向に移動することを好適に規制することが可能となる。
手段6.上記手段4又は手段5において、前記突出部は、該突出部の起端部から先端部に向かう程先細りとなるように形成されていることを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段6によれば、突出部は、起端部から先端部に向かう程先細りとなるように形成されている。かかる場合、突出部を起端部から先端部に向けて先太りとなる部位を有する形状とした場合と比して、突出部を小さく形成することが可能となる。この結果、突出部と係合する溝部も小さく形成することが可能となり、ティース副部の大型化引いてはコイルの占積率の低下を回避することが可能となる。
手段7.上記手段1乃至手段6のいずれかにおいて、前記円環状副部を、周方向に隣り合うティース副部片(ティース副部片31a)が連結部片(連結部片32a)により円環状に連結された一体薄板と、各ティース副部片が前記連結部片から切り離された別体薄板とを積層して形成したことを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段7によれば、円環状副部は、周方向に隣り合うティース副部片が連結部片により円環状に連結された一体薄板と、各ティース副部片が連結部片から切り離された別体薄板とを積層して形成されている。かかる構成とすることにより、各ティース副部を円環状に連結しつつ隣り合うティース副部の間に空隙部を形成することが可能となる。故に、周方向に隣り合うティース副部に磁束の影響が及ぶことを軽減させることが可能となり、トルクの低下を抑制させることが可能となる。
手段8.上記手段7において、前記円環状副部には、前記一体薄板が前記軸線方向の両端部に積層されていることを特徴とするアウターロータ用固定子。
手段8によれば、円環状副部には一体薄板が軸線方向の両端部に積層されている。かかる構成とすることにより、各ティース副部を軸線方向から各ティース主部に取り付ける際に、ティース副部のいずれかがティース主部と引っかかる不具合を抑制させることが可能となり、組み付け作業性を向上させることが可能となる。特に、手段2の構成に本手段の構成を適用すれば、ティース副部が連結されていない一体構造のティースに生じる磁束の流れと近い磁束の流れを生じさせることが可能となり、トルクの低下を好適に抑制させることが可能となる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は固定子10の主要な構成を分解して示す斜視図、図2は固定子10の平面図である。
本実施形態の固定子10は、図1,2に示すように、センターコア11と、リングティース12と、コイル13とより形成されている。
センターコア11は、円筒状に形成されたヨーク21と、ヨーク21の外周面から外方に向かって延びる複数(本実施形態では18本)のティース主部22とより構成されている。ティース主部22は、ヨーク21と同一高さに形成されると共に、ヨーク21に対して等間隔(本実施形態では20度間隔)に配置されている。また、各ティース主部22の先端には、センターコア11の軸線方向に延びる突条23が左右両端部に形成されている。
リングティース12は、センターコア11と同一高さを有するティース副部31が、ティース主部22と同数だけ円環状に連結されて構成されている。また、リングティース12は、ティース副部31が等間隔(本実施形態では20度間隔)に配置されると共に、各ティース副部31の上端部及び下端部が連結部32にて連結されて構成されている。各ティース副部31は、リングティース12の周方向に横長となるように、且つ径方向の幅がヨーク21と比較して狭くなるように形成されている。各ティース副部31の外周側は、ヨーク21と同心かつ半径の大きな円周上に位置する円弧状に形成されている。各ティース副部31の内周側は、周方向両端側ほどヨーク21から離れるように形成されている。従って、各ティース副部31は、周方向両端ほど徐々に先細りとなるように形成されている。また、各ティース副部31の内周側には、リングティース12の軸線方向に貫通する2つの溝部33がそれぞれ形成されており、溝部33は、連結部32の内周面より内周側となるように、且つティース主部22の左右両端部に形成された突条23と係合可能に形成されている。つまり、リングティース12は、各ティース副部31の溝部33がセンターコア11の突条23と係合するように、且つリングティース12の外周面がヨーク22と同心円となるように形成されている。
コイル13は、例えばセンターコア11のティース主部22形状と対応した治具に、巻線機等により予め巻回された空芯コイル構造となっている。
そして、予め巻回されたコイル13をセンターコア11の径方向から各ティース主部22に係合させ、その後、コイル13の径方向への移動を規制させるべくセンターコア11の軸線方向からリングティース12を圧入させることにより、図2に示す本実施形態の固定子10を得ることができる。このとき、各ティース副部31は、連結部32によりセンターコア11の径方向への移動が規制され、突条23によりセンターコア11の周方向への移動が規制される。
ここで、センターコア11及びリングティース12は、薄板状の金属板から打ち抜かれたシートが多数積層された積層構造を有している。センターコア11を形成するコアシート11aと、リングティース12を形成するティースシート12aは、1枚の金属製円板41から打ち抜かれて一体形成されている。図3(a)に示すように、コアシート11aは、金属製円板41の中心とコアシート11aの中心が一致するようにして打ち抜かれる。ティースシート12aは、金属製円板41の外周に沿うようにして、且つコアシート11aのティース主部片22aとティースシート12aのティース副部片31aとが10度ずれるようにして打ち抜かれる。このとき、下端部及び上端部に積層される各2枚のティースシート12aは、図3(a),(b)に示すように、各ティース副部片31aが連結部片32aにより連結されたリング状に打ち抜かれる。そして、中央部に積層されるティースシート12aは、図3(c)に示すように、各ティース副部片31aが連結部片32aから切り離されて打ち抜かれる。
上述した通り、ティース主部22はヨーク21に20度間隔で配置されており、ティース副部31もリングティース12に20度間隔で配置されている。また、各ティース副部31の内周側を周方向両端ほど徐々に先細りとなる形状とすると共に、ティース副部31の溝部33を連結部32の内周面より内周側となるように形成しているため、コアシート11aとティースシート12aを10度ずらすことにより、1枚の金属製円板41からコアシート11aとティースシート12aとを効率よく打ち抜くことができる。ティース副部31の内周側を周方向両端ほど徐々に先細りとなる形状とすることにより、ティース副部片31aとティース主部片22aとが干渉することを回避することが可能となり、ティース副部31の溝部33を連結部32の内周面より内周側となるように形成することにより、連結部片32aと突条片23aとが干渉することを回避することが可能となるからである。
そして、コアシート11aを多数積層した上でヨーク22の所定箇所を積層方向からかしめてコアかしめ部34を形成することにより、各コアシート11aが圧着され、図1に示すセンターコア11を得ることができる。また、リング状のティースシート12aを2枚積層し、その上にティース副部片31aが切り離されたティースシート12aを複数枚積層し、さらにその上にリング状のティースシート12aを2枚積層した上で各ティース副部31の中央部を積層方向からかしめて円形のティースかしめ部35を形成することにより、各ティースシート12aが圧着され、図1に示すリングティース12を得ることができる(各かしめ部34,35については図1,図2を参照)。
ここで、ティース主部22の突条23と、ティース副部31の溝部33の形状について説明する。なお、以下の説明では、図4を基準として上下左右方向を特定する。
図4(a)に示すように、ティース主部22の左先端部には、左突条23Lが形成されている。左突条23Lは、ティース主部22からティース副部31に向かって先細りとなるように形成されている。より詳しくは、ティース主部22の左側壁22Lからティースかしめ部35に向かって滑らかに延びる外壁部51Lと、外壁部51Lからティース主部22側に折り返すように弧状に形成された返し壁部52Lと、ティースかしめ部35との距離を保つようにして返し壁部52Lからティース主部22中央側に向かって延びる内壁部53Lとより構成されている。左突条23Lは、その先端が左突条23Lの中央より右側となるように、外壁部51Lに対して内壁部53Lが急勾配となるように形成されている。ティース主部22の右先端部には、ティース主部22の中心線に対して左突条23Lと左右対称な右突条23Rが形成されている。すなわち、右突条23Rも左突条23Lと同様に、外壁部51Rと、返し壁部52Rと、内壁部53Rとより構成されている。また、左突条23Lの内壁部52Lと右突条23Rの内壁部52Rは、水平に延びるティース主部22の中央側壁22Mにより連結されており、中央側壁22Mの幅は、ティースかしめ部35の直径より十分に長くなるように形成されている。つまり、左突条23Lと右突条23Rは、ティースかしめ部35を挟むように且つ左右対称となるように形成されており、ティース主部22が全体として左右対称となるように形成されている。
ティース副部31には、ティースかしめ部35の左下方であって左突条23Lと対応する位置に、左溝部33Lが形成されている。左溝部33Lは、ティース副部31からティース主部22に向かって拡開するように形成されている。より詳しくは、ティース副部31の左内周壁31Lからティースかしめ部35に向かって滑らかに延びる入壁部54Lと、入壁部54Lからティース主部22側に折り返すように弧状に形成された返し壁部55Lと、ティースかしめ部35との距離を保つようにして返し壁部55Lからティース主部22中央側に向かって延びる出壁部56Lとより構成されている。左溝部33Lは、その奥端が左溝部33Lの中央より右側となるように、入壁部54Lに対して出壁部56Lが急勾配となるように形成されている。つまり、左溝部33Lは、左突条23Lとほぼ同じ大きさを有する同一形状に形成されている。また、ティースかしめ部35の右下方であって右突条23Rと対応する位置には、ティース副部31の中心線に対して左溝部33Lと左右対称な右溝部33Rが形成されている。すなわち、右溝部33Rも左溝部33Lと同様に、入壁部54Rと、返し壁部55Rと、出壁部56Rとより構成されている。つまり、右溝部33Rは、右突条23Rとほぼ同じ大きさを有する同一形状に形成されている。そして、左溝部33Lの出壁部56Lと右溝部33Rの出壁部56Rは、水平に延びるティース副部31の中央内周壁31Mにより連結されており、中央内周壁31Mの幅は、ティースかしめ部35の直径より十分に長くなるように形成されている。つまり、左溝部33Lと右溝部33Rは、ティースかしめ部35を挟むように且つ左右対称となるように形成されており、ティース副部31が全体として左右対称となるように形成されている。また、ティース副部31をティース主部22に圧入させた際には、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部がそれぞれほぼ隙間無く当接し、突条23と溝部33がほぼ全周で係合する。すなわち、突条23の外壁部51と溝部33の入壁部54が当接し、突条23の返し壁部52と溝部33の返し壁部55が当接し、突条23の内壁部53と溝部33の出壁部56が当接し、ティース主部22の中央側壁22Mとティース副部31の中央内周壁31Mが当接する。
ところで、ティースをティース主部22とティース副部31からなる別体構造とした場合、渦電流によりティースかしめ部35を中心として異常発熱が発生したり、磁束の流れが変化することに伴ってトルクが低下したりする可能性が生じ得る。そこで、ティースかしめ部35の数及び位置、突条23及び溝部33の形状を変化させた固定子を用いた場合のモータ性能を磁場解析から算出し、ティース一体構造の固定子を用いた場合のモータ性能と比較を行った。図5は、各比較例におけるモータ性能を示した表である。なお、理解を容易なものとするため、各比較例の結果には、ティース一体構造の固定子を用いた場合のモータ性能を基準とした低下度合い又は上昇度合いを示している。
始めに、性能比較を行った項目について簡単に説明する。トルクとはモータの回転トルクである。つまり、トルクの低下は小さいほど望ましい。コギングとは、ティースを順次励磁させた際にロータがギクシャクと回転することをいい、トルクムラや回転ムラ特性に影響を及ぼすものである。つまり、コギングは低下することが望ましく、コギングの上昇は防止される必要がある。抜去力とは、圧着かしめされたシートを外すために必要な力である。すなわち、抜去力とは積層されたシートの圧着強度であり、一体構造の場合と同程度の抜去力が所望される。また、異常発熱は、モータの焼損等につながり得るため、防止される必要がある。
比較例1は、本実施形態の固定子10を所定のモータに用いた場合である。かかる場合、ティース一体構造の固定子を前記モータに用いた場合と比してトルクの低下を3.3パーセントに抑制させると共に、コギングを11パーセント低下させることができた。また、抜去力はティース一体構造の固定子に対して1.2倍に上昇し、異常発熱も発生しなかった。
比較例2におけるティース主部22の突条23と、ティース副部31の溝部33の形状について説明する。比較例2は、上記比較例1に対して突条23及び溝部33の形状を変更したものであり、ティースかしめ部35の数及び位置は変更していない。つまり、ティースかしめ部35は、ティース副部31の周方向中央部に形成されている。
すなわち、図4(b)に示すように、ティース主部22の左先端部には、左突条23Lが形成されている。左突条23Lは、ティース主部22からティース副部31に向かって先細りとなるように形成されている。より詳しくは、ティース主部22の左側壁22Lからティース主部22の中心線側に向かって外方に延びる外壁部61Lと、外壁部61Lの先端からティース主部22の中心線側に向かって水平に延びる平坦壁部62Lと、平坦壁部62Lの他端からティース主部22の中央側に向かって内方に延びる内壁部63Lとより構成されている。外壁部61Lと内壁部63Lは、同じ勾配となるように形成されている。つまり、左突条23Lは略台形状に形成されている。ティース主部22の右先端部には、ティース主部22の中心線に対して左突条23Lと左右対称な右突条23Rが形成されている。すなわち、右突条23Rも左突条23Lと同様に、外壁部61Rと、平坦壁部62Rと、内壁部63Rとよりなる略台形状に形成されている。また、左突条23Lの内壁部63Lと右突条23Rの内壁部63Rは、水平に延びるティース主部22の中央側壁22Mにより連結されており、中央側壁22Mの幅は、ティースかしめ部35の直径より十分に長くなるように形成されている。つまり、左突条23Lと右突条23Rは、ティースかしめ部35を挟むように且つ左右対称となるように形成されており、ティース主部22が全体として左右対称となるように形成されている。
ティース副部31には、ティースかしめ部35の左下方であって左突条23Lと対応する位置に、左溝部33Lが形成されている。左溝部33Lは、ティース副部31からティース主部22に向かって拡開するように形成されている。より詳しくは、ティース副部31の左内周壁31Lからティース副部22の中心線側に向かって内方に延びる入壁部64Lと、入壁部64Lの先端からティース副部31の中心線側に向かって水平に延びる平坦壁部65Lと、平坦壁部65Lの他端からティース副部31の中央側に向かって外方に延びる出壁部66Lとより構成されている。入壁部64Lと出壁部66Lは、同じ勾配となるように形成されている。つまり、左溝部33Lは、略台形状に形成されており、左突条23Lとほぼ同じ大きさを有する同一形状に形成されている。また、ティースかしめ部35の右下方であって右突条23Rと対応する位置には、ティース副部31の中心線に対して左溝部33Lと左右対称な右溝部33Rが形成されている。すなわち、右溝部33Rも左溝部33Lと同様に、入壁部64Rと、平坦壁部65Rと、出壁部66Rとよりなる略台形状に形成されている。つまり、右溝部33Rは、右突条23Rとほぼ同じ大きさを有する同一形状に形成されている。そして、左溝部33Lの出壁部66Lと右溝部33Rの出壁部66Rは、水平に延びるティース副部31の中央内周壁31Mにより連結されており、中央内周壁31Mの幅は、ティースかしめ部35の直径より十分に長くなるように形成されている。つまり、左溝部33Lと右溝部33Rは、ティースかしめ部35を挟むように且つ左右対称となるように形成されており、ティース副部31が全体として左右対称となるように形成されている。また、ティース副部31をティース主部22に圧入させた際には、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部がそれぞれほぼ隙間無く当接し、突条23と溝部33がほぼ全周で係合する。すなわち、突条23の外壁部61と溝部33の入壁部64が当接し、突条23の平坦壁部62と溝部33の平坦壁部65が当接し、突条23の内壁部63と溝部33の出壁部66が当接し、ティース主部22の中央側壁22Mとティース副部31の中央内周壁31Mが当接する。
比較例2の固定子を所定のモータに用いた場合、ティース一体構造の固定子を前記モータに用いた場合と比してトルクの低下を3.3パーセントに抑制させると共に、コギングを5.8パーセント低下させることができた。また、抜去力はティース一体構造の固定子に対して1.2倍に上昇し、異常発熱も発生しなかった。つまり、比較例1の固定子10とほぼ同等のモータ性能を得ることができた。
比較例3におけるティース主部22の突条23と、ティース副部31の溝部33の形状について説明する。比較例3は、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部の一部が当接しないように突条23と溝部33の形状を変更したものであり、ティースかしめ部35の数及び位置は変更していない。つまり、ティースかしめ部35は、ティース副部31の周方向中央部に形成されている。
すなわち、図5に示すように、比較例3は、ティース主部22に比較例1の突条23を形成し、ティース副部31に比較例2の溝部33を形成した。かかる構成においてティース副部31をティース主部22に圧入させた場合、ティース主部22の中央側壁22Mとティース副部31の中央内周壁31Mが当接し、突条23の内壁部53と溝部33の出壁部66が当接する。一方、少なくとも突条23の外壁部51と溝部33の入壁部64は当接しない。つまり、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部の間に所定の隙間が生じることとなる。
比較例3の固定子を所定のモータに用いた場合、抜去力はティース一体構造の固定子に対して1.2倍に上昇し、異常発熱も発生しなかった。しかしながら、ティース一体構造の固定子を前記モータに用いた場合と比してトルクの低下を5.7パーセントに抑制させることができたものの、コギングが18パーセント上昇した。
ここで、比較例1〜3の固定子の抜去力がティース一体型の固定子の1.2倍に上昇したのは、ティース主部22の左右両端部に突条23を1つずつ形成したため、ティース副部31の周方向中央部を挟むようにして溝部33を形成することができ、ティースかしめ部35を大きく形成することができたからである。したがって、ティースを別体構造とする場合には、ティース副部31の中心線を挟むようにして溝部33を形成することが望ましく、さらには、ティース主部22の左右両端部に一対の突条23を形成することが望ましいと判明した。
また、比較例1及び比較例2の固定子ではコギングが低下したにも関わらず比較例3の固定子でコギングが上昇したのは、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部の間に所定の隙間が生じたためである。比較例1及び比較例2の固定子では、突条23及び溝部33がほぼ隙間の無い状態で係合している一方、比較例3の固定子では、突条23の内壁部53と溝部33の出壁部66が当接するものの、突条23の外壁部51と溝部33の入壁部64は当接していない。このため、比較例3では一体構造のティースと異なる磁束の乱れが発生してコギングが上昇した。このことは、比較例1及び比較例2のトルク低下率が同等であるのに対して比較例3のトルク低下率が大きいことからも明らかである。すなわち、ティース主部22とティース副部31を隙間無く当接させれば、一体構造のティースに近い磁束の流れを発生させることが可能となる。したがって、ティースを別体構造とする場合には、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部の間に隙間が生じないように、突条23と溝部33をほぼ同じ大きさを有する同一形状とすることが望ましいと判明した。
さらにいうと、比較例1及び比較例2では、ティース副部31が一方の突条23と溝部33の係合付近を中心として回転しようとした場合に、他方の突条23と溝部33の係合で前記回転を抑制することができる。一方、比較例3では、径方向の中心線付近を中心としてティース副部31が回転することを抑制できない。したがって、比較例3の固定子を用いたモータでは、連結部片32aによって連結されていないティース副部片31aが、ロータ側の磁石から生じる磁力等によってがたつく可能性も懸念される。
次いで、比較例4におけるティース主部の突条と、ティース副部の溝部の形状について説明する。比較例4は、径方向の中心線上に突条を形成したものであり、ティースかしめ部の数及び位置は変更していない。つまり、ティースかしめ部は、ティース副部の周方向中央部に形成されている。
図5に示すように、ティース主部の先端中央部には、ティース主部からティース副部に向かって拡開する略台形状、すなわち外方に向かって先太りとなる突条が、中心線に対して左右対称となるように形成されている。また、ティース副部には、突条と対応する位置に、突条とほぼ同じ大きさを有する同一形状の溝部が形成されている。かかる構成においてティース副部をティース主部に圧入させた場合、ティース主部とティース副部の相対する壁部がそれぞれほぼ隙間無く当接し、突条と溝部がほぼ全周で係合する。
比較例4の固定子を所定のモータに用いた場合、ティース一体構造の固定子を前記モータに用いた場合と比してトルクの低下を4.1パーセントに抑制させると共に、コギングを17パーセント低下させることができた。また、抜去力はティース一体構造の固定子と同等であり、異常発熱も発生しなかった。つまり、比較例1の固定子10とほぼ同等のモータ性能を得ることができた。但し、比較例4の突条及び溝部を適用する場合、実際に金属性薄板からかかる形状を打ち抜くためには突条の大型化が避けられないため、ティース副部が大型化し、コイルの占積率低下に伴うトルクの低下が懸念される。また、中心線上の径方向の幅が狭くなるため、ティースかしめ部を形成し難くなることも懸念される。
比較例5におけるティース主部とティース副部について説明する。比較例5では、ティース副部が大型化することを抑制すべく、上記比較例4に対して突条の形状をティース主部からティース副部に向かって先細りとなる形状に変更した。また、ティースかしめ部を容易に形成できるようティースかしめ部の位置を左右両端部に1カ所ずつとし、ティース副部が中心線に対して左右対称となるように形成した。
比較例5の固定子を所定のモータに用いた場合、ティース一体構造の固定子を前記モータに用いた場合と比してトルクの低下を1.7パーセントに抑制させることができ、抜去力を2倍に上昇させることができた。しかしながら、コギングが37パーセント上昇すると共に異常発熱が発生した。
比較例6におけるティース主部とティース副部について説明する。比較例6は、上記比較例5に対して突条の径方向寸法を2倍に変更したものであり、ティースかしめ部の数及び位置は変更していない。つまり、ティースかしめ部は、ティース副部の中心線に対して左右対称となるように左右両端部に1カ所ずつ形成されている。
比較例6の固定子を所定のモータに用いた場合、ティース一体構造の固定子を前記モータに用いた場合と比してトルクを150パーセント上昇させることができ、抜去力を2倍に上昇させることができた。しかしながら、コギングが77パーセント上昇すると共に異常発熱が発生した。
比較例5及び比較例6の結果から、ティースを別体構造とする場合には、ティース副部の周方向中央部に1カ所だけティースかしめ部を形成することが望ましいと判明した。ティースかしめ部を径方向の中心線に対して対称な位置に複数設けた場合には、渦電流がティースかしめ部付近に滞留し、異常発熱が発生するからである。
なお、図示は省略したが、ティースかしめ部や突条及び溝部を径方向の中心線に対して非対称に形成した場合、磁束の流れが不均一なものとなり、トルクが大幅に低下した。したがって、ティースを別体構造とする場合には、径方向の中心線に対して対称となるようにティースかしめ部や突条及び溝部を形成することが望ましいと判明した。
以上の結果、比較例1及び比較例2(図4参照)のように、突条23をティース主部22からティース副部31に向かって先細りとなるように形成すると共にティース主部22の左右両端部に対称となるよう形成し、ティース主部22とティース副部31の相対する壁部がほぼ隙間無く当接するよう溝部33と突条23をほぼ同じ大きさを有する同一形状とし、さらにティース副部31の周方向中央部にティースかしめ部35を1カ所形成する構成とすれば、異常発熱を防止すると共にトルクの低下を抑制し、さらにコギングも低下させることができると判明した。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
リングティース12をセンターコア11の軸線方向から圧入させる構成とすることにより、組み付け誤差等に起因して固定子10の同心度が得られなくなることを抑制することが可能となる。軸線方向から圧入させる場合、少なくとも固定子10の径方向には組み付け誤差が生じ難いからである。故に、固定子10の外周を研磨する工程が不要となり、固定子10の製造工程が繁雑化することに伴うコストアップを抑制することが可能となる。
リングティース12をティース副部31が円環状に連結された構成とすることにより、各ティース副部31を一度に各ティース主部22に対して組み付けることが可能となり、固定子10の製造工程が繁雑化することを抑制することが可能となる。また、かかる構成においては、連結部32により各ティース副部31の径方向への移動が規制されるため、突条23及び溝部33の形状を比較的簡単なものとすることが可能となる。
ティース副部31の内周側を周方向両端側ほどヨーク21から離れるように形成すると共に、ティース副部31の溝部33を連結部32の内周面より内周側となるよう形成することにより、1枚の金属製円板41からコアシート11aとティースシート12aとを効率よく打ち抜くことが可能となる。コアシート11aとティースシート12aを10度ずらして打ち抜く場合、ティース副部31の内周側左右両端部ほどティース主部22から遠ざけているため、ティース副部片31aとティース主部片22aとが干渉することを回避することが可能となり、ティース副部31の溝部33が連結部32の内周面より内周側となるように形成されているため、連結部片32aと突条片23aとが干渉することを回避することが可能となるからである。故に、ティース主部22とティース副部31とを別体構成とした固定子10において、固定子10のコストアップを抑制することが可能となる。
ティース主部22とティース副部31とを別体構造とすることにより、巻線機のノズル径に制約を受けることなく、ティース間の距離やコイルの占積率を設定することが可能となる。故に、センターコア11を軸線方向又は径方向に大型化させることなく高トルクを得ることが可能となる。
ティース主部22に突条23を設け、ティース副部31に溝部33を設けることにより、固定子10が大型化することやトルクが低下することを抑制することが可能となる。ティースに溝部を設けると共にティース副部に突条を設ける構成とした場合、軸線方向からティース副部を圧入する構成においては、ティースの少なくとも溝部が形成された部位にコイルを巻回できず、同一径を有する固定子と比較してコイルの占積率が低下してしまうからである。また、突条23を溝部33に係合させながら圧入を行えばよいため、突条23の代わりに突出部を設けた構成と比較して、リングティース12をセンターコア11に圧入する際の組み付け作業性を向上させることが可能となる。
突条23及び溝部33を径方向の中心線に対して対称となるようにティース主部22又はティース副部31に設けることにより、磁束の流れが不均一となることを抑制することが可能となる。故に、ティースを別体構造とした場合であっても、磁束の乱れに伴うトルクの低下を抑制することが可能となる。さらに、各ティース副部31の周方向中央部にティースかしめ部35を1カ所形成することにより、渦電流がティースかしめ部35付近に滞留して異常発熱が発生することを防止することが可能となる。
突条23と溝部33をほぼ同じ大きさを有する同一形状に形成することにより、突条23と溝部33をほぼ隙間が無い状態で係合させることが可能となり、一体構造のティースに生じる磁束の流れと近い磁束の流れを生じさせることが可能となる。故に、ティースを別体構造とした場合であってもトルクの低下を抑制することが可能となる。また、コギングを低下させることも可能となる。
ティース主部22の左右両端部に1つずつ突条23を設け、その間隔がティースかしめ部35の直径より十分に大きくなるように配置することにより、ティースを別体構造とした構成において、ティース副部31の周方向中央部にティースかしめ部35を大きく形成することが可能となり、ティース副部31の抜去力が低下することを抑制することが可能となる。
突条23の外壁部51を、ティース主部22先端の周方向端縁(すなわち左側壁22L及び右側壁22R)から連続して延びるように形成することにより、左右一対の突条23を、ティース主部22の周方向の幅に対して可能な限り離して配置することが可能となる。故に、突条23の間隔をティースかしめ部35の直径に対して十分に長くすることが可能となり、ティースかしめ部35を比較的容易に形成することが可能となる。また、各ティース副部31が周方向に移動することを好適に規制することが可能となる。
突条23を、ティース主部22から径方向外側に向けて先細りとなるように形成することにより、金属性円板41から比較的簡単に打ち抜くことが可能となると共に、突条23を比較的小さく形成することが可能となる。この結果、ティース副部31の大型化引いてはコイル13の占積率の低下を回避することが可能となる。
リングティース12を、周方向に隣り合うティース副部片31aが連結部片32aによりリング状に連結されたティースシート12aと、各ティース副部片31aが連結部片32aから切り離されたティースシート12aとを積層して形成することにより、各ティース副部31をリング状に連結しつつ隣り合うティース副部31の間に空隙部を形成することが可能となる。故に、周方向に隣り合うティース副部31に磁束の影響が及ぶことを軽減させることが可能となり、トルクの低下を抑制させることが可能となる。
リング状のティースシート12aを2枚積層し、その上にティース副部片31aが切り離されたティースシート12aを複数枚積層し、さらにその上にリング状のティースシート12aを2枚積層してリングティース12を形成することにより、リングティース12を軸線方向からセンターコア11に圧入させる際に、ティース副部31のいずれかがティース主部22と引っかかる不具合を抑制させることが可能となり、組み付け作業性を向上させることが可能となる。また、各ティース副部31の連結位置を上下端部とすることにより、ティース副部が連結されていない一体構造のティースに生じる磁束の流れと近い磁束の流れを生じさせることが可能となり、トルクの低下を好適に抑制させることが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、各ティース副部31の上端部と下端部を連結部32にて連結してリングティース12を形成する構成としたが、一端部のみを連結させる構成としてもよいし、中央部を連結させる構成としてもよい。また、連結部片32aの積層枚数は2枚に限定されるものでなく、1枚でもよいし3枚以上であってもよい。つまり、リング状のティースシート12aとティース副部片31aが切り離されたティースシート12aの積層順序は任意である。或いは、リング状のティースシート12aのみを積層し、隣り合うティース副部31に隙間を設けない構成としてもよい。つまり、各ティース副部31が円環状に連結されている構成であればよい。但し、一部のみを連結する構成とした場合、リングティース12の連結強度低下が懸念される。また、隙間なく連結する構成とした場合、連結強度は確保されるものの、周方向に隣り合うティース副部31が磁束に影響を及ぼしあうことが懸念される。そこで、少なくとも上端部と下端部は連結部32にて連結する構成とし、固定子10の高さに応じて中央部にも適宜連結部を設ける構成とすることが望ましい。
(b)上記実施の形態では、コアシート11a及びティースシート12aを圧着かしめする構成としたが、非磁性体により形成されたピンでかしめる構成としてもよい。かかる構成であっても、ティース副部31の周方向中央部を1カ所だけかしめれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
(c)上記実施の形態では、18本のティース主部22が20度間隔で配置された固定子10について説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、複数本のティース主部が等間隔に配置される構成であればよい。例えば、9本のティース主部を40度間隔で配置する構成とした場合、コアシートとティースシートを20度ずらして打ち抜けば、1枚の金属製円板からコアシートとティースシートとを効率よく打ち抜くことができる。また、固定子を小型化することも可能となる。
(d)上記実施の形態では、軸線方向に延びる突条23を各ティース主部22に設けたが、溝部33と係合可能な突出部を設ける構成としてもよい。但し、かかる構成にあっては、センターコア11にリングティース12を圧入させた後にリングティース12ががたつくことが懸念されるため、各ティース主部22の少なくとも上端部と下端部に突出部を設けることが望ましい。
(e)上記実施の形態では、ティース主部22に突条23を形成し、ティース副部31に溝部33を形成する構成としたが、ティース主部22に溝部を形成し、ティース副部31に突条を形成する構成としてもよい。但し、かかる場合には固定子10の大型化やトルクの低下が懸念されるため、ティース副部31の径方向の厚みを極力小さくすることが望ましい。
(f)ティース主部22の形状に対応して作られた絶縁性ボビンに予めコイル13を巻回し、該ボビンを各ティース主部22に係合させる構成としてもよい。
本実施形態の固定子の主要な構成を分解して示す斜視図である。 (a)は固定子の平面図、(b)は固定子の要部拡大図である。 (a)はコアシートとティースシートの打ち抜きの一例を示す平面図、(b)は上端部及び下端部に積層される各シートの打ち抜きを示す要部拡大図、(c)は中央部に積層される各シートの打ち抜きを示す要部拡大図である。 (a)は比較例1の突条及び溝部の形状を示す要部拡大図、(b)は比較例2の突条及び溝部の形状を示す要部拡大図である。 比較例1〜比較例6の固定子を用いた場合のモータ性能を比較した表である。 従来構成の固定子を示す平面図である。 従来構成の固定子の問題点を示す要部拡大図である。
符号の説明
1…ヨーク、2…ティース、10…固定子、11…センターコア、11a…コアシート、12…リングティース、12a…ティースシート、13…コイル、21…ヨーク、22…ティース主部、22a…ティース主部片、23…突条、23a…突条片、23L…左突条、23R…右突条、31…ティース副部、31a…ティース副部片、32…連結部、32a…連結部片、33…溝部、33L…左溝部、33R…右溝部、34…コアかしめ部、35…ティースかしめ部、41…金属製円板、51…外壁部、52…返し壁部、53…内壁部、54…入壁部、55…返し壁部、56…出壁部。

Claims (8)

  1. 円筒状のヨークの外周面から径方向に複数のティースを突出させたセンターコアと、前記各ティースに巻回されたコイルとを備えたアウターロータ用固定子において、
    前記各ティースを、前記センターコアに形成されると共に前記コイルが巻回されるティース主部と、前記コイルが前記径方向のうち外方へ移動することを規制するティース副部とよりなる別体構造とすると共に、該各ティース副部を前記センターコアの中心軸線を中心とする円環状に連結して円環状副部を形成し、
    前記センターコアの軸線方向に貫通する溝部を、前記ティース主部又は前記ティース副部の一方に、前記径方向の中心線に対して対称となるように設け、前記溝部と係合する突出部を、前記ティース主部又は前記ティース副部の他方に、前記径方向の中心線に対して対称となるように設け、
    少なくとも前記円環状副部は、金属製薄板が複数積層されると共に積層方向からかしめ固定されており、
    前記各ティース副部は、周方向中央部にかしめ部が1カ所形成されており、且つ前記軸線方向から前記各ティース主部に取り付けられていることを特徴とするアウターロータ用固定子。
  2. 前記溝部及び該溝部と係合する突出部を、ほぼ同じ大きさを有する同一形状としたことを特徴とする請求項1記載のアウターロータ用固定子。
  3. 前記突出部を前記ティース主部に設け、前記溝部を前記ティース副部に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアウターロータ用固定子。
  4. 前記突出部を、前記ティース主部の周方向両端部に1つずつ設け、該一対の突出部を、その間隔が前記かしめ部の周方向の幅より広くなるように設けたことを特徴とする請求項3記載のアウターロータ用固定子。
  5. 各突出部の周方向外側壁部は、ティース主部先端の周方向端縁より連続して延びるように形成されていることを特徴とする請求項4記載のアウターロータ用固定子。
  6. 前記突出部は、該突出部の起端部から先端部に向かう程先細りとなるように形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のアウターロータ用固定子。
  7. 前記円環状副部を、周方向に隣り合うティース副部片が連結部片により円環状に連結された一体薄板と、各ティース副部片が前記連結部片から切り離された別体薄板とを積層して形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアウターロータ用固定子。
  8. 前記円環状副部には、前記一体薄板が前記軸線方向の両端部に積層されていることを特徴とする請求項7記載のアウターロータ用固定子。
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