JP6407427B2 - 電動機の固定子 - Google Patents

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Description

この発明は、電動機の固定子に関するものであり、特にティース部に集中巻線を施した固定子の絶縁構造に関するものである。
近年では電動機の小型化及び高出力を実現するために、固定子を分割してティース部に集中巻線することで巻線のスロット占積率を向上させ、それらを嵌合させて固定子を製作する方法が用いられている。積層鉄心と巻線体の間を絶縁する必要があり、絶縁樹脂部材をスロットに挿入することで絶縁処理をしている。一般に絶縁樹脂部材は金型を用いた樹脂成型で製作する。積層鉄心の積層高さが大きくなるとスロット内を覆う部分の絶縁樹脂部材が長くなる。この場合絶縁樹脂部材の成型ができなくなったり、コストが高くなったりする問題があった。
特許文献1の固定子においては、絶縁シートは、積層鉄心のスロット部のコイル巻装部内側を絶縁する部位、巻線体の側部を覆う部位、さらにこの部位に積層鉄心の積層厚より突出させたタブを一体で備えているものが開示されている。そして巻装した巻線体を上記側部を覆う部位を折り曲げて覆い、その後に左右および上下両端部に設けた上記タブを折り曲げてコイルエンド部(積層方向の端部にあるコイル)を絶縁するようにしている(例えば特許文献1)。
特開2003−61286号公報
従来の固定子の絶縁構造においては、絶縁シートの折り曲げ部には絶縁シートの厚さに応じて曲げ半径部ができ、この部位には巻線できないため、巻線領域が減少しスロット占積率が低下するという問題点があった。又絶縁端板には絶縁シートを押さえて積層鉄心のスロット部に沿わせるための突起があるが、絶縁シートが厚いほど反発力が強いため、突起の厚みを増やして強度を強くする必要がある。この場合でも巻線領域が減少し、スロット占積率が低下するという問題があった。更に絶縁シートが厚くなるほど絶縁シートを折り曲げるのに必要な力を大きくする必要があり、作業性が悪くなるという問題があった。又絶縁シートの厚さは要求される絶縁性能ごとに変更する必要があるため、絶縁シートの種類が増えるという問題もあった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、絶縁部材がスロット内に占める領域を減らして巻線領域を大きくすることにより巻線ターン数を増加させ、更には絶縁シートを折り曲げるのに必要な力を小さくすることのできる固定子の絶縁構造を得ることを目的としている。
この発明に係る電動機の固定子は、ティース毎に分割された複数の鉄心を積層方向に積層している積層鉄心が環状に配置されたものであって、鉄心の両側において設置された凹状のスロット部の形状に合わせて折り曲げられた複数の絶縁シートと、積層鉄心の積層方向の両端部に装着された絶縁端板とを備え、絶縁端板は複数の絶縁シート保持部を備え、複数の絶縁シート保持部は複数の絶縁シートのスロット内径側絶縁部のみを挟持する絶縁シート保持部とスロット外径側絶縁部のみを挟持する絶縁シート保持部とからなり、複数の絶縁シートの積層方向の長さは積層鉄心の積層方向の長さよりも大きく構成され、ティースに巻回されたコイルと鉄心との間に複数の絶縁シートを介在させることにより鉄心とコイルとを絶縁させたものである。
上記のような電動機の固定子によれば、1枚当りの絶縁シートの厚さが薄くなり、最内層の絶縁シートの折り曲げ部の曲げ半径が小さくなるため、絶縁シート全体の曲げ半径も小さくなり、巻線領域が増加し、スロット占積率が増加する。また絶縁シートの反発力が小さくなり、絶縁端板における絶縁シートを押えるための突起を薄く形成できるため、巻線領域が増加し、スロット占積率が増加する。更には絶縁シートの折り曲げに必要な力が減少し、作業性が向上する。又絶縁シートを複数枚重ねることで絶縁性能の高い絶縁シートと同じ絶縁性能を実現でき、絶縁シートの種類を削減できる。
実施の形態1による積層鉄心を示す斜視図である 実施の形態1による積層鉄心を示す分解斜視図である。 実施の形態1による絶縁シートを示す平面断面図である。 実施の形態1による固定子を示す斜視図である。 実施の形態1による両端を溶着した絶縁シートを示す側面断面図であって、折り曲げ前の状態を示す側面断面図及び折り曲げ後の状態を示す側面断面図である。 実施の形態1による中央部を溶着した絶縁シートを示す側面断面図であって、折り曲げ前の状態を示す側面断面図及び折り曲げ後の状態を示す側面断面図である。 一般的な固定子のティース部を示す平面断面図及びX部拡大図である。 実施の形態1による固定子のティース部を示す平面断面図及びY部拡大図である。 実施の形態2による折り曲げ後の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態2による折り曲げ前の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態2による折り曲げ前の絶縁シートを示す正面図である。 実施の形態3による絶縁工程後の積層鉄心を示す平面図である。 実施の形態3による絶縁工程後の積層鉄心を示す斜視図である。 実施の形態3による絶縁シートを折り曲げた状態を示す平面断面図である。 実施の形態4による折り曲げ後の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態4による折り曲げ前の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態4による折り曲げ後の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態4による折り曲げ前の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態5による絶縁工程後の固定子のティース部を示す平面断面図である。 一般的な固定子のティース部を示す平面断面図である。 実施の形態6による折り曲げ後の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態6による折り曲げ前の絶縁シートを示す正面図及び側面図である。 実施の形態6による絶縁シートを折り曲げた状態を示す平面断面図である。 実施の形態6による絶縁シートを折り曲げた状態を示す平面断面図である。 実施の形態7による絶縁工程後の固定子のティース部を示す平面断面図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1について図を参照しながら説明する。図1は実施の形態1による絶縁工程後の積層鉄心を示す斜視図、図2は同じく分解斜視図である。積層鉄心はPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂で形成された絶縁シート1、ティース毎に分割された鉄心2、絶縁端板3より構成されている。鉄心2は両側において凹状のスロット部2aを備え、スロット部2aは鉄心2の外径部と内径部との間に形成されている。絶縁シート1は内側絶縁シート1aと外側絶縁シート1bの2枚のシートを重ねた構造であり、母材から切り抜いて重ねた後、スロット部2aの形状に合わせて手で折り曲げたり、金型で加圧したりして成型する。
図3は絶縁シート1を示す平面断面図である。折り曲げた絶縁シート1は、図3に示すようにスロット内径側絶縁部4、スロット外径側絶縁部5、スロット周方向絶縁部6、折り曲げ部7を有する。絶縁シート1を積層鉄心のスロット部2aに挿入した後、積層鉄心の積層方向の両端部に絶縁端板3を装着し、絶縁端板3の絶縁シート保持部3aで絶縁シート1を挟持することにより鉄心2と巻線を絶縁している。そしてティースにコイルを巻線後積層鉄心を環状に接合して、図4に示す固定子8が得られる。図4は完成された固定子8を示す斜視図である。
また絶縁シート1はこのままスロット部2aに挿入してもよいが、搬送時や仕掛時のずれを防ぐため、絶縁シート1の一部を溶着して固定しても良い。次に仕掛時について以下説明する。巻線作業をする前に、絶縁シート1をコアに組み付ける作業がある。そしてこの組み付けた状態(巻線していない状態)で仕掛品として保管することがある。このことを「仕掛時」と呼ぶ。
折り曲げ時には内側絶縁シート1aと外側絶縁シート1bの折り曲げ部7の曲げ半径の大きさが異なる。従って図5(A)、(B)に示すように絶縁シート1の両端を溶着して折り曲げると、内側絶縁シート1aが膨らんでしまう。従って溶着する箇所はいずれか1ヶ所だけにするか、あるいは複数にする場合には鉄心2の積層方向において複数箇所配置すると良い。例えば、図6(A)、(B)に示すように、スロット周方向絶縁部6に設けるとよい。もしくはスロット部2aの形状に合うように成型した後に溶着することで、膨らみを防止することができる。絶縁シート1の固定方法はかしめや接着剤、テープなどを用いても良い。図6(A)、(B)における溶着箇所については、絶縁シート1の折り曲げ部7より内側であれば溶着部が複数であってもよい。
図7(A)は一般的な固定子のティース部を示す平面断面図、図7(B)は図7(A)におけるX部拡大図である。図7(A)、(B)において、絶縁シート1の折り曲げ時に、絶縁シート1に割れが生じないように、図7(B)に示すように、絶縁シート1の折り曲げ部7には曲げ半径を設ける必要がある。絶縁シート1が厚いほど割れが生じないように曲げ半径を大きくする必要がある。そのため折り曲げ部7には巻線できないため、絶縁シート1が厚いほど巻線領域9が減少する。
図8(A)は実施の形態1による固定子のティース部を示す平面断面図、図8(B)は図8(A)におけるY部拡大図である。図8(A)、(B)に示すように、絶縁シート1を2枚に分けることで1枚当たりの厚さを薄くし、内側絶縁シート1aの曲げ半径を小さくできるため、全体の曲げ半径を小さくし巻線領域9(巻線体自体の図示は省略されている)を大きくすることができる。また本実施形態においては、分割した積層鉄心構造を採用しており、スロット内にコイルをたくさん配置することができるため、更に高効率の電動機を実現できる。
絶縁端板3の絶縁シート保持部3aは絶縁シート1の反発力を受けても折れないように強度を持たせる必要がある。従って絶縁シート1が厚くなり反発力が大きくなると、絶縁シート保持部3aも厚くする必要があり、巻線領域9が減少してしまう。本実施形態では絶縁シート1を2枚に分けることで、反発力の総和は従来の1枚の絶縁シートの反発力よりも小さくすることができる。絶縁シート1の反発力を簡易的に長方形断面の梁の折り曲げ問題と仮定して以下計算する。
絶縁シート1の厚さをhとすると、反発力Pは梁の基礎式から、
P=Eδbh/4L ∝ h
である。ここで、E:ヤング率、δ:たわみ量、h:厚さ、b:幅、L:長さである。従って反発力Pは絶縁シート1の厚さhの3乗に比例することがわかる。絶縁シート1をn枚に分けた場合、絶縁シートの1枚当たりの厚さはh/nとなるため、絶縁シート1枚当たりの反発力Pは、
=P/n
となる。従って絶縁シートn枚の反発力の総和Pは、
=P×n=P/n
となる。つまり絶縁シートを複数枚重ね合わせることで、1枚の絶縁シートを用いるよりも反発力を低下させることができる。従って絶縁端板3の絶縁シート保持部3aが受ける反発力が小さくなり、絶縁シート保持部3aを薄くすることができるため、巻線領域9を大きくすることができる。
又上記においては、絶縁シートが2枚重なった構造について説明したが、絶縁シートの枚数は何枚でも良く、分割枚数が多いほど上記効果は大きくなる。ただし枚数が増加すると搬送や折り曲げが大変になるため、通常は2枚か3枚を用いる。また絶縁シートの厚さは全て同じにする方が、絶縁シートの反発力の総和を小さくでき、更に絶縁シートの種類を削減できる効果があるため好ましいが、それぞれの絶縁シートの厚みが異なる場合でも反発力を低下させる効果を有するため、厚みが異なっても良い。
本実施形態によればその他に以下の効果を有する。即ち、絶縁シートの折り曲げに必要な力が減少するため、折り曲げ時や積層鉄心を環状に接合するいわゆる円環作業時における作業性が向上する。又絶縁シートを複数枚重ねることで絶縁性能の高い絶縁シートと同じ絶縁性能を実現できるため、1種類の絶縁シートで絶縁性能の要求の低い固定子と絶縁性能の要求の高い固定子の両方に対応することができる。従って異なる厚さの絶縁シートを用意する必要がないため、絶縁シートの種類を削減できる。
実施の形態2.
図9(A)は実施の形態2による絶縁シートを示す正面図、図9(B)は同じく側面図であり、図9(A)、(B)においては、絶縁シートを折り曲げた後の状態を示している。又図10(A)、(B)は、絶縁シートを折り曲げる前の状態を示す正面図及び側面図である。絶縁シート21の形状は、図9(A)、(B)に示すように薄肉連結部10でつながった1枚の絶縁シート21を折り曲げて重ねるようにしてもよい。まず図10(A)、(B)に示すように1枚の絶縁シート21を薄肉連結部10でつながった形状に切りぬく。
そして薄肉連結部10において折り曲げて、図9に示すように2枚が重なった形態にする。その後スロット部2aに沿うように折り曲げてスロット部2aに挿入し、更に絶縁端板3を挿入し、コイルを巻回した後、積層鉄心を円環状に配置して固定子を得る。なお、薄肉連結部10は、巻線領域にかからない位置で、また折り曲げ部7より外側に設けることが望ましく、絶縁シート21のスロット内径側絶縁部4、もしくはスロット外径側絶縁部5に設けることが適切である。
このように薄肉連結部10でつながった絶縁シート21を折り曲げることによって重ねた構造にすることで、実施の形態1で説明した効果に加えて、複数枚の絶縁シートを固定する工程を省くことができる。本説明では2枚の絶縁シートの場合で説明したが、3枚以上の複数枚の絶縁シートで構成してもよい。図11は薄肉連結部10を2箇所設けて3枚の絶縁シートを重ねるようにした場合を示している。尚図9に示すような絶縁シート21を折り曲げた時、絶縁シート21の端は薄肉連結部10で繋がっているため、重ねられた2枚の絶縁シート同士はずれることができないため、図3に示された構造とはずれ方が異なる。本実施形態では薄肉連結部10側から順に折り曲げていくことになるため薄肉連結部10から離れて行くに従いずれが蓄積されていくようになる。又薄肉連結部10でつながった絶縁シート21を折り曲げるようにしたことにより、絶縁端板3の絶縁シート保持部3aを装着する際、絶縁シート保持部3aにおける逃がし部が薄肉連結部10のみで済むという利点がある。即ち薄肉連結部10がない1枚の一続きの細長い絶縁シートを折り曲げることにより重ねた構造にした場合、絶縁シート保持部3aにおける逃がし部が大きくなってしまい、薄肉連結部10のみで済む場合に比べると作業が煩雑となってしまう。
実施の形態3.
図12は実施の形態3による積層鉄心を示す平面図、図13は同じく斜視図である。又図14は絶縁シートを折り曲げた状態を示す平面断面図である。本実施形態においては、図12に示すように、積層鉄心のスロット部2aを絶縁する部分に加えて巻回されたコイルより構成される巻線体の側部を覆う巻線体側部絶縁部11を有する絶縁シートを用いる。複数枚の絶縁シートを重ねてスロット部2aに沿うように折り曲げた後、積層鉄心のスロット部2aに挿入し、積層鉄心の積層方向の端部に絶縁端板3を装着し、絶縁端板3の絶縁シート保持部3aで絶縁シートを挟持する。巻線後図13に示すように、絶縁シートの巻線体側部絶縁部11を折り曲げて巻線体を包む。その後複数の積層鉄心を環状に接合して固定子が得られる。
以上のように構成することにより巻線の形態にばらつきが生じても隣接する巻線体間の接触を防止できるため、巻回するコイルの数を増やすことができ、スロット占積率を向上させることができる。また絶縁シートは搬送中や仕掛時のずれを防止するため、実施の形態1で示したように、複数の絶縁シートを溶着などの固定方法で固定すると良い。図13に示すように、巻線体側部絶縁部11において、巻線体のコイルエンドの高さまで伸ばしてコイルエンドを覆うようにした端部12で絶縁シート同士を固定するようにすると、絶縁シートの固定部に膨らみが発生した場合でも、巻線体に影響を与えないようにすることができる。上記のように構成することにより、実施の形態1で説明した効果と同様の効果を有する。
更に実施の形態1でも述べた通り、絶縁シートを複数枚の構造とすることで、1枚の絶縁シートを用いるよりも、反発力を低下させることができるため、巻線体側部絶縁部11の折り曲げ力を減少させる効果を奏する。また積層鉄心を環状に接合する際に発生する巻線体側部絶縁部11の反発力が低下するため、作業性が向上する効果を奏する。即ち積層鉄心を環状に接合する際には、巻線体側部絶縁部11を折り曲げた状態で円環状に配置する。そして円環状に配置する際には巻線体側部絶縁部11の反発力を受けた状態で作業するため、この力が大きいと作業性が悪くなる。実施の形態3のように構成することで、絶縁シートを一枚で構成した場合に比べてこの力を低下させた状態で作業をすることができる。
実施の形態4.
図15(A)は実施の形態4による絶縁シートを示す正面図、図15(B)は同じく側面図であり、図15(A)、(B)においては、絶縁シートを折り曲げた後の状態を示している。又図16(A)、(B)は、絶縁シートを折り曲げる前の状態を示す正面図及び側面図である。実施の形態4による絶縁シート41は、図15に示すように巻線体側部絶縁部11の端部12でつながった1枚の絶縁シートを折り曲げた形態にしたものである。図16に示すように絶縁シート41を切り抜き、折り曲げて2枚に重ねた後、スロット部2aに沿うように折り曲げて、スロット部に装着する。以後の工程は上記実施の形態1と同じである。
このような形態の絶縁シート41を用いることで、実施の形態3で説明した効果に加えて、絶縁シート同士を固定する工程を省く効果を有する。本実施形態では2枚の絶縁シートを重ねる場合について説明したが、2枚以上の複数枚の絶縁シートが連結された場合に適用しても良い(図11参照)。
図17(A)は別の形態による絶縁シートを示す正面図、図17(B)は同じく側面図であり、図17(A)、(B)においては、絶縁シートを折り曲げた後の状態を示している。又図18(A)、(B)は、絶縁シートを折り曲げる前の状態を示す正面図及び側面図である。図17(A)、(B)、図18(A)、(B)に示すように、連結部を薄肉連結形状42にすることにより、絶縁シート41を折り曲げる際に加える力を小さくすることができる。
実施の形態5.
図19は実施の形態5による固定子のティース部を示す平面断面図である。実施の形態5による絶縁シート形状においては、2枚の絶縁シートの内、内側絶縁シート1aは巻線体側部絶縁部11を有し、外側絶縁シート1bはスロット部2aのみを絶縁する形状である。2枚の内側絶縁シート1a、外側絶縁シート1bを重ね、スロット部2aの形状に沿うように折り曲げ、スロット部2aに装着した後に、絶縁端板3を装着し、絶縁端板3の絶縁シート保持部3aで絶縁シートを挟持する。そして、巻線後、内側絶縁シート1aの巻線体側部絶縁部11を折り曲げて巻線領域9の側部を覆った後、積層鉄心を環状に接合して固定子が得られる。絶縁シート1は搬送中や仕掛時のずれを防止するため、実施の形態1のように、溶着などの固定方法で固定しても良い。
本実施形態の効果を以下に説明する。図20は一般的な固定子のティース部を示す平面断面図である。図20に示すように、絶縁シートが1枚の形状の場合、巻線体間では4枚の絶縁シートが重なるため、絶縁シートの厚さをtとすると巻線体間の絶縁シートの厚さの和は4tとなり、その分だけ巻線領域9が減少している。一方、本実施形態の絶縁シートの場合、絶縁シートを2枚重ねるようにした場合には、1枚当たりの厚さはt/2となるため、巻線体間の絶縁シートの厚さの合計は、t/2×4=2tとなり、図20に示した形態より薄くすることができる。なお積層鉄心と巻線体間の厚さは、t/2×2=tであるため、図20に示した形状と同じ厚さを確保できる。
以上のように構成することにより、巻線体間の絶縁シートの厚さが薄くなり、巻線領域9が増加するため、巻線の数を増やし、スロット占積率を向上させることができる。上記の説明では絶縁シートの枚数として2枚に分けた場合で説明したが、3枚以上で構成してもよい。絶縁シートをn枚に分け、巻線体側部絶縁部11を有する絶縁シートを1枚にした場合、巻線体間の絶縁シートの厚さの合計は、t/n×4=4t/nまで薄くすることができる。なお、積層鉄心と巻線体との間の厚さの総和は、t/n×n=tであるため、従来形状と同じ厚さを確保できる。
また図19においては、内側絶縁シート1aに巻線体側部絶縁部11を設けた場合について説明したが、外側絶縁シート1bに巻線体側部絶縁部を設けてもよい。さらに多くの絶縁シートを用いる場合には、どの位置の絶縁シートに巻線体側部絶縁部を設けてもよい。要するに複数の絶縁シートを用いる場合には複数の絶縁シートのうち少なくとも1つの絶縁シートに巻線体側部絶縁部を設ければ良い。
実施の形態6.
図21(A)は実施の形態6による絶縁シートを示す正面図、図21(B)は同じく側面図であり、図21(A)、(B)においては、絶縁シートを折り曲げた後の状態を示している。又図22(A)、(B)は、絶縁シートを折り曲げる前の状態を示す正面図及び側面図である。図21(A)、(B)、図22(A)、(B)に示すように、巻線体側部絶縁部11を有する絶縁シートと、スロット部2aのみを絶縁する絶縁シートが薄肉連結部60でつながるようにしたものである。薄肉連結部60で折り曲げて2枚を重ねた後、図23に示すようにスロット部2aに合うように折り曲げて、スロット部2aに装着する。以後の工程は上記実施の形態5と同じである。
巻線体を巻回する位置に連結部を設けると巻線体と接触するためカットが必要であるが、図21、22に示すように、スロット内径側絶縁部4かスロット外径側絶縁部5に薄肉連結部60を設けると、巻線体と接触しないようにできる。薄肉連結部を2箇所設けると、スロットに合うように折り曲げる際に、内側絶縁シートがたるんでしまうため、図21、22に示すように1箇所にする方が良い。なお折り曲げる方向を変えることで、巻線体側部絶縁部11を有する部分が内側にも外側にも配置できる。図23は巻線体側部絶縁部11を内側の絶縁シートに配置した例であり、図24は巻線体側部絶縁部11を外側の絶縁シートに配置した例である。
このような形態の絶縁シートを用いることで、実施の形態5で説明した効果に加えて、絶縁シートを固定する工程を省くことができる。またここでは2枚重ねる場合について説明したが、連結枚数は3枚以上でも良い。
実施の形態7.
図25は実施の形態7による固定子のティース部を示す平面断面図である。本実施形態においては、2枚の絶縁シートの厚さを変えたものである。例えば図25に示すように、内側絶縁シート1aを薄く形成するとともに、外側絶縁シート1bを厚く形成することができる。そして内側絶縁シート1aのみが巻線体側部絶縁部11を有している。以上のように形成することにより、巻線体間の絶縁シートの厚さを薄くすることができるため、巻線領域を大きくすることができる。ただし同じ厚さの絶縁シート2枚を用いる場合に比べて、外側絶縁シート1bの厚さは厚くなるため、絶縁シートの反発力の低減効果は小さくなる。尚上記のように絶縁シートの厚さを変えることは、上記実施の形態1〜6の全ての形態において適用してもよい。
又本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。

Claims (8)

  1. ティース毎に分割された複数の鉄心を積層方向に積層している積層鉄心が環状に配置された電動機の固定子であって、
    上記鉄心の両側において設置された凹状のスロット部の形状に合わせて折り曲げられた複数の絶縁シートと、積層鉄心の積層方向の両端部に装着された絶縁端板とを備え、
    上記絶縁端板は複数の絶縁シート保持部を備え、
    上記複数の絶縁シート保持部は上記複数の絶縁シートのスロット内径側絶縁部のみを挟持する絶縁シート保持部とスロット外径側絶縁部のみを挟持する絶縁シート保持部とからなり、
    上記複数の絶縁シートの上記積層方向の長さは上記積層鉄心の上記積層方向の長さよりも大きく構成され、
    上記ティースに巻回されたコイルと上記鉄心との間に上記複数の絶縁シートを介在させることにより上記鉄心と上記コイルとを絶縁させた電動機の固定子。
  2. 巻回された上記コイルより構成される巻線体の側部を覆う巻線体側部絶縁部を上記複数の絶縁シートのうち少なくとも1つの絶縁シートに設けた請求項1に記載の電動機の固定子。
  3. 上記巻線体側部絶縁部に上記巻線体のコイルエンドを覆う端部を設けた請求項2に記載の電動機の固定子。
  4. 上記複数の絶縁シートは、上記端部でつながった1枚のシートが上記端部において折り曲げられ重ねられている請求項3に記載の電動機の固定子。
  5. 上記複数の絶縁シートは、薄肉連結部でつながった1枚のシートが上記薄肉連結部において折り曲げられ重ねられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動機の固定子。
  6. 上記薄肉連結部は、上記コイルによる巻線領域にかからない位置である上記複数の絶縁シートの上記スロット内径側絶縁部あるいは上記スロット外径側絶縁部に設けた請求項5に記載の電動機の固定子。
  7. 上記複数の絶縁シートの厚さは全て同じである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動機の固定子。
  8. 上記複数の絶縁シート間において絶縁シートの厚さを変えた請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電動機の固定子。
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