JP2006196731A - 巻線型インダクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型で大電流という通常相容れない課題を同時に解決するもので、さらに機械的強度を高め、低背で、電極の接合強度を高めた巻線型インダクタを提供する。
【解決手段】 巻芯の断面形状が円形でその片側に鍔を具えて軸方向の断面形状がT字形のコアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲と鍔の存在しない側が外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆され、コアの鍔が存在する表面と反対側の樹脂の表面に複数の段差を具え、その段差の低い部分に端子電極が収容される。
【選択図】 図1
【解決手段】 巻芯の断面形状が円形でその片側に鍔を具えて軸方向の断面形状がT字形のコアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲と鍔の存在しない側が外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆され、コアの鍔が存在する表面と反対側の樹脂の表面に複数の段差を具え、その段差の低い部分に端子電極が収容される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、巻線型インダクタの構造に係るもので、小型で大電流用に適した巻線型インダクタに関するものである。
携帯機器等に使用されるDC−DCコンバータ用等のインダクタには、小型、大電流、使用周波数の高周波化等の要求が大きい。その要求を満たすために、材料、コア構造、巻線構造などに種々の工夫がなされている。インダクタンスを大きくするために閉磁路構造が採用されたり、巻き軸の両側に磁性体の鍔を具えたドラム型コアなどが用いられている。
ところで、通常のドラムコアの場合、円柱状に成形した材料の巻き枠となる部分に溝を削り、焼成によって製造されている。この削りだしの工程を必要とすることから、コアのコストが上昇しているだけでなく、加工時に生じる公差がコイルの小型化の大きな障害となっている。また、基板接続側の鍔部分は振動や衝撃試験によって破戒し易いという問題があり、透磁率の高いMn−Zn系など比抵抗の低いコア材料を使用した場合は外部電極とコア材料とを絶縁するための手段を付加する必要が生じる。
特開2000−286140号公報
特開平11−67521号公報
特開平9−7838号公報
特開平6−176946号公報
本発明は、上記のような問題点を解決して、小型で大電流という通常相容れない課題を同時に解決するもので、さらに機械的強度を高めた小型、大電流の巻線型インダクタを提供するものである。さらに、低背で、電極の接合強度を高めた巻線型インダクタを提供するものである。
本発明は、コアの形状とそこに施す巻線の構造、そしてその巻線の周囲を覆って閉磁路化する磁性体を含む樹脂によって構成することによって、上記の課題を解決するものである。すなわち、コアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、巻芯の断面形状が円形でその片側に鍔を具えて軸方向の断面形状がT字形のコアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲と鍔の存在しない側が外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆され、コアの鍔が存在する表面と反対側の樹脂の表面に複数の段差を具え、その段差の低い部分に端子電極が収容されたことに特徴を有するものである。
本発明による巻線型インダクタは、以下に説明するように、コアの形状、巻線の構造を適切に選択することによって、サイズを小さく抑えたままで大きなインダクタンスが得られ、機械的強度も十分に確保された大電流用の用途に適した巻線インダクタが得られるこの効果は、片側にのみ鍔を有する構造、平角線を用い、さらに外部端子電極を樹脂成形体に埋め込む構造を採用することによって実現されるものである。
本発明によるインダクタの要件を以下に列記する。
(1)片側のみに鍔を有する巻き軸の断面が円形のコア(巻き軸方向の断面形状はT字形となる)
(2)をコアの巻き軸に2列(2段)に、両端が外側になるように(いわゆる外外巻き)巻回す平角線
(3)巻線の外側および鍔のない側を覆う磁性体粉を含有する樹脂磁性体
(4)樹脂磁性体の表面に形成され、巻線端末が接続されるか、巻線端末で構成される端子電極で、この端子電極は樹脂磁性体に形成された段差内に収容される。
なお、端子導体の表面を粗面として、樹脂との接触面積を増やすこともでき、それによって接着強度を増すことがでくる。
(1)片側のみに鍔を有する巻き軸の断面が円形のコア(巻き軸方向の断面形状はT字形となる)
(2)をコアの巻き軸に2列(2段)に、両端が外側になるように(いわゆる外外巻き)巻回す平角線
(3)巻線の外側および鍔のない側を覆う磁性体粉を含有する樹脂磁性体
(4)樹脂磁性体の表面に形成され、巻線端末が接続されるか、巻線端末で構成される端子電極で、この端子電極は樹脂磁性体に形成された段差内に収容される。
なお、端子導体の表面を粗面として、樹脂との接触面積を増やすこともでき、それによって接着強度を増すことがでくる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。図1は本発明の実施例を示す(A)正面断面図と(B)平面図である。Mn−Zn系フェライトコア11は、外径2.45mmで厚みが0.325mmの鍔を片側のみに具えている。高さは1.17mmであり、その巻き芯に厚さ0.049mmで幅が0.246mmの絶縁被覆をした平角線12を23.25ターン巻いたものである。巻き軸に巻き線が施されたコアは、側面に樹脂の注入口を具えた2.5×2.5×1.19のキャビティ(枠)に収容されて樹脂モールドされる。その際、キャビティの底面に2.5×0.3×0.02mmの銅箔を敷いておき、巻線の端末は空隙から外に引き出しておく。
コアは、鍔のある側が上面になるように、すなわち鍔のない側が底面になるようにキャビティに収容される。キャビティ側面の注入口から、エポキシ樹脂に希釈剤と鉄粉を混練したμ=12.5材料を注入し、80℃で20分間乾燥し、150℃2時間で硬化させた後にキャビティから取り出して図1に示す巻線型インダクタを得た。巻線の平角線12端末の端末は隙間から外部に引き出されているので、その両端の絶縁層を剥ぎ、銅箔と同じ方向となるように折り曲げて所定の寸法で切断して、はんだで銅箔に接着した。このように成形された樹脂部分は、端子電極の配置される部分が段差となっている。
比較のために、端子が樹脂表面から突出する図2に示したようなサンプルを作製した。サイズが同じになるように、Mn−Zn系フェライトコア21は、外径2.45mmで厚みが0.325mmの鍔を片側のみに具えている。高さは1.17mmであり、その巻き芯に厚さ0.049mmで幅が0.246mmの絶縁被覆をした平角線22を23.25ターン巻いたものである。巻き軸に巻き線が施されたコアは、側面に樹脂の注入口を具えた2.5×2.5×1.19のキャビティ(枠)に収容されて樹脂モールドされる。キャビティの底部に導体箔と平角線の端末を収容する段差が形成されており、そのキャビティの底面に2.5×0.3×0.02mmの銅箔を敷いておき、巻線の端末は空隙から外に引き出しておく。
コアをキャビティに収容し、キャビティ側面の注入口から、エポキシ樹脂に希釈剤と鉄粉を混練したμ=2材料を注入し、80℃で20分間乾燥し、150℃2時間で硬化させた後にキャビティから取り出して図2に示す巻線型インダクタを得た。巻線の平角線22端末の端末は隙間から外部に引き出されているので、その両端の絶縁層を剥ぎ、銅箔と同じ方向となるように折り曲げて所定の寸法で切断して、はんだで銅箔に接着した。
なお、端子電極とする銅箔の片面を荒らしたもの用いたサンプルも上記の方法と同様の方法で第2の実施例として作製した。その外形は図1に示したものと変わらないので省略する。上記の2つの実施例に示したインダクタの特性と比較例の特性を測定した。その結果は表1に示したとおりである。
本発明は上記の例に限られるものではなく、片側のみに鍔を有するコア全般に応用することができる。T型コアの採用によって、鍔の切削加工が不要となって一回の粉体成形工程だけでよいのでコスト低減が可能となるとともに、形状公差の面でも有利となる。両側に鍔を有するコアに比抵抗の低いMn−Zn系材料を用いた場合には、電極材料との絶縁を確保する手段が必要となるが、片側に樹脂を配置する構造であれば節煙の問題を生じない。また、樹脂一体成形であるので衝撃等に対しても強い構造が得られる.
本発明は、携帯機器用の電源回路等の小型、軽量でかつ高電流を得ることが必要な装置に利用することができる。
11、21:コア
12、22:巻線
13、23:樹脂
12、22:巻線
13、23:樹脂
Claims (4)
- コアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、
巻芯の断面形状が円形でその片側に鍔を具えて軸方向の断面形状がT字形のコアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、
その平角線の周囲と鍔の存在しない側が外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆され、
コアの鍔が存在する表面と反対側の樹脂の表面に複数の段差を具え、その段差の低い部分に端子電極が収容されたことを特徴とする巻線型インダクタ。 - コアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、
巻芯の断面形状が円形でその片側に鍔を具えて軸方向の断面形状がT字形のコアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、
その平角線の周囲と鍔の存在しない側および鍔の周囲が、外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆され、
コアの鍔が存在する表面と反対側の樹脂の表面に複数の段差を具え、その段差の低い部分に端子電極が収容されたことを特徴とする巻線型インダクタ。 - 樹脂中に分散される磁性体粉が金属磁性体粉である請求項1または請求項2記載の巻線型インダクタ。
- 平角線線の少なくとも一端が端子電極を兼用する請求項1または請求項2記載の巻線型インダクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005007222A JP2006196731A (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 巻線型インダクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005007222A JP2006196731A (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 巻線型インダクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006196731A true JP2006196731A (ja) | 2006-07-27 |
Family
ID=36802554
Family Applications (1)
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JP2005007222A Withdrawn JP2006196731A (ja) | 2005-01-14 | 2005-01-14 | 巻線型インダクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006196731A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8593248B2 (en) | 2011-01-04 | 2013-11-26 | Cyntec Co., Ltd. | Inductor |
JP2017510072A (ja) * | 2014-04-01 | 2017-04-06 | ウルト エレクトロニク アイソス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー | インダクタ及びその製造方法 |
US11450471B2 (en) * | 2018-03-28 | 2022-09-20 | Intel Corporation | Methods to selectively embed magnetic materials in substrate and corresponding structures |
-
2005
- 2005-01-14 JP JP2005007222A patent/JP2006196731A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8593248B2 (en) | 2011-01-04 | 2013-11-26 | Cyntec Co., Ltd. | Inductor |
JP2017510072A (ja) * | 2014-04-01 | 2017-04-06 | ウルト エレクトロニク アイソス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー | インダクタ及びその製造方法 |
US11450471B2 (en) * | 2018-03-28 | 2022-09-20 | Intel Corporation | Methods to selectively embed magnetic materials in substrate and corresponding structures |
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