JP2006156737A - 巻線型インダクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型で大電流という通常相容れない課題を同時に解決するもので、携帯機器の電源回路等に使用できるインダクタ等の使用に適した小型、大電流の巻線型インダクタを提供する。
【解決手段】 ドラム形のコアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、巻芯の断面形状が円形のドラム形コアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲は外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆される。
【選択図】 図1
【解決手段】 ドラム形のコアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、巻芯の断面形状が円形のドラム形コアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲は外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、巻線型インダクタの構造に係るもので、小型で大電流用に適した巻線型インダクタに関するものである。
携帯機器等に使用されるDC−DCコンバータ用等のインダクタには、小型、大電流、使用周波数の高周波化等の要求が大きい。しかし、2つの大きな問題があるためにそれらの要求をすべて満たすことはなかなかできない。第1の問題は、磁器飽和等の影響による比透磁率の減少である。電流の増加等による磁束密度の増加は、比透磁率の低下を引き起こす。閉磁路に近い構造のコイルでは、磁気抵抗が小さいために所定のインダクタンスを得るための巻数が少なくなる(L=N2/Rm、L:インダクタンス、N:巻数、Rm:磁気抵抗)。その結果、L(特性値)、磁束密度(材料によって決まる)が一定の場合、電流が小さくなるか、磁束の通る断面積(サイズ)が大きくなってしまう(B=LI/NA、B:磁束密度、L:インダクタンス、I:電流、N:巻数、A:磁束の通る断面積)。また、ドラムコアのように空気による大きなギャップがあると磁気抵抗が非常に大きくなり、所定のインダクタンスを得るためには、L=N2/Rm(Rm:磁気抵抗)で示される巻線の巻数(ターン数)が増え、電流値は上昇するが、形状が大きくなってしまう。そこで、閉磁路に近い形で意識的に磁気ギャップを加工、成形して形成する場合があるが、ギャップ部の形状の影響が特性に大きく現れるために、小型化の障害となり、安定した特性が得られないばかりか、コアの製造コストが大きくなる。
第2の問題は発熱である。電流を印加してゆくと導体損によりW=I2R(W:消費電力、R:抵抗値)の発熱がある。つまり、大きな電流を流すためには抵抗Rを小さくする必要があり、その対策として線材を所定の形にはいる範囲でできるだけ太くするか、巻数(ターン数)を減らすことが考えられる。しかし、線材断面積を上げるとサイズが大きくなり、巻き数を減らすと上記の磁束密度Bが上昇して電流Iが減ってしまう。
特開2000−286140号公報
特開平11−67521号公報
特開平9−7838号公報
特開平6−176946号公報
本発明は、上記のような問題点を解決して、小型で大電流という通常相容れない課題を同時に解決するもので、携帯機器の電源回路等に使用できるインダクタ等の使用に適した小型、大電流の巻線型インダクタを提供するものである。
本発明は、コアの形状とそこに施す巻線の構造、そしてその巻線の周囲を覆って閉磁路化する磁性体を含む樹脂によって構成することによって、上記の課題を解決するものである。すなわち、ドラム形のコアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、巻芯の断面形状が円形のドラム形コアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲は外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆されたことに特徴を有するものである。
本発明による巻線型インダクタは、以下に説明するように、コアの形状と寸法、巻線の構造と寸法の値を適切に選択することによって、サイズを小さく抑えたままで大きなインダクタンスが得られ、大電流用の用途に適した巻線インダクタが得られる。その効果の得られる理由は実施形態に説明の中で触れることとする。
前記のとおり、B=LI/NAで表される。Bは材料特性によって決まり、Lは仕様によって決まる。そこで、より大きな電流Iすなわち許容電流を得るためには、NA値をできるだけ大きくとるのがよい。ところが、AとNは大きくすればするほどコイルの容積が大きくなり、直流抵抗が上がって発熱が大きくなってしまう。そこで、一定の大きさの中で、もっとも効率的なA×Nを得る構造について提案する。
まず、コイル内の容積を有効に使うためには、巻線とびや被覆等による空間ロスを減らす必要がある。丸線は被覆による体積ロスが平角線に比べて良い反面、線とびによる空間ロスが大きい。また2列の平角線外外巻きは線とびが全く発生しないので、空間を占める導体の割合が最も大きいと考えられる。また、巻き枠となるコアの中心断面の形状は円形で、強度、寸法公差等から考えられる巻線最外径まで巻線を施した後、角形のコイルにした場合の4隅の隙間と周囲に磁性体を分散させた樹脂を配置する。この樹脂中に分散される磁性体の量は、所定のインダクタンスが得られるような比透磁率が得られるような量とする。コアの中心断面形状が正方形であると4隅ができない。コイルの全体の外形はできるだけ正方形とすることが望ましい。
以上のように、巻き枠断面形状を円形にして、平角線を外外巻きにし、磁性体分散樹脂でインダクタンスを調整する方法によって、最も効率的な上記のA×Nを得ることを提案したが、以下の手順でその最適条件を見出した。まず、Aは最小の磁束の通る断面積であるため、形状効率のよい中心部断面積と中心部外周×鍔厚を等しくする(ただし、実際には公差があるので完全に等しくはならない)。次に、巻線容量に関係の深い直流抵抗Rdcは発熱の観点から一定基準以下に抑える必要があるので、導体の断面積Sdと巻線長lは、Rdc≧l×ρ/Sd(1)とした。また、1ターンごと外周の長さは変わるので、トータルの長さは、l=4π(rc×n+Wt×(n+1)/2)(2)(n=ターン数/2の関係がある)となる。ところで、巻線として使用可能な巻線外側までの外形Dは,サイズと信頼性から決まってくるが、D=2×rc+n×(Wt+平角線厚み公差Tlt)(3)の関係がある。
(1)と(3)の式をそれぞれSdとWtの式とし、(1)に代入してnに関する2次式に展開し、根の公式よりnを求め、n×Aが最大となる条件を比較検討した結果、理論的に容積効率の良いエリアは、
近似式A=0.82×Hc×(D−0.61)
に乗ることが判明した。これによって、A、Hc(形状)が決定すれば、最適なDが分かり、それに伴うn、Wt、鍔厚等のすべての条件が決定する。また、最大点付近では、n×Aの値がAに対して緩やかになるので、条件によっては±20%程度のAの変動はその他の条件を適正化することによって適応できるので、製品間変動や端末処理に適当なターン数に設定するなどが可能となる。
近似式A=0.82×Hc×(D−0.61)
に乗ることが判明した。これによって、A、Hc(形状)が決定すれば、最適なDが分かり、それに伴うn、Wt、鍔厚等のすべての条件が決定する。また、最大点付近では、n×Aの値がAに対して緩やかになるので、条件によっては±20%程度のAの変動はその他の条件を適正化することによって適応できるので、製品間変動や端末処理に適当なターン数に設定するなどが可能となる。
また、試作の結果、直流重畳特性は材料のμが1付近になる磁気飽和状態よりかなり早い磁束密度におけるμ(数百)においての変動特性が大きな影響を示していることが分かり、材料によって若干上記条件よりずれてくるものがある。あるいは、試作条件によってちょうどよいターン数に巻かなければならない等の制約があるため、実際には±20%程度の変動がある。なお、磁性体分散樹脂の磁性体にフェライトより磁気飽和密度の高い軟磁性体を使用すると、外側の磁路に関する磁気飽和をあまり気にする必要がないので、設計地どおりのコイルを製作することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。図1は本発明の実施例を示すもので、(A)は正面断面図、(B)は平面図、(C)は巻線部分の部分断面図である。ドラム型のコア11の巻枠に平角線13の巻線を施すが、巻線は上下2つの部分に分けられており、それぞれの外側から端末が引き出されて端子に接続されるいわゆる外外巻の構造を採用している。この例では、巻線13はドラム型コアの鍔間をすべて充填するように巻回されている。この巻線の外側と鍔の外側にまたがって磁性体粉を含む樹脂15が形成されている。この樹脂15は図1(B)に示すように外形が長方形(正方形)となるように成形されている。
図1に各部分の寸法の記号を付したが、この寸法を選択することによって本発明による巻線インダクタの特性を向上させることができる。ドラム型のコアの鍔の外形(径)をD、巻芯半径をrc、高さをHcとし、巻線に巻回する巻枠の幅をHwとした。平角線については図1(C)に示したように、線幅をWh、厚みをWt,導体断面積をSdとした。図2は磁1の素子に端子電極を形成したものである。また、図3には、巻枠いっぱいに巻線をせずに空いた部分に磁性体を分散した樹脂を充填した構造を示した。
樹脂を含む全体の外形を2.5mm角、巻線外側までの直径を2.4mm、導体被覆厚を10μmとし、10μHを一定とする条件で、コアの高さ、直流抵抗Rdc、コア材料を変化させて、この条件を満たすように線材を選択しながらコイルの試作を行った。それぞれの試作の条件を表1から表4に示した。それぞれ表の下側に示した条件で試作したものである。なお、試作の手順は、各表の形状のコアを巻枠とした。外部(端子)電極が片方の鍔の両側に位置するように銅箔をエポキシ樹脂を塗布し、接着して形成した。そして、表の条件で平角線を外外巻きで所定のターン数巻き、端末を外部電極に接続した。市販のエポキシ
系樹脂に鉄粉を配合し分散させて充填し、硬化させた。その後、特性を評価した。
系樹脂に鉄粉を配合し分散させて充填し、硬化させた。その後、特性を評価した。
Ni−Zn系フェライトコアを用い、Rdc=0.2Ω、コアの高さを1.17mmとして試作したサンプルの例を表1に示す。
Mn−Zn系フェライトコアを用い、Rdc=0.2Ω、コアの高さを1.17mmとして試作したサンプルの例を表2に示す。
Ni−Zn系フェライトコアを用い、Rdc=0.25Ω、コアの高さを1.17mmとして試作したサンプルの例を表1に示す。
Ni−Zn系フェライトコアを用い、Rdc=0.25Ω、コアの高さを1.47mmとして試作したサンプルの例を表1に示す。
鍔外径2.4mm、鍔厚0.37mm、中心径1.5mm、高さ1.17mmのドラムコアに、表2に示した例と同じ条件で試作し、2.5×0.3×0.05mmの外部電極をコアからはみ出すように接着し、角型の枠に収納して樹脂を充填して硬化させた。これによって図3に示した構造の巻線インダクタを製作した。Mn−Zn系フェライトを用い、Rdc=0.2Ω、コアの高さを1.17mmとして試作した例を表5に示す。
各表において特性が得られないものがあるが、この特性が出ない理由は磁性体の含有量が上がり過ぎると樹脂の流動性がなくなり、充填することができなくなるためである。
本発明は、携帯機器用の電源回路等の小型、軽量でかつ高電流を得ることが必要な装置に利用することができる。
11:ドラム型コア
13:巻線
15:樹脂
13:巻線
15:樹脂
Claims (3)
- ドラム形のコアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、
巻芯の断面形状が円形のドラム形コアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、その平角線の周囲は外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆されたことを特徴とする巻線型インダクタ。 - ドラム形のコアに巻線を施す巻線型インダクタにおいて、
巻芯の断面形状が円形のドラム形コアの巻芯に、絶縁被覆された平角線が巻芯の軸方向に2つに分けられて両端が外側に位置するように巻回され、そのドラム形コアの鍔の周囲とその平角線の周囲は、外形が直方体となる磁性体粉が分散された樹脂で被覆されたことを特徴とする巻線型インダクタ。 - 樹脂中に分散される磁性体粉が金属磁性体粉である請求項1または請求項2記載の巻線型インダクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004345625A JP2006156737A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 巻線型インダクタ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004345625A JP2006156737A (ja) | 2004-11-30 | 2004-11-30 | 巻線型インダクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009117675A (ja) * | 2007-11-08 | 2009-05-28 | Panasonic Corp | インダクタンス部品 |
JP2009194364A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-08-27 | Toko Inc | モールド成形体 |
JP2011199081A (ja) * | 2010-03-20 | 2011-10-06 | Daido Steel Co Ltd | リアクトル |
JP2012038935A (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-23 | Nec Tokin Corp | 磁性素子 |
CN112185648A (zh) * | 2019-07-04 | 2021-01-05 | 株式会社村田制作所 | 电感器部件 |
JP2021163948A (ja) * | 2020-04-03 | 2021-10-11 | 株式会社村田製作所 | インダクタ |
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2004
- 2004-11-30 JP JP2004345625A patent/JP2006156737A/ja not_active Withdrawn
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