JP2001257120A - 多連筒状チョークコイル。 - Google Patents
多連筒状チョークコイル。Info
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- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 薄型化され磁気特性に優れた、また小型で捲
き線する煩わしさを無くして容易に巻線できる閉磁路コ
アを提供することである。 【解決手段】 軸方向に導線を挿通させる中空部を有す
る、3個以上の筒状磁性体コア2を並列に並べ、通気孔
7を有する金属板4に保持された多連筒状コアを構成す
る。また、前記の多連筒状コアにおいて、周波数特性お
よび飽和磁気特性に優れた非晶質超微細結晶合金の磁性
薄板を捲回してなる円筒コアを含めて、異種材料による
筒状コアを混在させて、広帯域な飽和磁気特性を有する
多連筒状コアを構成する。さらに、多連筒状コアに2本
または3本の導線を連続して挿通させて、2相または3
相電源用のチョークコイルを構成する。
き線する煩わしさを無くして容易に巻線できる閉磁路コ
アを提供することである。 【解決手段】 軸方向に導線を挿通させる中空部を有す
る、3個以上の筒状磁性体コア2を並列に並べ、通気孔
7を有する金属板4に保持された多連筒状コアを構成す
る。また、前記の多連筒状コアにおいて、周波数特性お
よび飽和磁気特性に優れた非晶質超微細結晶合金の磁性
薄板を捲回してなる円筒コアを含めて、異種材料による
筒状コアを混在させて、広帯域な飽和磁気特性を有する
多連筒状コアを構成する。さらに、多連筒状コアに2本
または3本の導線を連続して挿通させて、2相または3
相電源用のチョークコイルを構成する。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電源と負荷装置の
間に挿入され、電源から負荷装置へ伝播するノイズ、ま
た負荷装置から電源へ伝播するノイズを低減するライン
フィルタなどに用いられる閉磁路コアおよび、それを用
いたチョークコイルに関するものである。
間に挿入され、電源から負荷装置へ伝播するノイズ、ま
た負荷装置から電源へ伝播するノイズを低減するライン
フィルタなどに用いられる閉磁路コアおよび、それを用
いたチョークコイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、低背化の影響により
ラインフィルタも同じく小型化低背化の要求が強まって
いるが、図14の3相電源用ラインフィルタの回路図に
示す従来のチョークコイルは、図2に示すリングコアの
形状がネックとなり、特に低背化が困難であった。
ラインフィルタも同じく小型化低背化の要求が強まって
いるが、図14の3相電源用ラインフィルタの回路図に
示す従来のチョークコイルは、図2に示すリングコアの
形状がネックとなり、特に低背化が困難であった。
【0003】従来のラインフィルタ用チョークコイル
は、磁性金属薄帯を捲回したリングコアや、マンガン、
亜鉛(Mn,Zn)フェライトを燒結したリングコア
に、通電電流に応じた太さの線材で捲き線を施してライ
ンフィルタ用チョークコイルを形成していた。
は、磁性金属薄帯を捲回したリングコアや、マンガン、
亜鉛(Mn,Zn)フェライトを燒結したリングコア
に、通電電流に応じた太さの線材で捲き線を施してライ
ンフィルタ用チョークコイルを形成していた。
【0004】周囲に捲回されるコイル導線に電流容量の
小さいものには撚り線が用いられ、電流容量の大きいも
のには、交流磁界による渦電流損失を低減するため,ま
た捲き線の作業性を向上させるため、絶縁された単線を
並列にした複線や、太い丸線が用いられている。
小さいものには撚り線が用いられ、電流容量の大きいも
のには、交流磁界による渦電流損失を低減するため,ま
た捲き線の作業性を向上させるため、絶縁された単線を
並列にした複線や、太い丸線が用いられている。
【0005】形状は、積層珪素鋼板の場合はEIコアや
CCコアが、またフェライトコアの場合はリングコアな
どのブロック状の閉磁路コアが用いられていた。 ライ
ンフィルタ用チョークコイルは、直流重畳する場合も磁
気飽和することなく要求される電力を伝送するために、
コアの材質による所定の磁路断面積が必要であり、コア
断面の厚みを薄くすると、それだけ横幅を広げる必要が
ある。
CCコアが、またフェライトコアの場合はリングコアな
どのブロック状の閉磁路コアが用いられていた。 ライ
ンフィルタ用チョークコイルは、直流重畳する場合も磁
気飽和することなく要求される電力を伝送するために、
コアの材質による所定の磁路断面積が必要であり、コア
断面の厚みを薄くすると、それだけ横幅を広げる必要が
ある。
【0006】このため、図13に示す2相電源用ライン
フィルタのチョークコイルは、図3に示すようにリング
コア形状を薄くすると、基板への搭載面積が大きくな
り、薄いコアに形成しようとすると積層珪素鋼板などの
コアの場合は、変則的な形状の打ち抜きシートとなるた
め、材料歩留まりが低下し不経済であり、 フェライト
コアの場合は、薄くて大きいコアとなるため、コア焼成
時の焼き歪みによる反りの発生や、割れ易いなどの問題
が生じて薄型化は困難であった。
フィルタのチョークコイルは、図3に示すようにリング
コア形状を薄くすると、基板への搭載面積が大きくな
り、薄いコアに形成しようとすると積層珪素鋼板などの
コアの場合は、変則的な形状の打ち抜きシートとなるた
め、材料歩留まりが低下し不経済であり、 フェライト
コアの場合は、薄くて大きいコアとなるため、コア焼成
時の焼き歪みによる反りの発生や、割れ易いなどの問題
が生じて薄型化は困難であった。
【0007】従来のラインフィルタ用チョークコイル
は、前述のブロック状のコアに、単相用は2個、3相用
は3個のコイルを、コモンモードコイルを形成する場合
は同一方向に捲き線し、また、ノーマルモードコイルを
形成する場合は、単相用は逆方向に捲き線し、3相用は
個別コイルを3個用いてラインフィルタを構成してい
た。
は、前述のブロック状のコアに、単相用は2個、3相用
は3個のコイルを、コモンモードコイルを形成する場合
は同一方向に捲き線し、また、ノーマルモードコイルを
形成する場合は、単相用は逆方向に捲き線し、3相用は
個別コイルを3個用いてラインフィルタを構成してい
た。
【0008】EIコアや、CCコアをもちいる場合は、
予めボビンに捲き線しておき、分割されたコアを挿入し
てから1体に接合させるため、接合面の平滑度が要求さ
れる。最初から閉磁路を形成するリングコアへの捲き線
は、1ターンずつリングの内径を通過させて捲くため、
特に捲き数の多いコイルは捲き線作業が煩雑であり工数
が懸かっていた。
予めボビンに捲き線しておき、分割されたコアを挿入し
てから1体に接合させるため、接合面の平滑度が要求さ
れる。最初から閉磁路を形成するリングコアへの捲き線
は、1ターンずつリングの内径を通過させて捲くため、
特に捲き数の多いコイルは捲き線作業が煩雑であり工数
が懸かっていた。
【0009】また、電流容量の大きいコイルの線材は、
太く硬くなるため捲き線が困難になり、平角線を捲く場
合は、特願平10−303172に開示されているよう
に、予め平角線を、リングコアの外径より1回り大きい
内径のソレノイド捲きしておき、それをリングコアに捲
き移すことを図12に示すように行っていた。このた
め、リングコアと平角線との間隙が大きく、大型なトロ
イダルコイルとなっていた。さらに、製品を廃棄処分す
る場合、捲回されたコイル銅線をコアと分離する作業が
煩雑であった。
太く硬くなるため捲き線が困難になり、平角線を捲く場
合は、特願平10−303172に開示されているよう
に、予め平角線を、リングコアの外径より1回り大きい
内径のソレノイド捲きしておき、それをリングコアに捲
き移すことを図12に示すように行っていた。このた
め、リングコアと平角線との間隙が大きく、大型なトロ
イダルコイルとなっていた。さらに、製品を廃棄処分す
る場合、捲回されたコイル銅線をコアと分離する作業が
煩雑であった。
【0010】珪素鋼板は、透磁率は大きいが周波数特性
が高周波領域まで伸びていないため、数10KHz以上
の周波数帯域では使用できない。また、フェライトは、
飽和磁束密度があまり大きくないため、直流重畳がある
場合に磁気飽和し易いので大電流用はコア断面積を大き
くせざるを得ず、前記したように厚みを薄くするとかな
りの搭載基板面積を必要とする大型ラインフィルタにな
らざるを得なかった。
が高周波領域まで伸びていないため、数10KHz以上
の周波数帯域では使用できない。また、フェライトは、
飽和磁束密度があまり大きくないため、直流重畳がある
場合に磁気飽和し易いので大電流用はコア断面積を大き
くせざるを得ず、前記したように厚みを薄くするとかな
りの搭載基板面積を必要とする大型ラインフィルタにな
らざるを得なかった。
【0011】コアの飽和磁束密度が低く磁気飽和する場
合は、閉磁路コアの外郭に間隙を設けて1部を開磁路と
した半閉磁路コアとして、磁気飽和を回避することが行
われているが、透磁率が低下するために捲き数を増やさ
ねばならず、いずれにしろ大型な閉磁路コアとなってい
た。
合は、閉磁路コアの外郭に間隙を設けて1部を開磁路と
した半閉磁路コアとして、磁気飽和を回避することが行
われているが、透磁率が低下するために捲き数を増やさ
ねばならず、いずれにしろ大型な閉磁路コアとなってい
た。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のラインフィルタ
用チョークコイルにおけるブロック状閉磁路コアの高さ
よりさらに低背化し、また、積層珪素鋼板などの場合の
材料歩留まりの低下をなくし、さらにフェライトコアの
場合の割れ易くなる問題を解消して、ラインフィルタ用
チョークコイルの薄型化を容易にすることである。
用チョークコイルにおけるブロック状閉磁路コアの高さ
よりさらに低背化し、また、積層珪素鋼板などの場合の
材料歩留まりの低下をなくし、さらにフェライトコアの
場合の割れ易くなる問題を解消して、ラインフィルタ用
チョークコイルの薄型化を容易にすることである。
【0013】同時に、リングコアに1ターンずつ捲回す
る煩わしさを無くして、コイル形成を容易にし、薄型の
単相用および3相用のラインフィルタ用チョークコイル
を構成することである。ひいては、製品を廃棄処分する
場合、コイル銅線をコアと分離する作業が煩雑であった
が、このような作業を容易にすることである。さらに、
従来の材質で必要とした磁路断面積より、さらに小さな
磁路断面積の小さいコアを形成した閉磁路コアを提供す
ることである。
る煩わしさを無くして、コイル形成を容易にし、薄型の
単相用および3相用のラインフィルタ用チョークコイル
を構成することである。ひいては、製品を廃棄処分する
場合、コイル銅線をコアと分離する作業が煩雑であった
が、このような作業を容易にすることである。さらに、
従来の材質で必要とした磁路断面積より、さらに小さな
磁路断面積の小さいコアを形成した閉磁路コアを提供す
ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、閉磁路コ
アにおいて、軸方向に中空部を有する3個以上の筒状磁
性体コアが図1に示すように、並列に並べられたことを
特徴とする多連筒状コアである。従来のラインフィルタ
用チョークコイルにおけるブロック状のコアでなく、複
数の筒状のコアにラインフィルタ用チョークコイルのコ
アとしての機能を分散させ、図7に示すように複数の筒
状コアを連続して挿通する捲き線でループを形成して、
全体として1個のチョークコイルとして機能させる。2
個のコアを並べてチョークコイルを形成すると、図3に
示すような薄型化して磁路断面積の一定な1個のコアに
巻線した場合と比較して、厚みと占有面積において大差
ないが、3個以上のコアを並べると有利になる。
アにおいて、軸方向に中空部を有する3個以上の筒状磁
性体コアが図1に示すように、並列に並べられたことを
特徴とする多連筒状コアである。従来のラインフィルタ
用チョークコイルにおけるブロック状のコアでなく、複
数の筒状のコアにラインフィルタ用チョークコイルのコ
アとしての機能を分散させ、図7に示すように複数の筒
状コアを連続して挿通する捲き線でループを形成して、
全体として1個のチョークコイルとして機能させる。2
個のコアを並べてチョークコイルを形成すると、図3に
示すような薄型化して磁路断面積の一定な1個のコアに
巻線した場合と比較して、厚みと占有面積において大差
ないが、3個以上のコアを並べると有利になる。
【0015】筒状コアは、フェライトの場合の外形また
は内形は、角形や円形のどちらの形状も造り易く、複数
の角形筒状コアが並列して1体化した多連のコアも形成
できる。磁性合金薄帯を用いる場合は、中空の角板や円
板に打ち抜いて積層することもできるが,長い筒状コア
を形成する場合は、円筒状に捲回する方が造り易い。ま
た、円筒状に捲回したコアの角部は、バリ取りをして丸
めておくか、エポキシ樹脂などに浸漬して薄くコーティ
ングし、捲き線の絶縁皮膜を損傷しないようにしておく
ことが望ましい。
は内形は、角形や円形のどちらの形状も造り易く、複数
の角形筒状コアが並列して1体化した多連のコアも形成
できる。磁性合金薄帯を用いる場合は、中空の角板や円
板に打ち抜いて積層することもできるが,長い筒状コア
を形成する場合は、円筒状に捲回する方が造り易い。ま
た、円筒状に捲回したコアの角部は、バリ取りをして丸
めておくか、エポキシ樹脂などに浸漬して薄くコーティ
ングし、捲き線の絶縁皮膜を損傷しないようにしておく
ことが望ましい。
【0016】筒状コアの内形の形状および寸法は、挿通
する導線の断面形状および本数で決まり、磁路断面積は
直流電流が重畳する場合に重要であり、コア材質による
磁気飽和特性より決定する。コア断面積が大きくなりす
ぎる場合は、コアの軸と平行に間隙を設けて間隙の幅で
磁気飽和特性を制御する。筒状コアの内径と必要とする
磁路断面積より、コア断面の外形寸法および全長が決定
される。
する導線の断面形状および本数で決まり、磁路断面積は
直流電流が重畳する場合に重要であり、コア材質による
磁気飽和特性より決定する。コア断面積が大きくなりす
ぎる場合は、コアの軸と平行に間隙を設けて間隙の幅で
磁気飽和特性を制御する。筒状コアの内径と必要とする
磁路断面積より、コア断面の外形寸法および全長が決定
される。
【0017】ラインフィルタの厚み(高さ)は、前記ラ
インフィルタ用チョークコイルの高さ、あるいは同一基
板に搭載してラインフィルタを構成するコンデンサの高
さで決まるが、通常コンデンサの形状は、従来のチョー
クコイルに比較して充分低背にできる。
インフィルタ用チョークコイルの高さ、あるいは同一基
板に搭載してラインフィルタを構成するコンデンサの高
さで決まるが、通常コンデンサの形状は、従来のチョー
クコイルに比較して充分低背にできる。
【0018】第2の発明は、前記の多連筒状コアにおい
て、並列に並べられた複数の円筒状コアが、通気孔を備
えた金属板に保持されたことを特徴とする多連筒状コア
である。波板状の表面積の大きい、また複数の筒状コア
に接触面積の大きい金属板を該複数のコアに当接させて
保持することで、コアの発熱が金属板に伝熱され熱放散
を容易にすることができる。さらに、図4のように円筒
コアを保持する場合は、各コア中間部の金属板の個所を
プレス加工して折り曲げてコアとの接触面積を広げ、併
せて通気孔を設けることがこのましい。
て、並列に並べられた複数の円筒状コアが、通気孔を備
えた金属板に保持されたことを特徴とする多連筒状コア
である。波板状の表面積の大きい、また複数の筒状コア
に接触面積の大きい金属板を該複数のコアに当接させて
保持することで、コアの発熱が金属板に伝熱され熱放散
を容易にすることができる。さらに、図4のように円筒
コアを保持する場合は、各コア中間部の金属板の個所を
プレス加工して折り曲げてコアとの接触面積を広げ、併
せて通気孔を設けることがこのましい。
【0019】第3の発明は、前記の多連筒状コアにおい
て、異種材料による筒状コアが混在したことを特徴とす
る多連筒状コアである。例えば、図5に示すように低周
波特性に優れる磁性鋼板による筒状コアと、高周波特性
に優れるフェライトによる筒状コアを組み合わせて多連
筒状コアを構成することで、単一材料による多連筒状コ
アよりも広帯域にわたりインダクタンス値が得られる。
て、異種材料による筒状コアが混在したことを特徴とす
る多連筒状コアである。例えば、図5に示すように低周
波特性に優れる磁性鋼板による筒状コアと、高周波特性
に優れるフェライトによる筒状コアを組み合わせて多連
筒状コアを構成することで、単一材料による多連筒状コ
アよりも広帯域にわたりインダクタンス値が得られる。
【0020】第4の発明は、前記の多連筒状コアにおい
て、非晶質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなる円
筒コアが、1個以上用いられたことを特徴とする多連筒
状コアである。図8のB−H特性図に示すように、非晶
質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなるコアを用い
た場合、従来のマンガン亜鉛(Mn、Zn)系フェライ
トコアにくらべて、飽和磁束密度が高く透磁率も大きい
ので磁路断面積の小さい、小型なコアが形成できる。ま
た非晶質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなるコア
は、同一の厚みの珪素鋼板に比較して、透磁率およびQ
特性の周波数特性が高周波まで伸びているので高周波チ
ョークコイルのコア材料に適している。
て、非晶質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなる円
筒コアが、1個以上用いられたことを特徴とする多連筒
状コアである。図8のB−H特性図に示すように、非晶
質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなるコアを用い
た場合、従来のマンガン亜鉛(Mn、Zn)系フェライ
トコアにくらべて、飽和磁束密度が高く透磁率も大きい
ので磁路断面積の小さい、小型なコアが形成できる。ま
た非晶質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなるコア
は、同一の厚みの珪素鋼板に比較して、透磁率およびQ
特性の周波数特性が高周波まで伸びているので高周波チ
ョークコイルのコア材料に適している。
【0021】第5の発明は、前記の多連筒状コアにおい
て、前記並列に並べられた複数の筒状コア内部に導線が
挿通されて巻線を形成していることを特徴とするチョー
クコイルである。単相ラインフィルタ用チョークコイル
の形成は、図7および図10に示すように、2本の導線
を複数の筒状コアに連続して挿通させ、2本の導線の同
一側端部をそれぞれ入力、あるいは出力端子とするとコ
モンモードコイルとなり、2本の導線の異なる側の端部
をそれぞれ入力、あるいは出力端子とするとノーマルモ
ードコイルとなる。 3相ラインフィルタ用チョークコ
イルの形成は、図11に示すように、3本の導線を複数
の筒状コアに連続して挿通させ、3本の導線の同一側端
部をそれぞれ入力、あるいは出力端子としてコモンモー
ドコイルが構成される。このとき、導線に識別色付の複
線を用い、入力側と出力側の端子で、同一導線の判別を
し易くすることが好ましい。
て、前記並列に並べられた複数の筒状コア内部に導線が
挿通されて巻線を形成していることを特徴とするチョー
クコイルである。単相ラインフィルタ用チョークコイル
の形成は、図7および図10に示すように、2本の導線
を複数の筒状コアに連続して挿通させ、2本の導線の同
一側端部をそれぞれ入力、あるいは出力端子とするとコ
モンモードコイルとなり、2本の導線の異なる側の端部
をそれぞれ入力、あるいは出力端子とするとノーマルモ
ードコイルとなる。 3相ラインフィルタ用チョークコ
イルの形成は、図11に示すように、3本の導線を複数
の筒状コアに連続して挿通させ、3本の導線の同一側端
部をそれぞれ入力、あるいは出力端子としてコモンモー
ドコイルが構成される。このとき、導線に識別色付の複
線を用い、入力側と出力側の端子で、同一導線の判別を
し易くすることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】フェライトを燒結して、角筒状あ
るいは円筒状のコアを形成して並列させ、あるいは図6
に示すように多連のコアを1体燒結して形成する。磁性
鋼板を捲回したコアを並べて、あるいはコアの内径に相
当する横並びの窓状の中抜きした磁性鋼板を、厚み方向
に積み重ねて図6の形状に同等な多連コアを形成するこ
とができる。
るいは円筒状のコアを形成して並列させ、あるいは図6
に示すように多連のコアを1体燒結して形成する。磁性
鋼板を捲回したコアを並べて、あるいはコアの内径に相
当する横並びの窓状の中抜きした磁性鋼板を、厚み方向
に積み重ねて図6の形状に同等な多連コアを形成するこ
とができる。
【0023】筒状コアの内径の形状および寸法は、挿通
する導線の断面形状および本数で決まり、磁路断面積は
通過する電流値とコア材質による磁気飽和特性より決定
する。複数の筒状コア長さの総和は、要求されるインダ
クタンス値に応じてコアの実効透磁率および捲き数より
決定し、個々の筒状コアの長さと個数は、それを搭載す
る基板の形状に基いて筒状コアの配列を考えて決定す
る。
する導線の断面形状および本数で決まり、磁路断面積は
通過する電流値とコア材質による磁気飽和特性より決定
する。複数の筒状コア長さの総和は、要求されるインダ
クタンス値に応じてコアの実効透磁率および捲き数より
決定し、個々の筒状コアの長さと個数は、それを搭載す
る基板の形状に基いて筒状コアの配列を考えて決定す
る。
【0024】複数の前記筒状コアに、単相ラインフィル
タ用チョークコイルの場合は2本の導線を、3相ライン
フィルタ用チョークコイルの場合は3本の導線を挿通さ
せ、コモンモードコイルを形成する場合は、電流方向が
同一となるようにフィルタ回路を構成する。単相ライン
フィルタ用チョークコイルでノーマルモードコイルを形
成する場合は、2本の導線を流れる電流が逆方向になる
ようにフィルタ回路を構成し、3相ラインフィルタ用チ
ョークコイルのノーマルモードコイルを形成する場合
は、筒状コアに1本の導線を挿通させた個別のチョーク
コイルを3個用いてフィルタ回路を構成する。
タ用チョークコイルの場合は2本の導線を、3相ライン
フィルタ用チョークコイルの場合は3本の導線を挿通さ
せ、コモンモードコイルを形成する場合は、電流方向が
同一となるようにフィルタ回路を構成する。単相ライン
フィルタ用チョークコイルでノーマルモードコイルを形
成する場合は、2本の導線を流れる電流が逆方向になる
ようにフィルタ回路を構成し、3相ラインフィルタ用チ
ョークコイルのノーマルモードコイルを形成する場合
は、筒状コアに1本の導線を挿通させた個別のチョーク
コイルを3個用いてフィルタ回路を構成する。
【0025】前記筒状コアに、非晶質超微細結晶磁性合
金薄板を捲回した円筒コアを用いてラインフィルタ用チ
ョークコイルを構成することで、数10MHzまでの高
周波コイルが小型に形成できる。さらに通電電流値の大
きい場合は、非晶質超微細結晶磁性合金薄板を捲回した
円筒コアに間隙を設けた、図9に示すエアギャップ付の
半閉磁路コアを用いてチョークコイルを構成する。
金薄板を捲回した円筒コアを用いてラインフィルタ用チ
ョークコイルを構成することで、数10MHzまでの高
周波コイルが小型に形成できる。さらに通電電流値の大
きい場合は、非晶質超微細結晶磁性合金薄板を捲回した
円筒コアに間隙を設けた、図9に示すエアギャップ付の
半閉磁路コアを用いてチョークコイルを構成する。
【0026】非晶質超微細結晶磁性合金薄帯を捲回した
筒状コアは、エポキシ樹脂などで層間を接着固定し、回
転刃で間隙を入れて図9に示す間隙を設ける。このと
き、間隙の幅あるいは深さを変えることで、飽和磁束密
度および実効透磁率が制御できる。これにより、コアの
高さを1定に押さえて磁路断面積を決定し、電気的特性
を間隙の幅あるいは深さで調整して合わせることで、ラ
インフィルタ用チョークコイルが構成できる。
筒状コアは、エポキシ樹脂などで層間を接着固定し、回
転刃で間隙を入れて図9に示す間隙を設ける。このと
き、間隙の幅あるいは深さを変えることで、飽和磁束密
度および実効透磁率が制御できる。これにより、コアの
高さを1定に押さえて磁路断面積を決定し、電気的特性
を間隙の幅あるいは深さで調整して合わせることで、ラ
インフィルタ用チョークコイルが構成できる。
【0027】
【実施例1】以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。厚さ20μm、幅33.5mmの非晶質
超微細結晶磁性合金薄帯(アルプス電気株式会社製;ナ
ノパーム)を捲回して、外径8.9mmΦ、内径4mm
Φ、幅33.5mmの円筒コアを形成し、熱収縮チュー
ブを被せて加熱収縮させ、外部を絶縁処理した円筒コア
2を形成した。つぎに、図1に示すように、マザーボー
ド取り付け穴8を備えた基板3上に、5個の前記筒状コ
アを並列させ金属板4で基板にネジ留め固定した。
して説明する。厚さ20μm、幅33.5mmの非晶質
超微細結晶磁性合金薄帯(アルプス電気株式会社製;ナ
ノパーム)を捲回して、外径8.9mmΦ、内径4mm
Φ、幅33.5mmの円筒コアを形成し、熱収縮チュー
ブを被せて加熱収縮させ、外部を絶縁処理した円筒コア
2を形成した。つぎに、図1に示すように、マザーボー
ド取り付け穴8を備えた基板3上に、5個の前記筒状コ
アを並列させ金属板4で基板にネジ留め固定した。
【0028】
【実施例2】実施例1で用いたのと同様の3個の円筒コ
アと、該コアの厚みと同一の外径の矩形マンガン亜鉛
(Mn,Zn)フェライトコアを1個並べて図5に示す
異種磁性材料の混在した多連筒状コアを構成した。
アと、該コアの厚みと同一の外径の矩形マンガン亜鉛
(Mn,Zn)フェライトコアを1個並べて図5に示す
異種磁性材料の混在した多連筒状コアを構成した。
【0029】
【実施例2】図6に示す4連フェライトコアと同様に、
Mn,Znフェライトの5連コアを成形して燒結させ、
図11に示すように3本の導線を5本のコア穴に連続し
て挿通させて、3相電源用のチョークコイルを構成し
た。
Mn,Znフェライトの5連コアを成形して燒結させ、
図11に示すように3本の導線を5本のコア穴に連続し
て挿通させて、3相電源用のチョークコイルを構成し
た。
【0030】
【発明の効果】従来の積層珪素鋼板などの場合の材料歩
留まり低下をなくし、さらにフェライトコアの場合の割
れ易くなる問題を解消して、ラインフィルタの薄型化が
容易にできる。 同時に、リングコアに捲き線する煩わ
しさを無くして、コイル形成を容易にし、薄型のチョー
クコイル用の閉磁路コアが構成できる。さらに、従来の
材質での磁気特性より優れた広帯域におよぶ磁気特性を
有する閉磁路コアを構成でき、チョークコイル構成のた
めの巻線作業を簡単にすることができる。
留まり低下をなくし、さらにフェライトコアの場合の割
れ易くなる問題を解消して、ラインフィルタの薄型化が
容易にできる。 同時に、リングコアに捲き線する煩わ
しさを無くして、コイル形成を容易にし、薄型のチョー
クコイル用の閉磁路コアが構成できる。さらに、従来の
材質での磁気特性より優れた広帯域におよぶ磁気特性を
有する閉磁路コアを構成でき、チョークコイル構成のた
めの巻線作業を簡単にすることができる。
【0031】
【図1】本発明の実施例1の多連コア組み立て図を示
す。
す。
【図2】従来の3相電源用チョークコイルの平面図と側
面図を示す。
面図を示す。
【図3】従来の2相電源よう薄型化されたチョークコイ
ルの平面図と断面図を示す。
ルの平面図と断面図を示す。
【図4】実施例2の多連コア組み立て図を示す。
【図5】異種磁性材料の混在した多連コア組み立て図を
示す。
示す。
【図6】1体化成形した多連コアを示す。
【図7】実施例1の2相電源用のコモンモ−ドチョーク
コイルを示す。
コイルを示す。
【図8】材質によるコアの磁気飽和特性を示す。
【図9】筒状コアに間隙を設けた状態を示す。
【図10】2相電源用のコモンモ−ドチョークコイルの
実施例を示す。
実施例を示す。
【図11】3相電源用のコモンモ−ドチョークコイルの
実施例を示す。
実施例を示す。
【図12】平角線をリングコアに捲き移す状態を示す。
【図13】2相電源用のラインフィルタの回路図を示
す。
す。
【図14】3相電源用のラインフィルタの回路図を示
す。
す。
1・・・・・導線 2・・・・・筒状コア 3・・・・・基板 4・・・・・金属板 5・・・・・リングコア 6・・・・・フェライトコア 7・・・・・通気孔 8・・・・・基板取り付け穴 9・・・・・1体成形フェライトコア 10・・・・開磁路形成の間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 37/00 H01F 15/00 C 27/24 B
Claims (5)
- 【請求項1】閉磁路コアにおいて、軸方向に中空部を有
する3個以上の筒状磁性体コアが並列に並べられたこと
を特徴とする多連筒状コア。 - 【請求項2】請求項1に記載の多連筒状コアにおいて、
前記並列に並べられた複数の筒状コアが、通気孔を備え
た金属板に保持されたことを特徴とする多連筒状コア。 - 【請求項3】請求項1および2のいずれかに記載の多連
筒状コアにおいて、異種材料による筒状コアが混在した
ことを特徴とする多連筒状コア。 - 【請求項4】請求項3に記載の多連筒状コアにおいて、
非晶質超微細結晶合金の磁性薄板を捲回してなる円筒コ
アが、1個以上用いられたことを特徴とする多連筒状コ
ア。 - 【請求項5】請求項1から4のいずれかに記載の多連筒
状コアにおいて、筒状コア内部に単数または複数の導線
が連続して挿通されて巻線を形成していることを特徴と
するチョークコイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000071062A JP2001257120A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | 多連筒状チョークコイル。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000071062A JP2001257120A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | 多連筒状チョークコイル。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001257120A true JP2001257120A (ja) | 2001-09-21 |
Family
ID=18589700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000071062A Pending JP2001257120A (ja) | 2000-03-09 | 2000-03-09 | 多連筒状チョークコイル。 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001257120A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003203814A (ja) * | 2001-10-24 | 2003-07-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | トランス |
JP2009188033A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトルの取付構造 |
JP2012094758A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Nichicon Corp | ノイズフィルタ |
CN109616305A (zh) * | 2018-11-27 | 2019-04-12 | 山东航天电子技术研究所 | 一种三相一体穿芯式电流互感器 |
JP7517143B2 (ja) | 2020-12-28 | 2024-07-17 | トヨタ自動車株式会社 | リアクトルユニット |
-
2000
- 2000-03-09 JP JP2000071062A patent/JP2001257120A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003203814A (ja) * | 2001-10-24 | 2003-07-18 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | トランス |
JP2009188033A (ja) * | 2008-02-04 | 2009-08-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトルの取付構造 |
JP2012094758A (ja) * | 2010-10-28 | 2012-05-17 | Nichicon Corp | ノイズフィルタ |
CN109616305A (zh) * | 2018-11-27 | 2019-04-12 | 山东航天电子技术研究所 | 一种三相一体穿芯式电流互感器 |
JP7517143B2 (ja) | 2020-12-28 | 2024-07-17 | トヨタ自動車株式会社 | リアクトルユニット |
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