JP2003007551A - コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

コイル部品及びその製造方法

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JP2003007551A
JP2003007551A JP2001185960A JP2001185960A JP2003007551A JP 2003007551 A JP2003007551 A JP 2003007551A JP 2001185960 A JP2001185960 A JP 2001185960A JP 2001185960 A JP2001185960 A JP 2001185960A JP 2003007551 A JP2003007551 A JP 2003007551A
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coil
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Kiichi Kikuchi
喜一 菊地
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 量産性と直流重畳特性に優れ、2端子或いは
3端子以上のコイル部品に適用できるコイル部品とその
製造方法を提供する。 【構成】 チョークコイル20は、棒状のフェライトコ
ア11と、前記フェライトコア11の外周面を被覆する
非磁性体層12と、前記フェライトコア11の外周面の
非磁性体層12の表面に所定間隔で巻回されたコイル状
の導線14と、前記導線14を埋設するとともに前記非
磁性体層12の外周を覆うフェライトからなる外被体1
3と、前記棒状のフェライトコア11の両端面側に露出
したコイル状導線14の両端部Tに接続された導電薄膜
からなる外部電極15と、を備える構造であり、非磁性
体層12による磁気回路のギャップにより直流重畳特性
が改善され、押し出し成形によるチップ状の2端子或い
は3端子以上のコイル部品の連続的な製造が可能であ
り、量産性、小型化に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に使
用されるチップ状のトランス、チョークコイル等のコイ
ル部品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図8の断面図に示される従来のチョーク
コイル等の2端子のチップ状のコイル部品10は、フェ
ライト粉末等の磁性体原料粉末と結合材を混練機にて混
練した混練材を直方体または円柱体に押し出し成形して
切断して焼成して成る磁性体棒1に銀線等の導線4を間
隔を空けて所定ピッチにて巻回してコイルを巻装し、さ
らにそのコイル周面を覆うように前記磁性体原料粉末と
結合材からなる混練材を再度外被体3として外装して焼
成し、さらに磁性体棒1の両端側に銀ペーストを塗布・
焼付してコア直付けの外部電極5、5を形成し、該外部
電極5、5を実装時の端子電極とする構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構造を備える従来
のコイル部品10では、図8の断面図に示されるよう
に、構造上、各巻回導線間の周りが磁性体にて囲まれて
いるので、完全に導線周りに周回状の磁気回路が形成さ
れて漏洩磁界がほとんど無いというメリットがあるもの
の、コイル部品としての直流重畳特性が十分に得られな
いという問題が残る。
【0004】即ち、上記のように磁気回路としてギャッ
プのないコイル部品10は、図9のL(インダクタン
ス)−I(電流)特性の定性的な性状を示すグラフに示
される特性曲線αのように、コイルに流す電流Iを大き
くしていくとインダクタンスLが飽和してしまうとい
う、特にチョークコイルとしては重要特性になる直流重
畳特性が十分に得られない難点があり、早急な改善が望
まれるのである。
【0005】本発明は、上記のような従来のチップ形の
コイル部品10の直流重畳特性を改善し、且つ2端子コ
イル部品のみならず3端子以上のコイル部品(多端子ト
ランス等)も簡単に製造できる量産性に優れたコイル部
品の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)棒状のフェライトコアと、前記フ
ェライトコアの外周面を被覆する非磁性体層と、前記フ
ェライトコアの外周面の非磁性体層の表面に所定間隔で
巻回された導線と、前記導線を埋設するとともに前記非
磁性体層の外周を覆うフェライトからなる外被体と、前
記棒状のフェライトコアの両端面側に露出した導線の両
端部に接続された導電薄膜からなる外部電極と、を備え
ることを特徴とするコイル部品を提供する。
【0007】(2)棒状の磁性粉含有樹脂コアと、前記
磁性粉含有樹脂コアの外周面を被覆する非磁性体層と、
前記磁性粉含有樹脂コアの外周面の非磁性体層の表面に
所定間隔で巻回された導線と、前記導線を埋設するとと
もに前記非磁性体層の外周を覆う磁性粉含有樹脂からな
る外被体と、前記棒状の磁性粉含有樹脂コアの両端面側
に露出した導線の両端部に接続された導電薄膜からなる
外部電極と、を備えることを特徴とするコイル部品を提
供する。
【0008】(3)上記(1)または(2)に記載のコ
イル部品において、前記非磁性体層の外周を覆う前記外
被体の一部に前記導線に到達する切り欠きが設けられる
とともに該切り欠きに充填された導電材を介して前記導
線の中間部と導電接続する第3の外部電極が前記外被体
上に形成されていることを特徴とするコイル部品を提供
する。
【0009】(4)フェライト原料粉末と結合材を含む
混練材の押し出し成形により棒状のフェライトコアを成
形し、該フェライトコアの外周面に非磁性体材の押し出
し成形により非磁性体層を被覆し、前記フェライトコア
の外周面の非磁性体層の表面に所定間隔で導線を巻回
し、前記巻回された導線を埋めるように前記非磁性体層
の外周に前記混練材を押し出し成形してフェライトから
なる外被体を形成した後、焼成して棒状の成形体とな
し、前記成形体の中心軸に対して垂直に所定長さに切断
してコイル本体を成形し、前記コイル本体の両端の切断
面に露出した前記導線の切断面に接続する導電薄膜をコ
イル本体の両端面に形成して外部電極としたことを特徴
とするコイル部品の製造方法を提供する。
【0010】(5)磁性粉と樹脂材を含む磁性粉含有樹
脂材の押し出し成形により棒状の磁性粉含有樹脂コアを
成形し、該磁性粉含有樹脂コアの外周面に非磁性体材の
押し出し成形により非磁性体層を被覆し、前記磁性粉含
有樹脂コアの外周面の非磁性体層の表面に所定間隔で導
線を巻回し、前記巻回された導線を埋めるように前記非
磁性体層の外周に前記磁性粉含有樹脂材を押し出し成形
して磁性粉含有樹脂からなる外被体を形成して棒状の成
形体となし、前記成形体の中心軸に対して垂直に所定長
さに切断してコイル本体を成形し、前記コイル本体の両
端の切断面に露出した前記導線の切断面に接続する導電
薄膜をコイル本体の両端面に形成して外部電極としたこ
とを特徴とするコイル部品の製造方法を提供する。
【0011】(6)上記(4)または(5)に記載のコ
イル部品の製造方法において、前記成形体またはコイル
本体における前記外被体の一部に前記導線に到達する切
り欠きを設け、該切り欠きを埋めるように導電材を前記
外被体上に塗布形成して前記導線の中間部と導電接続す
る第3の外部電極を形成することを特徴とするコイル部
品の製造方法を提供する。
【0012】なお、上記非磁性体層は外被体(磁性体)
と中心のフェライトコア(磁性体)との間に介在する磁
気回路のギャップとしての役割を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のコイル部品の実施の形態
を図面に基いて説明する。
【0014】図1は本発明の第1の実施の形態のコイル
部品例を示す(a)縦断面図と、(b)円形のA−A線
断面図、(c)角形のA−A線断面図である。図2は同
実施の形態における巻回された各導線回りの磁界の様子
を示す拡大断面図である。図3は第1の実施の形態のコ
イル部品の製造方法を説明する工程図である。図4は第
2の実施の形態のコイル部品例を示す(a)縦断面図
と、(b)A−A線断面図である。図5は第2の実施の
形態のコイル部品の製造方法を説明する工程図である。
図6は第3の実施の形態のコイル部品例を示す(a)縦
断面図と、(b)A−A線断面図である。図7は第3の
実施の形態のコイル部品の応用例を示す(a)縦断面図
と、(b)A−A線断面図である。
【0015】本発明のチップ形のコイル部品は、図1に
示される第1の実施の形態のチョークコイル20のよう
に、棒状のフェライトコア11と、前記フェライトコア
11の外周面を被覆する非磁性体層12と、前記フェラ
イトコア11の外周面の非磁性体層12の表面に所定間
隔で巻回されたコイル状の導線14と、前記コイル状の
導線14を埋設するとともに前記非磁性体層12の外周
を覆うフェライトからなる外被体13と、前記棒状のフ
ェライトコア11の両端面側に露出した導線14の両端
部に接続された導電薄膜からなる外部電極15と、を備
える構造である。
【0016】前記フェライトコア11と外被体13は例
えばNi−Zn系のフェライト粉末を結合材と混練して
成形・焼成されたものである。また、前記非磁性体層1
2は例えばセラミック粉末材またはガラス粉末材または
樹脂等からなり、焼成後の収縮による物理的応力を避け
るため可及的にフェライトコア11と同等の膨張係数の
ものを選択する。また、導線14は図1のように断面が
円形の銀線か、或いは断面が直方体形状の銀の平角線で
ある。前記外部電極15は銀ペースト、銅ペースト等を
塗布・乾燥させたものに被着した錫メッキ層等から成
る。
【0017】なお、外部電極15を形成する前の棒状の
フェライトコア11の両端面側に露出した導線14の両
端部Tは、図1の(b)の断面図のように広い断面積が
現れている。これは、長く成形されたフェライトコア1
1に巻回された導線14を外被体13とともに焼成して
コイル部品として所定の長さに長さ方向に直角に切断し
てチップ状としたものであり、所謂金太郎飴が何処で切
っても同じ顔が現れるように、何処で切断してもその切
り口断面には巻回された導線を斜めに切断した広い切り
口が現れることによる。
【0018】この点、上記コイル状の導線14の巻回ピ
ッチに反比例してその断面積が変わり、ピッチが狭いと
より広い断面積の端部Tが現れる。したがって、外部電
極15と導線14の端部Tとの導電接続面積が広く取
れ、接触抵抗が小さくなって有効電流密度を高くできる
(即ち、大電流を導線14に流せる)ことから、隣り合
う導線同士が接触しないようにしつつ可及的に巻回ピッ
チを狭く密に巻回するのが好ましい。また、外被体13
を薄くすれば大電流を流すに重要な放熱性を良くするこ
とが可能である。
【0019】上記チョークコイル20のような構造を備
えるコイル部品では、導線14の各巻回された導線回り
には図2に示されるような磁界(破線で示される磁力
性)が生起しているが、前記非磁性体層12が導線14
回りの磁気回路のギャップとなっており、適宜この非磁
性体層12の厚さを調整することで、図9の定性的な性
状を示すL−I特性グラフに示される特性曲線βのよう
に電流が流れても飽和しにくく、従来のコイル部品の特
性曲線αに比して直流重畳特性が改善されるのである。
【0020】次に、上記チョークコイル20の製造方法
を説明すると、図3の工程図(上から下へのフロー)に
おいて、第1に、Ni−Zn系フェライト粉末等の磁性
粉末Sとグリセリン・セルロースの結合材Bを混練機2
1にて混練してその混練材22を第1の押し出し成形機
23に供給して押し出し成形により棒状のフェライトコ
ア11を成形して乾燥(図示略)させた後、第2に、該
フェライトコア11の外周面にアルミナ等のセラミック
粉末材またはガラス粉末材またはエポキシ樹脂等の熱硬
化性樹脂材からなる非磁性体材Nを第2の押し出し成形
機25に供給して押し出し成形により非磁性体層12を
被覆し、第3に、前記フェライトコア11の外周面の非
磁性体層12の表面に所定間隔で導線14を巻線機26
にて巻回し、第4に、前記巻回された導線14を埋める
ように前記非磁性体層12の外周に前記混練材22を再
度第3の押し出し成形機27に供給して押し出し成形し
てフェライトからなる外被体13を形成して乾燥(図示
略)させ、第5に、電気焼成炉28を通して全体を焼成
して棒状の成形体29となし、第6に、前記成形体29
の中心軸に対して垂直に所定長さに切断してコイル本体
30を成形する切断工程31と、第7に、前記コイル本
体30の両端の切断面に露出した前記導線14の切断面
に接続する銀または銀−白金等の導電薄膜をコイル本体
30の両端面に形成して外部電極15とし、導線14の
切断面と導電接続する外部電極形成・導線接続工程32
を経て完成する。
【0021】上記製造方法は、フェライトコア11の押
し出し成形から始まり切断工程31に至るまで一連の押
し出し成形の工程が連続して行われるので、人手作業を
省いた自動化が可能である。
【0022】次に、図4に示される本発明の第2の実施
の形態のコイル部品としてのチョークコイル40を説明
する。なお、前述のチョークコイル20と同等部材につ
いては同符号にて示す。
【0023】図4において、チョークコイル40は、棒
状の磁性粉含有樹脂コア34と、前記磁性粉含有樹脂コ
ア34の外周面を被覆する非磁性体層12と、前記磁性
粉含有樹脂コア34の外周面の非磁性体層12の表面に
所定間隔で巻回された導線14と、前記導線14を埋設
するとともに前記非磁性体層12の外周を覆う磁性粉含
有樹脂材からなる外被体33と、前記棒状の磁性粉含有
樹脂コア34の両端面側に露出した導線14の両端部に
接続された導電薄膜からなる外部電極15と、を備える
構造である。
【0024】前述の第1の実施の形態のチョークコイル
20との相違点は、チョークコイル20がフェライトコ
ア11と外被体13にフェライト原料粉末等の磁性粉末
Sと結合材Bを混練した混練材22を素材としているの
に対して、チョークコイル40はそれに代えて、磁性粉
含有樹脂材37を素材としている点である。この、磁性
粉含有樹脂材37としては、例えばエポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂の樹脂材Pに対してNi−Zn系フェライ
ト原料粉末等の磁性粉末Sを50〜95wt%の割合で
混合したものを用いる。
【0025】上記構造のチョークコイル40の特長は、
チョークコイル20の特長に加えて、インダクタンス値
はチョークコイル20よりも減少するものの、物理強度
が比較的高く小型化に適すること、焼成しないで製造で
きることから焼成に伴う磁性材料の収縮に起因する種々
の問題が回避される利点が存することである。
【0026】次に、上記チョークコイル40の製造方法
を説明すると、図5の工程図(上から下へのフロー)に
おいて、第1に、Ni−Zn系フェライト粉末等の磁性
粉Sとエポキシ樹脂等の樹脂材Pを含む磁性粉含有樹脂
材37の第1の押し出し成形機23による押し出し成形
により棒状の磁性粉含有樹脂コア34を成形し、第2
に、該磁性粉含有樹脂コア34の外周面にアルミナ等の
セラミック粉末材またはガラス粉末材またはエポキシ樹
脂等の熱硬化性樹脂材からなる非磁性体材Nの第2の押
し出し成形機25による押し出し成形により非磁性体層
12を被覆し、第3に、前記磁性粉含有樹脂コア34の
外周面の非磁性体層12の表面に所定間隔で導線14を
巻線機26にて巻回し、第4に、前記巻回された導線1
4を埋めるように前記非磁性体層12の外周に前記磁性
粉含有樹脂材37を押し出し成形して磁性粉含有樹脂材
からなる外被体33を形成して棒状の成形体35となし
て乾燥させ、第5に、前記成形体35の中心軸に対して
垂直に所定長さに切断してコイル本体36を成形し、第
6に、前記コイル本体36の両端の切断面に露出した前
記導線14の切断面に接続する銀または銀−パラジウム
等の導電薄膜をコイル本体36の両端面に形成して外部
電極15とし、導線14の切断面と導電接続する外部電
極形成・導線接続工程32を経て完成する。
【0027】上記製造方法も前例と同様に、磁性粉含有
樹脂コア34の押し出し成形から始まり切断工程31に
至るまで一連の押し出し成形の工程が連続して行われる
ので、自動化が可能であることは言うまでもない。
【0028】以上のコイル部品とその製造方法はコイル
本体30、36の両端面に外部電極15を備えるチョー
クコイル等の2端子コイル部品が対象であったが、ほぼ
同様の製造方法にて共通ピンを有するトランス等の3端
子以上のコイル部品も製造可能である。以下、本発明に
係る3端子コイル部品について説明する。
【0029】図6は第3の実施の形態の3端子のコイル
部品のトランス50を示す(a)縦断面図と、(b)A
−A線断面図であり、前記第1の実施の形態または第2
の実施の形態のコイル本体30または36において、前
記非磁性体層12の外周を覆う前記外被体13または3
3の一部に前記導線14に到達する切り欠き41が設け
られるとともに該切り欠き41に充填された導電材を介
して前記導線14の中間部と導電接続する第3の外部電
極45が前記外被体13または33上に形成されている
構造である。上記切り欠き41としては、溝や穴、貫通
孔等の形態が選択でき、位置は一面のみや角部、周回す
るもの等、接触点も一箇所に限らず複数箇所であっても
よい。
【0030】上記トランス50の製造方法は、前述の図
3または図5に記載のチョークコイル20または40の
製造方法における外被体13または33の形成までは同
じ工程を経て、切断工程31の前または後に付加的に外
被体13または33の一部に導線14に到達する切り欠
き41を設け、次に最終の外部電極形成・導線接続工程
32において、前記切り欠き41に充填された導電材を
介してコイル状の導線14と導電接続する導電材を前記
外被体上に塗布形成するだけである。
【0031】なお、上記切り欠き41の幅及び深さは導
線14の一箇所以上に到達するようにすることが生産効
率の点で好ましい。
【0032】ところで、上記トランス50の構造におけ
るコアは特性向上のために棒状のフェライトコア11も
しくは磁性粉含有樹脂コア34という磁性体コアとして
いるが、取得特性の狙いによってはこれをアルミナ等か
らなる非磁性体コアで構成してもよい。例えば図7の
(a)、(b)に示されるトランス60は第3の実施の
形態の応用例のコイル部品の構造を示す断面図である
が、棒状のアルミナ等の非磁性体コア51の外周表面に
所定間隔で巻回された導線14と、前記導線14を埋め
るように外周を覆うフェライトからなる外被体13もし
くは磁性粉含有樹脂材からなる外被体33と、前記棒状
の非磁性体コア51の両端面側に露出した導線14の両
端部に接続された導電薄膜からなる外部電極15と、を
備え、さらに前記外被体13または33の一部に前記導
線14に到達する切り欠き41が設けられるとともに該
切り欠き41に充填された導電材を介して前記導線14
の中間部と導電接続する第3の外部電極45が前記外被
体13または33上に形成されている構造である。この
トランス60の構造では、中心の非磁性体コア51が磁
気回路におけるギャップを構成することになり、L−I
特性は図9に示される特性曲線γのように磁性体の外被
体13、33のコイル部品の特性曲線βよりも低い特性
となるが、このような特性のコイル部品も現実の需要に
応えるものとして有用である。
【0033】なお、上記トランス60の製造方法は、前
述のトランス50の製造方法における始めの磁性粉含有
樹脂コア34の押し出し成形に代えてアルミナ等の非磁
性体材料を原料として混練りしてコアを押し出し成形す
る他は同様である。
【0034】以上、詳述したように、本発明のコイル部
品の製造方法は2端子コイル部品、3端子以上のコイル
部品の量産性に優れ、製造されたコイル部品はシールド
タイプのため磁界の影響を他に与えないし他からの影響
も受けない。また、導線14と外部電極15との接触面
積(=導線14の露出した端部Tの切断面の面積)が大
きいので有効電流密度を高くでき、且つ導線14からの
発熱を覆われた外被体13または33に理想的に放熱で
きるため、磁性体のキュリー温度まで導線14の温度上
昇を許容できることになる。
【0035】また、本発明は非磁性体層により導線の巻
回状態や導線径に左右されることなくバラツキのない均
一なギャップを形成することができる。特にその効果は
非磁性体層の厚みが導線径以下のときに顕著である。
【0036】なお、上記実施の形態では円柱状または角
柱状のコイル部品を図面に表して説明したが、その断面
形状は円形、正方形に限らず、例えば長方形、楕円形、
長円等の偏平形状にすれば低背なコイル部品とすること
ができることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】本発明に係るコイル部品及びその製造方
法は上記のような構成のため、以下の優れた効果を有す
る。 (1)請求項1、請求項2、請求項3のコイル部品は、
コア外周の非磁性体層が磁気回路におけるギャップを構
成しているので、直流重畳特性が向上する。 (2)請求項1、請求項2、請求項3のコイル部品は、
磁性体の外被体でコイル状の導線を囲んでいるので、コ
イルの外部への磁束の洩れが少ない。 (3)請求項1、請求項2、請求項3のコイル部品は、
導線と外部電極との導電接触面積が大きいので導線の有
効電流密度を高くでき、コイルに大電流が流せる。 (4)請求項1、請求項2、請求項3のコイル部品は、
コイル状の導線の発熱を外被体を通して部品の表面に熱
伝導するので、放熱性に優れる。 (3)請求項1、請求項2、請求項3のコイル部品は、
小型化に適応し、量産性に適した構造である。 (5)請求項4、請求項5、請求項6のコイル部品の製
造方法では、連続した押し出し成形に基づいて人手作業
に殆ど依拠せずにコイル部品が製造可能なので、小型化
に適応し、且つ量産性に優れ、コイル部品の低コスト化
が可能である。 (6)請求項5のコイル部品の製造方法では、焼成しな
いで製造できることから焼成に伴う磁性材料の収縮に起
因する問題が回避される。 (7)請求項6のコイル部品の製造方法では、3端子以
上のコイル部品(トランス等)が容易に製造可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のコイル部品を示す
(a)縦断面図と、(b)A−A線断面図である。
【図2】同実施の形態における巻回された各導線回りの
磁界の様子を示す拡大断面図である。
【図3】第1の実施の形態のコイル部品の製造方法を説
明する工程図である。
【図4】第2の実施の形態のコイル部品を示す(a)縦
断面図と、(b)A−A線断面図である。
【図5】第2の実施の形態のコイル部品の製造方法を説
明する工程図である。
【図6】第3の実施の形態の3端子コイル部品を示す
(a)縦断面図と、(b)A−A線断面図である。
【図7】第3の実施の形態の応用例を示す他の3端子コ
イル部品の(a)縦断面図と、(b)A−A線断面図で
ある。
【図8】従来の2端子のチップ状のコイル部品の断面図
である。
【図9】コイル部品のL(インダクタンス)−I(電
流)特性曲線の定性的な性状を示すグラフである。
【符号の説明】
1 磁性体棒 3、13、33 外被体 4、14 導線 5、15 外部電極 10 コイル部品 11 フェライトコア 12 非磁性体層 20、40 チョークコイル 21 混練機 22 混練材 23 第1の押し出し成形機 25 第2の押し出し成形機 26 巻線機 27 第3の押し出し成形機 28 電気焼成炉 29、35 成形体 30、36 コイル本体 31 切断工程 32 外部電極形成・導線接続工程 34 磁性粉含有樹脂コア 41 切り欠き 45 第3の外部電極 50、60 トランス 51 非磁性体コア α 従来のコイル部品の特性曲線 β 本発明のコイル部品の特性曲線 T 導線の両端部 S フェライト原料粉末 B 結合材 N 非磁性体材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/04 H01F 31/00 C A F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状のフェライトコアと、前記フェライ
    トコアの外周面を被覆する非磁性体層と、前記フェライ
    トコアの外周面の非磁性体層の表面に所定間隔で巻回さ
    れた導線と、前記導線を埋設するとともに前記非磁性体
    層の外周を覆うフェライトからなる外被体と、前記棒状
    のフェライトコアの両端面側に露出した導線の両端部に
    接続された導電薄膜からなる外部電極と、を備えること
    を特徴とするコイル部品。
  2. 【請求項2】 棒状の磁性粉含有樹脂コアと、前記磁性
    粉含有樹脂コアの外周面を被覆する非磁性体層と、前記
    磁性粉含有樹脂コアの外周面の非磁性体層の表面に所定
    間隔で巻回された導線と、前記導線を埋設するとともに
    前記非磁性体層の外周を覆う磁性粉含有樹脂からなる外
    被体と、前記棒状の磁性粉含有樹脂コアの両端面側に露
    出した導線の両端部に接続された導電薄膜からなる外部
    電極と、を備えることを特徴とするコイル部品。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のコイル
    部品において、前記非磁性体層の外周を覆う前記外被体
    の一部に前記導線に到達する切り欠きが設けられるとと
    もに該切り欠きに充填された導電材を介して前記導線の
    中間部と導電接続する第3の外部電極が前記外被体上に
    形成されていることを特徴とするコイル部品。
  4. 【請求項4】 フェライト原料粉末と結合材を含む混練
    材の押し出し成形により棒状のフェライトコアを成形
    し、該フェライトコアの外周面に非磁性体材の押し出し
    成形により非磁性体層を被覆し、前記フェライトコアの
    外周面の非磁性体層の表面に所定間隔で導線を巻回し、
    前記巻回された導線を埋めるように前記非磁性体層の外
    周に前記混練材を押し出し成形してフェライトからなる
    外被体を形成した後、焼成して棒状の成形体となし、前
    記成形体の中心軸に対して垂直に所定長さに切断してコ
    イル本体を成形し、前記コイル本体の両端の切断面に露
    出した前記導線の切断面に接続する導電薄膜をコイル本
    体の両端面に形成して外部電極としたことを特徴とする
    コイル部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 磁性粉と樹脂材を含む磁性粉含有樹脂材
    の押し出し成形により棒状の磁性粉含有樹脂コアを成形
    し、該磁性粉含有樹脂コアの外周面に非磁性体材の押し
    出し成形により非磁性体層を被覆し、前記磁性粉含有樹
    脂コアの外周面の非磁性体層の表面に所定間隔で導線を
    巻回し、前記巻回された導線を埋めるように前記非磁性
    体層の外周に前記磁性粉含有樹脂材を押し出し成形して
    磁性粉含有樹脂からなる外被体を形成して棒状の成形体
    となし、前記成形体の中心軸に対して垂直に所定長さに
    切断してコイル本体を成形し、前記コイル本体の両端の
    切断面に露出した前記導線の切断面に接続する導電薄膜
    をコイル本体の両端面に形成して外部電極としたことを
    特徴とするコイル部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載のコイル
    部品の製造方法において、前記成形体またはコイル本体
    における前記外被体の一部に前記導線に到達する切り欠
    きを設け、該切り欠きを埋めるように導電材を前記外被
    体上に塗布形成して前記導線の中間部と導電接続する第
    3の外部電極を形成することを特徴とするコイル部品の
    製造方法。
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