JP2000243640A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JP2000243640A
JP2000243640A JP11362209A JP36220999A JP2000243640A JP 2000243640 A JP2000243640 A JP 2000243640A JP 11362209 A JP11362209 A JP 11362209A JP 36220999 A JP36220999 A JP 36220999A JP 2000243640 A JP2000243640 A JP 2000243640A
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center core
coil
internal combustion
combustion engine
cross
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JP11362209A
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English (en)
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Takanori Sato
隆徳 佐藤
Ryozo Takeuchi
良三 武内
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気絶縁性能が良く、信頼性および耐久性が優
れた内燃機関用点火コイルを提供する。 【解決手段】内燃機関用点火コイル10では、センター
コア11の軸方向端部断面形状を、センターコア11の
中央部付近からテーパーを付けて中央部断面積よりも小
さくすることにより、高電位差部の2次コイル15とセ
ンターコア11の端部付近間の絶縁距離を大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用点火コ
イルに係わり、特に、エンジンのプラグホール内に一部
または全部が収納可能な内燃機関用点火コイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンのプラグホール内に収納される
内燃機関用点火コイルは、プラグホールの径方向寸法が
制約されるために、センターコアの断面積も制約され
る。点火コイルの放電エネルギーである磁気的エネルギ
ーはコアの断面積にほぼ比例することから、例えば、特
開平4−87311号公報,特開平9−167709 号公報は、セン
ターコアの断面形状を略円形にすることを提案してい
る。また、例えば、実開平1−120314 号公報(対応米国
特許第4893105号)は、コイルの低圧側から高圧側に向
かうほど細くなる断面形状としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記開示技術による点
火コイルにおいては、プラグホール内の径方向寸法が制
約されるために、径方向の絶縁寸法に余裕を持たせるこ
とが難しく、絶縁性能をさらに高めて点火コイルの耐久
性能を向上させるには限界がある。
【0004】本発明の目的は、点火コイルの放電エネル
ギーを確保し、電気絶縁性能のよりすぐれた内燃機関お
よび内燃機関用点火コイルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記エンジンのプラグホ
ールに収納する点火コイルは、径方向寸法が制約される
ために、絶縁上の問題からセンターコアとサイドコアは
分離した構造をとる。このために、磁気回路としてはセ
ンターコアの両端のギャップ長が大きくなり開磁路形点
火コイルの磁気回路を形成する。このような開磁路形の
点火コイルについてその磁気特性を種々検討してきたと
ころ、センターコア両端部付近で漏洩磁束が増大するた
めにセンターコアの磁束密度の分布は、センターコア中
央部に比べてセンターコア両端部方向に行くほど小さく
なり、両端部では中央部の約1/3に減じることが分か
った。
【0006】本発明の特徴は、センターコアの両端より
内側において、センターコアのコイル軸方向と垂直な断
面積が最大となることである。これにより、センターコ
アの磁気特性(磁気エネルギー)の低下を防止できる。
【0007】また、本発明の他の特徴は、センターコア
の軸方向断面において、センターコアの端部断面形状を
センターコアの中央部付近から階段状にテーパを付けて
センターコアの中央部よりも小さくすることにある。セ
ンターコアを上記断面形状にすることにより、センター
コア内の磁束密度をほぼ均一にすることができるので、
磁気エネルギーである放電エネルギーを低減させること
はない。
【0008】センターコアを上記断面形状にすることに
より、センターコアの高電位差部となるセンターコア端
部付近の絶縁距離を十分に確保できるので、センターコ
アと2次コイル間の電気絶縁がより良好に保たれ、電気
絶縁性能に関する信頼性および耐久性をより向上させる
ことができる。このほか、センターコアを上記断面形状
にすることにより、センターコアの端部が階段状の構造
であるために渦電流の発生が抑制できるので鉄損が低減
でき、点火コイルの温度上昇が抑制できる。
【0009】センターコアの磁気特性(磁気エネルギ
ー)を低下させないためには、センターコアの両端より
内側において、センターコアのコイル軸方向と垂直な断
面積が最大となることが望ましい。また例えば、図7よ
り、磁気エネルギーの低下率を10%まで許容すると考
えると、センターコアの軸方向長さの中央値から左側と
右側の各々20%の範囲で、センターコアのコイル軸方
向と垂直な断面積が最大となることが、さらに望まし
い。さらにまた、センターコアの磁気特性(磁気エネル
ギー)を低下させないためには、コイル軸方向中央にセ
ンターコアの最大断面積部分があることが望ましい。
【0010】センターコアの磁気エネルギーの大きさは
センターコアの断面積にほぼ比例する。しかしながら、
本点火コイルのようにセンターコアとサイドコア間にギ
ャップがある開磁路回路では、図7の比較例で示すよう
にセンターコアの両端部側にいくほどセンターコアの断
面積効果が活用されていないことが分かる。このことか
ら、図7の実施例1で示すように、センターコアの両端
部側にいくほど鉄心の断面積を減らしても、磁気エネル
ギーは低下しないことが分かる。
【0011】本発明の上記した特徴及びその他の特徴に
ついて、以下で、図面を用いてさらに説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態の例を説明する。図中で、同一の符号は、同一
物または相当物を示す。本発明は、下記実施の形態の例
により、より明確とされるが、それらに限定されるもの
ではない。
【0013】(実施例1)本発明の実施例である内燃機
関用点火コイルを説明する。図14に、本発明の実施例
の点火コイルとエンジンブロックとの位置関係を示す。
内燃機関1のシリンダヘッドのエンジンブロック2内に
内燃機関用点火コイル10を一部または全部埋設するよ
うに構成されている。図14では、点火プラグ3の長軸
側上部に内燃機関用点火コイル10は設けられる。点火
プラグ3からのスパークが、燃焼室4内に広がるように
構成される。
【0014】図1に、本実施例の内燃機関用点火コイル
10の軸方向の断面を示す。1次ボビン16の内側に2
次ボビン14,2次ボビン14の内側にセンターコア1
1が配置されている。センターコア11の両端部には永
久磁石12が配置される。本内燃機関用点火コイル10
の磁気回路は、センターコア11,永久磁石12、およ
び、サイドコア21で形成される。永久磁石12と2次
ボビン14間は永久磁石12の先端部付近の応力集中を
抑制するために独立気泡ゴム26を配置する。永久磁石
12は、センターコア11が励磁されて発生する磁束と
反発するように、つまり、互いに隣り合う面が同極とな
るように配設する。この永久磁石12としては、薄形で
も大きな磁力が発生するネオジウム磁石,希土類−コバ
ルト磁石などの希土類磁石が使用される。上記永久磁石
12を配設することにより、1次コイルの磁化力に永久
磁石の逆バイアス量を付加できるために磁気エネルギー
を大きくすることができる。センターコア11と2次ボ
ビン14間は、センターコア11の端部付近の応力集中
を抑制するためにゴム状弾性絶縁体13が充填される。
2次ボビン14の外周には、2次コイル15が1000
0〜30000ターン巻装される。1次ボビン16の外
周には1次コイル17が巻装される。
【0015】コイルケース19内にはイグナイタ18お
よび高圧端子23等が予め配設されてあり、1次コイル
17および2次コイル15をこれら部品に接続してか
ら、イグナイタ18側から、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂
物または絶縁油からなるコイル絶縁体20を充填する。
コイルケース19の下部には、高圧接続バネ22,高圧
端子23となる金具,プラグ接続スプリング24が配置
され、発生した高電圧を図2の点火プラグ3に導く。点
火プラグ3が挿入される部分は、ゴムブーツ25で絶縁
する。
【0016】図2は、上記点火コイル10をシリンダヘ
ッドのエンジンブロック2のプラグホール5内に装着し
た実施例を示すもので、一気筒のシリンダヘッド部の断
面を示している。本実施例における内燃機関1は直列に
並設された複数の気筒を備え、各気筒毎に点火コイル1
0が装着されている。
【0017】内燃機関用点火コイル10は、内燃機関1
に装着され、点火プラグ3に接続される。イグナイタ1
8の動作により1次コイル17の1次電流が断続される
と、2次コイル15に30kVから40kVの高電圧が
発生し、点火プラグ3に出力される。点火プラグ3の電
極部に火花放電が生じ、燃焼室4内の圧縮混合気が着火
される。
【0018】図3に図1の軸方向中央部断面のA1−A
2断面を示し、図4に図1の軸方向端部断面のB1−B
2断面を示す。また、図5に図1のセンターコア11か
ら2次コイル15にかけての軸方向拡大断面を示す。セ
ンターコア11は、センターコア高電位側端部111と
センターコア低電位側端部112との2つの端部を有す
る。この二つを両端部と称することもある。このセンタ
ーコア11の両端部には永久磁石12が設けられてい
る。高電位側端部111側では、永久磁石12は独立気
泡ゴム26を介して、2次ボビン14のケース内側に接
続されている。センターコア低電位側端部112側は、
ゴム状弾性絶縁体13を介して、2次ボビン14のケー
ス内側に接続される。2次ボビン14には、2次コイル
15が分割されて巻かれている。2次コイル15の高電
位側を2次コイル高電位側151と称する。2次コイル
高電位側151において、2次コイルからげ巻線部15
1aが存在する。センターコア11の軸方向の径寸法
は、その中央部付近で最大径になり、端部方向に行くに
つれて小さくなる。図5でL0は軸方向中央部付近平坦
部の長さを示し、L1,L2は、センターコアのテーパ
ー部の長さを示す。また、S0はセンターコア中央部付
近の断面積を示し、S1,S2はセンターコア高電位側
端部111とセンターコア低電位側端部112の断面積
を示す。本実施例ではこれらの寸法は、L0:L1:L
2=1:0.5:0.5とし、S0:S1:S2=1:
0.3:0.3とした。
【0019】センターコア11は1枚の厚さが0.3mm
程度の薄い珪素鋼板のプレス幅と長さを変えてその断面
が略円形になるように積層し、中央部付近の平坦部でス
タッキング(複数の平板の各々に対しプレス成型時に一
方の面に凹部を形成するとともに、他方の面に凸部を形
成し、これらの複数の平板を相互に対抗する面の凸部を
凹部に圧入しながら順次重ね合わして、積層体を形成す
ること)によって固定されている。センターコア11と
2次ボビン14の間は、センターコア積層角部の応力緩
和と電界緩和を図るためにゴム状弾性絶縁体13が充填
される。さらに、図3及び図4に示すように、その周囲
を覆うように、順に、2次コイル15,コイル絶縁体2
0,1次ボビン16,1次コイル17,コイル絶縁体2
0,サイドコア21,コイルケース19と構成される。
【0020】図6に、図1の内側2次コイル方式(セン
ターコア11の外側に2次コイルを配置し、その外側に
1次コイルを配置する方式。)の場合のセンターコア1
1と2次コイル15間の電位分布を説明する模式図を示
す。センターコア11の電位はフロート電位であるため
に、その大きさは2次コイル最大電位の1/2(図中で
50%と示す。)になる。このためにセンターコア11
と2次コイル15間の電位差は、図5の2次コイル軸方
向の高電位側(点火プラグ3側)151と低電位側(イ
グナイタ18側)152付近で最大になり電界集中もこ
の位置で大きくなる。特に2次コイル高電位側151付
近はまばらに巻回してなる2次コイルからげ巻線部15
1aが配置されるためにこの付近の電界集中が最も大き
くなる。点火コイルの内部に発生する磁束の状態を説明
する図として、図18に比較例のセンターコア11と永
久磁石12それにサイドコア21からなる磁気回路に1
次電流が供給された場合の磁束Φの発生状態を示す。セ
ンターコア11の長さlに比べてセンターコア11とサ
イドコア21間の間隔dが小さいためにセンターコアの
両端付近の磁束がΔΦ減少する。このために、センター
コア11の磁束密度の分布は、センターコア11の中央
部で最大になり両端部で最小になる。
【0021】図7に、上記実施例と比較例のセンターコ
ア軸方向の磁束密度分布実測結果を示す。比較例はセン
ターコア11の形状が軸方向の全長に亘って同一断面積
を有するものである。本結果より、比較例の点火コイル
ではセンターコア端部111と112の磁束密度はセン
ターコア中央部の磁束密度の約30%になることから、
センターコア端部の断面積はセンターコア中央部の約3
0%以上あれば比較例よりも磁気特性を減じることはな
い。このことはセンターコア端部の断面積が中央部の最
大断面積の30%である本実施例1の磁束密度分布が、
センターコア中央部と端部でほぼ同一値になることから
も分かる。また、詳細な説明は省略するが、点火コイル
の磁気的損失としてコア面に生じる渦電流損からくる鉄
損がある。前記実施例はセンターコアの端部付近の断面
形状が階段状であるために渦電流に対するコア面の絶縁
抵抗が大きくなるので鉄損が低減でき、点火コイルの温
度上昇を抑制する効果がある。
【0022】本実施例の内燃機関用点火コイルによれ
ば、センターコア11は中央部付近で最大面積になり、
端部方向に行くにつれて径方向断面は小さくなる形状を
有するので、センターコア材の量を低減できるだけでな
く、永久磁石12およびセンターコア11の端部付近の
絶縁距離を大きくとることができる。したがって、本発
明の内燃機関用点火コイル10は、高電位差部を形成す
るセンターコア11と2次コイル15間の絶縁距離を大
きくとることができるので、絶縁性に有害となる部分放
電の発生を抑制できる。また、センターコア端部は、そ
の軸方向断面にテーパーがついてあり、その周辺にゴム
状弾性絶縁体13が介在するために、センターコア端部
付近に生じる熱応力の集中も低減できるのでセンターコ
アと2次コイル間の電気絶縁がより良好に保たれ、点火
コイルの電気絶縁の耐久性をより向上させることがで
き、内燃機関の信頼性を高めることができる。
【0023】(実施例2)本発明の他の実施例である内
燃機関用点火コイルを説明する。図8は、図5に対応す
る図で、本実施例の内燃機関用点火コイルのセンターコ
ア11と2次コイル15付近の軸方向拡大断面を示す。
本実施例の点火コイルは、センターコア端部のテーパ部
をセンターコア11の2次コイル高電位側151にのみ
設けたものである。:この場合、センターコア端部に配
置する永久磁石12は、センターコア11の端部断面積
の大きさに対応した断面積を有する永久磁石121と1
22を配置するのが好ましい。
【0024】本実施例によれば、電界集中が最も大きく
なる2次コイル高電位側151付近の絶縁距離が大きく
取れるので、センターコア11と2次コイル15間の電
気絶縁が良好に保たれ、点火コイルの電気絶縁性能を向
上させることができる。また、センターコアの端部断面
積の小さい方である高圧側にセンターコア断面積の小さ
い永久磁石121を配置し、センターコアの端部断面積
の大きい方である低圧側にセンターコア断面積の大きい
永久磁石122を配置することによりセンターコア11
内の磁束密度を均一にすることができるので、センター
コア11に磁気エネルギーを効率よく貯えることができ
る。
【0025】(実施例3の1)本発明の他の実施例であ
る内燃機関用点火コイルを説明する。図16は、図5,
図8に対応する図で、本実施例の内燃機関用点火コイル
のセンターコア11と2次コイル15付近の軸方向拡大
断面図を示す。本実施例の点火コイルは、図8の構成で
永久磁石12を1個配設する場合の実施例であり、永久
磁石12はセンターコア11の端部断面積が大きい低電
位側に配置したものである。
【0026】本発明の実施例によれば、配置する永久磁
石12が1個の場合には、センターコア11の端部断面
積の大きい方に永久磁石12を配設することにより、セ
ンターコア11内の磁束密度分布を均一に保つことがで
きるので、前記電気絶縁性の効果を損なうことなく、永
久磁石の効果を効率よく保つことができる。
【0027】(実施例3の2)本発明の他の実施例であ
る内燃機関用点火コイルを説明する。図9は、図5に対
応する図で、本実施例の内燃機関用点火コイルのセンタ
ーコア11と2次コイル15付近の軸方向拡大断面を示
す。本実施例の点火コイルは、センターコア11の端部
だけでなく2次ボビン14の高電位側にもテーパーを付
け、2次ボビン14の端部付近の2次ボビン厚みを大き
くしたものである。
【0028】本実施例によれば、高電位差部のセンター
コア11と2次コイル15間の絶縁距離を大きくとるこ
とができるだけでなく、ゴム状弾性絶縁体13に比べて
耐電圧の大きい2次ボビンの厚みを大きくとれるので、
センターコア11と2次コイル15間の電気絶縁がより
良好に保たれ、点火コイルの電気絶縁性能を向上させる
ことができる。
【0029】(実施例4)本発明の他の実施例である内
燃機関用点火コイルを説明する。図10は、図5に対応
する図で、本実施例の内燃機関用点火コイルのセンター
コア11と2次コイル15付近の軸方向部分拡大断面を
示す。本実施例の点火コイルは、軸方向の2次ボビン1
4の厚みは変えずに2次ボビン14の内径と外径の高電
位側にテーパーを付け、2次コイル高電位側151付近
と1次コイル17間のコイル絶縁体20の絶縁距離を大
きくしたものである。
【0030】本実施例の内燃機関用点火コイルでは、2
次コイル高電位側151付近と1次コイル17間に充填
される絶縁体20の厚みを増大することができるので電
気絶縁性能を向上させることができる。
【0031】(実施例5)本発明の他の実施例である内
燃機関用点火コイルを説明する。図11は、本発明実施
例として内側1次コイル方式(センターコアの外側に1
次コイルを配置し、その外側に2次コイルを配置する構
成)による内燃機関用点火コイルのセンターコア11と
2次コイル15付近の軸方向部分拡大断面を示す。セン
ターコアがフロート電位以外の場合としては、接地ない
しほぼ接地の場合があり、その実施例が図11である。
【0032】図17は、図6に対応する本実施例の電位
分布の模式図を示す。この場合の最大電位差は高圧側で
生じ、センターコアがフロート電位の場合の電位差の2
倍になり、低電位側の電位差はほぼ零になる。
【0033】内側1次コイル方式の内燃機関用点火コイ
ルは、2次コイル15が1次コイル17の外側に配置さ
れるので、2次コイル高電位側151付近と1次コイル
17間の電界集中が大きくなる。本実施例ではこの間の
絶縁距離が大きくとれるのでこの部分の絶縁耐圧が大き
くなり、有害な部分放電の発生を抑制でき、電気絶縁性
能を向上させることができる。
【0034】(実施例6)本発明の他の実施例である内
燃機関用点火コイルを説明する。図12は、本発明実施
例として前記実施例5の内側1次コイル方式による内燃
機関用点火コイルのセンターコア11と2次コイル15
付近の軸方向部分拡大断面を示す。本実施例の点火コイ
ルは、軸方向の2次ボビン14の厚みは変えずに2次ボ
ビン14の内径と外径の高電位側にテーパーを付け、1
次ボビン16の高電位側の厚みを厚くして2次コイル高
電位側151付近と1次コイル17間の絶縁距離を大き
くしたものである。本実施例の内燃機関用点火コイルで
は、実施例4と同様に2次コイル高電位側151付近と
1次コイル17間の電気絶縁性能を向上させることがで
きる。
【0035】センターコア11の端部断面寸法値として
は、例えば、最大断面積の30%(下限値)以上、かつ
95%(上限値)以下の範囲にあることが好ましい。上
記下限値は、実施例1の磁束密度分布から限定される値
であり、端部の断面積が30%以下では放電エネルギー
が比較例よりも低下するためである。また、上記上限値
は、絶縁性能面からくる値であり、センターコア11の
端部断面積が少しでも小さければこの付近の絶縁距離が
大きくとれるので効果があるが、センターコア11の最
大外径がφ10mm 程度であるのに対して珪素鋼鈑1枚
の厚みが0.3mmであることから、センターコア積層の
加工性を考慮すると外径が0.3mm 小さい値(95%)
が適当である。
【0036】このようにセンターコア11の端部断面積
寸法については、上記の範囲にあることが好ましいが、
より適切な値は図5で示す平坦部L0の値で決まる。前
記のようにセンターコア11を構成する積層コアの固定
は、中央部付近の平坦部でスタッキングによって固定さ
れるが、積層コアが所定の位置に確実に固定するために
は平坦部の2箇所を固定する必要がある。このために平
坦部のL0値は20mm程度以上は確保する必要がある。
【0037】図13は、図5の点火コイル構造でL0値
を20mmとしてセンターコアの端部断面積を等しい形状
(S1=S2)にし、S1と最大断面積S0の比率(S
1/S0×100%)を変えた点火コイルを製作し、点
火コイルの絶縁耐久性として寿命時間を保持率で示した
ものである。この場合にセンターコア11の端部に配置
する永久磁石12の断面積は、センターコアの端部断面
積にほぼ等しいものを使用し、2次ボビン14の厚みは
1mmのものを用いた。図13の横軸は、S1と最大断面
積S0の比率(S1/S0×100%)である。縦軸の
絶縁耐久寿命保持率(%)は、上記点火コイルを140
℃の雰囲気で25kVのV2電圧で動作させて絶縁破壊
が生じるまでの時間をS1/S0が100%の場合の絶
縁耐久寿命を100%として比較したものである。図1
3より、絶縁耐久性はS1/S0が約80%から約40
%の範囲で大きな増加が見られることが分かる。これは
S1/S0が約80%以上ではセンターコア端部の電界
緩和効果は小さく、また、約40%以下では絶縁破壊が
センターコア11の平坦部で生じてくるためである。以
上の絶縁耐久性の実測値から、センターコア11の端部
断面寸法値としては、L0値が20mm以上必要であり、
最大断面積の40%から80%の範囲にあることがより
好ましいと言える。
【0038】このほかに、永久磁石12の断面積の大き
さは、センターコア端部断面積の大きさよりも大きいこ
とが放電エネルギーを低下させない点で好ましいが、絶
縁性能面ではセンターコアの最大断面積よりも小さいこ
とが好ましいことから、センターコア端部断面積よりも
大きく、センターコアの最大断面積よりも小さい範囲内
にあるのがよい。
【0039】以上によれば、センターコア11の断面形
状を、中央部付近よりも端部、特に高電圧側の端部断面
積を中央部からテーパーをつけて小さくすることによ
り、放電エネルギーを減じることなく、電界集中の大き
いセンターコア端部付近の電界集中を低減できるので、
センターコアと2次コイル間ないし2次コイルと1次コ
イル間の電気絶縁がより良好に保たれ、点火コイルの電
気絶縁の耐久性をより向上させることができ、内燃機関
の信頼性を高めることができるばかりでなく、鉄損を小
さくすることができるので点火コイルの温度上昇も抑制
することができる。
【0040】(実施例7)本発明の他の実施例である内
燃機関用点火コイルを説明する。図15は、本発明実施
例として、前記実施例1のセンターコア11の形状をセ
ンターコア断面外周部のコイル中央部付近はコア長が比
較的短いセンターコア短尺部113で形成し、センター
コア断面中心付近をコア長が長いセンターコア長尺部1
14で形成したものである。これによりコイル中央部付
近のセンターコア11の断面積がセンターコア低電位側
端部112及びセンターコア高電位側端部111での断
面積より大きくなる。
【0041】本実施例においては、コアの磁気回路の磁
気的特性は前記実施例1よりも劣るが、簡単な構成で高
電位差部の絶縁距離を大きく取れ、電気絶縁性能を向上
させることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、点火コイルの放電エネ
ルギーを確保し、電気絶縁性能の良い内燃機関および内
燃機関用点火コイルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例である内燃機関用点火
コイル10の軸方向の断面を示す図。
【図2】図1の実施例の点火コイルを備えた内燃機関の
断面図。
【図3】図1のA1−A2断面を示す図。
【図4】図1のB1−B2断面を示す図。
【図5】図1の軸方向拡大断面を示す図。
【図6】本発明による第1実施例である内燃機関用点火
コイル10のコイル軸方向電位分布を示す模式図。
【図7】本発明による第1実施例と比較例のセンターコ
ア11の軸方向の磁束密度分布を示す図。
【図8】本発明による第2実施例である内燃機関用点火
コイル10の軸方向拡大断面を示す図。
【図9】本発明による第3実施例である内燃機関用点火
コイル10の軸方向拡大断面を示す図。
【図10】本発明による第4実施例である内燃機関用点
火コイル10の軸方向拡大断面を示す図。
【図11】本発明による第5実施例である内燃機関用点
火コイル10の軸方向拡大断面を示す図。
【図12】本発明による第6実施例である内燃機関用点
火コイル10の軸方向拡大断面を示す図。
【図13】本発明による実施例1の絶縁耐久性を示す
図。
【図14】本発明の実施例の点火コイルとエンジンブロ
ックとの位置関係を示す図。
【図15】本発明の実施例7の内燃機関用点火コイル1
0の軸方向拡大断面を示す図。
【図16】本発明の一実施例の内燃機関用点火コイルの
センターコア11と2次コイル15付近の軸方向拡大断
面図。
【図17】本発明の実施例5の電位分布の模式図。
【図18】比較例のセンターコア11と永久磁石12そ
れにサイドコア21からなる磁気回路の磁束Φの発生状
態を示す図。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…シリンダヘッドのエンジンブロッ
ク、3…点火プラグ、4…燃焼室、5…プラグホール、
10…内燃機関用点火コイル、11…センターコア、1
2…永久磁石、13…ゴム状弾性絶縁体、14…2次ボ
ビン、15…2次コイル、16…1次ボビン、17…1
次コイル、18…イグナイタ、19…コイルケース、2
0…コイル絶縁体、21…サイドコア、22…高圧接続
バネ、23…高圧端子、24…プラグ接続スプリング、
25…ゴムブーツ、26…独立気泡ゴム、111…セン
ターコア高電位側端部、112…センターコア低電位側
端部、151…2次コイル高電位側、151a…2次コ
イルからげ巻線部、152…2次コイル低電位側。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1次コイルが巻回された1次ボビンと2次
    コイルが巻回されて前記1次ボビンの内側に配置された
    センターコアとを有し、 センターコアの両端より内側において、センターコアの
    コイル軸方向と垂直な断面積が最大となる内燃機関用点
    火コイル。
  2. 【請求項2】1次コイルが巻回された1次ボビンと2次
    コイルが巻回されて前記1次ボビンの内側に配置された
    センターコアとを有し、 コイル軸方向中央部にセンターコアの最大断面積部分が
    あり、センターコアのコイル軸方向と垂直な断面積が、
    軸方向中央部付近よりも両端部の少なくとも一方の断面
    積が小さい内燃機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】1次コイルが巻回された1次ボビンと2次
    コイルが巻回されて前記1次ボビンの内側に配置された
    センターコアとを有し、 センターコアのコイル軸方向と垂直な断面積が、軸方向
    中央部付近よりも両端部の一方の断面積が小さく、軸方
    向中央部付近と他方の断面積が略等しい内燃機関用点火
    コイル。
  4. 【請求項4】センターコア端部の小さい方の断面積は、
    センターコアの最大断面積の30%から95%の範囲に
    ある請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の内燃機関
    用点火コイル。
  5. 【請求項5】センターコアの最大断面積部のコイル軸方
    向平坦部長さをL0とすると、L0≧20mmであり、セ
    ンターコア端部の小さい方の断面積は、センターコアの
    最大断面積の40%から80%の範囲にある請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載の内燃機関用点火コイル。
  6. 【請求項6】センターコア端部の断面形状は、略円形で
    ある請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の内燃機関
    用点火コイル。
  7. 【請求項7】センターコアの断面積が大きい側の片端に
    断面積が大きい方の永久磁石を配置し、センターコアの
    断面積が小さい片端に断面積が小さい方の永久磁石を配
    置し、これらの永久磁石は1次コイルによる磁束と反対
    方向の磁束を発生するように配置する内燃機関用点火コ
    イル。
  8. 【請求項8】センターコアの外側に配置する2次ボビン
    または1次ボビンの肉厚は、軸方向中央部よりも高電位
    側の方が大きい内燃機関用点火コイル。
  9. 【請求項9】センターコアの外側に配置する2次ボビン
    または1次ボビンの内径は、軸方向中央部よりも高電位
    側の方が小さい内燃機関用点火コイル。
  10. 【請求項10】センターコアの端部に配置する永久磁石
    の断面積は、センターコアの端部の小さい方の断面積よ
    りも大きく、センターコアの最大断面積よりも小さい内
    燃機関用点火コイル。
  11. 【請求項11】請求項1ないし請求項10のいずれか1
    項記載の内燃機関用点火コイルを用いた内燃機関。
  12. 【請求項12】1次コイルが巻回された1次ボビンと2
    次コイルが巻回されて前記1次ボビンの内側に配置され
    たセンターコアとを有し、 点火コイル軸方向のセンターコア断面形状が、軸方向中
    央部付近から一方の端部に行くにつれて、階段状ないし
    テーパ状に小さくなる内燃機関用点火コイル。
  13. 【請求項13】1次コイルが巻回された1次ボビンと2
    次コイルが巻回された2次ボビンとセンターコアとを有
    し、 センターコア軸方向の絶縁部材のうち少なくとも一つの
    絶縁部材厚みが、低圧側よりも高圧側の方が大きい内燃
    機関用点火コイル。
  14. 【請求項14】1次コイルが巻回された1次ボビンと2
    次コイルが巻回された2次ボビンとセンターコアとを有
    し、 センターコアの両端部のうち、少なくとも一方の側の磁
    束密度が中央部の磁束密度と同程度の値になるべく構造
    を持つ内燃機関用点火コイル。
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