JP2005116959A - 磁性積層体、その製造方法および用途 - Google Patents

磁性積層体、その製造方法および用途 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 本発明の磁性積層体は、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層されている磁性積層体であって、
少なくとも前記磁性金属薄帯が磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されていることを特徴としている。
【効果】 本発明によれば、反磁界係数を効果的に低減しインダクタンスを向上させることができるため、コイルの巻線数を大幅に低減した、小型あるいは薄型の電気部品や電子部品を提供することができる。
【選択図】 図2−1

Description

本発明は、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層されている磁性積層体であって、少なくとも磁性金属薄帯が、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されている磁性積層体、該磁性積層体を複数積層した磁性積層体、およびこれらを用いた磁気コア、アンテナ、該磁性積層体の製造方法に関する。
近年、磁性材料を使用する多くの電気部品、電子部品および製品において、さらなる高磁気性能化(高透磁率)、小型・薄型化が要求されており、構成する磁性材料についても高磁気特性(低損失、高透磁率、高磁束密度)を有し、かつ、小型・薄型であることが要求されている。
このような市場要求に対して、従来、非晶質金属などの高い磁気特性を有する磁性金属材料をバルク体として使用する場合には、この磁性金属材料の薄帯を積層して磁性積層体を形成することが行われてきた。具体的には、磁性金属材料の薄帯として厚さが15〜50μm程度の非晶質金属薄帯を用い、非晶質金属薄帯の表面に特定の接着剤を均一に塗布し、積層して磁性積層体を形成することが良く行われている。たとえば、特許文献1には、高耐熱性高分子化合物を主成分とする接着剤を塗布した非晶質金属薄帯を積み重ね、圧下ロールで圧着し、加熱接着することを特徴とする磁性積層体の製造方法が記載されている。
より具体的には、たとえば、図1−1に示すように、短冊状の磁性金属薄帯13の片面に接着剤などの樹脂層15が形成されている磁性基材16を、磁性金属薄帯13と樹脂層15とが交互に繰り返されるように積層し圧着等することによって、直方体の磁性積層体11が形成される。
しかしながら、このような直方体の磁性積層体を磁気コアとして、この周囲に被覆導線などを巻回してコイルを付与する場合、磁性積層体の磁束発生方向に対する両端部で発生する反磁界によって打ち消される分の磁界を考慮して、コイルの巻線数が設定されるため、コイルの巻線数を減らし小型・薄型化するとともに、高磁気性能化するという双方の要求に応えることは困難であった。
これに対して、従来、図1−2に示すように、磁性金属薄帯13の片面に樹脂層15が形成されている磁性基材を平行四辺形(長方形、正方形を除く)の型で打ち抜き、打ち抜いた後の磁性基材18を磁性金属薄帯13と樹脂層15とが交互に繰り返されるように積層することによって、磁束発生方向に対する両端部が斜め(但し、該両端部の積層端面は積層体底面からみて垂直な平面)である磁性積層体17が提案されている。この磁性積層体17は、図1−1の磁性積層体11と比較して、反磁界係数を低減する効果があることが知られている。
しかしながら、図1−2の磁性積層体17では、磁性積層体17のz軸方向に平行な向
きに導線を巻回し、コイルを形成しようとすると、図1−1の磁性積層体11と比較して、巻き幅が短くなり、巻き太りの原因となり、小型・薄型化の要求に反するという問題点があった。
また、この巻き太りを回避するために、磁性積層体17のy軸方向に平行な向きに導線
を巻回し、コイルを形成した場合には、導線を積層体17に対して斜めに巻くこととなり、1回の巻き長さが長くなるため、巻き線の抵抗が大きくなり、Q値(Quality factor;Q=ωL/Rとして求められる。ω=2πf、fは周波数、Lはインダクタンス、Rはコイルの損失を含む抵抗を表す。)が小さくなり、高磁気性能化の要求に反するという問題点があった。
本発明者らはこのような実情に鑑み、鋭意検討した結果、磁束発生方向に対する積層端面が特定の形状を有する磁性積層体によれば、上記問題点を解決できることを見出して本発明を完成するに至った。
特開昭58−175654号公報
本発明は、高磁気性能化および小型・薄型化の双方の要求を満たす磁性積層体および磁性積層体の製造方法ならびにこれらを用いた磁気コア、アンテナを提供することを課題とする。
本発明に係る磁性積層体は、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層されている磁性積層体であって、少なくとも前記磁性金属薄帯が磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されていることを特徴としている。ここで、磁性金属薄帯の積層端面とは、磁性金属薄帯の厚み方向の面を意味する。
前記磁性積層体は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材が、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されているものであることが好ましい。ここで、磁性基材の積層端面とは、磁性金属薄帯の厚み方向の面と樹脂層の厚み方向の面とが積層されて形成された面を意味する。
さらに前記磁性積層体は、前記磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面が、積層体底面からみて一斜面となるように切断され、形成されているものであることも好ましい。ここで、磁性積層体の積層端面とは、複数の磁性金属薄帯の厚み方向の面と、複数の樹脂層の厚み方向の面とが積層されて形成された面を意味する。
本発明に係る別の磁性積層体は、前記磁性積層体のいずれかが、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように複数積層されていることを特徴としている。
本発明に係る磁気コアは、前記磁性積層体のいずれかを用いたことを特徴としている。
また、本発明に係るアンテナは、前記磁気コアを用いたことを特徴としている。
本発明に係る磁性積層体の製造方法は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層する際に、前記磁性基材を、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置をずらしながら積層することを特徴としている。
また、本発明に係る別の磁性積層体の製造方法は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層し、前記磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面を、積層体底面からみて一斜面を形成するように切断することを特徴としている。
本発明の磁性積層体によれば、反磁界係数を効果的に低減し、インダクタンスを向上させることができるため、これらを用いることにより、高磁気特性を有しかつコイルの巻線数を大幅に低減した小型あるいは薄型の電気部品や電子部品を提供することができる。
本発明の磁気コア、アンテナによれば、その磁気特性を向上させることが可能であり、コイルの巻線数を大幅に低減しても、従来と同等以上の磁気特性を維持することができるため、これらの小型・薄型化が可能となる。
さらに、本発明の磁性積層体の製造方法によれば、磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面が特定の形状を有し、高磁気性能化と小型・薄型化の双方の要求を満たす磁性積層体を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
((磁性金属薄帯))
本発明に用いられる磁性金属薄帯は磁性金属材料からなり、該磁性金属材料としては、高透磁率材料が用いられ、非晶質磁性金属材料であっても、ナノ結晶磁性金属材料であっても用いることができる。
これらのうち、非晶質磁性金属材料としては、Fe系、Co系の非晶質金属材料が好ましく用いられる。これらの非晶質金属材料からなる磁性金属薄帯は、通常、溶融金属を急冷ロールを用いて、急冷して得られる。
前記非晶質磁性金属材料としては、一般式(Fe1-xx100-a-b-cSiabM'c(式
中、MはCo及び/又はNi、M'はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、C
r、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、cは原子%を示し、それぞれ0≦x<1、0≦a≦24、4≦b≦30、0≦c≦10を満たすものとする)を挙げることができる。特に高透磁率が要求される用途においてはCoを主成分とする非晶質金属材料を用いることが好ましい。また磁気シールドなど、高密度の磁束を遮蔽する用途においては、飽和磁束密度の高いFeを主成分とする非晶質金属材料を用いることが好ましい。
本発明に用いるFe系非晶質金属材料としては、Fe−B―Si系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質金属材料を挙げることができる。例えばFe−Si−B系においては、Fe78Si913(at%)、Fe78Si1012(at%)、Fe81Si13.513.5(at%)、Fe81Si13.513.52(at%)、Fe77Si516
2(at%)、Fe66Co18Si115(at%)、Fe74Ni4Si217Mo3(at
%)などが挙げることができる。なかでもFe78Si913(at%)、Fe77Si516Cr2(at%)が好ましく用いられる。特にFe78Si913(at%)を用いるのが好ましい
Co系非晶質金属材料の組成系としては、Co−Si−B系、Co−B系などが例示できる。これらの中でも、以下の組成のものがより好ましい。すなわち、一般式(Co1-c
Fec1-a-bab(式中のXは、Si,B,C,Geから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、YはZr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Rh,Ru,Sn,Sb,Cu,Mn,希土類元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素で表される。c,a,bは、それぞれ、0≦c≦0.2、10<a≦3
5、0≦b≦30、ここでa,bは原子%)で表される組成が好ましい。上記非晶質金属材料のCoのFe置換は非晶質合金の飽和磁化の増加に寄与する傾向にある。このため、置換量cは0≦c≦0.2であることが好ましい。さらに、0≦c≦0.1であることが好ましい。X元素は上記非晶質金属材料を製造する上で、非晶質化のために結晶化速度を低減するのに有効な元素である。X元素が10原子%以下であると、非晶質化が低下して一部結晶質が混在し、また、35原子%を超えると、非晶質構造は得られるものの合金薄帯の機械的強度が低下し、連続的な薄帯が得られなくなる。したがって、X元素の量aは、10<a≦35であることが好ましく、さらに好ましくは、12≦a≦30である。Y元素は、本発明に用いる磁性金属薄帯の耐食性に効果がある。この中で特に有効な元素は、Zr,Nb,Mn,W,Mo,Cr,V,Ni,P,Al,Pt,Rh,Ru元素である。Y元素の添加量は30原子%を超えると、耐食性の効果はあるが、薄帯の機械的強度が脆弱になるため、0≦b≦30であることが好ましい。さらに好ましい範囲は、0≦b≦20である。
また、前記ナノ結晶磁性金属材料としては、次のような組成のナノ結晶性金属材料を加熱処理して得られるものを挙げる事ができる。
(1)一般式(Fe1-xx100-a-b-c-dSiaAlbcM'd
(式中のMはCo及び/又はNi、M'はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V
、Cr、Mn、Pd、Ru、Ge、C、P、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0≦a≦24、0.1<b≦20、4≦c≦30、0≦d≦20を満たすものとする)で表わ
される組成。
(2)一般式(Fe1-xx100-a-b-c-dCuaSibcM’d
(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd,Ru,Ge,C,P、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.4、0.1≦a≦3、b≦19、5≦c≦25、0<d≦20、15≦b+c≦30を満たすものとする)で表わされる組成。
(3)一般式(Fe1-xx100-a-baM’b
(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ga、Ge、C、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、bは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0<a≦20、2≦b≦20を満たすものとする)で表わされる組成。
(4)一般式(Fe1-xx100-a-b-caM’bCuc
(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ga、Ge、Al、C、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0<a≦20、2≦b≦20、0≦c≦3を満たすものとする)で表わされる組成。(5)一般式(Fe1-xx100-a-baM’b(式中、MはCo及び/又はNi、M’は
Ta、Zr、Hf、Ti、Nb、Mo、W、V、Cr、Mn、Pd、Ru、Ga、Ge、Si、Al、P、Cu、希土類元素から選ばれる1種類以上の元素を表わす。M’はC、N、Oから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、bは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、2<a≦30、4≦b≦30を満たすものとする)で表わされる組成。
これらのナノ結晶性金属材料を、公知の方法により加熱処理して、ナノ結晶磁性金属材料を得ることができる。
これらのうち、アンテナ用磁気コアに用いられる磁性金属薄帯としては、Co系非晶質
金属材料またはナノ結晶磁性金属材料からなる磁性金属薄帯を用いることが好ましい。
これらの磁性金属薄帯はそのまま用いてもよいが、磁気特性の向上のために、不活性雰囲気下または真空中で200℃以上の熱処理を施すことが好ましい。熱処理温度は、通常200〜700℃の範囲にあり、さらに好ましくは300℃〜600℃の範囲である。なお、上記磁性金属薄帯は、通常は10〜50μmの厚さであり、好ましくは10〜30μmの厚さである。
((樹脂))
本発明に用いられる樹脂は、特に限定されず、公知の高分子化合物を使用することができるが、磁性金属薄帯上に樹脂層を形成した後に、磁性金属薄帯の磁気特性向上のための200℃以上の熱処理を施す場合には、下記の条件を満たす耐熱性樹脂を使用することが効果的である。
具体的には、本発明に用いられる耐熱性樹脂は、(1)窒素雰囲気下、350℃で2時間の熱履歴を経た際の熱分解による重量減少量が1重量%以下であり、さらに下記の(2)〜(5)の条件の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
すなわち、(2)窒素雰囲気下350℃、2時間の熱履歴を経た後の引っ張り強度が30MPa以上である。(3)ガラス転移温度が120℃〜250℃である。(4)溶融粘度が1000Pa・sである温度が、250℃以上400℃以下である。(5)400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下である。
前記条件(1)の重量減少量は、耐熱性樹脂に前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、350℃で2時間保持した際の重量減少量を、DTA−TG(示差熱分析・熱重量分析計)を用いて測定することができ、通常1%以下、好ましくは0.3%以下である。上記重量減少量が上記数値以下であると、磁気特性向上のための熱処理を施した場合に、積層体のはがれや膨れなどの発生が抑制できるため好ましい。
前記条件(2)の引張り強度試験はASTM D−638に従って行なわれる。耐熱性樹脂を窒素雰囲気下で350℃2時間熱処理をした後に、所定の試験片を作成した後に引張り試験を行う(30℃)。引張り強度は、通常、30MPa以上、好ましくは50MPa以上である。引張り強度がこの数値外にあると、形状安定性が良い等の効果を充分に得
ることができない場合がある。
条件(3)の耐熱性樹脂のガラス転移温度Tgは、DSC(示差走査熱量計)により測定されたガラス転移を示す吸熱ピークの変曲点から得られる。Tgは120℃以上、250℃以下、好ましくは220℃以下である。Tgが上記範囲より高い場合には、磁気特性が劣化する場合がある。
条件(4)の溶融粘度は、高化式フローテスターを用いて測定することができ、溶融粘度が1000Pa・s以下となる温度は、250℃以上であり、通常400℃以下、好ましくは350℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。溶融粘度が1000Pa・s以上となる温度がこのような範囲にあると、熱プレス接着が低温で可能であり、かつ磁性金属薄帯との接着性に優れる。溶融粘度が低下する温度が高い場合には、接着不良等が発生する場合がある。
条件(5)の融解熱は、DSC(示差走査熱量計)を用いて測定することができ、耐熱性樹脂を400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶
物による融解熱が10J/g以下であり、好ましくは5J/g以下、さらに好ましくは1
J/g以下である。融解熱が上記数値以下であると磁性金属薄帯との接着性に優れる。
なお、前記耐熱性樹脂の分子量および分子量分布は、特に限定されるものではないが、分子量が極めて小さい場合には、樹脂層の強度および磁性金属薄対との接着強度に影響を及ぼすおそれがあるため、樹脂を0.5g/100mlの濃度で溶解可能な溶剤に溶解した後、35℃で測定した対数粘度の値が0.2dl/g以上であることが好ましい。
上記条件を満たす具体的な樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー、ニトリル系樹脂、チオエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アリレート系樹脂、サルホン系樹脂、イミド系樹脂、アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂、サルホン系樹脂、アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。
さらに、本発明に用いられる耐熱性樹脂は熱可塑性であることが好ましい。これは、磁性金属薄帯との良好な接着性を確保し、さらに磁性金属薄帯にかかる応力を最小限にするためである。このような耐熱性熱可塑性樹脂としては、たとえば、WO03/060175公報に記載されたポリイミド樹脂が挙げられる。
((磁性基材))
本発明に用いられる磁性基材は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されているものである。
前記磁性金属薄帯は、磁性体としての特性を向上させるための熱処理を行っているものでも、行っていないものでもよく、樹脂として耐熱性樹脂を用いた場合には、磁性金属薄帯上に樹脂層を形成した後に、磁性体としての特性を向上させるための熱処理を行うことができる。
前記樹脂層は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に形成すればよいが、磁性金属薄帯の片面または両面の全面に均一に形成することが好ましい。
樹脂層の形成方法としては、公知の方法を用いることができ特に限定されるものではないが、具体的には、たとえば、ロールコータ法、グラビアコータ法、エアドクタコータ法、ブレードコータ法、ナイフコータ法、ロッドコータ法、キスコータ法、ビードコータ法、キャストコータ法、ロータリースクリーン法、スロットオリフィスコータ法などのコータを用いた方法;浸漬コーティング方法;バーコード方法;スプレーコーティング法;スピンコーティング法;電着コーティング法などにより、磁性金属薄帯上に樹脂ワニスの塗膜を作製し、これを乾燥させることにより樹脂層を得ることができる。ここで、樹脂ワニスとは、樹脂もしくは樹脂の前駆体が有機溶剤に分散または溶解した状態の液体を意味する。樹脂ワニスの粘度は樹脂層の厚みが均一になるように、0.005〜200Pa・s、0.01〜50Pa・sの範囲にあることが好ましい。
また、磁性金属薄帯の一部のみに樹脂層を形成する方法としては、たとえば、塗膜パターンの溝を加工したグラビアヘッドを用いたグラビアコータ法などを挙げることができる。
塗布量は使用する磁性金属薄帯と樹脂の種類によって異なるが、形成された樹脂層の厚みが下記の範囲内となるように調整される。すなわち、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に形成された樹脂層の厚みは、0.1μm〜100μmの範囲が好ましく、1μm〜10μmがより好ましく、2μm〜8μmがさらに好ましい。
なお、上記方法のほか、スパッタ法のような物理的な蒸着法、CVD法のような気相法など、磁性金属薄帯上に上記範囲の厚みの樹脂層を形成できる方法であればいかなる方法を用いてもよい。
((磁性積層体))
本発明の磁性積層体は、前記磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層されている磁性積層体であり、少なくとも前記磁性金属薄帯の積層端面位置が、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して、ずらされている状態で積層されていればよく、積層の仕方は規則的であっても、不規則的であってもよい。また、各磁性金属薄帯あるいは磁性基材の磁束発生方向の長さは同一であっても良いし、異なっていても良い。
好ましい磁性積層体の例としては、下記の磁性積層体(I)〜(III)を挙げることが
できる。
少なくとも前記磁性金属薄帯、好ましくは上述した磁性基材が、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されている磁性積層体(I)、
磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面、好ましくは該磁性積層体の磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞれ、積層体底面からみて一斜面となるように切断され、形成されている磁性積層体(II)、
前記磁性積層体(I)または磁性積層体(II)が、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように複数積層されている磁性積層体(III)。
上記いずれの場合においても、磁性積層体を作製する場合には、多層コ−ティング方法、熱プレス、熱ロ−ル、高周波溶着などで積層接着することで積層構造を自由に設計することができる。
この場合、前記磁性金属薄帯は、磁性体としての特性を向上させるための熱処理を行っているものでも、行っていないものでもよいが、磁性基材の樹脂層を構成する樹脂として耐熱性樹脂を用いた場合には、磁性基材を形成した後あるいは磁性積層体を形成した後に、磁性体としての特性を向上させるための熱処理を行うことができる。
以下、図に基づいて本発明の磁性積層体の好ましい態様をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、上記磁性積層体(I)の例を図2−1に基づいて説明する。
図2−1は、上記磁性積層体(I)の一例を示す斜視図である。図2−1中、磁性積層体21は、磁性金属薄帯13の片面に樹脂層15が形成され、長方形の短冊状に打ち抜かれた磁性基材16が、複数積層されて形成されているが、磁性積層体21の磁束発生方向に対する二つの積層端面(向って左および右側面)は、磁性基材16が、磁性積層体21の磁束発生方向の一方に対してその積層端面位置がずらされている状態で積層されることによって形成されている。
次に上記磁性積層体(I)の別の例を図3−1および図3−2に基づいて説明する。
図3−1および図3−2は、それぞれ別の磁性積層体(I)の例を示す横断面図である。
図3−1中、磁性積層体31は、磁性金属薄帯13の片面に樹脂層15が形成され、長
方形の短冊状に打ち抜かれた磁性基材16が、複数積層されて形成されているが、この場合、複数の磁性基材16はその磁束発生方向の長さが互いに同じものと異なるものが複数混在している。該磁性積層体31の磁束発生方向に対する二つの積層端面(向って左端および右端)は、各磁性基材16が、磁性積層体31の磁束発生方向の一方に対してその積層端面位置が周期的にずらされている状態で積層されることによって形成されている。
また、図3−2中、磁性積層体33は、磁性金属薄帯13の片面に樹脂層15が形成され、長方形の短冊状に打ち抜かれた磁性基材16が、複数積層されて形成されているが、この場合、複数の磁性基材16はその磁束発生方向の長さが互いに同じものと異なるものが複数混在している。該磁性積層体33の磁束発生方向に対する二つの積層端面(向って左端および右端)は、各磁性基材16が、磁性積層体33の磁束発生方向の一方に対してその積層端面位置がずらされている状態で積層されることによって形成されているが、その積層の仕方は周期的なものではなく不規則である。
なお、前記磁性積層体21、31、33において、積層された各磁性基材16の積層端面位置の磁束発生方向の一方に対するずれ幅は、磁性基材16の形状等に応じて適宜設定することができるが、通常、少なくとも磁性金属薄帯13、好ましくは磁性基材16の一層ごとについて、隣接する磁性基材16(隣接する磁性基材16が2つある場合にはずれ幅の大きくなる方)と比較して0以上かつ磁束発生方向の長さに対して1/5程度までの範囲である。各層ごとのずれ幅は、任意に設定することができ、必ずしも、すべての層が隣接する層と比較して、ずらされている状態にあることを要せず、すべての磁性金属薄帯13の積層端面あるいはすべての磁性基材16の積層端面を合わせた場合に(すなわち、磁性積層体21、31、33の磁束発生方向に対する二つの積層端面のそれぞれが)、積層体底面から見て垂直な一平面を形成しない状態であればよい。
磁性積層体21においては、磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞれ積層体底面からみて凹凸を有する階段状の斜面であるため、また、磁性積層体31、33では、磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞれ積層体底面からみて凹凸を有する面であるため、これらの磁性積層体の周囲に導線を巻回しコイルを付与して磁気コアやアンテナを作製した場合には、同一形状の短冊状の磁性基材を垂直に積層した直方体の磁性積層体(たとえば、図1−1)と比較して、反磁界係数を効果的に低減し、インダクタンスを向上させることができる。このため、コイルの巻線数を大幅に減少することが可能となり、小型あるいは薄型の高磁気特性を有する磁気コアやアンテナを提供できる。なお、この場合、図1−1の磁性積層体11と比較しても、z軸方向へ平行に巻回する際のコイルの巻き
幅は同じであるため、同じ巻線数となるように導線を巻き回した場合でも、巻き太りなどの問題は生じない。
次に、上記磁性積層体(II)の例を図2−2に基づいて説明する。
図2−2は、上記磁性積層体(II)の一例を示す斜視図である。図2−2中、磁性積層体23は、磁性金属薄体13の片面に樹脂層15が形成されている磁性基材を複数積層して予め磁性積層体を形成した後、該磁性積層体23の磁束発生方向に対する二つの積層端面(向って左および右側面)をそれぞれ、積層体底面からみて一斜面となるように切断することによって、形成されている。ここで、磁性積層体の積層端面とは、複数の磁性金属薄帯の厚み方向の面と樹脂層の厚み方向の面とが積層されて形成された面を意味する。
この場合、磁性積層体23の積層端面の、積層体底面からみた傾きは、適宜設定することができるが、通常85度〜1度程度である。
このような磁性積層体23においては、磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞ
れ積層体底面からみて傾きを有する一斜面を形成しているため、該磁性積層体の周囲に導線を巻回しコイルを付与して磁気コアやアンテナを作製した場合には、図1−1のような直方体の磁性積層体と比較して、反磁界係数を効果的に低減し、インダクタンスを向上させることができる。このため、コイルの巻線数を大幅に減少することが可能となり、小型あるいは薄型の高磁気特性を有する磁気コアやアンテナを提供できる。なお、この場合、該磁性積層体23は、その上面の形状が、図1−1の上面と同一形状であるため、z軸方
向へ平行に巻回する際のコイルの巻き幅は同じとなり、同じ巻線数となるように導線を巻き回した場合でも、巻き太りなどの問題は生じない。
なお、図2−2は、積層体底面からみて一斜面となるように切断され形成された、磁性積層体の磁束発生方向に対する二つの積層端面が平行な場合を示しているが、これに限定されず、前記二つの積層端面が異なる傾斜を有していてもよい。
次に上記磁性積層体(III)の例を図2−3〜図2−5に基づいて説明する。
図2−3は、上記磁性積層体(III)の一例を示す斜視図である。図2−3中、磁性積
層体25は、磁性金属薄帯13の片面に樹脂層15が形成され、長方形の短冊状に打ち抜かれた磁性基材16が、磁性積層体25の磁束発生方向の一方に対してその積層端面位置をずらしながら積層されることによって形成されているが、該磁性積層体25は、図2−1の磁性積層体21が、磁性金属薄帯13と樹脂層15とが交互に繰り返されるように複数積層され形成されているとも言える。
このような磁性積層体25においては、磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞれ積層体底面からみて凹凸を有する階段状の斜面を数段階にわたって形成しているため、該磁性積層体の周囲に導線を巻回しコイルを付与して磁気コアやアンテナを作製した場合には、同一形状の短冊状の磁性基材を垂直に積層した磁性積層体(たとえば、図1−1)と比較して、反磁界係数をさらに効果的に低減し、インダクタンスを向上させることができる。このため、コイルの巻線数を大幅に減少することが可能となり、小型あるいは薄型の高磁気特性を有する磁気コアやアンテナを提供できる。なお、この場合、図1−1の磁性積層体11と比較しても、z軸方向へ平行に巻回する際のコイルの巻き幅は同じである
ため、同じ巻線数となるように導線を巻き回した場合でも、巻き太りなどの問題は生じない。
図2−4は、上記磁性積層体(III)の別の一例を示す斜視図である。図2−4中、磁
性積層体27は、磁性金属薄帯13の片面に樹脂層15が形成され、平行四辺形(長方形および正方形を除く)状に打ち抜かれた磁性基材18が、磁性積層体27の磁束発生方向の一方に対してその積層端面位置をずらしながら積層されることによって形成されている。
このような磁性積層体27においては、磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞれ積層体底面からみて凹凸を有する階段状の斜面を数段階にわたって形成しているため、該磁性積層体の周囲に導線を巻回しコイルを付与して磁気コアやアンテナを作製した場合には、同一形状の平行四辺形状の磁性基材を垂直に積層した磁性積層体(たとえば、図1−2)と比較して、反磁界係数をより効果的に低減し、インダクタンスをさらに向上させることができる。このため、コイルの巻線数を大幅に減少することが可能となり、小型あるいは薄型の高磁気特性を有する磁気コアやアンテナを提供できる。なお、この場合、図1−1のような直方体の磁性積層体と比較したときの巻き幅の減少による巻き太りの問題は、巻線数の減少により解消することができるため、問題とはならない。
図2−5は、上記磁性積層体(III)の別の一例を示す斜視図である。図2−5中、磁
性積層体29は、図2−2の磁性積層体23が、磁性金属薄帯13と樹脂層15とが交互に繰り返されるように複数積層され形成されている。
このような磁性積層体29においては、磁束発生方向に対する二つの積層端面がそれぞれ積層体底面からみて傾きを有する斜面を数段階にわたって形成しているため、該磁性積層体の周囲に導線を巻回しコイルを付与して磁気コアやアンテナを作製した場合には、図1−1のような直方体の磁性積層体と比較して、反磁界係数をより効果的に低減し、インダクタンスをさらに向上させることができる。このため、コイルの巻線数を大幅に減少することが可能となり、小型あるいは薄型の高磁気特性を有する磁気コアやアンテナを提供できる。なお、この場合、該磁性積層体29は、その上面の形状が、図1−1の上面と同一形状であるため、z軸方向へ平行に巻回する際のコイルの巻き幅は同じとなり、同じ巻
線数となるように導線を巻き回した場合でも、巻き太りなどの問題は生じない。
なお、このような磁性積層体の形状は、光学顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)などで、磁性積層体を観察することによって確認することができる。
((磁性積層体の製造方法))
本発明の磁性積層体、たとえば上記磁性積層体(I)は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層する際に、前記磁性基材を、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置をずらしながら積層することによって製造することができる。
具体的には、予め所定の形状に打ち抜いた磁性基材を、型内で積層体の底面からみたときに階段状の斜面を形成するように積層し、熱プレスなどによって積層接着することによって製造することができる。
または、予め所定の形状に打ち抜いた磁性基材を、型内で積層し、熱プレスなどによって積層接着する際、所望の方向に型を滑らせ、磁性積層体にすべり応力を加えて薄帯を滑らせた後、接着することによって製造することができる。
また、本発明の別の磁性積層体、たとえば上記磁性積層体(II)は、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層した後、前記磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面、好ましくは前記磁性積層体の磁束発生方向に対する二つの積層端面をそれぞれ、積層体底面からみて一斜面を形成するように切断することによって製造することができる。
具体的には、磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層し、熱プレスなどによって積層接着して磁性積層体を形成した後、該磁性積層体の磁束発生方向に対する端部、好ましくは両端部を斜めに切断することにより製造することができるが、予め端部を斜めに切断した磁性基材を複数積層すること、あるいは端部を斜めに切断した磁性金属薄帯と樹脂層とを複数積層し、熱プレスなどによって積層接着することによって製造してもよい。
一例を説明すると、たとえば、磁性金属薄帯上に樹脂層を形成した短冊状の磁性基材を積層した積層体において、磁気コアなどの使用態様で発生する磁束の発生方向に対する端部、好ましくは両端部を、回転刃や放電ワイヤーカットにより、積層体底面からみて一斜面を形成するようにそれぞれ斜めに切断することによって製造することができる。
この場合、磁性金属薄帯の磁気性能向上のための熱処理は、樹脂層に使用する樹脂の種
類に応じて、切断前に行ってもよく、切断後に行ってもよい。
また、本発明の別の磁性積層体、たとえば上記磁性積層体(III)は、上述のようにし
て製造した磁性積層体(I)または(II)を所定の型内で複数積層し、熱プレスなどの処理を施すことによって製造することができる。
((用途))
本発明の磁性積層体は、これらの周囲に導線を巻回しコイルを付与して磁気コアやアンテナとして用いることができる。本発明の磁性積層体を磁気コア材料として用いた場合には、反磁界係数を効果的に低減しインダクタンスを向上させることができるため、良好な磁気特性を有しつつも、コイルの巻線数を大幅に減少させ、磁気コアやアンテナの小型化あるいは薄型化を図ることができる。
図1−1は、従来の磁性積層体の一例を示す斜視図である。 図1−2は、従来の磁性積層体の別の一例を示す斜視図である。 図2−1は、本発明の磁性積層体(I)の一例を示す斜視図である。 図2−2は、本発明の磁性積層体(II)の一例を示す斜視図である。 図2−3は、本発明の磁性積層体(III)の一例を示す斜視図である。 図2−4は、本発明の磁性積層体(III)の一例を示す斜視図である。 図2−5は、本発明の磁性積層体(III)の一例を示す斜視図である。 図3−1は、本発明の磁性積層体(I)の一例を示す断面図である。 図3−2は、本発明の磁性積層体(I)の一例を示す断面図である。
符号の説明
11、17:従来の磁性積層体
13:磁性金属薄帯
15:樹脂層
16、18:磁性基材
21、23、25、27、29、31、33:本発明の磁性積層体

Claims (8)

  1. 磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層されている磁性積層体であって、少なくとも前記磁性金属薄帯が磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されていることを特徴とする磁性積層体。
  2. 磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材が、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置がずらされている状態で積層されていることを特徴とする請求項1に記載の磁性積層体。
  3. 前記磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面が、積層体底面からみて一斜面となるように切断され、形成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁性積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された磁性積層体が、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように複数積層されていることを特徴とする磁性積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された磁性積層体を用いたことを特徴とする磁気コア。
  6. 請求項5に記載された磁気コアを用いたことを特徴とするアンテナ。
  7. 磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層する際に、前記磁性基材を、磁性積層体の磁束発生方向の一方に対して積層端面位置をずらしながら積層することを特徴とする磁性積層体の製造方法。
  8. 磁性金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に樹脂層が形成されている磁性基材を、磁性金属薄帯と樹脂層とが交互に繰り返されるように積層し、前記磁性積層体の磁束発生方向に対する積層端面を、積層体底面からみて一斜面を形成するように切断することを特徴とする磁性積層体の製造方法。
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