JP2004048136A - 薄型アンテナ - Google Patents

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Nobuhiro Maruko
丸子 展弘
Mitsunobu Yoshida
吉田 光伸
Hiroshi Watanabe
渡辺 洋
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Abstract

【課題】基板実装が容易であり、かつ薄型のアンテナを提供する。
【解決手段】非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層された積層体からなるコア11に、被覆導線が巻回されたアンテナであって、コア11の少なくとも巻き線14を施す部分に絶縁部材が付与さていることを特徴とする薄型アンテナ。更に、積層体からなるコア11の端部にボビン12が付与され、ボビン12には金属端子13が埋め込まれていることを特徴とする薄型アンテナ。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波を電気信号に変換する素子に用いられる小型、薄型のコア材に関するものである。例えば、電波を受信、送信、送受信するアンテナであり、RFID用アンテナ、車載イモビライザ−用アンテナ、電子キー用アンテナ、電波時計用アンテナ、ラジオ、携帯機器用小型アンテナ等が挙げられる。これらの素子に用いられるコア材が、非晶質金属磁性材料からなる薄帯が積層された磁性材料およびその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子・通信分野の目覚しい発展に伴い,電気・電子機器に用いられる磁気応用製品の需要の拡大,これに伴う製品形態の多様化が急速に進んでおり、特に携帯機器の普及に伴って、薄型化、小型化、高効率化の要求が高まっている。これらの機器に用いられる、電波を電気信号に変換する素子においては、より薄型化、小型化、高効率化が望まれている。
非晶質金属薄帯材料は、磁気特性が優れることから、電波を電気信号に変換する素子に使用した場合に薄型化、小型化、もしくは高性能化する潜在ポテンシャルをもつ材料である。
【0003】
従来このようなアンテナとして、特開平5−267922に車載用アンテナとして、非晶質金属薄帯を積層した磁心材料390℃から420℃で0.5〜2時間程度の熱処理を行った後、エポキシ樹脂等を含浸する方法であり、10kHz〜20kHzで用いられるアンテナ用途が提案されている。また、特開平7−278763に非晶質金属薄帯を積層したアンテナ用が提案されており、100kHz以上でQ値が高いアンテナを得られることが提案されている。いずれのアンテナも非晶質金属薄帯の積層体に導線を直接巻回する方法となっている。また、市販の電波時計(例えばカシオ製:WVA−300)のアンテナに樹脂ケースに非晶質金属薄帯を重ねて納め、その上に巻き線を施した形態のアンテナがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年の電波を利用した情報通信としては、例えば防犯用の施錠システム、IDカード、タグ等のトランスポンダに使用されるRFIDの情報の送受信、または、電波時計、ラジオ等に用いられている。これらの用途では、携帯するタグ、キー等に使われることから、薄型化、カード化の市場要求があり、用いられるアンテナの薄型化が求められている。
【0005】
また、非晶質金属薄帯は非常に硬い素材であり、そのエッジ部は鋭利であり、導線の被覆等が切れることが容易に起こりうる。また、非晶質金属薄帯は絶縁材料ではなく、巻き線の被覆がはがれ、コイルの一部が短絡すると、アンテナとしての特性が急激に劣化する問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、これらの問題を解決するために、非晶質金属薄帯の積層体の少なくとも巻き線を施す部位に絶縁性を付与することにより、巻き線の被覆が剥がれることを防止し、さらに樹脂成型によりケース等を使用しないことにより、薄型化を実現するアンテナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明の非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層された積層体のコア材を用いるアンテナにおいて、コア材の少なくとも巻き線を施す部分に絶縁材の付与を行う。絶縁材の付与する例としては、絶縁フィルムに粘着材が付与されたテープを貼り付ける方法、積層体のコア材に絶縁性の樹脂をコーティングする方法、等が挙げられる。
【0008】
さらに、樹脂の射出成型によるケース等を使用せず、上記絶縁材が付与された積層体コアに直接巻き線を施すことにより、射出成型によるケースを使用する肉厚よりも薄く絶縁材を付与することにより、アンテナの薄型化が可能であり、かつ、導線の被覆がはがれ、非晶質金属薄帯と電気的導通によるアンテナ特性を劣化させることのない、アンテナを提供できる。
また、アンテナの長手方向の両端にボビンを付与することにより、巻き線の工程のガイドとして用いられるとともに、実装時の固定が容易になる。
【0009】
さらに、前記ボビンに表面実装用の端子を埋め込む構造とし、巻き線を施した後の導線の両端を金属端子に絡げ、半田付け等により電気的に接続することで、基板実装が容易であり、かつ薄型のアンテナを提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(アンテナ)
本発明の非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層されたアンテナ用積層体の一例を、図1、および図2に示す。本発明の薄型アンテナは、非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層された積層体コアを用い、例えば矩形状に形状加工されており、このコアの少なくとも巻き線が巻回される部分には、絶縁材が付与されている。さらにこの絶縁部材の上に巻き線が施された構造であり、必要に応じて、非晶質金属薄帯積層体のコアの両端部にボビンが挿入され、さらにボビンに金属端子がインサートされ、基板実装可能な形態の端子となっていることで、アンテナのコイル両端を金属端子に接続することで、基板実装が容易であり、かつ薄型化を実現するアンテナとなる。
【0011】
この絶縁材により、非晶質金属薄帯のエッジ部が露出しないことにより巻き線の絶縁被覆の剥がれによる導線と非晶質金属コアの導通、あるいは巻き線切れを防止することができる。
【0012】
(非晶質合金薄帯)
本発明のアンテナ用コアに使用される非晶質金属薄帯に用いられる磁性材料としては、Fe系、Co系の非晶質金属薄帯が用いられる。これらの非晶質金属薄帯は、通常溶融金属を急冷ロールを用いて、急冷して得られる。通常は10〜50μmの厚さであり、好ましくは10〜30μmの厚さの薄帯が用いられる。Fe系非晶質金属材料としては、Fe−Si−B系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属材料や、Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質金属材料を挙げることができる。Co系非晶質金属材料としてはCo−Si−B系、Co−B系などの非晶質金属材料が例示できる。
【0013】
これらの中でも、アンテナ特性としてのQ値が高い材料としては、以下の組成のものがより好ましい。
【0014】
非晶質金属薄帯の組成が、一般式(Co  Fe  X Y(式中のXは、Si,B,C,Geから選ばれる少なくとも1種類以上の元素を表し、YはZr,Nb,Ti,Hf,Ta,W,Cr,Mo,V,Ni,P,Al,Pt,Ph,Ru,Sn,Sb,Cu,Mn,希土類元素から選ばれる少なくとも1種類以上の元素で表される。c,a,bは、それぞれ、0≦c≦0.2、10<a≦35、0≦b≦30ここでa,bは原子%)で表される組成が好ましい。上記非晶質金属薄帯のCoのFe置換は非晶質合金の飽和磁化の増加に寄与する傾向にある。このため、置換量cは0≦c≦0.2であることが好ましい。さらに、0≦c≦0.1であることが好ましい。
【0015】
X元素は本発明に用いる非晶質金属薄帯を製造する上で、非晶質化のために結晶化速度を低減するために有効な元素である。X元素が10原子%より少ないと、非晶質化が低下して一部結晶質が混在し、また、35原子%を超えると、非晶質構造は得られるものの合金薄帯の機械的強度が低下し、連続的な薄帯が得られなくなる。したがって、X元素の量aは、10<a≦35であることが好ましく、さらに好ましくは、12≦a≦30である。
【0016】
Y元素は、本発明に用いる非晶質金属薄帯の耐食性に効果がある。この中で特に有効な元素は、Zr,Nb,Mn,W,Mo,Cr,V,Ni,P,Al,Pt,Ph,Ru元素である。Y元素の添加量は30%以上になると、耐食性の効果はあるが、薄帯の機械的強度が脆弱になるため、0≦b≦30であることが好ましい。さらに好ましい範囲は、0≦b≦20である。
【0017】
また、前記非晶質金属薄帯は、例えば、所望組成の金属を調合したものを高周波溶解炉等を用いて溶融し、均一な溶融体としたものを、不活性ガス等でフローして、急冷ロールに吹き付けて、急冷して得られる。通常は厚さは10〜50μmであり、好ましくは10〜30μmの薄帯が用いられる。
【0018】
本発明に用いられる非晶質金属薄帯は、液体急冷方法などによりシ−ト状に作製された非晶質金属材料が使用できる。または,粉末状の非晶質金属材料をプレス成形などによりシ−ト状にしたものを使用することができる。また,本発明に使用される非晶質金属薄帯は,単一非晶質金属薄帯を用いても良いし,複数および多種類の非晶質金属薄帯を重ねたものを用いることができる。
【0019】
(耐熱性樹脂)
本発明に用いられる耐熱性樹脂は、非晶質金属薄帯と交互に積層され一体化することのできる樹脂を用いることができる、熱可塑性、非熱可塑性、熱硬化性樹脂を挙げることができる。中でも熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
【0020】
前記非晶質金属薄帯の少なくとも一部に熱可塑性樹脂を付与した後、もしくは熱可塑性樹脂の前駆体を付与し該樹脂を形成した後、この基材を積層し、非晶質金属薄帯の積層体を得ることができる。熱可塑性樹脂を用いた場合には、樹脂化して基材を使用できるため、室温でタック性がなく、また安定であるため、取り扱いが簡便であり、積層時の作業性がよく工程の歩留まりが向上できるメリットがある。
【0021】
一方、非晶質金属薄帯は200〜500℃、好ましくは300〜500℃で熱処理することで、磁気特性が大きく向上する特性がある。しかしながら、熱処理後は薄帯が脆弱化する問題があるため、熱処理した薄帯のみを取り扱うことは工業的に問題がある。そこで、非晶質金属薄帯を積層する際用いられる樹脂を上記熱処理に耐え得る耐熱性を有する樹脂を用いることで、積層体を非晶質金属薄帯の磁気特性を向上させる熱処理を実施することが可能となる。
【0022】
本発明に用いられる熱可塑性の耐熱性樹脂としては、前処理として120℃で4時間乾燥を施し、その後、窒素雰囲気下、300℃で1時間保持した際の重量減少量を、DTA−TGを用いて測定され、通常1%以下、好ましくは0.3%以下であるものが用いられる。具体的な樹脂としては、ポリイミド系樹脂、ケイ素含有樹脂、ケトン系樹脂、ポリアミド系樹脂、液晶ポリマー,ニトリル系樹脂,チオエ−テル系樹脂,ポリエステル系樹脂,アリレ−ト系樹脂,サルホン系樹脂,イミド系樹脂,アミドイミド系樹脂を挙げることができる。これらのうちポリイミド系樹脂,スルホン系樹脂,アミドイミド系樹脂を用いるのが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる樹脂は、上記の耐熱性に加えて下記の特性を兼ね備えている樹脂であることがさらに好ましい。
▲1▼窒素雰囲気下300℃、2時間の熱履歴を経た後の引っ張り強度が30MPa以上である。
▲2▼ガラス転移温度が120℃〜250℃である。
▲3▼溶融粘度が10万Pa・sである温度が、250℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
▲4▼400℃から120℃まで0.5℃/分の一定速度で降温した後、樹脂中の結晶物による融解熱が10J/g以下である。
【0024】
(アンテナ用積層体コア)
本発明の非晶質金属薄帯積層体であるアンテナ用積層コアは、非晶質金属薄帯を積み重ね、耐熱性樹脂または耐熱性樹脂の前駆体を含浸させて樹脂化することで積層体を作製する方法がある。好ましくは、非晶質金属薄帯に予め耐熱性樹脂または耐熱性樹脂の前駆体を付与した磁性基材を用い、この基材を積層接着して積層体を作製する方法が望ましい。具体的な方法の例を以下に示す。
(A)非晶質金属薄帯に前記耐熱性樹脂もしくは耐熱性樹脂の前駆体が付与された基材を用いて、この基材を打ち抜き等でアンテナ寸法に形状加工したのち、熱プレス等の方法で積層接着する方法。
(B)非晶質金属薄帯に前記耐熱性樹脂もしくは耐熱性樹脂の前駆体が付与された基材の積層体を作製し、積層体をアンテナ寸法に加工したのち、更に所望の厚みとなるように、熱プレス等の加熱接着もしくは接着剤を用いて接着し、アンテナ用の積層コアを作製する方法。
(C)非晶質金属薄帯に前記耐熱性樹脂もしくは耐熱性樹脂の前駆体が付与された基材を用いて、アンテナコアの厚みとなるように非晶質金属薄帯の積層体を作製し、積層体をアンテナ寸法に加工する方法。
【0025】
上記のいずれの方法においても、アンテナ寸法の形状加工は、打ち抜き、放電ワイヤ−加工、レーザー加工等を用いることができる。
【0026】
これらの工程の中でも、(C)の工程が最も工業的には工数削減ができ、コストメリットがあり、好ましい工程である。
【0027】
(絶縁材の付与)
本発明のアンテナは前記非晶質金属薄帯の積層体コアに少なくとも巻き線が巻回される部分に絶縁材を付与する。非晶質金属薄帯のエッジが鋭利であり、積層体コアに直接被覆導線を巻回した場合には、コア端部で導線の被覆が剥がれ、巻き線と非晶質金属薄帯が導通状態となる可能性があり、巻き線と非晶質帰属薄帯が導通した場合には、L値が大幅に減少し、アンテナ特性が急激に低下する。絶縁材の付与の目的は前記特性劣化の原因となる積層体コアのエッジが直接被覆導線に接触することを防止し、巻き線の絶縁破壊を防止するためである。
【0028】
本発明では、非晶質金属薄帯積層体が形状加工されたコアに絶縁材を付与する方法は、以下の方法がある。
【0029】
(1)絶縁性のフィルムに粘着材が塗布されたテープを用い、アンテナ用コアに巻きつけて粘着固定する。
【0030】
絶縁性のテープは、絶縁性の樹脂フィルムに粘着剤が塗布されたものであり、樹脂の材質は特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ペット、ポリアミド、ポリイミド、などのフィルムが用いられる。フィルム厚さは5〜100μmの範囲の物が用いられ、好ましくは10μm〜50μmの間のフィルムが用いられる。フィルム厚さが薄い場合には、非晶質金属薄帯のエッジでフィルム切れが起こるため、10μm以上の厚みが望ましく、フィルムが厚い場合には薄型化が損なわれる。
【0031】
また、アンテナとしてボビンを用いる場合には、絶縁性を確保するために、樹脂フィルムのみをアンテナ用コアに用い、両端のボビンにフィルムとアンテナコアを挿入することにより固定してもよい。
【0032】
(2)アンテナ用コアに絶縁性の樹脂をディップ法、粉体塗装等により、非晶質金属薄帯の積層体が形状加工されたアンテナ用コアの少なくとも巻き線が巻回される部分に樹脂でコーティングする。
【0033】
用いられる樹脂は、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド樹脂等を用いることができる。特に、耐熱性を必要とする場合には、ポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂が用いられる。樹脂厚みは0.02〜0.3mmであり、好ましくは0.05〜0.1mmとすることで、絶縁性と非晶質金属薄帯積層体のコアの端部エッジを覆い、巻き線の被覆の剥がれの防止と薄型化を同時に実現できる。
【0034】
(アンテナ形成)
前記の絶縁材を付与したアンテナ用コアに被覆された導線を所定のまき数、巻回することによってアンテナが形成される。
【0035】
また、前記絶縁材を付与したアンテナ用コアの長手方向の両端にボビンを付与し、巻き線時のガイドとして使用することができる。巻き線時にボビンがあることにより、巻き線が容易になり、巻き線の巻き崩れ、巻き線の厚みムラを抑制することができ、量産性に優れるアンテナを提供できる。
【0036】
ボビンは樹脂を射出成型を用いた加工等により作製され、非晶質金属積層体のコアを挿入する形態であり、小型化、薄型化を実現するため、アンテナ用コアに巻き線を実施する所望の巻き線厚みと同じ、若しくはわずかに厚い高さに合わせたボビンの厚さを設定する。さらに、アンテナ用コアの巻き線の巻き方向に垂直な方向にはボビンは中空に形成され、アンテナ用コアの端部がボビンの端部に合わせて固定されることにより小型化が図れる。(図3、4)
さらに、所望の形状に加工したリード端子をインサート成型等により加工し、ボビンに表面実装用の端子を埋め込む構造とし、巻き線を施した後の導線の両端を金属端子に絡げ、半田付け等により電気的に接続することで、アンテナの基板実装が容易となり、かつ、薄型化が実現できる。たとえば、図1に示すような構造のボビンをアンテナ用コアの両端に付与し、必要に応じて接着固定して用いられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例について示す。
【0038】
[実施例1]
非晶質金属薄帯として,ハネウェル社製、Metglas:2714A、幅約50mm,厚み約15μmであるCo66Fe4Ni1(BSi)29(原子%)の組成を持つ非晶質金属薄帯を使用した。この薄帯の片面全面にE型粘度計で測定し、約0.3Pa・sの粘度のポリアミド酸溶液を付与し,140℃で乾燥後、260℃でキュアし、非晶質金属薄帯の片面に約6ミクロンの耐熱樹脂(ポリイミド樹脂)を付与し基材を作製した。
【0039】
ポリアミド酸溶液は、3,3‘−ジアミノジフェニルエーテルと3,3,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を1:0.98の割合でジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて重縮合して得られたものであり、ジメチルアセトアミドで希釈して用いた。この基材を、25枚積み重ねて260℃で熱フ゜レスにより厚み0.55mmの積層体を作製した後、この積層体を固定治具(図5)に固定して400℃1時間熱処理した後、形状加工して15×2mmのアンテナ用積層コアを作製した。このコアに絶縁性の粘着フィルム(日東電工製、型番NO.360VLフィルム厚み25μm)を、長手方向の端面を除いた側面に貼り付け、次にΦ0.1mmの被覆導線をアンテナ用コアに200ターン巻いて、60kHzの周波数でQ値とL値を測定した。Q値とL値の測定には、LCRメータ(HP製4284A)を用い、測定電圧1Vとした。厚み測定にはダイヤルゲージを用いた。
【0040】
[実施例2]
実施例1と同様に積層体を作製して得られたアンテナ用コアを図6に示す熱プレス装置を用いて、温度400℃、加圧力1Mpaで1時間熱処理を行った。実施例1と同様に絶縁テープを貼り付けた後に、巻き線を行い厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。測定値を表1に示す。
薄型、Q値の高い良好なアンテナ特性が得られた。
【0041】
[実施例3]
実施例1と同様に積層体を作製して得られたアンテナ用コアの全面に樹脂(エポキシ樹脂(スリーボンド製 型番2280C)をディップコーティングし加熱硬化(硬化条件150℃30min)、絶縁皮膜を付与した。巻線(ポリウレタン被覆銅線、線径φ0.1mm)を行い、実施例1と同様に厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。測定値を表1に示す。薄型、Q値の高い良好なアンテナ特性が得られた。
【0042】
[実施例4]
実施例2と同様に樹脂をコーティングしたアンテナ用コアの両端に図4に示すボビンを装着し、ボビンの内側に巻線(ポリウレタン被覆銅線、線径φ0.1mm)を行い、実施例1と同様に厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。測定値を表1に示す。薄型、Q値の高い良好なアンテナ特性が得られた。
【0043】
[実施例5]
実施例1と同様に作製されたアンテナ用コアに絶縁性フィルム(デュポン製 型番50EN)を巻き、実施例4と同様のボビンを装着し、フィルムを固定する。ボビンの内側に巻線(ポリウレタン被覆銅線、線径φ0.1mm)を行い、実施例1と同様にQ値の測定を行った。
【0044】
[比較例1]
実施例1と同様に作製されたアンテナ用コアを熱処理を施さず、実施例4と同様のボビンを装着し、ボビンの内側に巻線(ポリウレタン被覆銅線、線径φ0.1mm)を行い、実施例1と同様に、厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。測定値を表1に示す。熱処理していないため実施例に比較しQ値が低い特性となった。
【0045】
[比較例2]
実施例1と同様に作製されたアンテナ用コアを熱処理した後、矩形状のアンテナ用コアと同形状で肉厚が0.25mmのケースに装着し、実施例1と同様の巻線を施し、厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。測定値を表1に示す。ケースにより、実施例1〜5に比較し、ケースの厚みにより、厚みが0.5mm以上厚くなった。薄型化においては、本発明に比較して不利である。
【0046】
[比較例3]
実施例1と同様の非晶質金属薄帯(ハネウェル社製、Metglas:2714Aを使用し、この薄帯を、シャーリングカッターで形状15mm×2mmに切断加工し、400℃1時間熱処理した後、比較例2と同様のケースに入れ、実施例1と同様の巻線を施し厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。測定値を表1に示す。実施例に比較し、熱処理後の薄帯をケースに入れる作業時に、割れかけが発生し、歩留まりが低下した。さらにケースを使用しているため、厚みが厚く、薄型化においては、本発明に比較して不利である。
【0047】
[比較例4]
実施例1と同様に作製されたアンテナ用コアを、樹脂のディップコートやフィルム貼り付け等の絶縁被覆をせず、直接、実施例1と同様の巻線を行い、厚さ、Q値、及びL値の測定を行った。その結果、Q値は3、L値は0.1mHで不安であった。これは巻線の絶縁被覆が、積層体の角部に接触し、絶縁破壊したためである。アンテナとして、実用的な性能を有していない。
【0048】
【表1】
Figure 2004048136
【0049】
【発明の効果】
本発明の非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層された積層体のコア材を用いるアンテナにおいて、コアの少なくとも巻き線を施す部分に絶縁材の付与を行う。絶縁材の付与する例としては、絶縁フィルムに粘着材が付与されたテープを貼り付ける方法、積層体のコア材に絶縁性の樹脂をコーティングする方法等を用い、 さらに、樹脂の射出成型によるケース等を使用せず、上記絶縁材が付与された積層体コアに直接巻き線を施すことにより、射出成型によるケースを使用する肉厚よりも薄く絶縁材を付与することにより、アンテナの薄型化が可能であり、かつ、導線の被覆がはがれ、非晶質金属薄帯と電気的導通によるアンテナ特性を劣化させることのない、アンテナを提供できる。
【0050】
また、アンテナの長手方向の両端にボビンを付与することにより、巻き線の工程のガイドとして用いられるとともに、実装時の固定が容易になる。
【0051】
さらに、前記ボビンに表面実装用の端子を埋め込む構造とし、巻き線を施した後の導線の両端を金属端子に絡げ、半田付け等により電気的に接続することで、基板実装が容易であり、かつ薄型のアンテナを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のアンテナ。
【図2】本発明の実施例のアンテナ。
【図3】本発明のアンテナ用コアに絶縁材を付与し、ボビンに固定した例。
【図4】本発明のアンテナ用コアに絶縁材を付与し、ボビンに金属端子が ある例。
【図5】積層体を熱処理際に用いるジグ。
【図6】非晶質金属薄帯を積層する際の熱プレス
(符号の説明)
11 絶縁材が付与されたアンテナ用コア
12 ボビン
13 金属端子
14 巻き線
21 絶縁材が付与されたアンテナ用コア
22 ボビン
23 金属端子
24 巻き線
31 絶縁材が付与されたアンテナ用コア
32 ボビン
41 絶縁材が付与されたアンテナ用コア
42 ボビン
43 金属端子
51 非晶質金属薄帯積層体
52 金属板
53 金属板
54 固定用ネジ
61 非晶質金属薄帯および樹脂付与した非晶質金属薄帯
62 積層された非晶質金属薄帯
63 熱プレス型

Claims (4)

  1. 非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層された積層体からなるコアに、被覆導線が巻回されたアンテナであって、コアの少なくとも巻き線を施す部分に絶縁部材が付与さていることを特徴とする薄型アンテナ。
  2. 非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂が交互に積層された積層体をコア材として用い、被覆導線が巻回されたアンテナであって、コアの少なくとも巻き線が施された部分に絶縁部材が付与され、かつ積層体の端部にボビンが付与されたことを特徴とする前記請求項1記載の薄型アンテナ。
  3. 前記ボビンに金属端子が埋め込まれていることを特徴とする前記請求項2記載の薄型アンテナ。
  4. 前記絶縁部材が絶縁性フィルムもしくは絶縁性の樹脂がコーティングされたことを特徴とする前記請求項1から3の薄型アンテナ。
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