JP5448663B2 - コイルアンテナおよびそれを用いた電子機器 - Google Patents
コイルアンテナおよびそれを用いた電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5448663B2 JP5448663B2 JP2009209077A JP2009209077A JP5448663B2 JP 5448663 B2 JP5448663 B2 JP 5448663B2 JP 2009209077 A JP2009209077 A JP 2009209077A JP 2009209077 A JP2009209077 A JP 2009209077A JP 5448663 B2 JP5448663 B2 JP 5448663B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil antenna
- winding
- iron
- alloy
- cylindrical structure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
また、近年、通信情報の急増に伴い電子通信機器の小型化、軽量化が図られ、これに伴ってこの機器に搭載される電子部品の小型化、軽量化が望まれている。現在の携帯通信端末で情報伝播に用いられている電波の周波数帯域は100MHz以上の高周波領域である。また、携帯移動体通信、衛生通信においてはGHz帯の高周波域の電波が使用されている。このため、この高周波領域において有用な電子部品が注目されている。
このような高周波域の電波に対応するためには、電子部品においてエネルギ−損失や伝送損失が小さく、有効に電気特性長の短縮が実現されることが必要である。例えば、携帯通信端末に不可欠なアンテナデバイスでは、受信過程において導体ならびに材料で損失が生じる。この損失は、受信感度を落とす原因となる。
例えば、地上デジタル放送用のコイルアンテナとしては、特開2008−259039号公報(特許文献1)には直方体からなる誘電体(または磁性体)に巻線を施したものが開示されている。また、電波時計用アンテナとしては、特開2005−269234号公報(特許文献2)には直方体の磁性体を熱収縮チュ−ブで絶縁し、その上に巻線を施したコイルアンテナが開示されている。また、特開2007−60138号公報(特許文献3)には磁性体粉末と樹脂を固めた直方体にコイルを巻回したアンテナが開示されている。
また、アンテナ用磁性体粉末としては特開2008−258601号公報(特許文献4)では平均粒径1μm以下の微細磁性粉末を使うことにより高周波での透磁率を制御している。
このため、広帯域での受信感度を向上させたコイルアンテナが求められていた。
本発明のコイルアンテナは、軟磁性体粉末と有機結合剤の混成物からなる円柱状磁性体を絶縁体で覆った円柱状構造体に巻線を施してなるコイルアンテナにおいて、円柱状コイル巻線構造体の少なくとも一方の端部には平面部が設けられており、平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周の3/4以下であることを特徴とするものである。
また、前記絶縁体は円柱状ボビンと平面部が一体に設けられたものであることが好ましい。また、巻線が幅広の帯状体であることが好ましい。
また、平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周の1/4以下であり、巻線ピッチをp、巻線幅をw、円柱状構造体の直径をLとしたとき、
9L2p2/16w2>(p/2)2+L2、
を満たすことが好ましい。
また、平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周の2/4以下であり、巻線ピッチをp、巻線幅をw、円柱状構造体の直径をLとしたとき、
L2p2/4w2>(p/2)2+L2、
を満たすことが好ましい。
また、平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周の3/4以下であり、巻線ピッチをp、巻線幅をw、円柱状構造体の直径をLとしたとき、
L2p2/16w2>(p/2)2+L2、
を満たすことが好ましい。
また、 前記軟磁性体粉末は、鉄アルミ珪素合金(センダスト)、鉄ニッケル合金(パ−マロイ)、鉄コバルト合金、鉄コバルトアルミニウム合金、鉄コバルトシリコン合金、鉄シリコンバナジュ−ム合金、鉄コバルトボロン合金、コバルト系アモルフアス合金、鉄系アモルフアス合金、カ−ボニル鉄、モリブデンパ−マロイ、純鉄から選ばれる1種以上からなることが好ましい。また、前記軟磁性体粉末の表面に窒化物、炭化物、酸化物の少なくとも1種からなる被膜を設けたことが好ましい。また、 前記磁性体粉末の平均粒径が10nm以上、1μm以下であることを特徴とすることが好ましい。
また、前記絶縁体の厚さが0.05mm以上あることを特徴とすることが好ましい。また、前記絶縁体の厚さが0.85mm以下あることが好ましい。
また、以上のようなコイルアンテナは、各種電子機器に好適である。
そのため、本発明のアンテナを搭載した電子機器は信頼性を向上させることができる。
本発明の第一のコイルアンテナは、軟磁性体粉末と有機結合剤の混成物からなる円柱状磁性体を絶縁体で覆った円柱状構造体に巻線を施してなることを特徴とするものである。図1にコイルアンテナの一例を示した。図中、1はコイルアンテナ、2は円柱状構造体、3は巻線、4は平面部、pは巻線の間隔(ピッチ)、wは巻線の幅である。
まず、軟磁性体粉末としては、高周波における透磁率の大きな材料が好ましく、鉄アルミ珪素合金(センダスト)、鉄ニッケル合金(パ−マロイ)、鉄コバルト合金、鉄コバルトアルミニウム合金、鉄コバルトシリコン合金、鉄シリコンバナジュ−ム合金、鉄コバルトボロン合金、コバルト系アモルフアス合金、鉄系アモルフアス合金、カ−ボニル鉄、モリブデンパ−マロイ、純鉄粉などが挙げられる。
被膜を設けることにより軟磁性体粉末が劣化するのを防ぐことができる。また、前記被膜の代わりに、樹脂被膜やNiメッキ等の耐食性のよい被膜を設けてもよい。樹脂被膜としてはポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロ−ス系樹脂、ABS樹脂、ニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、或いはそれらの共重合体が好ましい。
いずれの被膜を用いる場合であっても膜厚は1nm以上100nm以下が好ましい。特に軟磁性体粉末の平均粒径が10nm以上100nm未満と微粉末のときは、膜厚1nm以上7nm以下と薄い方が好ましい。また、被膜付きの軟磁性体粉末をコアシェル型軟磁性体粉末と呼ぶ。
微粉末状磁性体粉末は、例えば、ニッケル、コバルト又は鉄などの金属の蓚酸等の有機酸塩を熱分解して得た微細な酸化物等を水素で低温還元して得られたニッケル粉、コバルト粉又は鉄粉や、硫酸第一鉄溶液を中和酸化して得た微細な鉄粉などがある。
また、他の方法としては、溶液中で還元した粉末で、例えば、ニッケル又はコバルトのアンモニア錯イオンを含む溶液を高温、高圧で水素還元して得られたニッケル粉、コバルト粉などがある。
また、他の方法としては、カ−ボニルニッケル粉、カ−ボニル鉄粉で、ニッケルカ−ボニル(Ni(CO)4)、鉄カ−ボニル(Fe(CO)5)を熱分解して得られたカ−ボニルニッケル粉、カ−ボニル鉄粉などが挙げられる。
平均粒径100nm未満の粉末は極めて微細であるため、前述の被膜を保護層として設けて酸化などの劣化を防止することが好ましい。
また、軟磁性体粉末を結合する有機結合材は、特に限定されるものではないが、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルプチラ−ル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロ−ス系樹脂、ニトリル−プタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム等の熱可塑性樹脂、或いはそれらの共重合体、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは有機系難燃剤であるハロゲン化物、臭素化ポリマ−などがある。これらを1種または2種以上混合して用いてもよい。
本発明では、前述のような軟磁性体粉体と有機結合材との混合物を円柱状磁性体に成形する。円柱状磁性体は、硬化した状態でもよいし、柔軟性のある状態でもよい。例えば、有機結合材として熱硬化性樹脂を使った場合、円柱状に成形後熱処理を施すことにより硬化した成形体にできる。一方、ゴム系の材質を使えば、柔軟性のある円柱状磁性体を成形することができる。また、円柱状は、真円体が好ましいが、楕円体でもよい。
次に円柱状磁性体を絶縁体で覆い円柱状構造物を形成する。絶縁体は、絶縁性ボビン、絶縁性チューブ、絶縁性樹脂などが挙げられる。また、絶縁性樹脂は熱収縮チューブや熱収縮樹脂等の熱収縮性のものが好ましい。また、絶縁性樹脂で覆ったものを絶縁性ボビンに入れてもよい。
また、ボビンは液晶ポリマ−(LCP)やABS等の工業用プラスチックで形成されることが好ましく、その肉厚は0.05〜0.85mmであることが好ましい。肉厚が0.05mm未満ではボビンの強度が不十分になりやすく、0.85mmを超えると磁性体と巻線の距離が離れすぎてしまうため好ましくない。好ましくは0.1〜0.5mmである。
また、絶縁チュ−ブは、少なくとも1部に熱収縮性樹脂または熱収縮チュ−ブを用いていることが好ましい。絶縁チュ−ブとしては、そのすべてが熱収縮性樹脂または熱収縮チュ−ブで形成されていることが、絶縁層を一定の厚さにできるので好ましい。
また、熱収縮チュ−ブとしては、ポリテトラフルオロエチレン、 ペルフルオロ(エチレン−プロピレン)プラスチック、ペルフルオロ(エチレン−プロピレン)プラスチック、ポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンエラストマ−、シリコ−ン系ゴムなどのいずれか又はそれらの組み合わせを挙げることができる。また、温度60〜180℃熱収縮するものが好ましい。温度が60℃未満で熱収縮してしまうと、取扱性が難しく、180℃を超えた温度が必要であると有機結合材や軟磁性体粉末への悪影響がある恐れがある。
また、熱収縮性樹脂を用いる場合は、円柱状磁性体の表面に塗布し、熱処理することにより熱収縮させる。また、熱収縮チュ−ブを用いる場合は、チュ−ブ(管)状の熱収縮チュ−ブに円柱状磁性体を挿入した後、熱処理することにより熱収縮させる。
また、熱収縮チューブまたは熱収縮樹脂等の被覆したものをボビンに搭載するときは、絶縁チュ−ブの内径と円柱状磁性体の外径のサイズを合わせる必要がある。必要に応じて、隙間に樹脂を充填する方法も有効である。仮に、ボビンとの隙間に樹脂を充填するのであれば、絶縁樹脂としては熱収縮性能を持たないものでも適用可能である。
円柱状構造体とすることにより、磁性体の巻線を施す部分が円柱状であるため磁性体と巻線の距離を略一定の距離とすることができる。従来のように磁性体が直方体であると直方体の角部と平面部で磁性体と巻線の距離に違いができ、コイル部分において電磁界集中が発生し渦電流による損失の結果、アンテナ特性を低下させていた。本発明のように円柱状磁性体および円柱状構造体を用いることにより磁性体と巻線の距離を略一定に保つことができるのでコイル部分での渦電流の発生を抑制できる。この結果、磁性体と巻線の距離を最大値−最小値を0.25mm以下の範囲に収めることができる。
平面部を設けることにより、巻線を端部で固定することができる。平面に巻線を固定するので、実装が容易となる。巻線端部の固定は接着剤、固定テープなどによって固定する。また、固定面が円形よりは平面部とすることにより巻線のスプリングバック応力を緩和し、巻線?れの起き難い構造とすることができる。
平面部は、円柱状構造体の長さの10%以下となるように形成するものとする。
また、巻線として金属箔を用いる場合は、幅広の帯状体であることが好ましい。巻線として金属線(断面が円形)のものよりも、幅広の帯状体(幅w>厚さ)であることが好ましい。幅広の帯状体である方がアンテナ特性が向上する。これは、巻線のうち、最も電流が集中するのは、最短距離で抵抗の小さい巻線内周部分である。断面が円形の線材に比べ幅広の帯状体の線材のほうが内周部分の断面積が大きい為である。
9L2p2/16w2>(p/2)2+L2 …(式1)
を満たすことを特徴とするものである。
図2に平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周の1/4である円柱状構造体の一例を示した。図中、4は平面部、Mは平面部が設けられた領域を示す。平面部が設けられた領域Mは、円柱状構造体の円周をN(=L×3.14)としたとき、N上に設けられた平面部の領域を示し、M/N≦1/4、であることを示す。
上記(式1)を満たすことにより、巻線を巻いた時に、巻線端部がきちんと平面部に来るようになる。つまり、巻線幅wを所定の間隔pで巻いたとき、巻線端部が巻線幅wすべての部分が平面部に接触することになり、巻線端部を折り曲げたり、幅wの一部を切断加工することなく平面部に固定することができる。
言い換えれば、アンテナ形状により設けられる平面部サイズが制限されるとき、上記(式1)に基づいて巻線幅w、ピッチpを制御するものとする。
L2p2/4w2>(p/2)2+L2、…(式2)
を満たすことを特徴とするものである。
図3に平面部が設けられた領域は円柱状構造の円周の2/4である円柱状構造体の一例を示した。図中、4は平面部、Mは平面部が設けられた領域を示す。平面部が設けられた領域Mは、円柱状磁心の円周をN(=L×3.14)としたとき、N上に設けられた平面部の領域を示し、M/N≦2/4、であることを示す。
第二のコイルアンテナは、第一のコイルアンテナ同様に(式2)を満たすことにより、巻線幅wを所定の間隔pで巻いたとき、巻線端部が巻線幅wすべての部分が平面部に接触することになり、巻線端部を折り曲げたり、幅wの一部を切断加工することなく平面部に固定することができる。
言い換えれば、アンテナ形状により設けられる平面部サイズが制限されるとき、上記(式2)に基づいて巻線幅w、ピッチpを制御するものとする。
L2p2/16w2>(p/2)2+L2…(式3)
を満たすことを特徴とするものである。
図4に平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周の3/4である円柱状構造体の一例を示した。図中、4は平面部、Mは平面部が設けられた領域を示す。平面部が設けられた領域Mは、円柱状構造体の円周をN(=L×3.14)としたとき、N上に設けられた平面部の領域を示し、M/N≦3/4、であることを示す。
第三のコイルアンテナは、第一のコイルアンテナ同様に(式2)を満たすことにより、巻線幅wを所定の間隔pで巻いたとき、巻線端部が巻線幅wすべての部分が平面部に接触することになり、巻線端部を折り曲げたり、幅wの一部を切断加工することなく平面部に固定することができる。
言い換えれば、アンテナ形状により設けられる平面部サイズが制限されるとき、上記(式3)に基づいて巻線幅w、ピッチpを制御するものとする。
なお、平面部の円柱状構造体の長軸方向の長さの最小値は、
p/4+(w/L)[(p/2)2+L2]1/2以上 …(式4)
を満たすことが好ましい。
上記式(1)〜(3)を理論は次の通りである。図5に本発明の巻線構造の一例を示した。図中、2は円柱状構造体、3は巻線である。図5においては幅広の帯状体である巻線を巻いた例を示した。
△ABCと△DFEは相似なので、AB(L3):AC(W)=DE:DF(L2)となる。この結果、L3:W=((p/2)2+L2 2)1/2:L2、となり、L3=W/[L2×((p/2)2+L2 2)1/2)]の式が導き出される。
平坦部GHIJの長手方向長さL1は最小で「L3+p/4」以上になる。この状態でBが左に位置する(つまり、円柱状構造体に設けられた平面部に接触しない)には、BK(p)>JK(L1)であることが必要である。
このことから、
p>L3+p/4、
p>W/[L2×((p/2)2+L2 2)1/2)]+p/4、
(3/4)×(p×L2/W)>(p/2)2+L2 2)1/2、
ここから式(1)が導き出される。
同様に式(2)は、L1=L3+p/2なので、p>L3+p2、式(3)はL1=L3+3p/4なので、p>L3+3p/4となる。この結果、本発明で規定の式が導き出される。
このような形状とすることにより、円柱状磁心の磁性体と巻線の距離を一定に保ち、さらに帯状体巻線を用いたときに、巻線端部を平面部に位置合わせが可能となり、巻線の固定が強固なものとすることができる。そのため、アンテナ特性向上と、巻線?れといった不良の発生を抑制できる双方の効果を両立することができる。
このようなアンテナは、様々な通信機能を有する電子機器に適用でき、アンテナの小型化・薄型化を達成でき、さらにアンテナ特性を向上させることができる。特に100MHz以上の高周波領域で有効なため、無線LAN用電子機器、地上デジタル放送用電子機器、携帯電話等の携帯通信用電子機器に用いれば受信特性を向上させることができるため電子機器の特性をも向上させることができる。
まず、磁性体粉末を用意する。磁性体粉末の材質、粒径は求める特性に応じて適宜選択するものとする。この磁性体粉末を有機結合剤と混合する。磁性体粉末と有機結合剤の割合は体積比で[磁性体粉末/(磁性体粉末+有機結合剤)]×100%=30〜70%であると、磁性体粉末の磁気特性を生かし、強度の強い取扱性のよい成形体を作ることができる。
次に、磁性体粉末と有機結合剤の混合物を円柱状に成形して円柱状磁性体を調製する。成形方法は金型成形または押出成形が生産性がよい。押出成形の場合は、成形体を必要なサイズに切断する。また、有機結合剤が熱硬化性樹脂であれば熱処理(キュア)して成形体を固化する。いずれの有機結合剤の場合も十分に固化させてから次の工程に移る。
また、必要に応じ、円柱状磁性体の表面を樹脂被覆を施して、円柱状磁性体の強度を向上させてもよい。
次に絶縁体により、円柱状磁性体を絶縁する。円柱状磁性体を絶縁したものが円柱状構造体となる。絶縁体として熱収縮チュ−ブを用いる場合は、予め所定の長さに切断した熱収縮チュ−ブを用意しておき、チュ−ブ中に円柱状磁性体を挿入する。その後、熱処理を施して熱収縮させ、円柱状磁心を調製する。また、熱収縮チュ−ブは熱収縮後に円柱状磁性体の先端部が剥き出しにならないよう十分な長さを確保するものとする。
また、絶縁性ボビンを用いる場合は、ボビンの形状は円柱状とし、平面部と一体になったものを使うときは、端部に平面部を一体成型したボビンを用いる。また、平面部を別途設ける場合は、ボビンに平面部を接着する。
また、絶縁性ボビンは平面部以外は円柱状のものを用いる。円柱状磁性体をボビンに入れたときに隙間が生じる場合は絶縁性樹脂を充填するものとする。
用いる巻線のサイズ、種類(線状、帯状)に応じて前述の(式1〜3)に基づき、平面部サイズを決める。逆に、平面部サイズが決まっているときには、(式1〜3)に応じて巻線サイズを決める。
また、巻線の先端部(端部)を止めるときは、平面部で固定する。固定方法は接着、溶接等特に限定されるものではない。
また、巻線後、コイルアンテナ全体に樹脂被覆を施して強度を向上させてもよい。
(実施例1〜6)
高周波誘導熱プラズマ装置のチャンバ内にプラズマ発生用ガスとしてアルゴンを40L/分で導入し、プラズマを発生させた。このチャンバ内のプラズマに原料である平均粒径10μmのFe粉末と平均粒径3μmのAl粉末を重量比でFe:Alが20:1になるようにアルゴン(キャリアガス)と共に3L/分で噴射した。同時に、チャンバ内に炭素被覆の原料としてアセチレンガスをキャリアガスと共に導入し、FeAl合金粒子を炭素で被覆されたナノ粒子を得た。この炭素被覆FeAlナノ粒子を500mL/分の水素フロ−下、600℃にて還元処理し、室温まで冷却した後、酸素を0.1体積%含むアルゴンの雰囲気中にて取り出して酸化することにより、コアシェル型軟磁性体粉末を製造した。
得られたコアシェル型軟磁性体粉末は、コアの軟磁性体粉末の平均粒径が32nm、酸化物被覆層の厚さが4nmの構造を有していた。
コアシェル型軟磁性体粉末とポリビニルプチラ−ル樹脂(有機結合材)を体積比60:40で混合し直径2mm×40mmの円柱状磁性体を、粉体プレス成形により成形後、キュア(熱処理)することで樹脂を固化した。
この円柱状磁性体にエポキシ樹脂を塗布し、熱収縮チューブ(内径2.41mm外径3.01mm)に挿入固定し、120℃で60分熱処理し直径3.01mm×40mmの円筒状磁心を作製した。
次に表1に示した平面部を有する絶縁性ボビン(肉厚0.2mmの液晶ポリマー製)に円筒状磁心(円柱状磁性体)を入れ、巻線を施した。巻線は幅w=2mm、厚さ0.1mmの帯状体(リン青銅製)を用いた。また、絶縁性ボビンは平面部が一体成型されたものを用いた。
(比較例1)
縦3.01mm×横3.01×長さ40mmの直方体形状である以外は実施例1と同一ものを用意した。
(比較例2)
平面部を設けない以外は実施例1と同様のものを比較例2とした。
また、アンテナ特性として放射効率を測定した。放射効率の測定方法は、ダイポ−ルアンテナと比較した値を用い、「dB」で示す。
ダイポ−ルアンテナを測定したいアンテナ(各実施例および各比較例)に置き換えて、全方位角の受信強度を測定する。そして、提案するアンテナの放射電力と標準アンテナの放射電力の比を放射効率とする。
このような方法により、500MHzの周波数について放射効率の測定を行った。また、各測定にあたっては、各実施例および各比較例のコイルアンテナを10個用意し、それぞれ測定して、その最小値を用いて、500MHzで利得が−10dB以上のものを○(良好)、−12dB以上−10dB未満を△(普通)、−12dB未満を×(不満)とした。結果を、表2に示す。
一方、比較例1は角柱状の磁心に直接巻回しているので磁性体近傍での電磁界集中により磁性体近傍導体内で大きな損失が生じるため特性が低下した。比較例2は、平面部がないため巻線の固定力が弱く信頼性試験により端子部接触がオープンになる確率が高かった。
2…円柱状構造体
3…巻線
4…平面部
Claims (12)
- 軟磁性体粉末と有機結合剤の混成物からなる円柱状磁性体を絶縁体で覆った円柱状構造体に巻線を施してなるコイルアンテナにおいて、円柱状構造体の円周上の少なくとも一方の端部には平面部が設けられており、平面部が設けられた領域Mは円柱状構造体の直径L×3.14で求められる円周Nに対しM/Nが3/4以下であることを特徴とするコイルアンテナ。
- 前記絶縁体は円柱状ボビンと平面部が一体に設けられたものであることを特徴とする請求項1記載のコイルアンテナ。
- 巻線が幅広の帯状体であることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
- 平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周との比M/Nが1/4以下であり
巻線ピッチをp、巻線幅をw、円柱状構造体の直径をLとしたとき、
9L2p2/16w2>(p/2)2+L2、
を満たすことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。 - 平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周との比M/Nが2/4以下であり
巻線ピッチをp、巻線幅をw、円柱状構造体の直径をLとしたとき、
L2p2/4w2>(p/2)2+L2、
を満たすことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。 - 平面部が設けられた領域は円柱状構造体の円周との比M/Nが3/4以下であり
巻線ピッチをp、巻線幅をw、円柱状構造体の直径をLとしたとき、
L2p2/16w2>(p/2)2+L2、
を満たすことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。 - 前記軟磁性体粉末は、鉄アルミ珪素合金(センダスト)、鉄ニッケル合金(パ−マロイ)、鉄コバルト合金、鉄コバルトアルミニウム合金、鉄コバルトシリコン合金、鉄シリコンバナジュ−ム合金、鉄コバルトボロン合金、コバルト系アモルフアス合金、鉄系アモルフアス合金、カ−ボニル鉄、モリブデンパ−マロイ、純鉄から選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
- 前記軟磁性体粉末の表面に窒化物、炭化物、酸化物の少なくとも1種からなる被膜を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
- 前記磁性体粉末の平均粒径が10nm以上、1μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
- 前記絶縁体の厚さが0.05mm以上あることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
- 前記絶縁体の厚さが0.85mm以下あることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
- 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のコイルアンテナを搭載したことを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009209077A JP5448663B2 (ja) | 2009-09-10 | 2009-09-10 | コイルアンテナおよびそれを用いた電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009209077A JP5448663B2 (ja) | 2009-09-10 | 2009-09-10 | コイルアンテナおよびそれを用いた電子機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011061504A JP2011061504A (ja) | 2011-03-24 |
JP5448663B2 true JP5448663B2 (ja) | 2014-03-19 |
Family
ID=43948635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009209077A Active JP5448663B2 (ja) | 2009-09-10 | 2009-09-10 | コイルアンテナおよびそれを用いた電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5448663B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102111547B1 (ko) * | 2012-11-15 | 2020-06-09 | 로고모션, 에스.알.오. | 비-정상 자기장 이미터, 시스템에서의 그 연결 및 데이터 변조 방법 |
-
2009
- 2009-09-10 JP JP2009209077A patent/JP5448663B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011061504A (ja) | 2011-03-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5658153B2 (ja) | コイルアンテナとそれを用いた電子機器 | |
EP2851910B1 (en) | Metal powder and its use | |
US10083785B2 (en) | Magnetic sheet and non-contact power receiving device, electronic apparatus and non-contact charging system using the same | |
US20200358192A1 (en) | Magnetic isolator, method of making the same, and device containing the same | |
JP6050667B2 (ja) | コイルモジュール、非接触電力伝送用アンテナユニット、及び電子機器 | |
EP3016203B1 (en) | Receiving antenna and wireless power receiving apparatus comprising same | |
JP2006179901A (ja) | 電磁波吸収シート | |
KR102315813B1 (ko) | 무선충전 수신장치 모듈용 방열부재, 이를 포함하는 무선충전 수신장치 모듈 및 무선충전 수신장치 | |
JP5448663B2 (ja) | コイルアンテナおよびそれを用いた電子機器 | |
JP2011249628A (ja) | 電磁干渉抑制体の製造方法 | |
JP5770108B2 (ja) | アンテナ部品とその製造方法 | |
JP2004048136A (ja) | 薄型アンテナ | |
JP6167560B2 (ja) | 絶縁性の平板状磁性粉体とそれを含む複合磁性体及びそれを備えたアンテナ及び通信装置並びに複合磁性体の製造方法 | |
TW201721672A (zh) | 壓粉磁芯及其製造方法 | |
US20240006121A1 (en) | Integrated co-fired inductor and preparation method therefor | |
JP2007329143A (ja) | 磁性金属薄帯積層体およびそれを用いたアンテナ | |
JP2012212980A (ja) | アンテナ部品およびアンテナ部品の製造方法 | |
KR101716691B1 (ko) | 직류중첩특성이 개선된 자성시트 | |
US20190164689A1 (en) | Coil electronic component | |
JP2004349412A (ja) | 複合磁性シート | |
JPH03125405A (ja) | チョークコイル用磁心およびその製法 | |
JPH03125407A (ja) | インダクタ用磁心およびその製法 | |
JP2007150113A (ja) | 積層磁性薄膜 | |
JPH03125406A (ja) | トランス用磁心およびその製法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20111128 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20111206 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120703 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130812 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130830 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131029 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131129 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131224 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5448663 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |