JP2006179901A - 電磁波吸収シート - Google Patents

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Abstract


【課題】高周波で優れた透磁率を有した電磁波吸収シートを提供する。
【解決手段】表面に絶縁膜を有し、厚さが0.1〜1μmである扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に積層されることで所定の厚さに形成された軟磁性層10と、軟磁性層10の表面を覆う電気絶縁層20と、を備えることを特徴とする電磁波吸収シート1。軟磁性層10は、扁平状軟磁性金属粉の占積率が75%以上で、かつほぼ一定の方向に配向されていることが好ましい。また、軟磁性層10の厚さが5〜100μmであること、電気絶縁層20の厚さが50μm以下であることが好ましい。さらに、扁平状軟磁性金属粉の厚さが0.1〜1μmであることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、高周波領域の電磁ノイズ対策部品に用いる電磁波吸収シートに関する。
パソコン、ゲーム機器あるいは携帯情報端末に代表されるデジタル電子機器をはじめとする電子装置は、回路の高周波化、高性能化に伴い高密度化が進行しており、受動素子が半導体素子などノイズを放射する能動素子の影響を受けやすくなっている。従来、この対策として、フェライトコアや準マイクロ波帯に対応する電波吸収体が利用されているが、電子機器の小型化に伴い、ノイズ対策部品の小型化、薄型化、高性能化が要求されている。
一方、EMC規格を満たすために、200MHz近傍の比較的低い周波数でのノイズ規格を満たすことが重要課題となっており、この帯域に対応した電波吸収体や小型EMI対策部品の需要が拡大している。
特許文献1(特開2000−4097号公報)には、扁平磁性粉を焼鈍処理して残留応力を低減させた後に面内方向に配向させ、有機結合剤のガラス転移温度Tg以上の温度においてシート面に垂直の方向に加圧することにより、共鳴周波数の低周波化をはかり100MHz以下の周波数で高い透磁率を達成し得る複合磁性シートの製造方法が開示されている。しかしながら、このような有機結合剤と扁平磁性粉の複合磁性体シートの透磁率は、100MHzで高々30程度であり、高透磁率を得るのは困難である。
特許文献2(特開平11−74140号公報)には、扁平状の軟磁性粉を用い、押し出し成型により板状に成型することを特徴とする圧粉磁心の製造方法が開示されている。この方法では、扁平状軟磁性粉が押し出し方向に配向するために透磁率を高くできる利点があるが、厚さが0.4mmよりも薄いシートを製造しようとすると、狭ノズルから押し出すと同時にテンションを加えて引き取って薄くする必要があり、高透磁率化が困難になる。即ち、狭ノズルからの押し出しの際に引き取れるだけの柔軟性を付与するために樹脂量を多くして、押し出し温度での粘性を下げる必要があり、このため磁性粉の充填量が減少して高透磁率が得られない。
押し出しによらず、印刷積層法やドクターブレード法により薄くする方法も開示されている。
特許文献3(特開平11−176680号公報)に開示されているのは、アスペクト比が5〜40である扁平状の軟磁性金属粉とバインダーとを用いて印刷積層法によって厚さ500μm以下のシートを作製し、このシートを厚さ10mm以下に重ねてさらに加圧成型し打ち抜いて磁心とする方法である。しかし、この方法を用いても溶剤以外に多量の有機バインダーを使用するため、軟磁性金属粉の占積率を75%よりも高くすることが困難であり、また、成型に伴う応力劣化を避けることができず、残留応力を効果的に取り除くことのできる熱処理も施せないため、結果として100MHz付近の高周波において高い透磁率を得ることができない。
また、特許文献4(特開2000−243615号公報)は、扁平状軟磁性粉と結合剤、溶媒からなるスラリー状の混和物から成膜を行う複合磁性体の製造方法が開示されており、該方法において、応力歪みを除去した扁平状軟磁性粉に再び応力歪みを加えないよう複合磁性体を製造することを特徴としているが、このように扁平粉自体に変形応力を加えない方法では、材料の占積率を大きくすることは困難であるうえ、樹脂の硬化収縮による応力発生は原理的に避けることができないなどの欠点を有しているため、100MHz付近の高周波で高い透磁率を得ることが期待できない。
特開2000−4097号公報 特開平11−74140号公報 特開平11−176680号公 特開2000−243615号公報
従来の技術は、いずれも扁平状軟磁性金属粉の残留応力を小さくした後、成型工程において、該扁平状軟磁性金属粉に過大な応力が加わらないよう配慮することに重点がおかれた技術思想に基づくものであり、このような技術思想では実質的に金属粉の占積率を大きくできないうえ、成型体の残留応力が小さくならないという二重の欠点を有しており、数十MHz〜数GHz帯に至る高周波での複素透磁率の向上に限界があった。
本発明は、この問題点を解決し、高周波で優れた透磁率を有した電磁波吸収シートを提供することを目的とする。
本発明者らが、上記目的を解決するために鋭意開発を行う過程で、さらに、電子機器内部にシート状の電波吸収体を収めることを検討した。するとこの場合、電波吸収体と、電子機器を構成する基板や他の回路素子との絶縁を図る必要に駆られた。
そこでなされた本発明の電磁波吸収シートは、表面に絶縁膜を有し、厚さが0.1〜1μmである扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に積層されることで所定の厚さに形成された軟磁性層と、軟磁性層の表面を覆う電気絶縁層と、を備え、軟磁性層における扁平状軟磁性金属粉の占積率が75%以上、軟磁性層の厚さが5〜100μm、電気絶縁層の厚さが50μm以下であることを特徴とする。軟磁性層を形成する扁平状軟磁性金属粉の厚さは、例えば0.1〜1μmとされる。
ここで、軟磁性層は、扁平状軟磁性金属粉がほぼ一定の方向に配向されているのが好ましい。
また、軟磁性層の100MHzにおける複素透磁率の実数部分が30以上とすることができる。ところで、絶縁膜は、酸化物または窒化物を含むことができる。また、絶縁膜は、無機ポリマーであるポリシラザン系、有機絶縁材料であるカップリング剤、無機絶縁材料であるシリカゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉末ガラスおよびボロンナイトライド、セリサイトのうちの1種以上により形成することもできる。その中で、絶縁膜は、ペルヒドロポリシラザンを含むことが好ましい。
本発明の軟磁性層において、扁平状軟磁性金属粉は、圧接接合されることにより、その厚さ方向に積層することができる。
以上説明したように、本発明によれば、高周波領域、とくにEMC規格を満たす上で問題となる数十MHz〜数GHzの周波数領域で従来の磁性体と樹脂の複合シートよりも高い複素透磁率と優れた電気絶縁性を得ることができる。また、シート厚さ0.1mm以下とすることも同時に満たし得るため、EMI対策部品を小型化することができる。また、扁平状軟磁性金属粉を樹脂や溶剤と混合してスラリー化する必要も無いので製造コストを抑えることができ、価格的にも有利となる。
図1(a)に示すように、本実施の形態における電磁波吸収シート1は、磁性層(軟磁性層)10の両面に、絶縁層(電気絶縁層)20を有した構成となっている。ここで、磁性層10は、全体として5〜100μmの厚さを有しているのが好ましい。また、絶縁層20は、全体として50μm以下、さらには15μm以下であることがより好ましい。
また、図1(b)に示すように、電磁波吸収シート1は、磁性層10の両側の絶縁層20の一方に、この絶縁層20が磁性層10と接する側とは反対側の面に接するよう、導電体層30を設けることも可能である。この導電体層30は、銅やカーボン等の導電性材料から形成されるもので、電磁波吸収シート1を接地させるためのものである。この場合、導電体層30は、さらに他の絶縁層としての絶縁層20によって覆われる。
図2に、電磁波吸収シート1を構成する磁性層10を模式的に示す。磁性層10は、多数の磁性粉末11が塑性変形して密に絡み合うことで形成されている。
個々の磁性粉末11は、扁平状軟磁性金属粉からなる軟磁性金属相12と、軟磁性金属相12の表面に形成された絶縁膜からなる絶縁相13と、から形成される複合磁性体である。これによって、互いに接する軟磁性金属相12間には絶縁相13が介在することになる。これにより、磁性層10は、表面に絶縁膜を有する扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に層状に積層されることで所定の厚さに形成された構成となっている。
はじめに、軟磁性金属相12を構成する扁平状軟磁性金属粉について説明する。
扁平状軟磁性金属粉は、パーマロイ(Fe−Ni合金)、スーパーパーマロイ(Fe−Ni−Mo合金)、センダスト(Fe−Si−Al合金)、Fe−Si合金、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Cr−Si合金等であり、そのアスペクト比は10〜200、より望ましくは10〜150であることが好ましい。
扁平状軟磁性金属粉の厚さ(圧延前の厚さ)は0.1〜1μmとすることが望ましい。扁平状軟磁性金属粉の厚さを0.1μm未満とすることは製造上困難であり、取り扱いも難しくなる。また、扁平状軟磁性金属粉の厚さが1μmを超えると、高周波での磁気特性の低下を招くことになるので好ましくない。また、扁平状軟磁性金属粉を圧接接合しても、厚さはほとんど変化しない。よって、扁平状軟磁性金属粉が圧接接合された後の厚さも0.1〜1μmの範囲となる。
次に、絶縁相13を構成する絶縁膜について説明する。
図2に示したように、扁平状軟磁性金属粉の全表面に均一に絶縁膜が形成されていることが理想的ではあるが、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成されていない部分があっても圧接接合後に絶縁相13として機能しうる程度の絶縁膜が形成されていればよい。
扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料を混合し、所定の処理を加えることにより、扁平状軟磁性金属粉の表面に絶縁膜が形成される。絶縁材料としては、有機絶縁材料、無機絶縁材料を用いることができる。より詳しくは、無機ポリマー系のペルヒドロポリシラザン等のポリシラザン系の材料が好ましく、シラン系やチタネート系カップリング剤、無機絶縁体であるシリカゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉末ガラス、ボロンナイトライド等を絶縁材料として用いることもでき、これらをペルヒドロポリシラザンと組み合わせて用いてもよい。
また、図1に示した絶縁層20は、絶縁材料から形成される層であり、例えば樹脂シートを磁性層10に貼り付けたり、あるいは絶縁材料を磁性層10の表面に塗布することで形成される。
電磁波吸収シート1の表面に電気絶縁性を付与するための絶縁材料としては、樹脂が好適であり、その中でも強度と絶縁性、さらには難燃性に優れているものが好ましい。絶縁層20を形成する材料の具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、テフロン(登録商標)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、難燃ポリエチレン、難燃ポリプロピレン、難燃ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、難燃PET、難燃PBT、難燃ポリオレフィン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂があり、難燃性を向上させるための難燃剤を添加する場合には、非ハロゲン系の難燃剤を用いるのが好ましい。
図3は、本実施の形態に係る電磁波吸収シート1の製造工程を示す図である。
まず、粉砕工程において、平均粒径数10μmの軟磁性金属のアトマイズ粉をトルエン等の有機溶媒中、例えば撹拌ミルを用いて粉砕し、厚さ0.1〜1μm、アスペクト比10〜200の扁平状軟磁性金属粉を得る。このときの扁平状軟磁性金属粉の粒度分布は、必ずしもシャープである必要はなく、2山の分布を有していてもよい。
粉砕工程後、熱処理工程に移る。この熱処理工程では、扁平状軟磁性金属粉に対し不活性ガス、窒素あるいは水素中で例えば600℃で60分の熱処理を行う。これにより、軟磁性金属粉を扁平化するための粉砕工程による歪みが除去されるとともに、粉砕中に軟磁性金属粉中に混入した酸素および炭素が除去される。この熱処理工程は必須のものではないが、扁平状軟磁性金属粉は歪み(磁歪)が小さい方が好ましいため、後述する絶縁処理工程に先立って扁平状軟磁性金属粉に熱処理を施し、扁平状軟磁性金属粉の歪みを除去しておくことが望ましい。
次いで、絶縁処理工程(絶縁膜形成工程)に移る。この工程では、扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料(液状または微細粉)とを混合し、所定の方法で絶縁膜を合成して絶縁処理粉、つまり扁平状軟磁性金属粉表面に絶縁膜が形成された磁性粉末11を作製する。この絶縁処理工程は、絶縁材料の種類に応じて処理の方法が異なる。以下、絶縁材料が(1)ペルヒドロポリシラザンの場合、(2)カップリング剤(シラン系、チタネート系等)の場合、(3)その他の酸化物ゾル、BN(ボロンナイトライド)の場合についてそれぞれの処理の方法を述べる。
(1)絶縁材料がペルヒドロポリシラザンの場合には、混合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉とペルヒドロポリシラザンを混合する。混合後、例えば大気中または窒素中300℃、60分保持で熱処理を行う。ペルヒドロポリシラザンは、大気中で熱処理するとSiOへ、窒素中で熱処理するとSiへ転化する。
(2)絶縁材料がカップリング剤(シラン系、チタネート系等)の場合には、湿式処理法を用いて金属粉表面を被覆する。湿式処理は、溶剤で50〜100倍に希釈したカップリング剤の中で扁平状軟磁性金属粉を撹拌混合しながら、溶剤を飛ばして表面処理を行う方法である。
(3)絶縁材料がその他の酸化物ゾル、BNの場合には、混合装置を用いて扁平状軟磁性金属粉と絶縁材料を直接混合(乾式混合)する。
続いて、圧延配向工程(接合工程)に移る。圧延配向工程では、まず、絶縁膜が形成された扁平状軟磁性金属粉(磁性粉末11)同士が圧接接合される。具体的には、磁性粉末11を篩でふるいながら落下させてほぼ均等に基板上に堆積させる。またこのとき、篩を用いるのではなく、磁性粉末11をスプレーで基板上に吹き付けることで、磁性粉末11を基板上に堆積させることもできる。
次いで、磁性粉末11が略均一に堆積した基板上を圧延ロールにて圧延し、基板に平行な向きに絶縁処理粉を配向させる(圧延配向工程)。この工程により、厚さ5〜100μmの、磁性層10を形成する磁性シートを得ることができる。この磁性シートに対し、必要に応じて打ち抜き加工を施してもよい(打ち抜き加工工程)。
圧延配向工程では、基板表面から3mm以上上方に位置する篩等の保持容器から絶縁処理粉を自由落下させ、絶縁処理粉を面内配向させた上で圧延を行うことにより、圧延後の配向度を改善することができる。
また、篩のメッシュサイズを適宜選択して絶縁処理粉の粒度を変更することによって、最終的に得られる複合磁性体の磁気特性を任意の範囲に設定することが可能である。篩のメッシュサイズの好ましい範囲は、20〜120μmである。より望ましい範囲は40〜120μm、さらに望ましい範囲は53〜106μmである。
磁性層10を形成する磁性シートの厚さを5〜100μmとするのは以下の理由に基づく。すなわち、シートの厚さが5μmよりも薄い場合は、焼結により高周波で充分大きな透磁率が得られるため、複合磁性体の必要性が小さい。一方、シートの厚さが100μmを超えると、電気機器の筐体内部の狭い空間に磁性層10を有する電磁波吸収シート1を収めることが困難になるという制約条件からである。
なお、圧延を例にして圧延配向工程(接合工程)を説明したが、この工程は圧延に限られるものではない。扁平状軟磁性金属粉が塑性変形する程度の加圧力を付与するものであれば、プレス加工等、他の加圧成型の方法を用いてもよいが、加圧の点で圧延が最も望ましい。
次いで、打ち抜き加工された磁性シートに熱処理を施し、扁平状軟磁性金属粉の塑性変形後の残留歪を緩和する(熱処理工程)。扁平状軟磁性金属粉の著しい酸化を避けるため、熱処理雰囲気をAr等不活性ガス雰囲気中、窒素または水素雰囲気中とすることが好ましい。
また、熱処理温度は400〜800℃の範囲とする。熱処理温度が400℃未満では残留歪の緩和効果が少なく、一方、熱処理温度が800℃を超えると扁平状軟磁性金属粉表面に形成された絶縁膜の絶縁機能が損なわれる。なお、熱処理時間は1時間程度とすればよい。
以上の工程を経ることにより、本実施の形態に係る、厚さ5〜100μmのシート状の磁性層10がシート状生成物として得られる。
次いで、磁性層10の両面に、絶縁層20を形成する。
これには、予め所定の厚さのシート状に形成された絶縁シートを磁性層10に貼り付けることで、これを絶縁層20とすることができる。このとき、絶縁層20を形成する絶縁シートは、前記したような材料で形成すればよい。
絶縁層20を形成する絶縁シートを磁性層10に貼り付けるには、単純にはシート状の磁性層10の表面、あるいは絶縁層20を形成する絶縁シートに塗布した接着剤を用いればよい。接着剤としては、絶縁性、耐熱性のあるエポキシ系、シリコーン系が好ましい。さらには、いわゆるラミネートフィルムのように、絶縁層20を形成する絶縁シートの表面に接着剤層を形成しておき、これをシート状の磁性層10に圧着することも可能である。この場合、シート状の磁性層10を絶縁層20に圧着する際に熱を加えることで、絶縁層20の接着剤層を溶融する、いわゆる熱圧着方式を採用することもできる。
この他、絶縁層20を形成するために、前記したような材料を磁性層10の表面に直接塗布し、これを硬化させることも可能である。つまり、絶縁材料によるコーティングによって絶縁層20を形成するのである。
この場合に用いるコーティング剤としては、シリコーンレジン系、シリコーンゴム系、エポキシ系、エポキシとシリコーン複合系、ブチラール系、アクリル系、エチルセルロース系、ポリプロピレン系、スチレン−ブタジエン系、ポリブチレン系等の樹脂が好ましい。また、前述したカップリング剤、接着剤を用いることもできる。
磁性層10を形成する磁性シート表面に絶縁層20として樹脂層を形成するにあたっては、磁性層10を形成する磁性シートを樹脂に含浸したり、磁性層10を形成する磁性シートにスプレーで樹脂を噴霧する等の方法を適宜採用することができる。磁性層10を形成する磁性シートを樹脂に含浸する場合には、樹脂をトルエン、キシレン、エタノール、アセトン等の溶液で希釈して樹脂溶液を調整し、この樹脂溶液中に磁性層10を形成する磁性シートを3〜20分程度含浸させればよい。
上記のようにして、絶縁層20として、絶縁シートを磁性層10に貼り付ける場合、この絶縁シートによって、磁性層10を形成する磁性シートの補強を図ることができる。
また、絶縁層20を形成するために樹脂を塗布する場合も、同様に磁性層10を形成するシートの補強を図ることができる。
なお、絶縁シートを貼り付けることで絶縁層20を形成する場合、補強のために、上記のように樹脂を塗布することもできる。さらにこの場合は、樹脂以外のものを用いて磁性層10を形成する磁性シートの強度を高めてもよい。
このような絶縁層20を、磁性層10の両面に順次形成することで、図1に示した電磁波吸収シート1が得られる。
なお、本実施の形態に係る電磁波吸収シート1の磁気特性は測定工程で行う。測定結果は実施例のところで述べる。
次に、図4を用いて本実施の形態に係る磁性層10を形成する磁性シートの扁平状軟磁性金属粉の占積率について説明する。
図4(A)、(B)は本実施の形態に係る磁性層10を形成する磁性シートの拡大断面図、図4(C)、(D)は従来の複合磁性体の拡大断面図である。
図4(C)に示す従来の複合磁性体は、扁平状軟磁性金属粉と樹脂(塩素化ポリエチレン)とから構成されている。また、図4(D)に示す従来の複合磁性体は、扁平状軟磁性金属粉とウレタン樹脂、BN粉の混合粉をプレス成型したものである。図4(C)、(D)に示した従来の複合磁性体において、扁平状軟磁性金属粉の占積率を調べたところ、その占積率(体積%)は高々75%であった。
一方、図4(A)、(B)に示した本実施の形態に係る磁性層10を形成する磁性シートにおいて、扁平状軟磁性金属粉の占積率を調べたところ、図4(A)では占積率87%、図4(B)では占積率78%であった。この結果から、本実施の形態に係る磁性層10を形成する磁性シートによれば、扁平状軟磁性金属粉の占積率を75%以上とすることが可能であり、さらには扁平状軟磁性金属粉の占積率を90%を超えるものとすることも可能であると推測される。扁平状軟磁性金属粉の占積率の望ましい範囲は60〜90%、さらに望ましい範囲は70〜85%である。扁平状軟磁性金属粉の占積率が50%未満になると、磁気特性が低下してしまう。一方、扁平状軟磁性金属粉の占積率が95%を超えると、成型性が低下してしまう。
本実施の形態に係る磁性層10を形成する磁性シートは、軟磁性金属相12、すなわち、扁平状軟磁性金属粉の占積率が75%以上であるため、磁気特性が良好である。なお、本実施の形態において、扁平状軟磁性金属粉の占積率は、扁平状軟磁性金属粉表面のシリコンオキサイドも考慮して算出した値である。
本実施の形態の磁性層10を形成する磁性シートの断面を観察すると、厚さ0.1〜1μmの扁平状軟磁性金属粉が塑性変形していること、扁平状軟磁性金属粉が層状に積層されていることが確認された。また、個々の扁平状軟磁性金属粉は、酸化物あるいは窒化物で絶縁された構造になっていた。つまり、本実施の形態の磁性層10を形成する磁性シートは、層状の軟磁性金属相12の間に絶縁相13が介在している構造となっていることが確認された。そして、本実施の形態の磁性層10を形成する磁性シートは、小さな反磁界と小さな渦電流を同時に達成し得る構造となっており、本実施の形態の磁性層10を形成する磁性シートによれば、100MHzにおいて従来の複合磁性体よりも著しく大きな複素透磁率を実現することが可能である。
以下、本発明の電磁波吸収シート1およびそれを構成する磁性層10について実施例で詳述する。(実施例1)
図3の工程図に説明したように、軟磁性金属粉として水アトマイズによる平均粒径約20μmの4Moパーマロイ粉(80Ni−4Mo−1Si−bal.Fe(mol%))を、溶媒にトルエンを用いた媒体撹拌ミル中で粉砕扁平化し、平均粒径約40μm、厚さ0.2〜0.6μm、アスペクト比30〜120の扁平状軟磁性金属粉(以下、適宜、「扁平状粉」という。)とした。粉の平均粒子径は、光散乱を利用した粒度分布計(日機装(株)製マイクロトラック粒度分布計)により測定した。
絶縁相13を形成する絶縁材料としてはペルヒドロポリシラザン(東燃ポリシラザンL110、20重量%(wt%)キシレン溶液)を用いた。ペルヒドロポリシラザン20重量%キシレン溶液の扁平状Moパーマロイ粉に対する添加量を4重量%とした。そして、扁平状Moパーマロイ粉とペルヒドロポリシラザンを混合機(ライカイ器、卓上ニーダー等)を用い、室温で30分混合した。その後、大気中、300℃で60分間保持し、ペルヒドロポリシラザンをSiOに転化し、扁平状Moパーマロイ粉の表面に絶縁膜を形成した。
次に、絶縁処理された前記扁平状粉をステンレス基板の上方10mmの位置にある篩(目開き;125μm以下)でふるいながらほぼ均等にステンレス基板上に堆積させた。このステンレス基板をロール径50mmの2段冷間圧延ロールを通過させて圧延し、各扁平状粉を前記基板に平行な向きに配向させ、厚さ約20μmのシート状にした。
続いて、このシートを、金属粉を扁平化する際の粉砕による歪みを取るため、および粉砕中に粉に混入した酸素、炭素を除くために水素中、600℃で60分間、熱処理した。
この後、シートの補強、および絶縁性を付加するため、室温硬化型シリコーンレジンのキシレン溶液(20%)にシートを約20分間含浸させ、その後乾燥させて、電磁波吸収シート1を形成するシート状生成物を得た。
このシート状生成物をトロイダル形状に打ち抜き、ワンターン法で複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)の周波数依存性を測定した。代表例として、4重量%ペルヒドロポリシラザン添加の試料No.1のμ−周波数曲線を図5に示す。
また、4重量%添加の試料について、100MHzにおける複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)の値を表1に示す。
Figure 2006179901
表1および図5に示すように、ペルヒドロポリシラザンで絶縁処理した磁性粉末11からなる試料No.1は、絶縁処理を施していない比較例1に対し、約5倍の複素透磁率を示した。
次いで、試料No.1の複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)の周波数依存性を、同様の形状に打ち抜いた従来の樹脂複合シートと比較した結果を図6に示す。従来の図6に示す樹脂複合シート(1)は扁平状軟磁性金属粉を40体積%含有し、従来の樹脂複合シート(2)は扁平状軟磁性金属粉を30体積%含有するものである。
図6を見ると、試料No.1は、従来の樹脂複合シートに比べ著しく大きな複素透磁率を示すことが確認できる。
また、試料No.1を樹脂に含浸して断面観察を行った結果、図4(B)に示したように、圧延処理により塑性変形した扁平状軟磁性金属粉同士が絡み合い、密に圧着された構造(ちなみに占積率78%)が観察された。
(実施例2)
軟磁性金属粉として水アトマイズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉(80Ni−2Mo−bal.Fe(mol%))を用い、上記実施例1と同様な方法で平均粒子径約50μm、厚さ0.1〜0.8μm、アスペクト比10〜150の扁平状粉とした。更に同様な手順で絶縁処理を行い、冷間圧延ロールを通過させ、圧延、配向処理を行い、磁性層10を形成する厚さ約20μmのシート状生成物を作製した。但し、添加したペルヒドロポリシラザン20重量%キシレン溶液は扁平状粉に対して4重量%とした。このシート状生成物をトロイダル形状に打ち抜き、窒素中、300℃、600℃、900℃で60分熱処理後、複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)の周波数依存性を評価した。結果を図7および表2に示す。
Figure 2006179901
図7に示すように、600℃で熱処理した試料(試料No.3)は良好な特性を示すが、900℃で熱処理した場合(比較例3)は、絶縁機能を失うため周波数特性が著しく劣化する。また、300℃で熱処理した場合(比較例2)は温度が低すぎて、シート状に圧延、配向処理したことに伴う扁平状粉の残留歪の緩和が不十分であると認められる。したがって、熱処理には適した範囲があるといえる。
より詳細に検討した結果、絶縁材料の濃度、材質により若干範囲は異なるが、400〜800℃、特に好ましくは550〜700℃の熱処理温度範囲が効果的であることが確認された。
表2を見ると、試料No.3(熱処理温度:600℃)はμ’が70、μ”が68と、ともに良好な値を示す。一方、絶縁材料の添加量が試料No.3と同じである比較例2(熱処理温度:300℃)はμ’が7、μ”が9と、比較例3(熱処理温度:900℃)はμ’が7、μ”が12と、試料No.3の1/5程度の複素透磁率を示した。
以上の結果から、熱処理温度を400〜800℃とすることにより、磁性層10の磁気特性を向上させることができるといえる。
(実施例3)
軟磁性金属粉として水アトマイズによる平均粒径約30μmの2Moパーマロイ粉(80Ni−2Mo−bal.Fe(mol%))を用い、上記実施例1と同様な方法で平均粒子径約50μm、厚さ0.1〜0.8μm、アスペクト比10〜150の扁平状粉とした。更にこの扁平状軟磁性金属粉とペルヒドロポリシラザンを、実施例1と同様な手順で絶縁処理を行った。
次に、絶縁された扁平状軟磁性金属粉(磁性粉末11)を均等にステンレス基板上に堆積させるため、磁性粉末11をトルエン中に分散させてスプレー容器に移し、基板の300mm上方からほぼ均一な厚みとなるようにスプレーを行い、基板上に磁性粉末11を堆積させた。トルエンの揮発によって、堆積した磁性粉末11が乾燥した後、基板をロール径50mmの2段冷間圧延ロールを通過させて、圧延、配向処理を行い、磁性層10を形成する厚さ約15μmのシート状生成物を作製した。但し、添加したペルヒドロポリシラザン20重量%キシレン溶液は扁平状粉に対して4重量%とした。
このシート状生成物を、窒素中、600℃で60分熱処理後、トロイダル形状に打ち抜いて試料とし、その複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)の周波数依存性を評価した。結果を図8に示す。
図8に示すように、スプレーにより扁平状軟磁性金属粉を堆積させた試料は、篩を用いて扁平状軟磁性金属粉を堆積させた実施例1の試料(試料No.1)と同様、良好な特性を示す。
(実施例4)
実施例1と同様な平均粒径40μmの扁平状4Moパーマロイ粉を用い、絶縁材料をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤に変化させて上記実施例1と同様の方法で冷間圧延し、約25μmのシート状生成物を得、トロイダル形状に打ち抜いた。その後、熱処理を行い、試料(試料No.4、5)の100MHzにおける複素透磁率を測定した。結果を、配合比、熱処理条件とともに表3に示す。カップリング剤による絶縁処理は公知の湿式法で行った。
Figure 2006179901
表3を見ると、試料No.4、5は、μ’が30以上、μ”が40以上と、ともに良好な値を示している。よって、シラン系のカップリング剤、チタネート系のカップリング剤についても絶縁材料として好適に用いることができることがわかった。
(実施例5)
さらに、実施例1と同様な扁平状4Moパーマロイ粉を用い、絶縁処理をペルヒドロポリシラザンで行い、さらにシリカゾルと混合し、実施例1と同様の方法で冷間圧延して約25μmのシート状にした。このシート状生成物を打ち抜き、その後、熱処理した試料(試料No.6)の100MHzにおける複素透磁率を測定した。結果を配合比、熱処理条件と共に表4に示す。
Figure 2006179901
表4を見ると、従来の樹脂複合シートの比較例4、5に比べて試料No.6は著しく優れた複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)を示すことがわかる。よって、絶縁処理をペルヒドロポリシラザンで行いさらにシリカゾルと混合する方法も有効であることが確認された。
(実施例6)
実施例1と同様な方法で作製した平均粒径約40μmの扁平状4Moパーマロイ粉を用い、この扁平状4Moパーマロイ粉と絶縁材料としてのボロンナイトライド(BN)、シリカゾルを混合して絶縁処理後、上記実施例1と同様の方法で冷間圧延ロールを通過させ、圧延、配向処理して厚さ約30μmのシート状とした。このシート状生成物をトロイダル形状に打ち抜き、これを窒素中650℃で60分熱処理後、得られた試料(試料No.7)の複素透磁率(実数部:μ’、虚数部:μ”)を評価した。配合比及び得られた結果を表5に示す。
Figure 2006179901
試料No.7と、実施例1で作製した比較例1の磁気特性を比較すると、試料No.7の方が約3倍高い複素透磁率を示す。ところが、試料No.7と、実施例1で作製した試料No.1の磁気特性を比較すると、試料No.1の方が良好な複素透磁率を示していることがわかる。
以上の結果から、絶縁材料としてペルヒドロポリシラザンが好適であることがわかった。
(実施例7)
実施例1と同様に、平均粒径約20μmの4Moパーマロイ粉を溶媒にトルエンを用いた媒体撹拌ミル中で粉砕し、平均粒径約40μm、厚さ0.2〜0.6μm、アスペクト比30〜120の扁平状軟磁性金属粉とした。絶縁材料としてはペルヒドロポリシラザン(東燃ポリシラザンL110、20重量%(wt%)キシレン溶液)を用いた。ペルヒドロポリシラザン溶液の扁平状パーマロイ粉に対する添加量を4重量%とした。この扁平状軟磁性粉および該扁平状粉とペルヒドロポリシラザンを、混合機を用いて室温で30分混合した。その後、大気雰囲気下において300℃で60分間保持し、ペルヒドロポロシラザンをSiOに転化し、扁平Moパーマロイ粉の表面に絶縁膜を形成した。
次に、絶縁処理された扁平状粉をステンレス基板の上方10mmの位置にある篩(目開き;125μm)でふるいながらほぼ均等にステンレス基板上に堆積させた後、ロール径50mmの2段冷間圧延ロールを通過させて圧延し、各扁平状粉を前記基板に平行な向きに配向させ、厚さ約20μmのシート状にした。
このシートを窒素雰囲気中600℃で1時間熱処理した後、シートの補強、絶縁性を付加するため、両面にエポキシ系の接着剤を塗布し、厚さ2μmのPETフィルムを貼り付けた。
これをトロイダル形状に打ち抜き、ワンターン法で複素透磁率の周波数依存性を測定した。
その結果を図9に示す。図9に示すように、この場合も良好な周波数特性を示している。
以上本発明の実施の形態および実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
電磁波吸収シートの構成を示す図である。 電磁波吸収シートを構成する磁性層を示す図であり、扁平状軟磁性金属粉(軟磁性金属相)の表面に絶縁膜(絶縁相)が形成された状態を示す模式図である。 本実施の形態に係る製造工程図である。 磁性層の拡大断面を従来の複合磁性体と対比して示し、(A)は本発明(占積率87%)の複合磁性体の拡大断面図、(B)は本発明(占積率78%)の複合磁性体の拡大断面図、(C)は従来の扁平状軟磁性金属粉と樹脂(塩素化ポリエチレン)からなる複合磁性体の拡大断面図、(D)は扁平状軟磁性金属粉とウレタン樹脂、BN粉の混合粉をプレス成型した複合磁性体の拡大断面図である。 本発明の実施例1に係る、絶縁層を有した厚さ20μmの電磁波吸収シートの試料について、複素透磁率の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る、厚さ20μmの試料の複素透磁率の周波数依存性を、従来の樹脂複合シートの場合と対比して示すグラフである。 本発明の実施例2に係る、磁性層を形成するシート状生成物となる厚さ20μmの試料における複素透磁率の周波数特性について、熱処理温度依存性を示すグラフである。 本発明の実施例3に係る、スプレーにより扁平状軟磁性金属粉を堆積させて作製した、磁性層を形成するシート状生成物となる試料の複素透磁率の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の実施例7に係る、絶縁層を有した厚さ25μmの電磁波吸収シートの試料について、複素透磁率の周波数依存性を示すグラフである。
符号の説明
1…電磁波吸収シート、10…磁性層(軟磁性層)、11…磁性粉末、12…軟磁性金属相、13…絶縁相、20…絶縁層(電気絶縁層)、30…導電体層

Claims (7)

  1. 表面に絶縁膜を有し、厚さが0.1〜1μmである扁平状軟磁性金属粉が、その厚さ方向に積層されることで所定の厚さに形成された軟磁性層と、
    前記軟磁性層の表面を覆う電気絶縁層と、
    を備え、
    前記軟磁性層における前記扁平状軟磁性金属粉の占積率が75%以上、
    前記軟磁性層の厚さが5〜100μm、
    前記電気絶縁層の厚さが50μm以下であることを特徴とする電磁波吸収シート。
  2. 前記軟磁性層は、前記扁平状軟磁性金属粉がほぼ一定の方向に配向されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波吸収シート。
  3. 前記軟磁性層の100MHzにおける複素透磁率の実数部分が30以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波吸収シート。
  4. 前記絶縁膜は、酸化物または窒化物を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁波吸収シート。
  5. 前記絶縁膜は、無機ポリマーであるポリシラザン系、有機絶縁材料であるカップリング剤、無機絶縁材料であるシリカゾル、チタニアゾル、マグネシアゾル、アルミナゾル、粉末ガラスおよびボロンナイトライド、セリサイトのうちの1種以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁波吸収シート。
  6. 前記絶縁膜は、ペルヒドロポリシラザンを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁波吸収シート。
  7. 前記軟磁性層において、前記扁平状軟磁性金属粉は、圧接接合されることにより、その厚さ方向に積層されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電磁波吸収シート。
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