JP2003110340A - Rfid用タグの磁芯部材及びその製造方法 - Google Patents

Rfid用タグの磁芯部材及びその製造方法

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JP2003110340A
JP2003110340A JP2001296897A JP2001296897A JP2003110340A JP 2003110340 A JP2003110340 A JP 2003110340A JP 2001296897 A JP2001296897 A JP 2001296897A JP 2001296897 A JP2001296897 A JP 2001296897A JP 2003110340 A JP2003110340 A JP 2003110340A
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antenna
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Takanori Endo
貴則 遠藤
Seiro Hachiman
誠朗 八幡
Takashi Tsuchida
隆 土田
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属からなる物品に使用でき、物品からの突出
量を小さくすることができ、かつ高温に曝された後にお
いても十分にその機能を発揮する。 【解決手段】RFID用タグの磁芯部材は、複数枚の軟
磁性アモルファス箔12a又は複数枚の金属箔が絶縁層
13を介して積層される。絶縁層13が耐熱性樹脂又は
耐熱性無機材料からなる。アンテナは、この磁芯部材1
1と、その磁芯部材11に巻回された耐熱性被覆導線か
らなるコイル16と、磁芯部材11のコイル16が接す
る部分を被覆して磁芯部材11とコイル16の間に介装
された耐熱性フィルム14とを備える。耐熱性フィルム
14はポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、フェ
ノール又はエポキシからなる。RFID用タグは、この
アンテナ21と、このアンテナ21のコイル16の両端
に接続されたICチップ22とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RFID(無線周
波数識別:Radio Frequency Identification)技術を用
いたタグに用いられる磁芯部材及びそれの製造方法に関
する。更に詳しくは、高温で使用可能なタグに用いられ
る磁芯部材及びそれを用いたアンテナ並びにRFID用
タグ更にその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、螺旋状に巻回されたコイル本体か
らなるアンテナコイルと、このアンテナコイルのコイル
本体に電気的に接続され管理対象の物品に関する情報が
記憶されたICチップとを備えたタグが知られている。
例えば製造工程においてこのタグを使用する例を挙げる
と、このタグが製造ラインの当初流される部品に予め取
付けられ、その部品が製造ラインにおいて組み立て又は
加工が行われるたびにその履歴をICチップに記憶さ
せ、その物品における製造状況の管理を行う管理手段が
知られている。しかし、上述した従来のタグでは、管理
対象の物品が金属により形成されている場合、金属製の
物品の影響を受けるのを回避するため、タグと物品との
間に厚さが5〜10mmであって電気絶縁性を有するス
ペーサを挿入した状態で、タグを物品に固定する必要が
あり、金属製の物品とアンテナコイルとの間隔が大きい
ため、アンテナコイルが管理対象の物品から大きく突出
する不具合があった。このため、物品の搬送中にアンテ
ナコイルが周囲の物に接触するおそれがあった。
【0003】この点を解消するために、コイルが巻回さ
れたプラスチックの枠にプラスチックフィルム等の絶縁
材を介して積層したアモルファス箔からなる磁芯部材を
入れたアンテナを用いたRFIDタグが使用されてい
る。これらアンテナは螺旋状に巻回されたコイル本体か
らなるアンテナコイルと異なり磁芯部材を有するので、
これらのアンテナを用いたRFIDタグは金属製物品に
接して用いることを可能とし、従来必要とされたスペー
サを不要にしてアンテナの物品からの突出量を従来より
抑制することができるようになっている。一方、製造ラ
インで組み立てられる物品が例えば塗装工程や洗浄工程
を伴う場合には、その物品に当初から取付けられている
タグも塗装工程後の高温で塗装された塗料を乾燥硬化さ
せる乾燥工程や、洗浄工程後における高温でその洗浄液
を揮発させる乾燥工程に曝される。これらの乾燥工程で
は、通常物品を150℃〜250℃の雰囲気中に所定時
間放置するため、このような物品に取付けられるタグに
関しては、150℃〜250℃の高温であっても、十分
にその機能を発揮しうること、即ち耐熱性が要求され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コイルを巻回
するための枠を構成する一般的なプラスチック及び絶縁
材を構成するプラスチックフィルムの一般的な耐熱性は
150℃以下であるため、プラスチックの枠及び絶縁材
であるプラスチックフィルムを介して積層したアモルフ
ァス箔からなる磁芯部材も耐熱性を持つものではなく、
これらからなるアンテナを有するタグを150℃〜25
0℃の高温に曝すと、磁芯部材が変形及び劣化してタグ
がその機能を発揮することができない不具合がある。ま
た、コイルが巻回されたプラスチックの枠に磁芯部材を
入れたアンテナでは、その枠の存在によりタグ自体が厚
いものになり、従来必要とされたスペーサを不要にした
としても、その枠の存在によりアンテナの物品からの突
出量を従来より十分に抑制することができない不具合も
ある。本発明の目的は、金属からなる物品に使用でき、
物品からの突出量を小さくすることができ、かつ高温に
曝された後においても十分にその機能を発揮し得る磁芯
部材及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1〜図3に示すように、複数枚の軟磁性アモルファス
箔12a又は複数枚の金属箔が絶縁層13を介して積層
されたRFID用タグの磁芯部材の改良である。その特
徴ある構成は、絶縁層13が耐熱性樹脂又は耐熱性無機
材料からなるところにある。この請求項1に係る発明で
は、磁芯部材11を柔軟で割れるおそれのないアモルフ
ァス箔12a又は金属箔を積層するので、その機械的強
度を向上させることができる。
【0006】また、本発明の磁芯部材11では、複数枚
のアモルファス箔12a又は金属箔を絶縁層13を介し
て相互に絶縁させた状態で積層させて相互に接着するの
で、それぞれの箔相互間に渦電流が流れることはなく、
数百MHzの高周波に対応することができる。また、複
数枚のアモルファス箔12a又は金属箔相互における滑
りが禁止されるので磁芯部材11は剛性なものになり、
その後にコイル16を巻回する作業を容易にすることが
できる。更に、絶縁層13は耐熱性樹脂又は耐熱性無機
材料からなるので、高温に曝された後も十分にその機能
を発揮し得る磁芯部材を得ることができる。即ち、乾燥
工程で用いるタグは乾燥装置に入れられる以前、及びそ
の乾燥装置から出された後において情報交換が行われ、
乾燥装置の内部において情報交換は行われない。従っ
て、高温の材料の透磁率が変わり共振周波数所定の範囲
を逸脱した等の理由で情報の交換ができなくても、この
変化が可逆的でタグが乾燥装置から出されて温度が低下
した状態で情報の交換が可能になれば差し支えない。
【0007】請求項2に係る発明は、図2及び図3に示
すように、請求項1に記載された磁芯部材11と、磁芯
部材11に巻回された耐熱性被覆導線からなるコイル1
6と、磁芯部材11のコイル16が接する部分を被覆し
て磁芯部材11とコイル16の間に介装された耐熱性フ
ィルム14とを備えたRFID用タグのアンテナであ
る。この請求項2に係る発明では、磁芯部材11に耐熱
性被覆導線を巻回してコイル16を形成しすることによ
りタグ用アンテナ21として機能し、標準電波を確実に
受信することができる。このタグ用アンテナ21は、磁
芯部材11を耐熱性フィルム14で被覆して耐熱性被覆
導線を巻回するので、従来必要とされたボビンを必要と
しない。このため、ボビンを用いる従来のアンテナと比
較して重量及び厚さの双方を軽減させることができる。
また、アモルファス箔12aの稜は鋭利であるが、この
アモルファス箔12aを積層した磁芯部材11のコイル
16が接する部分を耐熱性フィルム14により被覆する
ため、鋭利なアモルファス箔12aの稜にコイル16が
直接触れることはなく、巻回されたコイル16の短絡を
有効に防止することができる。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、耐熱性フィルム14がポリイミド、ポリテ
トラフルオロエチレン(商標名:テフロン)、フェノー
ル又はエポキシからなるアンテナである。この請求項3
に係る発明では、アンテナの耐熱性を十分に確保するこ
とができる。請求項4に係る発明は、図4及び図5に示
すように、請求項2又は請求項3に記載されたアンテナ
21と、このアンテナ21のコイル16の両端に接続さ
れたICチップ22とを備えたRFID用タグである。
この請求項4に係る発明では、耐熱性及び機械的強度を
向上させたアンテナ21を用いるので、高温に曝されて
も、又は誤って落して衝撃荷重が作用してもアンテナ2
1が損傷することのないRFID用タグを得ることがで
きる。
【0009】請求項5に係る発明は、図1に示すよう
に、磁性を有するアモルファス箔12の表面に耐熱性樹
脂塗料を接着剤として塗布し乾燥する工程と、その接着
剤を乾燥することにより表面に絶縁層13を有するアモ
ルファス箔12を切断して複数枚の所定の寸法のアモル
ファス箔12aを作製する工程と、複数枚のアモルファ
ス箔12aを絶縁層13を介して積層して積層体11を
形成する工程と、その積層体11を熱圧成形して複数枚
のアモルファス箔12aを互いに接着する工程と、積層
体11を熱圧成形すると同時に又は熱圧成形後に積層体
11を構成するアモルファス箔12aを焼鈍する工程と
を含むRFID用タグの磁芯部材の製造方法である。こ
の請求項5に係る発明では、アモルファス箔12の表面
に絶縁層13を形成した後に切断して複数枚のアモルフ
ァス箔12aを作製するので、予め切断された複数枚の
アモルファス箔12aのそれぞれに絶縁層13を形成す
る場合に比較して、絶縁層13の形成が容易になる。ま
た、アモルファス箔12aを焼鈍するので、アモルファ
ス箔12を切断する際に生じるひずみを焼鈍により除去
することができ、アモルファス箔12a本来の磁気特性
を回復させることができる。また、切断した複数枚のア
モルファス箔12aを積層して積層体11が得られた状
態で焼鈍を行うので、その積層体を構成するアモルファ
ス箔12aの破損を防止することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。本発明の磁芯部材11はRFID用
タグに用いられるものであって、図1(d)に示すよう
に、複数枚の磁性を有するアモルファス箔12aが絶縁
層13を介して積層された磁芯部材11であり、絶縁層
13が耐熱性樹脂又は耐熱性無機材料からなることを特
徴とする。アモルファス箔12aとしては、コバルト
系、鉄系、ニッケル系等の高透磁率材料が用いられる。
ここで、アモルファスはCo,Fe,Niを合計70〜
98重量%にB,Si,Pを合計2〜30重量%含み、
その他Al,Mn,Zr,Nb等を含むものである。
【0011】コバルト系合金の具体的例としては、Co
−84重量%とFe−5.3重量%とSi−8.5重量
%とB−2.2重量%からなる合金、Co−84重量%
とFe−3.3重量%とB−1.3重量%とP−9.8
重量%とAl−1.6重量%からなる合金、Co−89
重量%とFe−5.3重量%とSi−2.3重量%とB
−3.4重量%からなる合金、Co−81.9重量%と
Fe−5.1重量%とSi−10重量%とB−3重量%
からなる合金、Co−80重量%とFe−10重量%と
Si−6重量%とB−4重量%からなる合金、Co−7
8.8重量%とFe−5.1重量%とSi−6.1重量
%とB−4.7重量%とNi−5.3重量%からなる合
金等がある。
【0012】鉄系合金の具体的例としては、Fe−9
5.4重量%とB−4.6重量%からなる合金、Fe−
91.4重量%とSi−5.9重量%とB−2.7重量
%からなる合金等がある。Ni系合金の具体的例として
は、Ni−94.5重量%とP−5.5重量%からなる
合金等がある。一方、絶縁層13を形成する耐熱性樹脂
としては、ポリイミド、エポキシ、又はポリフェニール
スルフォイド、又はそれらにガラス繊維若しくはガラス
粒等の強化材を添加した材料が挙げられる。また、耐熱
性無機材料としては水ガラス、ガラス、アルミナ系接着
剤などの無機物粉体が挙げられる。
【0013】次に、このRFID用タグの磁芯部材の製
造方法を説明する。先ず図1(a)に示すように、磁性
を有するアモルファスシート12を準備する。そしてこ
のアモルファスシート12の表面に耐熱性樹脂からなる
塗料を接着剤として塗布し乾燥させ、アモルファスシー
ト12の表面に絶縁層13を形成させる。そして、図1
(b)に示すように、表面に絶縁層13を有するアモル
ファスシート12を切断して複数枚の方形状のアモルフ
ァス箔12aを作製する。この場合、複数枚のアモルフ
ァス箔12aは、それぞれ方形状に形成されかつ互いに
同形同大であることが好ましい。次に図1(c)に示す
ように、複数枚のアモルファス箔12aを絶縁層13を
介して積層して角棒状又は板状の積層体11を形成す
る。
【0014】その後、積層体11を熱圧成形して複数枚
のアモルファス箔12aを互いに接着する。具体例を挙
げれば、絶縁層13を形成する耐熱性樹脂がポリイミド
である場合には加熱温度が320℃〜350℃の範囲内
であって圧力が1.5MPa〜5MPaの範囲内である
ことが好ましい。また、耐熱性樹脂がエポキシである場
合には加熱温度が130℃〜150℃の範囲内であって
圧力が2MPa〜5MPaの範囲内、ポリフェニールス
ルフォイドである場合には加熱温度が250℃〜280
℃の範囲内であって圧力が2MPa〜5MPaの範囲内
であることが好ましい。
【0015】その後、この積層体11を熱圧成形すると
同時に、又は熱圧成形後に積層体11を構成するアモル
ファス箔12aを焼鈍して積層体からなる本発明の磁芯
部材11を得る。ここで、アモルファス箔12aの焼鈍
は250℃〜450℃の範囲内でることが必要とされる
ため、積層体11を熱圧成形がこの範囲内で行われる場
合には積層体11を熱圧成形すると同時にアモルファス
箔12aが焼鈍されることになる。その一方で、積層体
11の熱圧成形が250℃未満である場合には、熱圧成
形後に積層体11を350℃〜450℃に加熱してそれ
ぞれのアモルファス箔12aを焼鈍することが好まし
い。
【0016】このように構成されたタグ用アンテナの磁
芯部材11では、磁芯部材11を柔軟で割れるおそれの
ないアモルファス箔12aを積層した積層体により形成
するので、その機械的強度を向上させることができる。
また、複数枚のアモルファス箔12aを絶縁層13を介
して相互に絶縁させた状態で積層させて相互に接着する
ので、それぞれのアモルファス箔の相互間に渦電流が流
れることはなく、数百MHzの高周波に対応することが
できる。更に、複数枚のアモルファス箔12a相互にお
ける滑りが禁止されるので磁芯部材11は剛性なものに
なり、その後にコイル16を巻回する作業を容易にする
ことができる。
【0017】一方、アモルファス箔12aを複数枚準備
するためにアモルファスシート12を切断すると、その
切断に起因するひずみがそれぞれのアモルファス箔12
aに残存し、複数枚のアモルファス箔12aのそれぞれ
における磁性特性は劣化するが、本発明の製造方法では
アモルファス箔12aを焼鈍するので、このひずみを焼
鈍により除去することができ、アモルファス箔12a本
来の磁気特性を回復させることができる。
【0018】また、アモルファス箔12aを焼鈍すると
その特性は回復するが、その一方でアモルファス箔12
a自体が脆くなり、積層する以前のアモルファス箔12
a単体を焼鈍すると、その後の積層作業中にそのアモル
ファス箔12aが破損する恐れがあるが、本発明の製造
方法では、切断した複数枚のアモルファス箔12aを積
層して積層体11が得られた状態で焼鈍を行うので、ア
モルファス箔12aの磁気特性を回復させて積層体11
が必要とする磁気特性を得るとともに、その積層体11
を構成するアモルファス箔12aの破損を防止すること
ができる。
【0019】次に上述した磁芯部材を用いた本発明のR
FID用タグのアンテナを説明する。図2及び図3に示
すように、本発明のアンテナ21は、上述した磁芯部材
11と、この磁芯部材11に巻回された耐熱性被覆導線
からなるコイル16と、磁芯部材11のコイル16が接
する部分を被覆して磁芯部材11とコイル16の間に介
装された耐熱性フィルム14とを備える。耐熱性フィル
ム14による被覆は、積層体11の表面に片面に接着剤
を持ちかつ耐熱性を有する絶縁テープを巻き付けて耐熱
性フィルム14とすることが挙げられる。ここで、耐熱
性を有する絶縁テープとしてはポリイミド、ポリテトラ
フルオロエチレン(商標名:テフロン)、フェノール又
はエポキシからなるテープが挙げられる。一方、コイル
16を形成する耐熱性被覆導線としては、ポリイミド等
の耐熱性樹脂により被覆された銅線が挙げられ、この耐
熱性被覆導線を耐熱性フィルム14を介して磁芯部材1
1に、この磁芯部材11の軸芯を中心として螺旋状に巻
回されることによりコイル16が得られる。
【0020】このように構成されたRFID用タグのア
ンテナ21では、耐熱性フィルム14を介して磁芯部材
11に直接コイル16を巻回するので、従来必要とされ
たボビンを必要としない。このため、ボビンを用いる従
来のアンテナと比較して重量及び厚さの双方を軽減させ
ることができる。この場合、アモルファス箔12aの稜
は鋭利であるが、このアモルファス箔12aを積層した
積層体からなる磁芯部材11のコイル16が巻回される
部分は耐熱性フィルム14により被覆されるため、鋭利
なアモルファス箔12aの稜にコイル16が直接触れる
ことはなく、巻回されたコイル16の短絡を有効に防止
することができる。
【0021】次に上述したアンテナを用いた本発明のR
FID用タグを説明する。図4及び図5に示すように、
この実施の形態におけるRFID用タグ20は、上述し
たアンテナ21と、前記アンテナ21のコイル16の両
端に接続されたICチップ22とを備える。コイル16
とICチップ22の接続は、いわゆる低錫はんだ又は銀
合金はんだを用いて接続される。ここで、低錫はんだと
しては、融点が268℃〜301℃の10%Snはんだ
及び融点が300℃〜314℃の5%Snはんだが挙げ
られ、銀合金はんだとしては、融点が304℃〜370
℃の2.5%Ag−Pbはんだ及び融点が304℃〜3
70℃の5%Ag−Pbはんだが挙げられる。
【0022】なお、図1及び図2の符号23及び24は
タグ用アンテナ21及びICチップ22を収容するケー
スであり、このケースはコイル16及びICチップ22
が接着されたケース本体23と、タグ20を覆うように
ケース本体23に嵌着された蓋24とを有する。このケ
ース23,24はポリイミド、エポキシ、ポリフェニー
ルスルフォイド又はフェノールのような耐熱性プラスチ
ックにより形成される。また符号26は、磁芯部材11
が取付けられる物品27の取付面27aと磁芯部材11
との間に介装された導電性材料により形成された導電板
26であり、この導電板26はタグ用アンテナ21を鋼
板製の物品27から電磁遮蔽する機能を有し、この導電
板26は銅又はアルミニウムにより形成される。導電板
26はケース本体23より一回り大きく又は略同一に形
成され、その固有抵抗は1.59×10-6〜8×10-6
Ω・cm、好ましくは1.59×10-6〜3×10-6Ω
・cmであることが好ましい。また導電板26の厚さは
0.008〜3mm、好ましくは0.05〜0.5mm
である。
【0023】ICチップ22は図6に示すように、電源
回路22bと、無線周波数(RF)回路22cと、変調
回路22dと、復調回路22eと、CPU22fと、こ
のCPU22fに接続され物品27に固有の情報が記憶
されるメモリ22aとを有する。電源回路22bはコン
デンサ(図示せず)を内蔵し、このコンデンサはタグ用
アンテナ21とともに共振回路を形成する。このコンデ
ンサにはタグ用アンテナ21が特定の周波数の電波(上
記共振回路が共振する周波数)を受信したときにその相
互誘導作用で生じる電力が充電される。電源回路22b
はこの電力を整流し安定化してCPU22fに供給し、
ICチップ22を活性化する。メモリ22aはROM
(read only memory)、RAM(ramdom-access memor
y)及びEEPROM(electrically erasable program
mable read only memory)を含み、CPU22fの制御
の下で後述するコンピュータ30からの電波のデータ通
信による読出しコマンドに応じて記憶されたデータの読
出しを行うとともに、コンピュータ30からの書込みコ
マンドに応じてデータの書込みが行われる。
【0024】このように構成されたRFID用タグの使
用状態を説明する。図6に示すように、この実施の形態
におけるRFID用タグ20は、コンピュータ30と送
受信可能に構成され、ICチップ22のメモリ22aに
は物品27に固有の情報が記憶される。一方、コンピュ
ータ30は上記ICチップ22に記憶された情報を読出
しかつICチップ22に追加情報を書込むように構成さ
れ、タグ用アンテナ21と相互誘導作用する送受信アン
テナ31と、送受信アンテナ31から電波を発信させか
つ送受信アンテナ31の受けた電波を処理する処理部3
2と、ICチップ22に記憶された情報を表示する表示
部33を有する。送受信アンテナ31はタグ用アンテナ
21に電波を送信しかつそのタグ用アンテナ21からの
電波を受信可能に構成される。また処理部32は送受信
アンテナ31に接続され、バッテリを内蔵する電源回路
32aと、無線周波数(RF)回路32bと、変調回路
32cと、復調回路32dと、CPU32eと、このC
PU32eに接続されICチップ22から読取った情報
を記憶するメモリ32fとを有する。また処理部32の
CPU32fには入力部32gが接続され、この入力部
32gにより入力された追加情報はICチップ22に書
込み可能に構成される。
【0025】コンピュータ30の送受信アンテナ31か
らタグ用アンテナ21に向けて物品27に固有の情報
(製造工程等)を特定周波数の電波により送信する。物
品27固有の情報は2値化されたデジタル信号としてコ
ンピュータ30から発せられる。デジタル信号は、図示
しない信号発生器から発せられ変調回路32cで変調さ
れ、RF回路32bではこの変調した信号を増幅して送
受信アンテナ31から送信する。この変調には例えばA
SK(振幅変調)、FSK(周波数変調)又はPSK
(位相変調)が挙げられる。コンピュータ30から送信
された電波はタグ用アンテナ21に受信され、この受信
により、電源回路22bのコンデンサには送受信アンテ
ナ31とタグ用アンテナ21の相互誘導作用で生じる電
力が充電される。この結果、電源回路22bは電力を整
流し安定化して、CPU22fに供給し、ICチップ2
2を活性化する。次いでICチップ22のRF回路22
cでは復調に必要な信号のみを取込み、復調回路22e
で物品27固有の情報のデジタル信号を再現させて、C
PU22fによりこのデジタル信号をメモリ22aに書
込む。
【0026】次いで上記タグ20を物品27の取付部2
7aに固着した後に(図4及び図5)、製造ライン34
に流すと、製造ライン34のコンピュータ30により上
記タグ20のICチップ22に記憶された情報が読出さ
れる。具体的にはコンピュータ30の送受信アンテナ3
1からタグ用アンテナ21に向けて2値化されたデジタ
ル信号の質問信号を特定周波数の電波により送信する。
コンピュータ30から発せられるデジタル信号は、変調
回路32cで変調を受け、RF回路32bでこの変調し
た信号を増幅して送受信アンテナ31から送信される。
送信された質問信号の電波はタグ用アンテナ21に受信
され、この受信により電源回路22bのコンデンサに電
力が充電される。電源回路22bは電力をCPU22f
に供給し、ICチップ22を活性化し、RF回路22c
を介して復調回路22eで元のデジタル信号の質問信号
を再現させる。CPU22fはこの質問信号に基づいて
メモリ22aに記憶されていたその物品27固有の情報
を送信する。この情報の送信は2値化されたデータ信号
をICチップ22の変調回路22dで変調し、RF回路
22cで増幅してタグ用アンテナ21から送出すること
により行われる。送信されたデータはコンピュータ30
の送受信アンテナ31が受信し、処理部32はタグ20
からの物品27固有の情報を表示部33に表示する。
【0027】その物品27固有の情報に基づいてその物
品27を所定の色で塗装し、その後に電気炉に搬入して
乾燥する。このときタグ20は物品27とともに200
℃程度の高温になるけれども、磁芯部材11、ケース2
1,22が耐熱性プラスチックにより形成されているた
め、これらの部材が軟化することはない。この結果、タ
グ用アンテナ21の特性が変化しないので、コンピュー
タ30を用いてタグ20のICチップ22に記憶された
物品27固有の情報を読出したり、或いはタグ20のI
Cチップ22に追加情報を書込むことができる。
【0028】なお、上述した実施の形態では、磁芯部材
11が取付けられる物品27の取付面16aと磁芯部材
11との間に導電性材料により形成された導電板26を
介装させた例を示したが、物品が非導電性である場合又
はタグ20を物品の非導電性の部分に取付ける場合に
は、上述した導電板26を介装させることなくタグ20
を直接その非導電性部分に取付けても良い。また、上述
した実施の形態における図2では、平板状の磁芯部材1
1を表したが、磁芯部材11は同形同大の方形状アモル
ファス箔12aを複数枚積層することにより角棒状に形
成された積層体からなるものであってもよい。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>図1に示すような磁芯部材11を製造し
た。即ち、厚さ25μmのアモルファスシート12(ア
ラミドケミカル社製;商品名「METGLAS2605S」)の表面
にエポキシ樹脂をアセトンに熔解させた塗料を塗布し乾
燥させてアモルファスシート12の表面に絶縁層13を
形成した。その後そのアモルファスシート12を切断し
て長さが110mmであって幅が7mmの方形状のアモ
ルファス箔12aを24枚準備した。次に24枚のアモ
ルファス箔12aを絶縁層13を介して積層して板状の
積層体11を形成した。その後、その積層体11に3M
Paの圧力を加え、その状態で150℃で30分間加熱
して複数枚のアモルファス箔12aを互いに接着させ、
その後続けて260℃で2時間加熱することにより積層
体11を構成するそれぞれのアモルファス箔12aを焼
鈍させた。このようにしてRFID用タグの磁芯部材を
得た。
【0030】その後図2に示すように、この積層体から
なる磁芯部材11のコイル16が接する部分を被覆し
た。即ち、表面にシリコンからなる接着剤を有する幅6
0mmのポリイミドフィルムを磁芯部材11に2回巻回
した。その後このポリイミドフィルムからなる耐熱性フ
ィルム14を介して直径0.1mmの耐熱性被覆導線を
450回巻回してタグ用アンテナ21を得た。そしてこ
のタグ用アンテナ21の物品に接する部分に長さ120
mm幅10mm厚さ0.1mmのアルミ板を配置した。
このタグ用アンテナ21を実施例1とした。
【0031】<比較例1>厚さ25μmの実施例1と同
一のアモルファスシートを絶縁層を形成することなく切
断して長さが110mmであって幅が7mmの方形状の
アモルファス箔を24枚準備した。次に24枚のアモル
ファス箔を積層して板状の積層体を形成した。その後、
表面にシリコンからなる接着剤を有する実施例1と同一
の幅60mmのポリイミドフィルムをその積層体に2回
巻回した。その状態で260℃で2時間加熱することに
より積層体11を構成するそれぞれのアモルファス箔を
焼鈍させた。このようにしてRFID用タグの磁芯部材
を得た。その後この積層体に巻回されたポリイミドフィ
ルムを介して直径0.1mmの耐熱性被覆導線を450
回巻回してタグ用アンテナを得た。更にこのタグ用アン
テナの物品に接する部分に長さ120mm幅10mm厚
さ0.1mmの実施例1と同一のアルミ板を配置した。
このタグ用アンテナを比較例1とした。
【0032】<比較例2>厚さ25μmの実施例1と同
一のアモルファスシートの表面にエポキシ樹脂をアセト
ンに熔解させた塗料を塗布し乾燥させてアモルファスシ
ートの表面に絶縁層を形成した。その後そのアモルファ
スシートを切断して長さが110mmであって幅が7m
mの方形状のアモルファス箔を24枚準備した。次に2
4枚のアモルファス箔を絶縁層を介して積層して板状の
積層体を形成した。その後、その積層体に3MPaの圧
力を加え、その状態で150℃で30分間加熱して複数
枚のアモルファス箔を互いに接着させ、その後続けて2
60℃で2時間加熱することにより積層体を構成するそ
れぞれのアモルファス箔を焼鈍させた。このようにして
RFID用タグの磁芯部材を得た。その後、直径0.1
mmの耐熱性被覆導線を磁芯部材に直接450回巻回し
てタグ用アンテナを得た。そしてこのタグ用アンテナの
物品に接する部分に長さ120mm幅10mm厚さ0.
1mmのアルミ板を配置した。このタグ用アンテナを比
較例1とした。
【0033】<比較例3>厚さ25μmの実施例1と同
一のアモルファスシートを絶縁層を形成することなく切
断して長さが110mmであって幅が7mmの方形状の
アモルファス箔を24枚準備した。次に24枚のアモル
ファス箔を260℃で2時間加熱することによりそれぞ
れ焼鈍させた。その後24枚のアモルファス箔の表面に
塩化ビニール樹脂をアセトンに熔解させた塗料をそれぞ
れ塗布し乾燥させて24枚のアモルファス箔の表面に絶
縁層をそれぞれ形成した。次に24枚のアモルファス箔
を絶縁層を介して積層して板状の積層体を形成した。そ
の後、その積層体に3MPaの圧力を加え、その状態で
90℃で10分間加熱して複数枚のアモルファス箔を互
いに接着させてRFID用タグの磁芯部材を得た。その
後、この磁芯部材の表面にシリコンからなる接着剤を有
する幅60mmの塩化ビニールを磁芯部材に2回巻回し
た。その後この塩化ビニールを介して直径0.1mmの
耐熱性被覆導線を450回巻回してタグ用アンテナを得
た。そしてこのタグ用アンテナの物品に接する部分に長
さ120mm幅10mm厚さ0.1mmの実施例1と同
一のアルミ板を配置した。このタグ用アンテナを比較例
3とした。
【0034】<比較例4>厚さ25μmの実施例1と同
一のアモルファスシートの表面にエポキシ樹脂をアセト
ンに熔解させた塗料を塗布し乾燥させてアモルファスシ
ートの表面に絶縁層を形成した。その後そのアモルファ
スシートを切断して長さが110mmであって幅が7m
mの方形状のアモルファス箔を24枚準備した。次に2
4枚のアモルファス箔を絶縁層を介して積層して板状の
積層体を形成した。その後、その積層体に3MPaの圧
力を加え、その状態で150℃で30分間加熱して複数
枚のアモルファス箔を互いに接着させ、その後続けて2
60℃で2時間加熱することにより積層体を構成するそ
れぞれのアモルファス箔を焼鈍させた。このようにして
RFID用タグの磁芯部材を得た。一方、エポキシ樹脂
からなる図7に示すような枠に直径0.1mmの耐熱性
被覆導線を450回巻回したコイルを準備した。そして
この枠に磁芯部材を挿入してタグ用アンテナを得た。そ
してこのタグ用アンテナの物品に接する部分に長さ12
0mm幅10mm厚さ0.1mmの実施例1と同一のア
ルミ板を配置した。このタグ用アンテナを比較例4とし
た。上述した実施例1及び比較例1〜4における絶縁層
の有無及び材質、磁芯部材とコイルの間に介装されたフ
ィルムの有無及び材質、枠の有無及びその材質を表1に
示す。
【0035】<比較試験>表1に示す所定の周波数域
の、実施例1及び比較例1〜4のタグ用アンテナにおけ
る外形寸法をノギスにより測定し、その重量を重量計で
測定した。その後、それらの125kHzにおけるL値
及びQ値をインピーダンスアナライザ4395A(ヒュ
ーレッドパッカード社製)により測定した。その後これ
らのアンテナにICチップを接続してRFIDタグと
し、図5に示すコンピュータ30と情報の交換が正常に
行われるか否かを調べた。そして、それらのタグを22
0℃に30分加熱した後室温まで冷却させ、その後情報
の交換が正常に行われるか否かを調べた。その結果を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】<評価>表1の結果から明らかなように、
実施例1のアンテナを用いたタグは加熱前及び加熱後に
おいて正常に作動していることが判る。その一方で、比
較例1〜比較例4のアンテナを用いたタグにあっては、
加熱前及び加熱後において正常に作動しているのは比較
例4のアンテナを用いたタグのみとなっていることが判
る。比較例1のアンテナを用いたタグは加熱前及び加熱
後の双方において正常に作動していない。これは、この
タグに用いられているアンテナのQ値が著しく低い値を
示していることに起因するものと考えられ、このQ値の
低下は、アモルファス箔相互間の絶縁が確保されていな
いため、アモルファス箔相互間で渦電流が生じ、損失が
生じたためと考えられる。
【0038】比較例2のアンテナはコイルのショートを
生じてしまった。このショートが生じたことからこのア
ンテナを用いたタグは加熱前及び加熱後の双方において
正常に作動していない。これショート現象は磁芯部材を
形成するアモルファス箔の鋭利な稜によりその磁芯部材
に巻回された被覆導線の被服が破れたことに起因するも
のと考えられる。比較例3のアンテナを用いたタグは加
熱前においては正常に作動しているけれども、加熱後に
は正常に作動しなくなってしまった。これは、このタグ
に用いられているアンテナの磁芯部材を構成するアモル
ファス箔相互間の絶縁が塩化ビニールによりなされてい
るため、その塩化ビニールが加熱時の熱により変質して
アモルファス箔相互間の絶縁が確保されなくなってしま
ったことによるものと考えられる。比較例4のアンテナ
を用いたタグは加熱前及び加熱後の双方において正常に
作動している。しかし、表1から明らかなように、比較
例4のアンテナの厚さは実施例1におけるアンテナの厚
さの2倍以上となってしまっている。これは比較例4の
アンテナが被覆導線を巻回するための枠を備えているこ
とに起因するものと考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、磁
芯部材を柔軟で割れるおそれのないアモルファス箔を積
層した積層体により形成するので、その機械的強度を向
上させることができる。また、複数枚のアモルファス箔
又は金属箔を絶縁層を介して相互に絶縁させた状態で積
層接着するので、それぞれの箔相互間に渦電流が流れる
ことはなく、数百MHzの高周波に対応することができ
る。また、絶縁層は耐熱性樹脂又は耐熱性無機材料から
なるので、高温に曝された後も十分にその機能を発揮す
ることができる。更に、複数枚のアモルファス箔又は金
属箔を相互に接着するので、箔相互における滑りが禁止
されるので磁芯部材は剛性なものになり、その後の巻線
作業を容易に行うことができる。
【0040】この場合、アモルファスシートの表面に絶
縁層を形成した後に切断して複数枚のアモルファス箔を
作製すれば、予め切断された複数枚のアモルファス箔の
それぞれに絶縁層を形成する場合に比較して、絶縁層の
形成が容易になり、アモルファス箔を焼鈍すれば、アモ
ルファスシートを切断する際に生じるひずみを除去して
アモルファス箔本来の磁気特性を回復させることができ
る。また、切断した複数枚のアモルファス箔を積層して
積層体が得られた状態で焼鈍を行えば、アモルファス箔
を積層する際に生じうるアモルファス箔の破損を防止す
ることもできる。
【0041】また、この磁芯部材と、磁芯部材のコイル
が接する部分を耐熱性フィルムにより被覆したRFID
用タグのアンテナは、従来必要とされたボビンを必要と
しない。このため、ボビンを用いる従来のアンテナと比
較して重量及び厚さの双方を軽減させることができる。
また、アモルファス箔の稜は鋭利であるが、コイルが巻
回される部分は耐熱性フィルムにより被覆されるため、
鋭利なアモルファス箔の稜にコイルが直接触れることは
なく、巻回されたコイルの短絡を有効に防止することが
できる。そして、このアンテナと、このアンテナのコイ
ルの両端に接続されたICチップとを備えたRFID用
タグでは、耐熱性及び機械的強度を向上させたアンテナ
を用いるので、誤って落して衝撃荷重が作用してもアン
テナが損傷することのないものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁芯部材の製造工程を示す図。
【図2】その磁芯部材を用いたアンテナを示す図3のA
−A線断面図。
【図3】そのアンテナの斜視図。
【図4】そのアンテナを有するRFID用タグを示す図
5のC−C線断面図。
【図5】図4のB−B線断面図。
【図6】そのタグのアンテナに送受信アンテナを対向さ
せた状態を示すRFID用タグ及びコンピュータの回路
構成図。
【図7】実施例において使用した枠を示す図。
【符号の説明】
11 磁芯部材(積層体) 12 アモルファス箔 12a アモルファス箔 13 絶縁層 14 耐熱性フィルム 16 コイル 20 RFID用タグ 21 アンテナ 22 ICチップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八幡 誠朗 東京都文京区小石川1丁目12番14号 三菱 マテリアル株式会社RF−ID事業センタ ー内 (72)発明者 土田 隆 東京都文京区小石川1丁目12番14号 三菱 マテリアル株式会社RF−ID事業センタ ー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の軟磁性アモルファス箔(12a)又
    は複数枚の金属箔が絶縁層(13)を介して積層されたRF
    ID用タグの磁芯部材において、 前記絶縁層(13)が耐熱性樹脂又は耐熱性無機材料からな
    ることを特徴とする磁芯部材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された磁芯部材(11)と、
    前記磁芯部材(11)に巻回された耐熱性被覆導線からなる
    コイル(16)と、前記磁芯部材(11)の前記コイル(16)が接
    する部分を被覆して前記磁芯部材(11)と前記コイル(16)
    の間に介装された耐熱性フィルム(14)とを備えたRFI
    D用タグのアンテナ。
  3. 【請求項3】 耐熱性フィルム(14)がポリイミド、ポリ
    テトラフルオロエチレン、フェノール又はエポキシから
    なる請求項2記載のアンテナ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載されたアン
    テナ(21)と、前記アンテナ(21)のコイル(16)の両端に接
    続されたICチップ(22)とを備えたRFID用タグ。
  5. 【請求項5】 磁性を有するアモルファスシート(12)の
    表面に耐熱性樹脂塗料を接着剤として塗布し乾燥する工
    程と、 前記接着剤を乾燥することにより表面に絶縁層(13)を有
    するアモルファスシート(12)を切断して複数枚の所定の
    寸法のアモルファス箔(12a)を作製する工程と、 前記複数枚のアモルファス箔(12a)を前記絶縁層(13)を
    介して積層して積層体(11)を形成する工程と、 前記積層体(11)を熱圧成形して前記複数枚のアモルファ
    ス箔(12a)を互いに接着する工程と、 前記積層体(11)を熱圧成形すると同時に又は熱圧成形後
    に前記積層体(11)を構成するアモルファス箔(12a)を焼
    鈍する工程とを含むRFID用タグの磁芯部材の製造方
    法。
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