JP2012080159A - アンテナ部材及び低周波アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属薄帯を用いたコアを容易に固定でき、かつ樹脂モールドしてもコアが歪まず、コイルをコアの周囲に沿ってほぼ巻くことができ、さらには薄型化が可能なアンテナ部材を提供する。
【解決手段】 ボビンと、金属薄帯の積層体からなる直方体状のコアと、コアに巻かれるコイルを備えたアンテナ部材であって、前記ボビンは、コイルの導線端部が接続される端子と、前記端子が固定されるモールド部と、前記モールド部から平行に伸びる複数のガイドと、前記ガイドを前記モールド部以外の場所で互いに連結するための少なくとも一つの連結部を備え、前記ボビンは、前記コアの積層方向に伸びた柱状の金型固定部を有し、前記金型固定部は前記コアの厚みよりも厚く形成されていることを特徴とするアンテナ部材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属薄帯を用いたコアを備えるアンテナ部材、及びそのアンテナ部材を用いた低周波アンテナに関する。
自動車及び住宅のキーレスエントリーシステムやTPMS(Tire Pressure Monitoring System)には、電磁波を送信あるいは、受信するアンテナが用いられている。これらの機器は小型であることが要求される。使用される電磁波の周波数はキーレスエントリーシステム(以下、キーレスシステム)、TPMS共134kHz、125kHz等である。
例えばキーレスエントリーシステムの車載アンテナには、細長のコアが用いられることが多い。特に自動車のドアハンドル内にアンテナを配置する場合には、その限られたスペースを有効利用するために上記形状にならざるをえない。また、そのコアの太さも制限されることから、コアに用いる材料は電気抵抗率が高いことが必要である。更に、機器全体のコストを低下させるためには、アンテナ全体が安価であるということも重要である。
こうした要求を満たす材料として従来はフェライト材料が用いられて来た。しかしながら、フェライト材料は機械的に脆いという問題点があるため耐衝撃性という観点からは、好ましい材料ではない。キーレスエントリーシステム用のアンテナとして車体のドア内部に配置される場合、ドアを開閉する都度衝撃がアンテナに伝わるため、耐衝撃性を確保することは重要である。また、携帯キーの内部にアンテナが配置される場合でも落下の衝撃などに耐える構造とする必要がある。
フェライト材料に代わる材料として、Co基等のアモルファス金属やナノ結晶材料等の軟磁性金属薄帯を用いたアンテナが使用されている(例えば特許文献1)。こうした軟磁性金属薄帯はフェライトと同等以上の高い透磁率をもつ軟磁性材料であり、フェライト材料と比べると高い機械的強度を有する。ただしこれらの材料は電気抵抗率がフェライト材料と比べると低いため、渦電流損失が大きくなる。渦電流損失は厚さの2乗に比例するため、薄い軟磁性金属薄帯は好ましい厚さではあるが、アンテナとして充分な感度、あるいは送信性能を得るためにはコイルを巻く部分のコア断面積を確保する必要がある。
このため、この軟磁性金属薄帯は絶縁樹脂層を介して複数枚を積層した積層コアの形態で使用される。軟磁性金属薄帯は10〜50μmの厚さが一般的であり、例えばロール急冷法等によって容易に製造することができる。アンテナ部材は車体や携帯機器の内部に固定されるため、コアに直接コイルを巻く構造よりも、ボビン、ケース等他の部材と組み合わせてアンテナ部材とすることが一般的な構造である。
例えば特許文献2に記載の構成は、コアを固定し、巻線を施すことができるボビンの構造が記載されている。また、特許文献3は、アモルファスやナノ結晶の軟磁性合金薄帯を積層した磁性コアの周囲を樹脂で被覆することが記載されている。
特開平7−278763号公報 特開2008−78899号公報 特開2003−283231号公報
アンテナは色々な構造の装置で使用されるが、何れも金属薄帯のコアを露出した状態で使われる事は稀である。防水及び耐食性の問題や、外部からの衝撃からコアとコイルなどがダメージを受けないようにするため、例えば、樹脂モールドにより周囲を樹脂で一体的に覆ったアンテナが採用される。
特許文献2は、棒状のコアを両端から挟む構造であり、複数の部材に分かれている。またコアには厚いフェライトコアを用いている。この構造で樹脂モールドによる一体化を行なう場合、フェライトコアが厚いので要求される薄型化を満足することが難しいと思われ、また、樹脂モールド中に樹脂圧によってフェライトコアが破損する可能性も有る。
特許文献3は、コアに厚さ数十μmの金属薄帯を用いているため、機械的強度に優れ、薄型化も容易であると予想される。但し、金属薄帯も数十枚の単位で積層しており、薄肉化が十分になされているとは言えない。
金属薄帯の総厚さが600μm以下であると、金属薄帯の積層コアは弾性的に変形しやすく、積層コアのみを金型内に入れて樹脂モールドすると、積層コアが樹脂の流れによって金型内で変形してしまい、モールドした樹脂の表面上にこの金属薄帯コアが露出したり、金属薄帯コアの変形によって磁気歪みが生じて所望のアンテナ特性が得られなかったりするという問題が起きやすい。
したがって本発明の目的は、金属薄帯を用いたコアを容易に固定でき、かつ樹脂モールドしてもコアが歪まず、コイルをコアの周囲近傍に巻くことができ、さらには薄型化が可能なアンテナ部材、およびこのアンテナ部材を用いた低周波アンテナを提供する事にある。
本発明は、ボビンと、金属薄帯の積層体からなる直方体状のコアと、コアに巻かれるコイルを備えたアンテナ部材であって、前記ボビンは、コイルの導線端部が接続される端子と、前記端子が固定されるモールド部と、前記モールド部から平行に伸びる複数のガイドと、前記ガイドを前記モールド部以外の場所で互いに連結するための少なくとも一つの連結部を備え、前記コアは、前記コアの長手方向の積層面が両方とも前記ガイドに面し、かつ、コアの金属薄帯の主面が部分的に前記連結部に面するように配置され、前記ボビンは、前記コアの積層方向に伸びた柱状の金型固定部を有し、前記金型固定部は前記コアの厚みよりも厚く形成されていることを特徴とする。
前記連結部の少なくともひとつは、前記ガイドの中腹部同士を連結するように形成され、前記複数のガイドに対して同じ側から前記ガイド同士を連結する第1の連結部と、第1の連結部とは反対側から前記ガイド同士を連結する第2の連結部を少なくとも有し、かつ、前記コアの主面の少なくとも一部が前記連結部以外の部分で露出している構造とすることができる。
前記コアの金属薄帯は総厚さが10μm以上600μm以下であり、前記アンテナ部材は少なくともコアの露出部を覆う外装部を備え、前記外装部は樹脂によって前記コアが覆われるようにモールド成形されていることが好ましい。
前記モールド部、前記ガイド、前記連結部、前記金型固定部が一体的に形成されていることがこのましい。
前記金型固定部は、前記連結部のガイドよりも外側に形成されていることが好ましい。
これらのアンテナ部材を用いて低周波アンテナとすることができる。
金属薄帯を用いたコアを容易に固定でき、コイルをコアの周囲に沿ってほぼ巻くことができるとともに、金属薄帯からなるコアを歪ませずに樹脂モールドが可能であるためにコアを直接的に樹脂で覆う薄型のアンテナ部材を提供する事ができる。また、このアンテナ部材を用いた低周波アンテナを提供する事ができる。
本実施例のアンテナ部材の一形態を示す図である。 本実施例に用いたボビンの斜視図を示す図である。 図2のボビンの6面図である。 射出成形によりコアの周囲を樹脂で覆う製造工程を説明するための図である。 軟磁性金属薄帯の積層体からなるコアを説明するための図である。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
図1に本実施例のアンテナ部材1を示す。アンテナ部材1は、金属薄帯の積層体からなる直方体状のコア20と、そのコア20の主面の一部が露出するように形成されたボビン10と、ボビン10を介してコア20の周囲に巻かれた一本の導線からなるコイル30から主に形成されている。
図2は本実施例におけるアンテナ用ボビン10(単にボビン10)を示す斜視図である。図3はその6面図である。図3の(A)〜(F)は、図2の矢印A〜Fの方向から見た図面を示している。
このボビン10は、コイル30の端部が接続する金属製の端子40a、40bと、この端子40a,40bと一体成形される樹脂部からなり、樹脂部は端子のモールド部2と、ガイド5、連結部4からなる。
図3(A)中、モールド部2は端子40a,40bをモールドしている。また、モールド部2はコア20の長軸方向の一端部25と当接する。モールド部2の破線部は、端子40a,40bの胴体部分である。端子40a,40bの他端41a,41bは、モールド部2の中腹部分で露出し、コイルの端部が接続される部分となる。
ガイド5a、5bの内壁側はコア20の積層面23(図5(b))と面し、コア20を固定している。ガイドの厚さ(図3(A)紙面垂直方向の厚さ)はコアと同じかもしくは薄く形成することが好ましく、アンテナ部材を薄くすることができる。また、ガイド5a,5bは、コイル30の銅線を掛けて端子側に引き伸ばすための突起5a1,5b1を備える。
このガイド5a,5bは、両ガイドの中腹部同士を橋渡しする連結部4a,4b,4cにより互いの幅が固定されている。連結部4aおよび4cは、図3(A)の図において、ガイド5a,5bの紙面奥側の側面で橋渡しされるように形成され、連結部4bは紙面手前側の側面で橋渡しされるように形成される。つまり、連結部4a,4cと連結部4bは、図2の矢印Fの方向から見てガイド5の厚みだけ隙間ができるように形成される。6a,6b,6c,6dは窓部であり、この窓部から後述するように金属薄帯を用いたコア20の主面が露出し、かつこの窓部でコイル30が巻かれる。
4dはガイド5a,5bの終端同士を固定し、かつコア20の端部25での周囲を固定するための連結部である。連結部4dは連結部4bと同様に、図3(A)の図において、ガイド5a,5bの紙面手前側の側面で橋渡しされるように形成され、かつガイド5a,5bの紙面奥側に部分的な突起(4d1、4d2)を持ち、金属薄帯コアの端部を紙面垂直方向に固定する。
連結部4a〜4cは、ガイド外側に、コイルの導線を把持するための溝8a〜8fが形成される。また、連結部4a,4cの溝8a,8c,8d,8fの更に端部側には、ボビン10を金型のキャビティ内壁に固定するための金型固定部7a〜7dが形成される。
図3(B)により、上記の金型固定部7a〜dをさらに説明する。図3(B)の金型固定部7c,7dは、ボビン10の他の部分に比べ、厚く形成されている。この金型固定部7の厚みは、後述する金型キャビティに対し、そのキャビティ内の厚みとほぼ同じ寸法に形成されている。
図3(F)は図2の矢印F方向から見た側面図である。中央の空隙は金属薄帯からなるコア20が挿入されるコア配置部9である。コア配置部9は、ガイド5a,5bおよび各連結部4a〜4dで囲まれた領域となる。上下の幅広の部分が、連結部4a,4cの端部に形成された金型固定部7b,7dである。
モールド部、ガイド、連結部は射出成形により一体的に形成されている。このため、製造コストが安価であり、かつ、ガイドとコアとコイルを一体的に射出成形でモールドする際、互いに分かれてしまうことがないので歩留まりを落とさず安定した量産を行なうことができる。
ボビンの材質は、樹脂は既知の材質、例えば、ABS樹脂、PE(ポリエチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PS(ポリスチレン)LCP(液晶ポリマー)を用いることができる。本実施例においてはボビンをウィンテックポリマー社製のPBT樹脂を用いて射出成形により製造した。
コア、ボビンの周囲の外装部で用いる樹脂の材質は、既知の樹脂、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、LCP(液晶ポリマー)などを用いることができる。本実施例においてはポリエステル樹脂を用いてモールド成型を行った。
図4は、射出成形でアンテナ部材の周囲に外装部を樹脂でモールド成形する時の状態を説明するためのものである。50a,bは金型であり、一方が可動型50a、他方が固定型50bである。52は金型キャビティである。この金型キャビティは可動型の移動方向に対してほぼ一律厚さtの寸法で形成されている。この厚さtは、アンテナ部材の金型固定部7の厚みと実質的に同じ寸法であり、可動型50aと固定型50bが閉じたときに、金型固定部7の両端が可動型50aと固定型50bのキャビティ内壁に当接して固定される。金型固定部がガイドに対してコアと反対側に形成されているので、樹脂が金型固定部で堰き止められずにキャビティ内を流れるため、コアの主面側23で樹脂の流れが層流に近くなり、コアが変形しにくくなる。また、コアの表面に直接樹脂が流れるので、樹脂の厚みが極力小さくなり、薄型化に対応できる。
溶融状態の樹脂がランナー51から流し込まれると、樹脂は金型キャビティ52の内部中央で固定されたコア20の両面側を流れ、コア20の主面だけでなくアンテナ部材のほぼ全体を覆うように金型キャビティ内に充填される。金型固定部7の両端は、外装部を射出成形後も表面から観察できる。
外装部はこの金型キャビティの形状と同じほぼ直方体状に形成される。
図5は、金属薄帯の積層体からなるコア20の積層面を示す図である。図中の番号21は金属薄帯であり、22が樹脂である。このコアはほぼ直方体状の形状を持つ。コア20は、前記のように、図3(F)のコア配置部9に挿入され、モールド部2の連結部側に形成された凹部にその一端が当接される。また、コアの積層面はガイド5a,5bに、コアの主面23側の一部が連結部4a〜4dに当接される。
金属薄帯21は、例えば、軟磁性材料であるFe基やCo基(Fe・Co)−Si−B系のアモルファス金属やナノ結晶金属などを用いることができる。
アモルファス金属は例えば、合金組成がTSi(但し、TはFe,Co,Niの1種以上の元素、MはCr,Mo,Al,Mn,Zr,Hf,Taの1種以上の元素であり、原子%で、50≦a≦90、1.5≦b≦30、2≦c≦15、0≦d≦10)で表されるものが好ましい。不純物であるC,P,S,Sb,Cu,Nb,O,Nなどの元素が総和で0.5wt%以下の範囲に許容できる。
また、ナノ結晶金属は例えば、TCuSiM’(但し、TはFe,Co,Niの1種以上の元素、M’はNbを必須として必要によりCr,Mo,Al,Mn,Zr,Hf,Taから選択される1種以上の元素、50≦e≦80、0.5≦f≦5、8≦g≦18、5≦h≦15、1≦i≦10)で表されるものが好ましい。不純物であるC,P,S,Sb,O,Nなどの元素が総和で0.5wt%以下の範囲に許容できる。
これらの軟磁性金属薄帯は、熱処理する事で脆化するが、樹脂層を介して積層することで湾曲させても破損することがないコアとすることができる。
T量aは50原子%(以下、%と記載のものは原子%を表す)より少ないと耐蝕性が低下してしまい、長期安定性に優れたアンテナ用磁心を得ることが出来ない。また、90%超では後述するSi、Bなどが不足するため、非晶質金属薄帯を得ることが工業的に難しくなる。T量aが50原子%以上であれば、一部を他の遷移元素と置換してもよい。アンテナ用の磁心としてアモルファス金属が好ましく、また、アンテナとして高いQ値を得るための材料としてCo基のアモルファス材料とすることが好ましい。
Si量やB量が前記の添加範囲にないと非晶質形成能が下がったり軟磁気特性が低下したりするので好ましくない。
アモルファス金属薄帯においてM元素は必須では無く、対してナノ結晶金属においてCu,M’元素は必須である。ナノ結晶金属において、Cu元素は微結晶組織の形成に大きく寄与する。Nb元素も同様に高い比透磁率を得るために必須の元素である。ただし、含有量が多すぎると飽和磁束密度が低下する。
これらの金属薄帯21はロール冷却により得ることができる。単ロール、双ロールなどを用いた急冷法で製造することができ、これにより得られる薄帯の厚みは10〜50μm程度である。10μm未満の金属薄帯を得ることは工業上困難であり、製造するには10μm以上の厚みの金属薄帯を得てからエッチングなどで薄くする必要がありコスト的に量産品への適用は難しい。また、厚みが50μmを超えるとロール冷却の冷却能が不十分となり、非晶質の金属薄帯を作ることが困難で、軟磁気特性が低い薄帯になりやすい。なお、薄帯を薄くすることで積層体とした際の渦電流損を小さくできるので、薄帯の好ましい厚さは10μm〜35μmである。
金属薄帯21は樹脂22を介して積層接着される。樹脂としてエポキシ樹脂やポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂を用いることができる。また、公知の樹脂であれば適宜選択可能である。金属薄帯のアモルファス薄帯、ナノ結晶薄帯は鋳造後に熱処理を施す。樹脂は、熱処理が樹脂で金属薄帯を接着して積層体とした後や、ヒートロール等の装置で積層しながら行えるよう、耐熱性の高いものを選択することが好ましい。
コアは、樹脂層の厚みを除いた金属薄帯21のみからなる総厚さ(図5で言えば、金属薄帯21a,21b,21c,21d,21eの厚さの合計)が、600μm以下10μm以上となるように、金属薄帯の積層数を決めることが好ましい。
金属薄帯21の総厚さが600μm超であると、アンテナを薄型化することが難しい。
金属薄帯21の総厚さが10μm未満であると、金属薄帯を鋳造により10μm未満にすることが困難なので、金属薄帯を鋳造後に別途エッチング処理などで薄肉化を行なう必要があり、製造工数およびコストが増大する。また、コアが薄すぎると磁束量が小さく、アンテナとして十分な特性を発揮できない。また、上記実施例のボビンを用いても射出成形の際に金型キャビティ内に流れ込む樹脂によって検知できない程度の変形を起こし、金属薄帯に磁歪が生じた状態で樹脂内にモールドされる可能性があり、所望のアンテナ特性が得られない可能性がある。
本実施例では、金属薄帯21はメトグラス社製の2714A材(平均厚み17μm)を用い、幅8mm、長さ50mmに加工した軟磁性金属薄帯に熱硬化性のポリアミドイミド樹脂を平均厚み1.2μmで塗布したものを用いた。この金属薄帯を30枚重ねて積層させ、280℃で熱処理することで層間の樹脂を硬化させるとともに金属薄帯の軟磁気特性を改善させるための最適加熱処理を行なった。このコアの形状は図5(b)に示すように直方体状とした。
このコア20が内部に配置されたボビン10に、コイル30を巻いた。コイルとして線径φ0.4mmの銅線を用いて、38ターン巻いている。本実施例においてはコイルの両端は端子40に接続し、この端子はそれぞれ送信用の駆動回路に接続される。
このアンテナ部材は、金属薄帯の磁歪の影響も見られず、ほぼ解析値通りのアンテナ特性が得られた。
同様に、金属薄帯を2枚、10枚、35枚重ねて積層させたコアを用い、同様にしてアンテナ部材を製造した。金属薄帯の磁歪の影響も見られず、ほぼ解析値通りのアンテナ特性が得られた。
本発明の低周波アンテナは200kHz以下、さらには150kHz以下の周波数帯の電波を送信する用途に用いることができる。なお、同様の構造を受信アンテナに用いることもできる。
1:アンテナ部材、20:ボビン、30:コイル、40a,b:端子、50a,b:金型、2:モールド部、4:連結部、5:ガイド、6a〜d:窓部、7:金型固定部、8a〜f:溝、9:コア配置部、23:コアの主面、24:コアの積層面、25:コアの端部

Claims (6)

  1. ボビンと、金属薄帯の積層体からなる直方体状のコアと、コアに巻かれるコイルを備えたアンテナ部材であって、
    前記ボビンは、コイルの導線端部が接続される端子と、前記端子が固定されるモールド部と、前記モールド部から平行に伸びる複数のガイドと、前記ガイドを前記モールド部以外の場所で互いに連結するための少なくとも一つの連結部を備え、
    前記コアは、前記コアの長手方向の積層面が両方とも前記ガイドに面し、かつ、コアの金属薄帯の主面が部分的に前記連結部に面するように配置され、
    前記ボビンは、前記コアの積層方向に伸びた柱状の金型固定部を有し、前記金型固定部は前記コアの厚みよりも厚く形成されていることを特徴とするアンテナ部材。
  2. 請求項1に記載のアンテナ部材であって、
    前記連結部の少なくともひとつは、前記ガイドの中腹部同士を連結するように形成され、
    前記複数のガイドに対して同じ側から前記ガイド同士を連結する第1の連結部と、第1の連結部とは反対側から前記ガイド同士を連結する第2の連結部を少なくとも有し、
    かつ、前記コアの主面の少なくとも一部が前記連結部以外の部分で露出していることを特徴とするアンテナ部材。
  3. 請求項2に記載のアンテナ部材であって、
    前記コアの金属薄帯は総厚さが10μm以上600μm以下であり、
    前記アンテナ部材は少なくともコアの露出部を覆う外装部を備え、前記外装部は樹脂によって前記コアが覆われるようにモールド成形されていることを特徴とするアンテナ部材。
  4. 請求項3に記載のアンテナ部材であって、
    前記モールド部、前記ガイド、前記連結部、前記金型固定部が一体的に形成されていることを特徴とするアンテナ部材。
  5. 請求項4に記載のアンテナ部材であって、
    前記金型固定部は、前記連結部のガイドよりも外側に形成されていることを特徴とするアンテナ部材。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のアンテナ部材を用いたことを特徴とする低周波アンテナ。
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