JP2006278499A - 点火コイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点火コイル1は、同心円状に巻回した1次コイル21及び2次コイル22と中心コア4とを備えた円筒部2と、円筒部2の先端部201に形成したスパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部711とを有してなる。中心コア4は、軸方向の長さの両端からそれぞれ15%以上の端部分46を除く中央部分47において、中央部分47の全体又は一部に、端部分46に使用する第1軟磁性材料51よりも飽和磁束密度が高い第2軟磁性材料52を用いて構成してある。
【選択図】図1
Description
上記中心コアは、軸方向の長さの両端からそれぞれ15%以上の端部分を除く中央部分において、該中央部分の全体又は一部に、上記端部分に使用する第1軟磁性材料よりも飽和磁束密度が高い第2軟磁性材料を用いて構成してあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
ここで、上記点火コイルは、上記1次コイルに電力を供給することにより、上記中心コアを通過する磁束を発生する。このとき、上記中心コアにおける磁束密度は、該中心コアの軸方向中央に比べて、軸方向両端に近づくほど低くなる。これは、上記中心コアの軸方向両端に近づくほど、該中心コアを通過する磁束の外部への漏洩が大きくなるからである。
また、一般に高価な高磁束密度材料の使用を必要範囲のみに限定しているため、上記中心コア全体を高磁束密度材料で構成する場合よりも、安価で高出力化及び性能の向上を図ることができる。
この場合には、上記中央部分において、充分な磁束密度を得ることができる。
上記飽和磁束密度が2.0(T)より小さい場合には、上記中央部分において、充分な磁束密度を得ることができないおそれがある。そのため、上記中心コアを通過する磁束を増大させる効果を充分に得られないおそれがある。
この場合には、上記中央部分において、より高い磁束密度を得ることができる。
ここで、パーメンジュールとは、軟磁性材料である鉄(Fe)及びコバルト(Co)の合金であり、コバルトを約50重量%含有したものである。
この場合には、上記中心コアを通過する磁束をより一層効率よく、また効果的に増大させることができる。
また、上記中央部分は、径方向に複数部分に区画されており、少なくとも一部の部分が上記第2軟磁性材料よりなる構成とすることができる(請求項6)。
また、上記中央部分は、軸方向に対して傾いた2つの傾斜面によって区画された傾斜部分を有しており、該傾斜部分が上記第2軟磁性材料よりなる構成とすることができる(請求項7)。
いずれの場合においても、上記中心コアを通過する磁束を効率よく、また効果的に増大させることができる。
なお、上記中央部分は、その他様々な構成とすることができる。
上記圧粉コアは、例えば、軟磁性材料の粉末粒子をコア型に充填し、圧縮成形することにより作製することができる。そして、上記コア型に充填する材料の充填位置を変えることにより、その材料の構成位置を容易に、かつ様々に変えることができる。つまり、上記中心コアを圧粉コアより構成することにより、上記中心コアにおける上記第1軟磁性材料及び上記第2軟磁性材料の構成位置を容易に、かつ様々に変えることができる。
また、上記コア型の型面形状を変化させることにより、上記中心コアの形状を自由に設定することができ、複雑な形状にも対応することができる。
なお、上記圧粉コアに用いる軟磁性材料としては、公知の、あるいは今後開発されるあらゆる材料を適用可能である。
本発明の実施例にかかる点火コイルについて、図1、図2を用いて説明する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、同心円状に巻回した1次コイル21及び2次コイル22と中心コア4とを備えた円筒部2と、円筒部2の先端部201に形成したスパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部711とを有してなる。
中心コア4は、図2に示すごとく、軸方向の長さの両端からそれぞれ15%以上の端部分46を除く中央部分47において、中央部分47の全体又は一部に、端部分46に使用する第1軟磁性材料51よりも飽和磁束密度が高い第2軟磁性材料52を用いて構成してある。
以下、これを詳説する。
また、中心コア4と2次コイル22との間、2次コイル22と1次コイル21との間、1次コイル21と外周コア23との間の各隙間には、絶縁樹脂29が充填されている。なお、本例では、絶縁樹脂29としてエポキシ樹脂を用いた。
図2に示すごとく、中心コア4において、軸方向の長さの両端からそれぞれ15〜25%の端部分46には、第1軟磁性材料51を用いて構成されている。また、端部分46を除いた中央部分47全体には、端部分46に使用する第1軟磁性材料51よりも飽和磁束密度が高い第2軟磁性材料52を用いて構成されている。
また、上記圧粉コアの外周面の形状は、上記コア型の型面形状により自由に設定することができる。そのため、中心コア4の外周面の形状が複雑となる場合には、上記圧粉コアより構成することが特に有効となる。
本例の点火コイル1において、中心コア4は、軸方向の両端からそれぞれ15%以上の端部分46に第1軟磁性材料51を用い、端部分46を除く中央部分47の全体に第1軟磁性材料51よりも飽和磁束密度が高い第2軟磁性材料52を用いて構成してある。
ここで、点火コイル1は、1次コイル21に電力を供給することにより、中心コア4を通過する磁束を発生する。このとき、中心コア4における磁束密度は、中心コア4の軸方向中央に比べて、外部への磁束の漏洩が大きい中心コア4の軸方向両端に近づくほど低くなる。
また、一般に高価な高磁束密度材料の使用を必要範囲のみに限定しているため、中心コア4全体を高磁束密度材料で構成する場合よりも、安価で高出力化及び性能の向上を図ることができる。
なお、中心コア4の中央部分47は、その一部に第2軟磁性材料52を用いて構成することもできる。
また、第1軟磁性材料51には、鉄系粉末を用いている。鉄系粉末は、広く用いられている比較的安価な材料であると共に、良好な特性を有しているので、中心コア4の端部分46においても、充分な磁束密度を得ることができる。
さらに、上記コア型の型面形状を変化させるだけで、中心コア4の形状を自由に設定することができ、複雑な形状にも対応することができる。
なお、永久磁石25は、配設しない構成とすることもできる。
本例は、図3、図4に示すごとく、実施例1の中心コア4において、第1軟磁性材料51及び第2軟磁性材料52の構成位置を変更した例である。
同図に示すごとく、中心コア4の中央部分47は、軸方向に複数部分に区画されており、第2軟磁性材料52と第1軟磁性材料51とを交互に配置して構成されている。中心コア4の端部分46は、第1軟磁性材料51よりなる。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図5、図6に示すごとく、実施例1の中心コア4において、第1軟磁性材料51及び第2軟磁性材料52の構成位置を変更した例である。
同図に示すごとく、中心コア4の中央部分47は、径方向に複数部分に区画されており、少なくとも一部の部分が第2軟磁性材料52よりなる。その他の部分は、第1軟磁性材料51よりなる。
また、図6では、中心コア4の中央部分47において、径方向の中心部471には第2軟磁性材料52を用い、一方、径方向の外周部472には第1軟磁性材料51を用いて構成してある。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図7に示すごとく、実施例1の中心コア4において、第1軟磁性材料51及び第2軟磁性材料52の構成位置を変更した例である。
同図に示すごとく、中心コア4の中央部分47は、軸方向に対して傾いた2つの傾斜面473によって区画された傾斜部分474を有しており、傾斜部分474が第2軟磁性材料52よりなる。その他の部分は、第1軟磁性材料51よりなる。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図8、図9に示すごとく、実施例1の点火コイル1において、点火コイル1の一部の構成、また2次スプール3及び中心コア4の形状を変更し、円筒部2の後端部202にサイドプレート61及びアッパープレート62を配設した例である。
また、同じく円筒部2の後端部202には、軟磁性材料よりなる平板状のアッパープレート62がサイドプレート61の軸方向後端部612及び中心コア4の軸方向後端部402に対向するように配設されている。
しかしながら、本例の中心コア4は、2次スプール3のテーパ内面部32、34に対向する位置にテーパ外面部42、44を有している。そのため、従来において2次スプール3のテーパ内面部32、34と中心コア4との間に形成されていた余分な隙間には、中心コア4のテーパ外面部42、44が配置される。そして、この部分において、中心コア4の外径は拡大され、断面積も大きくなる。ただし、これに伴って点火コイル1自体の寸法が変わることはない。
また、中心コア4の径大部49は、2次スプール3における2次コイル22を巻回した巻回領域よりも後端側に配置されている。そのため、径大部49の径をより大きくすることができると共に、中心コア4を通過する磁束をさらに増大させることができる。
また、本例において、中心コア4の軸方向後端に配設された永久磁石25は、最も径の大きい径大部49と略同径である。永久磁石25は、その外径が大きければ大きいほど、上記の効果を発揮することができるため、逆バイアス効果をより一層発揮することができる。
本例は、図10、図11に示すごとく、実施例5の点火コイル1において、2次スプール3及び中心コア4の形状を変更し、また円筒部2の後端部202にアッパープレート62を配設せず、サイドプレート61の形状を変更した例である。
また、図10、図11に示すごとく、その他の基本的な構成は実施例5と同様である。
また、本例においても、従来において2次スプール3のテーパ内面部311、312と中心コア4との間に形成されていた余分な隙間には、中心コア4のテーパ外面部411、412が配置される。そして、この部分において、中心コア4の外径は拡大され、断面積も大きくなる。これにより、点火コイル1自体の寸法を変えることなく、中心コア4を通過する磁束の量を増大させることができる。
その他は、実施例5と同様の作用効果を有し、点火コイル1は、さらなる高出力化を実現し、より高い性能を有するものとなる。
2 円筒部
201 先端部(円筒部の先端部)
21 1次コイル
22 2次コイル
4 中心コア
46 端部分
47 中央部分
51 第1軟磁性材料
52 第2軟磁性材料
711 プラグ取付部
Claims (8)
- 同心円状に巻回した1次コイル及び2次コイルと中心コアとを備えた円筒部と、該円筒部の先端部に形成したスパークプラグを取り付けるためのプラグ取付部とを有してなる点火コイルにおいて、
上記中心コアは、軸方向の長さの両端からそれぞれ15%以上の端部分を除く中央部分において、該中央部分の全体又は一部に、上記端部分に使用する第1軟磁性材料よりも飽和磁束密度が高い第2軟磁性材料を用いて構成してあることを特徴とする点火コイル。 - 請求項1において、上記第2軟磁性材料は、飽和磁束密度が2.0(T)以上であることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1又は2において、上記第2軟磁性材料はパーメンジュールであることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記中央部分は、その全体が上記第2軟磁性材料よりなることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記中央部分は、軸方向に複数部分に区画されており、上記第2軟磁性材料と上記第1軟磁性材料とを交互に配置して構成してあることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記中央部分は、径方向に複数部分に区画されており、少なくとも一部の部分が上記第2軟磁性材料よりなることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記中央部分は、軸方向に対して傾いた2つの傾斜面によって区画された傾斜部分を有しており、該傾斜部分が上記第2軟磁性材料よりなることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜7のいずれか1項において、上記中心コアは、圧粉コアよりなることを特徴とする点火コイル。
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