JP2007043527A - コイルアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】 隣り合うコイルの近接する導線間の電位差を抑制し、サイズの小型化や構成の簡易化、作業工数の抑制など、が可能なコイルアンテナの提供を図る
【解決手段】 コイルアンテナ31は柱状のボビン32Aを備え、ボビン32Aは外周方向に突起する突起部38を備え、突起部38を間に介して区切るように右螺旋コイルであるコイル33Aと左螺旋コイルであるコイル33Bとをボビン32Aに巻回してなる。右螺旋コイル33Bと左螺旋コイル33Aとは、その鎖交磁束の方向が略一致し、且つ並列回路になるように、連続した一本の線材で構成している。
【選択図】 図5
【解決手段】 コイルアンテナ31は柱状のボビン32Aを備え、ボビン32Aは外周方向に突起する突起部38を備え、突起部38を間に介して区切るように右螺旋コイルであるコイル33Aと左螺旋コイルであるコイル33Bとをボビン32Aに巻回してなる。右螺旋コイル33Bと左螺旋コイル33Aとは、その鎖交磁束の方向が略一致し、且つ並列回路になるように、連続した一本の線材で構成している。
【選択図】 図5
Description
この発明は、LF帯(長波30kHz〜300kHz)の近距離通信システムなどで使用されるコイルアンテナに関する。
以前からコイルアンテナとして、磁性体コア上に、または磁性体コアを収容したボビン上に複数のコイルを形成し、それらのコイルを並列に結線したものが特許文献1に開示されている。
ここで、特許文献1のコイルアンテナの構成例を図1に示す。コイルアンテナ1は磁性体コア2と、磁性体コア2に接合されるベース4を備える。また、磁性体コア2に巻回された導線からなるコイル3Aとコイル3Bを備える。コイル3Aとコイル3Bとは、それぞれ同方向に巻回されるように(この図では左螺旋状に)構成される。また、各コイルの配線の磁性体コア2先端側の配線部分(以下、先端側配線という。)、即ちコイル3Aの先端側配線KAとコイル3Bの先端側配線KBとが結線される。また、各コイルの配線の、磁性体コア2とベース4の接合した側の配線部分(以下、ベース側配線という。)、即ちコイル3Aのベース側配線LAとコイル3Bのベース側配線LBとが結線される。このように先端側配線同士、ベース側配線同士を結線することで、コイル3Aおよびコイル3Bが並列に接続される。このような構成において、仮に先端側配線KA,KB側からベース側配線LA,LB側に電流を流すと、磁性体コア2のベース側から先端側に向かう方向に磁界(鎖交磁束)が生じ、逆にベース側配線LA,LB側から先端側配線KA,KB側に電流を流すと、磁性体コア2の先端側からベース側に向かう方向に磁界(鎖交磁束)が生じる。このようにコイル3A及びコイル3Bでは、その磁界(鎖交磁束)の方向が常に一致する。
特開平9−64634号公報
ところで上述のコイルアンテナ1では、交流電圧を印加した場合、隣り合うコイル3A,3Bの近接する導線間、即ちコイル3Aのベース側配線LA付近の導線と、コイル3Bの先端側配線KB付近の導線との間に生じる電位差が大きくなる場合があり、導線間の耐電圧を考慮した設計が必要となる。即ち、コイル間隔を広くしたり、コイル間に絶縁体を設けたりといった対策が必要となる。また、その場合にはコイルアンテナ1全体が大型化したり、構造が複雑化したりする問題があった。
また、LF帯(長波30kHz〜300kHz)の近距離通信システムなどで使用されるコイルアンテナ、特にその送信用として用いられるコイルアンテナは、コイルアンテナにコンデンサ素子を直列に接続したLC直列共振回路として構成される。この場合にはコイルアンテナの磁界出力を大きくすることが望まれるが、磁界出力を大きくするためには、コイルの巻線数を増やすか、コイル電流を大きくしてアンペアターン数(コイルの巻線数とコイル電流とを掛け合わせた値である。)を大きくする必要があった。しかし、コイルの巻線数とコイル電流は相反する関係にあり、コイルの巻線数を増やすとコイルの抵抗値とインダクタンスとが増加し、コイル電流が小さくなるという問題があった。
そこで、この発明の目的は、隣り合うコイルの近接する導線間の電位差を抑制し、サイズの小型化や構成の簡易化が可能なコイルアンテナを提供することにある。
また、この発明の他の目的は、上述のコイルアンテナを少ない作業工数で生産できるように、その巻線構造を改善したコイルアンテナを提供することにある。
さらに、LF帯の近距離通信システムなどで使用される送信用のコイルアンテナとして好適なコイルアンテナを提供することにある。
この発明のコイルアンテナは、複数のコイルを同軸状に配し、各コイルを並列に接続してなるコイルアンテナであって、右螺旋コイルと左螺旋コイルとを交互に配するとともに、各コイルの鎖交磁束の方向が略一致するように各コイルを接続してなることを特徴とする。
このように、右螺旋コイルと左螺旋コイルとを交互に配して並列接続するとともに、各コイルの鎖交磁束の向きが略一致するように、即ち右螺旋コイルの先端側配線を左螺旋コイルのベース側配線に接続し、右螺旋コイルのベース側配線を左螺旋コイルの先端側配線に接続することで、隣り合うコイルの近接する導線間の電位差を抑制できる。これにより、コイル間の耐電圧を考慮する必要がなくなり、コイル間隔を狭くすることができ、コイルアンテナ全体を小型化できる。
また、この発明のコイルアンテナでは、前記複数のコイルは連続した線材で形成してなる。
このようにすることで作業工数を少なくして生産でき、製造コストや製造時間が削減できる。
また、この発明のコイルアンテナでは、前記複数のコイルは、外周方向に突起する突起部を備えたボビンに、当該突起部で各コイルを区分するように巻回してなる。
このような構成により、さらに巻回作業を容易に且つ精度よく行うことができ、各コイル間隔を確実に所望のものにすることができる。
また、この発明のコイルアンテナは、並列に接続された前記複数のコイルに対してコンデンサ素子を直列に接続したことを特徴とする。
このような構成により、コイルの並列回路にコンデンサを直列接続したLC直列共振回路を形成すると、複数のコイルを並列に接続したことにより、コイルの抵抗値とインダクタンスを抑制したままコイルの巻線数を増やすことができ、アンペアターン数および磁界出力を大きくできる。
また、従来のように隣接するコイルの近接する配線部分に大きな電位差がある場合に小型化してコイル間隔を狭めると、各コイルのインダクタンスが増大して、コイルアンテナ全体のアンテナ特性に悪影響を与える場合があったが、本発明のように隣接するコイルの近接する配線部分に電位差がない場合には、コイル間隔を狭めても各コイルのインダクタンスがあまり変化せず、コイルアンテナ全体のアンテナ特性にほとんど影響を与えずに小型化ができる。
このように近距離通信の送信用アンテナとして好適なコイルアンテナを提供できる。
このように本発明によれば、隣り合うコイルの近接する導線間の電位差を抑制でき、サイズの小型化や、構成の簡易化、作業工数の抑制などを図ったコイルアンテナを提供できる。
次に、第1の実施形態に係るコイルアンテナの構成を図2〜3を参照して説明する。
図2(A)は本実施形態に係るコイルアンテナ11の構成を示した図であり、図2(B)はそのコイルアンテナ11の配線を簡易に示した図である。
図2(A)は本実施形態に係るコイルアンテナ11の構成を示した図であり、図2(B)はそのコイルアンテナ11の配線を簡易に示した図である。
コイルアンテナ11においては、強磁性体であるMn−Zn系のフェライトからなる直方体形状の磁性体コア12と、PBT(ポリブチレンテレフタレート)のプラスチック成型によるベース14と、銅(Cu)からなる皮膜絶縁された線材(導線)とを備えている。なお、強磁性体としてフェライト以外のアモルファス系磁性体や磁性体微粉末を圧縮成型したものなどを用いても好適である。
線材(導線)は、磁性体コア12に直接巻回され、コイル13Aとコイル13Bを構成している。この図では磁性体コア12の先端側に設けたコイル13Aを左螺旋状に、磁性体コア12のベース14側に設けたコイル13Bを右螺旋状に、それぞれ巻回方向を異ならせて構成している。
ベース14は磁性体コア12を圧入固定するための溝(図右手奥側の側面に位置するが図示していない。)を備えており、その溝に磁性体コア12の端部を圧入することで、磁性体コア12を固定している。またベース14は図左手奥側の側面、および図右手前側の側面にコイル接続用金属端子15A,15Bを備えており、該コイル接続用金属端子15A,15Bにそれぞれコイル13A,13Bを接続している。また、ベース14の図左手前側の側面には入出力用金属端子16A,16Bを備えており、該入出力用金属端子16A,16Bに前記コイル接続用金属端子15A,15Bをそれぞれ接続している。この入出力用金属端子16A,16Bとコイル接続用金属端子15A,15Bの接続にはベース内に設けた接続配線(図示していない。)を用いている。
(B)に示すようにコイル13Aは、そのベース側配線LAを、コイル13Bの先端側配線KBに接続している。また、コイル13Aの先端側配線KAはコイル13Bのベース側配線LBに接続している。このように隣接するコイル13A,13Bのそれぞれの先端側配線およびベース側配線を互い違いに接続して、コイル13Aおよびコイル13Bを並列に接続している。また、コイル13Aのベース側配線LAと,コイル13Bの先端側配線KBとはベース14のコイル接続用金属端子15Aに引き出して接続している。また、コイル13Aの先端側配線KAと、コイル13Bのベース側配線LBとはベース14のコイル接続用金属端子15Bに引き出して接続している。
また、コイル接続用金属端子15Aおよびコイル接続用金属端子15Bには、それぞれコイル配線を半田17A,17Bにより半田付けしており、これによりコイル接続用金属端子15A,15Bとコイル配線との結線を確実にしている。
このような構成において、仮にコイル接続用金属端子15Aからコイル接続用金属端子15Bに電流を流すと、磁性体コア12のベース側から先端側に向かう磁界(鎖交磁束)が生じ、逆にコイル接続用金属端子15Bからコイル接続用金属端子15Aに電流を流すと磁性体コア12の先端側からベース側に向かう磁界(鎖交磁束)が生じる。このようにコイル13A及びコイル13Bでは、その鎖交磁束の方向が常に一致する。
ここでコイル13Aのベース側配線LAとコイル13Bの先端側配線KBとは、それぞれ同一のコイル接続用金属端子15Aに接続している。そのため、コイル13Aのベース側配線LAとコイル13Bの先端側配線KBとの電位は略等しい。したがって隣接するコイル13A及びコイル13Bの近接する導線間の電位差(ここではコイル13Aのベース側配線LAとコイル13Bの先端側配線KBとの間の電位差)がほとんどなくなり、コイル13Aおよびコイル13Bの間の配置間隔が狭くても、耐電圧のための構造を特に必要としないコイルアンテナ11を構成できる。
次に、図3を基にコイルアンテナ11の巻回の配線構造を説明する。図3は巻回工程における段階的な配線構造を示す図である。
(A) まず、ベース14に磁性体コア12を圧入固定する。
(B) 次に、ベース14のコイル接続用金属端子15Bに導線を巻きつけて、導線を固定するとともに、導線を磁性体コア12側の所定位置に引き出し、ベース14側から磁性体コア12先端側に向けて左回りで巻回する。これによりコイル13Bのベース側配線LB、およびコイル13Bを配線する。また、コイル13Bの先端側配線KBを引き出す。
(C) 次に、コイル13Bの先端側配線KBをベース14側にまで引き出すとともに、ベース14のコイル接続用金属端子15Aに巻きつけて、導線を固定する。また、(コイル13Aの)ベース側配線LAを磁性体コア12側の所定位置に引き出す。
(D) 次に、コイル13Aのベース側配線LAを、ベース14側から磁性体コア12先端側に向けて右回りで巻回する。これによりコイル13Aのベース側配線LA、およびコイル13Aを配線する。また、コイル13Aの先端側配線KAを引き出す。
(E) 次に、コイル13Aの先端側配線KAをベース14側にまで引き出すとともに、ベース14のコイル接続用金属端子15Bに巻きつけて、導線を固定する。
(F) 次に、ベース14のコイル接続用金属端子15A、15Bに半田付けを行い、半田17A,17Bによりそれぞれを固定する。
以上の図3に示した巻回工程によって配線構造を実現することにより、複数のコイルを連続した単一の線材(導線)で形成し、少ない作業工数で製造でき、製造コストや製造時間を削減したコイルアンテナを提供できる。
このように本実施形態では、フェライトからなる磁性体コア12を用いてコイルアンテナを構成したが、磁性体コア12の形状は直方体形状に限らず、どのようなものでもよい。また、磁性体コア12に直接導線を巻回した構成を示したが、それに限らず、磁性体コア12をボビンに収容しておき、ボビンに導線を巻回してコイルアンテナを構成してもよい。
また、コイル13A,13Bはそれぞれ巻回方向を異ならせるが、本実施形態で示したように磁性体コアの先端側に設けたコイル13Aを左螺旋状に、磁性体コア12とベース14の接合した側に設けたコイル13Bを右螺旋状に巻回した構成に限らずに、磁性体コアの先端側に設けるコイルを右螺旋状に、磁性体コアとベースの接合した側に設けたコイルを左螺旋状に巻回した構成であってもよい。
また、ベース14も本実施形態で示した構成に限らずどのようなものであってもよい。また、ベース14とボビンが一体に成型されたものを用いてもよい。また、ベース14に設けたコイル接続用金属端子15A,15Bも本実施形態で示したように両側に配する必要は無く、それぞれを同側に設けてもよい。その場合には、ベースのサイズをより小型化できる。
また、ここで示した巻回工程により本実施形態のコイルアンテナ11を構成すると好適であるが、本発明はここで示した巻回工程には限定されず、その他の巻回工程により実現することもできる。なお、ここで示した巻回工程では単一の線材を用いて、コイル13Aおよびコイル13Bを連続して構成する例を示したが、必ずしも単一の線材で構成しなくてもよい。複数の線材で各コイル13A,13Bをそれぞれ構成してもよい。
次に第2の実施形態に係るコイルアンテナの構成について図4を参照して説明する。
図4は本実施形態に係るコイルアンテナ21の配線を簡易に示した図である。コイルアンテナ21は前述の実施形態のコイルアンテナ11と略同様な構成であるが、その配線構造が異なりコイル23A,23B,23Cの3つのコイルを備える点で相違する。
図4は本実施形態に係るコイルアンテナ21の配線を簡易に示した図である。コイルアンテナ21は前述の実施形態のコイルアンテナ11と略同様な構成であるが、その配線構造が異なりコイル23A,23B,23Cの3つのコイルを備える点で相違する。
コイルアンテナ21は、磁性体コア22に巻回された導線によるコイル23A,23B,23Cにより構成している。また、この図では磁性体コア22の先端側に設けたコイル23Aを右螺旋状に、コイル23Aとコイル23Cの中間に設けたコイル23Bを左螺旋状に、磁性体コア22とベース24の接合した側に設けたコイル23Cを右螺旋状にし、隣接するコイルごとに巻回方向を異ならせて構成している。
コイル23Aは、そのベース側配線LAを、コイル23Bの先端側配線KBおよびコイル23Cのベース側配線LCに接続している。また、コイル23Aの先端側配線KAはコイル23Bのベース側配線LBおよびコイル23Cの先端側配線KCに接続している。このように隣接するコイル23A,23B、もしくは隣接するコイル23B,23Cのそれぞれの先端側配線およびベース側配線を互い違いに結線して、コイル23A〜23Cを並列に接続している。
また、ここで図示していないが、コイル23Aのベース側配線LA、コイル23Bの先端側配線KB、コイル23Cのベース側配線LC、はベース24のコイル接続用金属端子25Bに接続している。また、コイル23Aの先端側配線KA、コイル23Bのベース側配線LB、コイル23Cの先端側配線KC、はベース24のコイル接続用金属端子25Aに接続している。
すなわち、右螺旋状のコイルの先端側配線と左螺旋状のコイルのベース側配線とをすべて同一のコイル接続用金属端子に接続するとともに、そのコイル接続用金属端子とは異なる別のコイル接続用金属端子に、左螺旋状のコイルの先端側配線と右螺旋状のコイルのベース側配線とをすべて接続する。
このような構成において、仮にコイル接続用金属端子25Aからコイル接続用金属端子25Bに電流を流すと、磁性体コア22のベース側から先端側に向かう方向に磁界(鎖交磁束)が生じ、逆にコイル接続用金属端子25Bからコイル接続用金属端子25Aに電流を流すと磁性体コア22の先端側からベース側に向かう方向に磁界(鎖交磁束)が生じる。このようにコイル23A〜23Cでは、その鎖交磁束の方向が常に一致する。
ここでコイル23Aのベース側配線LAとコイル23Bの先端側配線KBとは、それぞれ同一のコイル接続用金属端子25Bに接続しているので、コイル23Aのベース側配線LAとコイル23Bの先端側配線KBとの電位が略等しい。また、コイル23Bのベース側配線LBとコイル23Cの先端側配線KCとは、それぞれ同一のコイル接続用金属端子25Aに接続しているので、コイル23Bのベース側配線LBとコイル23Cの先端側配線KCとの電位も略等しい。
したがって、コイル23Aとコイル23B、23Cとの間の配置間隔が狭くとも、耐電圧のための構造を特に必要としないコイルアンテナ21を構成できる。
以上のように本発明は、2以上のコイルの数であっても同様に隣接するコイルの巻回方向を異ならせて、また隣接するコイルの近接する配線同士を接続して構成することにより実施できる。
次に、第3の実施形態に係るコイルアンテナの構成について図5を参照して説明する。
図5(A)は本実施形態に係るコイルアンテナ31の構成を示した図である。また、図5(B)は本実施形態に係るコイルアンテナ31とそれに接続される交流電源100の構成を示した図である。コイルアンテナ31は前述の実施形態のコイルアンテナ11と略同様な配線構造であるが、その他の構造が異なる。
図5(A)は本実施形態に係るコイルアンテナ31の構成を示した図である。また、図5(B)は本実施形態に係るコイルアンテナ31とそれに接続される交流電源100の構成を示した図である。コイルアンテナ31は前述の実施形態のコイルアンテナ11と略同様な配線構造であるが、その他の構造が異なる。
なお、ここでは図の都合により、外装ケース51は上部分を分断した構成で図に示している。また、図5(A)ではその配線構造を簡易に示しているが、実際の配線構造は図5(B)に示す。図示していないが、外装ケース51とボビン32Aおよびベース34との隙間には注型によりポッティング材を充填する。このような構成により耐衝撃性を高める。なお、ポッティング材としては、シリコン系ゴムまたはウレタン系ゴムを用いる。
コイルアンテナ31は、外装ケース51にボビン32Aおよび磁性体コア32B、ベース34を内装してなる。磁性体コア32Bは、直方体形状のフェライトからなる。また、ボビン32Aは磁性体コア32Bを収容する。ボビン32Aとベース34とはPBT(ポリブチレンテレフタレート)のプラスチック成型により一体的に設けており、ベース34およびボビン32Aに対して磁性体コア32Bを収容する。
ベース34と磁性体コア32Bとが接するベース34の側面は、溝状に構成(図示していない。)している。また、ボビン32Aの先端の部位は、筒状に構成(図示していない。)している。これらの部位では、その開口の寸法を磁性体コア32の断面形状と略一致するようにしていて、磁性体コア32を圧入固定している。
また、ボビン32Aには、上面と下面に磁性体コア32Bの露出する窓状の開口を設けており、磁性体コア32Bを露出させることで、このボビン32Aおよびコイルアンテナ31全体の薄肉化を可能にしている。これにより、コイル33A,33Bの実効的な巻径を小さくし、そのコイル33A,33Bのもつ実抵抗分を小さくしている。
また、ボビン32Aには、その側面に外周方向に突起する突起部38を備えている。この突起部38をコイル33A,33Bの端となる位置に設け、この突起部38を介して突起部を区切っている。この突起部38をボビン32A上に設けることで、コイル33A,33Bを巻回する際の作業性を高めている。
また、ベース34は、その上面と下面を開口させていて、該開口部にコンデンサ40を搭載するための端子を設け、その端子にコンデンサ40を半田付けしている。
また、ベース34の図左手側の側面に入出力用金属端子36A,36Bを備えており、そのうち一方の入出力用金属端子36Aにコイル接続用金属端子35Aを接続するとともに、外部入出力配線37Aを接続している。また、他方の入出力用金属端子36Bにはコンデンサ40を接続するとともに、外部入出力配線37Bを接続している。またコンデンサ40の他端にはコイル接続用金属端子35Bを接続している。
また、入出力用金属端子36A,36Bは外部入出力配線37A,37Bをかしめるとともに、半田付け(図示していない。)することにより充分な接続強度を得ている。
また、ベース34には、調整用コア39を収容するための円筒状の穴を設けている。該穴には楕円筒形の調整用コア39を接着剤により接着している。調整用コア39は強磁性体(例えばフェライト)からなり、コイル33A,33Bなどの鎖交磁束が透過するように磁性体コア32Bに近接する位置に配置している。これにより、調整用コア39は、磁性体コア32Bの実効的な長さを変更し、コイル33A,33Bのインダクタンス値に影響を与える。そして、この調整用コア39を楕円断面としているために、回転させることにより磁性体からなるコアの実効的な合計長を変更可能にしている。これによりコイルアンテナ31の共振周波数が調整可能になる。
また、コンデンサ40により、入出力用金属端子36Bとコイル接続用金属端子35Bとの間を接続する構成としている。これにより、このコイルアンテナ31は図5(C)に示す回路を構成する。
即ち、コイル33Aとコイル33Bを並列に接続し、その並列回路に対して直列にコンデンサ40を接続した構成としている。このような回路によりこのコイルアンテナ31はLC直列共振回路として作用する。そのためこのコイルアンテナ31をコイルアンテナの共振周波数の交流電源100に接続することで、コイルアンテナ31から共振周波数の交流磁界を発生させる。これによりこのコイルアンテナ31を低電圧で大電流が流れるようにでき、大きい磁界出力を得ることができる。
このようなLC直列共振回路において、インダクタンスをコイル33A,33Bの並列回路で発生させるために、このコイルアンテナ31では、各コイル33A,33Bのインダクタンス成分の変化に対する合成インダクタンスの変化率を小さくできる。そのため、例えば各コイルの巻線数の調整により各コイルのインダクタンス成分の設定を行うと、従来よりも精緻に合成インダクタンスを設定できる。
また、コイル33A,33Bの並列回路における実抵抗を、従来よりも小さくすることができるため、この並列回路の電流を大きくすることができ、従来よりも大きなアンペアターン数を得てコイルアンテナの磁界出力を増大させることができる。
また、コイル33A,33Bの近接する配線部分に電位差がないため、コイル間隔を狭めても各コイルのインダクタンスがあまり変化せず、比較的自由にコイル間隔を設定できる。そして、コイルアンテナ全体のアンテナ特性にほとんど影響を与えずに小型化できる。
以上のような構成により、LF帯の近距離通信システムなどで使用される送信用のコイルアンテナとして好適な、LC共振回路を一体的に実現したコイルアンテナを実現できる。
なお、ボビン32Aに突起部38を設けたが、必ずしも設けなくてもよい。また、その突起部38の数や形状も本実施形態で示した構成によらず実施できる。
1,11,21,31−コイルアンテナ
2,12,22,32B−磁性体コア
32A−ボビン
3,13,23,33−コイル
4,14,24,34−ベース
15,25,35−コイル接続用金属端子
16,36−入出力用金属端子
17−半田
37−外部入出力配線
38−突起部
39−調整用コア
40−コンデンサ
51−外装ケース
100−交流電源
2,12,22,32B−磁性体コア
32A−ボビン
3,13,23,33−コイル
4,14,24,34−ベース
15,25,35−コイル接続用金属端子
16,36−入出力用金属端子
17−半田
37−外部入出力配線
38−突起部
39−調整用コア
40−コンデンサ
51−外装ケース
100−交流電源
Claims (4)
- 複数のコイルを同軸状に配し、各コイルを並列に接続してなるコイルアンテナであって、
右螺旋コイルと左螺旋コイルとを交互に配するとともに、各コイルの鎖交磁束の方向が略一致するように各コイルを接続してなることを特徴とするコイルアンテナ。 - 前記複数のコイルは、連続した線材で形成してなる請求項1に記載のコイルアンテナ。
- 前記複数のコイルは、外周方向に突起する突起部を備えたボビンに、当該突起部で各コイルを区分するように巻回してなる請求項1または2に記載のコイルアンテナ。
- 並列に接続された前記複数のコイルに対してコンデンサ素子を直列に接続したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコイルアンテナ。
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JP2005226377A JP2007043527A (ja) | 2005-08-04 | 2005-08-04 | コイルアンテナ |
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JP2005226377A Pending JP2007043527A (ja) | 2005-08-04 | 2005-08-04 | コイルアンテナ |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008111330A1 (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-18 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | 基板実装用アンテナコイルおよびアンテナ装置 |
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KR102080735B1 (ko) * | 2018-12-26 | 2020-02-24 | 주식회사 진영에이앤티 | 다방향 통신이 용이한 다기능 코일 권선형 안테나 및 이의 제조방법 |
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2005
- 2005-08-04 JP JP2005226377A patent/JP2007043527A/ja active Pending
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