JP2008153611A - 点火コイル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄系粉末を用いて磁性体を構成した場合において、磁性体の強度を補って、その磁束密度を効果的に向上させることができる点火コイル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】点火コイル1は、一次コイル21及び二次コイル22と、一次コイル21及び二次コイル22によって発生させる磁束を通過させるための磁性体3と、磁性体3と一次コイル21及び二次コイル22とを収容する樹脂ケース4と、樹脂ケース4内に充填する絶縁性樹脂5とを有している。磁性体3は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形してなる。圧粉材料は、粒径が150〜300μmである鉄系粉末を50wt%以上含有しており、圧粉材料におけるバインダーの含有量は、0.15wt%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関において、スパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させるために用いる点火コイル及びその製造方法に関する。
内燃機関に用いる点火コイルにおいては、一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させる磁性体(コイル鉄心)は、一般には、複数の珪素鋼板を積層して形成している。これに対し、例えば、特許文献1に開示されるように、一次コイル及び二次コイルの中心側に配置する中心コアを、圧粉材料からなる圧粉コアとした点火コイルがある。特許文献1においては、鉄系粉末からなる第1軟磁性材料と、鉄とコバルトの合金であるパーメンジュールからなる第2軟磁性材料とを用いて圧粉コアを形成しており、第2軟磁性材料の飽和磁束密度を2.0(T)以上としている。これにより、点火コイルの出力特性を向上させている。
しかしながら、パーメンジュールを用いず、鉄系粉末を用いて、コイル鉄心の磁束密度を向上させるためには更なる工夫が必要とされる。
特開2006−278499号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、鉄系粉末を用いて磁性体を構成した場合において、磁性体の強度を補って、その磁束密度を効果的に向上させることができる点火コイル及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルにおいて、
上記磁性体は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形してなり、
該圧粉材料は、粒径が150〜300μmである上記鉄系粉末を50wt%以上含有していることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明の点火コイルにおいては、上記磁性体は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を主成分とする(99wt%以上含有する)圧粉材料を圧縮成形してなる。この鉄系粉末としては、例えば、Fe−Si系合金粉末等の表面に絶縁樹脂による被膜を形成したものを用いることができる。
そして、本発明においては、圧粉材料は、粒径が150〜300μmである鉄系粉末を50wt%以上含有している。これにより、磁性体における鉄系粉末の占有割合を増加させることができる。そして、圧粉材料として鉄系粉末を用いた場合においても、磁性体の磁束密度を、効果的に向上させることができる。
また、本発明においては、磁性体を樹脂ケース内に収容した状態で、この樹脂ケース内における間隙に絶縁性樹脂を充填している。これにより、絶縁性樹脂により、磁性体を成形時の形状に保持することができ、磁性体を補強することができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、鉄系粉末を用いて磁性体を構成した場合において、磁性体の強度を補って、その磁束密度を効果的に向上させることができる。
第2の発明は、一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルにおいて、
上記磁性体は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形してなり、
該圧粉材料におけるバインダーの含有量は、0.15wt%以下であることを特徴とする点火コイルにある(請求項2)。
本発明の点火コイルにおいても、上記磁性体は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を主成分とする(99wt%以上含有する)圧粉材料を圧縮成形してなる。この鉄系粉末としては、例えば、Fe−Si系合金粉末等の表面に絶縁樹脂による被膜を形成したものを用いることができる。
そして、本発明においては、圧粉材料におけるバインダーの含有量を0.15wt%以下としている。このバインダーの含有量は0wt%とすることもできる。これにより、磁性体における鉄系粉末の占有割合を増加させることができる。そして、圧粉材料として鉄系粉末を用いた場合においても、磁性体の磁束密度を、効果的に向上させることができる。
ところで、上記のようにバインダーの含有量を極めて少なくすると、粉末同士の結合強度が低下し、磁性体の強度が低下してしまうことになる。これに対し、本発明においては、磁性体を樹脂ケース内に収容した状態で、この樹脂ケース内における間隙に絶縁性樹脂を充填している。これにより、絶縁性樹脂により、磁性体を成形時の形状に保持することができ、磁性体を補強することができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、鉄系粉末を用いて磁性体を構成した場合において、磁性体の強度低下を補って、その磁束密度を効果的に向上させることができる。
第3の発明は、一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルの製造方法において、
絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形して磁性体を製造するに当たり、上記圧粉材料として、粒径が150〜300μmである上記鉄系粉末を50wt%以上含有するものを用いることを特徴とする点火コイルの製造方法にある(請求項8)。
本発明の点火コイルの製造方法によれば、上記第1の発明と同様に、鉄系粉末を用いて磁性体を製造する場合において、強度の確保及び磁束密度の向上を図った磁性体を製造することができる。
第4の発明は、一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルの製造方法において、
絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形して磁性体を製造するに当たり、上記圧粉材料として、バインダーの含有量が、0.15wt%以下であるものを用いることを特徴とする点火コイルの製造方法にある(請求項9)。
本発明の点火コイルの製造方法によっても、上記第2の発明と同様に、鉄系粉末を用いて磁性体を製造する場合において、強度の確保及び磁束密度の向上を図った磁性体を製造することができる。
上述した第1〜第4の発明における好ましい実施の形態につき説明する。
第1、第3の発明において、上記圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量が50wt%未満の場合には、磁性体における鉄系粉末の占有割合を十分に増加させることができず、磁性体の磁束密度を効果的に向上させることが困難になる。
なお、上記圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量は、可能な限り100wt%に近づけることができる。
また、第2、第4の発明において、上記圧粉材料におけるバインダーの含有量が0.15wt%を超える場合には、磁性体における鉄系粉末の占有割合を十分に増加させることができず、磁性体の磁束密度を効果的に向上させることが困難になる。
第1の発明において、磁性体における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量は、圧縮成形前の圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量とほぼ同じであると考える。そのため、150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量が50wt%である圧粉材料を用いて圧縮成形したときに、上記磁性体が製造されると考える。
また、第3の発明において、上記磁性体を製造する際に用いる圧粉材料における鉄系粉末の粒径は、通常の量産検査においては、ふるいの分級重量によって特定することができる。
また、磁性体における鉄系粉末の粒径は、磁性体を切断した断面を観察することによって特定することができる。例えば、磁性体を切断し、この切断面を研磨(鏡面研磨)した後、この切断面の複数視野を顕微鏡によって観察し、画像処理(ソフトウェア等によって実現)を行って、磁性体における鉄系粉末の粒径を計測(特定)することができる。
ここで、すべての鉄系粉末が中心部位置で切断されることはなく、端部位置で切断された鉄系粉末も含まれるため、切断面における鉄系粉末の粒径は、若干小さめに計測されると思われる。そのため、例えば、種々の粒径の範囲の鉄系粉末を圧縮成形して磁性体を製造した後、この磁性体を切断し、鉄系粉末の粒径の分布状態を計測して、補正係数を求め、この補正係数によって磁性体における実際の鉄系粉末の粒径分布を求めることができる。
第1、第3の発明において、上記圧粉材料におけるバインダーの含有量は、0.15wt%以下とすることが好ましい(請求項3、10)。
この場合には、磁性体における鉄系粉末の占有割合をより増加させることができ、磁性体の磁束密度をより効果的に向上させることができる。
第1、第2の発明において、上記磁性体は、10kA/mの磁化力(磁界)を与えたときの磁束密度(B10k)が1.7T(テスラ)以上であることが好ましい(請求項4)。
上記圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とした工夫、又は上記圧粉材料におけるバインダーの含有量を0.15wt%以下とした工夫により、圧粉材料として鉄系粉末を用いた場合においても、磁性体の上記磁束密度を、1.7T以上にすることができる。
また、上記磁性体は、10kA/mの磁化力(磁界)を与えたときの磁束密度(B10k)が1.8T(テスラ)以上であることがより好ましい(請求項5)。
上記圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とした工夫と、上記圧粉材料におけるバインダーの含有量を0.15wt%以下とした工夫とにより、圧粉材料として鉄系粉末を用いた場合においても、磁性体の上記磁束密度を、1.8T以上にすることができる。
また、上記圧粉材料は、バインダーを含有しておらず、上記鉄系粉末のみからなることが好ましい(請求項6)。
上記絶縁性樹脂により磁性体を補強することができる効果により、圧粉材料を上記鉄系粉末のみから構成した場合でも、磁性体が破壊してしまうことを防止し、成形時の形状に保持することができる。そのため、この場合には、磁性体の磁束密度をより効果的に向上させることができる。
また、上記磁性体の比抵抗は、10μΩm以上であり、上記磁性体の密度は、7.7g/cm3以上であることが好ましい(請求項7)。
上記圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とした工夫、又は上記圧粉材料におけるバインダーの含有量を0.15wt%以下とした工夫により、磁性体の比抵抗を10μΩm以上、磁性体の密度を7.7g/cm3以上として、その磁束密度を効果的に向上させることができる。
なお、鉄の密度は、7.86g/cm3であり、磁性体の密度をできるだけ鉄の密度に近づけることができる。
以下に、本発明の点火コイル及びその製造方法にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22と、一次コイル21及び二次コイル22によって発生させる磁束を通過させるための磁性体3と、磁性体3と一次コイル21及び二次コイル22とを収容する樹脂ケース4と、樹脂ケース4内に充填する絶縁性樹脂5とを有している。
磁性体3は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形してなる。また、圧粉材料は、粒径が150〜300μmである鉄系粉末を50wt%以上含有しており、圧粉材料におけるバインダーの含有量は、0.15wt%以下である。
以下に、本例の点火コイル1及びその製造方法につき、図1〜図3と共に詳説する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22を備えたコイル部を、エンジン8のプラグホール81内に配置して用いるスティックタイプのものである。一次コイル21及び二次コイル22の内周側には、軟磁性材料からなる中心コア31が配置してあり、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、軟磁性材料からなる外周コア32が配置してある。
一次コイル21、二次コイル22、中心コア31及び外周コア32は、熱可塑性樹脂からなる樹脂ケース4(コイルケース)内に配置してあり、この樹脂ケース4内の間隙は、絶縁性樹脂5としてのエポキシ樹脂によって充填してある。
また、点火コイル1の上端部には、一次コイル21の通電及び通電の遮断を行うイグナイタ7が配置してあり、点火コイル1の下端部には、二次コイル22によって生じた高電圧電流を用いてスパークを発生させるスパークプラグ6が取り付けられている。
また、イグナイタ7から引き出された導電ピンは、ワイヤハーネスを介してエンジン8の電子制御ユニット(ECU)に電気接続される。
図1に示すごとく、一次コイル21は、断面円環状の熱可塑性樹脂からなる一次スプールの外周に、絶縁被覆した一次巻線を巻回してなる。二次コイル22は、断面円環状の熱可塑性樹脂からなる二次スプールの外周に、絶縁被覆した二次巻線を巻回してなる。また、二次巻線は、一次巻線よりも細径であり、二次スプールには、一次巻線よりも多い巻回数で二次巻線が巻回してある。
本例において、上記圧粉材料を圧縮成形してなる磁性体3は、上記中心コア31に適用した。この中心コア31は、圧縮成形を行って円筒形状に形成してある。なお、上記圧粉材料を圧縮成形してなる磁性体3は、上記外周コア32に適用することもできる。また、図示は省略するが、上記圧粉材料を圧縮成形してなる磁性体3は、中心コア31の軸方向端部と外周コア32の軸方向端部とを中継する中継コアに適用することもできる。
また、本例の圧粉材料は、バインダーを含有しておらず、絶縁被膜を備える鉄系粉末のみから構成した。
本例の磁性体3は、粒径が150〜300μmである鉄系粉末の含有量が50wt%以上であると共にバインダーの含有量が0.15wt%以下である圧粉材料を用い、この圧粉材料を圧縮成形して製造した。そして、圧縮成形を行った後においても、鉄系粉末の粒径に変化がなく、磁性体3における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量は、50wt%以上となった。
また、点火コイル1において、ECUからのパルス状のスパーク発生信号によって、一次コイル21に電流を流したときには、中心コア31及び外周コア32を通過する磁界が形成される。次いで、一次コイル21に流す電流を遮断したときには、自己誘導作用により一次コイル21に電圧が発生すると共に、相互誘導作用により二次コイル22に高電圧の誘導起電力が発生し、点火コイル1に取り付けたスパークプラグ6における一対の電極間にスパークを発生させることができる。
本例の点火コイル1においては、上記中心コア31を構成する磁性体3は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を主成分とする(99wt%以上含有する)圧粉材料を圧縮成形してなる。そして、圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とし、圧粉材料におけるバインダーの含有量を0.15wt%以下としている。これにより、磁性体3において磁化力を発揮する鉄系粉末の占有割合を効果的に増加させることができる。そして、圧粉材料として鉄系粉末を用いた場合においても、磁性体3の磁束密度を、より効果的に向上させることができる。
ところで、上記のようにバインダーの含有量を極めて少なくすると、粉末同士の結合強度が低下し、磁性体3の強度が低下してしまうことになる。これに対し、本例においては、磁性体3を樹脂ケース4内に収容した状態で、この樹脂ケース4内における間隙に絶縁性樹脂5を充填している。これにより、絶縁性樹脂5により、磁性体3を成形時の形状に保持することができ、磁性体3を補強することができる。
それ故、本例の点火コイル1及びその製造方法によれば、鉄系粉末を用いて磁性体3を構成した場合において、磁性体3の強度低下を補って、その磁束密度を効果的に向上させることができる。
また、上記圧粉材料を用いて構成する磁性体3は、上記スティックタイプの点火コイル1における中心コア31、外周コア32又は中継コア等の鉄心に適用するだけでなく、図2に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22をエンジン8のプラグホール81の外部に配置して用いる矩形タイプの点火コイル1Aに適用することもできる。
また、上記圧粉材料を用いて構成する磁性体3は、図3に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22の内周側、軸方向両端側及び外周側を結ぶ閉磁路鉄心を備えた点火コイル1Bに適用することもできる。
(磁気特性の確認)
本例においては、上記圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とし、圧粉材料におけるバインダーの含有量を0wt%とした磁性体(発明品)の磁気特性を確認した。この発明品の圧粉材料を構成する鉄系粉末の平均粒径は200μmであった。また、比較のために、上記圧粉材料における50〜150μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とし、圧粉材料におけるバインダーの含有量を0.6wt%とした磁性体(比較品)の磁気特性についても確認した。この比較品の圧粉材料を構成する鉄系粉末の平均粒径は100μmであった。
また、発明品及び比較品において、鉄系粉末としては、Fe−Si系合金の粉末に樹脂の絶縁被膜を形成したものを用いた。
本確認においては、直流磁気特性としての磁性体の密度(g/cm3)、磁性体の比抵抗(μΩm)、10kA/mの保持力(磁界)を与えたときの磁性体の磁束密度(T)(B10k)、最大比誘磁率(μm)と、交流磁気特性としての磁性体の鉄損(W/kg)(周波数400Hz、磁束密度1Tの条件下における鉄損)との確認を行った。表1に、この磁気特性を確認した結果を示す。
Figure 2008153611
同表において、発明品においては、密度を7.7g/cm3以上にすることができ、磁束密度を1.8T以上にすることができ、比較品の値を上回ることが確認できた。また、最大比誘磁率についても、発明品の方が比較品を上回ることが確認できた。
なお、発明品の比抵抗は20μΩmと比較品に比べて小さいものの、磁気特性を阻害する鉄損(ヒステリシス損及び渦電流損)を抑制するためには十分であることがわかった。
また、交流磁気特性については、発明品の方が比較品よりも良いことが確認できた。
以上の結果より、圧粉材料における150〜300μmの粒径の鉄系粉末の含有量を50wt%以上とし、圧粉材料におけるバインダーの含有量を0wt%とした磁性体によれば、鉄系粉末を用いて磁性体を構成した場合において、磁性体の磁束密度を効果的に向上させることができることがわかった。
実施例における、点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、他の点火コイルを示す断面説明図。
符号の説明
1 点火コイル
21 一次コイル
22 二次コイル
3 磁性体
4 樹脂ケース
5 絶縁性樹脂

Claims (10)

  1. 一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルにおいて、
    上記磁性体は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形してなり、
    該圧粉材料は、粒径が150〜300μmである上記鉄系粉末を50wt%以上含有していることを特徴とする点火コイル。
  2. 一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルにおいて、
    上記磁性体は、絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形してなり、
    該圧粉材料におけるバインダーの含有量は、0.15wt%以下であることを特徴とする点火コイル。
  3. 請求項1において、上記圧粉材料におけるバインダーの含有量は、0.15wt%以下であることを特徴とする点火コイル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記磁性体は、10kA/mの磁化力を与えたときの磁束密度が1.7T(テスラ)以上であることを特徴とする点火コイル。
  5. 請求項3において、上記磁性体は、10kA/mの磁化力を与えたときの磁束密度が1.8T(テスラ)以上であることを特徴とする点火コイル。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記圧粉材料は、バインダーを含有しておらず、上記鉄系粉末のみからなることを特徴とする点火コイル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記磁性体の比抵抗は、10μΩm以上であり、上記磁性体の密度は、7.7g/cm3以上であることを特徴とする点火コイル。
  8. 一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルの製造方法において、
    絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形して磁性体を製造するに当たり、上記圧粉材料として、粒径が150〜300μmである上記鉄系粉末を50wt%以上含有するものを用いることを特徴とする点火コイルの製造方法。
  9. 一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルによって発生させる磁束を通過させるための磁性体と、該磁性体と上記一次コイル及び二次コイルとを収容する樹脂ケースと、該樹脂ケース内に充填する絶縁性樹脂とを有する点火コイルの製造方法において、
    絶縁被膜を備える鉄系粉末を用いた圧粉材料を圧縮成形して磁性体を製造するに当たり、上記圧粉材料として、バインダーの含有量が、0.15wt%以下であるものを用いることを特徴とする点火コイルの製造方法。
  10. 請求項8において、上記圧粉材料におけるバインダーの含有量を、0.15wt%以下とすることを特徴とする点火コイルの製造方法。
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