JP2005183926A - 点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】点火性能を確保しつつ細径化できる点火コイルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の、点火コイル1は、中心コア20と、永久磁石21と、2次スプール22と、2次コイル23と、1次スプール24と、1次コイル25と、チューブ26と、外周コア27とを備えている。そして、中心コア20の軸端部と外周コア27の軸端部とは、第1高磁気抵抗部材5aと第2高磁気抵抗部材5bとによって結合されている。さらに、中心コア20の軸方向中央には、永久磁石21が配設されている。これにより、磁路を流れる磁束の大きさが充分に低減されるため、磁路の断面積を小さくしても磁気飽和が発生することはなく、点火コイル1を細径化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の各気筒のプラグホールに直接取り付けられる点火コイルに関する。
従来、点火コイルは、機械式ディストリビュータからハイテンションコードを介して、高電圧を点火プラグに供給していた。ところが、現在では、点火コイルは、内燃機関(エンジン)の各気筒毎に独立して設けられ、高電圧を直接点火プラグへ供給している。さらに、近年、車両の燃費向上やエンジン出力特性向上を目的とした点火プラグの細径化の要求がある。点火プラグが細径化されると、点火プラグが装着される周辺に配設されている、エンジンのウォータジャケットの断面積を拡大することができる。そのため、エンジンの冷却効率が改善され、車両の燃費やエンジンの出力特性が向上する。これに伴い、点火プラグに装着される点火コイルの細径化も必要となる。
ところで、大型化することなく出力電圧を増加できる点火コイルが、例えば、特開平3−136219号公報に開示されている。これは、同じ出力電圧であれば、点火コイルを小型化できることを意味する。この点火コイルは、閉磁路コアと、閉磁路内に配設される永久磁石と、1次コイルの巻回された1次ボビンと、2次コイルの巻回された2次ボビンと、これら各部材を収容するケースとを備えている。閉磁路コアは、けい素鋼板からなる正面視T字状の第1のコアと正面視略E字状の第2のコアとから構成されている。永久磁石は、第1のコアの中央突極部と第2のコアの中央突極部との間に、1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設されている。つまり、1次コイルの発生する磁束は永久磁石の発生する磁束によって逆バイアスされている。これにより、閉磁路を流れる磁束の大きさは1次コイルの発生する磁束の大きさより永久磁石の発生する磁束の大きさの分だけ小さくなる。しかし、1次コイルの発生する磁束の大きさが変化するわけではないので、2次コイルに誘起する電圧、つまり、出力電圧は変化しない。そのため、閉磁路の断面積を小さくしても磁気飽和は発生しない。その結果、同じ出力電圧を確保しながら閉磁路等の磁気回路を小型化することができる。
特開平3−136219号公報
ところで、点火コイルにおいて、1次コイルの発生する磁束は非常に大きい。これに対し、印加できる逆バイアスの大きさは、永久磁石の磁気特性や寸法等の制約から限界があり、あまり大きくすることができない。そのため、閉磁路を流れる磁束の大きさを充分に低減することはできず、点火コイルの大幅な細径化は困難であった。なお、前述した磁束の大きさを充分に低減することとは、逆バイアスを充分にかけることを意味するものである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、点火性能を確保しつつ細径化できる点火コイルを提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し試行錯誤を重ねた結果、逆バイアスのための永久磁石を用いるとともに、磁路の少なくともいずれかに高磁気抵抗部材を配設すること、また、逆バイアスをより大きくするように永久磁石を適切に配設することにより、磁路を流れる磁束の大きさを小さくできることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の点火コイルは、磁性材からなり磁路を構成する中心コアと、前記中心コアの外周側に同心状に巻回される1次コイルと、前記1次コイルに対して同心状に巻回される2次コイルと、前記1次コイル及び前記2次コイルの外周側に同心状に配設され磁性材からなり磁路を構成する外周コアとを備えた点火コイルにおいて、さらに、前記中心コアの軸端部と前記外周コアの軸端部との間に配設され前記磁性材のいずれよりも磁気抵抗の高い高磁気抵抗部材と、前記中心コアの軸端面から前記中心コアの軸方向長さの20%以上80%以下の範囲に前記1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設される少なくとも1つ以上の永久磁石とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の点火コイルは、請求項1に記載の点火コイルにおいて、さらに、前記永久磁石は、磁極方向の厚さが0.35mm以上4mm以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の点火コイルは、磁性材からなり磁路を構成する中心コアと、前記中心コアの外周側に同心状に巻回される1次コイルと、前記1次コイルに対して同心状に巻回される2次コイルと、前記1次コイル及び前記2次コイルの外周側に同心状に配設され磁性材からなり磁路を構成する外周コアとを備えた点火コイルにおいて、さらに、前記中心コアの両軸端部の少なくともいずれかに前記1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設される軸端部磁石と、前記中心コアの両軸端部の間に前記1次コイルの発生する磁束と逆方向に磁束を発生するように配設される少なくとも1つ以上の中央磁石とを有することを特徴とする。
請求項4に記載の点火コイルは、請求項3に記載の点火コイルにおいて、さらに、前記中央磁石は、磁極方向の厚さが0.2mm以上4mm以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の点火コイルは、請求項3又は4に記載の点火コイルにおいて、さらに、前記中央磁石は、配設される個数が2つ以下であることを特徴とする。
請求項6に記載の点火コイルは、請求項3乃至5に記載の点火コイルにおいて、さらに、前記軸端部磁石及び前記中央磁石は、互いに80mm以下の間隔をあけて配設されていることを特徴とする。
請求項7に記載の点火コイルは、請求項1乃至6に記載の点火コイルにおいて、さらに、前記中心コアは、外径が4mm以上8mm以下であることを特徴とする。
請求項8に記載の点火コイルは、請求項1乃至7に記載の点火コイルにおいて、さらに、前記中心コアは、軸方向に少なくとも2つ以上に分割されていることを特徴とする。
請求項1に記載の点火コイルによれば、高磁気抵抗部材で磁路の磁気抵抗を上げることができる。さらに、永久磁石で1次コイルの発生する磁束を逆バイアスすることができる。ところで、1次コイルの起磁力によって発生する磁束の大きさは、磁路の磁気抵抗の大きさに反比例する。そのため、高磁気抵抗部材で磁路の磁気抵抗を上げることにより、1次コイルの起磁力によって発生する磁束の大きさを小さくすることができる。さらに、この1次コイルの発生する磁束を永久磁石で逆バイアスすることにより、磁路を流れる磁束の大きさをより小さくすることができる。その結果、磁路を流れる磁束の大きさが充分に低減されるため、磁路の断面積を小さくしても磁気飽和が発生することはなく、点火コイルを細径化することができる。
なお、1次コイルの発生する磁束の大きさが小さくなることにより、2次コイルに誘起される電圧が低下することが考えられるが、1次コイルの巻数を増加することにより解決できる。ところで、1次コイルに蓄積されるエネルギーは、1次コイルの起磁力と1次コイルの発生する磁束とに比例する。この起磁力はコイルの巻数とコイルに流れる電流に比例する。そのため、1次コイルの発生する磁束の低下分を、1次コイルの巻数を増加することにより補えば、出力電圧が低下することはない。ここで、1次コイルの巻数の増加により1次コイルの外径が増加するが、その増加量は、磁路の断面積の低減による径の縮小量に比べ極わずかであり、点火コイルの細径化に影響を与えることはない。
請求項2に記載の点火コイルによれば、永久磁石の強度を確保するとともに使用量を抑え、効率よく逆バイアスを印加することができる。そのため、磁路を流れる磁束の大きさがより小さくなり、点火コイルをさらに細径化することができる。また、永久磁石の使用量が抑えられ、細径化された点火コイルをより安価に構成することができる。
請求項3に記載の点火コイルによれば、軸端部磁石及び中央磁石で、1次コイルの発生する磁束をより大きく逆バイアスすることができる。そのため、中央磁石に加えて軸端部磁石で1次コイルの発生する磁束をより大きく逆バイアスすることにより、磁路を流れる磁束の大きさをさらに小さくすることができる。その結果、磁路を流れる磁束の大きさがさらに低減されるため、磁路の断面積を小さくしても磁気飽和が発生することはなく、点火コイルをより細径化することができる。
請求項4に記載の点火コイルによれば、充分な2次エネルギーを得ることができる。
請求項5に記載の点火コイルによれば、より大きな2次エネルギーを得ることができる。
請求項6に記載の点火コイルによれば、充分な逆バイアスを確保するとともに、点火コイルの軸方向長さを短くすることができる。
請求項7に記載の点火コイルによれば、中心コアの外径をより小さくすることで、点火コイルをさらに細径化することができる。
請求項8に記載の点火コイルによれば、中心コアの磁気抵抗が上がることで磁束が減少し、点火コイルをさらに細径化することができる。
本実施形態は、本発明に係る点火コイルを、車両走行用のエンジンの点火プラグに直接高電圧を供給する車両用点火コイルに適用した例を示す。
(第1実施形態)
第1実施形態における点火コイルの軸方向断面図を図1に示す。中心コアの一方の軸端部付近の部分断面図を図2に、中心コアの他方の軸端部付近の部分断面図を図3に示す。そして、これらの図を参照し、構造、動作、効果の順で具体的に説明する。
まず、図1を参照して具体的構造について説明する。必要に応じて、図2及び図3を参照して詳細を説明する。図1に示すように、点火コイル1は、コイル部2と、コネクタ部3と、高圧タワー部4とを備えている。
コイル部2は、中心コア20と、永久磁石21と、2次スプール22と、2次コイル23と、1次スプール24と、1次コイル25と、チューブ26と、外周コア27とを備えている。
中心コア20は第1中心コア20aと第2中心コア20bとから構成されている。第1中心コア20aと第2中心コア20bは、幅の異なる複数の短冊状のけい素鋼板を径方向に積層して形成される略円柱体である。この第1中心コア20aと第2中心コア20bの軸方向長さは同じ値に、また、外径はともに8mmに設定されている。
永久磁石21は希土類磁石からなる円柱体であり、その両軸端面は着磁されている。この永久磁石21の軸方向長さは0.5mmに、また、外径は中心コア20の外径と同じ8mmに設定されている。そして、この永久磁石21は、その両軸端面を、第1中心コア20aの軸端面と第2中心コア20bの軸端面とで挟持されている。つまり、永久磁石21は、中心コア20の軸端面から中心コア20の軸方向長さの50%の位置に配設されている。ここで、永久磁石21は、1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設されている。
2次スプール22は、筒部と、筒部の軸端部から径方向内側に延在する底部とを有する樹脂からなる有底円筒体である。そして、2次スプール22の筒部で囲まれた空間に、永久磁石21を挟持した中心コア20が配設されている。さらに、2次スプール22と中心コア20との間には、2次スプール22を中心コア20と絶縁するための絶縁部材28aが配設されている。2次コイル23は2次スプール22の外周面に巻回される巻線である。
1次スプール24は樹脂からなる有底円筒体であり、2次コイル23の外周側に同心状に配設されている。そして、1次スプール24と2次コイル23との間には、1次スプール24を2次コイル23と絶縁するための絶縁部材28bが配設されている。1次コイル25は1次スプール24の外周面に巻回される巻線であり、その巻数は220ターン〜300ターンの範囲内に設定されている。
チューブ26は、樹脂からなる円筒体であり、1次コイル25の外周側に同心状に配設されている。このチューブ26は1次コイル25を保護するとともに後述する外周コアと絶縁している。外周コア27は、けい素鋼板を筒状に巻回して形成される円筒体であり、チューブ26で表面を保護された1次コイル25の外周側に同心状に配設されている。
コネクタ部3は、コイル部2の図中において上方に配設され、コネクタ30と、イグナイタ31と、コネクタケース32とを備えている。コネクタ30は、ECU(図略)からの点火タイミング信号を後述するイグナイタ31へ供給する電子部材である。イグナイタ31は、コネクタ30及び1次コイル25と電気的に接続され、コネクタ30を介して入力される点火タイミング信号に基づいて、1次コイル25に供給する1次電流を制御するための電子回路である。コネクタケース32は、筒部と、筒部の内周面から径方向内側に延在する底部と、底部から軸方向に突出する円筒状のリブ32aとを有する有底円筒体であり、樹脂で構成されている。そして、コネクタケース32の底部を挟んで一方にある筒部の内周面には、コイル部2が嵌合され圧入固定されている。このとき、コネクタケース32のリブ32aは、中心コア20と2次スプール22との間に介挿され、その間にある隙間を確保している。コネクタケース32の底部を挟んで他方にある筒部の内部には、イグナイタ31が収納されエポキシ樹脂33が充填されている。さらに、コネクタケース32の外周面には径方向外側に向かってコネクタ30が配設されている。
高圧タワー部4は、コイル部2の図中において下方に配設され、ターミナルプレート40と、スプリング41と、高圧タワーケース42と、プラグキャップ43とを備えている。ターミナルプレート40は、金属からなるカップ状の部材であり、その内周面を2次スプール22の軸端部の外周面に嵌合した状態で2次スプール22に固定されている。また、ターミナルプレート40は、2次コイル23の高圧側出力端と電気的に接続されている。スプリング41は金属からなる螺旋状の部材である。スプリング41の一端はターミナルプレート40と電気的に接続され、他端は点火プラグ(図略)に嵌装されている。高圧タワーケース42は、樹脂からなる円筒体であり、1次スプール24と一体的に形成されている。そして、高圧タワーケース42の内部にはターミナルプレート40とスプリング41とが収納されている。プラグキャップ43はゴム製の円筒体であり、高圧タワーケース42の端部に嵌装されている。そして、プラグキャップ43の内周面で点火プラグが支持されている。
ここで、図2に示すように、コネクタ部3側にある中心コア20の軸端部と外周コア27の軸端部とは、第1高磁気抵抗部材5aによって結合されている。第1高磁気抵抗部材5aは、中心コア20の軸端部に隣接して配設される円筒状の空気層29aと、この空気層29aの外側に同心状に配設されている、コネクタケース32のリブ32aと、2次スプール22と、2次スプール22と1次スプール24との間にある空気層29bと、1次スプール24と、チューブ26と、コネクタケース32とから構成されている。このような磁性材以外の部材で構成される第1高磁気抵抗部材5aは、当然磁性材より磁気抵抗が高い。また、図3に示すように、高圧タワー部4側にある中心コア20の軸端部と外周コア27の軸端部は、第2高磁気抵抗部材5bによって結合されている。第2高磁気抵抗部材5bは、中心コア20の軸端部に隣接して配設される円筒状の空気層29cと、この空気層29cの外側に同心状に配設されている、2次スプール22と、2次スプール22と1次スプール24との間にある空気層29dと、1次スプール24とから構成されている。この第2高磁気抵抗部材5bも第1高磁気抵抗部材5aと同様に、当然磁性材より磁気抵抗が高い。
次に、具体的動作について説明する。ECUからの点火タイミング信号がコネクタ30を介してイグナイタ31へ入力される。イグナイタ31はこの点火タイミング信号に基づいて1次コイル25に1次電流を供給する。1次電流が流れることにより1次コイル25は磁束を発生する。この磁束は、中心コア20から第1高磁気抵抗部材5aを介して外周コア27へと流れ、さらに、外周コア27から第2高磁気抵抗部材5bを介して中心コア20へと流れる。このとき、1次コイル25の発生する磁束の大きさは、第1高磁気抵抗部材5aと第2高磁気抵抗部材5bにより抑えられる。さらに、この1次コイル25の発生する磁束は、中心コア20に配設された永久磁石21の発生する磁束で逆バイアスされる。そのため、磁路を流れる磁束の大きさは、すべての磁路が磁性材で構成され、かつ、永久磁石21がない場合に比べ小さくなる。この1次コイル25の発生した磁束は2次コイル23と鎖交する。しかし、1次コイル25に蓄積されるエネルギーの磁束低減に起因する減少分は、1次コイル25の巻数を増加することにより補われている。そのため、2次コイル23には充分な高電圧が誘起される。ここで、2次コイル23のコネクタ部3側にある一端は車体に接地されるため、ターミナルプレート40と接続される他端は車体に対して負電圧、例えば、−30kVとなる。この高電圧はターミナルプレート40からスプリング41を介して点火プラグに印加される。これにより、点火プラグはその電極間のギャップで火花を発生する。
最後に、具体的効果について説明する。点火コイル1は、第1高磁気抵抗部材5aと第2高磁気抵抗部材5bとで磁路の磁気抵抗を上げることができる。さらに、永久磁石21で1次コイル25の発生する磁束を逆バイアスすることができる。そのため、磁路の磁気抵抗の増加により、1次コイル25の発生する磁束の大きさを小さくすることができる。さらに、この1次コイル25の発生する磁束を永久磁石21で逆バイアスすることにより、磁路を流れる磁束の大きさをより小さくすることができる。その結果、磁路を流れる磁束の大きさが充分に低減されるため、磁路の断面積を小さくしても磁気飽和が発生することはなく、点火コイル1を細径化することができる。なお、1次コイル25の発生する磁束の低下分は巻数を増加することにより補われているが、それに伴う点火コイル1の外径の増加量は、磁路の断面積の低減による径の縮小量に比べ極わずかであり、点火コイル1の細径化に影響を与えることはない。
また、点火コイル1は、永久磁石21を中心コア20の軸方向中央に配設しているので、軸端部付近に配設する場合に比べ永久磁石21の漏れ磁束が抑えられ、効率よく逆バイアスを印加することができる。そのため、磁路を流れる磁束の大きさが確実に小さくなり、点火コイル1をより細径化することができる。
さらに、点火コイル1は、永久磁石21の軸方向長さを0.5mmとしているので、車載用として要求される強度が充分確保できるとともに、永久磁石21の使用量も抑えられ、効率よく逆バイアスを印加することができる。そのため、磁路を流れる磁束の大きさがより小さくなり、点火コイル1をさらに細径化することができる。また、永久磁石21の使用量が抑えられ、細径化された点火コイル1を安価に構成することができる。
なお、上述した第1実施形態では、永久磁石21が、第1中心コア20aと第2中心コア20bの軸端面に挟持されている例を挙げているが、これに限られるものではない。複数の永久磁石が、複数に分割された中心コアによって挟持されていてもよい。
また、上述した第1実施形態では、永久磁石21が中心コア20の軸方向中央に配設されている例を挙げているが、これに限られるものではない。永久磁石21が、中心コア20の軸端面から、中心コア20の軸方向長さの20%以上80%以下の範囲に配設されていれば永久磁石21の漏れ磁束を充分抑えることができる。
さらに、上述した第1実施形態では、永久磁石21の軸方向長さ、つまり、磁極方向の厚さが0.5mmである例を上げているが、これに限られるものではない。その厚さが0.5mm以上あればさらに強度を増すことができるが、逆バイアスのための磁束量と永久磁石21のコストを考えた場合、その厚さは0.35mm以上4mm以下の範囲内に設定するのがよい。
上述した第1実施形態では、第1高磁気抵抗部材5aが、空気層29aと、リブ32aと、2次スプール22と、空気層29bと、1次スプール24と、チューブ26と、コネクタケース32とから構成され、第2高磁気抵抗部材5bが、空気層29cと、2次スプール22と、空気層29dと、1次スプール24とから構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。例えば、空気層29aが、軸方向の熱応力を低減するとともに、中心コア20の磁気特性の低下を防止するためのスポンジであってもよい。さらに、空気層29b〜29dが、中心コア20、2次スプール22及び1次スプール24を互いに固定するために充填されたエポキシ樹脂であってもよい。このような磁性材以外の部材によっても、磁性材より磁気抵抗の高い第1高磁気抵抗部材5a及び第2高磁気抵抗部材5bを構成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における点火コイルの軸方向断面図を図4に、永久磁石による中心コアの軸方向の磁束密度を図5に示す。ここでは、第1実施形態における点火コイルとの相違部分であるコイル部についてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、図4を参照して具体的構造について説明する。図4に示すように、コイル部2は、中心コア20と、永久磁石21と、2次スプール22と、2次コイル23と、1次スプール24と、1次コイル25と、チューブ26と、外周コア27とを備えている。
中心コア20は、第1中心コア20aと、第2中心コア20bとから構成されている。第1中心コア20a及び第2中心コア20bは、幅の異なる複数の短冊状のけい素鋼板を径方向に積層して形成される略円柱体である。第1中心コア20a及び第2中心コア20bの軸方向長さは、例えば、80mmに設定されている。また、外径は、例えば、ともに8mmに設定されている。
永久磁石21は、中央磁石21aと、第1軸端部磁石21bと、第2軸端部磁石21cとから構成されている。中央磁石21a、第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cは、円柱状の希土類磁石であり、それぞれの両軸端面が着磁されている。中央磁石21aの軸方向長さは、例えば、0.5mmに、また、外径は中心コア20の外径と同じ8mmに設定されている。第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cの軸方向長さは、中央磁石21aの軸方向長さより長い、例えば、5.4mmに、また、外径は中心コア20の外径と同じ8mmに設定されている。
そして、中央磁石21aは、磁極面である両軸端面を第1中心コア20aの一方の軸端面と第2中心コア20bの一方の軸端面とで挟持されている。第1軸端部磁石21bは、一方の軸端面を第1中心コア20aの他方の軸端面に隣接して配設されている。第2軸端部磁石21cは、一方の軸端面を第2中心コア20bの他方の軸端面に隣接して配設されている。ここで、中央磁石21a、第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cは、1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設されている。そのため、図5に示すように、中心コア20は、中央磁石21a、第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cによって、軸方向にほぼ均一な磁束で大きく逆バイアスされる。
2次スプール22は、筒部と、筒部の軸端部から径方向内側に延在する底部とを有する樹脂からなる有底円筒体である。そして、2次スプール22の筒部で囲まれた空間に、中央磁石21aを挟持するとともに、両軸端部に第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cを隣接して配設した中心コア20が収容されている。さらに、2次スプール22と中心コア20との間には、2次スプール22を中心コア20と絶縁するための絶縁部材28aが配設されている。2次コイル23は2次スプール22の外周面に巻回される巻線である。
1次スプール24は樹脂からなる有底円筒体であり、2次コイル23の外周側に同心状に配設されている。そして、1次スプール24と2次コイル23との間には、1次スプール24を2次コイル23と絶縁するための絶縁部材28bが配設されている。1次コイル25は1次スプール24の外周面に巻回される巻線である。
チューブ26は、樹脂からなる円筒体であり、1次コイル25の外周側に同心状に配設されている。このチューブ26は1次コイル25を保護するとともに後述する外周コア27と絶縁している。外周コア27は、けい素鋼板を筒状に巻回して形成される円筒体であり、チューブ26で表面を保護された1次コイル25の外周側に同心状に配設されている。
次に、図4を参照して具体的動作について説明する。ECUからの点火タイミング信号がコネクタ30を介してイグナイタ31へ入力される。イグナイタ31はこの点火タイミング信号に基づいて1次コイル25に1次電流を供給する。1次電流が流れることにより1次コイル25は磁束を発生する。
1次コイル25の発生した磁束は、中心コア20から第1軸端部磁石21bを経て外周コア27へと流れ、さらに、外周コア27から第2軸端部磁石21cを経て中心コア20へと流れる。そのため、1次コイル25の発生した磁束は、中心コア20に配設された中央磁石21a、第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cの発生する、軸方向にほぼ均一な磁束で大きく逆バイアスされる。これにより、中心コア20を流れる磁束の大きさがより小さくなる。
1次コイル25の発生した磁束は2次コイル23と鎖交する。しかし、中心コア20を流れる磁束が逆バイアスされるだけで、2次コイル23に電圧を誘起する磁束の変化量が減少するわけではない。そのため、2次コイル23には充分な高電圧が誘起される。ここで、2次コイル23のコネクタ部3側にある一端は車体に接地されるため、ターミナルプレート40と接続される他端は車体に対して負電圧、例えば、−30kVとなる。この高電圧はターミナルプレート40からスプリング41を介して点火プラグに印加される。これにより、点火プラグはその電極間のギャップで火花を発生する。
最後に、具体的効果について説明する。第2実施形態によれば、点火コイル1は、中央磁石21a、第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cで、1次コイル25の発生する磁束を、軸方向にほぼ均一な磁束で大きく逆バイアスすることができる。そのため、中心コア20を流れる磁束の大きさをさらに小さくすることができる。その結果、中心コア20を流れる磁束の大きさがさらに低減されるため、中心コア20の断面積を小さくしても磁気飽和が発生することはなく、点火コイル1をより細径化することができる。
また、点火コイル1は、中央磁石21aの軸方向長さを0.5mmとすることで、30mJの充分な2次エネルギーを確実に得ることができる。
さらに、点火コイル1は、第1中心コア20a、第2中心コア20bを80mmに設定することで、中央磁石21aと第1軸端部磁石21b、第2軸端部磁石21cとの間隔を80mmにし、充分な逆バイアスを確保するとともに、点火コイル1の軸方向長さを短くすることができる。
なお、上述した第2実施形態では、中央磁石21aの軸方向長さが0.5mmである例を挙げているが、これに限られるものではない。
ここで、点火コイルの1次電流と2次エネルギーの関係を図6に示す。図6に示すように、点火コイルの1次電流が実使用範囲より低い領域では、中央磁石の軸方向長さが長くなるほど中央磁石の磁気抵抗が増加し、点火コイルの2次エネルギーが低下する。そのため、点火コイルの1次電流の実使用範囲において、2次側に取出すことができる2次エネルギーの大きさは、中央磁石の軸方向長さによって変化する。
より具体的に、中央磁石の軸方向長さと点火コイルの2次エネルギーの関係を図7に示す。図7に示すように、点火に必要な2次エネルギーを20mJとすると、中央磁石の軸方向長さは0.2〜4.0mmが望ましい。また、2次エネルギーを25mJとすると、中央磁石の軸方向長さは0.35〜1.6mmが望ましい。さらに、2次エネルギーを30mJとすると、中央磁石の軸方向長さは0.4〜0.7mmが望ましい。
また、上述した第2実施形態では、第1中心コア20a及び第2中心コア20bの軸方向長さ、つまり、中央磁石21aと第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cの間の距離が80mmである例を挙げているが、これに限られるものではない。
ここで、磁石の軸端面(磁極面)からの距離と磁束密度の関係を図8に示す。図8に示すように、磁石の軸端面からの距離が40mmを超えると磁石の磁束はほぼ0(T)となり、磁石による逆バイアスの効果は期待できない。そのため、中央磁石21aの軸端面と第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cの軸端面との間の距離、つまり、隣合う磁石間の距離は、40mmの2倍、80mm以下が望ましい。また、より大きな逆バイアスを必要とすると、隣合う磁石間の距離は、30mmの2倍、60mm以下が望ましい。
さらに、上述した第2実施形態では、中心コア20の両軸端部に第1軸端部磁石21b及び第2軸端部磁石21cを配設した例を挙げているが、これに限られるものではない。中心コア20の両軸端部のうち一方の軸端部にのみ磁石を配設してもよい。これだけでも、充分に逆バイアスを大きくすることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における点火コイルの軸方向断面図を図9に示す。ここでは、第1及び第2実施形態における点火コイルとの相違部分であるコイル部についてのみ説明し、共通する部分については、必要とされる箇所以外説明を省略する。なお、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付して説明する。
まず、図9を参照して具体的構造について説明する。図9に示すように、コイル部2は、中心コア20と、永久磁石21と、2次スプール22と、2次コイル23と、1次スプール24と、1次コイル25と、チューブ26と、外周コア27とを備えている。
中心コア20は、第1中心コア20cと、第2中心コア20dと、第3中心コア20eとから構成されている。第1中心コア20c、第2中心コア20d及び第3中心コア20eは、幅の異なる複数の短冊状のけい素鋼板を径方向に積層して形成される略円柱体である。第1中心コア20c、第2中心コア20d及び第3中心コア20eの軸方向長さは、例えば、60mmに設定されている。また、外径は、例えば、ともに4mmに設定されている。
永久磁石21は、第1中央磁石21dと、第2中央磁石21eと、第1軸端部磁石21fと、第2軸端部磁石21gとから構成されている。第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gは、円柱状の希土類磁石であり、それぞれの両軸端面が着磁されている。第1中央磁石21d及び第2中央磁石21eの軸方向長さは、例えば、0.5mmに、また、外径は中心コア20の外径と同じ4mmに設定されている。第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gの軸方向長さは、第1中央磁石21d及び第2中央磁石21eの軸方向長さより長い、例えば、5.4mmに、また、外径は中心コア20の外径と同じ4mmに設定されている。
そして、第1中央磁石21dは、磁極面である両軸端面を第1中心コア20cの一方の軸端面と第2中心コア20dの一方の軸端面とで挟持されている。第2中央磁石21eは、両軸端面を第2中心コア20dの他方の軸端面と第3中心コア20eの一方の軸端面とで挟持されている。第1軸端部磁石21fは、一方の軸端面を第1中心コア20cの他方の軸端面に隣接して配設されている。第2軸端部磁石21gは、一方の軸端面を第3中心コア20eの他方の軸端面に隣接して配設されている。ここで、第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gは、1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設されている。
2次スプール22は、筒部と、筒部の軸端部から径方向内側に延在する底部とを有する樹脂からなる有底円筒体である。そして、2次スプール22の筒部で囲まれた空間に、第1中央磁石21d及び第2中央磁石21eを挟持するとともに、両軸端部に第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gを隣接して配設した中心コア20が収容されている。さらに、2次スプール22と中心コア20との間には、2次スプール22を中心コア20と絶縁するための絶縁部材28aが配設されている。2次コイル23は2次スプール22の外周面に巻回される巻線である。
1次スプール24は樹脂からなる有底円筒体であり、2次コイル23の外周側に同心状に配設されている。そして、1次スプール24と2次コイル23との間には、1次スプール24を2次コイル23と絶縁するための絶縁部材28bが配設されている。1次コイル25は1次スプール24の外周面に巻回される巻線である。
チューブ26は、樹脂からなる円筒体であり、1次コイル25の外周側に同心状に配設されている。このチューブ26は1次コイル25を保護するとともに後述する外周コア27と絶縁している。外周コア27は、けい素鋼板を筒状に巻回して形成される円筒体であり、チューブ26で表面を保護された1次コイル25の外周側に同心状に配設されている。
次に、図9を参照して具体的動作について説明する。1次コイル25の発生した磁束は、中心コア20から第1軸端部磁石21bを経て外周コア27へと流れ、さらに、外周コア27から第2軸端部磁石を経て中心コア20へと流れる。そのため、1次コイル25の発生した磁束は、中心コア20に配設された第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gの発生する、軸方向にほぼ均一な磁束で大きく逆バイアスされる。これにより、中心コア20を流れる磁束の大きさがより小さくなる。
1次コイル25の発生した磁束は2次コイル23と鎖交する。しかし、中心コア20を流れる磁束が逆バイアスされるだけで、2次コイル23に電圧を誘起する磁束の変化量が減少するわけではない。そのため、2次コイル23には充分な高電圧が誘起される。
ここで、中央磁石の個数が変化した場合の点火コイルの1次電流と2次エネルギーの関係を図10に示す。図10に示すように、点火コイルの1次電流が実使用範囲より低い領域では、中央磁石の個数が増えるほど中央磁石の磁気抵抗が増加し、点火コイルの2次エネルギーが低下する。そのため、点火コイルの1次電流の実使用範囲において、2次側に取出すことができる2次エネルギーの大きさは、中央磁石の個数によって変化する。中央磁石の個数は、最大でも本実施形態と同じく2個が望ましい。3個以上になると、点火コイルの1次電流の実使用範囲において、2次側に取出すことができる2次エネルギーが低下する。
最後に、具体的効果について説明する。第3実施形態によれば、点火コイル1は、第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gで、1次コイル25の発生する磁束を、逆バイアスすることができる。第2実施形態に比べ、中心コア20の中央部に配設される磁石の数が多いため、軸方向により均一な磁束で大きく逆バイアスすることができる。その結果、中心コア20を流れる磁束の大きさがさらに低減されるため、中心コア20の断面積を小さくしても磁気飽和が発生することはなく、点火コイル1をさらに細径化することができる。
また、点火コイル1は、第1中心コア20c、第2中心コア20d及び第3中心コア20eを60mmに設定することで、第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21f、第2軸端部磁石21g相互間の間隔を60mmにし、充分な逆バイアスを確保するとともに、点火コイル1の軸方向長さを短くすることができる。
なお、上述した第3実施形態では、第1中心コア20c、第2中心コア20d及び第3中心コア20eの軸方向長さ、つまり、第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gの間の距離が60mmである例を挙げているが、これに限られるものではない。前述したように、隣合う磁石間の距離は、80mm以下が望ましい。また、より大きな逆バイアスを必要とすると、隣合う磁石間の距離は、60mm以下が望ましい。
また、上述した第3実施形態では、中心コア20の両軸端部に第1軸端部磁石21f及び第2軸端部磁石21gを配設した例を挙げているが、これに限られるものではない。中心コア20の両軸端部のうち一方の軸端部にのみ磁石を配設してもよい。これだけでも、充分に逆バイアスを大きくすることができる。
なお、前述した第1、第2及び第3実施形態では、永久磁石21、中央磁石21a、第1中央磁石21d及び第2中央磁石21eとして、円柱状の磁石を用いた例を挙げているが、これに限られるものではない。これらを円筒状の磁石で構成してもよい。これにより、これらの磁石による磁気抵抗が低減し、2次エネルギーを増加することができる。また、中心コア20の軸方向長さを短くすることができる。
ここで、第2実施形態において、円筒状の磁石を用いた構成の中心コアと中央磁石の軸方向断面図及びA−A矢視断面図を図11に、別の構成の中心コアと中央磁石の軸方向断面図及びB−B矢視断面図を図12に、さらに別の構成の中心コアと中央磁石の軸方向断面図を図13に示す。例えば、図11に示すように、両軸端面が着磁された円筒状の中央磁石21aを中心コア20に挿入してもよい。また、図12に示すように、両軸端面が着磁された円弧状の複数の磁石からなる中央磁石21aを中心コア20の外周面に設けられた凹部に配設してもよい。中央磁石21aは、ゴム等の柔軟性のある材料からなる磁石を円筒状に形成して構成してもよい。さらに、中央磁石21aの組付け性をよくするため、図13(a)、(b)に示すように、中心コア20の凹部のところで中心コア20を2分割してもよいし、図13(c)に示すように、3分割してもよい。ここで、円筒状の中央磁石21aの軸方向長さは、配設される中心コア20の外径以上、また、径方向の厚さは、配設される中心コア20の外径の1/3以上が望ましい。これらの構成は、第2実施形態だけでなく、第1及び第3実施形態においても適用できる。
また、前述した第1、第2及び第3実施形態では、永久磁石21、中央磁石21a、第1中央磁石21d、第2中央磁石21e、第1軸端部磁石21b、21f及び第2軸端部磁石21c、21gとして、円柱状の単体磁石を用いた例を挙げているが、これに限られるものではない。例えば、複数の磁石片を積層して1つの磁石を形成してもよい。
さらに、前述した第1、第2及び第3実施形態では、略円柱体の中心コア20の外径が4mm又は8mmである例を挙げているが、これに限られるものではない。中心コアの外径は4mm以上8mm以下が望ましい。また、これに対応する断面積を有する中心コアであってもよい。例えば、中心コアは、幅の異なる複数の短冊状のけい素鋼板を、断面形状が略楕円形、略長方形又は略菱形等で、その断面積が12.56mm2以上50.24mm2以下になるように積層して形成してもよい。
第1実施形態における点火コイルの軸方向断面図を示す。 図1における中心コアの一方の軸端部付近の部分断面図を示す。 図1における中心コアの他方の軸端部付近の部分断面図を示す。 第2実施形態における点火コイルの軸方向断面図を示す。 永久磁石による中心コアの軸方向の磁束密度を示す。 中央磁石の軸方向長さが変化した場合の点火コイルの1次電流と2次エネルギーの関係を示す。 中央磁石の軸方向長さと点火コイルの2次エネルギーの関係を示す。 磁石の軸端面からの距離と磁束密度の関係を示す。 第3実施形態における点火コイルの軸方向断面図を示す。 中央磁石の個数が変化した場合の点火コイルの1次電流と2次エネルギーの関係を示す。 第2実施形態において、円筒状の磁石を用いた構成の中心コアと中央磁石の軸方向断面図及びA−A矢視図を示す。 別の構成の中心コアと中央磁石の軸方向断面図及びB−B矢視図を示す。 さらに別の構成の中心コアと中央磁石の軸方向断面図を示す。
符号の説明
1 ・・・ 点火コイル
2 ・・・ コイル部
20 ・・・ 中心コア
20a ・・・ 第1中心コア
20b ・・・ 第2中心コア
21 ・・・ 永久磁石
21a ・・・ 中央磁石
21d ・・・ 第1中央磁石
21e ・・・ 第2中央磁石
21b、21f ・・・ 第1軸端部磁石
21c、21g ・・・ 第2軸端部磁石
22 ・・・ 2次スプール
23 ・・・ 2次コイル
24 ・・・ 1次スプール
25 ・・・ 1次コイル
26 ・・・ チューブ
27 ・・・ 外周コア
28a、28b ・・・ 絶縁部材
29a、29b、29c、29d ・・・ 空気層
3 ・・・ コネクタ部
32 ・・・ コネクタケース
32a ・・・ リブ
4 ・・・ 高圧タワー部
5a ・・・ 第1高磁気抵抗部材
5b ・・・ 第2高磁気抵抗部材

Claims (8)

  1. 磁性材からなり磁路を構成する中心コアと、前記中心コアの外周側に同心状に巻回される1次コイルと、前記 次コイルに対して同心状に巻回される2次コイルと、前記1次コイル及び前記2次コイルの外周側に同心状に配設され磁性材からなり磁路を構成する外周コアとを備えた点火コイルにおいて、
    さらに、前記中心コアの軸端部と前記外周コアの軸端部との間に配設され前記磁性材のいずれよりも磁気抵抗の高い高磁気抵抗部材と、前記中心コアの軸端面から前記中心コアの軸方向長さの20%以上80%以下の範囲に前記1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設される少なくとも1つ以上の永久磁石とを有することを特徴とする点火コイル。
  2. 前記永久磁石は、磁極方向の厚さが0.35mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項1記載の点火コイル。
  3. 磁性材からなり磁路を構成する中心コアと、前記中心コアの外周側に同心状に巻回される1次コイルと、前記1次コイルに対して同心状に巻回される2次コイルと、前記1次コイル及び前記2次コイルの外周側に同心状に配設され磁性材からなり磁路を構成する外周コアとを備えた点火コイルにおいて、
    さらに、前記中心コアの両軸端部の少なくともいずれかに前記1次コイルの発生する磁束と逆方向の磁束を発生するように配設される軸端部磁石と、前記中心コアの両軸端部の間に前記1次コイルの発生する磁束と逆方向に磁束を発生するように配設される少なくとも1つ以上の中央磁石とを有することを特徴とする点火コイル。
  4. 前記中央磁石は、磁極方向の厚さが0.2mm以上4mm以下であることを特徴とする請求項3記載の点火コイル。
  5. 前記中央磁石は、配設される個数が2つ以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の点火コイル。
  6. 前記軸端部磁石及び前記中央磁石は、互いに80mm以下の間隔をあけて配設されていることを特徴とする請求項3乃至5記載の点火コイル。
  7. 前記中心コアは、外径が4mm以上8mm以下であることを特徴とする請求項1乃至6記載の点火コイル。
  8. 前記中心コアは、軸方向に少なくとも2つ以上に分割されていることを特徴とする請求項1乃至7記載の点火コイル。
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