JPH09246069A - 内燃機関の点火コイル - Google Patents

内燃機関の点火コイル

Info

Publication number
JPH09246069A
JPH09246069A JP8078143A JP7814396A JPH09246069A JP H09246069 A JPH09246069 A JP H09246069A JP 8078143 A JP8078143 A JP 8078143A JP 7814396 A JP7814396 A JP 7814396A JP H09246069 A JPH09246069 A JP H09246069A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron core
ignition coil
core
central
silicon steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8078143A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3200794B2 (ja
Inventor
Takashi Yoshinari
孝 吉成
Toru Tanaka
徹 田中
Meikou Nobutoki
明公 信時
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hanshin Electric Co Ltd
Original Assignee
Hanshin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hanshin Electric Co Ltd filed Critical Hanshin Electric Co Ltd
Priority to JP07814396A priority Critical patent/JP3200794B2/ja
Publication of JPH09246069A publication Critical patent/JPH09246069A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3200794B2 publication Critical patent/JP3200794B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横方向の断面寸法に制約のあるプラグホール
収容型点火コイルにおいて点火エネルギを増大する。 【解決手段】 外径が22mmから25mmまでに制約されてい
る外装鉄心の内部に収められる開磁路型の中央鉄心11
を、幅の異なる短冊状の硅素鋼板11’の積層により構成
する。当該中央鉄心11の外形輪郭を包絡する円Oの径
は、外装鉄心の外径の二乗に 0.017ないし 0.020を乗じ
た寸法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車両のエンジン
に代表される内燃機関の点火コイルに関し、特にエンジ
ンブロックに開けられた細長で比較的深いプラグホール
内に主たる構造部分の殆どが収められる、プラグホール
収容型点火コイルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなプラグホール収容型点火コイ
ルは例えば実開平 5-21423号公報等にて公知であり、実
際にも図3に示されるような製品がある。説明するに、
図示のプラグホール収容型点火コイル30は合成樹脂の細
長い筒形絶縁ケース34を有し、その先端部がプラグ係合
部35となっていて、ここに周知構造、形状の点火プラグ
(図示せず)の頭部が係合し、当該頭部に設けられてい
る接点が図示しない金属スプリング等を介して高圧端子
19に接触するようになっている。
【0003】筒形の絶縁ケース34の内部中心部には長さ
方向に沿って硅素鋼板に代表される磁性金属板を円筒形
にした開磁路型の中央鉄心31が設けられており、これと
同心の関係で、一次コイル12の巻回された合成樹脂製一
次コイルボビン32、二次コイル13の巻回された合成樹脂
製二次コイルボビン22が嵌合し、さらに筒形絶縁ケース
34の内壁面に沿って硅素鋼板等の磁性金属板による外装
鉄心33が備えられる。また、絶縁ケース34の長さ方向上
部にはこれも一般に合成樹脂で成形される絶縁性の一次
端子座17が取り付けられ、これには一次コイル12に対し
外部点火回路を接続するための一次端子16が備えられ
る。その上で、筒形絶縁ケース34の内部には一般にエポ
キシ樹脂等の熱硬化性樹脂から成る絶縁性充填材15が充
填され、内部部材間相互の絶縁を保ちながら各部材の機
械的な位置固定が図られている。なおもちろん、一次端
子16は図示しない内部配線により一次コイル11に接続
し、高圧端子19も図示しない内部配線により二次コイル
13の出力端に接続する。
【0004】こうした点火コイル30は一般にペンシル型
等とも呼ばれ、そもそもエンジンブロックに穿たれた細
長くて深いプラグホール(図示せず)の中に収めて用い
られることを予定しているため、必然的に寸法上の制約
が生じ、プラグホールの内径との関係で筒形絶縁ケース
34の外径は22mmから太くても25mm程度に留めねばなら
ず、ひいては中央鉄心31や外装鉄心33の断面積、一次、
二次コイル12,13の巻線断面積等にも制約が生まれて、
点火プラグにて大きな点火エネルギを得るのが難しかっ
た。
【0005】具体例に即して言えば、筒形絶縁ケース34
の肉厚は機械的強度等を考慮すると少なくとも 1mmは必
要である。同様に合成樹脂製の一次、二次コイルボビン
32,22の肉厚も 0.8mm、できれば 1mmは必要である。従
って外径24mmの点火コイルを作製する場合、これら合成
樹脂部材に要する全寸法6mm(=1(mm)×3 ×2)を差し引い
た寸法18mmの中に、磁気回路を構成する部材である中央
鉄心31、一次、二次コイル12,13、外装鉄心33を収めね
ばならず、実際にも中央鉄心31の断面寸法はせいぜい8m
m 程度に、また外装鉄心33も0.35mmないし 0.5mm厚の硅
素鋼板を筒形絶縁ケース34の内面に沿わせて一巻程にす
るしか許容できなかった。
【0006】その結果、外装鉄心33の磁気シールド効果
が少なく、使用時に漏洩磁束によってプラグホールの導
電性の壁面に渦電流が流れ、これが点火エネルギを食う
等もあって、点火プラグにて得られる実効点火エネルギ
は最大でも20mJ程度が限界であった。この値は、理想混
合気付近で運転されるために点火エネルギを余り必要と
しない通常の内燃機関に対しては十分な値であるが、将
来的に普及の予想されるリーンバーン(希薄燃焼)エン
ジンや代替燃料エンジン等、40mJ程度以上の点火エネル
ギを要求する内燃機関には到底不満足な値である。
【0007】そこで本出願人は、本願発明に至る過程に
おいてこの種の点火プラグ30に断面構造的な改良を施
し、図2に示すような断面構造のプラグ収容型点火プラ
グ10を開発した。同図において図3中におけると同じ符
号の付されている構成要素は同一ないし同様で良い構成
要素であるので先の説明を援用し、ここでの説明は省略
するものもある。
【0008】主な改善点を上げると、まず点火コイルの
ほぼ全長に及ぶ従前の筒形絶縁ケース34(図3)は廃さ
れ、代わって外装鉄心14が改良点火コイル10のケースを
兼ねている。従って一次端子座17はこの導電性ケース14
の上端部に取り付けられ、また、プラグ係合部を構成す
る合成樹脂の先端キャップ18が追加されて導電性ケース
14の下端に取り付けられ、これに高圧端子19が設けられ
ている。さらに、筒形絶縁ケースの廃止と共に一次コイ
ルボビン32(図3)も廃され、厚さ 0.1mm程度の耐熱性
絶縁シート(例えばガラスクロス基材のエポキシ含浸シ
ート)21を開磁路型中央鉄心11の外周に巻き付け、その
上に直接、一次コイル12を巻回するように変えられた。
【0009】こうした結果、肉厚がそれぞれ 1mmは必要
であった筒形絶縁ケースの当該寸法分と一次コイルボビ
ンの寸法分を外装鉄心14や中央鉄心11の断面積増大、一
次、二次コイル12,13の巻回数増大に回すことができる
ようになり、実際にも外装鉄心14の断面積は0.35mmない
し 0.5mm厚の無方向性または方向性硅素鋼板を複数回
(2、3回以上)巻回して筒状に成形するか、あるいは一枚
づつ筒状に巻いたもの複数個(2、3個以上)を同心入れ子
状に緊目(きつめ)に組み付けることによって約2倍に
することができ、中央鉄心11のそれも従前のものの約
1.6倍、一次、二次コイル12,13の巻線断面積も約 1.3
倍にし得るようになって、点火エネルギも約2倍にま
で、高めることに成功した。また、外装鉄心とプラグホ
ールの壁面との間に合成樹脂製の筒形絶縁ケースの壁部
分が介在しないため、長期の使用に供されると高圧コロ
ナ放電によって当該ケースに絶縁劣化が生ずる等の恐れ
も回避された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、図2に示
される改良された点火コイル10は図3に示された従前の
点火コイル30に比べると種々優れた側面を有している。
しかし、限られた横方向断面寸法の中でさらに点火エネ
ルギを増大することは、もとより望まれるべき要求であ
る。大きな点火エネルギが得られるのならば、逆に点火
コイル自体は小型化することもできる。ここにおいて、
中央鉄心11の断面積と外装鉄心14のそれ、ないし相互の
関係は重要な要素となる。本願発明はまさしく、これに
対しての一つの重要な解答を与え、この種の改良された
プラグ収容型点火コイル10においてさらに点火エネルギ
の増大を図るための工夫を開示せんとするものである。
また併せて、外装鉄心14の長さと中央鉄心11の長さない
し配置の関係についても望ましい関係を規定することも
第二の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、図2に示したような構造原理に従う点火コイ
ル、すなわち、中央鉄心と同心の関係で一次、二次コイ
ルを有し、さらにそれらと同心の関係で外径が22mmから
太くても25mmまでに制約される外装鉄心を有して成り、
エンジンブロックに穿たれたプラグホール内に収容して
用いる内燃機関の点火コイルにおいて、さらに次のよう
な工夫(a),(b) を付加することを提案する。 (a) 中央鉄心は、幅の異なる短冊状の硅素鋼板を積層す
ることでその外形輪郭が円に近づくように形成する. (b) この中央鉄心の外形輪郭を包絡する円の径は、導電
性ケースを兼ねる外装鉄心の外径の二乗に 0.017ないし
0.020を乗じた寸法とする.
【0012】一方、上記の基本構成要件(a),(b) を満た
した上で、本発明の特定の態様においては中央鉄心と外
装鉄心の長さ関係についても規定し、 (c) 中央鉄心の長さは外装鉄心の長さより短く、中央鉄
心の長さ方向両端は外装鉄心の長さ方向両端から突出し
ていないこと;を特徴とする点火コイルも提案する。
【0013】さらに、本発明のまた別のそれぞれ特定の
態様では、同じく上記の基本構成要件(a),(b) を満たし
た上で、下記構成要件(d) 〜(f) の中のどれか一つある
いは幾つか、または全てを有する点火コイルも提案す
る。 (d) 外装鉄心の断面積は上記した中央鉄心の断面積の75
%から 100%の範囲内にあること. (e) 一次コイルは、中央鉄心の外周面に巻回された耐熱
性絶縁シートの上に直接に巻回されていること. (f) 外装鉄心は、無方向性または方向性の薄い硅素鋼板
を複数回巻回して筒状に成形されるか、あるいは一枚づ
つ筒状に巻いたもの複数個を同心入れ子状に緊目に組み
付けて作られていること.
【0014】なお、中央鉄心を構成する硅素鋼板は無方
向性硅素鋼板であっても良いが、最大磁束密度が高く鉄
損失の少ない方向性硅素鋼板とするのが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】先にも述べたように、本発明は図
2に示す点火コイル10の改良であり、点火コイル自体の
断面構造として示すと当該図2に示したものと同じであ
る。従って、当該点火コイル10におけると同様ないし同
一で良い構成要素には同一の符号を付してあり、その説
明も既に説明した所を援用するものもある。ただし、図
2中には示していないが、外装鉄心14の内壁面に沿って
厚味の極く薄い絶縁紙とか、あるいはまた、例えば 0.2
mmないし 0.3mm程度の合成樹脂の絶縁部材が設けられ、
これによって外装鉄心14とエポキシ樹脂等の絶縁性充填
材15とが直接に接触するのを防ぎ、それらの間の物理
的、熱的な馴染みの悪さを解消するように改善された点
火コイルであっても本発明は同様に適用できる。
【0016】本発明の最も基本的な特徴は図1に即して
説明できる。まず、本発明に従うプラグホール収容型点
火コイル10(図2)の中央鉄心11は、幅の異なる短冊状
の硅素鋼板11’を積層することでその外形輪郭が円に近
づくようにして形成されている。用いる硅素鋼板11’は
無方向性であっても良いが、より望ましくは最大磁束密
度が高く鉄損の少ない方向性硅素鋼板である。厚味は
0.2mmないし 0.3mmが望ましい。また、幅寸法は図示の
場合、三段階に異ならされているが、少なくとも二段階
以上であれば良い。ただし、明らかなように、幅寸法を
何種類も数多く用意する程、その積層結果である中央鉄
心11の輪切り断面における外径輪郭は円Oに近付いて行
く。
【0017】このような中央鉄心11においてその外径輪
郭の包絡円Oの径Dに関し、点火エネルギ増強の上で特
定の設計基準が存在しないか否かを模索した結果が本発
明であるが、本発明に至る過程を説明することで、逆に
本発明の実施態様が明らかになる。
【0018】点火コイル10内にて外装鉄心を兼ねる導電
性ケース14と二次コイル13との間の高電圧絶縁を完全に
採るためには、それらの間に 1.5mm程度の絶縁距離が必
要である。一方、二次コイルボビン22の肉厚は従来より
薄くするにしても 0.7mm程度に限界があり、一次コイル
12と二次コイル13の内径の絶縁距離は 1.2mm程度が必要
である。さらに、図2に示したように従前の点火コイル
30(図3)における一次コイルボビンを廃し、耐熱性絶
縁シート21に変えたとしても、その厚味には最低、0.1mm
は必要である。従って、点火コイル中心軸からの半径方
向で考えても、総計で片側3.5mm 程度の寸法が絶縁確保
のために必要なことになる。
【0019】換言すると、外径24mmの点火コイル10で
は、点火コイル中心軸から半径方向で片側8.5mm という
寸法が中央鉄心11、一次、二次コイル12,13、外装鉄心
14に許容される断面寸法総計となる。ここで、外装鉄心
14の断面積は中央鉄心11の断面積の75%から 100%の範
囲内に収めることが理想的である。75%を下回ると磁気
シールド効果が殆ど認められないことが本発明者の実験
によって分かったからである。さらに、二次出力電圧で
見ると、75%を越えると二次出力電圧はほぼ飽和し、80
%を越えると飽和と看做せることも分かった。
【0020】点火コイル10の二次コイル13に流れる電流
Isの大きさは大したことはなく、当該二次コイル13は0.
04mm径程度の耐熱電線で巻くことができるが、一次コイ
ル12に流す一次電流Ipは一般に6Aないし7Aと大きいた
め、当該一次コイル12の抵抗値を大きくても 0.9Ω程度
に留める必要が生じ、その結果、必然的に一次コイル12
には 0.5mm径、細くても 0.4mm径の耐熱電線を用いざる
を得ない。
【0021】しかるに、中央鉄心11の実用最大磁束密度
Bm(一般に1.8T(T:テスラ)程度)に対し中央鉄心断面積Sc
を乗じた値:Bm×Scが最大磁束φm、すなわち φm =Bm×Sc ・・・・・・・・ であり、一次コイル13の巻数をN1とすると当該一次コイ
ル13のインダクタンスL1は L1=φm・N1/Ip ・・・・・・・・ となる。また、一次コイル13に蓄えられる電磁エネルギ
Ech は Ech =L1・Ip2/2 ・・・・・・・・ である。
【0022】ある意味では当然のことながら、点火プラ
グにおける火花エネルギ(点火エネルギ)は一次コイル
13に蓄えられる電磁エネルギEch に比例し、従って点火
エネルギの増大のためには一次コイル13に蓄えられる電
磁エネルギEch を増す必要がある。
【0023】そしてまたそのためには、単純に考える
と、上記の〜式からして最大磁束φm を増すために
一次コイル断面積Scを増し、ひいては中央鉄心11の外径
輪郭の包絡円Oの径D(以下、単に中央鉄心11の外径D
と呼ぶ)を増せば良いということになる。ところが、既
述したように、この種のプラグ収容型点火コイル10の内
部における限られた横方向断面寸法の中では、ただ単に
中央鉄心11をのみ、その断面積Scないし外径Dを大きく
すると、一次コイル12や二次コイル13が占めることを許
される寸法が減少し、結局は電磁エネルギEch の減少を
招いてしまう。
【0024】こうしたことから、本発明者は、この種の
プラグ収容型点火コイル10では、一次コイル13に蓄えら
れる電磁エネルギEch に関し、これを最大とする中央鉄
心11の外径Dが存在するものとの考えに立ち、鋭意実験
の結果、次の結論を導くことができた。
【0025】既述した実用的条件を満たしながら、外径
が22mmから25mmの点火コイルのそれぞれにおいて、図1
(A) に示す通り幅の異なる硅素鋼板11’の積層により形
成された中央鉄心11の外径Dを異ならせた所、図1(B)
に示す結果が得られた。つまり、電磁エネルギEch の増
大に関し、図中でそれぞれピークを示している所からし
て、点火コイル外径22mmの場合には中央鉄心11の外径D
の最適値は点火コイル外径に対する比として約42%、同
様に23mmの場合には43%程度、24mmの場合には44〜45%
程度、25mmの場合には約47%となる。実際には高電圧絶
縁能力を多少犠牲にし、絶縁距離を若干短めに採ること
もできること等を加味すると、上記の各最適外径比に対
し、山麓に沿ってピークからやや下った部分、すなわち
最適外径比の前後 3〜 4%の範囲までをも含めて十分な
実用範囲と認めることができる。そこで、このような関
係を個々の点火コイル(外装鉄心)外径ごとに対する比
としてではなく、総括的な関係式として表すと、本発明
要旨構成中に規定するように、中央鉄心の外径Dは外装
鉄心外径の二乗に 0.017ないし 0.020を乗じた寸法とす
ることが極めて効果的となる。
【0026】次に、中央鉄心11と外装鉄心14の長さの関
係について考察する。実験コイルは図1(B) の特性を種
々採ったのと同じもので、外装鉄心14は0.35mm厚の方向
性硅素鋼板を三回巻いたものか、0.5mm厚の方向性硅素鋼
板を二回巻いたもので、その外径は24mm、長さは80mmで
ある。中央鉄心11の断面積Scは既述した本発明の技術思
想に従い約80mm2(外径D=11mm)とされているが、図1
(C) に示す通り、中央鉄心11の長さが短いと外装鉄心14
との対向空間が少なく、磁気抵抗が大きくなって一次コ
イル12と一次電流Ipとで作る起磁力(実験コイルでは約
1100ATである)で中央鉄心11の磁束密度が最大磁束密度
Bmに達し得ない。
【0027】そうかと言って中央鉄心11の長さをやみく
もに長くしても意味がなく、同じく図1(C) に示される
通り、外装鉄心の長さと同じ長さ80mmでほぼ最大磁束密
度Bmが得られる。また、中央鉄心11の両端が外装鉄心14
の長さ方向両端の内側に入っていないと中央鉄心11はむ
しろ最大磁束に達しないし、磁気シールド効果も低減し
てプラグホールの導電性の壁面に磁束が漏洩し、渦電流
が流れて電磁エネルギEch の減少を生ずる。こうしたこ
とから、中央鉄心11が外装鉄心14よりも短く、その両端
が外装鉄心14の長さ方向両端から突出しないことが良い
ことになる。
【0028】以上のように、種々の検討の結果、図2に
示される構造原理に従い、なおかつ本発明に従って作製
されたプラグホール収容型の点火コイル10では、図3に
示したような従来型の点火コイル30ではプラグホール実
装時で二次電圧22〜23KVしかなかったものが、約 1.5倍
も高い32〜33KVにまで増大し、同じくプラグホール実装
時で点火エネルギが従来型ではせいぜい20mJ程度しか得
られなかったものが、本発明の適用を受けた点火コイル
10では50mJ程度と、約 2.5倍にもし得た。
【0029】
【発明の効果】本発明によるとプラグホール収容型点火
コイルにおける点火エネルギの増大効果が見込まれ、リ
ーンバーンエンジンや代替燃料エンジン等にも十分適用
可能な点火コイルが提供できる。むしろ、必要以上に高
点火エネルギの点火コイルを得ることすらできるので、
点火エネルギを必要程度に抑え込めば、より小型な点火
コイルを提供し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うプラグホール収容型点火コイルに
おける中央鉄心の積層構成とその外径の及ぼす効果に関
する説明図である。
【図2】本発明の適用を受けることが効果的なプラグホ
ール収容型点火コイルの断面構成に関する説明図であ
る。
【図3】従来のプラグホール収容型点火コイルの断面構
成に関する説明図である。
【符号の説明】
10 本発明の適用を受けるに適当な改良型の点火コイ
ル, 11 中央鉄心, 11’中央鉄心を構成する硅素鋼板, 12 一次コイル, 13 二次コイル, 14 外装鉄心(導電性ケース), 15 絶縁性充填材, 21 耐熱性絶縁シート, 22 二次コイルボビン, 30 従来型の点火コイル, 31 中央鉄心, 32 一次コイルボビン, 33 外装鉄心, 34 筒形の絶縁ケース, O 中央鉄心の外形輪郭を包絡する円.
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】そこで本出願人は、本願発明に至る過程に
おいてこの種の点火コイル30に断面構造的な改良を施
し、図2に示すような断面構造のプラグ収容型点火コイ
10を開発した。同図において図3中におけると同じ
符号の付されている構成要素は同一ないし同様で良い構
成要素であるので先の説明を援用し、ここでの説明は省
略するものもある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央鉄心と同心の関係で一次、二次コイ
    ルを有し、さらにそれらと同心の関係で外径が22mmから
    25mmまでに制約される外装鉄心を有して成り、エンジン
    ブロックに穿たれたプラグホール内に収容して用いる内
    燃機関の点火コイルであって;上記中央鉄心は、幅の異
    なる短冊状の硅素鋼板を積層することでその外形輪郭が
    円に近づくように形成し;かつ、該中央鉄心の上記外形
    輪郭を包絡する円の径は、該外装鉄心の外径の二乗に
    0.017ないし 0.020を乗じた寸法としたこと;を特徴と
    する内燃機関の点火コイル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の点火コイルであって;上
    記硅素鋼板は方向性硅素鋼板であること;を特徴とする
    内燃機関の点火コイル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の点火コイルであって;上
    記硅素鋼板は無方向性硅素鋼板であること;を特徴とす
    る内燃機関の点火コイル。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の点火コイルであって;上
    記中央鉄心の長さは上記外装鉄心の長さより短く、該中
    央鉄心の長さ方向両端は該外装鉄心の長さ方向両端から
    突出していないこと;を特徴とする内燃機関の点火コイ
    ル。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の点火コイルであって;上
    記外装鉄心の断面積は上記中央鉄心の断面積の75%から
    100%の範囲内にあること;を特徴とする内燃機関の点
    火コイル。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の点火コイルであって;上
    記一次コイルは、上記中央鉄心の外周面に巻回された耐
    熱性絶縁シートの上に直接に巻回されていること;を特
    徴とする内燃機関の点火コイル。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の点火コイルであって;上
    記外装鉄心は、無方向性または方向性の薄い硅素鋼板を
    複数回巻回して筒状に成形されるか、あるいは一枚づつ
    筒状に巻いたもの複数個を同心入れ子状に緊目に組み付
    けて作られていること;を特徴とする内燃機関の点火コ
    イル。
JP07814396A 1996-03-07 1996-03-07 内燃機関の点火コイル Expired - Lifetime JP3200794B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07814396A JP3200794B2 (ja) 1996-03-07 1996-03-07 内燃機関の点火コイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07814396A JP3200794B2 (ja) 1996-03-07 1996-03-07 内燃機関の点火コイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09246069A true JPH09246069A (ja) 1997-09-19
JP3200794B2 JP3200794B2 (ja) 2001-08-20

Family

ID=13653672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07814396A Expired - Lifetime JP3200794B2 (ja) 1996-03-07 1996-03-07 内燃機関の点火コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3200794B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005183926A (ja) * 2003-11-26 2005-07-07 Denso Corp 点火コイル
JP2008166581A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Diamond Electric Mfg Co Ltd 点火コイル

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005183926A (ja) * 2003-11-26 2005-07-07 Denso Corp 点火コイル
JP4506352B2 (ja) * 2003-11-26 2010-07-21 株式会社デンソー 点火コイル
JP2008166581A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Diamond Electric Mfg Co Ltd 点火コイル

Also Published As

Publication number Publication date
JP3200794B2 (ja) 2001-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100246976B1 (ko) 내연기관용 점화코일
EP0896724A1 (en) Magnetic core-coil assembly for spark ignition systems
US7239224B2 (en) Ignition coil having center core
JPH0715853B2 (ja) エネルギ−蓄積型点火コイル
JP4380917B2 (ja) 容量性放電システムと磁心・コイル組立体を備えた火花点火システム
JPH09246069A (ja) 内燃機関の点火コイル
JP3028977U (ja) 内燃機関の点火コイル
US7098765B2 (en) Ignition coil having magnetic flux reducing inner structure
JPS59105308A (ja) 内燃機関の点火装置用の点火コイル
JP3200796B2 (ja) 内燃機関の点火コイル
JP3039984U (ja) 内燃機関の点火コイル
JP3028692U (ja) 内燃機関の点火コイル
JPH10112414A (ja) 点火コイル
JPH02228011A (ja) トランス
JP2004304199A (ja) 内燃機関用点火コイル
JP3031158U (ja) 内燃機関用点火コイル
JPH09306761A (ja) 内燃機関用点火コイル
US3680017A (en) Ignition coil for internal combustion engine
JPH0311876Y2 (ja)
JPH09167711A (ja) 内燃機関用点火コイル
JP3030184U (ja) 内燃機関用点火コイル
JP3029890U (ja) 内燃機関用点火コイル
JP2611713B2 (ja) 内燃機関の点火装置
JPH08195320A (ja) 内燃機関用点火コイル
KR900008215Y1 (ko) 자동차 엔진 점화코일용트랜스

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010508

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080622

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080622

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090622

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090622

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110622

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130622

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term