JP3028692U - 内燃機関の点火コイル - Google Patents

内燃機関の点火コイル

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JP3028692U
JP3028692U JP1996002195U JP219596U JP3028692U JP 3028692 U JP3028692 U JP 3028692U JP 1996002195 U JP1996002195 U JP 1996002195U JP 219596 U JP219596 U JP 219596U JP 3028692 U JP3028692 U JP 3028692U
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coil
core
wall hollow
magnetic circuit
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JP1996002195U
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孝 吉成
徹 田中
明公 信時
Original Assignee
阪神エレクトリック株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂製の筒形ケースを使用することな
く、点火プラグの火花エネルギー出力を高くし、且つ耐
久性に優れた点火コイルを得る。 【解決手段】 閉鎖した前端部に高圧端子9を有する樹
脂の前部筒8と、1次端子13を有する樹脂の後部筒1
1と、円筒形の磁性金属板を内外に複数層有する外装鉄
心兼用の内外多重壁中空筒16と、1次コイル1又は2
次コイル2のどちらか一方のコイルを巻回したボビン2
0を外周に嵌合した開磁路鉄心3とを有し、前記内外多
重壁中空筒16の前端部を前部筒8に、後端部を後部筒
11に夫々嵌合して固定し、前記外装鉄心兼用の内外多
重壁中空筒16の中心に前記一方のコイルを外周に有す
る開磁路鉄心3を配置すると共に、その外に前記他方の
コイルを同心状に設け、2次コイルを高圧端子9に、1
次コイル1を1次端子に夫々接続し、前部筒8の内部、
外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16で囲まれた内部、
及び後部筒11の内部に熱硬化性絶縁樹脂を充填し、該
絶縁樹脂層18中に開磁路鉄心と、1次コイル及び2次
コイルとを固定する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、エンジンの各気筒に設けられたプラグホールに挿入し、プラグホ ールの底にある点火プラグの頭部端子に高圧端子を電気的に接続し、点火プラグ に高電圧を印加する細長い筒形の点火コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
このように使用する点火プラグとして、閉鎖した前端部に高圧端子を有する樹 脂製の細長い肉厚0.8〜1mmの筒形ケースの内部の中心に開磁路鉄心、その 外に1次コイルを巻いた樹脂製の肉厚0.8〜1mm程度の1次ボビンと、2次 コイルを巻いた樹脂製の肉厚0.8〜1mm程度の2次ボビンとを同心状に設け ると共に、前記筒形ケースの内周面に珪素鋼板等の磁性金属板を円筒形に一回巻 いた外装鉄心を嵌合し、この筒形ケース中に注型した熱硬化性絶縁樹脂層中に開 磁路鉄心と1次ボビンに巻いた1次コイル、2次ボビンに巻いた2次コイル及び 外装鉄心を固定したものが実開平5−21423号公報により公知である。この ようにエンジンのプラグホールに挿入して装着する点火コイルは、プラグホール の内径が小さいため、樹脂製の筒形ケースの外径寸法は22〜24mmに制限さ れ、点火コイルの点火プラグに対する火花エネルギー出力は20mJ程度が限度 であった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
そして、樹脂製の筒形ケースの内周面に沿って固定される外装鉄心は厚さ0.3 5〜0.5mm程度の珪素鋼板を円筒形に一回巻いただけのものであるため、外 装鉄心の磁気シールド効果が少なく、使用時、エンジンのプラグホールに磁束が 洩れ、プラグホールに渦電流が流れて点火コイルによる点火プラグの火花エネル ギーが減衰し、効率を低下させていた。このためエンジンの燃料であるガソリン の混合気が理想混合気付近で運転され、点火コイルによる点火プラグの火花エネ ルギーを余り必要としない通常のエンジンに付いては実用性はあるが、リーンバ ーンエンジンや、代替燃料エンジンなどの点火コイルの点火プラグに対する火花 エネルギーを40mJ程度必要とするエンジンに付いては実用化がなされなかっ た。又、外装鉄心とプラグホールとの隙間で火花放電の毎に高圧コロナを発生し 、長期間に亘る使用時には樹脂の筒形ケースの絶縁が劣化し、失火する危険があ る。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本考案は、樹脂製の筒形ケースの代りに円筒形の磁性金属板、例えば珪 素鋼板を内外に複数層、密着して有する内外多重壁中空筒を使用して外装鉄心を 兼ね、これにより外装鉄心の断面積の増大で磁気シールド効果を向上し、外径寸 法が同じ従来の点火コイルよりも点火プラグの火花エネルギーを高くする点火コ イルを得るようにしたのである。
【0005】
【考案の実施の形態】
このため、本考案の請求項1の点火コイルは、閉鎖した前端部に高圧端子を有 する樹脂の前部筒と、1次端子を有する樹脂の後部筒と、円筒形の磁性金属板を 内外に複数層有する外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒と、1次コイル又は2次コ イルのどちらか一方のコイルを巻回したボビンを外周に嵌合した開磁路鉄心とを 有し、前記内外多重壁中空筒の前端部を前部筒に、後端部を後部筒に夫々嵌合し て固定し、前記外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒の中心に前記一方のコイルを外 周に有する開磁路鉄心を配置すると共に、その外に前記他方のコイルを同心状に 設け、2次コイルを高圧端子に、1次コイルを1次端子に夫々接続し、前部筒の 内部、外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒で囲まれた内部、及び後部筒の内部に熱 硬化性絶縁樹脂を充填し、該絶縁樹脂層中に開磁路鉄心と、1次コイル及び2次 コイルとを固定したことを特徴とする。本考案の請求項2の点火コイルは、閉鎖 した前端部に高圧端子を有する樹脂の前部筒と、1次端子を有する樹脂の後部筒 と、円筒形の磁性金属板を内外に複数層有する外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒 と、外周に薄い耐熱性絶縁シートを巻き、その外に1次コイル又は2次コイルの どちらか一方のコイルを巻回した開磁路鉄心とを有し、前記内外多重壁中空筒の 前端部を前部筒に、後端部を後部筒に夫々嵌合して固定し、前記外装鉄心兼用の 内外多重壁中空筒の中心に前記一方のコイルを外周に有する開磁路鉄心を配置す ると共に、その外に前記他方のコイルを同心状に設け、2次コイルを高圧端子に 、1次コイルを1次端子に夫々接続し、前部筒の内部、外装鉄心兼用の内外多重 壁中空筒で囲まれた内部、及び後部筒の内部に熱硬化性絶縁樹脂を充填し、該絶 縁樹脂層中に開磁路鉄心と、1次コイル及び2次コイルとを固定したことを特徴 とする。そして、請求項1の点火コイルの場合も、請求項2の点火コイルの場合 も、磁性金属板による外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒の少なくとも最内側層に 複数の開口部を設けることが好ましい。
【0006】
【実施例】
図示の各実施例において、1は1次コイル、2は2次コイル、3は開磁路鉄心 を示す。 開磁路鉄心3は、図2,図4では多数枚の短冊形珪素鋼板3´を断面形状が円 形に近くなるように積層して構成してあるが、例えば1枚の珪素鋼板を渦状に密 着して巻いて所定の直径にしたものでもよい。
【0007】 4は外周に1次コイル、又は2次コイル2を巻回する合成樹脂製の肉厚0.8 〜1mm程度のボビン筒で、このボビン筒4は前端が閉じ、後端が開放した細長 い筒形で、前端の中心には前向きの突起5と、後向きの凹部6を有し、後端部の 外周からは複数(図では3つ)の突出片7が放射状に突出する(図6A参照)。 前述した後向きの凹部6は開磁路鉄心の前端部を挿入し、筒内に開磁路鉄心3の 前端部を同心状に位置決めするためのものである。
【0008】 8は閉鎖した前端部の中心に高圧端子9を取付けた合成樹脂製の前部筒で、閉 鎖した前端部の中心に前記ボビン筒の前向きの突起5を受入れる受入筒10を後 向きに備えている。11は後部外周から突出したコネクタ部12に1次端子やア ース端子13を貫通状に装着した合成樹脂製の後部筒で、図6Bに示したように 内部の中心に開磁路鉄心の後端部を同心状に嵌合保持する支持筒14を備えてい る。この支持筒14は、後部筒の内周から半径方向内向きに突出する突出部14 ´で後部筒の内部に一体に支持されている。
【0009】 16は磁性金属板、例えば無方向性、或いは方向性の珪素鋼板16´を内外に 複数層有する外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒である。この内外多重壁中空筒1 6は、図2(A),図4(A)Aに示すように、厚さ0.35〜0.5mm程度 の珪素鋼板を2〜4回、円筒形に密着して渦巻き状に巻回することによりシール ド効果が高まり、点火コイルの出力エネルギーの減衰が非常に少なくなり、効率 が良くなる。又、珪素鋼板を厚さ0.1mm程度の低損失のものを使用し、10 〜15回程度密着して渦巻き状に巻回すれば更に効率が高まる。密着して巻回す る珪素鋼板の巻始めの端部と、巻終りの端部は巻回した緊縛力だけでも固定でき るが、必要ならば熔接、接着などして固定してもよい。
【0010】 又、この外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16は、図2(B),図4(B)に 示すように、1枚宛の薄い珪素鋼板を円筒形に丸めた、直径が異なる複数の円筒 体16a,16b,16c…を、直径が小さいものを内側、直径が大きいものを 外側にして内外多重に密着し、且つ各円筒体の、珪素鋼板同志の対向した継目1 6dを円周方向にずらせて嵌合して構成することもできる。
【0011】 尚、ボビン筒4の後端部の外周から放射状に突出する前述の複数の突出片7は 外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16の内周に接触し、ボビン筒の後端部を内外 多重壁中空筒16に対して同心状に位置決めするためのものである。
【0012】 前述した前部筒8と外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16の前端部、及びその 後端部と後部筒11を組立てるため、図示の各実施例では前部筒の後端部外周と 、後部筒の前端部内周には内外多重壁中空筒の前端部の内周と、後端部の外周が 嵌合して当接する環状段部8´,11´が設けてある。
【0013】 図1,2に示した請求項1の実施例では開磁路鉄心3に、外周に1次コイル1 を巻回した合成樹脂製の肉厚0.8〜1mm程度のボビン20を嵌め、ボビン筒 4の外周には図示を省略したが分割巻きで2次コイル2が巻回してある。
【0014】 この図1,2に示した請求項1の実施例の点火コイルを組立てるには、ボビン 筒の前向きの突起5を前部筒8の受入筒10に挿入し、2次コイルの高圧端を前 部筒の高圧端子9に電気的に接続すると共に、外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒 16の前端部を前部筒の後部外周の環状段部8´に当接するまで嵌合し、必要な らば接着して固定する。そして、開磁路鉄心3と、その外にボビン20を介して 巻回した1次コイルをボビン筒4の内部に後から入れ、開磁路鉄心の前端部をボ ビン筒の凹部6に挿入すると共に、開磁路鉄心の後部を後部筒の支持筒14内に 入れながら内外多重壁中空筒の後部の外周を後部筒の環状段部11´に当接する まで嵌合し、必要ならば接着して固定する。これにより2次コイルを外周に巻回 したボビン筒の後端の放射状の突出片7は内外多重壁中空筒の中空部の内周に接 触する。そして、1次コイルの電線などや、内外多重壁中空筒に取付けた電線を 後部筒に設けた切欠き15に通す等して1次端子やアース端子13に電気的に接 続する。
【0015】 こうして、外周にボビン20を介して1次コイルを設けた開磁路鉄心3に対し 2次コイルを外周に設けたボビン筒4、外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16、 前部筒8、後部筒11は同心状に保たれるため、後部筒11の後端内部からエポ キシ樹脂などの熱硬化性絶縁樹脂を真空注型する。これにより樹脂はボビン筒4 の中に後から流入し、ボビン筒の内周と、1次コイル1、開磁路鉄心3、支持筒 14との間を満たして固まると共に、ボビン筒の後端の放射状の突出片7,7の 間隔を通じ前部筒8の内部と、内外多重壁中空筒16の内周とボビン筒、2次コ イルとの間、及び後部筒11の内部を満たして固まり、こうして固まった樹脂層 18で開磁路鉄心と1次コイル、ボビン筒と2次コイル、前部筒、後部筒、及び 外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒は同心状に固定される。
【0016】 上述した図1,2の請求項1の点火コイルの実施例では、開磁路鉄心3に嵌め たボビン20の外周に1次コイルを巻回し、ボビン筒4の外周に分割巻きで2次 コイル2を巻回したが、逆に開磁路鉄心に嵌めるボビン20の外周に分割巻きで 2次コイルを巻回し、ボビン筒の外周に1次コイルを巻回しても同効である。
【0017】 図3,4に示した請求項2の点火コイルの実施例では開磁路鉄心3の長さの途 中に耐熱性絶縁シート21を1回ないし数回巻付けて絶縁し、その絶縁シート2 1上に1次コイル1を巻回する。耐熱性絶縁シート21としては厚さ0.1mm 程度の例えばガラス繊維の基材にエポキシ樹脂を含浸させたシートを用いること が好ましい。
【0018】 2次コイル2は、前述のボビン筒4の外周に図示を省略した分割巻きで巻回し てある。
【0019】 この図3,4の請求項2の実施例の点火コイルを組立てるには、ボビン筒の前 向きの突起5を前部筒8の受入筒10に挿入し、2次コイルの高圧端を前部筒の 高圧端子9に電気的に接続すると共に、外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16の 前端部を前部筒の後部外周の環状段部8´に当接するまで嵌合し、必要ならば接 着して固定する。そして、外周に絶縁シートを巻き、その上に1次コイルを巻回 した開磁路鉄心3をボビン筒4の内部に後から入れ、その前端部をボビン筒の凹 部6に挿入すると共に、開磁路鉄心の後部を後部筒の支持筒14内に入れながら 内外多重壁中空筒の後部の外周を後部筒の環状段部11´に当接するまで嵌合し 、必要ならば接着して固定する。これによりボビン筒4の後端の放射状の突出片 7は内外多重壁中空筒の中空部の内周に接触する。そして、1次コイルの電線な どや、内外多重壁中空筒に取付けた電線を後部筒に設けた切欠き15に通す等し て1次端子やアース端子13に電気的に接続する。
【0020】 こうして、外周に1次コイルが設けられた開磁路鉄心3に対してボビン筒4及 び2次コイル、外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒16、前部筒8、後部筒11は 同心状に保たれるため、後部筒11の後端内部からエポキシ樹脂などの熱硬化性 絶縁樹脂を真空注型する。これにより樹脂はボビン筒4の中に後から流入し、ボ ビン筒の内周と、1次コイル1、開磁路鉄心3、支持筒14との間を満たして固 まると共に、ボビン筒の後端の放射状の突出片7,7の間隔を通じ前部筒8の内 部と、内外多重壁中空筒16の内周とボビン筒、2次コイルとの間、及び後部筒 11の内部を満たして固まり、こうして固まった樹脂層18で開磁路鉄心と1次 コイル、ボビン筒と2次コイル、前部筒、後部筒、及び外装鉄心兼用の内外多重 壁中空筒は同心状に固定される。
【0021】 上述した図3,4の請求項2の実施例では開磁路鉄心の外に巻いた耐熱性絶縁 シート21上に1次コイルを巻回し、ボビン筒4の外周に2次コイルを巻回した が、逆に耐熱性絶縁シート21上に2次コイルを巻回し、ボビン筒4の外に1次 コイルを巻回しても同効である。
【0022】 そして、図示の各実施例では、外装鉄心を兼ねた内外多重壁中空筒16の前後 の各端部は前部筒の後部外周に設けた環状段部と、後部筒の前部内周の環状段部 に嵌めて固定したが、前部筒の後部内周と、後部筒の前部外周に、内外多重壁中 空筒16の前後の各端部が嵌入して当接する環状段部を設け、前部筒と内外多重 壁中空筒の前端部、及び内外多重壁中空筒の後端部と後部筒とを組立てゝもよい 。
【0023】 厚さ0.35〜0.5mm程度の珪素鋼板を密着して2〜4回巻回した外装鉄 心兼用の内外多重壁中空筒16の最内層を含む内側の1層又は数層の珪素鋼板や 、厚さ0.1mm程度の珪素鋼板を密着して10〜15回程度巻回した内外多重 壁中空筒の最内層を含む内側の数層の珪素鋼板、或いは1枚宛の珪素鋼板を、直 径を変えて円筒形に丸め、直径が小さいものを内側、直径が大きいものを外側に して内外多重密着して嵌合した複数の円筒体からなる外装鉄心兼用の内外多重壁 中空筒の場合は最外層以外の内層や、中層の珪素鋼板の円筒体に、図5Aに示す ように直径2〜3mm程度の孔を開口部17として例えば縦横に10mm程度の 間隔で、予め打抜いて開設しておくと、注型した熱硬化性絶縁樹脂が開口部17 を通じ密着した珪素鋼板の間隔に浸透して固まって珪素鋼板を固着するため、よ り堅固で、絶縁性に優れた外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒になる。尚、開口部 17は孔に限定されず図5Bに示すように幅が0.5〜1mm程度、長さは珪素 鋼板の長さの90%程度のスリットを円周方向に10mm程度の間隔で開設した ものでもよい。
【0024】 この点火コイルは、図1,図3に示すように、前部筒8の前端から同心状に突 出する前向き筒22に電気絶縁性で、弾力を有する、例えば合成ゴム製の筒形ブ ーツ23を嵌めて延長状に保持し、この筒形ブーツを先頭にしてエンジンのプラ グホール24に挿入し、プラグホールの底から突出する点火プラグ25の絶縁体 の外に筒形ブーツを弾力的に嵌めることにより高圧端子9を点火プラグの頭部端 子26に電気的に接触させて使用する。
【0025】
【考案の効果】
この考案の請求項1の点火コイルは、円筒形の珪素鋼板を内外に複数層、密着 して有する内外多重壁中空筒を有し、これが外装鉄心を兼ねるので磁気シールド 効果は極めて大であるため、効率は向上し、点火プラグの火花エネルギーは高ま る。使用時、外装鉄心とプラグホールとの隙間で火花放電毎に高圧コロナが発生 するが、外装鉄心は円筒形の珪素鋼板を複数層、密着して構成した内外多重壁中 空筒であるため、高圧コロナの発生による劣化は生ぜず、耐久性に優れたものと なる。
【0026】 外径が24mmの点火コイルを得る場合、従来の点火コイルで肉厚が1mmの 合成樹脂製の筒形ケースを使用し、その内周に厚さ0.5mmの珪素鋼板を1巻 した外装鉄心を沿わせると、外装鉄心の内径は、24mm−(2mm+1mm) =21.0mmになる。これに対し、請求項2に則り厚さ0.35mmの珪素鋼 板を3回、密着して巻回した外装鉄心兼用の渦巻き形の内外多重壁中空筒を使用 した場合の実施例Aでは、該筒の内径は24mm−(0.35×6)=21.9 mmであり、従来の21.0mmより内径は大である。又、同じく請求項2に則 り厚さ0.1mmの珪素鋼板を10回、密着して巻回した外装鉄心兼用の渦巻き 形の内外多重壁中空筒を使用した場合の実施例Bでは、該筒の内径は24mm− (0.1mm×20)=22mmであり、内径は矢張り従来例より大である。
【0027】 開磁路鉄心の直径を例えば8mmとし、従来はその外に厚さ1mmの合成樹脂 製のボビンを被せた場合、ボビンの外径は10mmになる。これに対し、開磁路 鉄心の直径を9.8mmとし、その外周に厚さ0.1mmの耐熱性絶縁シートを 2回、巻付けた請求項2の耐熱性絶縁シートの外径は10.0mmになり、外径 は同一であっても、開磁路鉄心の外径は従来例に比し大になるため、実質占積率 の向上を含め、開磁路鉄心の断面積は1.6倍になる。
【0028】 つまり、上述した従来例では外径10mmのボビンを嵌めた開磁路鉄心によっ て外径24mmの点火コイルを製造する場合、内径21.0mmの外装鉄心と、 外径10mmのボビンとの間に生じる21.0mm−10mm=11.0mmを 2等分した厚さ5.5mmの円筒形の空間中に1次コイルと、肉厚1mmの2次 コイルボビン、及び2次コイルを同心状に配置し、その間に熱硬化性絶縁樹脂に よる絶縁層を設けなければならなかった。
【0029】 しかし、1次コイルと、肉厚1mmのボビン筒、及び2次コイルを、請求項2 の実施例Aでは内径21.9mmの外装鉄心と、外径10.0mmの耐熱性絶縁 シートとの間に生じる21.9mm−10.0mm=11.9mmを2等分した 厚さ5.95mmの円筒形の空間中に配置すればよく、又、実施例Bでは内径2 2mmの外装鉄心と、外径10.0mm耐熱性絶縁シートとの間に生じる22m m−10.0mm=12.0mmを2等分した厚さ6.0mmの円筒形の空間中 に配置すれば良い。
【0030】 従って、請求項2の点火コイルは段落0025で述べた請求項1の効果をその まゝ有するほかに、開磁路鉄心や、外装鉄心(内外多重壁中空筒16)の断面積 をより大きくしたり、1次コイルや、2次コイルの巻線回数を増やして断面積を 大にすることができる。開磁路鉄心や、外装鉄心の断面積を大にすることにより 磁束量は増大する。そして、開磁路鉄心の断面積の増大により磁気シールド効果 はより向上する。又、1次コイルや、2次コイルの巻線回数の増加による断面積 の増大により同じ外径の点火コイルよりも、点火プラグが放電する火花エネルギ ーが非常に高い点火コイルになり、リンバーンエンジンや、代替燃料エンジンに 使用できる高性能な点火コイルになる。
【0031】 例えば、同じ外径の従来例の点火コイルに較べて開磁路鉄心の直径を8mmか ら9.8mmに大きくして断面積を約1.6倍にし、外装鉄心(内外多重壁中空 筒16)を厚さ0.35mmの珪素鋼板を3回、密着して巻回することによりそ の断面積を従来の約2倍としても、1次コイル、及び2次コイルの巻線面積を約 1.3倍に増加できるため、1次コイルに印加する1次電流を従来例と同じにし ても、開磁路鉄心に形成される磁束量は約1.7倍になり、1次コイル、及び2 次コイルの巻線回数は約1.2倍になるため、1次、2次インダクタンスは約2 倍になり、点火プラグの火花エネルギーの出力を約2倍に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の請求項1の点火コイルの一実施例の使
用状態の断面図である。
【図2】(A)は図1のII−II線での拡大断面図、
(B)は他の実施例の同様な拡大断面図である。
【図3】本考案の請求項2の点火コイルの一実施例の使
用状態の断面図である。
【図4】(A)は図3のIV−IV線での拡大断面図、
(B)は他の実施例の同様な拡大断面図である。
【図5】(A)は開口部を孔とした外装鉄心兼用の内外
多重壁中空筒の断面図、(B)は開口部をスリットとし
た外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒の断面図である。
【図6】(A)は2次ボビンを前から見た正面図、
(B)は同じく後部筒を前から見た正面図である。
【符号の説明】
1 1次コイル 1´ 耐熱性絶縁シート 2 2次コイル 3 開磁路鉄心 3´ 珪素鋼板 4 ボビン筒 8 前部筒 9 高圧端子 11 後部筒 13 1次端子(アース端子) 16 外装鉄心兼用の磁性金属板(珪素鋼板)製の内
外多重壁中空筒 17 内外多重壁中空筒の内層の珪素鋼板に開設した
開口部 18 熱硬化性絶縁樹脂層 20 開磁路鉄心の外周に嵌めたボビン 21 開磁路鉄心の外周に巻付けた耐熱性絶縁シート 23 筒形ブーツ 24 プラグホール 25 点火プラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9375−5E H01F 31/00 501M

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉鎖した前端部に高圧端子を有する樹脂
    の前部筒と、1次端子を有する樹脂の後部筒と、円筒形
    の磁性金属板を内外に複数層有する外装鉄心兼用の内外
    多重壁中空筒と、1次コイル又は2次コイルのどちらか
    一方のコイルを巻回したボビンを外周に嵌合した開磁路
    鉄心とを有し、前記内外多重壁中空筒の前端部を前部筒
    に、後端部を後部筒に夫々嵌合して固定し、前記外装鉄
    心兼用の内外多重壁中空筒の中心に前記一方のコイルを
    外周に有する開磁路鉄心を配置すると共に、その外に前
    記他方のコイルを同心状に設け、2次コイルを高圧端子
    に、1次コイルを1次端子に夫々接続し、前部筒の内
    部、外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒で囲まれた内部、
    及び後部筒の内部に熱硬化性絶縁樹脂を充填し、該絶縁
    樹脂層中に開磁路鉄心と、1次コイル及び2次コイルと
    を固定したことを特徴とする内燃機関の点火コイル。
  2. 【請求項2】 閉鎖した前端部に高圧端子を有する樹脂
    の前部筒と、1次端子を有する樹脂の後部筒と、円筒形
    の磁性金属板を内外に複数層有する外装鉄心兼用の内外
    多重壁中空筒と、外周に薄い耐熱性絶縁シートを巻き、
    その外に1次コイル又は2次コイルのどちらか一方のコ
    イルを巻回した開磁路鉄心とを有し、前記内外多重壁中
    空筒の前端部を前部筒に、後端部を後部筒に夫々嵌合し
    て固定し、前記外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒の中心
    に前記一方のコイルを外周に有する開磁路鉄心を配置す
    ると共に、その外に前記他方のコイルを同心状に設け、
    2次コイルを高圧端子に、1次コイルを1次端子に夫々
    接続し、前部筒の内部、外装鉄心兼用の内外多重壁中空
    筒で囲まれた内部、及び後部筒の内部に熱硬化性絶縁樹
    脂を充填し、該絶縁樹脂層中に開磁路鉄心と、1次コイ
    ル及び2次コイルとを固定したことを特徴とする内燃機
    関の点火コイル。
  3. 【請求項3】 請求項1と、請求項2のどちらか1項に
    記載の内燃機関の点火コイルにおいて、磁性金属板によ
    る外装鉄心兼用の内外多重壁中空筒の少なくとも最内側
    層に複数の開口部を設けたことを特徴とする内燃機関の
    点火コイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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