JP2004304199A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

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    • H01F38/00Adaptations of transformers or inductances for specific applications or functions
    • H01F38/12Ignition, e.g. for IC engines
    • H01F2038/125Ignition, e.g. for IC engines with oil insulation

Abstract

【目的】 火花放電させるのに必要な電気的高エネルギを点火プラグに供給でき、しかもプラグチューブ内に装着可能であって小型化可能な低コストの内燃機関用点火コイルを提供する。
【構成】 内燃機関用点火コイル1は、主にトランス部5と制御回路部7と接続部6とから構成され、トランス部5は、開磁路構造を形成する鉄心502と磁石504、506と二次スプール510と二次コイル512と一次スプール514と一次コイル516から構成される。鉄心502の横断面積SCを39〜54mm2、磁石504、506の横断面積SMと鉄心502の横断面積SCとの比を0.7〜1.4、鉄心502の軸方向長さLcと一次、二次コイルの巻幅Lとの比率を0.9〜1.2、巻幅Lを50〜90mmにそれぞれ設定することにより、ケース100の外径Aを大きくすることなく、一次コイル516に発生する一次エネルギを増加させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関用点火コイルに関し、詳細には、開磁路構造を有する内燃機関用点火コイルに関するものである。
従来より、内燃機関に設けられる点火コイルは、点火コイルで発生させた高電圧を車両等のボディに装着されているディストリビュータにより分配した後、各点火プラグに接続されている高圧コードを経由して各点火プラグに供給している。
ところが、この種の点火コイルによると、点火コイルから点火プラグに達するまでに経由する高圧コード、ディストリビュータ等により供給エネルギが降下するため、この降下分を考慮して点火コイルを設計する必要がある。このため、点火コイル内のコイル部等の体積が増加し、点火コイル本体の体格が大きくなるという問題がある。
そこで、特開平3−154311号公報に開示される点火コイルは、機関本体の上部から点火プラグの装着孔に向けて設けられたプラグチューブ内に装着可能な細い円筒状の外形を有し、この点火コイルから点火プラグへの直接給電を可能にしている。
しかしながら、特開平3−154311号公報に開示されている点火コイルによると、上下両端部等に希土類磁石からなる複数の永久磁石を配設した一次コアと、この一次コアの外周に巻回される一次コイル、二次コイルと、この一次コイル、二次コイル等を収容する外周コアとからなるコイル部を備えており、比較的高価な希土類磁石を多数必要とすることからコストが増大するという問題がある。
本発明の目的は、火花放電させるのに必要な電気的高エネルギを点火プラグに供給可能な内燃機関用点火コイルを提供することである。また本発明の別の目的は、プラグチューブ内に装着可能であって小型化可能な内燃機関用点火コイルを提供することである。
前記の課題を解決するための本発明による請求項1記載の内燃機関用点火コイルは、磁束を通す棒状の磁路構成部材と、前記磁路構成部材の外周に設けられる筒状の第1のスプール、ならびにこの第1のスプールの内周または外周に設けられる筒状の第2のスプールと、前記第1のスプールの巻装される一次コイル、ならびに前記第2のスプールに巻装される二次コイルと、を備え、前記磁路構成部材の径方向断面積Sc(mm2)が39≦Sc≦54であり、前記一次コイルおよび前記二次コイルを巻装する巻幅Lと前記磁路構成部材の軸方向長さLcとの比が0.9≦Lc/L≦1.2であり、かつ前記巻幅L(mm)が50≦L≦90であることを特徴とする。
また、本発明による請求項2記載の内燃機関用点火コイルは、請求項1記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成部材と前記スプールと前記コイルとは、ケースにより収容され、該ケースの胴体筒状外径は、24mm未満であることを特徴とする。
また、本発明による請求項3記載の内燃機関用点火コイルは、請求項1記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成部材は、方向性珪素鋼板を棒状に積層し構成されることを特徴とする。
また、請求項4記載の内燃機関用点火コイルは、前記磁路構成部材は、その外径寸法D(mm)が8.5以下とされ、この外径寸法の下で前記径方向断面積Scを実現する厚さの前記方向性珪素鋼板を積層して構成されることを特徴とする。
また、本発明による請求項5記載の内燃機関用点火コイルは、請求項1〜4のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成部材の端部には、磁石が配設されていることを特徴とする。
また、請求項6記載の内燃機関用点火コイルは、請求項1〜5のいずれか一項の内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成部材の両端には磁石が配設され、前記磁路構成部材に対向する前記磁石の端面の面積SMと前記磁路構成部材の径方向断面積Scとの比が0.7≦SM/Sc≦1.4となることを特徴とする。
また、本発明による請求項7記載の内燃機関用点火コイルは、請求項1〜6のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記コイルの外周に設けられ、軸方向にスリットが形成される筒状の補助コアを備え、前記磁路構成部材と前記一次コイルと前記二次コイルと前記補助コアとが開磁路を構成することを特徴とする。
本発明の請求項1記載の内燃機関用点火コイルによると、磁路構成部材の径方向断面積ScがSc≧39(mm2)に設定されることから、内燃機関等が要求する30mJの電気的エネルギを発生させることができ、かつ磁路構成部材の径方向断面積ScがSc≦54(mm2)に設定されることから、ケース外径を小型化できる。これにより、点火コイルの体格を大きくすることなく、内燃機関等が要求する30mJの電気的エネルギを発生させることができる。
また、磁路構成部材の軸方向長さLcとコイルを巻装する巻幅Lとの比が0.9≦Lc/L≦1.2に加え、巻幅L(mm)が50≦L≦90になるように設定されることから、点火コイルの外径を大きくすることなく、コイルに発生させる電気的エネルギをさらに増加させることができる。これにより、内燃機関が要求する二次エネルギ量に応じケース外径を小さく設定でき、また磁石の必要個数を1個または磁石を使用しない構成にできるため、安価な内燃機関用点火コイルを提供できる効果がある。
また、本発明の請求項2記載の内燃機関用点火コイルによると、前記磁路構成部材と前記スプールと前記コイルとを収容するケースを設けた場合には、該ケースの胴体筒状外径を、24mm未満とすることができる。
また、本発明の請求項3記載の内燃機関用点火コイルによると、磁路構成部材は、方向性珪素鋼板を棒状に積層して構成することから、渦電流損を低減できる。これにより、コイルに発生させる電気的エネルギを増加させる効果がある。
また、本発明の請求項4記載の内燃機関用点火コイルによると、磁路構成部材は、外径寸法D(mm)が8.5以下とされ、この外径寸法の下で径方向断面積Sc(mm2)を39≦Sc≦54の範囲に実現する厚さの方向性珪素鋼板を積層して構成されることから、磁路構成部材の外周にコイルが巻装されたスプールを設けても、ケース外径を小型化することができる。これにより、ケース外径を大きくすることなく、内燃機関等が要求する30mJの電気的エネルギを発生させる効果がある。
本発明の請求項5記載の内燃機関用点火コイルのように、磁器構成部材の端部に磁石が配設されている時には、磁路構成部材の軸方向長さLcとコイルを巻装する巻幅Lとの比がLc/L≧0.9に設定されることから、磁路構成部材の両端に配設した磁石がコイルの巻幅Lの範囲内に大きく入込むことがなく、磁石の反磁界によるコイルの有効磁束の減少を抑制し、かつLc/L≦1.2に設定されることから、コイルの巻幅Lに対して磁石の間隔が広くなりすぎることがなく、磁石バイアス磁束が良好に作用する範囲に磁路構成部材の両端に配設した磁石が位置させることができる。
また、本発明の請求項6記載の内燃機関用点火コイルによると、磁路構成部材の両端に磁石が配設されるため磁石バイアス磁束が加わり、磁路構成部材に対向する磁石の端面の面積SMと磁路構成部材の径方向断面積Scとの比がSM/Sc≧0.7に設定されることから、磁石バイアス磁束が良好に作用し、かつSM/Sc≦1.4になるように設定されることから、ケース外径を24mm未満にすることができる。これにより、ケース外径を大きくすることなく、コイルに発生させる電気的エネルギをより増加させる効果がある。また、磁石の必要個数が2個であることから、従来の内燃機関用点火コイルより磁石の使用個数を減少させることができ、安価な内燃機関用点火コイルを提供できる効果がある。
さらに、本発明の請求項7記載の内燃機関用点火コイルによると、コイルの外周に補助コアが設けられることから、磁路構成部材と一次コイルと二次コイルと補助コアとが開磁路を構成し、磁石に加わる反磁界を閉磁路より減少させることができる。これにより、例えば閉磁路を構成するときに使用する比較的高価な希土類磁石より減磁に対して弱い安価な希土類磁石を使用することができ、部品コストを低減する効果がある。また磁路構成部材と一次コイルと二次コイルと補助コアとが開磁路を構成すると、磁路構成部材と一次コイルと二次コイルとが構成する磁路からの漏れ磁束を補助コアによって抑制することができ、さらに補助コアには軸方向にスリットが形成されていることから、補助コアの周方向に渦電流が流れるのを防止し、渦電流損を抑える。これにより、二次コイルに発生する二次エネルギを内燃機関用点火コイルから効率良く取出せる効果がある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本発明の一実施例による内燃機関用点火コイルを図1〜図6に示す。内燃機関用点火コイル1は、図示しない機関本体の上部に形成される気筒毎のプラグホール内に収容されており、このプラグホール内に位置する図示しないプラグチューブに内燃機関用点火コイル1の周囲が覆われている。
図1に示すように、内燃機関用点火コイル1は、主に円筒状のトランス部5と、このトランス部5の一方の端部に位置しトランス部5の一次電流を断続する制御回路部7と、トランス部5の他方の端部に位置しトランス部5に発生する二次電圧を図示しない点火プラグに供給する接続部6とから構成されている。内燃機関用点火コイル1は、樹脂材料からなる円筒状のケース100を備えており、このケース100の内側に形成されている収容室102内には、高電圧発生用のトランス部5と制御回路部7とトランス部5の周囲を満たす絶縁油29とが収容されている。このケース100の外径Aは24mmに設定されており、図示しないプラグチューブの内径に適合するように形成されている。収容室102の上端部には、制御信号入力用コネクタ9と固定用ブラケット11とが設けられ、また収容室102の下端部には、後述するカップ15の底部により閉塞された底部104が形成されている。このカップ15の外周壁は、ケース100の下端に位置する接続部6に覆われている。
接続部6には、ケース100によって図示しない点火プラグを収容する筒部105が形成され、この筒部105の開口端にはゴムからなるプラグキャップ13が装着されている。筒部105の上端に位置する底部104には、導電部材としての金属製のカップ15がケース100の樹脂材料中にインサート成形されている。このため、収容室102と接続部6とは液密に区画されている。
カップ15の底部に係止されているスプリング17は、圧縮コイルスプリングからなり、接続部6内に挿入される図示しない点火プラグの電極部がスプリング17の他端部に電気的に接触するようになっている。制御信号入力用コネクタ9は、コネクタハウジング18とコネクタピン19とから構成されている。コネクタハウジング18は、ケース100と一体成形されており、このコネクタハウジング18内に位置する3本のコネクタピン19がケース100を貫通し外部と接続可能にコネクタハウジング18にインサート成形されている。
固定用ブラケット11は、ケース100と一体成形され、金属製のカラー21がインサート成形されている。内燃機関用点火コイル1は、このカラー21に貫通して設けられる図示しないボルトにより図示しないエンジンヘッドカバーに固定される。トランス部5は、開磁路構造を形成する鉄心502と磁石504、506と二次スプール510と二次コイル512と一次スプール514と一次コイル516から構成されている。
円柱状の鉄心502は、薄い方向性珪素鋼板、例えば板厚0.27mmの板材を断面がほぼ円形となるように重ねて組立られている。この鉄心502の両端には、コイルにより励磁されて発生する磁束の方向とは逆方向の極性を有する磁石504、506がそれぞれ設けられている。この磁石504、506は、例えばサマリウム−コバルト磁石からなるが、図2に示すように、磁石504、506の厚さTを2.5mm以上に設定することにより、例えばネオジウム磁石を使用することができる。これは、後述する一次スプール514の外側に装着された補助コア508によりいわゆる半閉磁路を構成することによって、磁石504、506に加わる反磁界を閉磁路より少ない2〜3kOe(キロエールステッド)に減少させることができるためである。磁石504、506にネオジウム磁石を使用することにより、150℃の環境下においても使用可能な内燃機関用点火コイル1が低コストに構成できる。
樹脂成形品である二次スプール510は、両端部に鍔部を有する有底円筒状に形成されており、底部510aにより下端部がほぼ閉塞されている。この二次スプール510の内部には、前記鉄心502と磁石506とが収容され、二次スプール510の外周には二次コイル512が巻回されている。底部510aには、二次コイル512の一端が電気的に接続されたターミナルプレート33が固定され、このターミナルプレート33にカップ15と接触するためのスプリング27が固定されている。これらターミナルプレート15とスプリング27とがスプール側導電部材として機能し、二次コイル512に誘起された高電圧がターミナルプレート33、スプリング27、カップ15、スプリング17を経由して図示しない点火プラグの電極部に供給される。
樹脂成形品である一次スプール514は、両端部に鍔部を有する有底円筒状に成形されており、蓋部514aにより上端部がほぼ閉塞されている。この一次スプール514の外周には一次コイル516が巻回されている。一次スプール514は、二次スプール510に巻回された二次コイル512を覆うように設けられている。このため、一次スプール514の蓋部514aと二次スプール510の底部510aとの間に、両端に磁石504、506を備えた鉄心502が挟持されている。
一次スプール514の蓋部514aには、一次コイル516の両端と二次コイル512の一端とが接続される複数のターミナルが保持されている。この複数のターミナルには、コネクタ9のコネクタピン19、制御回路部7が接続されている。蓋部514aの上側に保持されている制御回路部7から3本のリードが引き出され、これらのリードがコネクタピン19および前記複数のターミナルにはんだ付けされている。
制御回路部7は、一次コイル516への通電電流を断続するパワートラジスタと、このパワートラジスタの制御信号を発生するイグナイタである制御回路とを樹脂モールドして構成されている。またパワートラジスタ等の放熱用として、別体のヒートシンク702が制御回路部7に接着されている。一次スプール514のさらに外側には、補助コア508が装着されている。この補助コア508は、薄い珪素鋼板、例えば無方向性例えば板厚0.5mmの板材を筒状に巻回することにより形成され、巻回開始端と巻回終了端とが接続されていないことから軸方向に隙間が形成されている。また、補助コア508は、磁石504の外周位置から磁石506の外周位置にわたる軸方向長さを有する。
なお、補助コア508は、例えば板厚0.35mmの鋼板を2枚使用して補助コアを形成しても良い。次に、内燃機関用点火コイル1の一次コイル516に必要な電気的エネルギ(以下「一次エネルギ」という)について説明する。通常、点火プラグが放電する火花により混合気が着火するためには、20mJ(ミリジュール)以上の電気的エネルギを点火プラグに供給する必要がある。そのため、点火プラグによる損失5mJおよび余裕度等を考慮すると、最小限30mJの電気的エネルギを二次コイル512に発生させる必要がある(以下、二次コイル512に発生させる電気的エネルギを「二次エネルギ」という)。
そこで、図2に示す磁気モデルに基づいて、一次コイル516に必要な一次エネルギの計算を有限要素法による磁場解析(以下「FEM磁場解析」という)により行った。また実験により一次エネルギ、二次エネルギを求め、その結果から二次エネルギが30mJに達する条件等の検討を行った。ここで、一次エネルギは、図3に示す斜線部Sの面積を求めることにより算出することができ、具体的には、FEM磁場解析によって数1を計算する。
W : 一次エネルギ (J)
N : 一次コイルの巻数
I : 一次コイル電流 (A)
Φ : 一次コイルの磁束 (Wb)
また、二次コイル512に30mJの二次エネルギを発生させるためには、一次コイル516に36mJの一次エネルギを発生させる必要があることを実験により確認している。
図2に示す磁気モデルに基づいて行ったFEM磁場解析の結果が、図4〜図6に示されており、鉄心502の横断面積Sc、鉄心502の軸方向長さLc、磁石504、506の横断面積SMをパラメータとした一次エネルギ、磁石バイアス磁束の各特性が表されている。図4に示す一次エネルギの特性は、220回巻いた一次コイル516に6.5Aの電流を流した状態で、磁石504、506の横断面積SMと鉄心502の横断面積Scとの比を鉄心502の横断面積Sc毎に変化させて得たものである。ここで、図4中、点線で示されている部分は、データ採取を行っていないが、予測により特定可能な特性を表している。
図4に示すように、一次エネルギは、SM/Scが大きいほど増加し、またSCが大きいほど増加していることが判る。これは、SM/Scが大きいほど、磁路の一部を構成する鉄心502の両端に配設された磁石504、506による磁石バイアス磁束が良好に作用しているためである。さらに前述したように、一次コイル516に必要な一次エネルギの最小値である36mJを超える一次エネルギを発生させるためには、鉄心502の横断面積Scを39mm2以上に設定することが必要になることが判る。
これにより、SM/Scを0.7以上、Scを39mm2以上に設定すれば良いことになる。ここで、鉄心502は、方向性珪素鋼板を積層して構成することから、外周に生ずる段差により図2に示す鉄心502の外径Dが余分に大きくなる。例えば生産性の面から板厚0.27mmの方向性珪素鋼板を用いた場合、鉄心502の実質の断面積Scを39mm2とするには7.2mmの外径Dが少なくとも必要になる。ところが、一次コイル516の外周を覆うケース100の外径寸法Aの制約上、SM/Scが1.4を超えて、またScが54mm2 を超えてそれぞれ設定することが難しいことから、SM/Scを1.4以下、Sc54mm2 以下に設定することを要求される。この断面積Scを54mm2 とするには、前述の同じ条件で8.5mmの外径Dが必要である。
したがって、SM/Scを0.7≦SM/Sc≦1.4の範囲に、Sc(mm2 )を39≦Sc≦54の範囲にそれぞれ設定することにより、低コストな設計仕様に対応することができる。また、ケース100の体格を大きくすることなく、二次エネルギの増加を図ることができる。図5に示す磁石504、506による磁石バイアス磁束の特性は、220回巻いた一次コイル516に電流を流さない状態、すなわち一次エネルギが発生しない状態で、補助コア508の軸方向長さLaを一定幅の90mmにしたとき、鉄心502の軸方向長さLcと一次、二次コイルの巻幅Lとの比を変化させて得たものである。ここで、一次、二次コイルの巻幅Lは、65mmに設定されている。これは、ケース100の体格に影響しやすい一次コイル516の設計仕様によるものである。つまり、イグナイタを構成するパワートランジスタの発熱量および内燃機関の始動性から一次コイル516の抵抗値が0.5〜1.4Ωの範囲であることが要求され、さらにケース100の外径Aを24mm未満にすることが要求されていることから、一次、二次コイルの巻幅L(mm)を50≦L≦90の範囲内に設定している。なお、より望ましくはこの巻幅L(mm)は、50≦L≦70の範囲内に設定される。またケース100の外径Aを23mm以下に設定しても良い。
図5に示すように、磁石504、506による磁石バイアス磁束は、Lc/Lが大きいほど減少していることが判る。これは、Lc/Lが大きくなるほど、すなわち、鉄心502の軸方向長さLcが長くなるほど磁石504と磁石506との距離が大きくなることから、磁石504、506の磁化力が効かなくなるためである。この磁石バイアス磁束の減少は、図6に示す一次エネルギの増加に影響している。
図6に示す一次エネルギの特性は、220回巻いた一次コイル516に6Aの電流を流し、補助コア508の軸方向長さLaを一定幅の90mmにしたとき、鉄心502の軸方向長さLcと一次、二次コイルの巻幅Lとの比を変化させて得たものである。図6に示すように、一次エネルギは、Lc/Lが1.0≦Lc/L≦1.1の範囲でほぼ最大を示し、その前後では減少していることが判る。Lc/Lが小さくなると一次エネルギが減少するのは、前述のように、Lc/Lが小さくなるほど磁石バイアス磁束が増加するが、補助コア508の軸方向長さLaとの兼合いで見かけ上の磁気回路の磁気抵抗が増加するためである。つまり、一定起磁力のもとでは磁束が減少することになり、Lc/Lが1.0より小さくなると一次エネルギが減少するのである。また、Lc/Lが1.1より大きくなると一次エネルギが減少するのは、前述のように、Lc/Lが大きくなるほど磁石バイアス磁束が減少するためである。
さらに、Lc/Lが0.9より小さくなると磁石504と磁石506との間隔が狭くなり、磁石504、506が一次コイル516、二次コイル512それぞれの巻線範囲内に大きく入込むため、磁石504、506の反磁界により1次コイル516で作られる有効磁束が減少することも確認している。また、Lc/Lが1.2より大きくなると一次、二次コイルの巻幅Lに対して磁石504と506との間隔が広くなり磁石バイアス磁束が良好に作用しなくなることから、Lc/Lを1.2以下に設定することを要求される。したがって、Lc/Lを0.9≦Lc/L≦1.2の範囲に設定することにより、一次コイル516により発生する一次エネルギをさらに増加させることができる。
本実施例の内燃機関用点火コイル1によると、トランス部5を構成する鉄心502の横断面積Sc(mm2)の範囲を39≦Sc≦54、磁石504、506の横断面積SMと鉄心502の横断面積Scとの比の範囲を0.7≦SM/Sc≦1.4、鉄心502の軸方向長さLcと一次、二次コイルの巻幅Lとの比の範囲を0.9≦Lc/L≦1.2、巻幅L(mm)の範囲を50≦L≦90にそれぞれ設定することにより、ケース100の外径Aを大きくすることなく、一次コイル516に発生する一次エネルギを増加させることができる。これにより、二次コイル512に発生する二次エネルギを増加させることができ、希土類磁石の使用個数を減少させる効果がある。また、ケース100の体格を大きくすることなく、二次エネルギを増加させることから、内燃機関用点火コイル1を従来のプラグチューブにそのまま適用させることができ、内燃機関の混合気の着火性能を向上させる効果がある。さらに、比較的高価な希土類磁石の使用個数が減少することから、内燃機関用点火コイル1を低コストな設計仕様に対応させることができる効果がある。
なお、本実施例では、一次コイル516が二次コイル512の外側に位置しているが、本発明では、一次コイル516が二次コイル512の内側に位置しても良く、同様の効果が得られる。また、本実施例では、鉄心502の上下両端に磁石504、506を配設した構成にしたが、本発明では、これに限られることはなく、内燃機関が要求する二次エネルギ量に応じて適切な鉄心の横断面積を設定することにより使用する磁石の個数を1個にした構成または磁石を使用しない構成にしても良い。
本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの縦断面図である。 本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの磁気モデル図である。 本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの一次コイルの電流Iに対する磁束NΦを示す特性図である。 本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの磁石の横断面積SMと鉄心の横断面積Scとの比に対する一次エネルギを示す特性図である。 本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの鉄心の軸方向長さLcと一次、二次コイルの巻幅Lとの比に対する磁石バイアス磁束を示す特性図である。 本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの鉄心の軸方向長さLcと一次、二次コイルの巻幅Lとの比に対する一次エネルギを示す特性図である。
符号の説明
1 内燃機関用点火コイル
5 トランス部
6 接続部
7 制御回路部
100 ケース
502 鉄心(磁路構成部材)
504、506 磁石
508 補助コア
510 二次スプール(スプール)
512 二次コイル(コイル)
514 一次スプール(スプール)
516 一次コイル(コイル)
L 一次、二次コイルの巻幅(巻幅)
La 補助コアの軸方向長さ
Lc 鉄心の軸方向長さ(磁路構成部材の軸方向長さ)

Claims (7)

  1. 磁束を通す棒状の磁路構成部材と、
    前記磁路構成部材の外周に設けられる筒状の第1のスプール、ならびにこの第1のスプールの内周または外周に設けられる筒状の第2のスプールと、
    前記第1のスプールの巻装される一次コイル、ならびに前記第2のスプールに巻装される二次コイルと、
    を備え、
    前記磁路構成部材の径方向断面積Sc(mm2)が39≦Sc≦54であり、
    前記一次コイルおよび前記二次コイルを巻装する巻幅Lと前記磁路構成部材の軸方向長さLcとの比が0.9≦Lc/L≦1.2であり、かつ前記巻幅L(mm)が50≦L≦90であることを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 前記磁路構成部材と前記スプールと前記コイルとは、ケースにより収容され、該ケースの胴体筒状外径は、24mm未満であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火コイル。
  3. 前記磁路構成部材は、方向性珪素鋼板を棒状に積層し構成されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 前記磁路構成部材は、その外径寸法D(mm)が8.5以下とされ、この外径寸法の下で前記径方向断面積Scを実現する厚さの前記方向性珪素鋼板を積層して構成されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関用点火コイル。
  5. 前記磁路構成部材の端部には、磁石が配設されていることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイル。
  6. 前記磁路構成部材の両端には磁石が配設され、前記磁路構成部材に対向する前記磁石の端面の面積SMと前記磁路構成部材の径方向断面積Scとの比が0.7≦SM/Sc≦1.4となることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイル。
  7. 前記コイルの外周に設けられ、軸方向にスリットが形成される筒状の補助コアを備え、
    前記磁路構成部材と前記一次コイルと前記二次コイルと前記補助コアとが開磁路を構成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイル。
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