JPH08213259A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JPH08213259A
JPH08213259A JP7318065A JP31806595A JPH08213259A JP H08213259 A JPH08213259 A JP H08213259A JP 7318065 A JP7318065 A JP 7318065A JP 31806595 A JP31806595 A JP 31806595A JP H08213259 A JPH08213259 A JP H08213259A
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JP
Japan
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coil
magnetic path
internal combustion
combustion engine
spool
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Application number
JP7318065A
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English (en)
Inventor
Masami Kojima
政美 小島
Kazutoyo Osuga
一豊 大須賀
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 火花放電させるのに必要な電気的高エネルギ
を点火プラグに供給でき、しかもプラグチューブ内に装
着可能であって小型化可能な低コストの内燃機関用点火
コイルを提供する。 【構成】 内燃機関用点火コイル1は、主にトランス部
5と制御回路部7と接続部6とから構成され、トランス
部5は、開磁路構造を形成する鉄心502と磁石50
4、506と二次スプール510と二次コイル512と
一次スプール514と一次コイル516から構成され
る。鉄心502の横断面積SC を39〜54mm2
磁石504、506の横断面積SM と鉄心502の横
断面積SC との比を0.7〜1.4、鉄心502の軸
方向長さLc と一次、二次コイルの巻幅Lとの比率を
0.9〜1.2、巻幅Lを50〜90mmにそれぞれ
設定することにより、ケース100の外径Aを大きくす
ることなく、一次コイル516に発生する一次エネルギ
を増加させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用点火コイル
に関し、詳細には、開磁路構造を有する内燃機関用点火
コイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関に設けられる点火コ
イルは、点火コイルで発生させた高電圧を車両等のボデ
ィに装着されているディストリビュータにより分配した
後、各点火プラグに接続されている高圧コードを経由し
て各点火プラグに供給している。
【0003】ところが、この種の点火コイルによると、
点火コイルから点火プラグに達するまでに経由する高圧
コード、ディストリビュータ等により供給エネルギが降
下するため、この降下分を考慮して点火コイルを設計す
る必要がある。このため、点火コイル内のコイル部等の
体積が増加し、点火コイル本体の体格が大きくなるとい
う問題がある。
【0004】そこで、特開平3−154311号公報に
開示される点火コイルは、機関本体の上部から点火プラ
グの装着孔に向けて設けられたプラグチューブ内に装着
可能な細い円筒状の外形を有し、この点火コイルから点
火プラグへの直接給電を可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−154311号公報に開示されている点火コイルに
よると、上下両端部等に希土類磁石からなる複数の永久
磁石を配設した一次コアと、この一次コアの外周に巻回
される一次コイル、二次コイルと、この一次コイル、二
次コイル等を収容する外周コアとからなるコイル部を備
えており、比較的高価な希土類磁石を多数必要とするこ
とからコストが増大するという問題がある。
【0006】本発明の目的は、火花放電させるのに必要
な電気的高エネルギを点火プラグに供給可能な内燃機関
用点火コイルを提供することである。また本発明の別の
目的は、プラグチューブ内に装着可能であって小型化可
能な内燃機関用点火コイルを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明による請求項1記載の内燃機関用点火コイル
は、磁束を通す棒状の磁路構成部材と、前記磁路構成部
材の外周に設けられるスプールと、前記スプールに巻装
されるコイルと、前記磁路構成部材と前記スプールと前
記コイルとを収容するケースと、を備え、前記磁路構成
部材の径方向断面積SC (mm2 )が39≦SC ≦5
4、かつ前記ケースの胴体筒状部外径が24mm未満で
あることを特徴とする。
【0008】また、本発明による請求項2記載の内燃機
関用点火コイルは、請求項1記載の内燃機関用点火コイ
ルにおいて、前記磁路構成部材は、方向性珪素鋼板を棒
状に積層し構成されることを特徴とする。また、本発明
による請求項3記載の内燃機関用点火コイルは、請求項
2記載の内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成
部材は、その外径寸法D(mm)が8.5以下とされ、
この外径寸法の下で前記径方向断面積SC を実現する厚
さの前記方向性珪素鋼板を積層して構成されることを特
徴とする。
【0009】また、本発明による請求項4記載の内燃機
関用点火コイルは、請求項1〜3のいずれか一項記載の
内燃機関用点火コイルにおいて、前記磁路構成部材の両
端には磁石が配設され、前記磁路構成部材に対向する前
記磁石の端面の面積SM と前記磁路構成部材の径方向断
面積SC との比が0.7≦SM /SC ≦1.4となるこ
とを特徴とする。
【0010】また、本発明による請求項5記載の内燃機
関用点火コイルは、請求項1〜4のいずれか一項記載の
内燃機関用点火コイルにおいて、前記スプールは、前記
磁路構成部材の外周に設けられる筒状の第1のスプール
とこの第1のスプールの内周または外周に設けられる筒
状の第2のスプールとを有し、前記コイルは、前記第1
のスプールに巻装される一次コイルと前記第2のスプー
ルに巻装される二次コイルを有し、前記コイルの外周に
設けられ、軸方向にスリットが形成される筒状の補助コ
アを備え、前記磁路構成部材と前記一次コイルと前記二
次コイルと前記補助コアとが開磁路を構成することを特
徴とする。
【0011】また、本発明による請求項6記載の内燃機
関用点火コイルは、請求項1〜5のいずれか一項記載の
内燃機関用点火コイルにおいて、前記コイルを巻装する
巻幅Lと前記磁路構成部材の軸方向長さLC との比が
0.9≦LC /L≦1.2であり、かつ前記巻幅L(m
m)が50≦L≦90であることを特徴とする。
【0012】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載の内燃
機関用点火コイルによると、磁路構成部材の径方向断面
積SC がSC ≧39(mm2 )に設定されることから、
内燃機関等が要求する30mJの電気的エネルギを発生
させることができ、かつ磁路構成部材の径方向断面積S
C がSC ≦54(mm2 )に設定されることから、ケー
ス外径を24mm未満にすることができる。これによ
り、ケース外径を24mmより大きくすることなく、内
燃機関等が要求する30mJの電気的エネルギを発生さ
せることができる。したがって、例えば機関本体の上部
に設けられた内径が24mmのプラグチューブに内燃機
関用点火コイルを装着し、火花放電させるのに必要な電
気的高エネルギを点火プラグに供給できる効果がある。
【0013】また、本発明の請求項2記載の内燃機関用
点火コイルによると、磁路構成部材は、方向性珪素鋼板
を棒状に積層して構成することから、渦電流損を低減で
きる。これにより、コイルに発生させる電気的エネルギ
を増加させる効果がある。また、本発明の請求項3記載
の内燃機関用点火コイルによると、磁路構成部材は、外
径寸法D(mm)が8.5以下とされ、この外径寸法の
下で径方向断面積SC (mm2 )を39≦SC ≦54の
範囲に実現する厚さの方向性珪素鋼板を積層して構成さ
れることから、磁路構成部材の外周にコイルが巻装され
たスプールを設けても、ケース外径を24mm未満にす
ることができる。これにより、ケース外径を24mmよ
り大きくすることなく、内燃機関等が要求する30mJ
の電気的エネルギを発生させる効果がある。
【0014】また、本発明の請求項4記載の内燃機関用
点火コイルによると、磁路構成部材の両端に磁石が配設
されるため磁石バイアス磁束が加わり、磁路構成部材に
対向する磁石の端面の面積SM と磁路構成部材の径方向
断面積SC との比がSM /S C ≧0.7に設定されるこ
とから、磁石バイアス磁束が良好に作用し、かつSM
C ≦1.4になるように設定されることから、ケース
外径を24mm未満にすることができる。これにより、
ケース外径を24mmより大きくすることなく、コイル
に発生させる電気的エネルギをより増加させる効果があ
る。また、磁石の必要個数が2個であることから、従来
の内燃機関用点火コイルより磁石の使用個数を減少させ
ることができ、安価な内燃機関用点火コイルを提供でき
る効果がある。
【0015】さらに、本発明の請求項5記載の内燃機関
用点火コイルによると、磁路構成部材の外周に多重に設
けられる筒状の第1のスプール、第2のスプールにそれ
ぞれ一次コイル、二次コイルが巻装され、これらの外周
に補助コアが設けられることから、磁路構成部材と一次
コイルと二次コイルと補助コアとが開磁路を構成し、磁
石に加わる反磁界を閉磁路より減少させることができ
る。これにより、例えば閉磁路を構成するときに使用す
る比較的高価な希土類磁石より減磁に対して弱い安価な
希土類磁石を使用することができ、部品コストを低減す
る効果がある。また磁路構成部材と一次コイルと二次コ
イルと補助コアとが開磁路を構成すると、磁路構成部材
と一次コイルと二次コイルとが構成する磁路からの漏れ
磁束を補助コアによって抑制することができ、さらに補
助コアには軸方向にスリットが形成されていることか
ら、補助コアの周方向に渦電流が流れるのを防止し、渦
電流損を抑える。これにより、二次コイルに発生する二
次エネルギを内燃機関用点火コイルから効率良く取出せ
る効果がある。
【0016】さらにまた、本発明の請求項6記載の内燃
機関用点火コイルによると、磁路構成部材の軸方向長さ
C とコイルを巻装する巻幅Lとの比がLC /L≧0.
9に設定されることから、磁路構成部材の両端に配設し
た磁石がコイルの巻幅Lの範囲内に大きく入込むことが
なく、磁石の反磁界によるコイルの有効磁束の減少を抑
制し、かつLC /L≦1.2に設定されることから、コ
イルの巻幅Lに対して磁石の間隔が広くなりすぎること
がなく、磁石バイアス磁束が良好に作用する範囲に磁路
構成部材の両端に配設した磁石が位置させることができ
る。さらにこの0.9≦LC /L≦1.2に加え、コイ
ルの電気抵抗およびケース外径の制限より巻幅L(m
m)が50≦L≦90になるように設定されることか
ら、ケース外径を大きくすることなく、コイルに発生さ
せる電気的エネルギをさらに増加させることができる。
これにより、内燃機関が要求する二次エネルギ量に応じ
ケース外径を例えば24mmより小さく設定でき、また
磁石の必要個数を1個または磁石を使用しない構成にで
きるため、安価な内燃機関用点火コイルを提供できる効
果がある。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の一実施例による内燃機関用点火コイルを
図1〜図6に示す。内燃機関用点火コイル1は、図示し
ない機関本体の上部に形成される気筒毎のプラグホール
内に収容されており、このプラグホール内に位置する図
示しないプラグチューブに内燃機関用点火コイル1の周
囲が覆われている。
【0018】図1に示すように、内燃機関用点火コイル
1は、主に円筒状のトランス部5と、このトランス部5
の一方の端部に位置しトランス部5の一次電流を断続す
る制御回路部7と、トランス部5の他方の端部に位置し
トランス部5に発生する二次電圧を図示しない点火プラ
グに供給する接続部6とから構成されている。内燃機関
用点火コイル1は、樹脂材料からなる円筒状のケース1
00を備えており、このケース100の内側に形成され
ている収容室102内には、高電圧発生用のトランス部
5と制御回路部7とトランス部5の周囲を満たす絶縁油
29とが収容されている。このケース100の外径Aは
24mmに設定されており、図示しないプラグチューブ
の内径に適合するように形成されている。収容室102
の上端部には、制御信号入力用コネクタ9と固定用ブラ
ケット11とが設けられ、また収容室102の下端部に
は、後述するカップ15の底部により閉塞された底部1
04が形成されている。このカップ15の外周壁は、ケ
ース100の下端に位置する接続部6に覆われている。
【0019】接続部6には、ケース100によって図示
しない点火プラグを収容する筒部105が形成され、こ
の筒部105の開口端にはゴムからなるプラグキャップ
13が装着されている。筒部105の上端に位置する底
部104には、導電部材としての金属製のカップ15が
ケース100の樹脂材料中にインサート成形されてい
る。このため、収容室102と接続部6とは液密に区画
されている。
【0020】カップ15の底部に係止されているスプリ
ング17は、圧縮コイルスプリングからなり、接続部6
内に挿入される図示しない点火プラグの電極部がスプリ
ング17の他端部に電気的に接触するようになってい
る。制御信号入力用コネクタ9は、コネクタハウジング
18とコネクタピン19とから構成されている。コネク
タハウジング18は、ケース100と一体成形されてお
り、このコネクタハウジング18内に位置する3本のコ
ネクタピン19がケース100を貫通し外部と接続可能
にコネクタハウジング18にインサート成形されてい
る。
【0021】固定用ブラケット11は、ケース100と
一体成形され、金属製のカラー21がインサート成形さ
れている。内燃機関用点火コイル1は、このカラー21
に貫通して設けられる図示しないボルトにより図示しな
いエンジンヘッドカバーに固定される。トランス部5
は、開磁路構造を形成する鉄心502と磁石504、5
06と二次スプール510と二次コイル512と一次ス
プール514と一次コイル516から構成されている。
【0022】円柱状の鉄心502は、薄い方向性珪素鋼
板、例えば板厚0.27mmの板材を断面がほぼ円形と
なるように重ねて組立られている。この鉄心502の両
端には、コイルにより励磁されて発生する磁束の方向と
は逆方向の極性を有する磁石504、506がそれぞれ
設けられている。この磁石504、506は、例えばサ
マリウム−コバルト磁石からなるが、図2に示すよう
に、磁石504、506の厚さTを2.5mm以上に設
定することにより、例えばネオジウム磁石を使用するこ
とができる。これは、後述する一次スプール514の外
側に装着された補助コア508によりいわゆる半閉磁路
を構成することによって、磁石504、506に加わる
反磁界を閉磁路より少ない2〜3kOe(キロエールス
テッド)に減少させることができるためである。磁石5
04、506にネオジウム磁石を使用することにより、
150℃の環境下においても使用可能な内燃機関用点火
コイル1が低コストに構成できる。
【0023】樹脂成形品である二次スプール510は、
両端部に鍔部を有する有底円筒状に形成されており、底
部510aにより下端部がほぼ閉塞されている。この二
次スプール510の内部には、前記鉄心502と磁石5
06とが収容され、二次スプール510の外周には二次
コイル512が巻回されている。底部510aには、二
次コイル512の一端が電気的に接続されたターミナル
プレート33が固定され、このターミナルプレート33
にカップ15と接触するためのスプリング27が固定さ
れている。これらターミナルプレート15とスプリング
27とがスプール側導電部材として機能し、二次コイル
512に誘起された高電圧がターミナルプレート33、
スプリング27、カップ15、スプリング17を経由し
て図示しない点火プラグの電極部に供給される。
【0024】樹脂成形品である一次スプール514は、
両端部に鍔部を有する有底円筒状に成形されており、蓋
部514aにより上端部がほぼ閉塞されている。この一
次スプール514の外周には一次コイル516が巻回さ
れている。一次スプール514は、二次スプール510
に巻回された二次コイル512を覆うように設けられて
いる。このため、一次スプール514の蓋部514aと
二次スプール510の底部510aとの間に、両端に磁
石504、506を備えた鉄心502が挟持されてい
る。
【0025】一次スプール514の蓋部514aには、
一次コイル516の両端と二次コイル512の一端とが
接続される複数のターミナルが保持されている。この複
数のターミナルには、コネクタ9のコネクタピン19、
制御回路部7が接続されている。蓋部514aの上側に
保持されている制御回路部7から3本のリードが引き出
され、これらのリードがコネクタピン19および前記複
数のターミナルにはんだ付されている。
【0026】制御回路部7は、一次コイル516への通
電電流を断続するパワートラジスタと、このパワートラ
ジスタの制御信号を発生するイグナイタである制御回路
とを樹脂モールドして構成されている。またパワートラ
ジスタ等の放熱用として、別体のヒートシンク702が
制御回路部7に接着されている。一次スプール514の
さらに外側には、補助コア508が装着されている。こ
の補助コア508は、薄い珪素鋼板、例えば無方向性例
えば板厚0.5mmの板材を筒状に巻回することにより
形成され、巻回開始端と巻回終了端とが接続されていな
いことから軸方向に隙間が形成されている。また、補助
コア508は、磁石504の外周位置から磁石506の
外周位置にわたる軸方向長さを有する。
【0027】なお、補助コア508は、例えば板厚0.
35mmの鋼板を2枚使用して補助コアを形成しても良
い。次に、内燃機関用点火コイル1の一次コイル516
に必要な電気的エネルギ(以下「一次エネルギ」とい
う)について説明する。通常、点火プラグが放電する火
花により混合気が着火するためには、20mJ(ミリジ
ュール)以上の電気的エネルギを点火プラグに供給する
必要がある。そのため、点火プラグによる損失5mJお
よび余裕度等を考慮すると、最小限30mJの電気的エ
ネルギを二次コイル512に発生させる必要がある(以
下、二次コイル512に発生させる電気的エネルギを
「二次エネルギ」という)。
【0028】そこで、図2に示す磁気モデルに基づい
て、一次コイル516に必要な一次エネルギの計算を有
限要素法による磁場解析(以下「FEM磁場解析」とい
う)により行った。また実験により一次エネルギ、二次
エネルギを求め、その結果から二次エネルギが30mJ
に達する条件等の検討を行った。ここで、一次エネルギ
は、図3に示す斜線部Sの面積を求めることにより算出
することができ、具体的には、FEM磁場解析によって
数1を計算する。
【0029】
【数1】
【0030】 W : 一次エネルギ (J) N : 一次コイルの巻数 I : 一次コイル電流 (A) Φ : 一次コイルの磁束(Wb) また、二次コイル512に30mJの二次エネルギを発
生させるためには、一次コイル516に36mJの一次
エネルギを発生させる必要があることを実験により確認
している。
【0031】図2に示す磁気モデルに基づいて行ったF
EM磁場解析の結果が、図4〜図6に示されており、鉄
心502の横断面積SC 、鉄心502の軸方向長さ
C 、磁石504、506の横断面積SM をパラメータ
とした一次エネルギ、磁石バイアス磁束の各特性が表さ
れている。図4に示す一次エネルギの特性は、220回
巻いた一次コイル516に6.5Aの電流を流した状態
で、磁石504、506の横断面積SM と鉄心502の
横断面積SC との比を鉄心502の横断面積SC 毎に変
化させて得たものである。ここで、図4中、点線で示さ
れている部分は、データ採取を行っていないが、予測に
より特定可能な特性を表している。
【0032】図4に示すように、一次エネルギは、SM
/SC が大きいほど増加し、またS C が大きいほど増加
していることが判る。これは、SM /SC が大きいほ
ど、磁路の一部を構成する鉄心502の両端に配設され
た磁石504、506による磁石バイアス磁束が良好に
作用しているためである。さらに前述したように、一次
コイル516に必要な一次エネルギの最小値である36
mJを超える一次エネルギを発生させるためには、鉄心
502の横断面積SC を39mm2 以上に設定すること
が必要になることが判る。
【0033】これにより、SM /SC を0.7以上、S
C を39mm2 以上に設定すれば良いことになる。ここ
で、鉄心502は、方向性珪素鋼板を積層して構成する
ことから、外周に生ずる段差により図2に示す鉄心50
2の外径Dが余分に大きくなる。例えば生産性の面から
板厚0.27mmの方向性珪素鋼板を用いた場合、鉄心
502の実質の断面積SC を39mm2 とするには7.
2mmの外径Dが少なくとも必要になる。ところが、一
次コイル516の外周を覆うケース100の外径寸法A
の制約上、SM /SC が1.4を超えて、またSC が5
4mm2 を超えてそれぞれ設定することが難しいことか
ら、SM /SC を1.4以下、SC を54mm2 以下に
設定することを要求される。この断面積SC を54mm
2 とするには、前述の同じ条件で8.5mmの外径Dが
必要である。
【0034】したがって、SM /SC を0.7≦SM
C ≦1.4の範囲に、SC (mm 2 )を39≦SC
54の範囲にそれぞれ設定することにより、低コストな
設計仕様に対応することができる。また、ケース100
の体格を大きくすることなく、二次エネルギの増加を図
ることができる。図5に示す磁石504、506による
磁石バイアス磁束の特性は、220回巻いた一次コイル
516に電流を流さない状態、すなわち一次エネルギが
発生しない状態で、補助コア508の軸方向長さLa
一定幅の90mmにしたとき、鉄心502の軸方向長さ
c と一次、二次コイルの巻幅Lとの比を変化させて得
たものである。ここで、一次、二次コイルの巻幅Lは、
65mmに設定されている。これは、ケース100の体
格に影響しやすい一次コイル516の設計仕様によるも
のである。つまり、イグナイタを構成するパワートラン
ジスタの発熱量および内燃機関の始動性から一次コイル
516の抵抗値が0.5〜1.4Ωの範囲であることが
要求され、さらにケース100の外径Aを24mm未満
にすることが要求されていることから、一次、二次コイ
ルの巻幅L(mm)を50≦L≦90の範囲内に設定し
ている。なお、より望ましくはこの巻幅L(mm)は、
50≦L≦70の範囲内に設定される。またケース10
0の外径Aを23mm以下に設定しても良い。
【0035】図5に示すように、磁石504、506に
よる磁石バイアス磁束は、Lc /Lが大きいほど減少し
ていることが判る。これは、Lc /Lが大きくなるほ
ど、すなわち、鉄心502の軸方向長さLc が長くなる
ほど磁石504と磁石506との距離が大きくなること
から、磁石504、506の磁化力が効かなくなるため
である。この磁石バイアス磁束の減少は、図6に示す一
次エネルギの増加に影響している。
【0036】図6に示す一次エネルギの特性は、220
回巻いた一次コイル516に6Aの電流を流し、補助コ
ア508の軸方向長さLa を一定幅の90mmにしたと
き、鉄心502の軸方向長さLc と一次、二次コイルの
巻幅Lとの比を変化させて得たものである。図6に示す
ように、一次エネルギは、Lc /Lが1.0≦Lc /L
≦1.1の範囲でほぼ最大を示し、その前後では減少し
ていることが判る。Lc /Lが小さくなると一次エネル
ギが減少するのは、前述のように、Lc /Lが小さくな
るほど磁石バイアス磁束が増加するが、補助コア508
の軸方向長さLa との兼合いで見かけ上の磁気回路の磁
気抵抗が増加するためである。つまり、一定起磁力のも
とでは磁束が減少することになり、Lc /Lが1.0よ
り小さくなると一次エネルギが減少するのである。ま
た、Lc /Lが1.1より大きくなると一次エネルギが
減少するのは、前述のように、Lc /Lが大きくなるほ
ど磁石バイアス磁束が減少するためである。
【0037】さらに、Lc /Lが0.9より小さくなる
と磁石504と磁石506との間隔が狭くなり、磁石5
04、506が一次コイル516、二次コイル512そ
れぞれの巻線範囲内に大きく入込むため、磁石504、
506の反磁界により1次コイル516で作られる有効
磁束が減少することも確認している。また、Lc /Lが
1.2より大きくなると一次、二次コイルの巻幅Lに対
して磁石504と506との間隔が広くなり磁石バイア
ス磁束が良好に作用しなくなることから、Lc/Lを
1.2以下に設定することを要求される。したがって、
c /Lを0.9≦Lc /L≦1.2の範囲に設定する
ことにより、一次コイル516により発生する一次エネ
ルギをさらに増加させることができる。
【0038】本実施例の内燃機関用点火コイル1による
と、トランス部5を構成する鉄心502の横断面積S
C (mm2 )の範囲を39≦SC ≦54、磁石50
4、506の横断面積SM と鉄心502の横断面積SC
との比の範囲を0.7≦SM /SC ≦1.4、鉄心5
02の軸方向長さLc と一次、二次コイルの巻幅Lとの
比の範囲を0.9≦Lc /L≦1.2、巻幅L(m
m)の範囲を50≦L≦90にそれぞれ設定することに
より、ケース100の外径Aを大きくすることなく、一
次コイル516に発生する一次エネルギを増加させるこ
とができる。これにより、二次コイル512に発生する
二次エネルギを増加させることができ、希土類磁石の使
用個数を減少させる効果がある。また、ケース100の
体格を大きくすることなく、二次エネルギを増加させる
ことから、内燃機関用点火コイル1を従来のプラグチュ
ーブにそのまま適用させることができ、内燃機関の混合
気の着火性能を向上させる効果がある。さらに、比較的
高価な希土類磁石の使用個数が減少することから、内燃
機関用点火コイル1を低コストな設計仕様に対応させる
ことができる効果がある。
【0039】なお、本実施例では、一次コイル516が
二次コイル512の外側に位置しているが、本発明で
は、一次コイル516が二次コイル512の内側に位置
しても良く、同様の効果が得られる。また、本実施例で
は、鉄心502の上下両端に磁石504、506を配設
した構成にしたが、本発明では、これに限られることは
なく、内燃機関が要求する二次エネルギ量に応じて適切
な鉄心の横断面積を設定することにより使用する磁石の
個数を1個にした構成または磁石を使用しない構成にし
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの
縦断面図である。
【図2】本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの
磁気モデル図である。
【図3】本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの
一次コイルの電流Iに対する磁束NΦを示す特性図であ
る。
【図4】本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの
磁石の横断面積SM と鉄心の横断面積SC との比に対す
る一次エネルギを示す特性図である。
【図5】本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの
鉄心の軸方向長さLc と一次、二次コイルの巻幅Lとの
比に対する磁石バイアス磁束を示す特性図である。
【図6】本発明の実施例による内燃機関用点火コイルの
鉄心の軸方向長さLc と一次、二次コイルの巻幅Lとの
比に対する一次エネルギを示す特性図である。
【符号の説明】
1 内燃機関用点火コイル 5 トランス部 6 接続部 7 制御回路部 100 ケース 502 鉄心 (磁路構成部
材) 504、506 磁石 508 補助コア 510 二次スプール (スプール) 512 二次コイル (コイル) 514 一次スプール (スプール) 516 一次コイル (コイル) L 一次、二次コイルの巻幅(巻幅) La 補助コアの軸方向長さ LC 鉄心の軸方向長さ (磁路構成部材の
軸方向長さ)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁束を通す棒状の磁路構成部材と、 前記磁路構成部材の外周に設けられるスプールと、 前記スプールに巻装されるコイルと、 前記磁路構成部材と前記スプールと前記コイルとを収容
    するケースと、 を備え、 前記磁路構成部材の径方向断面積SC (mm2 )が39
    ≦SC ≦54、かつ前記ケースの胴体筒状部外径が24
    mm未満であることを特徴とする内燃機関用点火コイ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記磁路構成部材は、方向性珪素鋼板を
    棒状に積層し構成されることを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】 前記磁路構成部材は、その外径寸法D
    (mm)が8.5以下とされ、この外径寸法の下で前記
    径方向断面積SC を実現する厚さの前記方向性珪素鋼板
    を積層して構成されることを特徴とする請求項2記載の
    内燃機関用点火コイル。
  4. 【請求項4】 前記磁路構成部材の両端には磁石が配設
    され、前記磁路構成部材に対向する前記磁石の端面の面
    積SM と前記磁路構成部材の径方向断面積S C との比が
    0.7≦SM /SC ≦1.4となることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記スプールは、前記磁路構成部材の外
    周に設けられる筒状の第1のスプールとこの第1のスプ
    ールの内周または外周に設けられる筒状の第2のスプー
    ルとを有し、 前記コイルは、前記第1のスプールに巻装される一次コ
    イルと前記第2のスプールに巻装される二次コイルを有
    し、 前記コイルの外周に設けられ、軸方向にスリットが形成
    される筒状の補助コアを備え、 前記磁路構成部材と前記一次コイルと前記二次コイルと
    前記補助コアとが開磁路を構成することを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項記載の内燃機関用点火コイ
    ル。
  6. 【請求項6】 前記コイルを巻装する巻幅Lと前記磁路
    構成部材の軸方向長さLC との比が0.9≦LC /L≦
    1.2であり、かつ前記巻幅L(mm)が50≦L≦9
    0であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
    記載の内燃機関用点火コイル。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007012835A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Diamond Electric Mfg Co Ltd 内燃機関用点火コイル
JP2009076734A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Hanshin Electric Co Ltd 内燃機関用点火コイル

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