JP2007066961A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

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貴信 小林
Yoichi Yasukura
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Abstract

【課題】出力エネルギを低下させることなく鉄心形状を小型化、軽量化することのできる内燃機関用点火コイルを提供すること。
【解決手段】閉磁路が形成され、センタ鉄心部が収納された一次ボビン2の上に一次コイル3を巻装して収納し、一次ボビン2と空隙をもって配置される二次ボビン4の上に二次コイル5を巻装して収納され、一次コイル3の通電によって鉄心6を励磁する方向と逆方向に磁化された永久磁石7を空隙部に挿入してなり、一次ボビン2と二次ボビン4を間隔をもって配置してコイルケース8内に収容し、コイルケース8内に絶縁用樹脂11を封入して一体化してなる内燃機関用点火コイル1において,サイド鉄心とセンタ鉄心の形状を、センタ鉄心とサイド鉄心とに流れる磁束の量に比例するサイド鉄心の断面積をサイド鉄心のそれぞれの位置で変化させ、磁束の量に比例した断面積に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の点火プラグに火花放電を発生させるために高電圧を供給する内燃機関用点火コイルに関する。
近年、一次コイル及び二次コイルが巻装された閉磁路を形成する鉄心の一部分に設けられた空隙部に永久磁石を挿入し、一次コイルに通電する以前に、永久磁石の磁化力により一次コイルの通電による磁化方向とは逆の向きに鉄心を負方向の最大使用磁束密度まで磁化しておき、点火コイルの使用時に、一次コイルに励磁電流を流すことにより永久磁石の磁化力とは逆方向の磁化力を発生させ、それにより鉄心を正方向の最大使用磁束密度まで磁化する点火コイルが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、鉄心の閉磁路内に一次コイルの通電による励磁方向とは逆に磁化された永久磁石を挿入することにより、磁気エネルギの蓄積量を大きくして点火性能の向上、および点火コイルの小型化、軽量化を図るものである。
特開平8−45753号
この特許文献1の点火コイルに用いられている一次コイル及び二次コイルが巻装された閉磁路を形成する鉄心部の形状は、中央に位置するセンタ鉄心部の断面積に対し、約0.6〜1倍の断面積を有し、その断面積はどの位置においてもほぼ均等な形状を有している。このため、特許文献1の点火コイルにあっては、一次コイルの通電によって励磁された鉄心の磁束密度分布が鉄心部の位置によって異なっており、このため、特許文献1の点火コイルのように一次コイル及び二次コイルが巻装された閉磁路を形成する鉄心部を均一な断面積とした形状を持つサイド鉄心においては、形状が大型化してしまうという問題を有している。
本発明の目的は、出力エネルギを低下させることなく鉄心形状を小型化、軽量化することのできる内燃機関用点火コイルを提供することにある。
本発明に係る内燃機関用点火コイルは、内燃機関の各シリンダのプラグホールに装着されて点火プラグに直結し使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルであって、サイド鉄心部とセンタ鉄心部とによって磁気回路を構成し、センタ鉄心部は一端がサイド鉄心部に固着され、他端がサイド鉄心部と空隙部を設けて配置されて閉磁路が形成され、センタ鉄心部が収納された一次ボビンの上に一次コイルを巻装して収納し、一次ボビンと空隙をもって配置される二次ボビンの上に二次コイルを巻装して収納され、一次コイルの通電によって鉄心を励磁する方向と逆方向に磁化された永久磁石を空隙部に挿入してなり、一次ボビンと二次ボビンを間隔をもって配置してコイルケース内に収容し、コイルケース内に絶縁用樹脂を封入して一体化してなる内燃機関用点火コイルにおいて,サイド鉄心とセンタ鉄心の形状をセンタ鉄心とサイド鉄心とに流れる磁束の量に比例するサイド鉄心の断面積をサイド鉄心のそれぞれの位置で変化させ、磁束の量に比例した断面積に形成したものである。
本発明によれば、出力エネルギを低下させることなく鉄心形状を小型化、軽量化することができる。
本発明は、空隙部を設けて閉磁路が形成されている鉄心と、この鉄心の外周に一次コイル、二次コイルを順次巻回し、この一次コイルに通電することによって鉄心を励磁する方向と逆方向に磁化された永久磁石を鉄心の空隙部に装着してなり、閉磁路を形成する鉄心の形状をそれぞれの位置で鉄心に流れる磁束の量に比例した断面積に合わせて変化させ、必要最小限の断面積を有した形状とすることによって達成される。
図1〜3には、本発明に係る内燃機関用点火コイルの一実施例が示されている。図1は内燃機関用点火コイルの断面構成図、図2(a)、(b)は図1に図示の内燃機関用点火コイルのX−X線断面図、図3(a)、(b)は図1に図示の内燃機関用点火コイルのセンタ鉄心とサイド鉄心の形状を示す図である。
図1において、内燃機関用点火コイル1は、内燃機関の各シリンダのプラグホールに装着されて点火プラグに直結し使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルである。この内燃機関用点火コイル1は、鉄心6を有し、この鉄心6は、図2に示す如く、E字状に形成されており、磁気回路が構成されている。この鉄心6は、0.2〜0.5mmの珪素鋼板を積層して閉磁路をなす磁路を形成している。そして、この鉄心6は、センタ鉄心部6Aと、サイド鉄心部6Bとによって構成されている。このサイド鉄心部6Bは、図2に示す如く、矩形の枠状に形成され、閉磁路が形成されている。
そして、このセンタ鉄心部6Aは、図2に示す如く、一端が矩形の枠状に形成されるサイド鉄心部6Bの一側に固着され、他端が矩形の枠状に形成されるサイド鉄心部6Bの他側と空隙部6Cを設けて配置されている。このセンタ鉄心部6Aは、図1に示す如く、一次ボビン2に収納されている。この鉄心6の外周側に配設されセンタ鉄心部6Aが収納されている一次ボビン2は、熱可塑性合成樹脂により形成されている。この一次ボビン2の上には、一次コイル3が巻装され、一次ボビン2の上に収納されている。この一次コイル3は、線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層当たり数十回ずつ、数層にわたり合計百ないし二百回程度一次ボビン2に積層巻されて形成されている。
また、この一次ボビン2の外周には、空隙をもって、二次ボビン4が配設されている。この二次ボビン4は、一次ボビン2と同様に熱可塑性合成樹脂によって成形されており、この二次ボビン4には複数個の巻溝が形成されている。この二次ボビン4の上には、二次コイル5が巻装され、一次ボビン2の上に収納されている。この二次コイル5は、線径0.03〜0.1mm程度のエナメル線を用いて合計五千ないし二万回程度二次ボビン4に分割巻されて形成されている。このように、一次ボビン2は、二次ボビン4の内側に挿入された状態となっている。
そして、矩形の枠状に形成されるサイド鉄心部6Bの一側に一端が固着されるセンタ鉄心部6Aの他端と、サイド鉄心部6Bとの空隙部6Cには、一次コイル3の通電によって鉄心6を励磁する方向と逆方向に磁化された永久磁石7が挿着されている。この一次ボビン2に巻装された一次コイル3、二次ボビン4に巻装された二次コイル5は、コイルケース8に収納されている。
また、一次コイル3に供給する電力は、端子9を介して供給され、この端子9には、図示していないが、コネクタが接続されるようになっている。一方、二次コイル5には、高圧端子10が接続されている。この二次コイル5には、一次コイル3の通電によって点火プラグに火花放電を発生させるための高電圧が誘起される。この二次コイル5に誘起された高電圧は、高圧端子10を介して点火プラグに供給され、この二次コイル5に誘起された高電圧の供給を受け、点火プラグは、火花放電を発生させる。
そして、この一次ボビン2に巻装された一次コイル3、二次ボビン4に巻装された二次コイル5が収容されているコイルケース8には、熱硬化性樹脂で構成される絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)11が封入されている。この絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)11は、コイルケース8の内側と、一次ボビン2に巻装された一次コイル3、二次ボビン4に巻装された二次コイル5との隙間部6Cに充填され、この絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)11を硬化させて一次コイル3、二次コイル5との絶縁を行っている。このようにコイルケース8内には、この絶縁用樹脂(具体的には、エポキシ樹脂)11によって一次コイル3、二次コイル5、一次ボビン2、二次ボビン4が絶縁され、固定されて一体化して収容されている。
このような鉄心6には、図3(a)に示す如きE字状に形成されるものと、図3(b)に示す如きC字状に形成されるものとがある。そして、鉄心6は、一次コイル3に通電することによって鉄心6が励磁され、図3(a)に示す如きE字状に形成される鉄心6の場合は、磁束の流れが図4(a)に示す如くなる。また、図3(b)に示す如きC字状に形成される鉄心6の場合は、磁束の流れが図4(b)に示す如くなる。
次に、図2,図3(a),(b),図4(a),(b)を用いて、鉄心6のセンタ鉄心部aの断面積とサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面積の関係について説明する。通常、一次コイル3、二次コイル5を巻回しないサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面積は、一次コイル3、二次コイル5を巻回したセンタ鉄心部aの断面積の約80%とし、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面積は、どこの位置でも均一に形成することが一般的である。
ところが、実際の鉄心6に一次コイル3の通電によって励磁される磁束量は、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の位置によって異なり、具体的には鉄心6に設けた空隙部6Cの位置によって変化している。この一次コイル3に通電すると、鉄心6が励磁され、この鉄心6には、図4(a),(b)に示す如く、磁束が流れる。すなわち、磁気抵抗が鉄心6の100倍以上であるため、図4(a)に示されるE字状に形成される鉄心6の場合は、空隙部6Cで磁束が漏洩し、サイド鉄心部c1,c2からセンタ鉄心部aに短絡したように図4(a)に示される如く一部の磁束が流れる。また、磁気抵抗が鉄心6の100倍以上であるため、図4(b)に示されるC字状に形成される鉄心6の場合は、空隙部6Cで磁束が漏洩し、サイド鉄心部cからセンタ鉄心部aに短絡したように図4(b)に示される如く一部の磁束が流れる。
このように一部の磁束が空隙部6Cの近傍で短絡したように流れるため、空隙部6Cの付近のサイド鉄心部b(b1,b2)に流れる磁束量Φ1は、空隙部6Cの反対側のサイド鉄心部d(d1,d2)に流れる磁束量Φ2よりも少なくなる。したがって、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)のそれぞれのサイド鉄心部の必要断面積は、サイド鉄心部の各形成位置によって異なり、断面積を大きくする必要のない部分の断面積は、小さくしても磁束量に影響を与えることはないので、小さくすることができる。そこで、この磁束量に影響を与えることはない形成位置のサイド鉄心部の断面積を小さくすれば、出力エネルギに影響なく内燃機関用点火コイルの形状を小さくすることができる。
本実施例においては、内燃機関用点火コイルの形状を小型・軽量化させるために鉄心6のサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の内、断面積を大きくする必要のないサイド鉄心部b(b1,b2)の断面積をそれぞれの位置によって小さく変化させ、サイド鉄心の断面積を必要最小限とした構造に形成している。
次に、図3(a),(b)に図示される鉄心6においてサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面積を変化させた場合の出力エネルギを求めてみる。このサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面積を変化させた場合の出力エネルギは、有限要素法による磁場解析を用いて算出すると、図5に示す如き特性になる。この出力エネルギの算出方法は、図4に示す斜線部Sの面積を求めることにより算出することができ、具体的には、磁場解析により数式1に示す演算式を用いて、計算する。
Figure 2007066961
この図5に図示の解析結果は、センタ鉄心aの断面積を1とした場合、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部b(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはb1+b2)部分のみを変化させて解析した結果を示したものである。
図6には、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部b(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはb1+b2)の断面積を変化させたときのセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性が示されている。図6において、空隙部6C側のサイド鉄心部b(b1+b2)の断面積が、センタ鉄心部aの断面積の0.6〜1倍のところでは、出力エネルギ損失はほとんど見られないことが分かる。そして、図6においては、空隙部6C側のサイド鉄心部b(b1+b2)の断面積が、センタ鉄心aの断面積の0.3〜0.4倍にすると、出力エネルギ損失が急激に大きくなる傾向を有していることが認められる。
これは鉄心6に設けられている空隙部6Cの周りでは、磁束が漏れてしまい、サイド鉄心部b(b1+b2)に流れる磁束量Φは、空隙部6C形成側と反対側のサイド鉄心部d(d1,d2)よりも少ない。したがって、空隙部6C付近のサイド鉄心部b(b1+b2)の断面積は、空隙部6Cから離れている部分のサイド鉄心部b(b1+b2)の断面積よりも断面積を小さくしても磁束の損失には影響がないことが分かる。このことより、本実施例においては、出力エネルギ損失がほとんど低下しない0.4倍を下限値としている。
図7には、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部c(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはc1+c2)の断面積を変化させたときのセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性が示されている。図7において、空隙部6Cの側面に位置するサイド鉄心部c(c1+c2)の断面積が、センタ鉄心部aの断面積の0.6〜1倍のところでは、出力エネルギ損失はほとんど見られないことが分かる。そして、図7においては、空隙部6Cの側面に位置するサイド鉄心部c(c1+c2)の断面積が、センタ鉄心部aの断面積の0.4倍以下にすると、出力エネルギ損失が急激に大きくなる傾向を有していることが認められる。すなわち、サイド鉄心部c(c1+c2)の断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比に対する出力エネルギ損失は、図7に図示の特性に示すようにサイド鉄心部c(c1+c2)の断面積をセンタ鉄心部aの断面積に対し、0.6倍にしても見られず、0.6倍あれば出力エネルギは低減しないことが分かる。
図8には、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部d(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはd1+d2)の断面積を変化させたときのセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性が示されている。図8において、空隙部6Cの形成側とは反対側のサイド鉄心部d(d1,d2)の断面積が、センタ鉄心部aの断面積の0.6〜1倍のところでは、出力エネルギ損失はほとんど見られないことが分かる。そして、図8においては、空隙部6Cの形成側とは反対側のサイド鉄心部d(d1,d2)の断面積が、センタ鉄心部aの断面積の0.4倍以下にすると、出力エネルギ損失が急激に大きくなる傾向を有していることが認められる。すなわち、サイド鉄心部d(d1,d2)の断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比に対する出力エネルギ損失は、図8に図示の特性に示すようにサイド鉄心部d(d1,d2)の断面積をセンタ鉄心部aの断面積に対し、0.6倍にしても見られず、0.6倍あれば出力エネルギは低減しないことが分かる。
図9には、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部b(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはb1+b2)の断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比を0.4倍とし、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部c(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはc1+c2)の断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比を0.6倍とし、図3(b),図4(b)に示されるC字形状の場合のサイド鉄心部d(鉄心6の形状が図3(a),図4(a)に示されるE字形状の場合にはd1+d2)の断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比を0.6倍としたときのセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性が示されている。この図9においては、サイド鉄心部b(b1,b2),c(c1,c2),d(d1,d2)のそれぞれの断面積を必要最低限の断面積に形成しても出力エネルギ損失は見られない。
したがって、本実施例においては、サイド鉄心部b(=b1+b2)の断面積を、センタ鉄心部aの断面積に対して0.4〜0.6倍とし、サイド鉄心部c(=c1+c2)の断面積を、センタ鉄心部aの断面積に対して0.6〜0.8倍とし、空隙部6Cの反対側のサイド鉄心部d(=d1+d2)の断面積を、センタ鉄心部のa断面積に対して0.6〜0.8倍に設定している。
このように構成すると、センタ鉄心部aの断面積に対し、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の必要断面積は、サイド鉄心部bで0.4倍以上、サイド鉄心部c、サイド鉄心部dで0.6倍以上であれば出力エネルギの損失なく鉄心形状を最適化させることができる。したがって、これよりサイド鉄心部bcdに磁束が有効に流れるようになり、性能低下をきたすことがなく、所期の性能を期待することができるとともに、平面投影面積が小さくなることより、内燃機関用点火コイルを小型化することができる。
図10(a)には、図2の図示の内燃機関用点火コイル1のY−Y断面図が示されている。この図10では、内燃機関用点火コイル1を小型化させるために、センタ鉄心部aとサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面形状を変化させた形状としている。図10(a)には、本実施例に係る内燃機関用点火コイル1のY−Y断面図が示されており、図10(b)には、従来の断面形状が示されている。
図11には、図3(a),(b),図4(a),(b)に示されるE字形状のおよびC字形状の鉄心6のセンタ鉄心部aの縦と横の比率を変えることによって断面形状を変化させた場合の出力エネルギ比率の特性が示されている。この図11は、有限要素法による磁場解析を用いて鉄心6のセンタ鉄心部aの断面形状を変化させた場合の出力エネルギを算出したものである。
図11においては、センタ鉄心部aの縦と横の比が0.5以上では、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面形状を変化させても、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の断面積に変化がなければ出力エネルギには影響がないことがわかる。そこで、本実施例においては、内燃機関用点火コイル1の高さを低減させるためにセンタ鉄心部aの縦と横の比が0.5となるように縦方向の長さを短くしている。
図12には、センタ鉄心部aの縦と横の比と、内燃機関用点火コイル1の断面積との関係が示されている。図12の特性から、内燃機関用点火コイル1の高さよりも全体の小型化を必要とする場合は、センタ鉄心部aの縦と横の比を0.6にするのが望ましい。
また、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の高さは内燃機関用点火コイル1の小型化のためにセンタ鉄心部aよりも高い形状としている。先に示したように鉄心6は断面積に変化がなければその縦と横の比を変化させても出力エネルギには影響がないため、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の横幅を短くし、高さ方向を長くさせることで小型化させることが可能である。
本実施例で用いている鉄心6には厚み0.25〜0.4mmの珪素鋼板が使用されており、珪素鋼板を積層した形状としておりそれらを結合するために部分的加締を行っている。ここでサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の横幅が短いと加締時に珪素鋼板が割れる可能性があるため、生産性の面から幅2.5mm以上にするのが適当である。
図13には、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の角部をR形状とした場合の解析結果が示されている。このようにサイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の角部をR形状とすることで、磁束の流動性が向上し、出力エネルギは上昇する。また、図13の特性から、R0.5mm以上のRを形成すれば、それ以上のRを形成しても出力エネルギは変わらないことが分かる。この図13の解析結果から、Rは最小で0.5mmとなるように形成すればよいことが分かる。さらに、サイド鉄心部b(b1,b2)、c(c1,c2)、d(d1,d2)の角部をR形状とすることで、余分な角がなくなり、内燃機関用点火コイル1を小型化にすることができる。
本発明に係る内燃機関点火コイルの一実施例を示す断面図。 図1に図示の内燃機関点火コイルのX−X線に断面図。 図1に図示の内燃機関用点火コイルのセンタ鉄心とサイド鉄心の形状を示す図。 図1に図示の一次コイルに通電して励磁される鉄心における磁束の流れを示す図。 図3に図示のサイド鉄心部の断面積を変化させた場合の出力エネルギの特性図。 図3に図示のサイド鉄心部bの断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性を示す図。 図3に図示のサイド鉄心部cの断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性を示す図。 図3に図示のサイド鉄心部dの断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する各断面積比における出力エネルギ損失の特性を示す図。 図3に図示のサイド鉄心部bの断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比を0.4倍、サイド鉄心部cの断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比を0.6倍、サイド鉄心部dの断面積のセンタ鉄心部aの断面積に対する断面積比を0.6倍としたときの出力エネルギ損失の特性を示す図。 (a)は図2の図示の内燃機関用点火コイルのY−Y断面図、(b)は従来の点火コイルの断面形状を示す図。 図3に図示のセンタ鉄心部aの縦横比を変えて断面形状を変化させた場合の出力エネルギ比率の特性を示す図。 図3に図示のセンタ鉄心部aの縦横比と内燃機関用点火コイルの断面積との関係を示す図。 図3に図示のサイド鉄心部bcdの角部をR形状とした場合のRの大きさに対する出力エネルギ率の特性を示す図。
符号の説明
1……………内燃機関用点火コイル
2……………一次ボビン
3……………一次コイル
4……………二次ボビン
5……………二次コイル
6……………鉄心
7……………永久磁石
8……………コイルケース
9……………端子
10……………高圧端子
11……………絶縁用樹脂

Claims (6)

  1. 内燃機関の各シリンダのプラグホールに装着されて点火プラグに直結し使用される独立点火形の内燃機関用点火コイルであって、サイド鉄心部とセンタ鉄心部とによって磁気回路を構成し、前記センタ鉄心部は一端がサイド鉄心部に固着され、他端がサイド鉄心部と空隙部を設けて配置されて閉磁路が形成され、前記センタ鉄心部が収納された一次ボビンの上に一次コイルを巻装して収納し、該一次ボビンと空隙をもって配置される二次ボビンの上に二次コイルを巻装して収納され、前記一次コイルの通電によって鉄心を励磁する方向と逆方向に磁化された永久磁石を前記空隙部に挿入してなり、前記一次ボビンと前記二次ボビンを間隔をもって配置してコイルケース内に収容し、該コイルケース内に絶縁用樹脂を封入して一体化してなる内燃機関用点火コイルにおいて,
    前記サイド鉄心部とセンタ鉄心部の形状を前記センタ鉄心部と前記サイド鉄心部とに流れる磁束の量に比例する前記サイド鉄心部の断面積を該サイド鉄心部のそれぞれの位置で変化させ、前記磁束の量に比例した断面積に形成したことを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 前記サイド鉄心部の断面積b(=b1+b2)は、前記センタ鉄心部の断面積aに対し、0.4〜0.6倍とし、前記サイド鉄心部の断面積c(=c1+c2)は、前記センタ鉄心部の断面積aに対し、0.6〜0.8倍とし、空隙部反対側のサイド鉄心部の断面積d(=d1+d2)は、前記センタ鉄心部の断面積aに対し、0.6〜0.8倍にしたものである請求項1に記載の内燃機関用点火コイル。
  3. 前記鉄心のセンタ鉄心部の縦と横の比は、
    0.5≦縦/横≦1
    である請求項1又は2に記載の内燃機関用点火コイル。
  4. 前記センタ鉄心部及び前記サイド鉄心部は、珪素鋼板で形成し、前記センタ鉄心部の珪素鋼板の積層枚数を、前記サイド鉄心部の積層枚数よりも少なく構成し、前記サイド鉄心部の積層高さが異なった形状としたものである請求項3に記載の内燃機関用点火コイル。
  5. 前記サイド鉄心部の縦と横の比は、前記センタ鉄心部の縦と横の比と異なり、横幅を2.5mm以上としたものである請求項4に記載の内燃機関用点火コイル。
  6. 前記サイド鉄心部の角部は、内側R0.5mm以上のR形状に形成されたものである請求項5に記載の内燃機関用点火コイル。
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