JP2952701B2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents
内燃機関用点火コイルInfo
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- JP2952701B2 JP2952701B2 JP2269038A JP26903890A JP2952701B2 JP 2952701 B2 JP2952701 B2 JP 2952701B2 JP 2269038 A JP2269038 A JP 2269038A JP 26903890 A JP26903890 A JP 26903890A JP 2952701 B2 JP2952701 B2 JP 2952701B2
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- Japan
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- coil
- bobbin
- primary
- winding
- cores
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関用点火コイルに関し、特に一次コイ
ルを巻回した筒体の一次ボビンと、この一次ボビンを筒
体内に収容し筒体外面に二次コイルを巻回した二次ボビ
ンを備えた点火コイルに係る。
ルを巻回した筒体の一次ボビンと、この一次ボビンを筒
体内に収容し筒体外面に二次コイルを巻回した二次ボビ
ンを備えた点火コイルに係る。
内燃機関の点火装置は、一般的に点火コイルの一次電
流を断続し、コイル内の磁束変化に応じて二次側に発生
する高電圧を点火プラグに印加し気筒内の混合気に点火
するものである。
流を断続し、コイル内の磁束変化に応じて二次側に発生
する高電圧を点火プラグに印加し気筒内の混合気に点火
するものである。
近時の内燃機関においては、配電器を廃し各点火プラ
グ毎に点火コイルを装着する技術が採用され、コイル分
配点火方式として知られている。このような点火コイル
を内燃機関用に装着する場合、例えば特開昭62−157278
号公報に記載のように、日本のカムシャフトを燃焼室の
上方に配設したダブルオーバーヘッドカムシャフト(通
称、DOHC)の内燃機関にあっては装着が困難であり、機
関の大型化を招くことになる。このため、同公報におい
ては、内燃機関側に対し制約が生じないよう、狭いバル
ブ挟み角を有するDOHCエンジンに対してもカムシャフト
間に点火コイルを配設できるようにした点火装置が提案
されている。具体的にはオイル室に設けられた隔壁を除
去し、点火コイルを収容したケーシングを直接オイル室
内に配設すると共に、シリンダヘッドカバー及びケーシ
ング間並びに点火プラグ取付孔及びケーシング間でシー
ルするようにしている。
グ毎に点火コイルを装着する技術が採用され、コイル分
配点火方式として知られている。このような点火コイル
を内燃機関用に装着する場合、例えば特開昭62−157278
号公報に記載のように、日本のカムシャフトを燃焼室の
上方に配設したダブルオーバーヘッドカムシャフト(通
称、DOHC)の内燃機関にあっては装着が困難であり、機
関の大型化を招くことになる。このため、同公報におい
ては、内燃機関側に対し制約が生じないよう、狭いバル
ブ挟み角を有するDOHCエンジンに対してもカムシャフト
間に点火コイルを配設できるようにした点火装置が提案
されている。具体的にはオイル室に設けられた隔壁を除
去し、点火コイルを収容したケーシングを直接オイル室
内に配設すると共に、シリンダヘッドカバー及びケーシ
ング間並びに点火プラグ取付孔及びケーシング間でシー
ルするようにしている。
点火コイルとしては、例えば特開昭60−201607号公報
に記載のようにコア(鉄心)を嵌合する一次ボビンに巻
装した一次コイルと、これらを収容する二次ボビンに巻
装した二次コイルを備えたものがあるが、小型化、高性
能化の要請に応えるべく種々の対策が講じられている。
に記載のようにコア(鉄心)を嵌合する一次ボビンに巻
装した一次コイルと、これらを収容する二次ボビンに巻
装した二次コイルを備えたものがあるが、小型化、高性
能化の要請に応えるべく種々の対策が講じられている。
上記特開昭60−201607号公報においては二次コイルと
その外側の鉄心との間の間隙に着目し、鉄心をテーパ状
として注型樹脂を削減することとしているが、二次ボビ
ンについては高圧側に向かって徐々に肉厚となるような
溝を有する構造が示唆されているのみで、二次ボビンと
一次コイルとの間の間隙に関し特段の対策が講じられて
いるものではない。
その外側の鉄心との間の間隙に着目し、鉄心をテーパ状
として注型樹脂を削減することとしているが、二次ボビ
ンについては高圧側に向かって徐々に肉厚となるような
溝を有する構造が示唆されているのみで、二次ボビンと
一次コイルとの間の間隙に関し特段の対策が講じられて
いるものではない。
上記二次ボビンは合成樹脂で形成されるが、一般的に
樹脂成形部品の型抜きを可能とするには抜き方向に傾斜
していることが必要で、所謂抜き勾配として約30′が必
要とされている。このため、上記従来技術のように二次
ボビンの軸方向寸法が短い場合には、二次ボビンに抜き
勾配をもたせても二次ボビンに収容する一次コイル及び
一次ボビンとの間の間隙が小さいので点火コイル全体と
しての外径寸法に然程影響しないが、点火コイルの外径
が制限され所定の出力を確保するため軸方向に長く形成
する場合には、抜き勾配による外径寸法の増大が問題と
なり、軸方向長さが増々長くなる。例えば点火コイルの
外径が25mm前後で二次ボビンの軸方向長さが90mm前後の
場合、二次ボビン成形のための抜き勾配により3乃至5m
mの無駄な間隙が生ずることになるが、外径寸法が制限
されているので所定の出力を確保するためには軸方向長
さを長くせざるを得ない。このことはこれらを収容する
ハウジングについても同様で、有底筒体状のハウジング
の開口部と底部とで、収容する二次コイルとの間隙が異
なり、ハウジング内に無駄な間隙が生じる。
樹脂成形部品の型抜きを可能とするには抜き方向に傾斜
していることが必要で、所謂抜き勾配として約30′が必
要とされている。このため、上記従来技術のように二次
ボビンの軸方向寸法が短い場合には、二次ボビンに抜き
勾配をもたせても二次ボビンに収容する一次コイル及び
一次ボビンとの間の間隙が小さいので点火コイル全体と
しての外径寸法に然程影響しないが、点火コイルの外径
が制限され所定の出力を確保するため軸方向に長く形成
する場合には、抜き勾配による外径寸法の増大が問題と
なり、軸方向長さが増々長くなる。例えば点火コイルの
外径が25mm前後で二次ボビンの軸方向長さが90mm前後の
場合、二次ボビン成形のための抜き勾配により3乃至5m
mの無駄な間隙が生ずることになるが、外径寸法が制限
されているので所定の出力を確保するためには軸方向長
さを長くせざるを得ない。このことはこれらを収容する
ハウジングについても同様で、有底筒体状のハウジング
の開口部と底部とで、収容する二次コイルとの間隙が異
なり、ハウジング内に無駄な間隙が生じる。
そこで、本発明は内燃機関用点火コイルに関し、少な
くとも二次ボビンの筒体内面を樹脂成形時の抜き勾配を
考慮した形状とすると共に、一次コイル外面との間隙を
極力小さくし所定の点火性能を確保しつつ小型化を図る
ことを目的とする。
くとも二次ボビンの筒体内面を樹脂成形時の抜き勾配を
考慮した形状とすると共に、一次コイル外面との間隙を
極力小さくし所定の点火性能を確保しつつ小型化を図る
ことを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は中心コアを筒体
内に収容し該筒体の外面に一次コイルを巻回した一次ボ
ビンと、該一次ボビンを筒体内に収容し該筒体の外面に
二次コイルを巻回した二次ボビンと、該二次ボビンの外
側に配置し前記中心コアと接合する外側コアを備えた内
燃機関用点火コイルにおいて、前記二次ボビンを中空部
断面積が一方の開口端から他方の開口端に向かって漸次
減少するように形成して成り、前記一次コイルが、軸方
向に所定数に分割した部分毎に巻線を巻回した巻線層か
ら成り、前記二次ボビンの筒体内面と前記一次ボビンの
外面との間の間隙の大きさに応じて前記巻線層の層数を
設定するようにしたものである。
内に収容し該筒体の外面に一次コイルを巻回した一次ボ
ビンと、該一次ボビンを筒体内に収容し該筒体の外面に
二次コイルを巻回した二次ボビンと、該二次ボビンの外
側に配置し前記中心コアと接合する外側コアを備えた内
燃機関用点火コイルにおいて、前記二次ボビンを中空部
断面積が一方の開口端から他方の開口端に向かって漸次
減少するように形成して成り、前記一次コイルが、軸方
向に所定数に分割した部分毎に巻線を巻回した巻線層か
ら成り、前記二次ボビンの筒体内面と前記一次ボビンの
外面との間の間隙の大きさに応じて前記巻線層の層数を
設定するようにしたものである。
上述の点火コイルにおいて、前記一次コイルが、軸方
向に四分割した部分毎に巻線を巻回した巻線層から成
り、前記二次ボビンの一方の開口端側の二部分を夫々四
層の巻線層とし、前記二次ボビンの他方の開口端側の二
部分を夫々二層の巻線層とすることができる。
向に四分割した部分毎に巻線を巻回した巻線層から成
り、前記二次ボビンの一方の開口端側の二部分を夫々四
層の巻線層とし、前記二次ボビンの他方の開口端側の二
部分を夫々二層の巻線層とすることができる。
更に、開口端から底面に向かって中空部断面積が漸次
減少する筒体を構成し、該筒体内に、前記二次コイルを
巻回した前記二次ボビンを収容するハウジングを備え、
該ハウジングの内面と前記二次コイル外面との間の間隙
が軸方向の全長に亘り略一定となるように当該ハウジン
グを形成するとよい。
減少する筒体を構成し、該筒体内に、前記二次コイルを
巻回した前記二次ボビンを収容するハウジングを備え、
該ハウジングの内面と前記二次コイル外面との間の間隙
が軸方向の全長に亘り略一定となるように当該ハウジン
グを形成するとよい。
上記のように構成された本発明の内燃機関用点火コイ
ルにおいては、二次ボビンの筒体の中空部断面積が一方
の開口端から他方の開口端に向かって漸次減少するよう
に形成されているので樹脂成形時の型抜きが容易に行わ
れる。また、二次ボビンの筒体内面と一次ボビン外面と
の間の間隙の大きさに応じて、一次コイルの巻線層の層
数が、例えば上方二部分が四層で下方二部分が二層とい
うように、適宜設定されているので、一次コイル外面と
二次ボビンの筒体内面との間の間隙が略一定となり無駄
な間隙が生じない。
ルにおいては、二次ボビンの筒体の中空部断面積が一方
の開口端から他方の開口端に向かって漸次減少するよう
に形成されているので樹脂成形時の型抜きが容易に行わ
れる。また、二次ボビンの筒体内面と一次ボビン外面と
の間の間隙の大きさに応じて、一次コイルの巻線層の層
数が、例えば上方二部分が四層で下方二部分が二層とい
うように、適宜設定されているので、一次コイル外面と
二次ボビンの筒体内面との間の間隙が略一定となり無駄
な間隙が生じない。
更に、開口端から底面に向かって中空部断面積が漸次
減少する筒体を構成するハウジングを備え、この内面と
二次コイル外面との間隙を略一定となるように形成した
場合には、点火コイル全体を大型とすることなくハウジ
ングの成形性を良好なものとすることができる。
減少する筒体を構成するハウジングを備え、この内面と
二次コイル外面との間隙を略一定となるように形成した
場合には、点火コイル全体を大型とすることなくハウジ
ングの成形性を良好なものとすることができる。
而して、上記点火コイルにおいて、一次コイルに供給
される一次電流が断続することによりコアに磁束変化が
生じ、二次コイルに高電圧が誘起される。
される一次電流が断続することによりコアに磁束変化が
生じ、二次コイルに高電圧が誘起される。
以下、本発明内燃機関用点火コイルの望ましい実施例
を図面を参照して説明する。
を図面を参照して説明する。
第1図乃至第5図は本発明の点火コイルの一実施例を
示すもので、点火コイル10は一次ボビン23に巻回された
一次コイル21及び二次ボビン24に巻回された二次コイル
22を有し、これらのコイル内に収容されるコア11乃至13
及び永久磁石17,18並びに上記コイル回りに配置される
コア15,16によって磁気回路が構成されている。
示すもので、点火コイル10は一次ボビン23に巻回された
一次コイル21及び二次ボビン24に巻回された二次コイル
22を有し、これらのコイル内に収容されるコア11乃至13
及び永久磁石17,18並びに上記コイル回りに配置される
コア15,16によって磁気回路が構成されている。
本実施例においては、一次ボビン23内が軸方向に二等
分された部分の略中点に、二個の平面視正方形の永久磁
石17,18が第1図の上方をN極とするように配置され、
これら永久磁石17,18を各コア間で挟持するように正面
視略I字状のコア11乃至13が配設されている。これらの
コア11乃至13は本発明にいう中心コアを構成し、コア11
及びコア13は同一形状とされている。即ち、コア11,13
は一次ボビン23から外方に突出し突出端部11a,13bが形
成されており、これらに本発明にいう外側コアたる正面
視C字状のコア15,16の腕部15a,15b,16a,16bが接合され
ている。コア11,13の他方の端部11b,13a及びコア12の両
端部12a,12bは第1図の側方に膨出しテーパ状に形成さ
れており、各々の端面が永久磁石17,18の端面と同一の
略正方形に形成されている。
分された部分の略中点に、二個の平面視正方形の永久磁
石17,18が第1図の上方をN極とするように配置され、
これら永久磁石17,18を各コア間で挟持するように正面
視略I字状のコア11乃至13が配設されている。これらの
コア11乃至13は本発明にいう中心コアを構成し、コア11
及びコア13は同一形状とされている。即ち、コア11,13
は一次ボビン23から外方に突出し突出端部11a,13bが形
成されており、これらに本発明にいう外側コアたる正面
視C字状のコア15,16の腕部15a,15b,16a,16bが接合され
ている。コア11,13の他方の端部11b,13a及びコア12の両
端部12a,12bは第1図の側方に膨出しテーパ状に形成さ
れており、各々の端面が永久磁石17,18の端面と同一の
略正方形に形成されている。
永久磁石17,18は、発生する磁束の方向が夫々同一の
方向であって、一次コイル21の通電時にコア11乃至13に
形成される磁束の方向と反対の方向となるように配置さ
れる。また、永久磁石17,18は何れも正方形で、その一
辺の幅はコア11乃至13の本体部の一辺の幅に対し1.5乃
至2.5倍の範囲内の値に設定され、本実施例では約1.7倍
に設定されている。永久磁石17,18の他辺の幅はコア11
乃至13の本体部の他辺の幅(両端部と同一幅)と同一に
設定されており、従って永久磁石17,18のコア11乃至13
の何れかと対向する面の面積はコア11乃至13の本体部の
軸に直交する断面の面積の1.5乃至2.5倍の範囲内の約1.
7倍となっている。一方、永久磁石17,18の厚さは、後述
する一次コイル21の巻線層の層数との関係で、第1図上
方の永久磁石17の厚さが下方の永久磁石18の厚さの約2
倍に設定されている。永久磁石17,18としては残留磁束
密度が大で減磁されにくいサマリウム−コバルト(Sm−
Co)系金属の焼結体の希土類マグネットが用いられる。
例えば、温度150℃でも一次コイル21通電時の反対方向
の磁束密度が0.7T(テスラ)となるまでは減磁しないも
のが用いられる。
方向であって、一次コイル21の通電時にコア11乃至13に
形成される磁束の方向と反対の方向となるように配置さ
れる。また、永久磁石17,18は何れも正方形で、その一
辺の幅はコア11乃至13の本体部の一辺の幅に対し1.5乃
至2.5倍の範囲内の値に設定され、本実施例では約1.7倍
に設定されている。永久磁石17,18の他辺の幅はコア11
乃至13の本体部の他辺の幅(両端部と同一幅)と同一に
設定されており、従って永久磁石17,18のコア11乃至13
の何れかと対向する面の面積はコア11乃至13の本体部の
軸に直交する断面の面積の1.5乃至2.5倍の範囲内の約1.
7倍となっている。一方、永久磁石17,18の厚さは、後述
する一次コイル21の巻線層の層数との関係で、第1図上
方の永久磁石17の厚さが下方の永久磁石18の厚さの約2
倍に設定されている。永久磁石17,18としては残留磁束
密度が大で減磁されにくいサマリウム−コバルト(Sm−
Co)系金属の焼結体の希土類マグネットが用いられる。
例えば、温度150℃でも一次コイル21通電時の反対方向
の磁束密度が0.7T(テスラ)となるまでは減磁しないも
のが用いられる。
上述のコアは何れも第1図の上下方向に圧延された方
向性珪素鋼板が複数積層されて成る。方向性珪素鋼板は
周知のように圧延方向には極めて良好な磁気特性を示す
が、圧延方向と異なる角度では磁気特性が低下する。従
って、コア15,16の圧延方向に直交する腕部15a,15b,16
a,16bの幅は圧延方向(長手方向)の1.5乃至1.8倍に設
定されている。例えば圧延方向で1.7T(テスラ)の磁束
密度を許容するとき、圧延方向に対し45゜の方向では1.
1Tの磁束密度が限度となるので、コア15,16の長手方向
に直交する方向に延在する腕部15a,16aの幅Waは、長手
方向の本体部の幅Wbに対しWa≒Wb×1.7/1.1の関係とな
るように設定される。一方、コア11の端部11b等におい
て永久磁石17等に当接する端面に対するテーパ面の角度
が小さければそれだけ軽くなり一次コイル21の巻線部が
長くなるので性能向上に繋がるが、所定角度以下にする
と磁束が絞られ磁気抵抗が大きくなり所定の点火性能が
得られなくなる。このため、本実施例においては永久磁
石17等に対向する端面の最外側から40゜乃至50゜の傾斜
角度でコア11等の本体部側面に至る位置と、永久磁石17
等に対向する端面から軸方向に平行にプレス加工上最小
限必要とされる距離(例えば1mm)後退した位置とを結
ぶテーパ状に形成されている。
向性珪素鋼板が複数積層されて成る。方向性珪素鋼板は
周知のように圧延方向には極めて良好な磁気特性を示す
が、圧延方向と異なる角度では磁気特性が低下する。従
って、コア15,16の圧延方向に直交する腕部15a,15b,16
a,16bの幅は圧延方向(長手方向)の1.5乃至1.8倍に設
定されている。例えば圧延方向で1.7T(テスラ)の磁束
密度を許容するとき、圧延方向に対し45゜の方向では1.
1Tの磁束密度が限度となるので、コア15,16の長手方向
に直交する方向に延在する腕部15a,16aの幅Waは、長手
方向の本体部の幅Wbに対しWa≒Wb×1.7/1.1の関係とな
るように設定される。一方、コア11の端部11b等におい
て永久磁石17等に当接する端面に対するテーパ面の角度
が小さければそれだけ軽くなり一次コイル21の巻線部が
長くなるので性能向上に繋がるが、所定角度以下にする
と磁束が絞られ磁気抵抗が大きくなり所定の点火性能が
得られなくなる。このため、本実施例においては永久磁
石17等に対向する端面の最外側から40゜乃至50゜の傾斜
角度でコア11等の本体部側面に至る位置と、永久磁石17
等に対向する端面から軸方向に平行にプレス加工上最小
限必要とされる距離(例えば1mm)後退した位置とを結
ぶテーパ状に形成されている。
一次ボビン23は、断面略矩形の樹脂製筒体が軸方向に
二分割された同一形状の部材230,230から成る。即ち、
第1図において前後に、第4図においては左右に二分割
されている。これらの部材230,230の一方の内側にコア1
1乃至13及び永久磁石17,18が収容された後、他方が接合
されて第1図及び第3図に明かなように筒体が構成され
る。部材230,230の各々の両端及び永久磁石17,18収容部
回りに第1図に示すように鍔部231乃至236が形成されて
おり、これらの鍔部231乃至236は上方から下方に至るに
従い延出幅が小さくなるように形成されている。
二分割された同一形状の部材230,230から成る。即ち、
第1図において前後に、第4図においては左右に二分割
されている。これらの部材230,230の一方の内側にコア1
1乃至13及び永久磁石17,18が収容された後、他方が接合
されて第1図及び第3図に明かなように筒体が構成され
る。部材230,230の各々の両端及び永久磁石17,18収容部
回りに第1図に示すように鍔部231乃至236が形成されて
おり、これらの鍔部231乃至236は上方から下方に至るに
従い延出幅が小さくなるように形成されている。
そして、一次ボビン23の周囲に一次コイル21の巻線が
二層もしくは四層に巻回される。即ち、一次コイル21は
軸方向に四分割され、第1図上方の二部分は夫々巻線が
四層に巻回されて四層の巻線層が形成され、下方の二部
分は夫々二層に巻回されて二層の巻線層が形成される。
また、上述のように一次ボビン23の鍔部231乃至236の延
出幅は上方から下方に向かって漸次小さくなるように設
定されている。而して、一次コイル21が巻回された一次
ボビン23は、第1図及び第4図に示すように上方の断面
積が大で下方の断面積が小の形状となっている。
二層もしくは四層に巻回される。即ち、一次コイル21は
軸方向に四分割され、第1図上方の二部分は夫々巻線が
四層に巻回されて四層の巻線層が形成され、下方の二部
分は夫々二層に巻回されて二層の巻線層が形成される。
また、上述のように一次ボビン23の鍔部231乃至236の延
出幅は上方から下方に向かって漸次小さくなるように設
定されている。而して、一次コイル21が巻回された一次
ボビン23は、第1図及び第4図に示すように上方の断面
積が大で下方の断面積が小の形状となっている。
一次コイル21の各巻線層は一本の巻線が連続して形成
され、その両端は第2図及び第4図に示す一次ターミナ
ル33b,33cに夫々半田付け等によって接続されている。
これら一次ターミナル33b,33cはインサート樹脂成形さ
れて一次コネクタ33が形成され、一次ターミナル33bは
図示しないバッテリに接続され、一次ターミナル33cは
図示しない制御回路、通称イグナイタに接続される。
尚、一次コイル21の巻線の巻回方向は、一次コイル21に
通電されたとき永久磁石17,18の磁化方向と逆方向に磁
化されるように設定されている。
され、その両端は第2図及び第4図に示す一次ターミナ
ル33b,33cに夫々半田付け等によって接続されている。
これら一次ターミナル33b,33cはインサート樹脂成形さ
れて一次コネクタ33が形成され、一次ターミナル33bは
図示しないバッテリに接続され、一次ターミナル33cは
図示しない制御回路、通称イグナイタに接続される。
尚、一次コイル21の巻線の巻回方向は、一次コイル21に
通電されたとき永久磁石17,18の磁化方向と逆方向に磁
化されるように設定されている。
一次コイル21の外側には、二次コイル22が巻回された
二次ボビン24が配設されている。二次ボビン24は樹脂成
形時の型抜き勾配(約30′)に対応してその中空部断面
積が第1図上方の開口端から下方の開口端に向かって漸
次減少するように形成されている。而して、一次コイル
21及び一次ボビン23が二次ボビン24の筒体内に微小な隙
間を残すのみで収容されている。二次ボビン24の外形も
上方が大で下方に向かって漸次小さくなるように形成さ
れており、外側面の軸方向の所定間隔毎に複数の溝が階
段状に形成されている。そして、二次コイル22の巻線が
第1図の上方の溝から下方の溝に順次分割巻回され、上
方から下方に階段状の外面が形成されている。
二次ボビン24が配設されている。二次ボビン24は樹脂成
形時の型抜き勾配(約30′)に対応してその中空部断面
積が第1図上方の開口端から下方の開口端に向かって漸
次減少するように形成されている。而して、一次コイル
21及び一次ボビン23が二次ボビン24の筒体内に微小な隙
間を残すのみで収容されている。二次ボビン24の外形も
上方が大で下方に向かって漸次小さくなるように形成さ
れており、外側面の軸方向の所定間隔毎に複数の溝が階
段状に形成されている。そして、二次コイル22の巻線が
第1図の上方の溝から下方の溝に順次分割巻回され、上
方から下方に階段状の外面が形成されている。
二次コイル22の巻線の巻始めは一次ターミナル33bに
接続され、図示しないバッテリと同電位となる。二次コ
イル22の巻線の巻き終りは第4図下方のダイオード36の
一端のリード36aに半田付け等によって接続されてい
る。
接続され、図示しないバッテリと同電位となる。二次コ
イル22の巻線の巻き終りは第4図下方のダイオード36の
一端のリード36aに半田付け等によって接続されてい
る。
二次コイル22回りには、ホルダ31,32と一体に成形さ
れたコア15,16が前述のように配設されている。即ち、
コア15,16がインサート樹脂成形され、第5図に示すよ
うな同一形状のホルダ31,32が形成されている。ホルダ3
1の上下端部にはコ字状断面の支持部31a,31bが形成さ
れ、これらに連続するようにコア15の内側に耐電圧を確
保するため絶縁部31cが形成されている。絶縁部31cは本
発明にいうハウジングの一部を構成し、第1図にその断
面を示すように上方が薄く、下方に至るに従い漸次厚く
なるように形成されており、二次コイル22及び二次ボビ
ン24を収容したとき、上方から下方に至るまでこれらの
外面と略一定の間隙が形成される。この絶縁部31cの両
側の角部は段付形状とされ段部31d,31eが形成されてい
る。尚、ホルダ32も同様の構造である。
れたコア15,16が前述のように配設されている。即ち、
コア15,16がインサート樹脂成形され、第5図に示すよ
うな同一形状のホルダ31,32が形成されている。ホルダ3
1の上下端部にはコ字状断面の支持部31a,31bが形成さ
れ、これらに連続するようにコア15の内側に耐電圧を確
保するため絶縁部31cが形成されている。絶縁部31cは本
発明にいうハウジングの一部を構成し、第1図にその断
面を示すように上方が薄く、下方に至るに従い漸次厚く
なるように形成されており、二次コイル22及び二次ボビ
ン24を収容したとき、上方から下方に至るまでこれらの
外面と略一定の間隙が形成される。この絶縁部31cの両
側の角部は段付形状とされ段部31d,31eが形成されてい
る。尚、ホルダ32も同様の構造である。
而して、ホルダ31の支持部31aとホルダ32の支持部32a
との間に、コア11の突出端部11a及びコア15,16の腕部15
a,16aの接合端部15c,16cが挟持されており(第1図及び
第4図参照)、同様にコア13の突出端部13b及びコア15,
16の腕部15b,16bの接合端部15d,16dがホルダ31,32の下
方の支持部31b,32b間に挟持されている。コア15,16の上
方の接合端部15c,16cの幅はコア15,16の腕部15a,16aの
幅より大であって、コア11の突出端部11aと同一幅であ
り、下方の接合端部15d,16dについても同様の関係にあ
る。第1図に示すように突出端部11a及び接合端部15c,1
6cの上方には夫々孔11e,15e,16eが穿設されており、ホ
ルダ31,32の支持部31a,32aの側方から(第5図の左下方
向及び右上方向から)加熱押圧されることによりホルダ
31,32が熱変形して孔11e,15e,16eに進入し、コア11,15,
16の上部が強固に固定される。コア13とコア15,16の下
部についても同様に固定される。
との間に、コア11の突出端部11a及びコア15,16の腕部15
a,16aの接合端部15c,16cが挟持されており(第1図及び
第4図参照)、同様にコア13の突出端部13b及びコア15,
16の腕部15b,16bの接合端部15d,16dがホルダ31,32の下
方の支持部31b,32b間に挟持されている。コア15,16の上
方の接合端部15c,16cの幅はコア15,16の腕部15a,16aの
幅より大であって、コア11の突出端部11aと同一幅であ
り、下方の接合端部15d,16dについても同様の関係にあ
る。第1図に示すように突出端部11a及び接合端部15c,1
6cの上方には夫々孔11e,15e,16eが穿設されており、ホ
ルダ31,32の支持部31a,32aの側方から(第5図の左下方
向及び右上方向から)加熱押圧されることによりホルダ
31,32が熱変形して孔11e,15e,16eに進入し、コア11,15,
16の上部が強固に固定される。コア13とコア15,16の下
部についても同様に固定される。
支持部31b,32bの底部には、コ字状断面(第4図に表
われる)の取付部35aと支持部35bから成る樹脂製のカバ
ー35が挟着されている。支持部35bには第4図に示すよ
うに下方に突出する溝付き突出部35c,35dが形成されて
おり、この溝にダイオード36のリード36a,36bが挟持さ
れて固定されている。また、プレート37の両側に設けら
れた屈曲脚部が支持35bの両端面に形成された穴に圧入
固定されており、プレート37の接続部37aがダイオード3
6のリード36bに半田付け等によって接続されている。
われる)の取付部35aと支持部35bから成る樹脂製のカバ
ー35が挟着されている。支持部35bには第4図に示すよ
うに下方に突出する溝付き突出部35c,35dが形成されて
おり、この溝にダイオード36のリード36a,36bが挟持さ
れて固定されている。また、プレート37の両側に設けら
れた屈曲脚部が支持35bの両端面に形成された穴に圧入
固定されており、プレート37の接続部37aがダイオード3
6のリード36bに半田付け等によって接続されている。
これらホルダ31,32並びに一次コイル21,二次コイル22
及びコア11等は第5図に示すようなケース30に収容され
ている。ケース30は立壁部30a,30bが並設されて両者間
に収容部が形成され、上端にフランジ部30c,30dが形成
され、下端に有底筒体の二次コネクタ部30eが形成され
ている。そして、立壁部30a,30bの両側には段部(四つ
の段部を代表して30fとする)が形成されており、この
段部30fにホルダ31,32の段部31d等が嵌合し密着するよ
うに構成されている。立壁部30a,30bは、第4図にその
断面を示すように絶縁部31cと同様上方が薄く、下方に
至るに従い漸次厚くなるように形成されており、二次コ
イル22及び二次ボビン24を収容したとき、上方から下方
に至るまでこれらの外面と略一定の間隙が形成される。
及びコア11等は第5図に示すようなケース30に収容され
ている。ケース30は立壁部30a,30bが並設されて両者間
に収容部が形成され、上端にフランジ部30c,30dが形成
され、下端に有底筒体の二次コネクタ部30eが形成され
ている。そして、立壁部30a,30bの両側には段部(四つ
の段部を代表して30fとする)が形成されており、この
段部30fにホルダ31,32の段部31d等が嵌合し密着するよ
うに構成されている。立壁部30a,30bは、第4図にその
断面を示すように絶縁部31cと同様上方が薄く、下方に
至るに従い漸次厚くなるように形成されており、二次コ
イル22及び二次ボビン24を収容したとき、上方から下方
に至るまでこれらの外面と略一定の間隙が形成される。
二次コネクタ部30e内には二次ターミナル34が収容さ
れており、その頂面に形成された突出部34aが二次コネ
クタ部30eの底面を貫通してコア13方向に延出してい
る。そして、プレート37の中央部に穿設された円形の穴
に二次ターミナル34の突出部34aが圧入され、電気的に
接続される。
れており、その頂面に形成された突出部34aが二次コネ
クタ部30eの底面を貫通してコア13方向に延出してい
る。そして、プレート37の中央部に穿設された円形の穴
に二次ターミナル34の突出部34aが圧入され、電気的に
接続される。
而して、ケース30及びホルダ31,32によって筒体のハ
ウジングが構成され、その内部空間に熱硬化性の合成樹
脂、例えばエポキシ樹脂が充填、硬化されて樹脂部38が
形成される。前述のように二次コイル22及び二次ボビン
24の外面とケース30及び絶縁部31cのハウジング内面と
の間隙は軸方向の全長に亘り略一定の寸法に形成されて
おり、この間隙にエポキシ樹脂が充填される。これによ
り、一次コイル21及び二次コイル22が含浸固着されると
共に二次コイル22の出力高電圧に耐え得る絶縁性が確保
される。尚、上記実施例においては、ケース30及びホル
ダ31,32によってハウジングが構成されているが、ケー
ス30によって全体を囲繞するようにしてハウジングを構
成することとしてもよい。
ウジングが構成され、その内部空間に熱硬化性の合成樹
脂、例えばエポキシ樹脂が充填、硬化されて樹脂部38が
形成される。前述のように二次コイル22及び二次ボビン
24の外面とケース30及び絶縁部31cのハウジング内面と
の間隙は軸方向の全長に亘り略一定の寸法に形成されて
おり、この間隙にエポキシ樹脂が充填される。これによ
り、一次コイル21及び二次コイル22が含浸固着されると
共に二次コイル22の出力高電圧に耐え得る絶縁性が確保
される。尚、上記実施例においては、ケース30及びホル
ダ31,32によってハウジングが構成されているが、ケー
ス30によって全体を囲繞するようにしてハウジングを構
成することとしてもよい。
上記の構成になる点火コイル10の組付け手順を以下に
説明する。
説明する。
先ず、一次ボビン23を構成する部材230,230の間の所
定の位置にコア11乃至13及び永久磁石17,18を配置して
固定する。この一次ボビン23の外周に巻線を巻回し、下
方で二層の巻線層、上方で四層の巻線層から成る一次コ
イル21を形成する。また、筒体の二次ボビン24の各溝に
巻線を巻回し二次コイル22を巻装しておき、二次ボビン
24の中空部に、断面積が大きい上方開口端から上記一次
コイル21及び一次ボビン23を収容し第5図に示すコイル
サブアッシー10aとする。一方、コア15,16をインサート
樹脂成形し夫々ホルダ31,32を形成する。これらホルダ3
1,32をコイルサブアッシー10aの両側から挟持するよう
に支持部31a,32a及び支持部31b,32bを夫々衝合させ、コ
ア11,13の突出端部11a,13bとコア15,16の接合端部15c,1
5d,16c,16dを接合する。この状態で、一次コネクタ33の
取付部33aをコア11の突出端部11a及びコア15,16の接合
端部15c,16cに嵌合し、ホルダ31の支持部31a,32aを側方
から熱加圧して孔11e,15e,16eに進入させコア11,15,16
の上部を固定する。コア13,15,16の下部も同様の方法で
支持部31b,32bに固定する。これにより、コイルアッシ
ーが形成される。そして、一次コイル21の巻線の両端を
一次ターミナル33b,33cに接続する。また、カバー35に
ダイオード36と金属板のプレート37を装着しプレート37
の接続部37aにリード36bを接続する。このカバー35の取
付部35aをコア14の突出端部14b及びコア15,16の接合端
部15d,16dに嵌合し、二次コイル22の巻線の巻終り部分
をリード36aに接続する。
定の位置にコア11乃至13及び永久磁石17,18を配置して
固定する。この一次ボビン23の外周に巻線を巻回し、下
方で二層の巻線層、上方で四層の巻線層から成る一次コ
イル21を形成する。また、筒体の二次ボビン24の各溝に
巻線を巻回し二次コイル22を巻装しておき、二次ボビン
24の中空部に、断面積が大きい上方開口端から上記一次
コイル21及び一次ボビン23を収容し第5図に示すコイル
サブアッシー10aとする。一方、コア15,16をインサート
樹脂成形し夫々ホルダ31,32を形成する。これらホルダ3
1,32をコイルサブアッシー10aの両側から挟持するよう
に支持部31a,32a及び支持部31b,32bを夫々衝合させ、コ
ア11,13の突出端部11a,13bとコア15,16の接合端部15c,1
5d,16c,16dを接合する。この状態で、一次コネクタ33の
取付部33aをコア11の突出端部11a及びコア15,16の接合
端部15c,16cに嵌合し、ホルダ31の支持部31a,32aを側方
から熱加圧して孔11e,15e,16eに進入させコア11,15,16
の上部を固定する。コア13,15,16の下部も同様の方法で
支持部31b,32bに固定する。これにより、コイルアッシ
ーが形成される。そして、一次コイル21の巻線の両端を
一次ターミナル33b,33cに接続する。また、カバー35に
ダイオード36と金属板のプレート37を装着しプレート37
の接続部37aにリード36bを接続する。このカバー35の取
付部35aをコア14の突出端部14b及びコア15,16の接合端
部15d,16dに嵌合し、二次コイル22の巻線の巻終り部分
をリード36aに接続する。
次に、二次ターミナル34を一体成形し二次コネクタ部
30eを形成すると共に立壁部30a,30bを並設して成る第5
図に示すケース30に上記のコイルサブアッシー10aを含
むコイルアッシーを挿入し、プレート37に二次ターミナ
ル34を接合する。そして、ホルダ31,32及びケース30の
ハウジング内面とコイルサブアッシー10aとの間に形成
される空間にエポキシ樹脂を充填し、熱硬化させて含浸
固着させる。
30eを形成すると共に立壁部30a,30bを並設して成る第5
図に示すケース30に上記のコイルサブアッシー10aを含
むコイルアッシーを挿入し、プレート37に二次ターミナ
ル34を接合する。そして、ホルダ31,32及びケース30の
ハウジング内面とコイルサブアッシー10aとの間に形成
される空間にエポキシ樹脂を充填し、熱硬化させて含浸
固着させる。
而して、上記のように形成された点火コイル10におい
ては、第1図に示すように永久磁石17,18の上方がN極
となっており、磁束の流れはコア13からコア11に向か
い、コア11にてコア15,16に分岐しコア13に戻る閉ルー
プとなっている。この状態での磁束の漏洩は殆どない。
一次コイル21が図示しない制御回路により通電され一次
電流が供給されると、磁束の流れは永久磁石17,18の磁
化方向と逆方向でコア11からコア13に向かう閉ループと
なる。このとき、コア11からコア15,16へ、コア15,16か
らコア13へ、そしてコア12とコア15,16の相互間で磁束
の漏洩が生ずるが、後述するように永久磁石17,18によ
り漏洩磁束が低減される。そして、一次電流が遮断され
ると二次コイル22に逆起電力が誘起され30乃至40kVの高
電圧が発生する。この高電圧はダイオード36、プレート
37そして二次ターミナル34を介して図示しない点火プラ
グに印加される。尚、このダイオード36は一次コイル21
通電時に発生する1乃至3kVの電圧によって点火プラグ
が飛火するのを防止するものである。
ては、第1図に示すように永久磁石17,18の上方がN極
となっており、磁束の流れはコア13からコア11に向か
い、コア11にてコア15,16に分岐しコア13に戻る閉ルー
プとなっている。この状態での磁束の漏洩は殆どない。
一次コイル21が図示しない制御回路により通電され一次
電流が供給されると、磁束の流れは永久磁石17,18の磁
化方向と逆方向でコア11からコア13に向かう閉ループと
なる。このとき、コア11からコア15,16へ、コア15,16か
らコア13へ、そしてコア12とコア15,16の相互間で磁束
の漏洩が生ずるが、後述するように永久磁石17,18によ
り漏洩磁束が低減される。そして、一次電流が遮断され
ると二次コイル22に逆起電力が誘起され30乃至40kVの高
電圧が発生する。この高電圧はダイオード36、プレート
37そして二次ターミナル34を介して図示しない点火プラ
グに印加される。尚、このダイオード36は一次コイル21
通電時に発生する1乃至3kVの電圧によって点火プラグ
が飛火するのを防止するものである。
本実施例の点火コイル10においては、コア11乃至13の
各コア間に介装された永久磁石17,18により大きな有効
磁束変化を確保することができる。特に、永久磁石17,1
8は一次コイル21内に収容され適切な位置に配置される
と共に、一次コイル21の巻線層の層数に応じて両者の厚
さが設定されているので、磁束の集中により従来に比し
漏洩磁束が少なくなり、コア11乃至13における局部的な
磁気飽和が無くなる。しかも、コア11乃至13の本体部の
軸に直交する断面に対する永久磁石17,18の面積比が約
1.7倍とされているので、一次コイル21による磁界が永
久磁石17,18の減磁限界に達する前にコア11乃至13が飽
和磁束密度に達し、永久磁石17,18が減磁されることは
ない。従って、一次電流の通電による起磁力に対し一次
コイル21内に形成される磁束密度が大となり、放電エネ
ルギーが増加する。また、磁束変化が大となるので二次
コイル22の出力電圧が大となる。
各コア間に介装された永久磁石17,18により大きな有効
磁束変化を確保することができる。特に、永久磁石17,1
8は一次コイル21内に収容され適切な位置に配置される
と共に、一次コイル21の巻線層の層数に応じて両者の厚
さが設定されているので、磁束の集中により従来に比し
漏洩磁束が少なくなり、コア11乃至13における局部的な
磁気飽和が無くなる。しかも、コア11乃至13の本体部の
軸に直交する断面に対する永久磁石17,18の面積比が約
1.7倍とされているので、一次コイル21による磁界が永
久磁石17,18の減磁限界に達する前にコア11乃至13が飽
和磁束密度に達し、永久磁石17,18が減磁されることは
ない。従って、一次電流の通電による起磁力に対し一次
コイル21内に形成される磁束密度が大となり、放電エネ
ルギーが増加する。また、磁束変化が大となるので二次
コイル22の出力電圧が大となる。
上記の実施例において一次コイル21の巻線としては円
形断面、楕円断面等の金属線を用いることができるが、
略矩形断面の平角線を用いることが望ましい。即ち、一
次コイル21の巻線として平角線を用いることにより、一
次ボビン23に巻回するとき隙間を最小限に抑えることが
できるので、無駄な隙間がなくなり各巻線層の巻上り高
さを小さくすることができる。第6図に示すように、平
角線210は略矩形断面の平板状の導体211に絶縁皮膜212
が形成されたもので、円形断面の巻線に比し第7図に示
す膨み量dが小さい。例えば、直径0.47mmの円形断面の
巻線の膨み量dが0.5であるのに対し、これと同断面積
の0.57mm×0.304mmの平角線の膨み量dは0.2乃至0.3と
小さい。
形断面、楕円断面等の金属線を用いることができるが、
略矩形断面の平角線を用いることが望ましい。即ち、一
次コイル21の巻線として平角線を用いることにより、一
次ボビン23に巻回するとき隙間を最小限に抑えることが
できるので、無駄な隙間がなくなり各巻線層の巻上り高
さを小さくすることができる。第6図に示すように、平
角線210は略矩形断面の平板状の導体211に絶縁皮膜212
が形成されたもので、円形断面の巻線に比し第7図に示
す膨み量dが小さい。例えば、直径0.47mmの円形断面の
巻線の膨み量dが0.5であるのに対し、これと同断面積
の0.57mm×0.304mmの平角線の膨み量dは0.2乃至0.3と
小さい。
一次コイル21の巻線数をN(T)とし一次ボビン23の
巻線部長さの合計(軸方向長さ)をLとすると、例えば
全ての巻線層を二層としたときの巻線の幅WrはL/(N/
2)となり、四層としたときの巻線の幅WrはL/(N/4)と
なる。尚、本実施例においては上方二部分が四層で下方
二部分が二層であるので、各部分の長さ(L/4)を層数
の合計(12層)で除すれば巻線、即ち平角線210の幅Wr
が求められる。また、巻線の厚さTwは以下のようにして
求められる。先ず、一次コイル21の抵抗R1が制御回路
(図示せず)において所定の値に設定されるので、下記
(1)式から巻線の断面積Sが求められる。
巻線部長さの合計(軸方向長さ)をLとすると、例えば
全ての巻線層を二層としたときの巻線の幅WrはL/(N/
2)となり、四層としたときの巻線の幅WrはL/(N/4)と
なる。尚、本実施例においては上方二部分が四層で下方
二部分が二層であるので、各部分の長さ(L/4)を層数
の合計(12層)で除すれば巻線、即ち平角線210の幅Wr
が求められる。また、巻線の厚さTwは以下のようにして
求められる。先ず、一次コイル21の抵抗R1が制御回路
(図示せず)において所定の値に設定されるので、下記
(1)式から巻線の断面積Sが求められる。
但し、ρは巻線材料たる銅の比抵抗、は一次コイル
21の1ターン当り平均長さを示す。
21の1ターン当り平均長さを示す。
このようにして得られた巻線の断面積S及び上述の幅
Wrから厚さTwが求められる。
Wrから厚さTwが求められる。
而して、巻線として第6図に示すような平角線210を
用いた場合には、例えば二層の巻線層の第8図(イ)に
示すように各巻線間の間隙が極めて小さく、第8図
(ロ)に示す従来の円形断面の巻線に比し巻上り高さ
(2Tw)が低くなっている。これに対し、第8図(ロ)
に示すように、従来の円形断面(直径φとする)の巻線
220の巻上り高さは2φと高くなっている(2φ>2T
w)。即ち、各巻線間の間隙が大きいので、上述の平角
線210のように一次コイル21の軸方向長さLを層数で除
するといった方法で直径φを設定することはできず、例
えば第8図(ロ)に示すように最外側の巻線間に隙間が
形成された形となっている。
用いた場合には、例えば二層の巻線層の第8図(イ)に
示すように各巻線間の間隙が極めて小さく、第8図
(ロ)に示す従来の円形断面の巻線に比し巻上り高さ
(2Tw)が低くなっている。これに対し、第8図(ロ)
に示すように、従来の円形断面(直径φとする)の巻線
220の巻上り高さは2φと高くなっている(2φ>2T
w)。即ち、各巻線間の間隙が大きいので、上述の平角
線210のように一次コイル21の軸方向長さLを層数で除
するといった方法で直径φを設定することはできず、例
えば第8図(ロ)に示すように最外側の巻線間に隙間が
形成された形となっている。
本発明は上述のように構成されているので、以下に記
載する効果を奏する。
載する効果を奏する。
即ち、本発明の点火コイルによれば、二次ボビンを樹
脂成形するときの型抜き勾配を考慮した形状の筒体とす
ると共に、この二次ボビンの筒体内面と一次ボビンの外
面との間隙の大きさに応じて一次コイルの巻線層の層数
を設定することにより一次コイル外面と二次ボビン内面
との間の間隙を略一定としているので、無駄な間隙を生
ずることなく所定の点火性能を確保しつつ小型とするこ
とができる。
脂成形するときの型抜き勾配を考慮した形状の筒体とす
ると共に、この二次ボビンの筒体内面と一次ボビンの外
面との間隙の大きさに応じて一次コイルの巻線層の層数
を設定することにより一次コイル外面と二次ボビン内面
との間の間隙を略一定としているので、無駄な間隙を生
ずることなく所定の点火性能を確保しつつ小型とするこ
とができる。
更に、中空部断面積が開口端から底面に向かって漸次
減少する筒体を構成するハウジングを備え、この内面と
二次コイルの外面との間隙を略一定となるように形成し
たものにあっては、ハウジングの成形性を良好なものと
すると共に、無駄な間隙を生ずることなく点火コイルを
小型に形成することができる。
減少する筒体を構成するハウジングを備え、この内面と
二次コイルの外面との間隙を略一定となるように形成し
たものにあっては、ハウジングの成形性を良好なものと
すると共に、無駄な間隙を生ずることなく点火コイルを
小型に形成することができる。
第1図は本発明の一実施例の点火コイルの縦断面図、第
2図は同、点火コイルの平面図、第3図は第1図中III
−III線断面図、第4図は本発明の一実施例の点火コイ
ルの側方からみた縦断面図、第5図は本発明の一実施例
の点火コイルの分解斜視図、第6図は本発明の一実施例
に用いられる巻線の斜視図、第7図は同、巻線の拡大断
面図、第8図(イ)は本発明の一実施例における巻線の
巻線状態を示す断面図、第8図(ロ)は従来の点火コイ
ルにおける巻線の巻線状態を示す断面図である。 10……点火コイル, 11,12,13……コア(中心コア), 15,16……コア(外側コア), 17,18……永久磁石, 21……一次コイル,22……二次コイル, 23……一次ボビン,24……二次ボビン, 30……ケース(ハウジング), 31,32……ホルダ(ハウジング), 230……部材,231〜236……鍔部
2図は同、点火コイルの平面図、第3図は第1図中III
−III線断面図、第4図は本発明の一実施例の点火コイ
ルの側方からみた縦断面図、第5図は本発明の一実施例
の点火コイルの分解斜視図、第6図は本発明の一実施例
に用いられる巻線の斜視図、第7図は同、巻線の拡大断
面図、第8図(イ)は本発明の一実施例における巻線の
巻線状態を示す断面図、第8図(ロ)は従来の点火コイ
ルにおける巻線の巻線状態を示す断面図である。 10……点火コイル, 11,12,13……コア(中心コア), 15,16……コア(外側コア), 17,18……永久磁石, 21……一次コイル,22……二次コイル, 23……一次ボビン,24……二次ボビン, 30……ケース(ハウジング), 31,32……ホルダ(ハウジング), 230……部材,231〜236……鍔部
Claims (3)
- 【請求項1】中心コアを筒体内に収容し該筒体の外面に
一次コイルを巻回した一次ボビンと、該一次ボビンを筒
体内に収容し該筒体の外面に二次コイルを巻回した二次
ボビンと、該二次ボビンの外側に配置し前記中心コアと
接合する外側コアを備えた内燃機関用点火コイルにおい
て、前記二次ボビンを中空部断面積が一方の開口端から
他方の開口端に向かって漸次減少するように形成し、前
記一次コイルが、軸方向に所定数に分割した部分毎に巻
線を巻回した巻線層から成り、前記二次ボビンの筒体内
面と前記一次ボビンの外面との間の間隙の大きさに応じ
て前記巻線層の層数を設定するようにしたことを特徴と
する内燃機関用点火コイル。 - 【請求項2】前記一次コイルが、軸方向に四分割した部
分毎に巻線を巻回した巻線層から成り、前記二次ボビン
の一方の開口端側の二部分を夫々四層の巻線層とし、前
記二次ボビンの他方の開口端側の二部分を夫々二層の巻
線層としたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関用
点火コイル。 - 【請求項3】開口端から底面に向かって中空部断面積が
漸次減少する筒体を構成し、該筒体内に、前記二次コイ
ルを巻回した前記二次ボビンを収容するハウジングを備
え、該ハウジングの内面と前記二次コイル外面との間の
間隙が軸方向の全長に亘り略一定となるように当該ハウ
ジングを形成したことを特徴とする請求項1記載の内燃
機関用点火コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2269038A JP2952701B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | 内燃機関用点火コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2269038A JP2952701B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | 内燃機関用点火コイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04144213A JPH04144213A (ja) | 1992-05-18 |
JP2952701B2 true JP2952701B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=17466812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2269038A Expired - Lifetime JP2952701B2 (ja) | 1990-10-05 | 1990-10-05 | 内燃機関用点火コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2952701B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4650051B2 (ja) * | 2005-03-28 | 2011-03-16 | 株式会社デンソー | 点火コイル |
JP2010135350A (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-17 | Hanshin Electric Co Ltd | 内燃機関用点火コイル |
-
1990
- 1990-10-05 JP JP2269038A patent/JP2952701B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04144213A (ja) | 1992-05-18 |
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