JPH04144216A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JPH04144216A
JPH04144216A JP2269041A JP26904190A JPH04144216A JP H04144216 A JPH04144216 A JP H04144216A JP 2269041 A JP2269041 A JP 2269041A JP 26904190 A JP26904190 A JP 26904190A JP H04144216 A JPH04144216 A JP H04144216A
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JP
Japan
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core
permanent magnet
coil
magnetic flux
central core
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JP2269041A
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English (en)
Inventor
Toshiro Suzuki
敏郎 鈴木
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関用点火コイルに関し、特に一次ボビン
内の磁路に永久磁石を介装して出力電圧を増大する点火
コイルに係る。
〔従来の技術〕
内燃機関の点火装置は、一般的に点火コイルの一次電流
を断続し、コイル内の磁束変化に応じて二次側に発生す
る高電圧を点火プラグに印加し気筒内の混合気に点火す
るものである。
上記点火コイルに関しては、近時の内燃機関の高出力化
に伴い、出力電圧、放電エネルギーの増大が要求される
。このため、コアの断面積を増加させ、コアに巻回する
コイルの巻数を増加させるといった対応が必要となるが
、そうすると点火コイルが大型となり点火装置全体とし
ての小型化の要請に反することとなる。
実開昭48−49425号公報にも、二次コイルの出力
電圧を増大するためには二次コイルの巻線数を多くする
か、磁心を通る磁束を多くすることが必要である旨説明
されている。同公報においては、これを解決する手段と
して、スイッチが閉成された際に発生する磁化の方向と
反対方向の磁化力を持つ磁石を磁路に挿入した点火コイ
ルが提案されている。同様に、特公昭41−2082号
公報にも鉄心即ちコアの磁路に、一次コイルによる磁束
と差動する磁束、即ち反対方向の磁束を与える永久磁石
を設けた点火コイルが開示されている。その他特開昭5
9−167006号、特開昭60−218810号公報
にも、コアに設けた空隙に永久磁石を配置した点火コイ
ルが開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように永久磁石を磁路に介装した点火コイルにお
いては、一次電流断続時の磁束変化が大となり、二次コ
イルに発生する出力電圧が従前の点火コイルに比し大と
なる。しかし、これらの点火コイルにおいては、一次コ
イル通電時に生ずる漏洩磁束が多いため、折角増加した
磁束の多くが相殺され磁束の増加は僅かとなる。このよ
うな漏洩磁束の低減手段として、一次コイルを巻回した
一部ボビン内に永久磁石を配置しコア間に挟持する態様
が考えられる。
また、一次コイルの磁力により永久磁石が減磁すること
がないようにするため、コアの断面積に対して永久磁石
の面積を大とする必要性が生ずる。従って、永久磁石の
面積を所定の値に設定すると、コアの永久磁石に隣接す
る部分の断面は本体部の断面より大とすることになる。
コアの形状としては種々の形状が考えられるが、例えば
永久磁石に隣接する部分と本体部とで正面視T字状に形
成すると、コアを方向性珪素鋼板で構成し本体部を圧延
方向に設定した場合には永久磁石に隣接する部分が圧延
方向に対し垂直となるので、この部分の軸方向長さが小
さいと磁束が絞られ、磁気抵抗が大きくなり所定の点火
性能が得られなくなる。これに対処するため、コアの永
久磁石に隣接する部分の軸方向長さを大きくとると、そ
れだけコアの重量が増加し、またコア回りに巻回する一
部コイルの巻線の巻回数が減少することになるので所定
の点火性能を確保するためコアの全長を長くする必要が
生じ、大型となる。
そこで、本発明は一部コイル内に永久磁石及びコアを配
置する内燃機関用点火コイルにおいて、コアと永久磁石
の形状の相互関係及びコアの永久磁石に隣接する部分の
形状を適切なものとし所定の点火性能を維持しつつ小型
とすることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明は一部コイルへの通
電電流を断続して二次コイルに高電圧を誘起する内燃機
関用点火コイルにおいて、前記一次コイル内に配置し前
記一次コイルによる磁束と反対方向の磁束を発生する少
くとも一つの永久磁石と、前記一次コイル内で前記永久
磁石を介して隣接する複数のコアから成る中心コアと、
該中心コアの両端に接合すると共に前記一次コイル及び
前記二次コイル回りに配置する外側コアとを備え、少く
とも前記中心コアを構成する各コアが複数の方向性珪素
鋼板を積層して成り、前記中心コアを構成する各コアの
本体部の軸に直交する横断面の面積に対し前記永久磁石
の面積を大とし、前記中心コアを構成する各コアの前記
永久磁石に対向する端面を前記永久磁石の端面と同一形
状とすると共に、前記中心コアを構成する各コアの前記
永久磁石に隣接する部分を、前記永久磁石に対向する端
面の最外側から軸方向に平行に所定距離後退した位置を
基点に、前記中心コアを構成する各コアの本体部の側面
に至るテーパ状に形成したものである。
更に、前記中心コアを構成する各コアの前記永久磁石に
隣接する部分は、前記永久磁石に対向する端面の最外側
から40’乃至50’の傾斜角度で前記中心コアを構成
する各コアの本体部の側面に至る位置と、前記永久磁石
に対向する端面の最外側から軸方向に平行に所定距離後
退した位置とを結ぶテーパ状に形成するとよい。
尚、上記傾斜角度は下記の式に基づいて設定することが
できる。
但し、Wmは各コアの端面の輻、Weは各コアの本体部
の幅、Boは各コアを構成する方向性珪素鋼板の特性に
応じて設定される磁束密度、B、は漏洩磁束を20%以
下とした場合において前記一次コイルへの一次電流を遮
断したときの、前記各コアの本体部の前記永久磁石に対
向する側の磁束密度である。
〔作用〕
上記のように構成された本発明の内燃機関用点火コイル
においては、中心コアを構成する各コアの本体部の軸に
直交する横断面の面積より大面積の永久磁石が一部コイ
ル内に配置され、この永久磁石の端面と中心コアを構成
する各コアの永久磁石に対向する端面とが同一形状とさ
れている。従って、中心コアの本体部を通過する磁束に
よって永久磁石が減磁することはない。そして、中心コ
アを構成する各コアの永久磁石に隣接する部分が、永久
磁石に対向する端面の最外側から軸方向に平行に所定距
離後退した位置を基点に、中心コアを構成するコアの本
体部の側面に至るテーパ状に形成されているので、方向
性珪素鋼板が積層された各コアにおいて永久磁石に隣接
する部分で磁束が必要以上に絞られることなく、所定の
点火性能が確保される。前記中心コアを構成する各コア
の永久磁石に隣接する部分において、前記傾斜角度を各
コアの永久磁石に対向する端面の最外側から40°乃至
506に設定すれば、漏洩磁束20%以下の場合に良好
な点火性能を維持し得る最小の傾斜角度となる。
而して、一次コイルに供給される一次電流か断続するこ
とにより中心コア及び外側コアに磁束変化が生じ、二次
コイルに高電圧が誘起される。このとき、永久磁石の存
在により大きな有効磁束変化が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の内燃機関用点火コイルの望ましい実施例
を図面を参照して説明する。
第1図乃至第5図は本発明の点火コイルの一実施例を示
すもので、点火コイル10は一部ボビン23に巻回され
た一部コイル21及び二次ボビン24に巻回された二次
コイル22を有し、これらのコイル内に収容されるコア
11乃至13及び永久磁石17.18並びに上記コイル
回りに配置されるコア15.16によって磁気回路が構
成されている。
本実施例においては、一次ボビン23内が軸方向に三等
分された部分の略中点に、二個の平面視正方形の永久磁
石17.18が第1図の上方をN極とするように配置さ
れ、これら永久磁石17゜18を各コア間で挟持するよ
うに正面視C字状のコア11乃至13が配設されている
。これらのコア11乃至13は本発明にいう中心コアを
構成し、コア11及びコアI3は同一形状とされている
。即ち、コア11.13は一部ボビン23から外方に突
出し突出端部11a、13bが形成されており、これら
に本発明にいう外側コアたる正面視C字状のコア15.
16の腕部15a、15b、16a、16bが接合され
ている。コア11.13の他方の端部11b、13a及
びコア12の両端部12a、12bは第1図の側方に彫
出しテーパ状に形成されており、各々の端面が永久磁石
17.18の端面と同一の略正方形に形成されている。
永久磁石17.18は、発生する磁束の方向が夫々同一
の方向であって、一次コイル21の通電時にコア11乃
至13に形成される磁束の方向と反対の方向となるよう
に配置される。また、永久磁石17.18は同一の厚さ
で、その−辺の幅はコア11乃至13の本体部の一辺の
幅に対し1゜5乃至2.5倍の範囲内の値に設定され、
本実施例では約1.7倍に設定されている。永久磁石1
7.18の他辺の幅はコア11乃至13の本体部の他辺
の輻(両端部と同一幅)と同一に設定されており、従っ
て永久磁石17.18のコア11乃至13の何れかと対
向する面の面積はコア11乃至13の本体部の軸に直交
する断面の面積の1゜5乃至2,5倍の範囲内の約1.
7倍となっている。尚、この面積比の設定については第
6図を参照して後述する。永久磁石17.18としては
残留磁束密度が大で減磁されにくいサマリウム−コバル
ト(Sm−Co)系金属の焼結体の希土類マグネットが
用いられる。例えば、温度150°Cでも一部コイル2
1通電時の反対方向の磁束密度が0.77(テスラ)と
なるまでは減磁しないものが用いられる。
上述のコアは何れも第1図の上下方向に圧延された方向
性珪素鋼板が複数積層されて成る。方向性珪素鋼板は周
知のように圧延方向には極めて良好な磁気特性を示すが
、圧延方向と異なる角度では磁気特性が低下する。従っ
て、コア15.16の圧延方向に直交する腕部15a、
15b、16a、16bの幅は圧延方向(長手方向)の
1. 5乃至1.8倍に設定されている。例えば圧延方
向で1.77(テスラ)の磁束密度を許容するとき、圧
延方向に対し45°の方向では1.1Tの磁束密度が限
度となるので、コア15.16の長手方向に直交する方
向に延在する腕部15a、16aの輻W?は、長手方向
の本体部の幅Wtに対しWp #Wt X 1 、 7
 / 1 、 1の関係となるように設定される。
一方、コア11等において永久磁石17等に隣接する部
分の端部11b等がテーパ状に形成されている。このテ
ーパ状の部分を緩傾斜に形成すればそれだけ軽くなり一
部コイル21の巻線部が長くなるので性能向上に繋るが
、例えばコア11等をT字状に形成すると、磁束が絞ら
れ磁気抵抗が大きくなり所定の点火性能が得られなくな
る。このため本実施例においては、永久磁石17等に対
向する端面の最外側から40°乃至50’の傾斜角度で
コア11等の本体部側面に至る位置と、永久磁石17等
に対向する端面から軸方向に平行にプレス加工上最小限
必要とされる距離d(例えば1m)後退した位置とを結
ぶテーパ状に形成されている。尚、この傾斜角度の設定
については第6図乃至第9図を参照して後述する。
一次ボビン23は、断面略矩形の樹脂製筒体が軸方向に
二分割された同一形状の部材230,230から成る。
即ち、第1図において前後に、第4図においては左右に
二分割されている。これらの部材230.230の一方
の内側にコア11乃至13及び永久磁石17.18が収
容された後、他方が接合されて第1図及び第3図に明か
なように筒体が構成される。そして、一次ボビン23の
周囲に一部コイル21の巻線が二層もしくは四層に巻回
される。
一部コイル21の両端は第2図及び第4図に示す一部タ
ーミナル33b、33cに夫々半田付は等によって接続
されている。これら一次ターミナル33b、33cはイ
ンサート樹脂成形されて一部コネクタ33が形成され、
一次ターミナル33bは図示しないバッテリに接続され
、一次ターミナル33cは図示しない制御回路、通称イ
グナイタに接続される。尚、一次コイル21の巻線の巻
回方向は、一次コイル21に通電されたとき永久磁石1
7.18の磁化方向と逆方向に磁化されるように設定さ
れている。
一部コイル21の外側には、二次コイル22が巻回され
た二次ボビン24が配設されている。二次ボビン24は
軸方向に所定間隔毎に複数の溝が形成されており、二次
コイル22の巻線が第1図の上方の溝から下方の溝に順
次巻回されている。
二次コイル22の巻線の巻始めは一部ターミナル33b
に接続され、図示しないバッテリと同電位となる。二次
コイル22の巻線の巻き終りは第4図下方のダイオード
36の一端のリード36aに半田付は等によって接続さ
れている。
二次コイル22回りには、ホルダ3]、32と一体に成
形されたコア15.16か前述のように配設されている
。即ち、コア15.16かインサート樹脂成形され、第
5図に示すような同一形状のホルダ31.32か形成さ
れている。ホルダ31の上下端部にはコ字状断面の支持
部31a、31bが形成され、これらに連続するように
コア15の内側に耐電圧を確保するため絶縁部31cか
形成されている。この絶縁部31cの両側の角部は段付
形状とされ段部31d、31eか形成されている。尚、
ホルダ32も同様の構造である。而して、ホルダ31の
支持部31aとホルダ32の支持部32aとの間に、コ
ア11の突出端部11a及びコア15.16の腕部15
a、16aの接合端部15c、16cか挟持されており
(第1図及び第4図参照)、同様にコア13の突出端部
13b及びコア15.16の腕部15b、16bの接合
端部15d、16dかホルダ31.32の下方の支持部
31b、32b間に挟持されている。
コア15.16の上方の接合端部15c、16Cの幅は
コア15.16の腕部15a、16aの輻より大であっ
て、コア11の突出端部11aと同−輻であり、下方の
接合端部15d、+6dについても同様の関係にある。
第1図に示すように突出端部11a及び接合端部15c
、16cの上方には夫々孔lie、15e、16eが穿
設されており、ホルダ31.32の支持部31a、32
aの側方から(第5図の左下方向及び右上方向から)加
熱押圧されることによりホルダ31.32か熱変形して
孔11e、15e、16eに進入し、コア+1.15.
16の上部が強固に固定される。コア13とコアts、
taの下部についても同様に固定される。
支持部31b、32bの底部には、コ字状断面(第4図
に表われる)の取付部35aと支持部35bから成る樹
脂製のカバー35が挟着されている。支持部35bには
第4図に示すように下方に突出する溝付き突出部35c
、35dが形成されており、この溝にダイオード36の
リード36a、36bが挟持されて固定されている。ま
た、プレート37の両側に設けられた屈曲脚部か支持部
35bの両端面に形成された穴に圧入固定されており、
プレート37の接続部37aがダイオード36のリード
36bに半田付は等によって接続されている。
これらホルダ31.32並びに一次コイル21、二次コ
イル22及びコア11等は第5図に示すようなケース3
0に収容されている。ケース30は立壁部30a、30
bが並設されて両者間に収容部が形成され、上端にフラ
ンジ部30c、30dか形成され、下端に有底筒体の二
次コネクタ部30eが形成されている。そして、立壁部
30a、30bの両側には段部(四つの段部を代表して
30fとする)か形成されており、この段部30fにホ
ルダ31.32の段部31d等が嵌合し密着するように
構成されている。二次コネクタ部30e内には二次ター
ミナル34が収容されており、その頂面に形成された突
出部34aが二次コネクタ部30eの底面を貫通してコ
ア13方向に延出している。そして、プレート37の中
央部に穿設された円形の穴に二次ターミナル34の突出
部34aか圧入され、電気的に接続される。ケース30
及びホルダ31.32によって郭成された空間には熱硬
化性の合成樹脂、例えばエポキシ樹脂か充填、硬化され
て樹脂部38が形成される。
これにより、一次コイル21及び二次コイル22か含浸
固着されると共に二次コイル22の出力高電圧に耐え得
る絶縁性が確保される。
而して、点火コイル10においては、第1図に示すよう
に永久磁石17.18の上方がN極となっており、磁束
の流れはコア13からコア11に向かい、コア11にて
コア15.16に分岐しコア13に戻る閉ループとなっ
ている。この状態での磁束の漏洩は殆どない。一次コイ
ル21が図示しない制御回路により通電され一次電流が
供給されると、磁束の流れは永久磁石17.18の磁化
方向と逆方向でコア11からコア13に向かう閉ループ
となる。このとき、コア11からコア15.16へ、コ
ア15.16からコア13へ、そしてコア12とコア1
5.16の相互間で磁束の漏洩が生ずる。そして、一次
電流か遮断されると二次コイル22に逆起電力か誘起さ
れ30乃至40kVの高電圧が発生する。この高電圧は
ダイオード36、プレート37そして二次ターミナル3
4を介して図示しない点火プラグに印加される。
尚、このダイオード36は一部コイル21通電時に発生
する1乃至3kVの電圧によって点火プラグが飛火する
のを防止するものである。
第6図は本実施例におけるコア及び永久磁石の関係を示
す構成図で、以下にli!洩磁束を20%以下とした場
合の、コアと永久磁石の面積比及びコアのテーパ状部分
の形状について説明する。尚、第6図において実線の矢
印は各コアを構成する方向性珪素鋼板の圧延方向を示し
、破線の矢印は一次電流通電(オン)時の磁束の方向を
示す。また、Wmは各コアの永久磁石に対向する端面の
幅、Weは各コアの本体部の輻を示す。
出カニ次電圧を増大させ点火性能を向上するためには、
永久磁石17.18に貯える磁気エネルギーEを大きく
するとよく、この磁気エネルギーEは、下記(1)式に
よって求められる。
E=旦・ムl′・V ・・・・・・ (1)2  μG ここで、ΔB (T)は永久磁石の磁束密度の変化幅で
、V (m” )は永久磁石の体積、μ。(l(/m)
は透磁率である。
上記磁気エネルギーEを大きくするにはΔBを大きくす
ればよく、永久磁石17.18が減磁しない範囲内の変
化幅とするとよい。例えば、本実施例の永久磁石17.
18のサマリウム・コバルト系磁石の場合には、0.8
T(テスラ)から−0,77(反対方向の磁束密度)の
範囲となる。
前者は一次電流オフ時の永久磁石17.18の特性で決
まり、後者は一次電流オン時で高温雰囲気(例えば15
0°C)において逆磁界に耐え得る(減磁しない)最大
磁束密度である。従って、次電流のオン、オフ時の磁束
密度は第6図のp。
q、rの各点で下記第1表のようになる。
下記第1表において1.87は方向性珪素鋼板の飽和磁
束密度で、材料の特性に応じ1.72乃至1.8Tの値
か選択される。但し、一次電流すフ時には漏洩磁束はな
いものとする。
而して、コアと永久磁石の面積比をH(=Wm/Wc)
とし、漏洩磁束をη(%)とすると、下記(2)、(3
)及び(4)式が成り立つ。
B+=B*=0.8 xH・・・(2)(0,8+0.
7)XH=(1,8十B+)  X1四二ノ・・・(3
)】00 B!=(1,8+Bl)  X  ”’  ”  Bs
      −(4)これらの式から漏洩磁束ηに応じ
て、H、B、、B2及びB、の各値が下記第2表のよう
に求められ、面積比Hは1.5乃至2.5の範囲の値と
なる。
次に、 テーパ状部分の形状について第7図及び第8図を参照し
て説明する。コア11乃至13の構成部材である方向性
珪素鋼板は圧延方向に対し偏位した方向に磁束が加えら
れる場合には、材料によって若干異なるが、圧延方向に
磁束が加えられる場合に比し磁気特性か悪くなる。そし
て、上記コア11乃至13の各コアの端部のテーパ状の
部分を緩傾斜にすると磁束か絞られ、磁気抵抗が大とな
り磁気特性が悪くなるので、磁束密度B6が第7図に示
す方向性珪素鋼板の特性に応じて設定され、1.05T
乃至1.15Tの値に設定される。尚、第7図において
実線で示したaが圧延方向(Oo)の特性で、破線で示
したCが圧延方向に対し90°の特性、b、d、eが夫
々圧延方向に対し22.5° 45°そして67.5°
の場合の特性であり、最も厳しい45°の特性dを基準
にすることが望ましい。
そして、q点の一次電流オフ時の磁束密度B。
の絶対値は一次電流オン時の磁束密度B、の絶対値より
大であるので(IB、l>IB、l)、軸方向の磁束密
度B3に対し第8図に右下りに傾斜した破線で示す絞り
部の磁束密度か上記磁束密度B0の値となるように傾斜
角度θが求められる。
即ち、第8図の関係から下記(5)式によって傾斜角度
θが求められる。
而して、傾斜角度θは面積比Hが所定の値に設定される
と、漏洩磁束η及び磁束密度B、に応じて下記第3表の
ように設定される。
そして、各コアの永久磁石に対向する端面の最外側から
距離d後退した位置を基点にテーパ状に形成される。距
離dはプレス加工上必要とされる最小限の値、例えば1
闘に設定されるか、この値に限ることなくプレス加工条
件に応じて適宜設定し得る。
これにより、漏洩磁束が20%以下の場合の出カニ次電
圧と傾斜角度θの関係は第9図に示すようになり、傾斜
角度θが40°乃至50°で出カニ次電圧が最大となる
。即ち、傾斜角度θが400より小さい場合には前述の
ように磁束が絞られることにより磁束密度変化が小とな
り、50°を超える場合には一次ボビン23の巻線部が
小さくなる分、一次コイル21の巻線数が減少すること
から磁束密度変化が小となり、二次電圧が小さくなる。
従って、漏洩磁束が20%以下のとき、傾斜角度θを4
0°乃至50°に設定すれば良好な点火性能を維持し得
る最小の傾斜角度となる。
尚、永久磁石の材料は本実施例のものに限らず、フェラ
イト磁石、ネオジウム、鉄、ボロン系磁石であっても上
記と同様の方法で傾斜角度θを求めることができる。
而して、本実施例の点火コイルlOにおいては、コアI
f乃至13の各コア間に介装された永久磁石17.18
により大きな有効磁束変化を確保することができる。特
に、永久磁石17.18は一次コイル21内に収容され
適切な位置に配置されているので磁束の集中により従来
に比し漏洩磁束か少なくなり、コア11乃至13におけ
る局部的な磁気飽和か無くなる。しかも、コア11乃至
13の本体部の軸に直交する断面に対する永久磁石17
.18の面積比か約1.7倍とされているので、一次コ
イル21による磁界が永久磁石17.18の減磁限界に
達する前にコア11乃至13か飽和磁束密度に達し、永
久磁石17.18が減磁されることはない。従って、一
次電流の通電による起磁力に対し一次コイル21内に形
成される磁束密度が大となり、放電エネルギーが増加す
る。また、磁束変化が大となるので二次コイル22の出
力電圧が大となる。
〔発明の効果〕
本発明は上述のように構成されているので、以下に記載
する効果を奏する。
即ち、本発明の点火コイルによれば、一次コイル内に配
置される永久磁石が中心コアを構成する各コアの本体部
の軸に直交する断面の面積より大面積とされ、各コアの
端面が永久磁石の端面と同一形状とされると共に、永久
磁石に隣接する部分が永久磁石に対向する端面の最外側
から軸方向に平行に所定距離後退した位置を基点に、中
心コアを構成するコアの本体部の側面に至るテーパ状に
形成されているので、一次コイルの巻回範囲が確保され
ており、また永久磁石が減磁されることなく、大きな有
効磁束変化が得られる。従って、従来の点火コイルに比
しコアの小型、軽量化が可能となり、あるいは従来の点
火コイルと同等の大きさとした場合には一次コイルの巻
線の巻回数を増大し、及び/又は永久磁石の厚さを増大
することができるので点火性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の点火コイルの縦断面図、第
2図は同、点火コイルの平面図、第3図は第1図中■−
■線断面図、第4図は本発明の一実施例の点火コイルの
側方からみた縦断面図、第5図は本発明の一実施例の点
火コイルの分解斜視図、第6図は本発明の一実施例の点
火コイルにおけるコア及び永久磁石の関係を示す正面図
、第7図は方向性珪素鋼板の方向別直流磁化曲線を示す
グラフ、第8図は本発明の一実施例におけるコアのテー
パ状部分の拡大正面図、第9図は同、コアのテーパ状部
分の傾斜角度に応じた出力特性を示すグラフである。 0・・・点火コイル。 1.12.13・・・コア(中心コア)5.16・・・
コア(外側コア) 7.18・・・永久磁石 1・・・一次コイル。 3・・・一次ボビン。 0・・・ケース。 22・・・二次コイル。 24・・・二次ボビン。 31.32・・・ホルダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一次コイルへの通電電流を断続して二次コイルに
    高電圧を誘起する内燃機関用点火コイルにおいて、前記
    一次コイル内に配置し前記一次コイルによる磁束と反対
    方向の磁束を発生する少くとも一つの永久磁石と、前記
    一次コイル内で前記永久磁石を介して隣接する複数のコ
    アから成る中心コアと、該中心コアの両端に接合すると
    共に前記一次コイル及び前記二次コイル回りに配置する
    外側コアとを備え、少くとも前記中心コアを構成する各
    コアが複数の方向性珪素鋼板を積層して成り、前記中心
    コアを構成する各コアの本体部の軸に直交する横断面の
    面積に対し前記永久磁石の面積を大とし、前記中心コア
    を構成する各コアの前記永久磁石に対向する端面を前記
    永久磁石の端面と同一形状とすると共に、前記中心コア
    を構成する各コアの前記永久磁石に隣接する部分を、前
    記永久磁石に対向する端面の最外側から軸方向に平行に
    所定距離後退した位置を基点に、前記中心コアを構成す
    る各コアの本体部の側面に至るテーパ状に形成したこと
    を特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. (2)前記中心コアを構成する各コアの前記永久磁石に
    隣接する部分を、前記永久磁石に対向する端面の最外側
    から40°乃至50°の傾斜角度で前記中心コアを構成
    する各コアの本体部の側面に至る位置と、前記永久磁石
    に対向する端面の最外側から軸方向に平行に所定距離後
    退した位置とを結ぶテーパ状に形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の内燃機関用点火コイル。
JP2269041A 1990-10-05 1990-10-05 内燃機関用点火コイル Pending JPH04144216A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021152364A (ja) * 2018-03-12 2021-09-30 ダイヤモンド エレクトリック マニュファクチャリング コーポレーションDiamond Electric Mfg.Corporation 昇圧非線形点火コイルに用いるシステムおよび方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021152364A (ja) * 2018-03-12 2021-09-30 ダイヤモンド エレクトリック マニュファクチャリング コーポレーションDiamond Electric Mfg.Corporation 昇圧非線形点火コイルに用いるシステムおよび方法

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