JP2004260183A - エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Iコアと包囲形コアとの間の接続部には空隙がないか、またはこの接続部をエネルギー的な観点にしたがって選択された間隙サイズで実現することのできる、エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置、例えば自動車の点火装置の点火コイルを提供すること。
【解決手段】本発明のエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置は、磁気的に作用するIコアと、包囲形コアとを有しており、上記のIコアは、給電電圧に接続された巻線を有する第1コイル体と、高電圧端子に接続された巻線を有する第2コイル体とから包囲されており、上記の包囲形コアは、上記Iコアと磁気回路を形成し第1および第2コイル体を包囲する。本発明において上記の包囲形コアは、その周囲延在部にて、上記Iコアの端部領域を収容する切欠き部を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、請求項1の上位概念に詳しく記載されたエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置に関し、殊に自動車の点火装置の点火コイルに関する。
上記のようなエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置は、実践において殊に点火コイルとして知られている。この点火コイルは、エネルギーを伝送する高圧源であり、またオットー原理で動作する内燃機関では点火プラグの駆動制御に使用され、この点火プラグにより、内燃機関の燃焼室において燃料混合気が点火される。点火コイルとして構成されるこのようなエネルギー蓄積器および変換器では、通例、比較的給電電圧の低い電気エネルギーが直流電源から磁場のエネルギーに変換され、点火パルスを点火プラグに出力すべき所望の時点にこの磁場のエネルギーが高電圧の電気エネルギーに変換されるのである。
電気エネルギーを磁場のエネルギーに変換するため、自動車の電源電流は、通例銅線からなる巻線である第1のコイルを通って流れ、これにより、所定の方向を有しかつ閉じた磁場がこのコイルの周りに発生する。蓄積された電気エネルギーを高電圧パルスの形態で出力するため、先に形成した磁場は、電流を遮断することによって強制的に方向が変えられ、これにより、第1のコイルに空間的に近くにありかつ極めて巻数の多い第2のコイルに高電圧が発生する。点火プラグにおける電気エネルギーの変換によって、先に形成した磁場は消滅して点火コイルからエネルギーがなくなる。2次巻線を設計することにより、内燃機関の点火における高電圧、スパーク電流およびスパーク持続時間を要求に応じて決定することが可能である。
従来技術からそれぞれの使用に適合化された点火コイルの極めて様々な実施形態が公知である。例えば、点火コイルは、ロッド形点火コイルとして構成することができ、これは例えばDE19702438C2から公知である。ここではコイル長はその直径に比べて比較的長い。しかしながら点火コイルは同様にいわゆるコンパクト形点火コイルとすることも可能であり、その長さは実質的にその幅に等しい。
すべての点火コイルにおいて例えば鉄などの強磁性体材料からなるいわゆるIコアが設けられている。ここでこのIコアは、ロッド状ないしは平行6面体の鉄心であり、その断面は、軟鉄−金属板の薄片から構成することができ、これは例えばDE3243432C2に記載されている。
コイルおよびIコアの装置は、公知の従来技術において様々に実施されているが、コイルはほとんどの場合に互いに半径方向に重なって、またIコアに対して同心に配置されている。
さらに実践において通例であるのは、上記のようなIコアの他に、コイルの長手方向の周囲を取り囲む強磁性体の包囲形コア(Umfangskern)を設けることである。これは「Oコア」または「鉄の輪」(Eisenkreis)とも称される。磁場を形成および取り除く際の損失を低減するため、通例、この包囲形コアも同様に互いに積層された鉄の薄板からなる結合体である。
巻線ないしはコイルを組み込めるようにするため、Iコアおよび鉄の輪の包囲形コアは、一体成形で作製することはできず、様々な個別部材から組み立てなければならない。典型的な構成の仕方は、Iコアと、閉じたOを形成するOコアとから組み立てることであり、コイルの取り付けの際にIコアと、これを包囲する巻線とがOコアの内部に入れられて、組み込み状態でこれらのコアの薄板の束(Lamellenpakete)が1平面内にあるようにする。
磁場に所期のように作用を及ぼすため、上記の鉄の輪は、通例、間隙または空隙によって途切れており、磁気のシヤリング("magnetische Scherung")と称される。このような間隙には永久磁石を配置することもでき、この永久磁石により、所定の状況下では、磁場のエネルギーをさらに増大させることができる。このような空隙および永久磁石の配置構成は、有利にはIコアとOコアとの間の境界領域において行われる。
点火コイルとして構成される公知のエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置において問題であるのは、磁気的に効果のあるコアエレメントを構成する際、取り付け間隙(Montagespalte)を見越しておかなければならないことである。これらの取り付け間隙は、製造公差および所要の嵌め込み遊びにより、IコアをOコアに嵌め込む際に生じるものである。これらの取り付け間隔はエネルギー的に所望される間隙サイズに矛盾することがある。
例えば、Iコアの1端部領域においてこのIコアとOコアとの間に永久磁石を配置する際には、この永久磁石とOコアとの間に空隙がないことが望ましい。製造技術的に設けるべき空隙は、相応する手段またはガイダンス(Vorhalt)によって調整しなければならない。これらの相応する手段またはガイダンスにより、構造が大きくなってしまい、また最終的に付加的なコストになってしまうのである。
DE19702438C2 DE3243432C2
本発明の課題は、エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置、例えば、自動車の点火装置の点火コイルを提供することであり、ここでこの装置は、磁気的に作用するIコアと、これと磁気回路を形成してコイル装置を包囲する包囲形コアとを有し、上記のIコアと、包囲形コアとの間の接続部には空隙がないか、またはこの接続部をエネルギー的な観点にしたがって選択された間隙サイズで実現することができる。
上記課題は、本発明の請求項1により、エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置、例えば自動車の点火装置の点火コイルであって、この装置は、磁気的に作用するIコアと、包囲形コアとを有しており、上記のIコアは、給電電圧に接続された巻線を有する第1コイル体と、高電圧端子に接続された巻線を有する第2コイル体とから包囲されており、上記の包囲形コアは、上記Iコアと磁気回路を形成し第1および第2コイル体を包囲する形式の、エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置において、上記の包囲形コアは、その周囲延在部(Umfangserstreckung)にて、上記Iコアの端部領域を収容する切欠き部を有することを特徴とする、エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置を構成することによって解決される。
包囲形コアがその周囲延在部にIコアの1端部領域を収容する切欠き部を有する、請求項1の上位概念に記載されたエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置は、つぎのような利点を有する。すなわち、先にコイル体と取り付けられたIコアが、軸方向の取り付け間隙なしに包囲形コアに挿入できるため、不所望の空隙がほとんどなくまた場合によって設けられる永久磁石を効果的に利用可能な磁気的に作用する回路を実現することができるという利点を有するのである。
これにより、同じ大きさでより良好な電気的特性値を達成することができるか、または同程度の電気的特性値で装置をより小さく実現することができる。
包囲形コアとの境界領域の領域においてIコアに永久磁石を設けない場合には、本発明の構成により、最小の空隙を実現することができ、ここでこの最小の空隙は、純粋にエネルギー的な観点にしたがい、製造許容差および取り付け設定値による制限なしに設計することが可能である。
本発明の有利な1実施形態では、包囲形コアを一体形で実施することでき、ここでIコアと包囲形コアとの間の接続部は、Iコアを収容するために設けられた周囲のその切欠き部の領域において、有利には締め付け接続部(Klemmverbindung)として構成される。
しかしながらこれと異なる1実施形態では、包囲形コアを2部分構成で実施することもでき、これらの包囲形コア部分間の分離個所は有利には永久磁石の領域に延在している。この永久磁石の領域はIコアと包囲形コアとの間でIコアの1端部領域に配置されており、ここでこの端部領域は、包囲形コアの切欠き部に挿入されるIコアの端部領域とは反対側の端部領域である。締め付け接続ないしはプレス嵌め(Presspassung)では、Iコアを挿入する際の包囲形コアの広がりが必要であるのに対して、包囲形コアを2部分構成で実施する際には機能を完全に維持したままでこの広がりなしで済ませることができる。さらに包囲形コアを2つの半コアで実施することにより、スタンピング用の型においてより良好に複合化させることがき、これにより、作製時の材料コストを少なくすることができる。
本発明によるエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置は任意に使用することができるが、この装置は殊に自動車の点火装置の点火コイルとして有利である。ここでこの装置は、その幾何学形状が都度の要求に適合され、例えばロッド形点火コイルまたはコンパクト点火コイルとすることが可能である。
本発明が対象とするとするものの別の利点および有利な実施形態は、以下の説明、図面および請求項に記載されている。
点火コイルとして実施した本発明のエネルギー蓄積およびエネルギー変換装置の2つの実施例が、従来技術から公知の点火コイルと比較されて、概略的かつ簡略化されて図示されている。これらを以下の説明において詳述する。
本発明を説明するため、図1aおよび1bにおいてまず公知のコンパクト点火コイルの構造を概略的に示す。このコンパクト点火コイルは中央に配置された軟磁性のIコア1を有し、このIコアは、積層された薄板状の金属板から組み立てられている。磁気的に作用するIコアの周りには同心で第1コイル体2が配置されており、このコイル体には、車両の電源からの得られる給電電圧に接続されている巻線が取り付けられており、この巻線は1次巻線として使用される。
外側のコイル体である第1コイル体2の半径方向に見た内部には、内側の第2コイル体3が配置されており、これも同様にIコア1を包囲しており、また2次巻線として使用される巻線を有する。この巻線は高圧端子に接続されており、図示されていないがこの高圧端子は点火コイルに電気接続されている。
コイル体2および3の内部に配置された軟磁性のIコア1は一方の端部領域に永久磁石4を有し、これは公知のように薄板状に組み立てられたIコア1に接続されている。
図示の実施例とは異なり、Iコアの両端に永久磁石を設けることも公知である。
Iコア1は、コイル体2および3と共に、先に取り付けられるコンポーネントとして、装置全体を長手方向に取り囲む包囲形コア5に挿入される。ここでこの包囲形コアは、Iコア1と同様に、積層された薄板状の金属板から組み立てられる。永久磁石4と、隣接する包囲形コア5との間には製造公差を調整する取り付け間隙6が配置されているが、これはエネルギー的には不利である。
図2および3には図1aおよび1bとは異なり、Iコア1の配置構成、包囲形コア5およびコイル体2および3の配置構成の実施形態が示されており、ここでこれらは、同じ参照符号が付された図1aおよび1bの構成部材に相応する機能を有するが、包囲形コア5は、本発明にしたがい、その周囲延在部に1つずつ切欠き部7を有する。これは組み込み状態ではIコア1の1端部領域を収容する。
図2および図3に示した2つの変形実施形態では、Iコア1の1端部領域に永久磁石4が配置されている。ここでこの端部領域は、包囲形コア5の切欠き部7に挿入される端部領域とは反対側の端部領域である。永久磁石4は、組み込み状態では包囲形コア5に直接接している。Iコアは永久磁石4と共にそれぞれつぎのように包囲形コア5に挿入されている。すなわち永久磁石4と包囲形コア5との間の空隙が回避されるように挿入されるのである。
図2には1変形実施形態が示されており、ここでは包囲形コア5は、一体形に実施されており、またIコアと共に切欠き部7の領域において締め付け接続ないしはプレス嵌めを成している。ここで包囲形コア5はつぎのように設計される。すなわち、切欠き部7は、取り付けられていない状態において、収容すべきIコア1の端部領域よりも小さなサイズを有しかつ広がるように設計され、ここで包囲形コア5ないしは切欠き部7の広がり特性を選択して、Iコア1と、永久磁石4と、コイル体2および3とからなる先に取り付けられるコンポーネントが、問題なく包囲形コア5に入れることができ、また包囲形コア5ないしは切欠き部7の広がりが戻った後、Iコア1の関連する端部領域によって締め付けられるようにする。
これにより、Iコア1と包囲形コア5との間の接触および直接の磁気的な接続が保証される。永久磁石4の吸引力によってIコア1と包囲形コア5との間の対向する境界領域において直接的な接続が保証される。
図3の実施形態では包囲形コア5は、第1の半コア5Aと第2の半コア5Bとにより、2部分構成で実施されている。ここでIコア1と包囲形コア5との間の分離個所8は、永久磁石4が包囲形コア5に当接する領域に延在する。Iコア1の反対側の端部領域においてこのIコアはここでも包囲形コア5の切欠き部7に収容されており、Iコア1の長さはここでも任意に選択することが可能であり、つぎのことだけを保証すればよい。すなわち、組み込み状態でIコア1と包囲形コア5との間に十分な接続が行われることだけを保証すればよいのである。
場合によって生じる、Iコア1と包囲形コア5との間の切欠き部7の領域における空隙は、図3の実施形態において永久磁石4の力によって塞ぐことができる。
公知のコンパクト点火コイルのコイルおよびコアエレメントの装置の極めて簡略化された長手方向の断面図である 図1aにおける線A−Aに沿った、図1aの装置の極めて簡略化された断面図である コンパクト点火コイルにおける本発明のコイル体の配置構成、包囲形コアおよびIコアの第1実施例の極めて簡略された断面図である コンパクト点火コイルにおける本発明のコイル体の配置構成、包囲形コアおよびIコアの第2実施例の極めて簡略された断面図である。
符号の説明
1 Iコア
2 第1コイル体
3 第2コイル体
4 永久磁石
5 包囲形コア
5A 第1半コア
5B 第2半コア
6 取り付け間隙
7 切欠き部
8 分離個所

Claims (11)

  1. エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置、例えば自動車の点火装置の点火コイルであって、
    該装置は、磁気的に作用するIコア(1)と、包囲形コア(5)とを有しており、
    前記Iコアは、給電電圧に接続された巻線を有する第1コイル体(2)と、高電圧端子に接続された巻線を有する第2コイル体(3)とから包囲されており、
    前記包囲形コア(5)は、前記Iコア(1)と磁気回路を形成し第1および第2コイル体(2,3)からなる装置を包囲する形式の、エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置において、
    前記包囲形コア(5)は、その周囲延在部にて、前記Iコア(1)の1端部領域を収容する切欠き部を有することを特徴とする、
    エネルギー蓄積およびエネルギー変換装置。
  2. 前記第1コイル体は、前記Iコア(1)を同心で包囲する外側のコイル体(2)であり、
    前記第2コイル体は、該外側のタイル体(2)によって同心で包囲される内側のコイル体(3)である、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記のIコア(1)と包囲形コア(5)との間の境界領域に永久磁石(4)が配置されている、
    請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記永久磁石(4)は、前記Iコア(1)の1端部領域に配置されており、ここで該端部領域は、包囲形コア(5)の切欠き部(7)に挿入される前記端部領域とは反対側の端部領域であり、
    前記永久磁石(4)は、前記包囲形コア(5)に直接接している、
    請求項3に記載の装置。
  5. 前記Iコア(1)と、コイル体(2,3)と、場合によって設けられる永久磁石(4)とは、Iコア(1)を包囲形コア(5)の切欠き部(7)に挿入する際に先に取り付けられるコンポーネントである、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記包囲形コア(5)は一体形で実施される、
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記の包囲形コア(5)とIコア(1)との間で締め付け接続が行われる、
    請求項6に記載の装置。
  8. 前記切欠き部(7)は、取り付けられていない状態で、収容すべきIコア(1)の端部領域よりも小さなサイズを有し、Iコア(1)の当該端部領域の収容するために広がる、
    請求項6または7に記載の装置。
  9. 前記包囲形コア(5)は2部分構成で実施されており、
    包囲形コア部分(5A,5B)の間の分離個所(8)は有利には前記永久磁石(4)の当接領域に延在する、
    請求項3から5までのいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記の永久磁石(4)と、Iコア(1)と、包囲形コア(5)とを設計して、Iコア(1)を収容するために設けられる切欠き部(7)の領域にて、Iコア(1)と包囲形コア(5)との間に場合によっては生じる空隙が磁石の吸引力によって塞がれるようにした、
    請求項9に記載の装置。
  11. 前記のIコア(1)および/または包囲形コア(5)は、磁気的に作用する材料としての鉄、例えば積層された薄板から構成されている、
    請求項1から10までのいずれか1項に記載の装置。
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