JP2013247324A - 内燃機関用の点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】中心コアに巻回される一次コイルの絶縁性を十分に確保し、耐熱衝撃性を向上させることができる内燃機関用の点火コイルを提供すること。
【解決手段】点火コイル1は、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなる中心コア23と、中心コア23に巻回された一次コイル21と、一次コイル21の外周側に配設された二次コイル22と、熱硬化性樹脂からなり、中心コア23、一次コイル21及び二次コイル22を覆うモールド樹脂部29とを備えている。中心コア23の表面230の少なくとも一次コイル21が巻回される部分は、熱硬化性樹脂からなる樹脂被膜によって被覆されており、樹脂被膜によって被覆された中心コア23の少なくとも一部は、弾性を有する弾性被膜によって被覆されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室に配設されたスパークプラグにスパークを発生させるための内燃機関用の点火コイルに関する。
エンジン等の内燃機関に用いる点火コイルは、同心状に内外周に重ねて配置された一次コイル及び二次コイル、軟磁性材料からなり、一次コイル及び二次コイルの軸心位置に配置された中心コア等を備えている。一次コイル、二次コイル及び中心コア等は、ケース内に配置されており、ケース内の隙間は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂によって充填されている。
例えば、特許文献1には、軟磁性材料からなる多数の電磁鋼板(珪素鋼板)を積層して形成された中心コアの表面をシリコーンゴム等の弾性部材によって被覆した点火コイルが開示されている。これによれば、点火コイルにおける加熱及び冷却の繰り返しにより中心コアとその周囲を覆う熱硬化性樹脂との間に発生する熱応力を弾性部材によって緩和し、熱硬化性樹脂におけるクラックの発生を抑制することができる。
特許第3604917号公報
しかしながら、点火コイルの中心コアとして、軟磁性材料粉末を圧縮成形したものを用い、その中心コアに一次コイルを巻回する構成とした場合、次のような問題が生じる。すなわち、圧縮成形した中心コアの表面には、潤滑剤の酸化物等の異物が残留していることがある。そのため、中心コアに直接一次コイルを巻回させると、表面に残留している異物によって一次コイルの電線を被覆する絶縁被膜に損傷が生じるおそれがある。これにより、点火コイルの使用中に一次コイルがレアショート(巻線同士のショート)を起こし、コイル出力が低下するおそれがある。
また、上記特許文献1のように、中心コアの表面を弾性部材によって被覆したとしても、上述した問題が同様に生じる。すなわち、弾性部材は、熱応力を緩和するためのものであり、弾性を有する。そのため、中心コアの表面を被覆する弾性部材上に一次コイルを巻回させても、その一次コイルは、やはり中心コアの表面に残留した異物の影響を受けるおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、中心コアに巻回される一次コイルの絶縁性を十分に確保し、耐熱衝撃性を向上させることができる内燃機関用の点火コイルを提供しようとするものである。
本発明の一の態様は、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなる中心コアと、
該中心コアに巻回された一次コイルと、
該一次コイルの外周側に配設された二次コイルと、
熱硬化性樹脂からなり、上記中心コア、上記一次コイル及び上記二次コイルを覆うモールド樹脂部とを備え、
上記中心コアの表面の少なくとも上記一次コイルが巻回される部分は、熱硬化性樹脂からなる樹脂被膜によって被覆されており、
該樹脂被膜によって被覆された上記中心コアの少なくとも一部は、弾性を有する弾性被膜によって被覆されていることを特徴とする内燃機関用の点火コイルにある(請求項1)。
上記点火コイルにおいて、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなる中心コアの表面の少なくとも一次コイルが巻回される部分は、熱硬化性樹脂からなる樹脂被膜によって被覆されている。そのため、圧縮成形によって中心コアの表面に異物が残留したとしても、樹脂被膜によってその異物の影響を受けることなく、中心コアに直接一次コイルを巻回することができる。これにより、一次コイルの電線を被覆する絶縁被膜が中心コアの表面に残留する異物によって損傷することを防止することができ、一次コイルの絶縁性を十分に確保することができる。
また、樹脂被膜によって被覆された中心コアの少なくとも一部は、弾性を有する弾性被膜によって被覆されている。そのため、点火コイルにおける加熱及び冷却の繰り返しにより中心コアとその周囲を覆うモールド樹脂部との間に発生する熱応力を弾性被膜によって緩和することができ、モールド樹脂部におけるクラックの発生を抑制することができる。これにより、中心コアに巻回される一次コイルの絶縁性を十分に確保しながら、耐熱衝撃性を向上させることができる。
このように、中心コアに巻回される一次コイルの絶縁性を十分に確保し、耐熱衝撃性を向上させることができる内燃機関用の点火コイルを提供することができる。
実施例1における、点火コイルを示す断面説明図。 実施例1における、点火コイルを示す平面説明図。 実施例1における、中心コア及び外周コアを示す断面説明図。 実施例1における、点火コイルをエンジンに取り付けた状態を示す断面説明図。 実施例2における、樹脂被膜の厚みと二次スプールに発生する電界強度との関係を示すグラフ。
上記点火コイルにおいて、上記樹脂被膜によって被覆された上記中心コアは、少なくとも一部が弾性を有する弾性被膜によって被覆されている。例えば、中心コアの表面に樹脂被膜が設けられている部分においては、その樹脂被膜上に弾性被膜が設けられることになる。また、中心コアの表面に樹脂被膜が設けられていない部分においては、中心コアの表面上に弾性被膜が設けられることになる。
また、上記樹脂被膜は、エポキシ樹脂からなる構成とすることができる(請求項2)。
この場合には、中心コアの表面がエポキシ樹脂からなる高硬度で平滑な樹脂被膜によって被覆されることになる。これにより、一次コイルの絶縁被膜の損傷をより一層防止することができる。また、樹脂被膜としてエポキシ樹脂を用いることにより、薄膜の樹脂被膜によって上述した効果を有効に発揮することができる。また、樹脂被膜の絶縁性や熱伝導性(放熱性)も優れたものとなる。
また、上記樹脂被膜は、熱硬化性樹脂を粉体塗装してなる構成とすることができる(請求項3)。
この場合には、中心コアの表面における所望の箇所に熱硬化性樹脂粉末を均一に精度良く塗装することができる。これにより、中心コアの表面における所望の箇所に樹脂被膜を所望の膜厚で均一に精度良く形成することができる。
また、上記樹脂被膜の厚みは、中心コアに巻回する一次コイルが中心コアの表面に残留する異物の影響を受けないようにするために、例えば、60μm以上とすることができる。
また、上記樹脂被膜の厚みは、二次コイルを巻回する二次スプールに発生する電界強度が大きくなり、二次スプールに絶縁破壊が生じることのないように、例えば、170μm以下、好ましくは120μm以下とすることができる。
また、上記樹脂被膜は、絶縁性を十分に確保するために、例えば、絶縁耐力を18kV/mm以上とすることができる。
また、上記樹脂被膜は、硬度を十分に確保するために、例えば、ショア硬度を3.7HS以上とすることができる。
また、上記樹脂被膜は、熱伝導性(放熱性)を十分に確保するために、例えば、熱伝導率を0.3W/(m・K)以上とすることができる。
また、上記一次コイル及び上記二次コイルの外周側には、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなり、上記モールド樹脂部によって覆われた外周コアが配設されており、該外周コアは、少なくとも一部が上記弾性被膜によって被覆されている構成とすることができる(請求項4)。
この場合には、点火コイルにおける加熱及び冷却の繰り返しにより外周コアとその周囲を覆うモールド樹脂部との間に発生する熱応力を弾性被膜によって緩和することができる。これにより、モールド樹脂部におけるクラックの発生を抑制することができ、耐熱衝撃性を向上させることができる。
また、上記弾性被膜は、シリコーン系樹脂からなる構成とすることができる(請求項5)。
この場合には、例えば、モールド樹脂部にエポキシ樹脂を用いたときに、中心コア(外周コア)を被覆する弾性被膜とモールド樹脂部とを剥離させることができる。これにより、点火コイルにおける加熱及び冷却の繰り返しにより中心コア(外周コア)とモールド樹脂部との間に発生する熱応力を低減することができる。これにより、モールド樹脂部におけるクラックの発生をさらに抑制することができ、耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。また、弾性被膜としてシリコーン系樹脂を用いることにより、薄膜の弾性被膜によって上述した効果を有効に発揮することができる。
また、上記中心コアを被覆する上記弾性被膜の厚みは、中心コアとその周囲を覆うモールド樹脂部との間に発生する熱応力を十分に緩和するために、例えば、1μm以上とすることができる。また、磁気特性等の性能に影響を及ぼさないように、例えば、50μm以下とすることができる。
また、上記外周コアを被覆する上記弾性被膜の厚みは、外周コアとその周囲を覆うモールド樹脂部との間に発生する熱応力を十分に緩和するために、例えば、1μm以上とすることができる。また、外周コアの内側においては、二次コイルとの絶縁性を確保するために、例えば、50μm以下とすることができる。また、それ以外の部分においては、外周コア等を収容するケースとの間の隙間を確保し、組付性に問題が生じないように、例えば、100μm以下とすることができる。
(実施例1)
上記点火コイルにかかる実施例について、図を用いて説明する。
本例の点火コイル1は、図1〜図3に示すごとく、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなる中心コア23と、中心コア23に巻回された一次コイル21と、一次コイル21の外周側に配設された二次コイル22と、熱硬化性樹脂からなり、中心コア23、一次コイル21及び二次コイル22を覆うモールド樹脂部29とを備えている。
中心コア23の表面230の少なくとも一次コイル21が巻回される部分は、熱硬化性樹脂からなる樹脂被膜41によって被覆されており、樹脂被膜41によって被覆された中心コア23の少なくとも一部は、弾性を有する弾性被膜42によって被覆されている。
以下、これを詳説する。
図1、図2に示すごとく、点火コイル1は、ケース31内に、一次コイル21、二次コイル22、中心コア23、外周コア24等の構成部品を配置して構成されている。
なお、図1は、ケース31内に各構成部品を組み付けた状態を側方から見た断面で示す。また、図2は、ケース31内に各構成部品を組み付けた状態を上方から見た平面で示す。ただし、モールド樹脂部29の図示を省略してある。
図1に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22は、ケース31内において、同心状に内外周に重なって配置されている。一次コイル21は、中心コア23に一次電線(銅線)を巻回して略円筒状に形成されている。二次コイル22は、一次コイル21の外周側に配置された絶縁樹脂製の二次スプール25に、一次電線よりも細い二次電線(銅線)を一次電線よりも多い巻回数で巻回して略円筒状に形成されている。一次電線及び二次電線の表面は、絶縁被膜によって被覆されている。
同図に示すごとく、中心コア23は、一次コイル21及び二次コイル22の内周側であって、一次コイル21及び二次コイル22の軸心位置に配置されている。また、中心コア23は、一次コイル21を構成する一次電線を巻回するために、略円柱形状に形成されている。また、中心コア23は、軟磁性材料粉末を圧縮成形して形成されている。
図3に示すごとく、中心コア23の外周面233は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂からなる樹脂被膜41によって被覆されている。すなわち、中心コア23の表面230の一次コイル21が巻回される部分は、樹脂被膜41によって被覆されている。樹脂被膜41は、エポキシ樹脂を粉体塗装して形成されている。具体的には、エポキシ樹脂粉体を中心コア23の外周面233に吹き付け、その吹き付けたエポキシ樹脂粉体を加熱することによって形成されている。
なお、図3は、図1から一次コイル21、中心コア23及び外周コア24を抜き出して拡大して示したものである。
また、樹脂被膜41の厚みは、60〜170μmである。また、樹脂被膜41は、絶縁性を十分に確保するために、絶縁耐力が18kV/mm以上である。また、樹脂被膜41は、硬度を十分に確保するために、ショア硬度が3.7HS以上である。また、樹脂被膜41は、熱伝導性(放熱性)を十分に確保するために、熱伝導率が0.3W/(m・K)以上である。
同図に示すごとく、樹脂被膜41によって被覆された中心コア23は、軸方向一端面231の中央部を除く部分(軸方向一端面231の外周部、軸方向他端面232、外周面233)がシリコーン系樹脂からなる弾性被膜42によって被覆されている。
具体的には、中心コア23の表面230に樹脂被膜41が設けられている部分は、その樹脂被膜41上に弾性被膜42が設けられている。また、中心コア23の表面230に樹脂被膜41が設けられていない部分は、中心コア23の表面230上に弾性被膜42が設けられている。弾性被膜42の厚みは、1〜50μmである。
図1、図2に示すごとく、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、外周コア24が配置されている。外周コア24は、一次コイル21、二次コイル22及び中心コア23を内側に配置することができるように、略四角形環状に形成されている。また、外周コア24は、中心コア23と同様に、軟磁性材料粉末を圧縮成形して形成されている。
図3に示すごとく、外周コア24の表面240全体は、シリコーン系樹脂からなる弾性被膜42によって被覆されている。弾性被膜42の厚みは、外周コア24の内周面241(中心コア23に対向している面)において1〜50μmであり、それ以外の部分において1〜100μmである。
図1、図2に示すごとく、ケース31内には、一次コイル21への通電及びその遮断を行うためのスイッチング制御回路を備えたイグナイタ26が配置されている。イグナイタ26に隣接する位置には、イグナイタ26の導電端子261をECU(電子制御ユニット)等の外部機器と接続するためのコネクタ部27が設けられている。コネクタ部27の導電端子271は、イグナイタ26の導電端子261に接合されている。
また、ケース31には、点火コイル1をエンジンに取り付けるための取付部311と、二次コイル22の高電圧側巻線端部に導通させた高電圧端子221を配置するためのタワー部312とが突出形成されている。
図1に示すごとく、一次コイル21、二次コイル22、中心コア23、外周コア24等の構成部品が収容されたケース31内の隙間は、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂からなるがモールド樹脂部29によって充填されている。モールド樹脂部29は、一次コイル21、二次コイル22、中心コア23、外周コア24等の構成部品を絶縁状態で固定している。
図4に示すごとく、上記構成の点火コイル1は、エンジン(シリンダヘッド81及びシリンダヘッドカバー82)のプラグホール83の外部に横置き状態(プラグホール83の軸方向に対して一次コイル21及び二次コイル22の軸方向を直交させた状態)で配置して用いられる。
また、点火コイル1は、プラグ装着部32を介して、エンジンのプラグホール83内に配置されたスパークプラグ7に装着される。
具体的に、プラグ装着部32は、タワー部312、高電圧端子221、プラグキャップ61及びコイルスプリング62によって構成されている。また、プラグ装着部32は、一次コイル21及び二次コイル22の軸方向に直交して形成されている。タワー部312の外周には、スパークプラグ7の碍子部71の外周に装着されるゴム製のプラグキャップ61が取り付けられている。プラグキャップ61内には、スパークプラグ7の端子部72と高電圧端子221とを導通させるコイルスプリング62が配置されている。
そして、点火コイル1は、コイルスプリング62にスパークプラグ7の端子部72を接触させると共に、プラグキャップ61内にスパークプラグ7の碍子部71を圧入して、シリンダヘッド81に螺合したスパークプラグ7に装着される。
次に、本例の点火コイル1における作用効果について説明する。
本例の点火コイル1において、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなる中心コア23の表面230の少なくとも一次コイル21が巻回される部分は、熱硬化性樹脂からなる樹脂被膜41によって被覆されている。そのため、圧縮成形によって中心コア23の表面230に異物が残留したとしても、樹脂被膜41によってその異物の影響を受けることなく、中心コア23に直接一次コイル21を巻回することができる。これにより、一次コイル21の電線を被覆する絶縁被膜が中心コア23の表面230に残留する異物によって損傷することを防止することができ、一次コイル21の絶縁性を十分に確保することができる。
また、樹脂被膜41によって被覆された中心コア23の少なくとも一部は、弾性を有する弾性被膜42によって被覆されている。そのため、点火コイル1における加熱及び冷却の繰り返しにより中心コア23とその周囲を覆うモールド樹脂部29との間に発生する熱応力を弾性被膜42によって緩和することができ、モールド樹脂部29におけるクラックの発生を抑制することができる。これにより、中心コア23に巻回される一次コイル21の絶縁性を十分に確保しながら、耐熱衝撃性を向上させることができる。
また、本例において、樹脂被膜41は、エポキシ樹脂からなる。そのため、中心コア23の表面230が高硬度で平滑な樹脂被膜41によって被覆されることになる。これにより、一次コイル21の絶縁被膜の損傷をより一層防止することができる。また、樹脂被膜41としてエポキシ樹脂を用いることにより、薄膜の樹脂被膜41によって上述した効果を有効に発揮することができる。また、樹脂被膜41の絶縁性や熱伝導性(放熱性)も優れたものとなる。
また、樹脂被膜41は、熱硬化性樹脂を粉体塗装してなる。そのため、中心コア23の表面230における所望の箇所に熱硬化性樹脂粉末を均一に精度良く塗装することができる。これにより、中心コア23の表面230における所望の箇所に樹脂被膜41を所望の膜厚で均一に精度良く形成することができる。
また、一次コイル21及び二次コイル22の外周側には、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなり、モールド樹脂部29によって覆われた外周コア24が配設されており、外周コア24は、少なくとも一部が弾性被膜42によって被覆されている。そのため、点火コイル1における加熱及び冷却の繰り返しにより外周コア24とその周囲を覆うモールド樹脂部29との間に発生する熱応力を弾性被膜42によって緩和することができる。これにより、モールド樹脂部29にクラックが発生することを抑制することができ、耐熱衝撃性を向上させることができる。
また、弾性被膜42は、シリコーン系樹脂からなる。そのため、本例のように、モールド樹脂部29にエポキシ樹脂を用いたときに、中心コア23(外周コア24)を被覆する弾性被膜42とモールド樹脂部29とを剥離させることができる。これにより、点火コイル1における加熱及び冷却の繰り返しにより中心コア23(外周コア24)とモールド樹脂部29との間に発生する熱応力を低減することができる。これにより、モールド樹脂部29にクラックが発生することをさらに抑制することができ、耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。また、弾性被膜42としてシリコーン系樹脂を用いることにより、薄膜の弾性被膜42によって上述した効果を有効に発揮することができる。
このように、本例によれば、中心コア23に巻回される一次コイル21の絶縁性を十分に確保し、耐熱衝撃性を向上させることができる点火コイル1を提供することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1の点火コイルの二次スプールに発生する電界強度について、FEM解析を行った例である。
本例では、中心コアの表面を被覆する樹脂被膜の厚みに対する二次スプール(絶縁耐力:35kV/mm)に発生する電界強度について、FEM解析を行った。なお、FEM解析の演算には、Design Space(サイバーネットシステム株式会社製)を用いた。
図5にFEM解析の結果を示す。同図は、横軸が樹脂被膜の厚み(μm)、縦軸が二次スプールに発生する電界強度(kV/mm)である。
同図から、中心コアの表面を被覆する樹脂被膜の厚みが大きくなるほど、二次スプールに発生する電界強度も大きくなることがわかった。そして、樹脂被膜の厚みが170μmを超えると、二次スプールに発生する電界強度が絶縁耐力:35kV/mmを超え、二次スプールの絶縁性を確保することができないおそれがあることがわかった。
以上の結果から、点火コイルにおいて、二次スプールの絶縁性を確保するためには、中心コアの表面を被覆する樹脂被膜の厚みを170μm以下とすることが好ましいことがわかった。また、樹脂被膜の厚みを120μm以下とすれば、二次スプールの絶縁性を十分に確保できることがわかった。
1 点火コイル
21 一次コイル
22 二次コイル
23 中心コア
230 表面(中心コアの表面)
29 モールド樹脂部
41 樹脂被膜
42 弾性被膜

Claims (5)

  1. 軟磁性材料粉末を圧縮成形してなる中心コア(23)と、
    該中心コア(23)に巻回された一次コイル(21)と、
    該一次コイル(21)の外周側に配設された二次コイル(22)と、
    熱硬化性樹脂からなり、上記中心コア(23)、上記一次コイル(21)及び上記二次コイル(22)を覆うモールド樹脂部(29)とを備え、
    上記中心コア(23)の表面(230)の少なくとも上記一次コイル(21)が巻回される部分は、熱硬化性樹脂からなる樹脂被膜(41)によって被覆されており、
    該樹脂被膜(41)によって被覆された上記中心コア(23)の少なくとも一部は、弾性を有する弾性被膜(42)によって被覆されていることを特徴とする内燃機関用の点火コイル(1)。
  2. 請求項1に記載の点火コイル(1)において、上記樹脂被膜(41)は、エポキシ樹脂からなることを特徴とする内燃機関用の点火コイル(1)。
  3. 請求項1又は2に記載の点火コイル(1)において、上記樹脂被膜(41)は、熱硬化性樹脂粉体を塗装してなることを特徴とする内燃機関用の点火コイル(1)
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火コイル(1)において、上記一次コイル(21)及び上記二次コイル(22)の外周側には、軟磁性材料粉末を圧縮成形してなり、上記モールド樹脂部(29)によって覆われた外周コア(24)が配設されており、該外周コア(24)は、少なくとも一部が上記弾性被膜(42)によって被覆されていることを特徴とする内燃機関用の点火コイル(1)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の点火コイル(1)において、上記弾性被膜(42)は、シリコーン系樹脂からなることを特徴とする内燃機関用の点火コイル(1)。
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