JP2008308588A - 硬化性組成物および光学デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、カルボキシ末端ブタジエンニトリルゴム変性ビスフェノールA型エポキシ化合物(A−1)および/またはエポキシ化ポリブタジエン化合物(A−2)と、上記(A−1)および(A−2)以外のカチオン重合性化合物(B)とを含有する硬化性組成物であって、当該硬化性組成物の硬化物の25℃、589nmでの屈折率が1.40以上1.60以下であることを特徴とする硬化性組成物に関する。
【選択図】なし
Description
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、硬化によって硬化物を生じる組成物である。そして、上記硬化物は、被接着体と被接着体とを接着する性質を有するものである。すなわち、本発明の硬化性組成物を、被接着体と被接着体とを接着するための接着剤として用いることが出来る。
カチオン重合開始剤の活性化剤を用いることにより、カチオン重合開始剤の活性を高めることが出来る。それ故、本発明の硬化性組成物にカチオン重合開始剤とカチオン重合開始剤の活性化剤と含有させることにより、本発明の硬化性組成物の硬化をより促進することが出来る。上記カチオン重合開始剤の活性化剤としては、例えば、増感剤、ラジカル重合開始剤等が挙げられるが、これらに限定されない。また、増感剤とラジカル重合開始剤とは別々に使用されても良いし、併用して使用されても良い。
シランカップリング剤とは無機材料または金属材料と、硬化性組成物またはその硬化物とを化学的に結合する性質を有するものである。それ故、本発明の硬化性組成物にシランカップリング剤を含有させることにより、本発明の硬化性組成物またはその硬化物の無機材料または金属材料に対する密着性を改良することが出来る。
本発明の硬化性組成物に無機充填剤を含有させることにより、硬化性組成物の粘度または硬化時の体積収縮率を低減することが出来るだけでなく、さらに硬化性組成物の硬化物の熱耐久性も向上することが出来る。上記無機充填剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの無機充填剤は単独でまたは2種以上組み合わせて使用することが出来る。
本発明の硬化性組成物は、例えば、上記カルボキシ末端ブタジエンニトリルゴム変性ビスフェノールA型エポキシ化合物および/またはエポキシ化ポリブタジエン化合物、ならびに、カチオン重合開始剤を攪拌する等の従来公知の方法を用いて混合することにより製造することが出来る。さらに必要に応じて、上記(1)〜(3)の各成分を混合しても良い。
<光学デバイス>
本発明の光学デバイスは、上述した本発明の硬化性組成物を用いて製造されているものである。「本発明の硬化性組成物を用いる」とは、特に限定されず、例えば、本発明の硬化性組成物を、本発明の光学デバイスの部材のコーティングに用いることや、本発明の光学デバイスの部材の接着に用いること等が挙げられる。また、本発明の光学デバイスが、2つ以上の部材を有していれば、上記硬化性組成物を用いて部材同士を接着させることができる。
図1(b)に示すように、ファイバーアレイ10では、上記押さえ基板11の面と上記V溝基板12のリボンファイバー13が配置されている面とが本発明の硬化性組成物14を用いて接着されている。本実施の形態では、V溝基板の溝はV字としたが、溝の形状は、特に限定されず、例えば、U字等を用いることが出来る。
本発明の光学デバイスの製造方法は、本発明の硬化性組成物を部材に塗布する塗布工程と、上記部材の硬化性組成物が塗布されている箇所に少なくとも1以上の部材を密着させる密着工程と、上記硬化性組成物を硬化させることにより部材同士を接着する接着工程とを含んでいれば良く、その他の工程は、光学デバイスを製造するための従来公知の方法を用いることが出来る。
<硬化性組成物の調製>
下記表1に示す割合で各成分を混合し、硬化性組成物を製造した。
50μmのPETフィルム上に、15mm×30mmの穴をあけた100μmのシリコンゴム型枠を置き、シリコンゴム型枠中に硬化性組成物を流し込んだ。その後、硬化性組成物層の上から50μmのPETフィルムを載せた状態で、高圧水銀ランプを用いて20mW/cm2で400s間UV照射した。UV照射後、2枚のPETフィルムとシリコンゴム型枠を外すことで100μmの硬化物を得た。常温で24時間放置した後、100℃2時間ベークを行った。これにより屈折率の測定サンプルが得られた。この測定サンプルを、アタゴ社製アッベ式屈折計NAR−1Tを用いて、25℃、589nmでの屈折率を測定した。そして測定結果を表1に示した。
50μmのPETフィルム上に、15mm×15mmの穴をあけた100μmのシリコンゴム型枠を置き、シリコンゴム型枠中に硬化性組成物を流し込んだ。その後、硬化性組成物層の上から50μmのPETフィルムを載せた状態で、高圧水銀ランプを用いて20mW/cm2で400s間UV照射した。UV照射後、2枚のPETフィルムとシリコンゴム型枠を外すことで100μmの硬化物を得た。常温で24時間放置した後、100℃2時間ベークを行った。これにより屈折率の測定サンプルが得られた。この測定サンプルを、ニコレー社製赤外分光計MAGNA−IR 750を用いて1200nm以上1700nm以下の波長領域の光透過率を測定した。そして測定結果を表1に示した。
(サンプルの作成方法)
ホウケイ酸ガラス上に上記硬化性組成物を0.05g塗布し、60μmのシックネスゲージを介して、離形剤があらかじめ塗布されてあるスライドガラスを離形剤が樹脂に接するように置いた。その後、高圧水銀ランプを用いて、20mW/cm2で400s間UV照射した後、スライドガラスを外すことで、ホウケイ酸ガラス上に接着された膜厚60μmの樹脂組成物を得た。常温で3時間放置した後、100℃2時間ベークを行った。その後常温で24時間放置した。これにより、高温高湿試験前の測定サンプルが得られた。高温高湿試験前の剥離強度およびヤング率はこのサンプルを用いて測定した。
上記作成方法によって得られたサンプルを121℃湿度100RH%環境下に30時間保持した後、常温で24時間放置した。これにより高温高湿度環境試験後のサンプルが得られた。
高温高湿度環境試験前後のサンプルに対してダイプラウィンテス社製SAICASにて、BN切刃を用い、水平速度1μm/sの定速度モードで切刃を移動させた。この時の刃幅当たりの切刃が受ける水平力を剥離強度(kN/m)とした。そして高温高湿度環境試験前後における剥離強度を表2に示した。
高温高湿度環境試験前後のサンプルに対して株式会社フィッシャーインストルメンツ製WIN−HCUにて、ビッカース圧子を用い、荷重増加モードで、速度1mN/sで針入および引き抜きを行った。このようにして、高温高湿度環境試験前後のサンプルのヤング率を測定した。そして、そのヤング率変化を表3に示した。
<硬化性組成物の調製>
カルボキシ末端ブタジエンニトリルゴム変性ビスフェノールA型エポキシ化合物の代わりにエポキシ化ポリブタジエン化合物としてEPB−13(日本曹達(株)社製)を用い、水酸基を有するオキセタン化合物としてOXT−101(東亞合成(株)社製)を加えたこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製した。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の剥離強度およびヤング率を測定した。その結果を表2および3にそれぞれ示す。
<硬化性組成物の調製>
水酸基を有するオキセタン化合物としてOXT−101(東亞合成(株)社製)を加えたこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製した。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の剥離強度およびヤング率を測定した。その結果を表2および3にそれぞれ示す。
<硬化性組成物の調製>
高沸点溶媒に溶解していないオキソニウム塩として、トリフェニルオニウムヘキサフルオロフォスフェート50%プロピレンカーボネート溶液(サンアプロ(株)社製;CPI−100P)の代わりに、高沸点溶媒に溶解しているオキソニウム塩として、トリフェニルオニウムヘキサフルオロフォスフェート(サンアプロ(株)社製;CPI−110P)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして硬化性組成物を調製した。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の剥離強度およびヤング率を測定した。その結果を表2および3にそれぞれ示す。
<硬化性組成物の調製>
カルボキシ末端ブタジエンニトリルゴム変性ビスフェノールA型エポキシ化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製した。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の屈折率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
上記硬化性組成物について、実施例1と同様にして硬化物の剥離強度およびヤング率を測定した。その結果を表2および3にそれぞれ示す。
11 押さえ基板
12 V溝基板
13 リボンファイバー
14 硬化性組成物
20 WDWモジュール
21 第1ファイバーアレイ
22 第2ファイバーアレイ
23 光ファイバー
25 光導波路
26 フィルタ
30 コリメータアレイ
35 コリメータレンズアレイ
36 レンズ
Claims (12)
- カルボキシ末端ブタジエンニトリルゴム変性ビスフェノールA型エポキシ化合物(A−1)および/またはエポキシ化ポリブタジエン化合物(A−2)と、
上記(A−1)および(A−2)以外のカチオン重合性化合物(B)とを含有する硬化性組成物であって、当該硬化性組成物の硬化物の25℃、589nmでの屈折率が1.40以上1.60以下であることを特徴とする硬化性組成物。 - 上記カルボキシ末端ブタジエンニトリルゴム変性ビスフェノールA型エポキシ化合物(A−1)および/またはエポキシ化ポリブタジエン化合物(A−2)は、高沸点溶媒を含有していないことを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
- 上記カチオン重合性化合物(B)は、エポキシ化合物および/またはオキセタン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 上記カチオン重合性化合物(B)は、脂環式エポキシ化合物および水酸基を有するオキセタン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- カチオン重合開始剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の硬化性組成物。
- 上記カチオン重合開始剤が、オニウム塩系光カチオン重合開始剤であることを特徴とする請求項5に記載の硬化性組成物。
- 上記オニウム塩系光カチオン重合開始剤が高沸点溶媒に溶解していないことを特徴とする請求項6に記載の硬化性組成物。
- シランカップリング剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 上記硬化性組成物の硬化物の厚みが100μmであり、当該硬化物の1200nm以上1700nm以下における光透過率が、60%以上100%以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物を用いて製造されていることを特徴とする光学デバイス。
- 上記光学デバイスは、2つ以上の部材を有することを特徴とする請求項10に記載の光学デバイス。
- 上記部材に用いられている材料が、有機材料または合成石英であることを特徴とする請求項10または11に記載の光学デバイス。
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