JP2002060484A - 光硬化性組成物、該組成物を用いた接着方法および接着物 - Google Patents

光硬化性組成物、該組成物を用いた接着方法および接着物

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JP2002060484A
JP2002060484A JP2000251779A JP2000251779A JP2002060484A JP 2002060484 A JP2002060484 A JP 2002060484A JP 2000251779 A JP2000251779 A JP 2000251779A JP 2000251779 A JP2000251779 A JP 2000251779A JP 2002060484 A JP2002060484 A JP 2002060484A
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Hiroyuki Kamimura
浩之 神村
Yutaka Sasaki
裕 佐々木
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、オレフィン系樹脂成形品と被
着体との接着において、接着強度に優れ、かつ高温高湿
の環境下においても接着強度の低下が少ない接着剤層を
形成する光硬化性組成物を提供することである。 【解決手段】長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化
合物(A)、多官能オキセタン化合物および/または多
官能エポキシ化合物(B)、ならびにカチオン重合開始
剤(C)からなる光硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光硬化性組成物に関
し、さらに詳しくは、密着性に優れ、高温高湿下の環境
における接着信頼性が付与された光硬化性組成物、該組
成物を用いた接着方法および該接着方法により得られる
接着物に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な分野において、成形材料として熱
可塑性オレフィン系樹脂成形品の技術が進展し、耐熱、
耐湿性に優れた熱可塑性成形品が開発され、他の材料か
ら熱可塑性樹脂への置き換えが進行している。しかし、
極性基を有しない熱可塑性オレフィン系樹脂成形品と他
の被着体の接着において、短時間で硬化し、両者と高い
親和性を有し高温高湿下での接着信頼性が高い接着剤は
知られていない。その為、従来の接着剤を用いた場合、
高温高湿下では温度変化による線膨張係数のわずかな
差、あるいは接着性組成物の吸湿により、接着面が剥離
するという問題があった。例えば、特開平7−1383
32号公報および特開平7―90228号公報にアクリ
ル系の熱可塑性オレフィン系樹脂用接着剤が記載されて
いるが、本発明者らが検討した結果、これらの接着剤で
は充分な耐水性が得られないことがわかった。一方、エ
ポキシ系の光硬化型接着剤組成物は一般的に耐熱性に富
み、凝集力が高く、接着強度が大きいことが知られてい
るが、反応性が低いため、充分な接着強度を出すために
光照射後に熱処理が必要であるという問題があり、例え
ば、特開平6−264043号公報に記載されるエポキ
シ系接着剤についても、光硬化だけでは完全硬化せず、
後処理として熱硬化させる必要がある。さらに、低分子
量のエポキシ化合物の大半は変異原生試験で陽性である
ため、人体に有害の恐れがあり、安全性の面からも配合
組成が制限されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、オレ
フィン系樹脂成形品と被着体との接着において、接着強
度に優れ、かつ高温高湿の環境下においても接着強度の
低下が少ない接着剤層を形成する光硬化性組成物を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意検討した結果、特定の組成を有する光
硬化性組成物を接着剤として用いることにより、極性基
を有しないオレフィン系樹脂成形品同士あるいは他の被
着体との接着において、接着強度に優れ、かつ高温高湿
条件下における信頼性試験後にも強固に接着することを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化合物
(A)、多官能オキセタン化合物および/または多官能
エポキシ化合物(B)、ならびにカチオン重合開始剤
(C)からなる光硬化性組成物である。
【0005】
【発明の実施の形態】(A)長鎖アルキル基を有するカ
チオン重合性化合物 本発明における長鎖アルキル基を有するカチオン重合性
化合物とは、炭素数が6以上のアルキル基を有し、かつ
少なくとも1つのカチオン重合性基を有する化合物であ
り、長鎖のアルキル基としては、炭素数が6〜30のア
ルキル基が好ましい。また、カチオン重合性基として
は、ビニルエーテル基、エポキシ基およびオキセタニル
基などが挙げられ、これらの中でも、オキセタニル基を
有する化合物は(以下、「オキセタン化合物」ともい
う)、反応性が良好であり、短時間での光硬化が達成さ
れるため好ましく使用される。
【0006】長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化
合物として、下記式(1)で表される化合物が好まし
い。
【0007】
【化1】
【0008】式中、R1はメチル基またはエチル基を示
し、R2は炭素数6〜30の炭化水素、フェニル基また
はベンジル基を示す。前記式(1)において、R2とし
ては炭素数6〜18のアルキル基が好ましく、2−エチ
ルヘキシル基等の分岐アルキル基が他成分との相溶性の
面で特に好ましい。なお、R2がフェニル基であるオキ
セタン化合物の例は、特開平11−140279号公報
に記載され、R2が置換されていても良いベンジル基で
あるオキセタン化合物は特開平11−16804号公報
に記載されている。R1がエチル基であり、R2が2−エ
チルヘキシル基であるオキセタン化合物は、優れた希釈
剤、硬化促進剤、柔軟性付与剤および表面張力低下剤と
して、特に好ましく使用される。
【0009】本発明における光硬化性組成物において、
多官能オキセタン化合物および多官能エポキシ化合物
は、組成物の硬化速度を向上させ、さらに硬化後の強度
を制御する目的で使用される。 (B)−1 多官能オキセタン化合物 多官能オキセタン化合物としては、下記式(2)で表さ
れる化合物が例示される。
【0010】
【化2】
【0011】式中、mは2以上の自然数を示し、R3
メチル基またはエチル基を示し、R4はm価の連結基を
示す。
【0012】(B)−2 多官能エポキシ化合物 多官能エポキシ化合物は、化合物(A)および後記オレ
フィンユニットの連鎖を有する高分子化合物との相溶性
があれば特に限定されない。例えば、ジシクロペンタジ
エンオキサイド、リモネンジオキサイド、4−ビニルシ
クロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)ア
ジペート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
アルコール、(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘ
キシル)メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート、エチレン1,2−ジ(3,
4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸)エステル、
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、フェニルグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、o−、m
−、p−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコールのポリ
グリシジルエーテル等が例示される。
【0013】(C)カチオン重合開始剤 カチオン重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ヨード
ニウム塩、スルフォニウム塩、セレニウム塩、ピリジニ
ウム塩、フェロセニウム塩、フォスフォニウム塩、チヲ
ピリニウム塩が挙げられるが、熱的に比較的安定である
芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩等のオ
ニウム塩光開始剤が好ましく使用される。なお、オニウ
ム塩光開始剤を活性化させるためには、紫外線・可視光
の照射が好ましい。
【0014】芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルフ
ォニウム塩等のオニウム塩光開始剤を使用する場合、ア
ニオンとしてはBF4 -、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -
B(C654 -などが挙げら、これらの中でも、B(C
654 -をアニオンとしたヨードニウム塩はオキセタン
化合物との相溶性も良く好適である。
【0015】前記光硬化性組成物において、各成分の質
量部は、光硬化性組成物の全体量を100質量部に対し
て、長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化合物
(A)が5〜90質量部、多官能オキセタン化合物およ
び/またはエポキシ化合物(B)が10〜90質量部、
ならびにカチオン重合開始剤(C)が0.1〜20質量
部である。(A)が5質量部より少ないと接着性組成物
の相溶化が困難であり、90質量部を超えると硬化物の
硬度が低下し、接着強度等が低下する。また、(B)が
10質量部より少ないと硬化速度および硬化物の硬度が
低下し、90質量部を超えると硬化物の硬度が高すぎる
ため、基材への密着性が低下する。
【0016】光硬化性組成物には、さらにカチオン重合
開始剤の活性を高めるため、光ラジカル重合開始剤を併
用することが好ましい。光ラジカル重合開始剤として
は、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン
類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン
エーテル類、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニル
エタン−1−オン等のベンジルジメチルケタール類、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン等のα−ヒドロキシアルキ
ルフェノン類、カンファーキノン等のα−ジカルボニル
化合物等が挙げられ、中でもチオキサントン類が最もオ
ニウム塩の活性を高め好適である。光ラジカル重合開始
剤は、光硬化性組成物100質量部に対して、0.1〜
20質量部使用することが好ましい。
【0017】さらに光硬化性組成物にオレフィンユニッ
トの連鎖を有する高分子化合物を添加することにより、
オレフィン系熱可塑性樹脂成形品に対する接着強度は増
大する。オレフィンユニットの連鎖を有する高分子化合
物は、分子中にエチレンユニット、ブチレンユニット、
エチレン−ブチレンユニット等のポリオレフィンユニッ
トの連鎖を少なくとも10以上有する高分子化合物であ
り、溶解性に優れるという理由から、数平均分子量が
1,000〜10,000の化合物を用いるのが好まし
い。また、オキセタニル基およびエポキシ基と反応し得
る構造たとえばエポキシ基などのカチオン反応性部位を
有する高分子化合物を用いると更に好ましい。
【0018】オレフィンユニットの連鎖を有する高分子
化合物としては、ポリオレフィン系オレフィンユニット
の連鎖を有する高分子化合物が好ましく、エチレン・ブ
チレン、エチレン・ブチレン・スチレン、エチレン・ブ
チレン・イソプレン、エチレン・ブチレン・ブタジエン
等のユニットが例示させる。また、これらのブロックコ
ポリマーを水素添加あるいは酸化等で変性させエポキシ
基、水酸基などの官能基を導入した高分子化合物は相溶
性が良くなるため、さらに好ましい。オレフィンユニッ
トの連鎖を有する高分子化合物の添加量は本発明の光硬
化性組成物に相溶する限り添加でき、光硬化性組成物1
00質量部に対し、1〜200質量部であることが好ま
しい。
【0019】さらに、光硬化性組成物にシランカップリ
ング剤を添加するすることが好ましい。シランカップリ
ング剤とは無機材料や金属材料を樹脂組成物とを化学的
に結合する性質を有するものである。このシランカップ
リング剤の併用により、無機材料や金属材料への密着性
を改良することができる。シランカップリング剤として
は、1分子中にエポキシ基及びトリメトキシシリル基あ
るいはトリエトキシシリル基を有するエポキシシラン類
が好ましく用いられる。シランカップリング剤の好まし
い使用範囲は、特に限定されないが、光硬化性組成物1
00質量部に対して0.5〜10質量部であることが好
ましく、1〜5質量部が特に好ましい。
【0020】さらに、光硬化性組成物に充填剤を添加す
ることで組成物の粘度または硬化時の体積収縮率を低
減、さらに硬化した組成物の熱耐久性を改良することが
できる。充填剤としては、シリカ、アルミナ、炭酸カル
シウム、タルク、酸化チタン等を挙げることができる。
【0021】前記光硬化性組成物は、オレフィン系樹脂
成形品とレンズ・ミラー等の無機透明材料、成形性に優
れたポリフェニレンスルフィド・エポキシ樹脂等の成形
樹脂と透明なオレフィン系樹脂成形品との接着性に優
れ、特にオレフィン系樹脂成形品と無機透明部材との接
着おいて好ましく使用される。
【0022】本発明における光硬化性組成物を接着剤層
に用いる場合、光硬化性組成物を被着体の両方または片
方に塗布し、直ちに塗布面を貼り合せ、動かない様に固
定した後、高圧水銀、ハロゲンランプ、メタルハロゲン
ランプおよび太陽光等の光源による可視光または紫外光
を照射することにより、硬化が1分未満の短時間でおこ
り、強い接着力が得られる。例えば、照度が100mW
/cm2で1〜60秒程度の短時間で硬化させることが
できる。
【0023】前記光硬化性組成物の成分である長鎖アル
キル基を有するカチオン重合性化合物はオレフィン系樹
脂成形品の表面に対する密着性を向上させ、多官能オキ
セタン化合物および多官能エポキシ化合物は硬度の向上
と共に硬化速度を向上させる。また、光ラジカル重合開
始剤をカチオン重合開始剤に共存させることで低照射エ
ネルギー照射且つ速硬化を達成できる。さらに、オレフ
ィンユニットの連鎖を有する高分子化合物を添加するこ
とで、オレフィン表面に対する密着性がさらに向上し、
光硬化性組成物の粘度調整も可能となる。
【0024】オレフィン系樹脂成形品同士またはガラス
などの無機材料との接着に、本発明における光硬化性組
成物を使用すると、常態でも引張り剪断接着強度が1メ
ガパスカル(MPa)を超え、さらには接着後、高温高
湿下での劣化試験を実施しても0.1MPa以下に接着
強度が低下せず、高い接着強度を保持する。
【0025】また、透明な光学材料であるノルボルネン
樹脂との強い密着性を示すことから、本発明における光
硬化性組成物は光ピックアップ部品のノルボルネン樹脂
性レンズと基材との接着、ノルボルネン樹脂シートの貼
り合せ、およびノルボルネン樹脂とプリズムとの接着等
に好適である。
【0026】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明する。以下、「部」及び「%」はいずれも質量基準に
よるものとする。実施例において、長鎖アルキル基を有
するカチオン重合性化合物として2−エチルヘキシルオ
キセタン(東亞合成(株)製:商品名EHOX)、多官能
オキセタン化合物としてビス(3−エチル−3−オキセ
タニルメチル)エーテル(東亞合成(株)製:商品名D
OX)、多官能エポキシ化合物として3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカーボネート(ユニオンカーバイド社製:商品名UV
R−6110)、カチオン重合開始剤としてトリルクミ
ルアイオドニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート(ローヌ・プーラン社製:商品名ロドシル
フォトイニシエイター2074)、光ラジカル重合開始
剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン(チバスペシャリティーケイミカル
ズ株式会社製:商品名ダロキュア1173)、オレフィ
ンユニットの連鎖を有する高分子化合物として油化シェ
ル社製EKP−207(商品名)、シランカップリング
剤としてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(日本ユニカー株式会社製:商品名A−187)、充填
剤として日本アエロジル社のアエロジルR974(商品
名)を使用した。
【0027】実施例1〜6 下記表1に示す割合で上記各成分を混合調整し、下記の
条件で接着を行ない、接着強度を測定した。 1.試験に用いた被着体 (2)ノルボルネン樹脂:25mm×50mm×2mm
の日本ゼオン(株)製のゼオネックス480R(商品
名)を使用した。 (3)ガラス板:MATSUNAMI GLASS IND.,LTD製 MICR
O SLIDE GLASS(76mm×26mm×1.5mm)を使用
した。 2.接着条件 接着面積:12.5mm×25mm、照射光源:メタル
ハロゲンランプ、硬化時の積算光量:1,000〜4,
000mJ/cm2(365nm)の条件で接着させ
た。 3.接着強度の測定 (1)光照射後、23℃×50%RH環境下で1時間以
上静置後、初期の接着強度を測定した。 (2)光照射後、高温高湿下の劣化試験として50℃×
95%RH環境下に168時間静置し、その後、23℃
×50%RH環境下で1時間〜24時間静置させた後、
50℃×95%RH×168H後の接着強度を測定し
た。 なお、引張り剪断試験による接着力の測定は、引張り速
度20mm/minで測定した。測定結果を表1に示
す。
【0028】
【表1】
【0029】表1における略号は、以下の化合物を示
す。 1)EHOX:2−エチルヘキシルオキセタン(東亞合
成(株)製) 2)DOX:ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチ
ル)エーテル(東亞合成(株)製) 3)UVR−6110:3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボネー
ト(ユニオンカーバイド社製) 4)2074:トリルクミルアイオドニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート(ローヌ・プーラ
ン社製) 5)ダロキュア1173:2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン(チバスペシャリテ
ィーケイミカルズ株式会社製) 6)EKP−207:油化シェル社製EKP−207
(商品名) 7)A−187:γ―グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン(日本ユニカー株式会社製) 8)アエロジル972:日本アエロジル社製のアエロジ
ルR974(商品名)
【0030】実施例1と実施例2を比較すると、EHO
Xの添加部数が10部である実施例1において、高温高
湿下の劣化試験後のゼオネックス/ゼオネックスの接着
強度が0.49MPa、また、高温高湿下の劣化試験後
のゼオネックススの接着強度が0.12MPaであるの
に対し、EHOXの添加部数が60部である実施例2で
はそれぞれ接着強度が0.78MPaおよび0.39M
Paと増大した。
【0031】実施例2と実施例3を比較すると、シラン
カップリング剤であるA−187を添加していない実施
例2において、高温高湿下の劣化試験後のゼオネックス
/ガラスの接着強度が0.39MPaであるのに対し、
A−187を添加した実施例3では1.42MPaと増
大した。
【0032】実施例2と実施例4を比較すると、オレフ
ィンユニットの連鎖を有する高分子化合物として油化シ
ェル社製EKP−207を添加した実施例4では、被着
体破壊を考慮すると、ゼオネックス/ゼオネックス、ゼ
オネックス/ガラスの初期および高温高湿下での劣化試
験後の接着強度がすべて向上した。
【0033】実施例7〜実施例9 (セットタイムの比較)実施例5の組成物から光ラジカ
ル重合開始剤を抜いたものを組成物A(実施例7)、実
施例5の組成物を組成物B(実施例8)、組成物Aにダ
ロキュア1173と同部数の2−イソプロピルチオキサ
ントンを添加したものを組成物C(実施例9)として調
整した。
【0034】被着体であるノルボルネン樹脂としては、
25mm×50mm×2mmの日本ゼオン(株)製のゼオ
ネックス480R(商品名)を使用した。組成物A、組
成物Bおよび組成物Cに照度100mW/cm2(36
5nm)の光を照射した場合の接着するまでの時間(セ
ットタイム)を測定した。組成物Aではセットタイムが
40秒であったの対して、組成物Bおよび組成物Cは4
秒および2秒と硬化速度が大幅に向上した。結果は下記
表2に示すが、光ラジカル重合開始剤を添加することに
より、硬化時間が大幅に短縮されることを明らかになっ
た。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の光硬化性組成物は光硬化型接着
剤としてオレフィン系樹脂成形品の接着に用いると接着
強度に優れている。さらに、高温高湿の環境下における
信頼性試験後でも接着力の低下が見られない。従って、
本発明の光硬化性組成物は、従来は接着が困難といわれ
ていたオレフィン系樹脂成形品の接着剤として利用価値
が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/1525 C08K 5/1525 5/541 C08L 23/00 C08L 23/00 63/00 A 63/00 71/00 Z 71/00 C09J 163/00 C09J 163/00 171/02 171/02 201/00 201/00 C08K 5/54 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA21 AA42A AA42B AA51A AA62B AB01B CA08 CB01 CC03 CC04 CD03 4J002 BB013 BB033 BB173 CD001 CD002 CD051 CD061 CD181 CH031 DE138 DE148 DE238 DJ018 DJ048 EA046 EQ006 EV296 EW176 EX007 EX037 FD018 FD156 FD207 GJ01 HA05 4J005 AA07 BB02 4J036 AA01 AD08 AF06 AF07 AJ09 AK19 CD12 DB30 FA01 FA10 FA12 FA13 FB02 FB05 FB12 GA20 GA22 GA23 GA24 GA25 GA26 HA02 JA06 KA01 4J040 CA061 CA062 DA031 DA032 DA041 DA042 EC031 EC032 EC051 EC052 EC061 EC062 EC071 EC072 EC151 EC152 EC261 EC262 EE031 EE032 GA08 HA136 HA196 HA306 HA356 HB06 HB13 HB19 HB20 HC14 HC22 HD18 HD19 HD21 HD32 HD41 HD43 JB08 KA12 KA13 KA16 KA17 KA23 KA31 KA42 LA01 LA06 LA08 MA11 PA32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化
    合物(A)、多官能オキセタン化合物および/または多
    官能エポキシ化合物(B)、ならびにカチオン重合開始
    剤(C)からなる光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】さらに光ラジカル重合開始剤を含有する請
    求項1記載の光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】さらにオレフィンユニットの連鎖を有する
    高分子化合物を含有する請求項1または請求項2記載の
    光硬化性組成物。
  4. 【請求項4】さらにシランカップリング剤を含有する請
    求項1〜請求項3のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  5. 【請求項5】さらに充填剤を含有する請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  6. 【請求項6】長鎖アルキル基を有するカチオン重合性化
    合物(A)が、長鎖アルキル基を有するオキセタン化合
    物である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の光硬化
    性組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項6のいずれかに記載の光
    硬化性組成物を、オレフィン系樹脂成形品の接着面また
    はオレフィン系樹脂成形品との被着体の接着面に塗布
    し、オレフィン系樹脂成形品の接着面と被着体の接着面
    を密着させ、次いで、接着面に光を照射して光硬化性組
    成物を硬化させることを特徴とするオレフィン系樹脂成
    形品と被着体の接着方法。
  8. 【請求項8】オレフィン系樹脂成形品が熱可塑性ノルボ
    ルネン系樹脂である請求項7記載の接着方法。
  9. 【請求項9】請求項8または請求項9記載の接着方法で
    接着させたオレフィン系樹脂成形品と被着体の接着物。
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